...

[一般的会話の含意] とメタ言語否定

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[一般的会話の含意] とメタ言語否定
Nara Women's University Digital Information Repository
Title
「一般的会話の含意」とメタ言語否定
Author(s)
吉村, あき子
Citation
言葉のからくり −河上誓作教授退官記念論文集− pp.617-631
Issue Date
2004-03-15
Description
URL
http://hdl.handle.net/10935/932
Textversion
publisher
This document is downloaded at: 2017-03-29T20:01:08Z
http://nwudir.lib.nara-w.ac.jp/dspace
「
一般的会話の含意」とメタ言語否定
吉 村
あ き子
1
.は じめ に
本稿では,メタ言語否定 (
me
t
a
l
i
ngui
s
t
i
cn
e
g
a
t
i
on)の中で も,(
1
)に示 した よう
な,いわゆる 「
一般的会話の含意 (
ge
n
e
r
a
l
l
Z
e
dc
on
ye
r
s
a
t
i
on
a
li
mpl
i
c
a
t
ur
e
)
」を否定
の対象 とす る例 に焦点 を絞 り,真理条件的意味 との関係か ら,そのメタ言語否定
としての地位 について論 じる.
(
1
)a
. Hedl
dn'
ts
ol
v
es
omeoft
h
epr
o
bl
e
ms
-hes
ol
ve
da
l
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he
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b.Sh
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veaba
bya
ndge
tma
r
ie
r
d
-s
h
egotma
r
ie
r
da
ndha
da
b
a
by
2)に示 したように,メタ言語否定 を,命題の真理条件
Ho
n(
r
1
98
5,1
98
9
)は,(
de
s
c
np
t
i
v
ene
ga
t
i
on
)とは異 な り,慣習含意や会話
的内容 を否定する記述的否定 (
の合意,形態,文体や言語使用域,音声 などといった先行発話の持つ様 々な要因
Iob
j
e
c
tt
oU)である と分析 して
に基づいて,その先行発話 に異議 を唱えるもの (
いる.
(
2) "..l
me
t
a
l
i
n
gui
s
t
i
cn
e
ga
t
i
o
n]mus
tbet
r
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C
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J
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Sut
t
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r
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t
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C
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t
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r
,OrI
t
s
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s
a
t
l
On
a
li
mpl
l
phon
e
t
l
Cr
e
ll
a
Z
a
t
i
on
"
.
(
Ho
r
n(
1
98
5:1
3
3)
)
Ho
m を含む Ne
o
Gr
l
C
e派語用論学者の考 え方では,いわゆる 「
一般的会話の含意」
は,全ての場合 において発話の真理条件 には関わ らない と考 えるので,その否定
- 61
7-
言葉のからくり
はメタ言語否定だと見なされる. しか し,Spe
r
b
e
ra
ndWl
l
s
on(
1
986,1
99
5)が,
認知 とコミュニケーションの視点から提案 した関連性理論の考え方に基づ くと,
Neo
Gr
i
c
e派の言 う 「
一般的会話の含意」が発話の基本表意に貢献する場合も多
く,従ってその場合には真理条件に貢献する.この とき,その否定は真理条件を
否定するものであ り,上記の定義ではメタ言語否定 と見なされないことになる.
「
一般的会話の含意」の否定はメタ言語否定なのか ?本稿では,そ もそもme
t
a
_
1
i
n
gu
i
s
t
l
Cということばの意味は何か ということの確認から出発 し,メタ言語否定
という現象が自然類をなすのであれば,統一的な規定が可能であるはずだという
視点か ら,発話の意味における 「
一般的会話の含意」の地位 とその否定の取扱いに
関 して,最 も妥当な方法 を検討する.
2.Hom (1985,1989)の metal
i
ngui
s
t
i
cの意味
Ho
r
n(
1
98
5)以来,様々な研究者がメタ言語否定について論 じている. しかし,
me
t
al
l
ngul
S
t
l
Cという用語で もって扱われる現象の範囲が,研究者によって微妙に
異なっている場合があるように思われる.どの範囲を対象 とするのが妥当である
t
a
l
i
n
gul
S
t
l
Cということばの意味を
かについては後節に譲るとして,本節では,me
確認 しておこう.
1
98
0:1
61
6)によると,me
t
a
l
i
ngui
s
t
l
Cは (
3
)
小学館 ランダムハウス英和大辞典 (
に示 したように,2つの意味で用いられる.
(
3
) me
t
a
l
i
ng
ui
S
t
i
c
l
. me
t
a
l
i
n
gu
l
S
t
l
C
Sの
2. me
t
a
l
a
n
gua
g
eの
(
3
-1
)の me
t
a
l
l
ngul
S
t
i
c
sは,言語に付随的に伴 う表情 ・身振 りなど,通常は言語
そのものに属 さないとされる諸特徴 を研究対象 とする後段言語学をいい,(
3
-2
)の
me
t
a
l
a
n
gua
ge「メタ言語」は,他の言語または記号体系を論 じたり,記述 ・分析す
るために使用 される言語 または記号体系 をいう (
同上).Ho
m は,メタ言語否定
の例に,(
4)のような例 を挙げている.(
4a
)は mongoos
eの複数形 ,(
4b
)は p0
1
1
C
eの発音 ・アクセン ト,(
4C)は f
e
e
l
l
n
gl
ou
s
y(
気分が最低)と bel
n
di
s
pos
e
d(
ご
気分が優れない)の言語使用域の違いについてのものである.このように,言語そ
のものに属する典型的な特徴を否定対象とするものを典型的な例として挙げ表情や
身振 りを対象とするものは扱っていないので,彼の用いている me
t
a
l
i
ngu
i
s
t
i
cは,
(
3
-2)「
me
t
a
l
a
ngu
a
geの」であると考 えられる.
一 61
8-
「
一般的会話の含意」とメタ言語否定- 吉村あき子
(
4) a
. Idi
dn'
tma
na
g
et
ot
r
a
pt
womonGEESE- Ima
na
ge
dt
ot
r
a
pt
wo
mo
nGOOSES
1
C
e
]
,
hec
ll
a
e
dt
hel
poh
'
c
e
]
.
b Hedl
dn'
tc
a
l
lt
h
el
p61
C
. Gr
a
n
d
pal
S
n'
tf
e
e
l
i
n
gl
o
us
y,J
o
hnn
y,hei
sl
n
dl
S
pOS
e
d.
(
Hor
n(
1
98
9.
3
71
)
)
それでは,met
al
angua
ge(
メタ言語)というのは何か というと,荒木 ・安井
(
1
992)や大家 ・中島 (
1
98
7)
,林他 (
1
971
)は,次の ように述べている.
(
5) 言語は,言語外の事象の記述,説明のために用いられるというのが通例
であるが,言語自体に言及 した り,言語自体に関 して語ったりするため
に用いられることもあ り,その ような機能を持つ言語の使用をメタ言語
(
me
t
a
l
a
ng
ua
ge
)的使用 という.
(
荒木 ・安井 (
1
992・8
49)
)
(
6) メタ言語 とは,端的にいえば 「ことばについて語る際に用いられること
ば」ということになる.
(
大塚 ・中島 (
1
98
7:70
4
)
)
(
7) 意味論において,議論の対象 となる言語系を [
対象言語 と]いう.これ
に対 して対象言語の構造,その真偽などを論ずるのは高次言語 (
メタ言
語)である.たとえば ドイツ語の文法を日本語で論ずるとき, ドイツ語
は対象言語であ り, 日本語は高次言語 [
メタ言語]である.
(
林他 (
1
9
71
:8
91
)
)
従って,
/(
8a
)では,フランス語の f
r
o
ma
geが議論の対象 となる対象言語であ り,
それ以外の英語の部分がメタ言語である.同様 に (
8b)では同 じ英語が用いられ
ているが,Ca
e
s
a
rが対象言語であ り,それ以外の部分がメタ言語である.
(
8
) a F̀r
oma
g
e'i
saFr
e
n
c
hwo
r
d.
b C̀a
e
s
a
r
'i
sawo
r
do
fs
I
Xl
e
t
t
e
r
s
.
既に述べたように,Hor
n(
1
98
5:1
48
)はメタ言語否定の例に先行発話 を仮定 し
ている.それを明示 したうえで,(
4)の例 を,対象言語の部分が分か りやすいよう
に(
8
)と同様 に引用符 を用いて書 き直す と (
9
)のようになる.文頭の notがメタ
言語であ り,引用符で くくられた部分が対象言語である.
- 61
9-
言葉のからくり
(
9
)a
. A:Youma
na
g
e
dt
ot
r
a
pt
woma
n
ge
e
s
e,
dl
dn'
tyo
u?
B:NotÌma
n
a
ge
dt
ot
r
a
pt
womon
GEESE'
-Ima
na
g
e
dt
ot
r
a
pt
wo
monGOOSES.
b A:Soh
ec
a
l
l
e
d山e【
p(
i
l
l
C
e
]
.
B:Not'
hec
a
l
l
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h
el
p6
1
1
C
e
]
'
,
h
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l
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pol
l
'
c
e
]
・
C
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ohnn
y:Gr
a
nd
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Sf
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l
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gl
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y
Mot
he
r
:Not'
Gr
a
n
d
pal
Sf
e
e
l
i
n
gl
o
us
y'
,
J
o
hnn
y,
h
ei
sl
ndl
S
PO
S
e
d.
n
o
tが議論の対象 とするのは,引用符で くくられた先行発話が表す外部世界の状況
ではな く,そこに用い られる言葉 自体 に関わる ものである.そ うい う意味でこの
ような n
o
tが メタ言語否定,正確 に言 うと,否定辞 notのメタ言語的使用 (
me
t
a
e
)
,と呼 ばれるのである. また実際 には,先行発話がない例や先行発
1
i
n
gui
s
t
i
cus
n(
1
98
5)の規定 は修正 を必要
話 の一部 しか表示 されない ような場合 もあ り,Hor
とするか もしれない
ここで もう一点指摘 してお きたいことは,(
1
0)の ように,言語その ものの特徴
(ここではその単語の複数形)を対象 にしていることを明示 した場合 も,上記の定
義ではメタ言語 を使 っていることになるはずだが, これ らをメタ言語否定の例 と
r
s
t
on(
1
9
9
6
)
してあげている研究者は,筆者の知 る限 りいない ように思われる.Ca
が, メタ言語否定 に共通す る特性 は非明示的エ コー (
I
mpl
i
c
i
t
l
ye
c
hoI
C)特性であ
る, とす る所以である.
(
1
0) Thepl
u
r
a
lf
or
mo
f'
mongoo
s
e'i
sno
tmo
nge
e
s
e:
l
t
'
smo
ngoo
s
e
s
・
以上本節では,me
t
al
i
ng
ul
S
t
i
cという単語の意味か ら出発 して,メタ言語否定の
意味 を明確 に しようと試 みた.それでは次 に,理論 的枠組みに よって扱 いが異
なって くる 「
一般的会話の含意」に目を向けよう.
3.「
一般的会話の含意」とは
「
一般的会話の含意 (
ge
n
e
r
a
l
l
Z
e
dc
on
ve
r
s
a
t
l
Ona
li
mpl
i
c
a
t
u
r
e
)
」は,発話 にある種
の表現が用い られるときに,(
文脈 に関係 な く)通例その表現 に伴われる含%, と
i
c
e(
1
96
7)によって特徴付 けられた ものである.例 えば (
lla
)の a
n
dを伴
して Gr
う発話 は,普通 この順序 に 2つの出来事が起 こった と理解 され,a
n
dJ
he
nの解釈
をする.
-6
2
0-
「
一般的会話の含 意」とメタ言語否定- 吉村あき子
(
ll
) a. Het
ookof
fhi
st
r
ous
e
r
sandhegotl
nt
0be
d. (
Gr
ic
e(
1
981
:1
86)
)
b Hel
ookof
fhi
st
r
ous
e
r
sandT
he
nhegoti
nt
obe
d.
一般 に,2つの出来事 A とBが an
dで連結 された "
Aa
ndB"という発話がなされ
henの
ると,A の次 に Bが起 こった と理解 される, この ような andに伴 われる t
ような語用論的意味 を,Gr
ic
e(
1
967,1
975,1
989)は 「
一般的会話の合意 (
ge
ne
r
a
l
i
z
e
dconve
r
s
a
t
i
ona
li
mpl
l
Ca
t
ur
e
)
」と呼んだ.
同様 に,尺度表現の s
omeは,通例 nota
l
lを 「
一般的会話の含意」として伝達
す る.た とえば,(
1
2a
)の 「
一般的会話の含意」は,(
1
2b)である.
(
1
2) a, Someoft
hea
r
r
owshl
tt
het
a
r
get
.
b・No
tal
loft
hea
r
r
owshl
lt
het
a
r
get
.
尺度 (
s
ca
l
e)と 「
尺度含意 (
s
ca
l
a
ri
mpl
l
Ca
t
ur
e
)
」を簡単 に復習 してお こう.
た とえば,s
ome,
mos
t
,
a
1
1の関係 を考 えると,(
1
3a
)が成立す る ときは必ず (
1
3
b)も成 り立つが,逆 は成 り立たない.同様 に (
1
3b)が真であるときは (
1
3C)ち
真
必ず真 になるが,逆 は成立 しない.1 -舷 に,文脈 にかかわ らず pが成立する (
である)ならば必ず qも成立する (
真である)とき,「
pは qを伴立す る」と言 う,
lは mos
tを,mos
tは s
omeを一方向的に伴立する と言 える.
したがって,al
(
1
3) a・ Al
lp
eopl
ea
r
eha
ppy・
b・Mos
tpe
opl
ea
r
eha
ppy.
C・ Somepe
opl
ea
r
eha
ppy.
この ような場合,al
l
,mos
t
,s
omeは同一の尺度 (
s
c
al
e
)上 にあ り,a
l
lが もっとも
上位で,その下に mos
t
,s
omeが位置 している と考 え られる.al
lが意味的 に一
omeが意味的に一番問い とも言 える. この関係 を (
1
4)の ように表示す
番強 く,s
ることにす る.Hom (
1
972)は,(
1
4)な ども尺度 を形成 している とし, これ らは
「ホーンの尺度 (
Hor
n'
sSc
al
e
)
」と呼ばれている.
(
1
4) <s
ome
,mo
s
t
,al
l
>
(
1
5) a <s
ome
t
l
meS
,Of
t
en,us
ua
l
l
y,a
l
wa
ys>
,2,3,4,
5,6,‥ .>
b. <1
C. <Pos
s
i
bl
e,nec
es
s
a
r
y>
d. <wa
r
m,
hot
,boi
l
l
ng>
-6
21-
言葉のからくり
e・ <c
ool
,
co
l
d,
f
r
e
ez
i
ng>
f
.
<like,love,adore>
g. <OK,good,e
xc
el
l
e
nt
>
h. <or
,and>
一般 に,2つの要素 plとPJ(
Pl
< P)
)が <. ,P.,...,P1,...> のように同一
尺度上に位置 している場合,下位の方の P,が与えられたら,特別それを妨げるも
のがない限 り,それより上位の要素 pJの否定 (
notp」
)が推論 される・この notPJ
を,Hor
n(
1
972)は 「
尺度含意 (
s
cal
arl
mpl
l
Ca
t
ur
e
)
」と呼ぶ.たとえば,s
omeか
ら「
尺度含意」nota
l
lが推論 されるということである.これは,Gr
l
C
e派の考え方
では,量の第 1格率 (
必要なだけ十分な情報 を与えること)に、
基づ く,一般化 さ
れた会話の含意であると見なされる.必要なだけ十分な情報 を与えても 「
い くら
すべてではない (
nota
l
l
)
」だろう
か(
s
ome
)
」としか表現で きないのであるか ら,「
と推論するわけである.
同様のことは基数詞 についても言 える.たとえば (
1
6B)の t
hr
e
eは,普通 exa
ct
l
yt
hr
e
eであると解釈 される.Gr
l
Ceや Ho
r
nや L
e vl
nS
Onらの Ne
oGr
ic
e派の
研究者は,基数詞 nの字義的意味は atl
ea
s
tnであ り,exa
ct
l
ynと解釈 されるの
は,尺度含意 a
tmos
tn(
あるいは nomor
et
ha
nn)を持つためであるとする.そ
の過程は (
1
6(
至
)
.③)のようになる.
(
1
6) A:Ho
wmanychl
l
dr
endoyouha
ve?
B:Ihavet
hr
e
e.
① 字義的意味:Iha
vea
tl
e
a
s
tt
hr
e
ec
hl
l
dr
en.
②「
尺度含意」:Iha
vea
tmos
tt
hr
e
echi
l
dr
en.
③ 伝達 される意味:Iha
vee
xa
c
t
l
yt
hr
eec
hi
l
dr
en.(
- ① +② - ③)
日常言語で用いられるorの意味 も,基数詞 とまった く同じような考え方で説明
で きる.たとえば (
1
7)は,普通 「ジョンは詩人か哲学者のどちらかで,両方では
ない」と解釈 されることが多い.
(
1
7) J
ohni
sapoetoraphi
l
os
ophe
r
.
ところが,論理学では両方当てはまる場合 も真である.一般 に,pと qの両方が
真であるときもporq(
p>q)が真であるとするorは 「
包含的 or
」,両方が真であ
るときは porq(
pv q)が真ではないとする orは 「
排他的 or
」と呼ばれるが,日
-6
2
2-
「
一般的会話の合意」とメタ言語否定- 吉村あき子
rが排他的 orとして用い られることが多い. これ も (
1
5h
)に示 した
常会話では o
a
ndと orが,尺度 <o
r
,
a
nd> を形成す ることによって説明 される,つ ま り,尺
度の弱い方 の o
rが用い られるときには,強い方の否定 nota
ndが 「
尺度合意」と
して引 き出 されるのである.
(
1
8
) J
o
hnl
SapO
e
tO
raphi
l
o
s
o
phe
r
.
① 字義的意取 J
o
hni
sapo
e
to
raph
i
l
os
o
phe
r
,
o
rbo
t
h.
⑦ 尺度含意 J
o
hnl
Sno
tbo
t
hapoe
ta
n
daphi
l
os
o
phe
r
.
③ 伝達 される意味:J
o
hnl
Sapo
e
tOraphi
l
os
o
phe
r
,
bu
tno
tbot
h.
(
- ① + ② - ③)
以上 「
一般的会話の含意」に関 して,a
ndに伴 われる語用論 的意味 a
n
dt
he
nと
「
尺度含意」の例 を見た.これ らは,特 にその推論 を妨げるものがなければ,一般
に派生 される一般化 された会話の含意である (
つ ま り発話の真理条件的意味では
ない)と,Ho
m や Le
yi
ns
onらの Ne
oGr
i
c
e派の語用論学者 は仮定 している.そ
1
9
)に示 した 「一般的会話の含意」の否定 はメタ言語否定である と見 な
の結果 ,(
されて きた.
(
1
9) a
・ Hedl
dn'
ts
ol
v
es
omeort
hep
r
obl
e
ms
-h
es
ol
v
e
da
l
lo
f山e
m
b Shedl
dn'
tha
v
eaba
bya
ndg
e
tma
汀l
e
d
-s
hego
tma
r
r
i
e
da
ndh
ada
(
=1
)
ba
b
y
「
一般的会話の含意」が推論 によって語用論的に引 き出 される意味であることに
e
r
be
ra
n
dWl
l
s
on(
1
986
,1
995
2
)が提案す る関
は異論 はないだろう. ところが ,Sp
連性理論 は,発話の明示的意味 (
従 って真理条件的意味)に,語用論的推論 によっ
て引 き出 された ものが大 きく貢献 しているこ とを明 らかにした.そ して,上記の
「
一般的会話の含意」と呼 ばれて きた ものが,発話の明示的内容 に貢献 している場
合が非常 に多いのである.そ して,その場合,Ho
r
n(
1
98
5)の メタ言語否定の定
義の もとでは,メタ言語否定ではない と判断 されることになる.次節では,関連
性理論では 「
一般的会話の含意」が どのように扱われることになるかを見てみ よう.
4.関連性理論 の考 え方
関連性理論の考 え方では,上記の a
ndt
he
nや 「尺度含意」に代表 される 「一般
的会話の含意」は,多 くの場合発話の命題内容 に貢献 し,従 って真理条件的内容
-6
23-
言葉のからくり
であると見なされる.実際,(
20
ト(
2
2)の 「
埋めこみテス ト」の結果が示す ように,
a
n
dに伴われる語用論的意味は,選言 (
or
)や比較級,i
fなどの論理演算子の作用
城 に入る.
(
20) Ⅱt
heol
dkl
ngdi
e
do
fah
e
a
r
ta
t
t
a
c
ka
ndar
e
publ
l
CWa
sde
c
l
a
r
e
dSa
mwl
l
l
beha
ppy,
butl
far
e
publ
l
CWa
sde
c
l
a
r
e
da
n
dt
heol
dkl
ngdi
e
dofah
e
a
r
t
a
t
t
a
c
k,
Sa
mwi
l
lbeu
nh
a
ppy.
(
Ca
r
s
t
on(
1
988
:1
7
2)
)
(
21
) Ei
he
t
rhel
e
f
t
he
ra
n
ds
h
et
oo
kt
ot
hebo
t
t
l
eors
het
oo
kt
ot
h
ebot
t
l
ea
ndh
e
l
e
f
th
e
r
(
Ca
r
s
t
on(
1
998:1
39
)
)
(
22) I
t
'
sbe
t
t
e
rt
od
oyou
rPh
Da
n
dg
e
taj
o
bt
ha
nt
og
e
taJ
Oba
n
ddoyou
rPhD.
(
i
bl
d.
)
(
20
ト(
22
)において,語用論的意味がそれぞれの論理演算子の作用城に入る読みを
しなければ,(
2
0)は l
fp,
q,
bu
ti
fp,
n
ot
qという矛盾文になり,(
21
)は e
i
t
h
e
rpo
r
p,
(
22)は I
tl
Sbe
t
t
e
rt
opt
ha
npというこ とにな り,まともな意味をなさない. し
n
dに伴われる語用論的意味 は,発話 によって表現 された命題内容 に
たがって,a
貢献 し,表出命題の一部分 となって真理条件 に貢献すると考えられる.上記のよ
うな埋め込みテス トは,語用論的意味が表意に貢献 しているかどうかを決定する
有効な証拠 を提供する.
同 じことが 「
尺度含意」についてもいえる.関連性理論は,上記の (
1
6)や (
1
8
)
について,最終的に伝達 される意味 (
③)については同意するが,「
尺度含意」は,
発話の表出命題 (
明示的意味, したがって真理条件的意味)の一部になるという点
において,彼 らと意見 を異にする.
実際,(
23
)は,「
尺度含意」が論理演算子の作用域に入 り,命題内容に貢献する
真理条件的内容であることを示 している.
(
23
) a
.I
fe
a
c
hs
i
del
nt
hes
o
c
c
e
rga
mego
tt
h
r
e
egoa
l
s
,
t
h
e
nt
hega
mewa
sa
d
r
a
w.
b.I
fs
omeoft
hec
hi
l
dr
e
nha
vea
l
r
e
a
dya
r
r
i
ve
dt
heo
t
h
e
r
swl
l
lbehe
r
e
s
ho
r
t
l
y.
(
Ca
r
s
t
on(
1
995:
23
7
)
)
xa
c
t
l
yt
h
r
e
ego
al
sと理解 されなければ,同点にならないので意味を
(
23a
)では,e
成 さない.(
23b)においても,s
o
mea
n
dnota
l
lと解釈 されなければ意味的には異
常 になる.この ようなテス ト結果に基づいて,Ca
r
s
t
on(
1
9
95ニ23
7
)は,上記のよ
うな 「
尺度含意」は, 自由拡充によって語用論的に補われた発話の命題内容であ
-6
2
4-
「
一般的会話の含意」とメタ言語否定- 吉相あき子
り,発話の真理条件的内容であるとする.
この考え方は,たとえば基数詞 nが,あるときには a
tl
e
a
s
tnを伝達すると解
釈 され,あるときには a
tmos
tn,またあるときには e
xa
c
t
l
ynと解釈 されること
をうまく説明する.たとえば (
2
4)のように,Aが公衆電話から市内電話 をかけよ
うとしていて,A も B も市内電話 には 1
0ペ ンス必要であることを知っているよ
うな場合,(
24A)が尋ねているのは,1
0ペ ンス持っているかどうかということで
ある.それに対する返答 としては,少 なくとも 1
0ペ ンス持っていることが分か
れば十分で,それ以上持 っているかどうかについて,わざわざ労力を使 って推論
tl
e
a
s
tl
Opと解釈 され,a
lmo
s
tl
op(
onl
y
する必要はない.だか ら Bの発話は a
l
op)の ような語用論的意味は生 じない.
(
2
4) A.Ca
nyouh
e
l
pmeout
?
B:Iha
v
el
op
(
25) A:Doyouha
ve20
p?
op
.
B Iha
v
el
(
a
da
pt
e
df
r
omCa
r
s
t
o
n(
1
99
5:2
28
)
)
一方,(
2
5A)の関心は 1
0ペ ンス持っているかどうかではな く,20ペンス持 っ
ているか どうかである.それなのに Bの答えは,"
Iha
vel
O
p"でその必要を満た
していない.そ こで関連性の原則に基づいて自由拡充 した結果,e
xa
c
t
l
yl
op(
あ
るいは o
nl
yl
Op)を表意 として解釈 し,2
0pは持 っていない という推意を引 き出
して関連性 を達成するのである.このように,表意に対する語用論的貢献を重要
視する関連性理論は,同 じ発話が文脈 によって異なる表意を伝達することを自然
に説明することがで きる.以上のような議論は,「
尺度含意」が表意に貢献する語
用論的意味の一部になるという関連性理論の主張 を支持 している.
上記のような,「
一般的会話の含意」に関する関連性理論の考え方が正 しいとす
ると,その否定 はどのように扱われるべ きなのだろうか.
5. 「一 般 的 会 話 の 含 意 」 の 否 定
Ho
m(
1
98
5)のメタ言語否定の定義は 「
命題の真理条件的内容 を否定する記述的
否定 (
d
e
s
c
npt
l
Ven
e
ga
t
l
On)とは異な り,慣習含意や会話の含意,形艶 文体や言
語使用域,音声 などといった先行発話の持つ様 々な要因に基づいて,その先行発
Iob
j
e
c
tt
oU)
」であった.簡単にいってしまうと,先行発
語に異議 を唱えるもの (
話の真理条件 を否定するものが記述否定で,それ以外 を否定するものがメタ言語
否定である. したがって,関連性理論の発話解釈の考え方では,真理条件 に貢献
-6
25-
言葉のからくり
する 「
一般的会話の含意」の否定はメタ言語否定ではな く,記述否定であることに
なる.
n
dの前 に示 された事態 と後 に示 された事態の時間的順序関
(
26A)の発話は,a
n
dt
h
e
nの解釈 をする. これは,既 に述べ たように a
n
dの 「
一般的
係 を伝達 し,a
26B)の ように否定の対象 になる.
会話の含意」として分析 されて きたもので,(
27)に示 したように, この意味は i
fの作用城の中に入るので,発話の真
そ して,(
理条件的意味である. したがって,(
26B)は先のメタ言語否定の定義 に基づ くと
記述否定 とい うことになる.
(
26) A:Ihe
a
r
dt
h
a
tJ
a
n
eh
a
dab
a
b
ya
ndg
otma
me
d
B:Shedl
dn'
tha
veab
a
bya
ndg
e
tma
r
r
l
e
ds
hegotma
汀l
e
da
n
dha
da
ba
b
y.
(
27) I
fs
h
eg
ot
ma
me
da
n
dh
a
dab
a
b
y,
h
e
rmo
t
h
e
rwi
l
l
beha
pp
y,
bu
ti
fs
h
eha
d
aba
b
ya
n
dgotma
r
r
i
e
d,
t
h
e
nhe
rmo
t
h
e
rwi
l
lbeunh
a
pp
y・
同 じことが,(
28
)の基数詞の例 にも当てはまる.(
28B)の t
hr
e
eは e
x
a
c
t
l
yt
h
r
e
e
として解釈 される. この とき伝達 される 「
尺度合意」a
tmos
tt
h
r
e
eは (
29
)に示 し
た ように l
fの作用城 に入 り真理条件 に貢献する.そ うで なければ (
29)は矛盾文
になるはずだが,私達はその ような解釈 を しない. したが って,(
26B)と同様,
(
2gC1
)は先のメタ言語否定の定義 に基づ くと記述否定 とい うことになる.
(
28
) A: Ho
wma
n
yc
hl
l
dr
e
ndoe
sMa
xh
a
ve
?
B Heh
a
st
h
r
e
e
Cl
:Hedoe
s
n'
tha
yet
h
r
e
ec
h
i
l
dr
e
n
-heha
sf
ou
r
.
C2:Hedoe
s
n'
tha
vet
h
r
e
ec
h
l
l
dr
e
n
-heha
st
wo.
(
29
)Ⅰ
fMa
xha
st
h
r
e
ec
hi
l
dr
e
n,
hewi
l
lma
n
a
g
et
ot
a
kec
a
r
eoft
he
mwhi
l
ehi
s
wl
f
el
SOutOft
own,buti
fheha
sf
our
,1
twi
l
lbei
mpos
s
l
bl
ewi
t
hout
a
n
yb
od
y'
she
l
p.
(
28C1
)と (
28C2
)を比べてみ よう.Nc
oGr
ic
e派の考 え方 に基づ くと,(
28Cl
)
の否定は t
h
r
e
eに伴われる 「
尺度含意」a
tmo
s
tt
h
r
e
eの否定なのでメ タ言語否定 と
みなされ,(
28C2
)は真理条件 に貢献する t
hr
e
eの語の意味 a
tl
e
a
s
tt
h
r
e
eの否定な
ので記述否定 と見なされる. しか し,両者 には典型的な記述否定 (
30)とメタ言語
31
)との間に感 じられる本質的な違いが全 く感 じられない.
否定 (
-6
2
6-
「
一般的会話の含意」とメタ言語否定- 吉村あき子
(
30
) Wedi
dn'
ts
e
et
h
ehi
p
po
po
t
a
mus
e
s
:wes
a
wt
her
hi
no
c
e
r
os
e
s
,
) Wedi
dn
†
ts
e
et
hehi
ppo
pot
a
mus
e
s
:wes
a
wt
hehi
ppo
po
t
a
mi
.
(
31
(
a
da
pt
e
df
r
omCa
r
s
t
on(
1
996:31
0
)
)
さらに, これは前理論的なレベルにおいてであるが,(
26B)守 (
28C1
)の日本
語版 「
彼 らは子供がで きて結婚 したのではあ りません.結婚 して子供がで きたの
です」や 「
マ ックスの子供は 3人ではあ りませ ん.4人です」について,筆者が尋
ねた全ての母語話者が メタ言語否定ではなく記述否定だと判断 した.以上のよう
一般的会話の含意」が否定の対象 となる場合は,メタ言語否定ではな
な議論は,「
く,記述否定 と見なすのが安当なのではないか ということを強 く示唆する.
,
一般的会話の含意」には多様 なものが含 まれ,全 てがこの分析で片付け
ただ 「
られるか どうかについては,更なる検証が必要である.例 えば 「
尺度含意」の否
,
定に関 して言うと,全ての尺度表現に関 して,上記の 3の ような基数詞 と同 じこ
とが言えるかどうかについて詳 しく調べ る必要がある. これまで 「
Ho
r
nの尺度」
として- くくりにされてきたものの中には,性格が少 し異 なるものが混在 してい
るように思われるか らである.
r
nは次の例を 「
尺度含意」が否定 されたメタ言語否定の例だ と説明
例えば,Ho
r
nの考 え方では,(
3
2
)は wa
r
m(
あたたかい)に伴われる notho
t
するだろう.Ho
(
暑 くない)という 「
尺度含意」が否定 され,(
3
3)では goo
dに伴われる no
te
x
c
e
l
l
e
T
l
tが否定 されているということになる.
(
32
) l
t
'
sn
otwa
r
m:i
t
'
shoL
(
33
) Hi
st
e
r
mpa
pe
ri
snotgo
od:i
t
'
Se
x
c
e
l
l
e
n
t
便宜上 (
1
5)に挙げた尺度の一部 を繰 り返す.(
3
4a
)は (
28
)で議論 した基数詞の
34b)は温度 に関する暖かい方の尺度である.〔
3
4C)は成績の尺度
尺度である.(
34a
)と (
34b,C
)は全 く同質の尺度だろうか.
である.(
(
3
4) a
. <1,2,3,4,5,6,...>
b. <wa
m,
ho
t
,
b
oi
l
i
n
g>
C. <OK,
good
,e
xc
e
l
l
e
n
t
>(
=1
5b,
d,
g)
念のため,筆者の直感の働 く日本語に置 き換 えてみ よう.
M6
27-
言葉のからくり
(
3
5) a
. <1
,2
,3,
4◆5,6,… >
b. <暖かい,暑い/熱い,煮立 っている>
C. <可,良,優 >
,
尺度の定着 に戻 って吟味 し直す ことにする.(
3
5a
)について 「
太郎がポールを 5
個持 っている」ことが真 であれば 「
太郎がボール を 3個持 っている」も必然的に
真 になるか ら,(
3
5a
)の基数詞 は,右 (
上位)の要素が左 (
下位)の要素 を一方向
的 に伴立する尺度 を形成 している.一方 (
3
5C)の場合 「
彼 の前期 の レポー トは
優 だった」が真 であるとき 「
彼の前期の レポー トは良だった」は成立 しない.倭,
良,可 には,それぞれに対応する成績の範凶が決 まっていて,重 なる ものではな
,
いか らである.実際,(
36)に示 したように,良を否定 して優 と言い直す場合 も,
可 と言い直す場合 も, どち らも同 じ (
記述)否定であるように思われる.
(
36) a
. 彼の成績 は良ではない,優だ.
b 彼 の成績 は良ではない,可 だ.
同様の ことが (
3
5b
)の暖かい ・暑いの尺度 にも言 えるのではないか.
この ように観察 して くると,一般的会話の含意の中の尺度含意だけを取 ってみ
て も,そ こに含 まれる要素が多いだけに,精密 な吟味が必要であることが分かっ
て くる.そ して,本稿で行 った観察は,一般的会話の含意が否定 される例のメタ
言語否定 としての地位が疑わ しいことを示唆す るものである.
6.結 語
以上,本稿では,メタ言語否定 として議論 されて きた ものの中で も,いわゆる
「
一般的会話の含意」の否定に焦点 をあて,その地位 について吟味 した.明確 な結
論 を出すにはさらに多 くのデータについて詳細 な吟味が必要だが,発話解釈のメ
カニズムを解明 しようとする関連性理論の知見が, これ まで- くくりに してメタ
言語否定 と見 な されて きたものの うち,少な くとも一部分について再吟味の必要
があることを示唆することになった といえるだろう.
注
l <s
o
me
,
mos
t
,
a
l
l
>の尺度に関するさらに厳密な分析については,広蘭 ・加賀 (
1
9971
第 2部)参照.
-6
28-
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Fly UP