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「栄養表示基準の一部を改正する消費者庁告示案」 に対する御意見の

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「栄養表示基準の一部を改正する消費者庁告示案」 に対する御意見の
「栄養表示基準の一部を改正する消費者庁告示案」
に対する御意見の募集結果について
平成21年12月17日
消費者庁食品表示課
「栄養表示基準の一部を改正する消費者庁告示案」について、平成21年11月2日から12
月2日までの間、消費者庁ホームページを通じて御意見を募集したところ、4件の御意見
が寄せられました。
頂いた御意見及び御意見に対する消費者庁としての対応・考え方を次のとおり公表いた
します。
御協力ありがとうございました。
【意見公募期間】 平成21年11月2日(月)から同年12月2日(水)
【意見提出方法】 郵送、FAX、電子メール
【頂いた御意見及びこれに対する消費者庁の考え方】
頂いた御意見
消費者庁としての対応・
考え方
改正案は、問題ありませんが、本年度5月に厚生労働省から発 改正案に御賛同いただ
表された2010年度から2015年度まで使用される[日本人の食事摂 いた御意見として承りま
取基準 2010年版]にあわせて、各種表示基準値は変更されるの す。
でしょうか?変更されるのでしたら、早めに公開をお願いいたし また、頂いた御意見に
ます。
ついて、今回の改正案が
対象としているものでは
ありませんが、御意見と
して承りました。
今般の告示案には、異論ありません。
改正案に御賛同いただ
しかし、栄養表示基準で対象となります「たんぱく質」
、
「脂質」
、 いた御意見として承りま
「炭水化物」
、
「亜鉛」等々の栄養成分の定義と日本人の食事摂取 す。
基準(2010年版、厚生労働省)あるいは日本食品標準成分表(五 また、
頂いた御意見は、
訂増補、文部科学省)の定義が異なるようでは、現場での無用な 今後の行政運営の参考と
混乱が生じることになると思います。
させて頂きます。
「たんぱく質」にペプチドを含むのか含まないのか、ビタミンA
は「ビタミンA効力」か「レチノール当量」か、炭水化物を微量に
含む食品では「差し引き法」で求めることが適当でないので全糖
の分析値に基づいた表示量とする等、定義(あるいは測定法)を
揃えるように、調整していただきたいと思います。
食品表示のうちでダイエットやメタボが気になる人や糖尿病や 頂いた御意見は、今後
高血圧症などの疾患を持っている人が、真っ先に見るのが栄養成 の行政運営の参考とさせ
分表示。しかし、この栄養成分表示、特に、炭水化物とナトリウ て頂きます。
ム表示について「よくわからない」という声も多い。ダイエット
やメタボを気にしている人、糖尿病の人が知りたいのは糖質や糖
分量なのだが、炭水化物のみの表示が多く、いったいどれぐらい
糖質や糖分が入っているのかがわかりづらい。
大田区消費生活センターなどでは、清涼飲料水にどれくらい砂
糖が含まれているのかを3gの砂糖のスティックを使って展示し
ていたが、子供がよく飲んでいる清涼飲料水の中には350ml
の中に17本のスティック(砂糖51g)が入っていた。
子どもの成人病が危惧されている昨今、砂糖の量がきちんと明
記されているなら果たしてお母さん方はその飲料を子どもに与え
るだろうか。缶コーヒー250mlの中にも砂糖20g以上入っ
ているものもあり、一日に何缶も飲む人は要注意なのだが、栄養
成分表示を見ても砂糖の量を意識せずに購入している人は多い。
また、高血圧症や腎臓病の人が気にしている塩分も「ナトリウ
ム」表示なのでピンと来ていない人が多いようだ。ナトリウムに
ナトリウム量がの2.54倍で塩分相当量になるというがすぐさ
ま計算できる人がどれくらいいるのだろうか。
栄養成分表示が100gや100ml・単位の表示になってい
るものも多い。消費者は280mlの飲料なら自分で2.8倍し
なければならない。カロリーや糖分、塩分の多いものは、数字が
小さくなるように100gや100ml単位で表示され、ビタミ
ンCなどの栄養成分を強調したい時は、商品が100gや100m
lないものでも100gや100ml単位で表示されるという傾
向がある。1個当たりや1本当たりなど目安になる数字も併記す
べき。
現状での栄養成分表示はメーカーが売りやすくするための表示
であって消費者のための表示ではないように思える。栄養成分表
示は、消費者が手にとってすぐに理解できる表示、面倒な計算を
しないでもわかりやすい表示を目指すべきだ。
以下の件が、今回の栄養表示基準の一部改正に関する意見にそ
頂いた御意見につい
うものか分かりませんが、ご提案させていただきます。
て、今回の改正案が対象
①栄養表示基準「鉄」について
としているものではあり
鉄には、ピロリン酸鉄やクエン酸鉄などの「非ヘム鉄(無機鉄)
」 ませんが、御意見として
と「ヘム鉄」の素材があります。一般に生体内での非ヘム鉄の吸 承りました。
収率は2~5%、ヘム鉄を含む食品は15~30%と言われ、臨床試
験による報告もあります。また、ヘム鉄を含む食品は特定保健用
食品としても認可されております。
食品添加物の規格値は、非ヘム鉄(無機鉄)は鉄含有量が約25
%(例:ピロリン酸鉄第二鉄)であるのに対して、ヘム鉄は1.0~
2.6%の規格に定められております。
栄養表示基準の鉄の規格は2.25~10mgであり、その量を添加す
る場合、鉄含量から換算すると非ヘム鉄より多く添加することに
なります。例えば、
「鉄5mg配合」の商品の場合、ピロリン酸第二
鉄は20mgであるのに対し、ヘム鉄(1%品)では500mgと多く添加
しなくてはなりません。ヘム鉄が非ヘム鉄より約5倍吸収率が良
いとされているので、この場合、5mg×5倍=25mg相当の鉄補給と
同等と考えられます。
それに加え、
「ヘム鉄」は胃壁を荒らさず、腸での吸収機構が「非
ヘム鉄」と違いがあり、ビタミンC等の吸収促進素材は必要なく、
タンニン等の吸収阻害を受けず、それ故に体内での吸収率にも大
きな差となって現れます。
そのため、栄養機能表示「鉄」の2.25mg~10mgにて、
「ヘム鉄」
と「非ヘム鉄」を同等量に考えられているのは疑問に思う点がご
ざいます。
また、現在市場にある鉄強化食品などには、設定範囲の中でも
高含有にした方が商品価値が高いという認識があるようで、
「非ヘ
ム鉄」を使用して、鉄含有量を高めに設定される場合も多く見受
けられます。
もし、注釈などで例えば「ヘム鉄の場合は、吸収率が高いため
規定量が1/5でも良い」などをご検討いただければ、国民の鉄摂取
に多くの選択肢が出来、安全且つ利用シーンが増え、鉄の栄養改
善に貢献できると思います。
ご検討の程、何卒よろしくお願い致します。
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