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殺虫剤「ペルメトリン」について
殺虫剤「ペルメトリン」について サパ:野澤眞次 先般、帝人(株)生産の作業衣についてご連絡を頂きましたが、この衣服に使用の殺虫 剤は蚊帳と同じく住友化学(株)生産の「ペルメトリン」であることが判明しました。又、 使用農薬の発ガン性について下記の内容がわかりましたのでお知らせします。 添付の表「農薬毒性の辞典改訂版(三省堂)」の中の殺虫剤「ペルメトリン」他は、次の ように表示されています。 農薬名(一般名) Q値 国際がん研究機構 リスクの大きさ (IARC)の分類 殺虫剤 「ペルメトリン」 -2 3,0×1 0 -4 C 4,21×10 B2 4,42×10 殺菌剤 「マンネブ」 -2 1,76×1 0 -4 上記のQ値の単位は発がん増加数/投与量で、値が大きいほど発がん性が強いことを表し ている。又、IARC分類によるリスクの大きさでは、10000 人当たり「ベルメトリン」は 4,21人、 「マンネブ」では4,42人の割合でがんになるとし、両者に差がない。 ところが、同じくIARC分類では、 「ベルメトリン」はC、 「マンネブ」はB2 となって いる。B2 は、人に対する発がんの可能性が高く、動物実験では発がん性が十分に証明され ているが疫学データーがないか、不十分としている。 他方、Cの「ベルメトリン」は、人に対する発がんの可能性がある物質であり、動物実 験で一定程度発がんが認められている。しかし疫学データーがない。 ここで両農薬を比較すると次のことが言える。 ① Q値の比較では、「ベルメトリン」が、「マンネブ」に比べ発ガン性が高い。 ② IARC分類ではB2 対Cと開きがある。「マンネブ」の方が発がんの可能性が高い。 ③ 発がんリスクの大きさでは、両者ほぼ同レベルである。 上記から、「ベルメトリン」の発ガン性は、「マンネブ」のB2 に極めて近いCと推定さ れる。 いづれにしても、「ベルメトリン」は、メーカーの言う「安全性が高い」との表現は以ての 外で、動物実験で一定程度の発ガンが認められている事実を払拭することはできない。 以上 (注)国際がん研究機構は、国連のWHOに所属している。