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動報告
so七国ゴr=Z=
=式
Vol、89
グ函
綴
動報告
「そんりさ」はスペイン樋で「BNI笑み」を窓味します.私尼らレコムは鰯々な活動を通じてラテンアメリカ・カリフの人々と喜びを
分かち、共に生きていき危い、彼らの微笑みを私尼らの徹笑み仁しだいと雪えています.
1クーアテマラでのレコムの霊動奏ふりかえ返って
:津島靖彦
了グアテマラ最新状況
:新川志保子
9「グアテマラある天使の記憶」写真展
:成田有子
11揺れるカリプの黒人共和国ハイチ
:佐藤文則
14「フジ刊元大統領に裁き尼」新刊紹介
16からみ亭ミドリの映画帖〔第十九回編)
:飯島みどり
18ラ米百舅(第5回)
:伊高浩昭
21キューバ音楽との出会いの旅(番外編)
:土方美避
200α年Sp1sBB本ラデニア刈h忠hネットワークURECbW)篭行
`鰯、樋,、)
★グァテマラでのレコムの活動をふりかえって★
グァテマラでのレコムの活動をふりかえって
津島靖彦(レコム事務局長)
を奪われた女性たちの会~
コナビグア支援(つれあい
いです。
ていくきっかけになれば幸
今後のレコムの活動を考え
は言いますが、この報告が、
いと思います。温故知新と
合わせながら辿っていきた
時々のグァテマラの状況と
コムの活動の軌跡を、その
りのグァテマラにおけるレ
は、今一度この一○年あま
参照いただくとして、今回
しては、前号、前々号等を
今年度の活動の報告に関
の社会に認知され、運動として盛り上がり
ともあり、グァテマラの厳しい状況が日本
賞し、九三年秋には来日し講演を行ったこ
タ・メンチュウさんがノーペル平和賞を受
らでした。折りしも一九九二年にリゴペル
のは、そんな彼女たちの強さにうたれたか
性たち。コナビグアを支援しようと決めた
況を改善していこうとするコナビグアの女
ばいけない」と言いながら粘り強く人権状
たちのために、今、活動をしていかなけれ
状況が好転していかないにしても、子や孫
た非常に厳しい状況の中、「仮に今すぐに
暗殺、失瞭などが横行する日常。こういっ
ジェノサイドの余韻は色濃く残り、脅迫、
まだ和平合意前、特に酷かった八○年代の
ナビグアでした。このころグァテマラは、
援の場として選んだのが、グァテマラ、コ
ーキングツアーを行い、また、国際平和旅
からルシアキラさんを日本に招き全国スビ
四年には、レコムとして初めてコナビグア
アに提供したのもこのころになります。九
金からの助成を得て四輪駆動車をコナビグ
になります。さらに郵政省ボランティア貯
状況の改善のための活動に力を入れること
ーン、意見広告等を組織的に行うなど人権
ショナルなどと協力して、はがきキャンペ
手をつなぐ会、アムネスティ・インターナ
が活動の余地を得るために、中米の人々と
した。我々は、まずコナビグアの女性たち
人々の命を危うくする.:そんな時代で
のことそのものがゲリラと指弾され彼ら
一方でグループを作って活動すること、そ
ループを作って助け合うことが必要ですが、
んでした。生活改善のためには、地域でグ
グァテマラの人権状況は、それを許しませ
三年、その前年からの研究
較的強いメンバもおり、その政治的な活動
当初レコムには、開発に対する想いが比
えば、その秋、あの「エヴェラルドを捜し
ンサートなども行っています。九四年と言
SZiWP/si4IllL鋼
1
』■DP■■P0IID
’九九六)
がみられるようになる中での活動の開始で
団(注1)日本支援グループとともに支援コ
レコムがグァテマラでの
した。
会、事前調査で中米、南米
よりも生活改善に重点を置いていきたいと
て」(注2)の著者であるジェニファー・ハ
1ベリーさんが政庁舎前で無制限のハンガ
活動を開始したのは一九九
の国々を調べていましたが、
いう意見もありました。しかし、その時の
栂
まず最初に我々が活動・支
F1顕式
性会溌後に日本で「先住民族女性シンポジ
★虚にニェ蔚銅囮・
会)のフアン・レオンさんの招鴫や、北京女
デイフェンソリア・マヤ(マヤの権利を守る
伝わってきていました。九五年になると、
の状況が、ハンストの様子がほぼリアルで
普及しようというとき。っ88コの庁経由でそ
の年は、まさにインターネットが世の中に
う言葉が耳に残っています。また一方、こ
日に痩せていくのがわかるの・・・」とい
コナピグア事務所に居た石川さんの「日に
Iストライキを行っていた年です。すでに
う傍ら、九四年には、ニカラグアの農民と
ックの農業普及チームの活動サポートを行
動を支援してきました。具体的には、コニ
くか。レコムは、ヨーックのそのような活
持続的な農業を行い、生活を向上させてい
により自ら回復、獲得した土地で、いかに
始めたのは、一九九四年。コニックが運動
りました。レコムとしてコニックの支援を
土地回復運動への支援で成果をあげつつあ
数多くのコミュニティーで実施されていた
の主体的活動を重視し活動してきており、
の交流事業、九六年には、タイ’フィリピ
ンの農民との交流事業を行い、さらに九六
ウム」の開催を行ったほか、郵政省ボラン
天ウム」の一
ティア貯金の助成を得てコナビグアの女性
一区ティア貯ニ
年からは現地農業技術者の活動サポートも
、
ム〃
しても、この一○年の中のひとつの区切り
が訪れた…などとは間違っても言えないに
この日を境にグァテマラ社会に平和と安寧
九六年一二月二九日和平合意締結の曰。
和平合意二九九六)
を広げてきました。
ムは、コニックとともに活動・支援の範囲
行うようになりました。このように、レコ
Ⅲリたちのた狸
たちのための託児所建設に着手したのもこ
の年のことです。
翻の年の一」・
動
活
コ’九九六)
コニック(先住民族・鰻民全国調整委員会~
皿コニック一
ア年に結成辿
年に結成されたコニックは、マヤの文化に
グァテマラの農地所有の不平等さは、他
ルグアテ
のラテンアメリカ諸国と同様、あるいはそ
元のラテン|
れ以上に根深い問題を抱えています。九二
【れ以上に壷
基づく社会構築、基盤となるコミュニティ
糊基づく社二
であったことは確かです。曲りなりにも和
平が締結され、それ以後多少なりとも活動
のための余地が生まれるようになったので
すから。そのころのそんりさ(二九・五号グ
ァテマラ和平合意締結おめでとう号)を見
てみると、すべてが解決されるわけではな
いとはいえようやくここまで来た、という
高揚する想いが伝わってきます。ちなみに
私個人は、そのころエクアドルにおり、和
平合意式典の様子を表す記事が現地の大新
聞の一面に大きな写真付きで掲載されたの
を覚えています。ちょっと前まで、和平合
意に至るなどということははるか遠いこと
のように思って活動をしてきたので、額面
通りに受け取れるわけではなくても、とう
とうここまで来たかという想いにしばし浸
っていました。日本ではどうだったのでし
ょうか。
和平合意後の人樋状況二九九七~九九)
しかし、九八年春、未だ真の平和、安寧
は訪れていないことを実感させられる事件
がおきました。四月二六日、レミー(歴史的
2
S四''9/S4Ibf”
'錘w射、,
'mmlmm)
★グァテマラでのレコムの活動をふりかえって★
この事件は、グァテマラだけでなく、国際
れた二日後のことでした(そんりさ四二号)。
害。g寄切グァテマラニ度と再び)が公にさ
れたのです。レミーの報告書(曾呉豊、一四
戻ってきたところを待ち伏せされ、撲殺さ
者であったヘラルデイ司教が夜、司教館に
記憶回復)プロジェクト(注且推進の代表
るなど他の団体と協力して精力的な活動を
るよう強く申し入れる旨の要望書を提出す
にある「勧告」をグァテマラ政府が履行す
の会談、外務省へ真相究明委員会報告書
ングッアーとともに、わが国の国会議員と
ンレオンさんの再度の来日。全国スビ1キ
ととなります。折りしもその三月は、ファ
通じて自らが地域の問題解決を行っていけ
をつけていくことに立ち返り、識字教育を
の強化、そして女性たちの社会参加への道
ているはず。そこで今一度原点である組織
グアの組織の存在は未だ重要な位置を占め
考えると、グァテマラ社会にとってコナビ
好転したと言えないそのころの人権状況を
んど履行されていない和平合意、必ずしも
るようになるといった識字プログラムを行
行いました(そんりさ四八、五五号)。
アメリカズ・ウォッチ、アムネスティなど
要性を思い起こさせるものでした。その翌
レコムとしても再度人権状況改善活動の重
っていないことを示しているものであり、
わらず、暴力の構造そのものはなんら変わ
この事件は、まさに内戦が終わったにも関
見広告をプレンサリブレ紙に出しています。
五月には、他団体と協力して緊急行動、意
ン・レオンさんに対する暗殺予告もあり、
それ以降(何度か日本に招聰している)フア
提供できず、組織が弱くなりつつありまし
アはそういったプロジェクトを満足な形で
通して地域に入ってくる一方で、コナビグ
様々なプロジェクトが国際機関、NGOを
した。和平合意後に生活の改善をめざす
がクローズアップされるようになってきま
なると、必然的に現実的な生活改善の課題
され少なくとも活動の余地が得られる状況
の不安を抱えているものの、自警団が解体
右に書いたように未だ人権状況にかなり
動(二○○○~o二)
サンティアゴ・アティトランでの新しい活
を広げています。
チマルテナンゴにも適用拡大するよう範囲
には、これらウエウエテナンゴでの活動を
の支援へと移っていきます。さらに○一年
それを具体的な活動に結び付けていくため
自ら解決していくための研修事業、さらに
ジェクトの重心は、識字から地域の問題を
九年、そんりさ五三、六一号)。その後プロ
うようになりました(ウエウエテナンゴ九
年、レミープロジェクトを起こすきっかけ
た。コナビグアのそもそもその生い立ちは
コニックを通じて、サンティアゴ・アテ
コナピグア支援二九九七~)
となり、また日本政府からも資金の援助を
プロジェクトを行うための組織ではないの
ィトラン市からの協力要請があり、二○○
がただちに声明を発表し、レコムとしても、
行っていた真相究明委員会(cEH)(注
で、やむを得ない面もあるのですが、ほと
SUiMW59l 16A〃
3
的にも大きな反響を呼び、国連、米州機構、
〆、、
|
」
4)の報告書が二月一一五日に公表されるこ
r1m鱸、
★グァテマラでのレコムの活動をふりかえって★
に、地域住民の参加したワークショップに
題、そして森林の問題。まず、二Coo年
テイトラン湖をめぐる水の問題、ゴミの問
ました(そんりさ六二号)。その課題は、ア
て環境問題に正面から取り組むことになり
プロジェクトであり、レコムとしては初め
活動は、環境保全と持続的開発をめざした
た地でもあります。このアティトランでの
もに、あの九○年の虐殺事件(注5)のあっ
もにグァテマラの著名な観光地であるとと
ン湖のほとり。対岸のパナハッチェルとと
えば、中米でも有数の美しい湖アティトラ
ることになりました。アテイトラン市と言
○年からアティトラン市との活動を開始す
理の専門家派遣等を行ってきましたが、こ
型トラックの寄贈、○二年には、廃棄物処
ほかレコムでは、ごみ収集のための中古小
迅(?)の活動を行っていたようです。この
キャンペーンを先頭にたって行い…獅子奮
長自ら率先して住民たちの話を聞き、清掃
さ七○号)○アティトランに戻ってからも市
界湖沼会議への参加も行いました(そんり
いる地域との視察・交流を行い、同時に世
ける地域社会内で「循環」の試みを行って
を日本に招聰し、講演会のほか、日本にお
市長、コニックのペドロ・エスキーナさん
心となっているアティトラン市のデイエゴ
傍ら○一年の秋には、当プロジェクトの中
た写真展、シンポジウムへと結実しました
れらの活動は○二年一二月に現地で行われ
現地の人々とレコムとで準備を行い、
(そんりさ七九号)。グァテマラシティ、ソ
始まり、現地コンサルタントによる調査等、
・地域の生活、文化、環境に対する意識を
写真展は、当プロジェクトの成果が単にア
ロラほかで行われたこれらシンポジウム・
放送を行う(o一年)。
ティトラン|市にとどまらず他の自治体、
高めるため現地ツトゥヒル語によるラジオ
・写真で湖と人とのつながりを記録し、過
他の地域へも適用を拡げていける可能性が
、あることを垣間見させてくれました。
去と比較することを通じて、地域の環境意
識を高めていく(○一年~)。
といった活動を開始しました。この活動の
ヨーック・イサパル県での支援〈二○○一
~)
グァテマラ東部・イサバル湖に発し、大
西洋へとつながる川リオ・ドゥルセ。その
両岸の地域が○一年に始まるコニック支援
の活動の舞台です。この地域は大農園の土
地の囲い込みにより、土地を追われてきた
ケクチ(ケクチ語を使うマヤ系先住民の一
グループ)の人々が住む地域ですが、交通の
不便さからか政府機関の支援や農業の普及
サービスも皆無に近いところです。レコム
は、コニックの農業普及チームと協力して、
当地域の農業問題解決を図るとともに、代
替作物導入の検討。また、それらを支援す
るために農業技術者の雇用経費、地域農民
の研修視察経費などのサポートなどを行う
ことにしました。○一年に始まったこの活
動は、いぺつかの軒余曲折はあったものの、
コミュニティ内でのプロジェクトや組織強
化の面である程度の成果をあげつつありま
す。ただその一方で明らかになってきたこ
とは、当地域を蝋境保全地域としてとらえ
る環境NGOと地域との対立、土地紛争な
4
SU9WPソ朗16/Bag
'mmwm'11
汎lm1認、
つ
詮どの問題でした(そんりさ七一号、八|号)。
l↓
役に代わる)社会奉仕法」が施行され、ま
される予定の重要な年です。このような時
た「(内戦被害者の)遺骨収集法」も制定
か次年度へ向けて(二○○四~)
期、これらの法が骨抜きにされ実効性をも
』え
『がコナビグァとは、女性の社会参加を進め
り
また、グァテマラの一般的な人権状況に極
ついては、昨年七月一一四日暗黒の木曜日に肋
年~○六年にかけての中期計画(グローバ
思います。コナビグアとしても、二○○四
コナピグアの活動が求められているように
地域に根付きかつ全国レペルで展開される
を支援する国際社会の連帯活動が生んだ成
グァテマラ国内の団体、さらにそれら団体
これはまさに、コナビグアをはじめとする
余地が生まれてきていることも事実です。
いえ、十年前と比べ、多少なりとも活動の
に非常に強固なものとなっています。とは
蝋鮒随洲蝸淋鮒加閻馴峨舩匪舳抑Ⅷ鯏舳“州
ル・プランと呼ばれている)を策定しており、
果だと思います。もしこのような活動がな
たないものにされないためにも、今まさに
活たようにウエウエテナンゴ、チマルテナン
レコムとしては、今年度、その一環として
ければ今よりも、もしかすると十年前より}
雛ることを念頭に、ここ最近は、先にも書い
ムゴにおいて、地域の問題を自ら解決してい
の地域リーダ研修事業を支援していく予定
も状況は悪くなっていたかもしれません。|
きな役割と言えますが、そういった全体と
進めていく。まさにそれがコナビグアの大
まとめて、広い視点での助成の社会参加を
たちの状況改善のために個々の地域の力を
てきました(そんりさ八一、八四号)。自分
つながっていかないという問題点が露呈し
どまり、それがコナビグアの全体の動きと
GOとの意見交換を行いながら、地域に根
地球環境基金の助成金を得、政府機関、N
NGO。これに対しレコムとして今年度は
生活している人々と外から入ってきた環境
GOとの対立が露呈してきました。地域で
が、この中で(先にも書いたように)環境N
おける活動をここ最近続けてきていました
コニックとの活動としては、イサバルに
ューの一部をここに再録したいと思います。
テマラに帰ってからの事務所でのインタビ
最後に十年前、ルシアさんが来日後グァ
継続して行っていきたいと考えています。
また秘密墓地発掘活動(注旦の支援等は、
ーンのような人権状況改善のための活動、
レコムとしても意見広告、はがきキャンペ
会からの監視は引き続き重要な活動です。
内は得られたものの、その継続性についての
函うことで活動は進んできました。これら研
宕修活動においては、地域での小規模プロジ
函ける地域リーダーを育成する研修事業を行
の
テェクト、グループの活動として一定の成果
としています。
地域とのつながりに問題が出てきています。
付いた環境保全管理、持続的な開発を進め
「日本でお知り合いになれた方々、またこ
5
★問題点、さらに地域の中での問題解決にと
今年は、コナビグアがこれまで何年間も活
ていく予定にしています。
〆UFPqK
この状況を揺り戻さないためにも国際差社
動の重点課題としてきた篭戦後補償、「(軍
/彌隷:、
★グァテマラでのレコムの活動をふりかえって★
れからお知り合いになれるであろう方々へ
すべての女性の名においてまたコナビグア
九四年七月一o日グァテマラ・コナピ
(冨冨三m頁自画、・・量噌自のB画一巴目三目号庁
ご■巳昌一
迫ったときのFAXや手紙、意見広告をお
るいは不正が行われたり、私たちに危険が
させてくれる元気付けの手紙でも、またあ
例えば私たちが孤独でないことを思い出
ているその苦しみを忘れないでください。
成が、男性が、老人が、そして若者が耐え
してどうか私たちグァテマラの民衆が、助
アヘの協力の行動を開始してください。そ
か行動を始めてください。私たちコナピグ
(注3)レミー(需重一歴史的配憶回復)プ
(注2)エヴェラルドを捜して新潮文庫:
紛争の解決を促す活動を行っています。
視の目を光らせることによって暴力の抑止、
中立を保ちながら非暴力によって介入、監
ボランティアを紛争地に派遣し、政治的に
一目)のモデルとなった団体。訓練を受けた
(三sミミミミ黒豆、}◎すの。:弓丁ロヨ酵旦の浜・声
|ヨ①『。昌一・冒一)非暴力平和隊
(注1)国際平和旅団sのgの国『一m豊の
事務所所蔵に詳しい)
います。(ビデオ「風の記憶」〈要召)レコム
の人々の強い結束力。そして次に(アティト
けのことができたのも、まずアティトラン
ていた軍を追い出した。この時代にこれだ
の責任が軍にあることを認めさせ、駐屯し
にアテイトランの人々は立ち上がり、虐殺
って十三人の民衆が虐殺された。これを機
る民衆の平和的な抗議行動に対し、軍によ
グア事務所にて(そんりさ一○号より)
願いします。そして常にグァテマラへの関
ロジェクトカトリック教会が中心となって、
(注6)秘密墓地発掘活動秘密墓地の発掘
(注且九○年の慮殺事件軍の駐屯に対す
心を持ち続けてください。もちろんまた私
内戦時代の暴力の被害者の証言を収集し調
は、内戦時代の真実を明らかにするのみな
六三号レミー特集)
こった人権侵害について、その真相を究明
することを目的とします〈そんりさ四八号)
置づけられている(そんりさ五八号)。
〃
を得るための最も重要な活動のひとつと位極
って、和平協定、真相究明委員会でも平和
ざまな意味を持ちます。この活動はしたが
の目が行き届いていたことによるものと思一
ランは観光地であり特に)国際社会の監視←
たちへの経済的支援もいただければうれし
査しました。その報告書の翻訳が、グァテ
らず、残された被害者の精神的救済等さま
るものです。必要なものなのです。どうか
(注4)真相究明委員会S里)
それらは本当に私たちにとって価値のあ
く思います。
マラ虐殺の記憶(岩波書店)です。(そんりさ
の名においてご挨拶を申し上げます。どう
'mmmmh1
その活動が定められた委員会、内戦中に起
一九九四年六月に政府、URNGとの間で
それぞれが、それぞれの場所で、できる範
囲で私たちに力を貸して下さい。
グァテマラを、私たちをどうか忘れない
でください。」
ルシア・キラ
SZM9W34
'.、、''1)
汁グアテマラ愚藤DFDロオ
(米国・中米連事銅趨)
新川志BH子
一一百わなければならないことは言っており、まずは
の人権侵害の繊牲者すべての人々の尊厳回復に
した。これは、この正式謝罪は、なによりも内戦中
て、ミルナマック事件の貴任を
ナの遺児であるルクレシアが列
司教、そしてヘレン・マックとミル
チェ司教だったフリオ・カプレラ
の問題を厳しく指摘した。結局貴任者である軍
らも、国内での裁判の経験を踏まえて司法制度
式典は非常に画期的だったといえよう。
前には考えられなかったことで、その意味でもこの
長がミルナマック殺害が軍諜報機関によるもの
であり、国家として責任を認め、謝罪するのを軍
高官がずらりと並んで聞いている光景は、数ヶ月
々通話する(あるいはしているふりをする)という
行儀の悪さだった。だが、とにもかくにも、三権の
ーナにいたっては携帯電話をずっと手に持ち、時
この事件の調査も言い渡した。グアテマラ国家に
この事実を認め、遺族に謝罪した。判決はまた、
があると判決が出た。この席でグァテマラ代表は
4月躯日には、1981年に軍により連れ去ら
れて行方不明になった当時辿歳の少年マルコモ
モリーノ・テイセン事件、米州法廷で国家責任
人権裁判所で審議され、グアテマラ国家に責任
式典には各国大使や国際機関関係者のほか、
米川人権委員会委員長サンテ
ィアゴ・カントン、事件の時のキ
対して、こどもの行方不明事件が米川法廷で審
鐡されたのは今回が初めて。
マックの遺族とグアテマラ国民
ノーベル賞平論賛のリゴベルタ・メンチユウゴナビ
1984年に「行方不明」となった詩人で作家
ルイス・デレオン事件
に謝罪した。一方、最高裁長官
グア代表のロサリーナ・トュックらの姿も見えた。
公式謝罪は、米川人権法廷の判決で義務付
して提出していたことから、国家責任が認められ
7
SOAⅡRKSU4W/89
14
評価できるというのが大方の見方だった。
れだった。
ミルナマック事件で国家謝罪
軍高官も一同に出席した。彼らは式典の一部
始終にこりともせず、スピーチに拍手もせず(拍
4月犯日、国立宮殿におい
国家が正式に認め、謝罪する
手したのは一人防衛長官のみだった)、ペレスモリ
席してスピーチを行った。司会
は大統領人権委員委員会の
高官3人のうち一人フアン・バレンシア・オソリオ
つながるものでなければならないとう気持ちの表
式典が執り行われた。オスカル・
長官フランク・ラルーが行った。
に有罪が確定したものの、それは米州法廷の判
のルイスデレオン(注1)事件も、2002年より
ペルシェ大統領をはじめ、アルフ
ォンソ・カリージョ最高裁長官、
ペルシェ大統領はそのスピー
決があったからで、しかも彼はすでに逃亡してし
国会議長の三権の長がそろい、
チで、箪による犯罪とは明言し
まっている。
リーナ・テイセンの事件が4月コスタリカの米州
なかったものの、マック事件につい
ははっきりとは謝罪しなかった
けられたものだからではあるが、前FRG政権で
ヘレン・マックは国家による謝罪を評価しなが
ての国家の貴任を認め、ミルナ・
米川人権委員会に提訴されていたが、今年3月
のセッションで政府代表がこの事件についての国家
責任を認めた。デレオン事件は鼈その名前が19
99年に発見されたEMP機密文書である「寧
日誌昌菖・昌冒閂」に載っており、それを証拠と
諜報機関によるものであったこ
は到底考えられなかったことで、やはりこれは大
ものの、ミルナマック殺害が軍
とをはっきりと述べた。もっと突
きな変化といえるだろう。
批判もあったが、政府が受けて
式典の前にはカテドラルで記念ミサが執り行
っ込んだ発言をすべきだという
書きで拉致した日付と時間、処刑の日などが瞥
たことの意義がとりわけ大きい。この軍日誌は、E
MP死の部隊用に作成された拉致リストで、18
3人の名前があり、それぞれに簡単な説明と、写
真のゼロックスがつけられている。さらにその後手
いるだろう軍からの圧力を考え
われた。ヘレンの招待で、抵抗の共同体の人々な
どキチェ県より300名近い人々が式典に参加
/彌1m、
ると、3人合わせてのスピーチで
'9m、
ノ田僅侵害の国家寶任壗題0lbろ
ワアテマラ
さ込まれている。(この文書は三目・昌一の①。圓亘
慰
.シ「o宣くののウェプで公開されている。アドレスは声
一一℃ミニ宴「三・四三Fのユロ}’二田『○言ミョのシ同国団一二の
撮影し、それをコンピュータに入れる作業を行って
PDHの管轄におかれるが.これまで毎日n人近
くのスタッフがデジタルカメラで文書を一枚一枚
公開された文書のコピーは人権擁護事務所
ションを行っていたかがわかり、これらを分析すれ
ば、現在提訴中のジェノサイド裁判などで非常に
重要な証拠となる価値のあるものだ。
書の億週性も認めたとういことで、このリストに
いる。現在までで約半数の文書を取り終えてお
ン両国団扇へb「の印印・頁昌一)現在知られている唯一の
軍諜報機関文書だが、グアテマラ国東がこの文
開くものだ。
今回の文書公開には、国家防衛・安全保障コ
活動が究明される可能性も大きい。
ているという噂もあり、今後さらに軍諜報機関の
設置されたときに章は機密文書を廃棄したとし
ている〉の軍事文書の一部が人権団体に流れ出
になっているはず(国連による真相究明委員会が
今回のEMP文書以外にも、すでに廃棄済み
し。
報告書がまとまるのは今年末か来年初めの見通
ことができる予定。それからデータ分析を行い、
り、今年7月か8月くらいにはすべてとり終える
載っている他の行方不明者の真相究明にも道を
できる。公開文書は1930年代から帥年代ま
ミッショナーであるペレスモリーナ将軍の決断を
取り付けられたことが大きい。ペレスモリーナと
前政権で大きな影響力を振るったオルテガ・メナ
ルド将軍は敵対していると言われ、今回の
依然深刻な土地問題
以上のように、人権状況では画期的な動きが
いくつか出ているが、土地問題は依然として深刻
で、大きな抗鍛行動が起きている。4月班日に
は、1万5千人の農民が首都に集結して、政府の
土地政策に対して抗議デモを行った。抗議行動
9億2千8百万ケツァル(約1億1千6百万ド
を組織したのはプラタフオルマァグラリァPAで、
コーヒー価格急落による危機に対処するために、
ル〉の拠出、土地占拠の強制退去を停止するこ
と、農村開発の政策をたてるごとなどを要求し
ている。PAは新政権発足時に土地問題解決の
ための要請を出していたが、100日が経過して
も何の進展もないために、今回の動員を行ったも
しているが、警察(政府)による強制退去は前FR
の。土地占拠の強制退去は今年すでにu件に達
G政権ではなかったことだ(農園主による強制退
去や殺人事件はあった『政府側はこれに対し、2
ヒー危機を国家緊急課題と制定することを識一
週間以内に農地貸借のための1億4百万ケツァ
ル〈1千3百万ドル)の畷急支出を行うこと、コー
府の一部は、これら農民の抗識運動を、政治の不
会にはかる、などの約束をした。だが、財界や政B
安定を図るものだ、として態度を硬化させてい
る。
注1F三m」のF8コ》ペンネームはルイス・デリオン
ーヒー錫二の口:先住民作家。現代で最も優れた作
家と評価されている。代表作は、先住民とラディー
ノの問題をシュールレアリスティックな文体で描いた
ロ一戸一のヨロ◎ロ『三。-つ旨の。×一宮一目・サンカルロス大学で
教鞭をとる傍ら自分の村で子供たちに読み書きを
教えていた。PGTのメンバーだった。
SDAlRKSAIMM89
I卜情報やガソリン便用量を含む〉などがわか
マいたことが証明されたことになる。マック裁判など
汁の概要を知ることができるだろう。
》
一アで軍部による「EMPの職務は大統領とその家族
☆ものだ。それぞれの司今部がどのようなオペレー
〃の警護のみ」というこれまでの主張は大きく覆す
'壜蕊、〉
★グアテマラある天使の記憶一写真家の問いかけ★
グアテマラある天使の記臆一写真家の問いかけ
成田有子
ンデスーサラサール氏の写真
この度、ダニエル・エルナ
言語、文化、アイデンティティがぎゅっと凝
っているのかを私は改めて考えさせられた。
コミュニティの存在がどれだけ深い意味を持
することとも連動しているように思う。
解明する形でインスタレーション(街頭展示)
ていき、内戦中また内戦後も続く人権侵害を
■■■■■Pロ■■j▼?。
展並びに立命館大学で行われ
縮され、それをぬきには個人の存在がありえ
んの報告会にも参加させて頂
また4月下旬には石川智子さ
させられた。そのコミュニティに存在してい
ズタにされた。地図上から440の村が消滅
ない。このコミュニティが内戦によってズタ
生と死」シリーズの一枚に男性ヌードが鉄道
域へと高められている。王ロス+タナトス
はなく、社会的問題をも含み入れた芸術的領
サラサール氏の写真は、単なる報道写真で
た講演会に行く機会を得た。
いたことから、コナビグア+
線路の上に横たわっている写真がある。鉄道
断されたグアテマラ社会の模を意味すると話
は人生を意味し、枕木に打ち込まれた釘は分
た人たちのアイデンティティもろとも全てが
この分断をより象徴的手法によって表現す
「抹殺」された。
サラサール氏との写真を関連
させて感想を書いてみたいと
思う。
されていた。
圧が加えられたのか。反政府
て残虐性を帯び、徹底的な弾
ズタズタにされた各々のコミュニティを歩き
性達によって組織されたコナビグアの活動は
内戦によって男家族が失われ、残された女
写真家の言葉を借りれば「生、自由、あるい
「自由」を享受しているはずの彼らの前に、
るため、サラサール氏は切れ切れの写真のパ
勢力の「革命」がある意味成
まわってつなげていく。集まる場を作り、話
は社会が予め課してくるあらゆる抑制や規範
から解放された存在」としてのヌードをぶら
イコンヘも冒涜的にさえ見える作品がいくつ
かある。これは写真が「政治的なもの」だけ
ではないと語った彼の言葉からもわかる。
SUM'7/34肋1 8P
9
同じ男性ヌードでもミケランジェロのダビ
功した隣国エル・サルバドル、
をする中から情報を共有し、問題に気づき解
ーツをテープではりあわせて一枚の写真とし
ニカラグアの内戦との性格の
決のために社会に対して声をあげていく。内
下げ、意識に揺さぶりをかける。
96年に終結した36年間
相違点からも私の疑問はふく
戦の人権侵害の解明、強制徴兵の廃止、先住
彼自身は敬虚なカトリック教徒の家庭で育
に及ぶグアテマラの内戦・こ
デ像は「芸術」として容易に受け容れら
らんだ。内戦が、政治的、経
民族の権利を求めていく活動を通して、社会
ったと語っているが、彼の写真はキリスト的
て仕立てた。
済的戦略のレベルで闘われて
に自分たちの存在に目を向けさせた。それと
れるのに、写真による生々しいヌードは拒絶
いるのではない。もっと深い
同軸にサラサール氏の写真が街頭に出て内戦
の内戦がなぜ、先住民に対し
「ねじれ」がグアテマラ社会
に関連する象徴的な公共空間(特に軍情報部
反応を引き起こす階級層、とっておきの
の核心に食い込んでいる。
裏など人権侵害に関わりの深い地点)へと出
/趨驫露、
グアテマラでは村がつまり
(`驫聴、
★グァテマラでのレコムの活動をふりかえって★
-96▲■■■■■■■■▼lBqG■0日501■PId0■‐●0.0■99L■■■■■BⅡⅡ日。|■05●■ⅡIrh
きたのかを証言する骨、まさしく死と不正蕊
グアテマラ内戦の患年間、この国で何が起
調査にたびたび同行、遺骨遺品の記録撮影を
戦の民間人犠牲者が遺棄された場所)の発掘
同国西部高原地帯に展開されたゲリラ掃討作
ゆる秘密墓地(内戦中とりわけ9年代初頭、
で起こったことに無関心を貫き、免罪構造を
黙認している社会が顔をそむけ、否定しよう
とを象徴する骨に魅せられた写真家。IIた
手がける。その一遇として同国カトリック教
カラー一団9円十税)
とするものを写真という手段で「あらわ」に
んなる証言にとどまらぬ芸術、芸術を越えた
西欧的文明価値の福音を受け、グアテマラ
し裸にしようとする。このとき、その社会、
証言の可能性。
先住民という非社会層へと深く降りていき、
を突き放し、グアテマラの内戦の悲劇の層、
出身であると思われるが、自ら属する階級層
命」ではないのか。サラサール氏は中流層
界の創造が始まる。これこそが芸術による「革
その後、恐怖に抗い沈黙を破る天使が加わり、
ロを封じ、目を塞ぎ、耳を覆う組写真となり、
つく。それは肩甲骨を背負った天使が自らの
かれ、これを天使の羽に見立てた作品を思い
立ち会ってきた写真家は、|対の肩甲骨に惹
政府軍に虐殺された人々の遺骨発掘作業に
権侵害調査報告(全4巻)の刊行に協力。雷雲一
の回復プロジェクト」(需菫ごおよびその人
る」天使はもはや「遠い」中米の天使ではな
ームの前に降り立った。広島から「沈黙を破
最後に、今回の来日で天使は広島の原爆ド
ンを展開する。グアテマラで、アルゼンチン
公共の場Ⅱ街角に貼り出すインスタレーショ
発展した。さらに写真家は、〈天使〉の叫びを
4天使の連なる作品〈真実を明らかに〉へと
を前にしたグアテマラの反政府ゲリラ戦闘員
となった。
と免罪の構造に対する告発・抗議活動の象徴
スタレーションの記録)などがある。
憶」(雷三一表紙の天使像を用いた街頭イン
チーフとした死の表象)、「街をゆく天使の記
ート)、「エロス+タナトス」(男性ヌードをモ
化に根差す音楽を伝える古老たちのポートレ
主たる作品群に「武器を越えて」(武装解除
い。天使に私たちの側から真実の声を与える
グアテマラ内戦(一冨旱富)末期より、いわ
マラを代表する写真家のひとり。
ご留年グアテマラ市生まれ。現在グアテ
(つ⑪ゴーの|エの『.、コユのNImm-mN四『)
●ダニェル・エルナンデスーサラサール
しカメラに収め続ける……。
く〈天使〉たち。その過程をも丹念に追跡
たちの肖像)、「民衆の楽士たち」(先住民文
彼の一点の作品は、和平後も続く政治的迫害
されたことから、報告書各巻の表紙を飾った
書公表の2日後(ご呂年一月呂日)に暗殺
統括責任者フアン・ヘラルディ司教が同報告
そこから新たな出発を始めていると感じた。
会・大司教区人権局が組織する「歴史的記憶
価値観が対象化され、写真家による新たな世
/:、鱸、)
で、米国で。剥ぎとられ、あるいは朽ちてゆ
ことが今問われているのではないか。
***
(写真集の紹介)
2004年4月刊『グアテマラある天使
の記憶1-ダニエル・エルナンデスーサ
ラサール写真集』(解説・訳飯島みどり、
推薗メッセージ徐京槙/影書房刊/三○頁
10
S湖M9/鋼06/、“
愈
、
〕けlイチ士
揺れる力リブの黒人共和国ハイチ佐藤文則(フォト.ジャーナリスト)
I
のか?」ハイチと国境を接
「ほんとに、ハイチに行く
ィド政権は風前の灯にあった。
攻はもはや時間の問題となった。アリステ
アンを制圧。首都ポルトープランスへの侵
と略奪を行っていた。
二月二十七日、搭乗予定の米国マイアミ
大きなスラム街がある。そこに住む友人た
ユ(太陽の街)と呼ばれる人口約二十万の
する役人や警備する警察官はいなかった。
「アンソニーが死んだよ」
ような理由でハイチを訪れ
記念すべき年にまさかこの
が、混乱した状況では何をされるのか見当
が役人でないことは、すぐに分かった。だ
この辺りに住む男たちであろうか。彼ら
「十ドルだ」
ハイチを彩る精霊たち」(共に凱風社)に
黒人共和国」と「ダンシング・ヴードゥー
である。拙著「ハイチ目覚めたカリブの一
ハイチを訪れた一九八八年からの古い友人l
ることになるとは思わなか
もつかない。私は要求に従い、十ドル紙幣
最後に会ったのは二○○一年十一月だっ
た。|」こシテソレイユに住むたくさんの人
Ⅱベルトラン・アリステイ
ナイーブで始まったジャン
が部署を放棄し、代わりに通称シメールと
ポルトープランスではすでに多くの警察官
ハイチはすでに無政府状態に陥っていた。
く分からないが、症状から察すると結核だ
自宅で寝込むようになっていた。病名はよ
た。だが○一年の夏ごろから、仕事を止め、
》
彼らだが、それに反して一般市民への暴行剛
からハイチ行きの飛行便が治安の悪化によ
ちの様子が何よりも気がかりだった。
ポルトープランスの郊外にはシテソレイ
り、欠航。私は急速、隣国ドミニカ共和国
う私に問いかけた。
カリブ海に浮かぶ黒人共和
の首都サントドミンゴへと飛び、そこから
命。シテソレイュを訪れることができたの
二月二十九日、アリスティドが突然の亡
国ハイチは二○○四年一月
陸路でハイチに入国した。
ランスを打ち破り、奴隷革
反乱軍の攻撃を恐れて、職場を放棄したか
友人宅への道すがら、顔見知りの男が私
は、市内が平静さを取り戻し始めた数日後
命から独立を成し遂げた黒
らである。代わりに、2人の男が門前に立
にそう告げた。アンソニーは、私が初めて
を迎えた。当時の超大国フ
人初の共和国である。一月
ち、まるで役人であるかのようにパスポー
である。
一日、首都ポルトープラン
トの提示を私に命じた。
った。同年二月五日、ハイ
を彼らに渡すと、国境を越えた。
もたびたび登場した。
チの首都ポルトープランス
ド政権への反乱は、わずか
呼ばれるアリスティド派の民兵たちが市内
ったかもしれない。
びとのように長年失業中だったアンソニー
2週間で各地に飛び火した。
を支配していた。本来ならば、反乱軍に備
その時は「死ぬなよ!」と冗談を言って
は、数年前に市のゴミ清掃の仕事をみつけ
同月二十三日、勢いづいた
/…
えてアリスティドと首都防衛の役目を持つ
から北へ百数十キロの町ゴ
行われた。
スでは大規模な記念式典が
ハイチ側の国境の門には、出入国を管理
一日、独立から二○○周年
マニの移民官は、何度もそ
するドミニカ共和国の町ヒ
OP
反乱軍は第2都市カパイシ
/4鰻騒、
別れた・アンソニーは笑って頷いていた婚 めに、現在の場所から近隣の安全な場所鰔
私もアリスティド政権のあっけない幕切
は、もう彼に会えないかもしれないと覚悟
の敵ではない。診療所の銃弾に象徴される
ここシテソレイュでは、貧困だけが彼ら
いない。だが、アリスティド亡命を聞いた
けてアリステイド政権を守ろうとしたに違
ような事態が起きたならば、人々は命をか
れに驚いていた。十年前のハイチで、この
した。アンソニーは翌年六月に亡くなった。
ように、暴力にも脅かされてきた。アリス
多くの人びとは、難を逃れて家に篭もり、
診療所を移動することを計画していた。
彼の死の知らせを聞いた時、「やっぱり」
ティド大統領が最初に失脚した九一年九月
「別れ」を感じていたのかもしれない。私
と思っただけで、不思議なことに深い悲し
一部は略奪に夢中になっていた。以前のよ
アリスティド政権崩壊後、治安強化にむ
の軍事クーデター後、アリスティド支持者
その後、銃を持った多くのギャング団が
けて米・仏軍主体の国際治安部隊のパトロ
みは湧いてこなかった。スラム街と呼ばれ
い。満足な医療設備もなければ、金もない。
生まれた。米国のギャングにあこがれたの
ールが始まったが、シメールの完全武装解
うなアリスティドヘの熱狂振りはすでに無
これまでにアンソニーのように死んでいっ
だろうが、教育の機会もなく、職もなく、
除は不可能である。同様に今もなお武器を
が多く住むシテソレイュは軍と軍政派の民
た人びとを多く見てきた。
未来もない現状に怒りを感じた若者たちで
携帯する反乱軍の処遇はどうなるのだろう
る不衛生な環境に暮らす人びとにとって、
シテソレイュのボワネフと呼ばれる一画
ある。彼らはシテソレイュ内で抗争を繰り
か。そのリーダーたちは、かつて軍政時代
くなっていた。
にある日本のNGOハンガー・フリー・ワ
返し、その度に罪のない多くの人たち犠牲
(九一年~九四年)に人権侵害を犯したお
兵による弾圧のターゲットとなった。
ールドが運営する診療所を尋ねた。通常な
となった。今、これらのギャング団のメン
重い病気なれば、死を宣告されたにも等し
らば1日に五○~六○人の患者が訪れる。
バーは、シメールと呼ばれるようになった。
らだ。治療を受ける多くは下痢や栄養失調
舎に疎開した人びと航まだ戻ってこないか
政変の間、難を逃れてシテソレイュから田
ィドの顔がプリントされた真新しい〒シャ
ソニーの親友だったアヘも背中にアリステ
イュでは依然として彼の人気は高い。アン
アリスティド亡命後の今でも、シテソレ
れた裁判で「終身刑」の判決を受けていた。
した。彼は一九九五年と二○○○年に行わ
ランが暫定政権の説得を受けて驚察に投降
翼民兵組織フラップ党の幹部ルイ・シャブ
四月二十二日、そのリーダーである元右
尋ね者だ。
だが、この日訪れた患者はわずか三十人。
に病む子供たちだ。
ツを着ていた。だが、後日、彼は私を家に
新たな裁判が予定されているが、「アリステ
う終わりだ。皆はアリスティド復帰を叫ん
「アイスティドは好きだけれど、彼はも
のリーダーでコカイン密輸の容疑のある元
になることが予想される。また、もう一人
ィド追放」の功労を認められて、無罪放免
SDAlRKB4レbZ89
診療所の医者は机の上に置いてあった銃
招くと、本音をもらした。
弾を手にとって私に見せた。診療所の屋根
でいるが、そう言わないと近所に住むシメ
カパイシアン警察長ギイ・フィリップにい
を突き抜けて落ちてきた銃弾だった。政変
γ所は閉鎖を余儀なくされる。診療所のデイ
ールが怖いからだ」
汁やギャング同士の抗争があるたびに、診療
wレクターは、より確実な医療活動を行うた
12
汁たっては、一一○○五年に行われる予定の大
仔統領選挙への出馬が噂されている始末だ。
〃一度政権が変われば、過去の悪人も英雄と
して賛美される。ハイチの正義とは、まさ
に権力と同義語なのだろうか。そうあって
これが実現していたならば、ハイチの歴史
って、私の意見では抗争だが、金持ちと貧
極端な貧富の格差である。今回の政変によ
が刷新される。そして、後には何も残らな
たが、アリスティド派の人びとは完全に排
三月十六日、暫定政権の新閣僚が発足し
国際社会の極端なまでの圧力(アリステイ
されたことがある。絶え間ない政権抗争、
ト・ドキュメンタリー世界の戦塙から(岩波書店)
★佐藤文則箸「ハイチ圧制を生き抜く人々」岩波フォ
〈参考図谷》
今回の政変を通して、あらためて思い起こ
13
SDAIRK52Wb/89
11
において画期的な一歩となったかもしれな
乏人の感情的な溝が一層深くなったように
思う。金持ちは貧乏人によりいっそう怯え、
い。
ヱーー。『二。芽-.m、これがハイチの政治風
い。ゼロからの出発を余儀なくされる。こ
除された。これから、暫定政権がどのよう
貧乏人は金持ちによりいっそうの怒りを感
れは中央政府だけの問題ではない。アリス
な政策を打ち出すのか分からない。先ずは、
土である。結局、同じ歴史を繰り返しただ
ティド政権時代に仕えていた大統領府の役
シテソレイュや地方の貧困層と富裕層の感
じている。
人から、アリスティド派と言われる市長や
情的なしこりと溝を埋める努力が必要であ
けだった。一度、政権が変われば、すべて
こされたというより、むしろかつて政治・
経済的に支配した旧軍人と特権階級による
町長まで、過去の実績を問われることもな
る。さもなければ、新たな悲劇が生まれる
はならない。
現代的で巧妙なクーデターと言えるかもし
く、すべて追い出されてしまう。彼らも、
れない。
アリスティドの支持基盤である貧困層に
かもしれない。
何も制度化されず、長期的な視点で経済や
選挙で選ばれた人たちである。これでは、
スティド政権への不満や失望を感じている
ド政府への援助金凍結)と無関心、そして
二○○三年十月lカリブ海に浮かぶ黒人共和国で、
様々な問題を解決することは不可能である。
背後にはいつも米国の影が漂う。ハイチの
民主政権の復活を夢見て闘い、逼しく生きるスラム街
人たちは多かった。また、シメールたちが
歴史を語るうえで、必ずといって繰り返さ
の人びとの生活を十数年に謬って追った記録
ハイチは世界で最貧国の一つである。街
の至る所に山積みされたゴミのように、た
号の原稿をもとに加箪、再概築したものである。
れるシナリオと悲劇だ。
’九八八年から、ハイチを見続けてきた。
犯した暴力の恐怖は人びとの記憶から拭い
さることはできないだろう。しかし、彼ら
が望んでいたのは政権内での改革であり、
アリスティド大統領の失脚ではなかった。
私の本音を言わせてもらえば、アリステ
ィドと反対派の間で、話し合いや妥協によ
る民主的なプロセスで問題を解決してもら
いたかった。独裁的や独断的との批判はあ
くさんの問題を抱えている。|番の問題は
”
っても、アリスティドは民主的選挙で選ば
れた大統領である。現に、アリステイドは
反対派に譲歩した妥協案を申し出ていた。
この原稿は、「東京新聞」二CO四年四月六日発売
おいても、|向に生活を改善できないアリ
今回の政変は一般民衆の不満から引き起
/観劇、、
★書評フジモリ大統領に裁きを★
新刊
『フジモリ元大統領に裁きを
~ペルーにおける虐殺の被害者に正義を~』
「フジモリ氏に裁きを旧本ネットワーク」
2000年11月に一連の汚職スキャンダル
により日本に逃亡して大統領職を罷免され、現
在なお日本に滞在中のアルペルト・フジモリ元
ペルー大統領について、「フジモリ氏に裁きを1
日本ネットワーク」から2004年2月本書が
出版された。
フジモリ政権下(1990年7月~2000
年11月)においては、拷問、虐待、強制的失
践、超法規的殺害などの人権侵害行為が広範に
行なわれた。現在ペルーにおいては、それら人
権侵害につき多くの罪でフジモリ氏の刑事訴追
が進められているが、特に重大な事件であるバ
リオスアルトス事件(1991年)、及びラカン
トウタ事件(1992年)については、フジモ
リ氏に対してペルー最高裁判所から逮捕状が出
され、刑事裁判の予審が終了しようとしている。
両事件は、軍の特殊部隊が実行犯となって、前
者は超法規的処刑によって、後者は強制失院(誘
拐)とその後の殺害によって、合計25人の民
間人が殺害された事件であり、フジモリ政権時
代に発生した多数の人権侵害事件の代表的事例
である。
2003年7月31日、両事件につきペルー
反し、また国際社会における日本国の信用を傷
つけ、ペルーと日本との外交関係にも大きな悪
影響を及ぼすものでもある。
本番では、両事件の概要、フジモリ政権の犯
罪と責任について、被害者らの苦悩、そして日
本におけるこの問題の意義、~法的位置づけなど
が分かりやすく説明されている。なかなか日本
E|鶉蹴亨L繍騒I争二澱濤iii1iMl1i
応のどこが問題なのかをコンパクトに、わかり
やすくまとめてあり、初めてこの問題を目にし
た方にも簡単に理解いただける。
※「フジモリ氏に裁きを1日本ネットワーク」はフ
ジモリ氏の来日直後に、この問題に関心をもつ4つ
の市民団体(アムネスティ・インターナショナル日
本他)によって結成され、同政権下で起きた人権侵
害事件に対する不処罰を許してはならないこと、同
氏はペルーに帰国して裁きを受けるべきであること、
を主張してきた。現在まで、現地被害者や各国際NGO
と連擁を取り、シンポジウムの開催、被害者招致な
どの活動を続けている。
「フジモリ元大統領に裁きを
政府から日本政府に対して、フジモリ氏に対す
る正式な身柄引渡し請求が提出された。その後
現在に至るまで、政府は引渡の可否について検
討を続けており、被害者およびその家族は、2
003年9月、氏の引渡を求めて、日本弁護士
連合会の人権擁護委員会に対し人権救済の申立
を行なった。
被害者・その家族ら[説フジモリ政権下の人
権侵害事件において命を奪われ、親しき者を奪
われ、その後の加害者の免責においてその声を
も奪われている。国際人権基準に照らして、重
大な人権侵害を行なったとされる者が刑事法廷
にて裁かれるのは当然のことである.
また、国際社会から見ると、フジモリ氏の日
本滞在を許すことは、我々日本人が人権侵害の
被疑者をかくまっていることに他ならない。引
渡を拒むことは、重大な人権侵害事件の責任者
に対する不処罰を許さないという国際的潮流に
~ペルーにおける虐殺の被害者に正義を~」
GENⅡNブックレット41
縞著者:フジモリ氏に裁きを1日本ネットワ咽
定価:800円(税抜)、判型:A5,頁数:100、
発行年月日:2月25日
フジモリ氏に裁きを1日本ネットワーク構成団体
httpWhomepage3.、ifⅣ、com/mjimori[rialノ
アムネスティ・インターナショナル日本
ペルー民主化連体ネットワーク(RESODEP)
ピースポートペルーキヤンペーン2001
ぺルーの人権問題とフジモリ元大統領
の責任を考える会(関西)
httpWhomepage2・nifyty・com/ail5Zhannah/Pddhh.h、、
フジモリ氏引渡し国際キャンペーン
‐14-
(スペイン語、英語、日本霞)
httpWwww・fUjimoriextraditable・com・PC
印南楽ニュースケIノッブ2004年''弓目
◆ワウンウ(f---水震、i浸染による生態系rの危機ド
エピの養殖によるマングローブ林の汚染などにより中米一帯の水系汚染による生態系の危機が
一層深刻になっている。ニカラグア、ホンジュラス、エルサルバドルにまたがるフオンセカ湾で
のエビ養殖で、抗生物質や農薬の使用は海洋生物の絶滅をもたらした。また養殖事業の拡大によ
り。これまでに漁業で生計をたてていた40以上のコミュニティが立ち退きを余儀なくされている。
ホンジュラスでは、この10年で立ち退きに反対した12人の漁師が養殖会社のガードマンらに殺
(#嚥霧、
害されている。こらら養殖会社は世界銀行から融資を受けているほか、税金の優遇措置も受けて
いる。ニカラグアでは別の開発によりネグロ川の流れが変えられ、それにより36の井戸が枯渇
し、これに頼ってきた住民の生活を脅かしている。また、鉱山開発、放射能物質運搬(パナマ運
河やホンジュラス、ニカラグアの河川)による汚染も告発されている。(?VmrmsA/mdbs4/、/200‘
よりノ
◇エクァバルーーガラパゴズで徴生物泥穰行為が合法化?
今年3月15日、エクアドル環境庁は代替生物エネルギー研究所(IBA)に対し「新しい形の
生命を作るため」にエクアドル国内の微生物に対するアクセスを許可する取り決めに調印した。
IBAは公共機関であるが、米国エネルギー省からの資金援助を受けており、共同でナノテクノ
ロジ_、遺伝仕組み替えなどの生命科学の研究を行っている。米国はナノテクノロジ一推進を戦
略的に優先課題としており、I”8年には1.16億ドルの予算が2001年には4.6億ドルに増加して
いる。今年3月には、米国船が遺伝子資源の扱いに関するアンデス協定を無視してガラパゴスの
微生物を商業目的で収集し、政府はこれになんらの手も打たなかった。数年前には、ヒトゲノム
の多様性プロジェクトという商業目的の研究に先住民族が目的を知らされずに協力させられ、そ
の情報がインターネットで売買されたが、やはり政府は何もしていない。(Xccjo〃EColqgjcqコミニ
ニケョ/ノ`/“よクノ
◆パラグアイ人権侵害の祷荏青に補賞
パラグアイ政府は7月7日よりストロエスネル独裁政権時代(1954年から89年)の人権
侵害犠牲者に補償の支払いを開始した。式典では、財務長官ディオニシオ・ポルダが「自由と民
主主義のために闘った人々への義務を履行している」と述べ、34人(登録されているのは40
0人)が全体で25万ドル相当の補償金を受け取った。これは、人権活動を続けてきた人たちに
術は勝利といえるが、行方不明者のその後についてはいまだに解明されていない。ストロエスネル
は現在91歳でブラジルに亡命している。(?VmiCimAノmdhSmq瘤0,200‘よクノ
◆パナマーーノリノホス呼量の息子'X大鰄鏡に当選
パナマで5月2日に行われた大統領選で、新政党(社民革命党を中心とする政党連合)より立
候補したマルテイン・トリホスが80.48%を獲得して当選した。投票率は81.45%174,740票だっ
た。トリホスは1968年から81年まで政権についたオマル・トリホス将軍(当時のカーター政権
と交渉してパナマ運河の1977年返還を決定した。なぞの飛行機事故で死亡)の息子。米国との関
係を聞かれて、「友好関係を維持する。われわれ(米国派とパナマ)は多くの共通な関心がある」
と答えている。新政党は議会でも78議席のうち31議席を笈得して、第一位となっている。選挙
監視にあたった米州機構は、多くの市民が参加した「非常に満足のいく選挙」と評価している。
〈Ce"け-4胴」V`W#282PPbekor細O-j7”イよりノ
15-
SDAlRK54Mコメ89
☆からみ篦ミソ配り、囚画窃汁
開直後の「スウィートパパナ」
半滞在したメキシコシティで公
エルサルからの帰り通、一日
保線係の日課を繕えると愛用のサクソフォンを
バレエ団の若きダンサー、エルネスト(加)。鉄道
しみ、タオヒッチハイクで劇場へ駆けつける国立
見送るカリダ(わ)。昼のうちは自宅の改修に勤
なく映し出されるあたり、体制にやんわり苦官
転身し一昨年急逝したディァスの名が然り気
アミからは一線も一一線も画すとはいえ、圏外へと
ーパ文化専門鍵『遥造』を発行してきた。マイ
の脚本を担当lは、近年マドリーを拠点にキュ
《
〈の昌冨西ロケ四口四フエルナンド・
抱え教会へ赴くホセルイス(顕)。引退後、街角
を呈したと取れるのだろう。
州
ペレスキューバ・西一一一○○
に立ち南京豆を売苞アマンダ(煙)・
の最優秀映画・監督・音楽・録
カ映画祭(通称ハバナ映画祭)
月、第二十五回新ラテンアメリ
しかし働くことに擦り切れることなく、夜の訪れ
さ切なさが浮かび上がる。誰もが精一杯働き、
異なる世界を成し、その陰陽に人生のはかな
錐にとっても昼の生活と夜の人生はふたつの
る者の胸は締めつけられる。彼女の夢は薑く旨旨『
葉より、イパンに付き添うラケル(⑭)の菅に、観
ダの、取りようによっては痛烈な体制批判の官
露される。「もはや夢など失ってしまった」アマン
そしてハバナが眠りに就く頃、各々の夢が披
エンワエントロ
三年九○分)を観る。咋十二
音各賞を穫得、前年度に国産
とともに別の人生へ旅立つ。「プロジェクトX」と
:『、『の頭『の:「愚l戻ってくるために旅に出るこ
コントラスト
長編ものの出品がなかったキュ
は全く正反対の人生へ。
更けまでを市井の人々の生活
しなべてラジオやテレビに没頭している。革命広
である。たとえば、画面に現れる老人たちは、お
からも好意的に受け止められているらしいこと
れる。それとも、革命がもし夢の成就であるなら
去ることを深しとしない者の務持もまた感じら
判じ難いが、島を去る同胞に理解を寄せながら、|
慮の上の表現か、島外組への熱い想いの吐露かは6
面白いのは、この映睡が現体制を批判する側
ぶりによって綴る「ドキュメンタ
場に集まる大群衆とその頭上にこだまする演説
ば、アマンダの如く「もはや夢などなどはずだろ
と。それが彼女の届託のない願いなのか、深謀遠
1パ映画界としては期待の新
作。
リー」.状況を補足税明する最
の画面とを、淡々と流す映像.おそらく革命を
うか。ハバナ市民の、それこそ小市民的幸福は反
ート(、諭)とその父フランシス
ダウン症の少年フランシスキ
わりに枕元でヘスス・ディアスの著書を開く。監
休日に道化を出前する中年男性は、一日の終
義を体現する職を全うしつつ、俳優を目指して
あるいは、医者つまり革命体制とその国際主
三雲翰蒙蕊
1パ映画祭は、お家の事情を匂わせる。同センタ
代美術館付属フィルムセンターで開かれたキュ
翻って四月中旬、東京は京橋の東京国立近
1
低限の音と声は聞こえるが、ど
最も果敢に担った世代の、枚□状態に近い虚ろ
革命を構成しないのか、興味深い。
ハバナの一日、夜明けから夜
ちらも画面の奥深く沈んでい
な表情、虚ろな現実。
コ(弱〉・サルパドル・アジェンデ病
督とかってともに映画を撮った作家l後述する
に関わるからだろうが、それはまあよい。しかし
、、
る。十数人の登場人物たちは一
院に勤務の傍ら、夜になると女
キュ1パ映画祭にかかった同監督の旧作「危険に
切語らない。
装してステージに立つイパン
ことごとく旧作ばかりというのはどうか。もちろ
魏
生きて」(o一画目の、茸。。、一九へ七年九二分)
(卯)。マイアミヘ旅立つ息子を
》鯏醗弊葬》軌輌に唇》二判鮴Ⅶ抄触作討椰鐘櫻
一足りなかったのか。何とも残念でならない。
材したイタリア映画祭(有楽可朝日ホール)にマル
l
)
ぱ、ラテンアメリカの文脈はおろか「イタリアが四
介し質問を投げかけた女性のように、監督の意
人夫妻がいるため他人事と思えない」と自己紹
た。「アルゼンチンから種子を迎えたばかりの友
か、観客の大多数は飲み込めていない風情だっ
でなぜアルゼンチンの話をされなければならない
は、実は貴任者の処罰を求める「子供たち」の行
うに割り込んでは不安を掻巻立てる太鼓の音
躍る場面をもって終わる。断りもなくぶっきらぼ
虐殺者」が住むと警告する卓抜な道路標識の
月後「危険!お宅から五○メートルのところに一
り、二○○一年一月二十三日を経てそのニヵ7
さて物語は一九七七年十二月九日に始ま
》
内包するラテンアメリカの文脈」ですら見ていなw
ブームの再来がいわれるタンゴの由来なり「母
いのではないか、そんな懸念を覚えるに充分だっ
衝動を止められない医者のように彼らは子供た
を訪ねて三千里」なりをちょっと思い浮かべるだ
れたとすれば、子供を引き取る行為は慈善や倫
ちを我がものとする。行方不明者の安否を追う
けで納得がゆくはずなのだが、結局のところ、監
た。南北問題なんてイタリアが元祖かもしれな
人々が「もともとそんな人間は存在しなかった」
督個人の来歴(サンティアゴ生まれ、サン・パウロ
理のなせる業ではなく、人間を全く別の人間に
と宣告されるなら、子供たちももともとそんな
とプエノス・アイレスに育つ)をもって、「アルゼンチ
いのにねえ。
子供はいなかったことにされてしまうのである。
ンとイタリア」の組合せを何とか強み下した観
図を南北格差、つまり国境を越えた護子縁組の
進を意味していたことがわかる。太鼓は不敵に
客が多いように見受けられた。
孕む問題性に結びつけて解釈しようとする例も
轟き、良心の安眠を許さない。
違和感を拭い切れないらしい観客に向かい、
これに当たる。それはそれで重要な現実なのだ
ぐり出すことが目的だと明快に返答した。もっ
「オリンポ・ガレージ」の日本公開を達成するに
監督は是非前作を観てほしいと希望を述べた.
は、アルゼンチンではなくイタリア大使館に、そ
とも、通訳に立ったイタリア映画評論家のTO
し、適訳ぶりからはこれまた「イタリア映画」を
ろうか.
して監督の「イタリア性」にすがるしかないのだ
(五月九日記飯島みどり)
至極狭い意味でのイタリア、つまり「日本から見
疵
てのイタリア」の文脈でしか見ない、言い換えれ
式は南北問題なる術語自体を御存知なかった
が、監督はあくまでも軍政の非道と不正製をえ
れよりも、やはりと言うべきか、イタリア映画祭
筋の展開については当面そっとしておこう。そ
改造しようとする企てであろう。人体実験への
子供たちが軍関係者に戦利品よろしく分配さ
一一ロう通り、実の親(政治犯)から引き剥がされた
」
オラ瀦巨賀 汁
迫威第五回『ラ米首魁
■・巳凸■Ⅱけ■q■■。|■●■q0V0■■■■■■■曰●、■■■■●q■■Ⅱ■■■刀■OB●0■0■■■■已凸。『夕COCO■ご■00■■。■■■■■■■■B凸■■■■ザ・P。
第雛蕊蕊議「¥
メキシコ市のレフォルマと南インスルヘン
テスの両大通りの間にあるコロニア・フアレ
スの一角に一九七七年三月まで、「スペイン
第二共和国」の大使館があった。この共和国
はスペイン内戦でブランコ率いるファシスト
スペインに倒されて存在を終えたのだが、パ
リに亡命政権をもち、メキシコ市にその大使
館を置いていたのだ。これにはわけがある。
メキシコ革命の理想を受け継ぐラサロ・カ
ルデナス大統領は一九三七年、内戦で劣勢に
入れはじめ、四二年までに二万数千人を亡命
なりつつあった共和派の人々を積極的に受け
移住者として迎え入れた。共和派人民戦線に
武器弾薬と軍事顧問団を送ったスターリン・
ソ連の次に共和派を支援した外国は、カルデ
ナスのメキシコだった。共産党員だった壁画
家ダピ1.A・シケイロスが、青年時代にメ
キシコ革命で戦った経験をもって、人民戦緑
部隊の中佐として前線で戦ったのも、単にモ
スクワの指令がメキシコ共産党に届いたため
ばかりでなく、メキシコ革命を戦い将軍とな
った同年輩のカルデナスの〈革命政槽〉があ
ったことと関わりがある。カルデナスは、ブ
ランコ政権を決して承麗せず、その証として
咽ドウーチをはじめ亡命社会の誇りだった。エ
ルナン・コルテスにはじまる〈野蛮な略奪者〉
と異なる系譜のスペイン人がメキシコにやっ
て来たのだと、自他ともに潔めることができ
たからだ。
一九七○年カルデナスが死ぬと、国葬が行
あった。『メキシコは泣いている」l新聞は
心われた芸術殿堂と革命記念碑を結ぶフアレス
亡命政栂大使館を窪め、亡命社会の人々の心
伝大通り一帯は群衆で埋め尽くされた。そのな
の拠り所にしたのである。これが外交上の伝
いかに壱正装した亡命社会の人々の大きな塊が
統となって、七○年代半ばすぎまで続いてい
たのだ。
日大見出しを掲げた。フェドゥーチも泣いてい
毎年四月一四日の第二共和国発足の記念日
をた。
には、大使館にバスク人やカタルーニャ人を
七四年四月、メキシコ市内のスペイン広場
僚
含むスペイン人が集まり、メキシコ政府閣僚
催にカルデナスを讃える妃念碑が建立された。
が必ず一人、大統領名代として出席し宴が催
叫その除幕式には、ホセ・マルドナード大統領
され、最後に「スペイン共和国方議!」を叫
毎を戴くバリの亡命政府から「首相兼外相」の
ぶのだった。私は外国メディア妃者として毎
便フェルナンド・バレラが特使として派遺さ
年、この招待を受けていた。「臨時代理大使
デーれ、ルイス・エチェベリア大統領と並び立つ
兼商務官」の肩轡きをもつマヌエル・マルテ
にた。
ィネスフェドゥーチ(略称フェドゥーチ)に
》
、
り麺統引準扣記卵檸難圖》→鹿函認烟鵬鰄Ⅷ》w
「祖国に共和国を必ず復活させる。その時
会えたのも、このパーティーの場でだった。
ある年の共和国記念日の数日後、私はフェ ドこそヘカルデナス大統領とメキシコに恩返し
ができる」lバレラと、フェドゥーチら亡命
ウーチにインタビューした。
「カルデナス大統領は、メキシコ国籍と 仕社会の代表が記念碑の前で誓いの言葉を述べ
しると、数千人の出席者は感涙にむせんだのだ
事を与えると寛大にも呼 び掛けてくれまし
方った。
た。 当時フランスに逃げのびた共和派三○万
ま
メキシコがブランコ後のスペインを承翻し
人のうち二万何千人ががメキシコに移住しま
みてから三カ月後の七七年六月、バリの亡命政
した。約七Coo家族ですが、家長たちはみ
移権は第二共和国の終焉を宣言する。八二年に、
な知議人ばかりで、メキシコが受け入れた移
人民戦線の流れを汲むスペイン社会労働党
民のなかで最も質の高い人々でした」
教
最高学府コレヒオ・〒・メヒコを創り、教
(PSOE)政権が登場して民主化が成る。明
宵水準を引き上げ、文学・出版やジャーナリ
ズムの質を高め活発化させるのに尽力した。
な配した。だがo四年三月のマドリードの列車
カルデナスも、それを期待していたに違いな
ェ爆破事件を経て、PSOE政権が四月復活し
い。何よりもこうした文化面の貢献が、フェ
18
ロ=
オラ流巨浸 オ
た。メキシコの旧亡命社会もカルデナスも満
は、「コンドルが飛んでいく」を歌う。一」れ
l;
足していることだろう。
【スペイン内戦については、今月刊行の伊
高浩昭箸『ポスニァからスペインヘー戦の傷
跡をたどる』(論創社)を参照されたい。】
第一p澱蕊蕊蕊蕊蕊蕊騨譲#
四態溌蕊懇議鱗鴬議灘鐵歌鐘》
:塞蕊蕊蕊蕊溌隷溌霧マヅク
「イマ・スマックよ、好きなだけペルーに
が終わると、観衆は総立ちで拍手を贈った。
長い拍手が続いている間、イマ・スマックは
ステージに蹄き、頭を垂れていた。四六年に
渡米し、五○年代にかけてハリウッドから世
に出て大成功を収めた彼女は、米国籍を取っ
た。そんな彼女をペルー人は「インカの裏切
り者」とののしった。米国で華やかな生活を
送りながら今張られたレッテルに歌姫は痛く
傷ついた。それが、久々の帰国コンサートで、
ペルー人は彼女を惜しみない拍手で迎えたの
私は、どの国でも中心街に宿をとり、その
だ。
居たまえ」I観客席から声が飛ぶ。彼女は何
度も涙を拭っていた。私は、このコンサート
に週遇できた幸運をペルーに感謝し、「徒歩
から取材は始まる」の信念を一層強くしたの
である。
ケチュア人の血を引き、緑の瞳をもつイマ
・スマックは一九二七年カハマルカに生ま
れ、音楽教師だった作曲家モイセス・ピバン
コと結婚し、息子カルロスをもうける。四○
年代にラジオで「ペルー民俗歌謡」を歌って
世に出、ニューヨークからハリウッドまで米
国各地で歌って「アンデス音楽」を商業化す
るのに成功する。カリブ調やタンゴと融合さ
せた歌い方は欧州やソ連圏まで魅了した。五
九年離婚し、いまは息子とカリフォルニア州
マリブーに住む。ことし七七歳になる。私は
リマで四五歳だった歌姫の声を聴いたのだっ
た。
当時、私は、フアン・ベラスコアルバラー
ド将軍(大統領)の〈軍事革命政権〉下のペ
ルーを取材していた。六八年にクーデターで
登場してから四年たっており、農地改革など明
》
羅欝辮匪難い存跨露餓襲舗
態系〉は大きく変貌しつつあった。米企業を
接収して国有化し、秘米関係は険悪になって
いた。ペルー軍は、ソ連・東欧や北朝鮮から
大小の兵器・武器を輸入するようになってい
た。領海二○○カイリを宣言し、漁業面でも
厳しい対立が続いていた。
そんな状況だったから、市民劇場のイマ・
スマックの〈鳥の声〉を聴いたひとときが忘
れられない。九七年八月、彼女がモントリオ
ールのジャズ祭に出演したというニュースに
触れて、過ぎし曰への〈懐かしさ〉がこみ上
げてきたものだ。
●●●凸中◆■0。■、Uc■午pSG●●ワロ■●■●句●●OS■巴P■●◆。●●巳い■S■0.。■●●●ロ■□■bのP■bG0●ザの。。●●●
第一馨祭灘蕊議蕊蕊蕊溌蕊濟
室{灘鰯鰯繊泌鱒添溺繍灘ラスコ
現代ラ米で最も清潔な政治家として知られ
るのは、故ホセマリア・ベラスコイバラ二
八九三’一九七九。略称ベラスコ)である。
一九三四年から五度もエクアドール大統領に
就任し、うち四回までクーデターで追放され
るという記録をもつく不死鳥〉中の〈不死鳥〉
だ。追放と復活を繰り返し、最後に政権を追
われたのはs七二年二月のギジェルモ・ロド
リゲスララ将軍によるクーデターでだった。
この政変の背景には、開発が軌道に乗ったば
かりの石油産業の生み出す巨大な利権があっ
た。
ペラスコは追放されて今ピアニストの妻.
19
周辺を歩くことから取材を始めるのが常
だ。リマでも大統領政庁に近い雑踏の安ホテ
ルが定宿だった。一九七二年一二月のこと、
ホテルの墓通りを歩いていると、長い行列が
あった。映画館のような建物の切符売り場か
ら行列は発していた。私も並んで、百円する
かしないかの安い入場料を払って建物に入る
と、外からは想像もつかないような、バルコ
ニーのある立派な円形劇場の空間があった。
ここは、由緒ある市立劇場だったのだ。
二○世紀ペルー最大の歌手とされるイマ・
スマック(本名ソイラアウグスタエムペラト
ゥリス・チャバリデルカスティージョ)が、
帰化して住む米国から久々に第一の祖国に帰
り、コンサートを開いたのだ。満員だった。
開演となって場内が静まり返ると、天井の方
から小鳥の細く美しく高い鳴き声が聞こえて
きて、やがて劇場内をさえずりながら飛びは
じめたIと思いきや、それがイマ・スマック
の超ソプラノの声だった!通常は四オクタ
ーブ、気張れば五オクターブが出るという〈驚
異の声〉だった。
いつの間にかステージの中央に現れた噸
〆N駒。
★ラガビ百燭 汁
凸
リーナ・ポラルの故国アルゼン
ノスアイレスで亡命生活を送っ
七三年一○月アパートの自宅を
ピューした。一メートル八○セ
の長身だが、語るときの情熱は
の熱気に圧倒された。当時八。
朋恒
役がいたから。第二政櫓でもゲバラ内相とい
う優れた部下がいたため、任期を全うできる
はずだったが。内相が政権末期に駐チリ大使
となって出国したことから、軍部が蝉起した。
を大統領の椅子に連れ戻してくれたのです」
I第三政権(五二-五六年)では任期を満
了できましたね。
「そう、ポンセ内相という立派な切り回し
アドール市民は私をいつも支持してくれ、私
を軍部につけ込まれた。私は政櫓に就く度に、
国防上の必要から軍部の強化に努めたのだ
が、いつも軍部は私を裏切った。しかしエク
とは、政治家としての私の至らなさだ。そこ
広く伝わらなかった。人材をもてなかったこ
「私を支える人材がほとんどなかったこと
だ。私と同じくらい強い政治的情熱をもった
部下がいなかった。だから私の政治の理想は
のはなぜですか。
lあなたが四回もクーデターで追放された
て呼びかける。
霞士資格をもち、何度も元首を務めた人物ゆ
えにエクアドールで使われている敬称をもっ
「ドクトール」と話しかける。法学士で弁
れた。
年齢相応の老いは全く感じさせ
人生を華々しく生き歴史をつく
ではの、老境のゆとりが会見の最後に感じら
:力$力1老雛iilr繭i1i)
ついでに賃えば、第四、第五政栂では内閣に
各派が入り交じって、めちゃくちゃだった。
第四政権では副大統領が私を追放し、第五政
櫓では閣僚はいないも同然だった。さらに言
lロドリゲス現軍政(当時)をどうみます
えば、三九年の大統領選挙でも私は当選した
が、強権によって否定された。これを加えれ
ば、大統領選挙当選は六回になります」
か。
「軍部はクーデターはできても、政治上の
準備が全くない。ただ強櫓で民衆を沈黙させ、
事を進める。現政梅の弾圧には人道上、目に
あまるものがある。本当に悲しい。彼らには
知性が全くない。数年前に発見された油田が、
軍部を独裁に走らせた。独裁者の周りにはい
まや、暇つぶしのためのロ先だけの〈サロン
社会主騒者〉や〈コーヒー共産主穣者〉、さ
らには時代遅れの保守主義者がうようよして
います」
lあなたの思想は。
「繍心なカトリックだが、反共ではない。
カトリックは〈普遍的で正しい〉という意味
をもち、すべての正しいことと矛盾しない。
いや、慣者は正しいこととともにあるべく努
めねばならない。しかし、イデオロギーに固
執するのは無意味だ。同胞が何を悩み、何を
蝿昌、「辨俳睡鐘元が割誹弘や麩鋤娃輌岸元鱸錘
いきます」
理想に沿って行動させてくれなかったこと
だ。仕方ない。私は理想を抱いたまま死んで
死にたいだけです」
l〈不死鳥〉の死とは。
「八o霞の身にもはやく不死鳥〉はありえ
ない。もう何も望めないではないか。ロドリ
ゲス政権が消えた後、妻とともに祖国に帰り、
ロドリゲスは七六年、軍部に追われたが、
ベラスコはアルゼンチンに留まる。そして七
九年二月、コリーナ夫人がブエノスアイレス
市内で乗り合いバスに乗ろうとしたところ、
バスが動き車輪に巻き込まれて死ぬという悲
劇が起きる。失意のペラスコは嚢の棺を伴っ
てキトに帰る。騨儀を終えた翌三月、八六歳
のペラスコは妻を追うように死去した。
偉大な知識人だったペラスコは、アルゼン
チンではブエノスアイレス大学で教鞭をとっ
ていた。七o年代のペロン復活政權時代はま
だしも、その後のピデラ軍政は最悪だった。
異国にいてもペラスコは、民主のない社会を
憂い批判していた。
た。「あのペラスコ夫人がバス事故で死ぬと
高潔な政治家は、清貧の亡命生活を送って
いたのだ。だから、夫人が市内を移動するの
に乗り合いバスを利用しなければならなかっ
は、信じられない!」lせっせと公金をスイ
切望しているのかを知り、そのために働くこ
とこそ政治家の使命だ。同胞市民の立堰に忠
l大統領時代の最大の思い出は。
生き方に〈感動〉さえしたのである。
(二○o四年五月三日記す)
》
ちは、あまりにもかけ離れたベラスコ夫饗の卿
スの銀行に送っていた当時のう米の大統領た四
実であることで、政治は決まります」
たことです」
「第三政権を無事に終え、大統領の地位を
後任に鰻り渡した日、キト市民がどっと押し
寄せ、私に、大統領を辞めるなと叫んでくれ
l政治家として自身を裁けば。
20
物だたでいイ・都
汁鬮Br旨謝維瀦専汁
してお招きして、「メキシコのポピュラ
かりの上野清士さんを特別ゲストと
強会にはメキシコから帰国されたば
で、開催している。その第一回めの勉
勉強会」という集まりを月イチペース
佳浦さんの呼び掛けで、「メキシコ学
今年の二月からレコム会員の和田
で完全に止まっている状況なのである。
のCDで、つまり、誠に残念ながら時間が数十年前
いてあるメキシコ音楽は、たいてい、決まってこの手
別として、大手のCD店でも「ワールド」コーナーに置
ーレコード渋谷店やディスクユニオン新宿本館等)は
もラテン音楽コーナーの充実した一部のCD店(タワ
ッチ」、という時代があったことは事実であるが、今
確かに、メキシコ音楽といえばトリオ音楽か「マリア
気溢れる若手の女性ロッカーで、注目株のひとり。
だフリエタ・ペネガスは、自ら作詞・作曲もこなす才
44712、写真上)が、最近、日本でもCD店に並ん
枚目の最新アルバム『SI賃BMC/82876157
も私の好みでいえば、そのメキシコで大ヒットした三
ループやロッカーたちの活溌が目立っている。なかで
者に絶大な人気を誇るジャンルで、多くのロックグ
イオリンやトランペット、それ
ェーラ(マリアッチは複数のバ
れているカンシオーン。ランチ
ジャンルの音楽であると思わ
巷では「マリアッチ」という
ーで、その飾らない天真欄漫さと、小悪魔ぶりが同
さないロック精神に溢れたシンガー・ソング・ライタ
ル、ナタリア・ラフォルカデも、体制批判もあえて辞
ロモーションまでこなしてしまった一九歳のアイド
ジック/EICP254)が発売され、ついでに来日プ
LIALAFoURcADE』の国内盤(ソニー・ミュー
昨年、ソニーからそのデビュー・アルバム『NATA
ー音楽の歴史と現在」と題して、お話
を伺った。また、その上野清士さんを
始め、「カフェ・メヒコ」を運営するコラ
ラテのメンバーや、西村秀人さん、パ
ラダイス山元さん等々多彩なメンバ
ーが執筆陣に加わった『トッピング充
にギター系の楽器からなる
メキシコ音楽というと、まず何を思
番かせていただく。
て、メキシコ音楽の魅力について、少し
楽の紹介を一回のみ勝手に休止し
ということで、本号ではキューバ音
ていただいている。
う篭者もその執蓬陣の末席を汚させ
ジンより刊行される予定で、かくい
二’○○円)がこの六月に中南米マガ
実、この分野からはルイス・ミゲルを始め、ダリアや
つ、多くの歌手層を擁しているジャンルであり、事
ーダ(ポップス)がもっとも幅広い人気を穫得し、か
プ」であるように、メキシコでもバラ
今の日本で主流になっている音楽がいわゆる「Jポッ
キシコを代表するポピュラー音楽ではない。むしろ、
決して「演歌」ではないように、ランチェーラのみがメ
い大衆歌謡であるが、現代日本を代表する音楽が
チェーラ)は、確かにある意味でもっともメキシコ臭
楽団編成の名称、その演奏をバックに歌うのがラン
ト盤『MAGoSHERRERA賃LAMEccAR
野の音楽を歌いこなし、最近、日本独自縞築のペス
ジル音楽から、バラーダやジャズまで、あらゆる分
・エレーラだ。キューバやブラ
ちともいえるのが、マーゴス
イチ押ししたい存在。
で、これは何としても
まんまと収まってしまったの
ーションに何故か参加し、握手して、一緒の写真に
居した、実に魅力的な歌手だ。私はその来日プロモ
実‐・メキシコ音楽タコス』(’七二頁、
い浮かべられる方が、本誌の読者には
パウリナルピオ等々、文字通り、国際的規模で活
(土方美雄)
そして、私にとっての真打
多いのだろうか?まさか、トリオ・ロ
EcoRDS/BNcPI101、写真下)が発売され
た。
殿する歌手が、陸続として登鰯してきている。
ロックもまた、欧米や日本と同様、メキシコでは若
〈
ス・パンチョスに代表されるトリオ音
楽ではありませんよね?一昔前には
繩
SDMR煩41/W89
21
1lii
iii
1M/ふおる美しお,《/ポンフビォルマシ刀ノンhlqzmacmn
◆サパテイスタ武装蜂起10周年「国際先住民族の10年」最終年2004年6回連続講座
無数の「もう、たくさんだ!」の声が穂こえるグローバル化に抵抗するラテンアメリカの先住民族
企蕊と富める国の利潤追求のための自由貿易圏の推進、資源08発をめぐる紛争、そして対テロ・麻薬換滅戦争の名の下の軍事化一。これらが現在
のiU:界の中で凋上も先鋭に現オ17てし、るのがラテンアメリカです。そしてその影馨を」:上も深刻に受けているのはこの地』皮に住む多数の先住民族-Cす。コロ
ンビアでは麻薬劉醒Rの名を借りた「コロンビア計画」の下、米国のiR事介入によって先住民族の生命と生活基鍵が破壊されています。米国主導の米州
自由貿易圏構想(FmA)に対して、先住民族をは12め、人権、労働、環境などさまざまな分野のtt会運動が反対剖亘■bを繰り広げています1,こオLらがロ
コドで報道されることは滅多にありません。ネオリペラルなグローバル化は先住民族にどのような影客を与えて1,、ろのか、9.11以降の世界の軍事化は先
住民族やマイノリテイの尊厳と自立を求める連動にどう関連してb、ろのか.「グローバル化」と「軍事化」をキーワードに、ラテンアメリカの先住民族のお
かれた状況と抵抗運動についての理解を深めま魂
●第3回「中米の経済統合と先住民族」7月3日(土)午後5時~8時資料代:500円
第3回講座では、自由貿易協定のさきがけであるNAFTA(北米自由貿易鑑定)の先住民族への影響と、開発援助の理念。手法
幸医用尾の女性たちI工中ブ
八V
Ⅲ階f知巳(専修大学覇向員〕-自由貿易、開発援助と先住民族の覇
藤岡美恵子(法政大学非常勤講師)=先住民族女性の視点からみた開発と自由貿易
主催:現代企画室TEL:(03)3293-9539FAX:(03)3293-2735gendai、jca,apc、org
反差Eu国際運動(l卿ADR)クア壷壷?ロジエクトーTEL:(03)3586-7“7FAX:(03)3586-7462imadIis@imadr、org
法政大学国際文化学部連絡先・今泉研究室TEL:(03)3264-4789
、
◆メキシコ学勉強会
第4回5月24日(月)午後7時~9時テーマ「メキシコ古代史の再検討プロローグ」報告者:土方美雄(古代アメリカ学会会員)
著書『マヤ終霜』断評誼)『写真でわかる魅への旅ノメキシコマヤ&アステカ』(雷鳥社)『ミステリー&ファンタジーツアー/中米』(新1日元社)を上梓予定。
千代田区和泉橘区民館5匹洋室D(JR秋葉原灰昭和通ロ、駅前の昭和通を岩木ロⅡ方向に、餓初の信号を右折、替泉ブック”~の隣り。徒歩2分)
参加費=400円問い合わせ:mjikata@kt・面m、orjP土方まで
第5回6月7日(月)午後7時~9時テーマ「メキシコの民俗舞踊」報告者:さかぐちとおる(ジャーナリスト)
ご自身の写真展で使用した多数の写真パネルと音楽を交えての、楽しいお話となります。
●コロンビア彫刻家フエルナンド・ポテロの野外彫刻展2004.3.31(水)~7.11(日)
■
~「微笑を運ぶ」ボテロの彫刻を、恵比寿ガーデンプレイスで~httpg//www・morganstamley・CO.』p/ahoutms/community/botero/
●武装蜂起したチアパスの虐げられた先住民をサポートする心あるアーティストたちの胸うつミュージック・エール!
「みんなの歌~チアパスCANTODETODOS~CHIAPAS」TKF-2919/税込通販価格3000円(税抜2900円)
解鋭/工藤律子1994年1月1日、ひとつのニュースにメキミ/。が、世界が揺れた。メキシコ南東部のチアパス州で、覆面をし、あるいはバンダナで鼻から
下を園した先住民インディオたちが、武装蜂起したのだ。それは1910年に起きたメキシコ革命で活躍した農民出身の英雄エミリアーノ・サパタの意志を受け
1段ぐ者たち=「サパティスタ」たち。そして、彼ら力鶏乗った組織名は「サパテイスタ民、眉解放軍(EZLN)」。このアルバムは、その声に突き動かされたラテン
アメリカ鰭国のミュージシャンr6組が、EZUqの運動を音楽を通して支援するために制作したもので、ガピーノ・パルマーレス、ギジェルモ・ペラスケス、
アンパロ・オチョア、オスカル・チャペスらのメキシ麓z勢に加え、ウルクPアイのダニエル・ピグリエッテイ、キューバのサンティアゴ・ブェリウなどのミュージシャン
発売元㈱テイクオフtelO42-582-4047fax042-582-4l471take-olf酉iris、dti・me・ip
たち…そろえる。*このCDの…-圃`は、チアバス州…1W鰯蔵匿…、先住鳧の……つくる資金にあて…灸,1,mm》
●RECQM事務所の開所日
扉週木蝋日の午後7時午後9陽
が関所しています。
木曜日の夜に諸作業を処理する担当者を募集しています。担当可鰭な方はお知らせください。(月1回でも可、)
/手数料要(透300m )
★シコム図審館一ラテンアメリカ関連の書籍・ビデオがいっぱい会員・賛助会員は館外貸出し可。
★グアテマラ基金キャンペーン寄付金お願いチラシの配布可能な方は必要枚数をお知らせください。
★入ってる?RECOMメーリングリスト会員・購藤者同の意見交換、事務局力ものお知らせお願い、帝ソアメワカーース逮報、イペン噸報(そんりさ
情報楓に掲載さオU6E力やたものなど)、ラテンアメリカ関連W番組傭報などなど。申込みは_mcom@HCa・apc・or贋まで
(会員.購醸者のいずれ3&ズ、可鯛です。)現在、'0略ぐらいの会員・購読者(退会老含む)が参加しています。
★そんりさ購読者増大キャンペーンそんりさバックナンバーチラシの配布可龍な方は必要枚数をお知らせください。
◆拡大運営委員会5月29日(士)午後2時~(最長午後6時ぐらいを予定。途中参加、途中退席OKです。)
場所:RECOM東京事務所次年度の活動計画等をざっくばらんに意見交換します。
ご参加希望の方は事前にお知らせください。当日飛び込みも大歓迎11111
会員総会は、6月26日(土)午後を予定しております。総会案内印刷・発送作業は6月12日(士)を予定しています。
◆人々と出会う旅グアテマラ今年の夏にグアテマラへのツアーの実施を検討中です。
参加にご関心ある方はお知らせください。
芒hリさ
この4月から5月にかけて、在グアテマラの石川智子さんの一時I鬮国報告会や、ダニエル・エルナンデスーサラサ
ールさんの讃演会.写真展でグアテマラの情報に触れる機会が続きました。今号の事務局長の報告にあるように、RE
COMとコナピグア等のグアテマラの人々との関わりも10年以上になります。
八九昌
ベルシエ政権になり、人權活動家のヘレン・マツクさん(97年7月来日)やリゴベルタ・メンチュウさん(92
年ノーペル平和賞受賞・93年9月来日)、そしてコナビグアの共同代表のロサリーナ・トウユクさん(91年12月来
日)などのRECOMとつながりの有る方々がベルシエ政権での人権や戦後補償関連の要職に就きました。また、人権
侵害のいくつかの事件での国家の責任を認める政府関係者の発賃、謝罪の言葉がありましたが、グアテマラの内戦の清
算は、まだまだ終わっていません。人権侵害の真相究明や加害者の処風被害者への補償など、「和解」への過程はこれ
からです。
一方、わたしたちが生きる日本は、有事法制など軍事が優先される社会に進んでいます。アジア諸国への侵略の過
去を清算せず、違憲の軍隊=自衛隊を遂に派兵した今、国家(政府)の方針に逆らう者は、反日分子と呼ばれ、そのう
ち「非国民」と糾弾されるような雰囲気です。
グアテマラの人々の長く厳しい社会変革の行動とつながり、ゆっくり.あせらず、地道に、息の長い支援、連帯、
影
そして、わたしたち社会への関わりも必要です。
これからもRECOMの活動へのご参加、ご支援をよろしくお願い申しあげます。
RECOM代表梅村尚久
年五目十五日発行
囚
次回の『そhリさ』の田偏ル縦作業は6月26日出の予定です。鍬し嘘ける万は連絡側L1.
大震賦作業芒、aMnなでやれば薬L(おってL1つ間IごできてLまLo志す。
し。△・メー'ルワリスト夢、のご票内:会員、講読者は無料で曇りuできます。登録Lだい方は
E-mqil:recom@icq、qpc、orgまでアドしス危連絡下さい。
ホームページのご棄内Lコムのホームページが芒hどhリニューアノL1
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戸百
『そんりさ』バックナンバーの紹介
発砺曰亦ラテンアメリ打協カネットワーワ(REcoM)
V01.8Bハイチ&グアテマラ
V01.8アグアテマラ報告
Vd・BGグアテマラ
Vol・B5グアテマラ選挙僑報
V01.84チ1J&グアテマラ
Vb1.83初リペラBグロー11.リゼーション&土地擁し運馳
Vol-82アルゼンチン、コロンビア、ヘ・ルー
Vd・B11r・アテマラ報告&メキシコ最新状況
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いる人がました(私の 得意気に見せびらかて に過った写真をみんな イ!」と言って、一緒 エル氏のことを「カッコ 来日した写真家のダニ は実に多くの方々いら 天使の記憶」写真展に いる「グアテマラあ 本麓九頁に報告されて 1
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