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利根沼田地域 市町村懇談会>意見交換

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利根沼田地域 市町村懇談会>意見交換
<利根沼田地域 市町村懇談会>意見交換(要旨)
開催日
場 所
1
平成24年7月9日(月)
片品村役場2階農林研修室
県提案テーマ
国際戦略の推進について
<企画部長>
日本の社会全体が人口減少を迎え、これからは交流人口を拡大して地域の経済を活性化していくこ
とが必要である。県では急激な勢いで経済成長を続けている東アジアの勢いを取り込み、県経済の活
性化につなげていくため、観光誘客の促進、農畜産物の販路拡大、企業ビジネス展開の支援を3本柱
とする国際戦略を昨年度策定した。この戦略は、対象となる5つの地域(上海、中国東北部、香港、
台湾・韓国、ASEAN諸国)のそれぞれの特性に応じて、具体的な数値目標を設定して取り組んで
いきたいと考えている。推進体制であるが、4月から企画部内に国際戦略課を新設し、県庁内全体の
連携を図っていくとともに、香港にある日本政府観光局(JNTO)に職員を1名派遣している。そ
れから、来年度、上海に群馬県の事務所を設置するとともに、北京の自治体国際化協会事務所に職員
を派遣したいと考えている。
これらの取り組みを効果的に推進していくため、市町村や県内の様々な団体などと連携し、これま
で培われてきた交流の実績や人的ネットワークなどを共有して取り組んで行けたらと考えている。主
に経済的な取り組みを中心に戦略が組み立てられているが、市町村の意見や提案をいただきたい。
<沼田市長>
最近の中国のゴールデンツアーの典型例は、関西国際空港から入国し、京都等に1泊、箱根に1泊
して東京で買い物して羽田空港から帰国するというものであり、料金は10万円位である。利根沼田
に来てもらうには新潟県と連携し、新潟空港から入国してもらって猿ヶ京温泉、老神温泉、みなかみ
温泉それから吾妻を抱き合わせにして2泊してもらい、東京で買い物してから京都、奈良に1泊して
帰国してもらう、という戦略が考えられる。
<知事>
今、新潟と群馬と埼玉で連携して縦のゴールデンルートという形で取り組んでいる。
<片品村長>
村で私が会長を務める組織の職員の義兄弟に台湾で顔の利く人がいて、6月24日から27日まで
利根沼田県民局長と一緒にインバウンドの関係で台湾に行ってきた。行く前に台北でどの国が一番好
きかというアンケートが行われ、その結果1番目は日本で41%、2番目は中国、アメリカで8%だ
った。台北ではスキー連盟や自転車連盟の理事長、さらに教育関係の幹部に会い、台中市では徐副市
長に会えたが、アンケートのとおり日本を大変好意的に思っていることが実感できた。8月19日に
望郷ラインで行われるセンチュリーライドでは、徐副市長をはじめ100人位が来てくれるという方
向で進んでいる。ただし、台湾の人は群馬県のことをほとんど知らない状況であり、成田から入国し
て長野県に行っている。新潟空港から来てもらうとしても、新幹線とのアクセスが少し悪いという話
も聞いているが、群馬の利便性などを説明した結果、利根沼田に来てもらえる要素は十分あると感じ
ている。
-1-
う お う
中国との関係については、10月の20日、21日に禹王サミットを予定している。禹王は中国の
4070年ほど前の治水の神で、1回目のサミットが神奈川県の開成町で行われた時、中国の関係者
が多数出席している。今回も一人でも多くの人が来て、中国への観光PRが出来ればと考えているの
で、県にも力を貸していただきたい。
<知事>
8月19日は都合がついたら私も顔だけは出させていただく。
<川場村長>
これからは健康の時代である。首都圏の人達も含め、外国の人に利根沼田の食べ物を食べて健康に
なってもらい、そこに人間ドックを取り入れて4、5日滞在してもらえばよいのではないか。
<昭和村長>
昭和村はこんにゃく芋の生産量が日本一であり、農地面積の1/3がこんにゃくで占められている。
そこで、こんにゃくをブランド商品化して海外に売ることを考えており、ジャパンブランドで開発し
たこんにゃく入りのハンバーグを、ロシアのウラジオストクの日本市に出品してきた。現地に行って
みると、色々な問題が発生する。昨年、利根沼田日露協会が発足されたので、そうした組織と連携を
図ったらどうか、という意見もある。
また、今年の年明けにアメリカのロサンゼルスの日本市に出品してきたが、やはりアメリカの方が
比較的話が進みやすいようである。いずれにしろ、色々な検討課題があり、村単独では難しいので、
県の国際戦略課と連携を図りながら、観光と農産物の販売を今後研究していきたい。
<みなかみ町長>
先ほど観光、農畜産物の販売、企業支援という話があったが、基本は観光だと思っている。町内企
業で海外に進出する企業もあるが、今のところ支援していない。中国からの誘客については、今まで
箱根、伊豆、奈良、京都に行った人を3泊4日10万円で法師や谷川に呼ぶ、ということになるかと
思うが、旅館の話を聞くと、中国人を8,000円で泊めよう、という声はまだ出ておらず、欧米や
台湾がいい、という声が強い。今年度は議員の調査団が台湾に行く予定であり、また、台湾からモニ
ターを招く予定もある。教育旅行で台湾から来てくれる高校生も増やしたいが、ネックは利根沼田の
高校生の少なさである。この間、台湾と日本の高校生の交流を行うため、利根沼田の高校生全部に動
員をかけたが、これ以上は台湾からの高校生を増やせない。そこで、前橋・高崎・渋川の高校生と交
流し、伊香保ではなく水上に来てもらう仕組みを作っていきたいと思っている。
そう ごう
また、農産物の販売については、香港で試験的に行ってみたいと思っている。町では香港の聯合国
際学院と協定を結んでおり、チャンネルがある。
県で国際戦略課をつくってもらったので、多面的な課題に取り組んでいきたいと思っている。大変
期待しているのでよろしくお願いしたい。
<知事>
国際戦略は動き出してまだ日が浅いが、その中でも色々な形が見えてきたと思っている。やはり台
湾は非常に親近感があり、県の温泉地の人も台湾を第一に考えている。県としてはこれから香港、上
海も視野に入れて取り組んでいくが、旅館にどれだけ中華圏の観光客を受け入れる体制や腹づもりが
出来ているかが大きな問題になると思う。値段が高ければ高いほど良いという香港の人もいれば、沼
田市長の言ったように10万円前後で旅行したい、という人もいる。これから上海事務所を設置する
などして色々な壁をクリアしていかなければならない。皆さんと連携し、ステップを踏んでいきたい。
<企画部長>
-2-
色々な意見をいただき、大変ありがたい。観光誘客については、沼田市長、みなかみ町長から話の
あったとおり、日本に初めて来る人はどうしても京都、富士山、東京に行ってしまう。したがって、
日本が2度目、3度目の人をぜひ群馬に連れてきたいと考えている。新潟、埼玉、群馬3県の知事会
議でも、新潟空港から入国して群馬県に宿泊し、東京で買い物をして帰る、というゴールデンルート
の商品開発に取り組んでいこう、ということになっており、これから具体的なツアーの構成や現地関
係者の招聘をしていきたい。
川場村長から人間ドックを取り入れてはどうかという意見があった。中国では日本の物に対する信
頼性が高く、民間ベースでは人間ドックと温泉、ゴルフといった中身でツアーを構成するということ
が実際に進んでいると聞いている。こうした事も、これから群馬県に観光客を呼び込むための大きな
ツールになるのではないかと考えている。
それから、中国に行って感じたことだが、群馬県のことが非常に知られていない。群馬県はどこに
あるのか、ということから説明を始めなければならなかった。こうしたことを踏まえ、今後、上海を
中心に色々なところで群馬の情報発信をしていきたいと考えている。
<知事>
意見はたくさんあるかと思う。皆さんとしっかり連携していきたい。
2
市町村提案テーマ
(1)新エネルギーの普及促進支援について
<沼田市長>
本市では、今年度、県の補助を受けて小水力発電の可能性調査を実施し、来年度には小水力発電を
導入したいと考えている。ついては、特区の活用や各種規制緩和などの専門的な技術的支援をお願い
したい。
<企画部長>
県では、再生可能エネルギーの導入を27年度までに約20%増やすという目標を掲げている。太
陽光発電については、23年度に引継ぎ事業者とのマッチングを今年も計画している。小水力発電に
ついては、話にあったように調査費の補助をしており、調査が終わった後、どう事業化に繋げていく
かというモデルを研究している。ぜひ一緒に取り組んでいきたいと思っているので、よろしくお願い
したい。
<知事>
県も努力していきたいと思っているので連携をよろしくお願いしたい。
(2)尾瀬学校について
<片品村長>
尾瀬学校は知事が始められて今年で5年になるが、順調に伸びている。今年の春、尾瀬ヶ原の木道
を歩いている人が運悪く落雷で亡くなるという事故が起きて、キャンセルもあったが、昨年度に比べ
9校、300人近く増えている。そうした中で、春に県町村会の産業振興部会が片品村の視察に来た
が、その時、尾瀬学校の話題になり、上野村、下仁田町、嬬恋村、草津町、板倉町あるいは千代田町
-3-
といったところから日帰りで来るのはきついので、県に協力してもらい尾瀬に宿泊してもらおう、と
いう話になった。
それから、同じ尾瀬の敷地内にある福島県の宿泊施設には、国からの復興交付金が、福島県を通し
て1泊2,000円出ている。今年度の尾瀬学校は7校の宿泊が予定されているが、2校は片品村の
施設を使わず、福島県の施設を使う予定である。確かに2,000円安ければそちらを使いたくなる
のが心情だが、それでは片品村で営業している人がどんどん厳しくなる。今年が無理なら来年度、適
当な対策を取ってほしい。
<知事>
復興交付金は、同じ場所にあるから、ということで、国にお願いに行かざるを得ないと思う。
<環境森林部長>
県としても、尾瀬学校に参加する児童生徒にゆっくり尾瀬を見てもらうため、山小屋宿泊での実施
の増加策を推進している。23年度から山小屋に宿泊した場合、2日分のバス借上料、2日分のガイ
ド料、ガイドの宿泊料を補助対象としている。ただし、学校行事には色々あり、修学旅行、林間学校
等は基本的に参加者の負担金で賄われているので、参加者の宿泊料まで助成を広げるのは難しい部分
がある。2泊3日で林間学校に来て、そのうち1日、日帰りで尾瀬を使う、という学校が昨年は25
校位あったので、1泊は尾瀬に切り替えてもらいたい、と働き掛けている。
それから、宿泊補助については群銀に尾瀬紀行という投資信託があり、5万円以上投資した人には
平日の一部の山小屋宿泊に対し2,000円の割引券が配布されている。そうしたものの活用も、検
討していただきたい。
<片品村長>
可能な限りでお願いしたい。復興交付金については、同じ尾瀬にありながら片品村では利用できな
い現状を国に働き掛けてもらいたい。指示をもらえば私も行動したい。
<知事>
今年度は時期が遅れて難しいかもしれないが、現実をよく説明して理解してもらえるようにしたい。
(3)除染対策について
<川場村長>
昨年3月の原発事故で放出された放射性物質による汚染により、風評被害をはじめ多大な被害を被
り、住民の安全・安心とイメージアップのため、除染を余儀なくされている。そこで、村では莫大な
予算を取って除染計画を進めているが、財政を大きく圧迫している。除染費用については、国からは
具体的な示唆が未だ得られない状況であるが、県においては、この度の事故で苦労している市町村の
窮状を酌むとともに、汚染された市町村も県土であることを自覚し、被害市町村を取りまとめの上、
除染費用の全額国庫補助がもらえるように、尽力していただきたい。
<環境森林部長>
除染実施計画に基づき実施した除染経費については、原則国が10分の10負担する、ということ
で始めたが、群馬県は比較的線量の低い地域に該当しており、補助対象となる除染作業の範囲が、市
町村で計画した作業と一致しないケースが多く、国との調整が順調にいっていない状況である。国か
らは除染推進員が来ているので、県と除染推進員と市町村の担当者で協議し、出来るだけ早く対応す
るように取り組んでいきたい。
-4-
また、「県・市町村放射線対策会議」の中に「除染部会」を設置し、各市町村の国への要望等を取
りまとめている。さらに、知事会等を通じ、国に出来るだけ早く、市町村の要望に添って対応するよ
うに働きかけているところである。
<川場村長>
当村にも環境省の人達が来て現場を見てもらっているが、金額等は一切言ってくれないので、村が
取り組んでも費用を出してくれるか不安になってしまう。これは川場だけではないと思う。ついては、
県が中心になって市町村と連携し、国に働きかけてもらいたい。
<環境森林部長>
先ほど説明した「県・市町村放射線対策会議」の中の「除染部会」で、今後も一緒に環境省に働き
かけていきたい。
(4)防風ネットの単独設置への補助拡充について
<昭和村長>
村には現在、約5,000棟のパイプハウスがある。パイプハウスと防風ネットをセットで設置す
る場合は県の補助対象となるが、防風ネットだけの設置は補助対象とならない。防風ネットが設置さ
れていないパイプハウスは、台風等による被害が多く発生するので、防風ネット単独でも補助が受け
られるよう検討してもらいたい。
<農政部長>
現在は防風ネット単体を補助対象とした事業はない。「野菜王国・ぐんま」総合対策事業では、規
模拡大を図るためにハウスと一体で整備する場合に補助対象とするのが実態である。ただし、近年は
異常気象に伴う突風、暴風雨による被害が増加しており、さらに霜、ひょう、鳥獣被害及び病害虫へ
の対策も必要となっている。財源問題もあるが、現場の皆さんの意見を聞きながら、補助を検討して
いきたい。
<昭和村長>
土地改良は全て済んでおり、水利用型の農業が益々拡大する方向で進んでいるので、今後もよろし
くお願いしたい。
(5)群馬県国民健康保険広域連合会について
<みなかみ町長>
24年4月に国民健康保険制度の安定的な運営を確保するため、財政運営の都道府県単位化の推進
等の措置を講ずる国民健康保険法の改正が行われ、27年の施行に向けて議論されている。現在、後
期高齢者医療広域連合のメンバーに県は入っていないが、国民健康保険広域連合会の組織化の際は、
県も入って調整してもらいたい。
<健康福祉部長>
現在、1件30万円を超える医療費について、県内の全市町村が財源を持ち寄って負担しているが、
27年度から全ての医療費を対象とする方向で制度改正が行われた。全国知事会では、市町村国保に
ついて、年齢構成が高い、医療費の水準が高い、所得水準が低い、といったことから、保険料の負担
-5-
が重く、保険財政が逼迫している問題を国に投げかけている。国では財政基盤を強化するため、2,
200億円の支援を提案しているが、実際は6,000億円程度必要であると試算されている。国で
は色々と制度設計しており、全国町村会、市長会、知事会も一緒になって議論している。県でも35
市町村の担当者に毎月集まってもらい、27年度の当面の制度改正に向けて情報交換しており、町長
からの意見についても、国の動向を注視しながら、検討してまいりたい。
各町村議会議長・各町村教育長・群馬県議会議員からの要望・意見等
<沼田市議会議長>
利根中央病院は利根沼田地区の救急指定病院となっているが、進入路や夜間の照明がないなどの問
題があり、これから市に色々な負担が出てくると予測されるので、県の補助等に配慮いただきたい。
<健康福祉部長>
結論としては、沼田市、あるいは利根沼田1市1町3村の皆さんとよく相談していきながらの対応
になるかと思う。
<沼田市議会議長>
できる、できない、どちらの話か。太田には30億出ているが、沼田にもそういう配慮はあるか。
<健康福祉部長>
法的な補助を考えられた時もあるが、色々な経緯があって今に至っている。今後は地域の医療にど
のように具体的に貢献してもらうか、その内容を踏まえて地元市町村と検討することになろうかと思
っている。
<沼田市議会議長>
地域の救急指定病院なので是非、配慮いただきたい。それから、県道富士山・横塚線のうち、横塚
町の工業団地への進入路部分500mについて、幅が4、5mでは企業を誘致しても来ないので、拡
幅してほしい。
そして、8月19日のセンチュリーライドに知事も顔を出してくれるとのことだが、地域の活性化
につながると思われるので、1、2年と言わずしばらくの間、県で開催していただきたい。
<知事>
進入路については後で確認して連絡する。
<利根沼田県民局長>
センチュリーライドについて、4月に赴任してから、1、2年で終わるという話は1回もしていな
い。定着するまで県も責任を持って行うので、市町村も是非一緒に取り組んでもらいたい。
<片品村議会議長>
当村は392.01k㎡という広大な面積を有しており、そのうち92%が山林で占められている。
そのため、シカ、イノシシ、サルあるいはクマなどが生息しており、農地の鳥獣害対策に苦労してい
る。この件については、県農政課と連絡を密にしながら、補助等もいただいて対策を立てているので、
引き続き協力をお願いしたい。
<農政部長>
県内で有害鳥獣の被害が増えている。色々な角度から県も対策を検討しているので引き続き協力を
お願いしたい。
<川場村議会副議長>
-6-
議長の代理で出席させていただいた。村長から提案のあったテーマについては、川場だけの問題で
はなく、利根沼田全域、県全体の問題なので、県の理解と協力、支援をいただきたい。それから、6
次産業に何かいい補助があったら教えてもらいたい。
<農政部長>
6次産業化は国の事業で非常に金額の大きいものがある。県では小さい事業も育てていきたいと思
っているので相談いただきたい。
<昭和村議会議長>
昭和村の農家では、旧赤城村地内に150ha程の農地を借りてレタス、白小豆を耕作しているが、
電柵の補助金が村内に作るものでは受けられて、村外では受けられず、作物がシカに食べられてしま
う。ついては村外で作る電柵にも補助をお願いしたい。
<農政部長>
シカの対策については、日獣医大が県内に拠点を設けて専門的に検討してくれることになっている。
電柵の補助金については、帰ってから連絡させていただきたい。
<みなかみ町議会議長>
当町は合併して6年過ぎたが人口が3,000人位減ってきている。温泉の不況が原因と感じてお
り、議会の産業観光常任委員会を中心に盛り上げていこうとしている。7月4、5日に山形県のある
町に視察に行ってきたが、人口7,300人位の町に台湾から1,900人位を受け入れていた。そ
のテクニックを聞いたところ、架け橋になってくれる人が必要である、とのことだったので、9月下
旬頃に町と議員団で台湾に行ってみたいという話が持ち上がっている。その際は県にも指導いただき
たい。
それから、後閑駅の東側にあった企業がフィリピンに出て行き、6月末に100人の従業員が解雇
になってしまった。県の協力を得てヤマキが誘致できて良かったと喜んでいたのだが残念である。引
き続き企業誘致していかないと、ますます人口が減ってしまうことが危惧されるので、これからも協
力いただきたい。また、出て行った企業の跡地利用の問題や県指定の工業団地の関係もよろしくお願
いしたい。
<産業経済部長>
企業誘致については、群馬県は地震が少ない、東京に近い等を積極的にアピールしている。11月
には知事のトップセールスを予定しているので、各市町村の皆さんにも一緒に参加していただきたい。
なお、経済産業省では毎年、上期と下期に分けて、工場などを建設する目的をもって1,000㎡以
上の用地を取得した者を対象に工場立地動向調査を行っており、今年1月から6月までの調査対象件
数は約40件であり、昨年1年間の企業立地件数である33件を上回る可能性もありそうな状況であ
る。問い合わせも多いので、県としても工業団地の紹介を積極的に行いたい。
<企画部長>
台湾からの誘客については、今でも観光局が教育旅行の受入窓口となって色々な形で行っているの
で、観光誘客でどういう交流が図れるかも含めて相談いただきたい。
<沼田市教育長>
防災教育について、昨年の3.11後、国、県から色々な通知・指導等があり、その場しのぎで対
応しているが、もっと中長期的に教職員の資質、能力の向上を図り、防災のエキスパートをつくって
もらいたい。学校は地域の避難場所になっているので、災害時に地域住民を指導できるだけの理論的
・科学的な根拠を持った教職員が必要である。
-7-
<片品村教育長>
スクールカウンセラーの配置をしてもらっているが、制度の充実とカウンセラーの資質の向上をお
願いしたい。村には不登校気味の児童生徒が多く、スクールカウンセラーに訪問してもらい、教職員、
児童及び保護者の指導に努めてもらっているが、是非不登校が0になるように努めていきたい。
<川場村教育長>
除染の問題で我々学校教育に携わる者が心配なのは、補助金のことよりも、基準値だけで話をして
ほしくないということである。文部科学省で放射線教育をしようとしているが、それはあくまでも国
の基準値より低いから安全である、という話である。しかし、川場村の子供にとっての基準値は原発
事故前の数値であり、国の基準値より低いからといって保護者や子供の不安を取り除くことはできな
い。川場村では国の副読本をそのまま利用して指導することは難しいと思う。数値が一人歩きしてお
り、「除染するということは、川場はやっぱり危ない」「川場の物は食べたくない」という親が、川
場より数値の低い地域にいる。そういう人には、レントゲンの数値に比べれば低い、航空機に乗って
1回海外旅行する時の放射線を浴びるよりも低い、等と説明しても駄目である。大事なのは、大変な
ことがあっても子供達がより安全になるようにみんなで頑張ろう、支えてあげよう、ということを教
えていくことだと考えているので、機会があったら色々なところで、数値で説明するのではなく、心
に関わる教育を行っていきたいと思うので協力願いたい。
<昭和村教育長>
今年から理科の専科教員を配置してもらっているが、ぜひ拡充をお願いしたい。小規模校では担任
も全員授業を持っており、理科の実験の準備等が大変であるので、専科教員が配置されると大変あり
がたい。
<みなかみ町教育長>
学校教育の現状と週5日制について疑問を感じている。週5日制は平成11年4月に完全実施され、
以後、月曜日から金曜日まで1日6コマ、週30コマの時間割で授業を進めているが、数学理科等の
時間数が増え、授業を組むのが非常にきつくなってきている。その上、今年度からは部活動が学校教
育の一環であるという位置付けになり、課外活動ではなくなるので、その実数の問題も出てくると思
われる。こうした中で学校行事を減らさずに豊かな学校教育を展開するための一つの方法として、土
曜日を授業日とする方向を打ち出している自治体もある。県では土曜日授業その他の対策について、
何か考えはあるか。
<県教育長>
まず、防災教育については、今年の5月に、防災教育の手引き書として「学校災害対応マニュアル」
を作成し、フローチャート等を入れて教職員が動きやすくした。また、ぐんまちゃん等を使って今ま
で以上に啓発活動をしている。しかし、沼田市教育長からの意見のとおり、1人1人の教職員に対す
る防災の研修は県でほとんど行われていないので、総合教育センター等を含めてどうするか検討させ
ていただきたい。
次に、スクールカウンセラーの拡充及び資質向上、理科専科教員の増、さらにみなかみ町教育長か
ら話のあった教職員の持ち時間の増は全て教職員定数の問題と考えることができる。県ではさくら、
わかばプランを含めて教職員定数の拡大を図っているが、十分だとは思っていない。しかし、お金が
絡む問題なので、どこにどう配置すればいいか、各市町村教育長の集まる会議で意見をいただき、今
後検討していきたい。
次に、週5日制については、公立学校は国の学習指導要領に基づいて動いており、土曜日に授業を
-8-
するには授業参観等、一定の条件が必要である。他県では毎週土曜日に行っているようなイメージで
マスコミに取り上げられているが、実際は授業参観を年2、3回行う程度であり、学習指導要領違反
はどこもやっていない。そうしたことを踏まえてどういう事ができるか、今後全体で相談したい。
最後に、除染、放射能の問題については、県では基準値うんぬんでこの問題を扱ってはおらず、副
読本だけで足りるとも思っていない。研修を行い、子ども達やその保護者に余計な心配をさせない、
風評被害にならないような指導を行うよう努めている状況である。
<星野県議>
利根沼田地域は、面積では群馬県の28%を占めるが、人口は9万人で5%を割っている。こうし
た状況に負けることなく、一生懸命取り組んでいる姿は肌で感じてもらったと思う。その中で、国際
戦略については、みなかみ町をはじめ市町村が先に実績をつくっている。県国際戦略課においては、
市町村の今までの実績を十分取り入れ、成果の上がる国際戦略をつくることをお願いしたい。
<金井県議>
私は去年まで環境農林常任委員会に属しており、毎回鳥獣害対策を議論していたが、電柵や駆除と
いう対処療法は限界に来ていると思う。今回、森林環境税導入に関する特別委員会が設置されたが、
やはり山の整備をしっかりやっていくことが必要と思う。去年はブナの実が豊作だったため、クマの
出没が比較的少なかった。ブナにはマスティング(成り年現象)があり、間伐によって成長を促し、
二酸化炭素の吸収量も増やすことができる。また、県では間伐材の利用によって素材生産量を20万
立米から40万立米に倍増する計画がある。こうしたことがひとつのサイクルとなるように、議会で
提案したいと思うので支援願いたい。
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