...

PDF版はこちら - 飯野海運株式会社

by user

on
Category: Documents
281

views

Report

Comments

Transcript

PDF版はこちら - 飯野海運株式会社
安全・環境報告書2006
安全を基盤に社会に貢献
∼CSR活動の報告∼
2005.4
2006.3
【資料・継続的報告編】
目次
企業概要
役員の一覧
報告範囲・ガイドライン
経済性報告
財務面での重要な活動・実績
財務的パフォーマンス
安全・環境性報告
安全・環境会計(詳細版)
不動産業の安全対策活動
マネジメントプログラム(詳細版)
不動産業の環境保全活動
海運業の安全対策活動
本社の安全対策活動
海運業の環境保全活動
本社の環境保全活動
用語集
アンケート集計結果と対応
ガイドライン対照表
パフォーマンスデータ集
飯野海運株式会社
企業概要
Corporate Profile
企業概要(2006年3月31日現在)
■
商 号: 飯野海運株式会社(略称:IINO LINES)
■
主要事業内容:
IINO KAIUN KAISHA, LTD.
海運業、不動産業、流通小売業
■
創 業: 1899年7月(明治32年)
■
本 社: 〒100-8506 東京都千代田区内幸町二丁目1番1号
■
主要取引先:
出光興産 出光タンカー 三菱商事 新日本石油 アストモスエネルギー(旧 出光ガスアンドライフ)
■
事業所: 国内
本社
三井物産 電源開発 日本ゼオン 中越パルプ
海外出張所
ドバイ
海外現地法人
シンガポール、コネチカット、ロンドン
九州電力 Sabic Marketing Ltd. 東ソー 全農
■
資本金: 13,091,775,488円
■
株式数: 440,000,000株(発行する株式の総数)
帝人 SK Shipping 中国塗料 (順不同)
■
グループ会社:
連結対象子会社38社、持分法適用関連会社1社、
111,075,980株(発行済株式の総数)
■
株主数: 8,936名
■
大株主:
連結対象外関係会社22社 合計61社
■
従業員数:
単体 152名(陸上107名 海上45名)
(千株)
(%)
株主名(上位10名)
持株数
出資比率
日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)
8,416
7.57
東京海上日動火災保険株式会社
6,064
5.45
川崎汽船株式会社
5,940
5.34
株式会社みずほコーポレート銀行
4,546
4.09
ステート ストリート バンク アンド トラストカンパニー
505008
4,521
4.07
(株)三井住友銀行、中央三井信託銀行(株)、
三井物産株式会社
4,200
3.78
三菱UFJ信託銀行(株) 他
ステート ストリート バンク アンド トラストカンパニー
3,680
3.31
日本トラスティー・サービス信託銀行株式会社
3,622
3.26
株式会社損害保険ジャパン
3,060
2.75
飯野海運取引先持株会
2,898
2.60
連結 538名
■
飯野海運労働組合(陸上)、全日本海員組合(海上)
■
※フィデリティ投信株式会社から、
2006年4月14日付で提出された大量保有報告書に
より、
3月31日現在で同社が当社株式10,494,700株保有している旨の報告を受けて
いますが、
当社としては期末時点における所有株式数を確認できませんので、
上記
大株主の状況には含めていません。なお、
当該大量保有報告書等の内容は以下の
通りです。
大量保有者 : フィデリティ投信株式会社
保有株券等の数 : 10,494,700株(株券等保有割合 :9.45%)
■
上場取引所:
労働組合:
主要取引銀行:
日本政策投資銀行、(株)みずほコーポレート銀行、
■
所属団体:
(社)日本経済団体連合会、(社)日本船主協会、
(社)不動産協会
■
事業免許・登録:
内航運送業、貨物利用運送事業(内航)
宅地建物取引業、不動産鑑定業
■
運航船腹量(共有船を含む連結ベース)
:
105隻 3,534,906載貨重量トン
■
主要賃貸ビル(共有ビルを含む)
:
東京、大阪、名古屋、札幌、福岡(証券コード:9119)
5棟 延床面積121,955.79m2
■海運業の事業構造・事業特性
1) 国際化した産業・ボーダレス産業
・船舶は世界のどの港にも行くことがで
き、本質的に国境のない事業
2) 市況産業
・どの国の船でも同一条件で競争
⇒均一化された市況を形成
・世界の経済動向、船腹と積荷の需給バ
ランスにより市況形成
⇒用船料と運賃の2つの相場
・中長期と短期(SPOT)の2つの相場
飯野海運 安全・環境報告書2006【資料・継続的報告編】
《 海運業の一般的な事業スキーム 》
3) 外貨収入が多く為替リスクあり
・為替変動の影響大
4) 巨額の投資資金が必要な産業
・船舶取得の投資金額が大きい
5) 連結での業績把握
・船舶は、①外国人船員の活用と②税
制メリットの享受の2つの狙いから、
パナマ等の海外子会社
(仕組船会
社)
に保有させることが一般的
⇒海運業の業績は、
単体でなく連結
でみることが不可欠
貨物輸送受託
海運
会社
荷主
運賃
用船(借船)
船主
借船料
運航費
負担
用船
(借船)
船舶管理委託
借船料
企業グループ
仕組船
会社
船舶保有
(償却費負担)
船舶管理
会社
船舶管理委託
船舶管理料
船費負担
1
役員の一覧
Directors, Auditors & Executive Officers
取締役および監査役ならびに執行役員(2006年6月29日現在)
取締役・監査役
執行役員
氏名
担当または主な職業
代表取締役会長
会長執行役員
野口 章二
代表取締役社長
社長執行役員
杉本 勝之
取締役
副社長執行役員
古賀 啓
海運営業第4グループ管掌、人事グループ担当および
イイノエンタープライズ(株)社長
取締役
専務執行役員
松本 隆彦
イイノマリンサービス(株)社長および船員グループ担当
取締役
専務執行役員
愛葉 光彦
総務グループ担当、ステークホルダーリレーションズマネジメント・調査グループ
担当、海運営業第1グループ担当、海運営業第5グループ担当および海外担当
取締役
常務執行役員
関根 知之
海運営業第2グループ担当、海運営業第3グループ担当および
海運営業第2グループリーダー委嘱
取締役
常務執行役員
星野 憲一
企画グループ管掌および不動産営業グループ担当
執行役員
田川 豊
総務グループリーダー委嘱
執行役員
山根 修
イイノマリンサービス(株)常務取締役
執行役員
石川 廣行
イイノ・ビルテック(株)社長
執行役員
浅田 研二
イイノマリンサービス(株)常務取締役
執行役員
安斎容一郎
ドバイ事務所代表およびIino Singapore Pte. LTD.社長
執行役員
柿沼 光宏
ステークホルダーリレーションズマネジメント・調査グループリーダー委嘱
執行役員
大野 伸二
イイノマネジメントデータ(株)社長
執行役員
三宅 茂樹
海運営業第3グループリーダー委嘱
取締役
執行役員
中上 良彦
企画グループ担当、経理グループ担当、企画グループリーダー委嘱および
経理グループリーダー委嘱
取締役
執行役員
近光 護
海運営業第4グループ担当
執行役員
根本 滋
イイノマリンサービス(株)常務取締役
執行役員
取締役
久保 筆法
不動産営業グループリーダー委嘱
監査役
岡田 俊雄
(常勤)
監査役
河原 一夫
(常勤)
監査役
覚明 敏之
(社外監査役)
監査役
鈴木 進一
(社外監査役)
※上記以外に佐藤 安彦氏を補欠監査役に選任しています。
※当社では独立した社外取締役は選任していません。また環境性や社会性に関して、特に優れた専門性を有する取締役は選任していません。
※単独株式権(取締役会召集請求権等)や少数株主権(株主提案権・帳簿閲覧権等)については、会社法等の関連法規の規定に従っています。
※役員賞与を含めた役員報酬については、内部でガイドラインを定め、財務的目標および非財務的目標の達成度を考慮して定めています。
■不動産業の事業構造・事業特性 ∼当社不動産業の中心である賃貸ビル事業について∼
5) 大きな投下資本が必要(資産保有の場合)
1) 立地条件が極めて重要な要素(立地産業)
・土地、建物を取得する場合は必要資金大
・立地場所の持つポテンシャルが基本的な事業構造・収益構造を決定
・不動産流動化により資産を保有しない場合、
自己資金は不要
・交通アクセス、周辺の施設集積度、その他周辺地域の特性・環境等の要
素が重要
2) 需給バランスが賃料水準と空室率を決定(市況産業)
・需要は全体・業種毎の経済動向および就業者数の変化に左右され、供
給は大規模再開発等を含む新規ビル建設計画の影響を受ける
3) 設備・サービス面の充実が競争力の条件
・OA床、空調、警備・セキュリティシステム等の充実が競争力に影響
4) 一定以上の面積規模と形状の良さが重要
・1フロア面積、総延床面積が大きく、形状の良いビルの方が高い競争力
を持つ
飯野海運 安全・環境報告書2006【資料・継続的報告編】
《 不動産流動化スキーム例 》
テナント
転貸
一括賃貸・
管理委託
信託銀行
信託配当
不動産会社
配当
匿名組合出資
国内SPC
不動産信託
貸付
銀行
出資
信託受益権譲渡
原始所有者
海外SPC
2
報告範囲・ガイドライン
Report Scope
報告範囲
■
報 告 内 容: 飯野海運グループのサステナビリティに向けての取り組みを総合的に報告しています。経済性、安全・環境性、社会性の
各分野の取り組み・パフォーマンスを系統立てて報告しています。
■
報 告 対 象 期 間: 原則として2005年4月1日から2006年3月31日までの2005年度(財務会計の期間と同一:第115期)
但し、報告対象期間以降の情報を提供することが適切なものについては、新しい情報を掲載しています。
■
報告組織の範囲: 飯野海運株式会社がグループ会社も含めた範囲について、
以下の通りの考え方で報告します。
2006年3月末現在
海運業
対安
象全
範環
囲境
会
計
の
・
報
告
書
の
記
述
対
象
範
囲
飯野海運(株)
海運部門
<船舶管理会社>
不動産業
本社管理業務
不動産部門
本社管理部門
流通小売業
<ビル管理会社>
イイノマリンサービス(株)
イイノ・ビルテック(株)
<仕組船会社> 23社
<不動産関連事業>
<船員配乗会社>
POBAR Marine Services,Inc.
Iino Marine Korea Co., Ltd.
<海外現地法人>
Iino UK Ltd.
東京桜田ビル(株)
イイノホール(株)
(株)イイノ・スープ&カフェ
(株)イイノ・メディアプロ
<他の不動産関連事業>
など計3社
泰邦マリン(株)
<システム開発・管理>
飯野システム(株)
<調査会社>
イイノリサーチアンドパソナ(株)
<機能分社>
イイノビジネスサービス(株)
イイノマネジメントデータ(株)
<石油小売業>
千代田石油(株)
<食品輸入販売業>
ブルー・オーシャン(株)
<海運会社>
報
告
対
象
外
近海石油液化ガス輸送(株)
など計5社
光洋汽船(株)
<海運関連事業>
イイノエンタープライズ(株)
合同船舶工業(株)
セトシップマンジメント(株)
トランスオーシャンサービス(株)
<他の仕組船会社>
8社
<凡例>
※当社グループの2005年度中の異動は以下の通りです。
連 結 対 象 子 会 社(37社)
:1社増(+2社 −1社)
連結対象子会社
持分法適用関連会社(1社)
:1社減(−1社)
非連結関係会社
非 連 結 関 係 会 社(22社)
:増減なし(+2社 −2社)
※財務的パフォーマンスの対象範囲は飯野海運(株)および連結対象子会社・持分法適用関連会社です。
※報告書の記述範囲については、財務的パフォーマンス以外にデータや記述のある会社を記しています。
※当社は今後、報告書の発行とステークホルダーの方々とのコミュニケーションを通じて課題を特定し、報告対
象範囲の拡大並びに情報収集の網羅性や精度を含め、
より適切な報告ができるよう継続的な改善に努めます。
※不動産部門のうち蒲田グリーンビルは期中の2006年3月1日に売却しました。また汐留芝離宮ビルディング
の引き渡しを受けたのは2006年度のため、
各種のデータには含まれていません。
※電力購入によるCO2排出係数とC重油・都市ガスからのN2O排出係数は前回報告以降に変更しました。
参考としたガイドライン
■報告書:
「サステナビリティ リポーティング ガイドライン2002」
(GRI)
「環境報告書ガイドライン(2003年度版)」
(環境省)
「環境報告書ガイドラインとGRIガイドライン併用の手引き」
(環境省)
「ステークホルダー重視による環境レポーティングガイドライン2001」
(経済産業省)
■会 計:
「環境会計ガイドライン2005年版」
(環境省)
「環境管理会計手法ワークブック」
(経済産業省)
「建設業における環境会計ガイドライン2002年版」
(建設業3団体*)
■指 標:
「事業者の環境パフォーマンス指標ガイドライン2002年度版」
(環境省)
「事業者からの温室効果ガス排出量算定方法ガイドライン(試案ver1.6)」
(環境省)
(社)
(社)建築業協会
日本建設業団体連合会、
日本土木工業協会、
*(社)
飯野海運 安全・環境報告書2006【資料・継続的報告編】
3
ECONOMIC
経済性報告
財務面での重要な活動・実績
Financial Topics
全社の財務的トピックス
■業績向上と外部評価のアップ
過去最高益の達成
この結果、創業以来初めて100億円を超える経常利益を計上す
2005年度の海運市況は、中国の金融引き締め政策や新造船の
ることができ(単体:108億円)、2期連続で最高益を更新すること
流入圧力などにより期初は軟調に推移しましたが、米国向けの荷動
ができました。
き増加などを受けて秋口以降は比較的高い水準で推移し、通年で
格付けアップ
は総じて堅調な市況となりました。この中で、ケミカルタンカー部
2005年5月27日には(株)格付投資情報センター(R&I)が当
門の収益は大西洋水域の荷動きを含め増収となり、
また貨物船部
社の格付けをBBB−からBBBへと引き上げ、
同12月15日には(株)
門もばら積み船市況の乱高下の中で有利配船を行うことで収益を
日本格付研究所(JCR)がBBBからBBB+へと引き上げました。
確保できました。さらに、為替レートが円安となったため、営業利益
これは新造船投入効果、運賃値上げ、契約の長期化による収益変
に前年度比で約10億円の増加要因がありました。
動リスク抑制、汐留芝離宮ビルディングのオフィステナントの確定
不動産市況は東京、大阪、名古屋の3大都市の地価が15年ぶり
などが評価されたものです。
に上昇するなど下げ止まり感が広がり、賃貸ビル市況も全国的に空
室率の低下傾向が鮮明になりました。当社は空室率の低下や適正
賃料の獲得に努める一方、資産の入れ替えを行い財務構成の改善
にも努めました。
当社と海運大手3社の格付け状況
飯野海運
日本郵船
商船三井
川崎汽船
R&I
BBB
JCR
BBB+
AA−
A
A−
AA
A+
A
■株主への還元
年間配当15円への増配
2005年度(115期)の好調な業績を受け、
1株当たり配当金につ
2006年3月期の配当実績
中間期
いて中間・期末の普通配当をそれぞれ1円増配し、
さらに期末に記念
配当として3円を上乗せし、年間配当を15円としました。これは
2005年度の業績および今後の事業展開、
内部留保等の財務状況を
年 間
6.00 円
6.00 円
12.00 円
記念配当
− 円
3.00 円
3.00 円
合 計
6.00 円
9.00 円
15.00 円
− 円
10.00 円
10.00 円
(参考)114期
総合的に勘案し、株主の皆様のご支援にお応えするためのものです。
期末期
普通配当
■その他の施策
定款の一部変更
なお、
2006年6月29日に開催の株主総会において、
会社法の施
2005年6月29日開催の株主総会において次のような定款の
行等に伴う定款の一部変更および買収防衛策の導入を行いました。
一部変更を行いました。
①会社が発行する株式の総数の拡大
単元株式の引き下げ
②単元未満株式の買増規定の新設
投資単位を引き下げることにより、個人株主の拡大や流動性の
③取締役会による基準日の設定
さらなる向上を図るため、2005年11月1日より1単元の株式の
④取締役の員数の削減
数を1,000株から100株に変更しました。各証券取引所における
⑤配当金支払排斥期間の変更
売買単位も1,000株から100株に変更されました。
■2005年度中に取締役および監査役に支払った報酬の内容
区分
定款または株主総会決議に
基づく報酬
利益処分による役員賞与
株主総会決議に基づく退職
慰労金
計
社内取締役
支給額 支給人員
(金額単位;百万円)
社内監査役
支給額 支給人員
社外監査役
支給人員
支給額 計
支給人員
支給額 9名
172
2名
17
2名
9
13名
198
9名
50
─
─
─
─
9名
50
1名
17
─
─
─
─
1名
17
─
239
─
17
─
9
─
265
飯野海運 安全・環境報告書2006【資料・継続的報告編】
4
ECONOMIC
経済性報告
財務面での重要な活動・実績
Financial Topics
海運業の財務的トピックス
■業績を急伸させた部門
ケミカルタンカー部門47%の増収
小型ガスタンカー部門14%の増収
ケミカルタンカー部門は、主要航路である中東-アジア航路のほ
小型ガスタンカー部門は、内航では下期に入りLPGの荷動きが
か、中東-欧州航路、大西洋-南米航路の運賃市況が堅調に推移した
回復したこと、石油化学ガスの荷動きが好調だったことにより収益
ことなどから前期比46.7%の大幅増収となりました。船隊につい
が改善し、また近海では中長期契約の有利更改を行いました。
ては期中に1万4千トン型および3万2千トン型のケミカル船2隻と
2006年2月、石油化学ガス向けに8,700m3型冷凍船の運航を開
4万6千トン型メタノール船(当社持分50%)1隻の合計3隻を加
始しました。
えました。
これらにより前期比17.3%の増収となりました。
■2005年度に推進したプロジェクト
VLCC(大型石油タンカー)の売船
カタール産ケミカル輸送で合弁会社設立
Five-Star Navigation S.A.(パナマ)は2000年2月14日に
2005年10月 飯野海運(株)は、三井物産(株)とカタール国営
飯野海運(株)の100%子会社として設立され、裸傭船船舶を貸船
船会社のカタール・シッピング社(本社:
ドーハ)との間で合弁会社
してきました。2005年4月に裸傭船船舶を買取のうえ売却し、設
「QIM Transport Inc.」設立に関する契約を締結しました。この
立時の使命をまっとうしたことから、会社を解散し清算することと
合弁会社は、カタール産ケミカル貨物などの輸送に船腹を提供す
しました。
ることを目的としたものです。資本金は3社が3分の1ずつ出資し
これにより関係会社清算益2,695百万円が発生しました。
ています。
カタールをはじめ中東諸国においては、豊富で安価な原料を利
石炭専用船 AMAKUSA ISLAND 竣工
用したケミカル製品の生産・輸出が急増しています。しかし、
カター
(株)大 島 造 船 所 で 建 造して
ル国営船会社であるカタール・シッピング社ではケミカル貨物用船
いた石炭専用船「AMAKUSA
舶を保有しておらず、当面は当社が船舶を提供し、長期的には合弁
ISLAND」が2005年9月22
での船舶保有を視野に入れつつ、今後、一層の増加が見込まれるカ
日に竣工しました。
タール発の輸送需要を共同して取り込むことを目指します。
このAMAKUSA ISLANDは、
AMAKUSA ISLAND
九州電力(株)の発電用石炭(一般炭)輸送専用船として、同社の大
当社は、今回の合弁会社設立により、中東エリアでのさらなる業
容拡大を図っていきます。
型火力発電所である苓北火力発電所(熊本県)を中心に配船され、
長期間にわたりオーストラリアなどから年間約80万トンの海外一
新造LNG船 長期定期傭船契約締結
般炭を輸送する予定です。
2005年11月、飯野海運(株)・(株)商船三井・日本郵船(株)・川崎
81,887重量トン型の本船を配船することで、より経済的、効率的
汽船(株)・三井物産(株)およびQatar Gas Transport Company
な輸送サービスを提供できます。船名の「AMAKUSA ISLAND」
Limited(QGTC)は、
210,000m3型新造LNG船8隻につき、Ras
は苓北火力発電所の位置する天草に因んで命名されました。
Laffan Liquefied Natural Gas Company Limited(3)(ラス
当社ではすでに電源開発(株)
ガス3)と長期定期用船契約を締結、同時に韓国大宇造船および現
の橘湾火力発電所に大型の石炭
代重工業と当該船の造船契約を締結しました。
専用船「BLUE ISLAND」を配
【契約概要】
船しており、
電力会社向けの石炭
専用船はAMAKUSA ISLAND
船 主:日本側5社およびQGTCが共同出資する新会社
BLUE ISLAND
で2隻目になります。また2007年2月には、同じく電源開発(株)向
けの新造石炭船1隻が竣工する予定で、当社の電力会社向け石炭
専用船は3隻体制になります。
飯野海運 安全・環境報告書2006【資料・継続的報告編】
(J5 Nakilat No.1 ∼ No.8 Ltd 社 - 本社:マーシャル諸島)
傭船者:ラスガス3(カタールペトロリウムとエクソンモービルが
出資・設立したLNGの生産・販売会社)
期 間:本船竣工(2008年3月∼9月)から25年間
5
ECONOMIC
経済性報告
財務面での重要な活動・実績
Financial Topics
不動産業の財務的トピックス
■汐留芝離宮ビルディングのオフィステナント決定
2006年7月竣工と同時に入居
賃貸面積:約5,200坪(5∼20F 全オフィスフロア)
飯野海運(株)および日本土地建物(株)が共同で事業を進めてい
移転理由:T&D保険グループ各社の本社機能集結
る汐留芝離宮ビルディングのオフィスフロアについて、2005年5月
【汐留芝離宮ビルディング概要】
T&D保険グループ各社の入居が決定(予約契約締結)しました。
所 在:東京都港区海岸一丁目
なお、2006年7月竣工と同時にテナントの入居が開始され、既に
(約1,034坪)
敷地面積:3,418m2
各本社の営業が行われています。
建 物:地下3階、地上21階、塔屋2階(地上112m)
【契約概要】
入 居 者:(株)T&Dホールディングス、大同生命保険(株)、
太陽生命保険(株)、T&Dフィナンシャル生命保険(株) 他
(約10,538坪)
延床面積:34,836m2
着 工:2004年8月
竣 工:2006年7月
■好調な営業状況
所有ビルの高稼働
不動産関連事業部門:デジタルフォト画像処理が成長
底堅く推移した賃貸ビル市況を受けて、当社所有ビルはほぼ満
(株)イイノ・メ
不動産関連事業部門では、
室稼動いたしました。下期には蒲田グリーンビルを売却したことも
ディアプロのレンタル・フォトスタジオが、
あり、通期では不動産業売上高は87億55百万円と前期比0.9%
広尾スタジオ・南青山スタジオとも引き続
の減少となりましたが、営業利益は増加しました。
き高稼働率を維持し、
また成長中のデジタ
ルフォト画像処理が順調に推移しました。
デジタルフォト画像処理部門
「イイノ・グラフィックイメージ」
■資産の売却・取得など
固定資産の減損損失処理
笹塚センタービル所有権の取得
2005年6月に固定資産を売却するにあたり、売却合意額が帳
2006年3月23日、資産バランス再構成の一環としてこれまで
簿価額を大きく下回る見通しとなったため、減損損失を計上しまし
サブリースしていた笹塚センタービルの所有権を取得しました。
た。なお、売却合意額で売却を完了しています。
【減損処理の概要】
【固定資産取得の概要】
対象固定資産:笹塚センタービル(東京都渋谷区)
対象固定資産:スポーツクラブハウス・店鋪等(神奈川県相模原市)
①土地 3,032.26m2
①土地 7,322.52m2
②建物 11,973.11m2
②建物 4,426.40m2(2棟合計延床面積)
鉄骨鉄筋コンクリート造 地下2階、地上8階建
減損損失額:
2,275百万円(単体)/1,496百万円(連結)
蒲田グリーンビルの売却
2006年3月1日に当社の主要賃貸ビルの一つ、
「蒲田グリーン
ビル」の譲渡・引渡しを行いました。同ビルの売却は、不動産への
投資と資産売却のバランスをとり、財務構成を改善する目的で実
施しました。
笹塚センタービル
【固定資産譲渡の概要】
対象固定資産:蒲田グリーンビル(東京都大田区)
子会社の解散
①土地 2,053.65m2(うち、当社持分1,027.21m2)
飯野ビル地下1階飲食店舗「SOUP DELI」を2006年3月に閉
②建物 11,527.38m2(うち、当社持分50%)
店し、同店舗の運営業務を受託していた100%子会社(株)イイノ・
鉄骨鉄筋コンクリート造 地下1階、地上11階建
飯野海運 安全・環境報告書2006【資料・継続的報告編】
スープ&カフェを解散し、清算することとしました。
6
ECONOMIC
経済性報告
財務的パフォーマンス
Financial Performance
売上高
■総売上高
総売上高の推移
(参考)売上の部門別構成比(連結)
連結 単体
(2005年度)
不動産関連事業部門
1.5%
1,000
734
700
664
638
626
600
583
560
478
オイルタンカー部門
12.2%
不動産賃貸部門
10.4%
568
その他海運業部門
2.9%
518
500
流通小売業
2.9%
400
海運業
85.2%
300
200
貨物船部門
18.8%
100
0
ケミカルタンカー部門
30.3%
不動産業
11.9%
446
01年度
02年度
03年度
04年度
大型ガスタンカー部門
10.3%
小型ガスタンカー部門
10.7%
05年度
■事業の種類別売上高の推移(連結)
海運業
億円
700
不動産業
億円
120
流通小売業
億円
140
626
600
100
530
500
90
477
444
120
95
87
88
87
80
446
100
87
80
400
60
60
300
40
200
100
0
40
24
20
01年度
02年度
03年度
04年度
05年度
0
20
01年度
02年度
03年度
04年度
05年度
0
01年度
02年度
19
20
21
03年度
04年度
05年度
253
258
04年度
05年度
■地域別売上高の推移(連結)
日本
億円
300
北米
億円
50
中近東
億円
300
256
250
250
40
200
193
189
169
30
171
200
30
29
29
24
150
191
202
173
150
21
20
100
100
10
50
0
01年度
02年度
03年度
04年度
05年度
アジア・オセアニア
億円
150
141
0
50
01年度
02年度
03年度
04年度
05年度
0
01年度
02年度
03年度
その他
億円
150
130
122
117
109
110
100
100
72
60
50
50
0
01年度
02年度
03年度
04年度
05年度
飯野海運 安全・環境報告書2006【資料・継続的報告編】
0
46
46
01年度
02年度
03年度
04年度
05年度
※各区分に属する地域の内訳は以下の
通りです。
北 米 :米国、カナダ
中近東 :サウジアラビア、オマーン 他
アジア・オセアニア
:豪州、マレーシア、
インドネシア、インド 他
その他の地域
:欧州、アフリカ 他
7
ECONOMIC
経済性報告
財務的パフォーマンス
Financial Performance
損益
■営業利益・経常利益・当期純利益
経常利益の推移
営業利益の推移
連結 単体
億円
140
連結 単体
億円
120
110 108
124
120
100
106
100
83
95
80
80
60
60
61
59
52
43
40
43
40
36
35
34
31
28
34
29
20
20
0
79
76
01年度
02年度
03年度
04年度
0
05年度
01年度
02年度
03年度
04年度
05年度
当期純利益の推移
(参考)ROEの推移(連結)
連結 単体
億円
90
20.0%
84
19.2
80
75
70
15.0%
60
13.9
49
50
44
10.0%
40
9.4
30
25
20
23
5.0%
18
14
13
9
10
0
7.8
5.3
01年度
02年度
03年度
04年度
0.0%
05年度
01年度
02年度
03年度
04年度
05年度
■事業の種類別営業利益の推移(連結)
海運業
億円
120
不動産業
億円
30
流通小売業
億円
0.6
0.5
27
102
100
25
0.4
25
23
21
80
22
20
74
0.2
0.2
0
-0.0
15
60
-0.1
-0.2
40
36
10
36
-0.4
24
5
20
0
01年度
02年度
03年度
04年度
05年度
0
-0.6
01年度
02年度
03年度
04年度
05年度
-0.8
-0.6
01年度
02年度
03年度
04年度
05年度
総資産・負債・資本
■総資産・負債・資本(連結)
総資産
億円
1,600
1,567
1,435
1,400
1,427
負債
億円
1,200
資本
億円
500
484
1,478
1,295
1,159
395
400
1,150
1,200
1,127
1,000
257
1,100
800
301
300
1,084
277
1,084
200
600
1,050
400
1,039
100
200
0
01年度
02年度
03年度
04年度
05年度
飯野海運 安全・環境報告書2006【資料・継続的報告編】
1,000
01年度
02年度
03年度
04年度
05年度
0
01年度
02年度
03年度
04年度
05年度
8
SAFETY & ENVIRONMENTAL
安全・環境性報告
安全・環境会計(詳細版)
Safety & Environmental Accounting
安全・環境会計の基本的考え方
■安全・環境会計への取り組みの経緯
安全確保が事業の基盤である当社においては、安全のためのコ
環境会計と合わせて安全・環境会計として集計し、安全・環境報
ストを把握しマネジメントする必要性は高いと考え、2001年より
告書2004から開示しています。安全・環境報告書2006では、公
独自の考え方による安全会計の構築に取り組んで来ました。
表初年度である2003年度と2005年度との比較を行いました。
■安全・環境会計の狙い
安全・環境会計の狙いには内部側面と外部側面があり、当社では
情報を社外にも開示して説明責任を果たすことが狙いです。
この両面の狙いをバランスよく達成することを目指しています。
安全・環境会計集計結果をステークホルダーの方々にご覧いた
内部的には、安全対策および環境保全のためのコストと効果を
だくことで、当社の考え方や安全・環境への取り組みについて会計
定量的に把握し、望ましい施策の実施につなげることが狙いです。
情報を含めてご理解いただきたいと考えています。また、頂戴した
あわせて、従業員の安全対策・環境保全に対する意識の一層の向
ご意見やご評価を受けて、
会社としての取り組みレベルを一層高め、
上を狙っています。外部的には、安全および環境に関するコスト・効
安全で環境にやさしい社会の形成に向けて企業としての社会的責
果情報が統合的に一覧可能であるという特徴を活かして、
これらの
任を果たしていきたいと考えています。
■安全・環境会計のコンセプト
安全・環境会計の仕組みは、品質原価計算の考え方をもとに組
投下して、
ロスの削減を目指す考え方に基づいています。
み立てています。品質原価計算とは、品質低下・不良発生の予防コ
環境会計は、品質原価計算を環境分野に適用した「環境品質原
ストや品質評価コストを投下して、内部失敗コスト(社内での品質
価計算」を応用して、環境保全・評価のためのコストと、企業および
不良ロス)や外部失敗コスト(社外で発生した品質不良ロスへの対
社会が負担する環境損失(ロス)に区分して集計する方式として構
応コスト)をゼロにすることを目指す手法です。
築しています。安全会計と同様に、前者のコストを投下して、後者
安全会計は、品質原価計算の手法にリスクマネジメントの考え方
のロス(環境損失)の削減を目指す考え方です。環境会計の集計
を加えて、
リスクの回避・予防・軽減コストと、
リスクの移転・保有コ
項目の一部は、環境省の「環境会計ガイドライン」のコスト項目設定
ストに分けて集計しています。後者をロスと捉え、前者のコストを
に準じて設定しています。
■安全・環境会計の構成
上記の考え方を踏まえ、安全会計・環境会計の各々について、海
運業・不動産業・本社部門・全社合計の4区分で集計しています。
安全会計の構成
活動の分類
リスクマネジメント
との関係性
事故の発生率を下げる活動
リスクの回避コスト
危険回避のための活動コスト
リスクの予防コスト
事故予防のためのコスト
従業員の労働安全衛生コスト
○ 人的水準向上
(教育研修・訓練)のコスト
○ 安全のための活動コスト
○ 安全のための設備機器のコスト
○ 建物・船体の安全対策コスト
○
コスト項目の分類
望ましい方向性
事故発生時の損失を
小さくする活動
発生した事故に対応する活動
リスクの軽減コスト
リスクの移転コスト
リスク保有により発生したコスト
事故発生時の損失軽減のためのコスト
事前に負担する安全ロス:支払保険料
○ 従業員の労働安全衛生コスト
(保険の付保によるリスク移転コスト)
○ 人的水準向上
(教育研修・訓練)のコスト
○ 安全のための活動コスト
事後に負担する安全ロス:発生した事故へ
○ 安全のための設備機器のコスト
の対応コスト、保険の免責分の金額
○ 建物・船体の安全対策コスト
(リスク保有により発生したコスト)
安全対策の推進により
低減させるべきコスト
費用対効果を見極めつつ充実させるべきコスト
管理・間接
コスト
安全対策活動支援のためのコスト
(リスクの回避・予防・軽減関連)
費用対効果を見極めつつ充実させるべきコスト
環境会計の構成
コストの分類
環境損失の発生防止・軽減
のための費用
環境保全対策が不十分な
ため企業が被る損失
環境保全対策が不十分な
ため社会や住民が被る損失
環境品原価計算
との関係
環境保全コストおよび環境評価コスト
内部負担環境ロス
外部負担環境ロス
コスト/ロス
項目の分類
望ましい方向性
事業エリア内コスト
上下流コスト
管理活動コスト
研究開発コスト
社会活動コスト
費用対効果を見極めつつ
充実させるべきコスト
非効率コスト(投入)
:エネルギー・資源の購入費
非効率コスト(産出)
:廃棄物等の処理費
環境損傷対応コスト
△環境保全対策に伴う実質的収益
廃棄物処理に伴う有価物の売却収入
低減、または原単位の
低減を図るべきコスト
環境負荷(投入)
:エネルギー・資源の使用量
環境負荷(排出)
:環境に負荷を与える物質の排出量
低減させるべき環境負荷
※緑字は環境省「環境会計ガイドライン」に準じたコスト項目
飯野海運 安全・環境報告書2006【資料・継続的報告編】
9
SAFETY & ENVIRONMENTAL
安全・環境性報告
安全・環境会計(詳細版)
Safety & Environmental Accounting
安全・環境会計の詳細集計基準(安全・環境会計において基本となる重要な事項)
■安全・環境会計の集計に当たっての前提条件
①対象期間:2005年4月1日∼2006年3月31日
(2005年度、当社第115期)
②集計範囲:飯野海運(株)、
イイノマリンサービス(株)、
イイノ・ビルテック(株)、 および仕組船会社23社
③集計範囲選定の考え方:
・集計範囲は、報告会社である飯野海運(株)に加え、海運業の主要子会社(船舶管理
業)であるイイノマリンサービス(株)、不動産業の主要子会社(ビル管理業)である
イイノ・ビルテック(株)、
および海運業で船舶を所有している仕組船会社を重要な範
囲と考え、選定しています。
④連結会計についての考え方:
・集計範囲の会社(事業所)の個別の会計情報を集計し、合算しています。これらの
会社間での内部取引は二重計上となるため計上していません。
■金額情報の集計基準
共通事項
①集計基準については「飯野海運グループの安全・環境会計ガイドライン」を作成し、
金額情報だけでなく物量情報の集計についてもこれに従っています。ガイドラインの
作成に際しては、
「環境管理会計手法ワークブック」
(経済産業省)、
「環境会計ガイド
ライン2005年版」
(環境省)、
「建設業における環境会計ガイドライン2002年版」
(建設業3団体)などを参考にしています。但し、当社ガイドラインでは目的基準を基
本としており、定めのない項目が発生した場合、他の例に準じて計上しています。
②安全・環境会計では、投資額および費用額をキャッシュフロー額として集計していま
す。費用額には人件費が含まれます。キャッシュフローベースでの把握としているた
め、費用額には減価償却額は含みません。
海運業
【共通事項】
①飯野海運(株)運航船の運航費(燃料費・港費等)と、当社グループ保有のイイノマリ
ンサービス(株)管理船の船費(修繕費・船用品費等)を対象として集計しています。
②船費については、船主として負担する費用を計上しています。即ち、共有船について
は、持分を考慮し負担分のみ計上しています。
③船費のうち設備関連の修繕費・船用品費については、原則として条約・法令等に定め
られた基準を超えるものを計上しています。
④入渠・新造船に係る投資・費用は集計対象としていません。
(安全や環境に関するコ
ストが含まれていると想定されますが、分離把握が困難なため集計していません。)
【安全会計】
①危険回避のための活動コストは、会社が定めた運航ルールに従った回避行動につい
て、飯野海運(株)運航船を対象に以下を集計しています。
不動産業
【共通事項】
①ビルオーナーの責任による投資・費用を対象として集計しており、
テナントの負担分
については計上していません(物量情報も同様)。但し、当社が建設業者として請け
負ったテナント工事については、当社負担部分のみ計上しています。
②共有ビルについては、持分を考慮し負担分のみ計上しています。
③維持的な性格を持つコストについても計上しています。これはリスクや環境負荷量
の総量は、維持的な活動によっても左右されると考えているためです。
④コストの計上は、工事完成基準としています。
【安全会計】
①目的基準を補完するために、
ビルで使用している設備について分類を行い、按分割
合などを定めています。設備の危険性を顕在化させないための活動については、設
備ごとにリスク評価を行って対象を定めています。
【環境会計】
①事業特性を踏まえビル内の社会への環境負荷低減のための費用を含んでいます。
②上・下流コストのうちグリーン購入のコストが計上されていませんが、
これは通常品
との差額が発生していないためです。
③環境損傷対応コストには、公害健康被害補償法に定める汚染負荷量賦課金および建
設マニフェストに含まれる原状回復基金拠出金を計上しています。
④リサイクルのコストで廃棄物処理業者を通じて行っていてコストを分割することがで
きないものについては資源循環コストではなく内部負担環境ロスに計上しています。
【環境会計】
①非効率コスト(投入)の燃料費は、飯野海運(株)運航船を対象に集計しています。
■物量情報の集計基準
共通事項
当社の安全・環境会計では、
リスクや環境負荷の総量を管理対象としており、年度間の
差額算出等による効果は算出していません。同様に、経済効果も算出していません。
そのため投資効果発現期間などは考慮していません。
<SOx排出量>
SOx(SO2)=A・C重油別使用重量×燃料硫黄含有率*2 ×32/16*3
*2 硫黄含有率は当社把握データ
*3 算定式の32/16はSO2分子量/S原子量
海運業
①飯野海運(株)運航船と当社グループ保有のイイノマリンサービス(株)管理船の合計
を集計しています。但し、船上生活系廃棄物排出量については、当社グループ保有
のイイノマリンサービス(株)管理船を対象に集計しています。
②物量情報の把握について使用した算定式および換算係数は以下の通りです。
<燃料使用による温室効果ガス排出量(CO2換算)>
CO2=A・C重油別使用重量÷比重*1 ×単位発熱量×排出係数×地球温暖化係数
CH4・N2O=A・C重油別使用重量÷比重*1 ×排出係数×地球温暖化係数
*1 比重は当社把握データ
不動産業
①物量情報の把握について使用した算定式および換算係数は以下の通りです。
<電力購入による温室効果ガス排出量>
CO2*4 =電力購入量×排出係数
排出係数 03年度:0.461kg/kWh、
05年度:0.372kg/kWh(東京電力資料より)
*4 電力購入によるCH4・N2O排出量については極小のため算出していない。
<重油および都市ガスの使用による温室効果ガス(CO2)、NOx・SOx排出量>
CO2=A重油・都市ガス別使用体積×単位発熱量×排出係数×地球温暖化係数
NOx=A重油・都市ガス別使用体積×排出係数
SOx(SO2)=A重油使用体積×比重*5 ×燃料硫黄含有率*6 ×32/16*7
*5 比重は当社把握データ
*6 硫黄含有率は当社把握データ
*7 算定式の32/16はSO2分子量/S原子量
二酸化炭素(CO2)
メタン(CH4) 一酸化二窒素(N2O)
単位発熱量
排出係数
排出係数
排出係数
A重油
39.1 MJ/
0.0693kg CO2/MJ
0.26kg CH4/k
0.074kg N2O/k
C重油
41.7 MJ/
0.0716kg CO2/MJ
0.27kg CH4/k
0.079kg N2O/k
1 21
310
地球温暖化係数
二酸化炭素(CO2)
(C重油からのN2O:
「地球温暖化対策の推進に関する法律施行令」、
その他:環境省「事業者からの
温室効果ガス排出量算定方法ガイドライン(試案ver1.6)」
より)
<NOx排出量>
NOx=A・C重油合計使用重量×排出係数 排出係数:
87g NOx/kg
(シップ・アンド・オーシャン財団「船舶排ガスの地球環境への影響と防止技術の調査報告書」
より)
A重油
都市ガス
窒素酸化物(NOx)
単位発熱量
排出係数
39.1 MJ/
0.0693kg CO2/MJ
排出係数
2.10kg/k
41.1MJ/m3
0.0506kg CO2/MJ
0.00171g/m3
(試案ver1.6)」、
(A重油からのCO2:環境省「事業者からの温室効果ガス排出量算定方法ガイドライン
都市ガスからのCO2:
「地球温暖化対策の推進に関する法律施行令」、
同NOx:環境省「平成14年度版
環境活動評価プログラム
(エコアクション21)」
より)
■安全・環境会計において基本となる重要な事項の変更
集計範囲の変更
①海運業では船隊を拡充しているため、集計対象の仕組船会社は増加していますが、
さらに他船主からチャーターして運航している用船も増加しています。
②不動産業では期中の2006年3月1日に蒲田グリーンビルを売却したため、同ビル
については所有月数分を計上しています。なお、汐留芝離宮ビルディングは2005
年度中は引き渡しを受ける前のため範囲に含まれていません。
係数の変更
①電力購入による温室効果ガス排出量のCO2排出係数は、当社事業地域の最新の状
飯野海運 安全・環境報告書2006【資料・継続的報告編】
況を反映した係数に変更しました。
②C重油・都市ガスからのN2O排出係数は、最新の状況を反映した係数に変更しまし
た。
その他
①集計精度向上のための集計基準の見直しにより、2003年度数値についても一部
修正しています。
②なお、安全対策活動・環境保全活動の経過および成果については「安全・環境報告書
2006」に記載しています。
10
SAFETY & ENVIRONMENTAL
安全・環境性報告
安全・環境会計(詳細版)
Safety & Environmental Accounting
海 運 業・不 動 産 業 の 安 全 会 計( 2005年度 )
■海運業の安全会計
分類
金額単位:千円
危険・事故の発生率を下げる活動
33,501 労働安全衛生
危険回避のための活動
軽減コスト
5,580 労働安全衛生
船員の健康診断(乗船前/中/後)
発生した事故に対応する活動
事故発生時の損失を小さくする活動
予防コスト
回避コスト
項目
5,580
アスベスト健康診断(元船員)
保有・移転コスト
229
事前に負担する安全ロス
229
<人的損失対応>
関門海峡・来島海峡
793,015
健康保険料(陸員)
人的水準を高めるための活動
通峡回避および夜間停泊
ケミカルタンカー
3,546
台風による停泊および回避
ガスタンカー
52,321 人的水準を高めるための活動
優秀な船員の確保
14,563
各種安全研修
35,736
危険予知訓練
2,022
29,955 安全(事故予防)のための活動
テーブルトップドリル
(緊急時対応訓練)
185
労災保険料(陸員)
185
船員保険料
天候ニュースとの契約料
562
65,454
労災総合保険(予備船員)
−
1,346,396 安全(損失軽減)のための活動
<衝突・座礁事故防止>
水先料(パイロット)、曳船料(タグ)等
5,584
1,327,255
90
<物的損失対応>
船舶保険料等
357,884
P&I保険
363,440
2,390
<積荷関連事故防止>
の注入
不活性ガス
(N2)
安全荷役のための指導監督
事故予防のための安全設備
海
運
業
12,349
4,402
−
7,690 損失を軽減する安全設備
<衝突・座礁事故防止>
計画保守整備ソフト
76,234
保険の免責金額
3,081
ECDIS(電子海図システム)
係船索(ドラム数以上)
事後に負担する安全ロス
<物的損失対応>
75,963
事故対応コスト
440
271
1,854
コースレコーダー関連
238
計測機器較正等
864
<海賊対策>
キセノンサーチライト
小 計
小 計
33,501
1,213
1,411,987
小 計
安全対策活動支援
414
小 計
ISMコード・ISPSコード・ISO9001に基づく安全マネジメントシステム等の維持・運用
内部監査、
メジャーオイルインスペクション、
飯野検船、
安全監督臨船等
管理・間接
コスト
安全管理業務委託料
9,745
267,519
3,528
安全管理委員会等
721
安全協力会
743
小 計
282,256
■不動産業の安全会計
分類
金額単位:千円
危険・事故の発生率を下げる活動
回避コスト
項目
事故発生時の損失を小さくする活動
予防コスト
労働安全衛生
74
従業員の健康管理
1,334
安全衛生委員会(法定外を含む)
1,260
人的水準を高めるための活動
救護室等の整備
アスベスト健康診断
(元ビル監視センター業務従事者)
999 人的水準を高めるための活動
防犯・警備のための教育訓練
999
従業員の防災教育
事故発生を想定した対応訓練
ビル総合防災訓練等の実施
安全(事故予防)のための活動
防火・警備活動(警備・巡回等)
事故予防のための安全設備
<人的損失対応>
7
健康保険料等
13,719
労災保険料等
4,166
564
45
894
90,736 損失を軽減する安全設備
43,678
防災・消防・避難設備
電気関係設備
54,360
事後に負担する安全ロス
158,514
10,688
14,528
会社負担医療費
不燃化工事
小 計
安全対策活動支援
307
157,566
949
<物的損失対応>
事故対応コスト
54,360 建物・躯体の安全性確保
317,247
その他保険(対物保険等)
<人的損失対応>
46,204
46,073
<物的損失対応>
621
376
986
28,572
1,230
その他の災害損失軽減活動
308
漏水事故防止・その他事故防止工事
小 計
14
1,269
危険設備の事故防止
外壁面はく離事故防止工事等
事前に負担する安全ロス
防災関連用品の整備・更新等
121,971
安全のための設備(安全衛生・防犯)
建物・躯体の安全性確保
保有・移転コスト
21
168,484 安全(損失軽減)のための活動
協力業者会安全衛生協議会活動
安全監督・その他事故防止活動
発生した事故に対応する活動
軽減コスト
2,667 労働安全衛生
良好な職場・作業環境の整備
不
動
産
業
869,249
282,256
14,222
84
84
161,119
小 計
43,100
2,674
安全マネジメントの推進、
安全状態の監視等の管理活動
管理・間接
コスト
警備業関連団体への参加等の間接的活動
地域パトロール等の地域・社会活動
小 計
飯野海運 安全・環境報告書2006【資料・継続的報告編】
2,112
479
83
2,674
11
SAFETY & ENVIRONMENTAL
安全・環境性報告
安全・環境会計(詳細版)
Safety & Environmental Accounting
海 運 業・不 動 産 業 の 環 境 会 計( 2005年度 )
■海運業の環境会計
金額単位:千円
分類
環境損失の発生防止・軽減のための費用
環境保全対策が不十分なため企業が被る損失
環境保全対策が不十分なため社会や住民が被る損失
項目
環境保全コストおよび環境評価コスト
内部負担環境ロス
外部負担環境ロス
事業エリア内コスト
99,587
非効率コスト(投入)
100
燃料費(A・C重油)
単位
13,489.091 環境負荷(投入)
<地球環境保全コスト>地球温暖化防止
主機運転性能解析ソフト
非効率コスト(排出)
<地球環境保全コスト>海洋汚染防止
貨物油・燃料油タンクのレベルゲージ関連
2,072
ビルジセパレータ関連等
1,200
13,489.091
29,370 環境負荷(排出)
温室効果ガス排出量(CO2換算)
35.0 千t
オイルフェンス・流出油処理剤・用具
3,564
大気汚染物質排出量(SOx)
23.6 千t
荷役中のオイルフェンス
2,745
船上生活系廃棄物陸揚処分費
12,631
<地球環境保全コスト>海洋生態系保全
錫フリー塗料での船底塗替え
89,746
入渠時スラッジ・スロップ陸揚処分費
積荷変更時のスロップ陸揚処分費(ケミカル)
管理活動コスト
289.7 m3
・食物屑
235.1 m3
・びん缶等
263.7 m3
10,924
5,815
3,277
ISO14001取得・維持コスト
308
環境教育研修(日本人船員)
2,968
−
環境損傷対応コスト
研究開発コスト
− △環境保全対策に伴う実質的収益
社会活動コスト
−
小 計
船上生活系廃棄物排出量
・プラスチック・ビニール類
−
上・下流コスト
102,863
−
−
廃棄物処理に伴う有価物の売却収入
小 計
13,518.461
■不動産業の環境会計
項目
金額単位:千円
環境損失の発生防止・軽減のための費用
環境保全対策が不十分なため企業が被る損失
環境保全対策が不十分なため社会や住民が被る損失
内部負担環境ロス
外部負担環境ロス
環境保全コストおよび環境評価コスト
事業エリア内コスト
109,649
非効率コスト(投入)
電気購入
177,736
7,619
ガス購入
31,261
悪臭防止・水質汚濁防止
5,076
重油購入
2,484
上水使用料
45,588
監視・制御装置
設備・機器の調整・インバータ−化
ハイブリッド自動車の利用
マニフェスト購入等
PCB処理関連費
上・下流コスト
管理活動コスト
非効率コスト(排出)
水
629.0 千m3
68.4 k
125.8 千m3
119.1 千m3
6.7 千m3
37,356 環境負荷(排出)
165
電力購入による
温室効果ガス排出量(CO2換算)
燃料使用による
温室効果ガス排出量(CO2換算)
445
23
11,480
環境負荷測定
8,068
事業所周辺緑化・緑地維持
2,220
1.3 千t
大気汚染物質排出量(NOx)
1,219.2 kg
大気汚染物質排出量(SOx)
116.4 kg
6,924
一般廃棄物処理量
552.7 t
産業廃棄物処理費(工事廃材を含む)
4,119
産業廃棄物処理量(工事廃材を含む)
200.6 t
下水処理費
環境損傷対応コスト
原状回復基金拠出金(建設マニフェスト)
研究開発コスト
− △環境保全対策に伴う実質的収益
社会活動コスト
−
121,129
3.8 千t
一般廃棄物処理費
4
−
1,191
飯野海運 安全・環境報告書2006【資料・継続的報告編】
A重油
10,187.3 千kWh
2,098
36,584
環境マネジメントシステム運用、
情報開示
小 計
都市ガス
(井水・湧水使用量)
57,636
<資源循環コスト>
リサイクル委託料
電気
(上水使用量)
<地球環境保全コスト>
ビル内省エネ管理
単位
257,068 環境負荷(投入)
粉塵飛散防止・アスベスト対策
<公害防止コスト>
不
動
産
業
1,258.2 千t
大気汚染物質排出量(NOx)
(主にプラスチック類)
分類
401.9 千t
160
防錆テープ
海
運
業
燃料投入量(A・C重油)
廃棄物処理に伴う有価物の売却収入
小 計
26,313
下水排出量
97.6 千m3
減水量(大気排出等)
28.1 千m3
162
162
−
−
294,587
12
SAFETY & ENVIRONMENTAL
安全・環境性報告
安全・環境会計(詳細版)
Safety & Environmental Accounting
本 社・全 社 合 計 の 安 全 会 計( 2005年度 )
■本社の安全会計
分類
金額単位:千円
危険・事故の発生率を下げる活動
回避コスト
項目
事故発生時の損失を小さくする活動
予防コスト
軽減コスト
労働安全衛生
7,702 労働安全衛生
保有・移転コスト
688
事前に負担する安全ロス
688
<人的損失対応>
1,277
従業員の健康管理
6,206
健康保険料等
75,581
218
労災保険料等
5,418
救護室等の整備
− 人的水準を高めるための活動
人的水準を高めるための活動
19
ビルにおける防災訓練
1,282 安全(損失軽減)のための活動
安全(事故予防)のための活動
19
1,012
<防災活動>
<防火・警備活動>
警察との連絡強化
157
<物的損失対応>
その他保険(対物保険等)
セキュリティ強化のための活動
1,125
消防との連絡強化
172
会社負担医療費
セキュリティ強化のためのハード・ソフト
14,194
バックアップのための活動
840
2,040
バックアップシステム
2,040
− 建物・躯体の安全性確保
建物・躯体の安全性確保
23,178 小 計
小 計
安全対策活動支援
−
3,759
小 計
安全に関わるマネジメントシステムの運営
5,222
安全に関わる各種委員会等
1,154
小 計
6,377
■全社合計の安全会計
金額単位:千円
危険・事故の発生率を下げる活動
回避コスト
事故発生時の損失を小さくする活動
予防コスト
1,351
従業員の健康管理
13,121
安全衛生委員会等
1,478
優秀な船員の確保
14,563
安全運航のための研修・訓練(船員)
37,758
防犯・警備のための教育訓練
安全(事故予防)のための活動
衝突・座礁事故防止活動(船舶)
999
<人的損失対応>
アスベスト健康診断
237
健康保険料等
94,884
労災保険料等
10,236
船員保険料
65,454
1,434
従業員の防災教育
564
テーブルトップドリル、事故想定訓練
230
ビル防災訓練
640
2,281
376
消防と連絡強化
172
その他の災害損失軽減活動
894
16,751
ビル事故防止・防火・防犯・警備活動
168,641
情報システムのセキュリティ強化活動
1,125
情報システムのバックアップ
船舶保険・P&I保険等
その他保険(対物保険等)
事後に負担する安全ロス
6,477
防災・消防・避難設備等
157,566
<人的損失対応>
1,213
電気関係の事故被害軽減設備
海賊対策設備機器(船舶)
90,736
情報システムのセキュリティ強化
のためのハード・ソフト
14,194
不動産(船舶・建物)の安全性確保
外壁面はく離事故防止工事等(建物)
949
情報システムのバックアップシステム
2,040
54,360 不動産(船舶・建物)の安全性確保
84
不燃化工事(建物)
84
54,360
1,752,411 小 計
721,324
74,803
840
160,554
ビル事故防止・安全設備
966,702
<物的損失対応>
112,620 損失を軽減する安全設備
衝突・座礁事故防止機器等(船舶)
165,293
会社負担医療費
91,506
1,050
<物的損失対応>
保険の免責金額
75,963
事故対応コスト
14,493
小 計
1,058,208
291,306
安全対策活動支援
安全に関わるマネジメントシステムの運営
船舶の安全に関わる管理活動(検船等)
管理・間接
コスト
702
防災関連用品の整備・更新等
1,329,645
積荷関連事故防止活動(船舶)
33,501 小 計
救護室等の整備
1,516,162 安全(損失軽減)のための活動
事故予防のための安全設備
小 計
事前に負担する安全ロス
53,320 人的水準を高めるための活動
人的水準を高めるための活動
保有・移転コスト
939
15,949 労働安全衛生
33,501 労働安全衛生
33,501
発生した事故に対応する活動
軽減コスト
良好な職場・作業環境の整備
全
社
合
計
145,858
6,377
管理・間接
コスト
峡水路通峡回避,台風回避等(船舶)
744
<情報システム>
<情報システム>
危険回避のための活動
744
<人的損害対応>
14,194 損失を軽減する安全設備
事故予防のための安全設備
項目
64,115
事後に負担する安全ロス
<情報システム>
<情報システム>
分類
145,115
良好な職場環境の整備
衛生委員会(法定外を含む)
本
社
発生した事故に対応する活動
17,080
271,047
安全に関わる各種委員会
1,875
業界団体への参加等の間接的活動等
1,222
地域パトロール等の地域・社会活動
83
小 計
291,306
飯野海運 安全・環境報告書2006【資料・継続的報告編】
13
SAFETY & ENVIRONMENTAL
安全・環境性報告
安全・環境会計(詳細版)
Safety & Environmental Accounting
本 社・全 社 合 計 の 環 境 会 計( 2005年度 )
■本社の環境会計
分類
項目
金額単位:千円
環境損失の発生防止・軽減のための費用
環境保全コストおよび環境評価コスト
上・下流コスト
外部負担環境ロス
− 環境負荷(投入)*
−
非効率コスト(排出)*
− 環境負荷(排出)*
−
環境損傷対応コスト
−
208
10,947
ISO14001取得・維持
10,598
安全環境委員会
349
研究開発コスト
− △環境保全対策に伴う実質的収益
−
社会活動コスト
−
−
小 計
11,155
廃棄物処理に伴う有価物の売却収入
小 計
* 不動産業に含めて集計しています。
0
■全社合計の環境会計
分類
項目
金額単位:千円
環境損失の発生防止・軽減のための費用
環境保全対策が不十分なため企業が被る損失
環境保全対策が不十分なため社会や住民が被る損失
内部負担環境ロス
外部負担環境ロス
環境保全コストおよび環境評価コスト
事業エリア内コスト
単位
− 非効率コスト(投入)*
208
グリーン購入
管理活動コスト
環境保全対策が不十分なため社会や住民が被る損失
内部負担環境ロス
事業エリア内コスト
本
社
環境保全対策が不十分なため企業が被る損失
209,235
<公害防止コスト>
非効率コスト(投入)
単位
13,746,159 環境負荷(投入)
電力購入
177,736
粉塵飛散防止・アスベスト対策
7,691
ガス購入
31,261
悪臭防止・水質汚濁防止
5,076
重油購入(A・C重油)
13,491,574
電気
都市ガス
重油(A・C重油)
10,187.3 千kWh
629.0 千m3
402.0 千t
(418.0 千k )
<地球環境保全コスト>
地球温暖化防止
海洋汚染防止
海洋生態系保全
上水使用料
水
(上水使用量)
96,582
(井水・湧水使用量)
9,741
125.8 千m3
119.1 千m3
6.7 千m3
89,746
非効率コスト(排出)
全
社
合
計
45,588
66,726 環境負荷(排出)
<資源循環コスト>
廃棄物のリサイクル・適正処理関連費
温室効果ガス排出量(CO2換算)
472
上・下流コスト
208
船上生活系廃棄物陸揚処分費
12,631
グリーン購入
208
スラッジ・スロップ陸揚処分費( 船舶)
16,739
管理活動コスト
環境マネジメントシステム運用等
25,704
8,068
事業所周辺緑化・緑地維持
2,220
環境教育研修
2,968
社会活動コスト
小 計
飯野海運 安全・環境報告書2006【資料・継続的報告編】
23.6 千t
船上生活系廃棄物排出量
788.5 千m3
一般廃棄物処理費
6,924
一般廃棄物処理量
552.7 t
産業廃棄物処理費(工事廃材を含む)
4,119
産業廃棄物処理量(工事廃材を含む)
200.6 t
349
下水処理費
環境損傷対応コスト
原状回復基金拠出金(建設マニフェスト)
研究開発コスト
35.0 千t
大気汚染物質排出量(SOx)
12,098
環境負荷測定
安全環境委員会
1,263.5 千t
大気汚染物質排出量(NOx)
− △環境保全対策に伴う実質的収益
−
235,147
廃棄物処理に伴う有価物の売却収入
小 計
26,313
下水排出量
97.6 千m3
減水量(大気排出量)
28.1 千m3
162
162
−
−
13,813,047
14
SAFETY
安全性報告
マネジメントプログラム(詳細版)
Head Quarter
飯野海運(株)の品質マネジメントシステム
■飯野海運(株)の品質及び環境の方針
1. 顧客満足度の向上に向けた業務体制及び作業環境の確立
4. 品質及び環境目的・目標を策定し、定期的に
2. 海上運送業務、不動産業務及び会社事務所における環境負荷の
達成状況を評価し、見直しを実施する
低減に努める対策の確立
5. 関係する全ての要員に対する教育・訓練を
3. 会社における品質及び環境マネジメントシステムの実施及び見
実施し、
この方針の意義と個々の役割を認
直しによる継続的な改善
識させる
飯野海運(株)
ISO9001登録証書
■飯野海運(株) 品質目的および品質マネジメントプログラム
目 的
分野
2005年度目標
一部の船舶にオフハイヤーが発生
イイノマリンサービス(株)等の船舶
管理会社との定期的打合せは実施
コスト管理の徹底
(入渠を除くオフハイヤーを
ゼロとする)
的確な動静連絡の徹底
(顧客からの動静連絡に対
するクレームをゼロとする)
部内会を原則、週1回実施
顧客満足度アンケート実施部門で
は、満足しているとの評価
ほぼ各部門で定期的な顧客訪問を
実施
テナントからのクレームゼロ
提案書・報告書の差し替え
件数削減
(管理部門)
業務改善に向けた
部門別目標
2006年度目標
コスト管理の徹底
(入渠を除くオフハイヤーを
ゼロとする)
(営業部門)
安全運行・貨物の
効率的輸送・安定
的サービスの提供 市況・業界情報の提供
および安全で且つ (顧客から評価してもらう)
快適な賃貸スペー
スの提供 品
質
結 果
テナント近隣ビルよりクレームあり
イイノ・ビルテック(株)と都度対応協
議
2005年度下期、総件数194件、
* 訂正30件
* 下期に目標設定したため評価対象外
主な活動内容
○
イイノマリンサービス(株)との定
期的打合せ
的確な動静連絡の徹底
(顧客からの動静連絡に対
するクレームをゼロとする)
○
部内会の定期的実施
市況・業界情報の提供
(顧客から評価してもらう)
○
定期的な顧客訪問
安全運航・荷役体制の確立
○
船舶管理体制・組織の見直し
定期的テナント(顧客)訪問
グループ(チーム)定例打合せ
○ イイノ・ビルテック(株)との定期的
打合せ
○
テナント(顧客)からの
クレームゼロ
○
提案書・報告書の差し替え
件数の1.0%削減
○
入念な事前確認
○
発生の都度実施
○
グラフ化等投資家に分かりやす
い資料の作成
○
年2回以上経営執行協議会等に
報告する
○
それぞれ年2回以上掲示板に掲
載する
○
キャッシュフロー会議を毎月1回開
催し資金・資金管理状況を精査する
○
新人研修プログラムの作成
○
階層別研修またはスキルアップ
研修のどちらかに対象者が年1回
参加する
顧客慶弔データの蓄積
順次データ蓄積中
顧客慶弔データの蓄積
IR活動資料の充実
欧州および米国IR向け資料を更新
IR活動資料の充実
経営執行協議会等説明の
充実
6回報告
経営執行協議会等説明の
充実
安全環境、法務保険の広報
安全環境関係3回、
法務保険関係5回掲載
安全環境、法務保険の広報
資金管理の効率化
6回経営執行協議会に報告
資金管理の効率化
教育・訓練の見直し
海技大学校研修計画を作成、実施
教育・訓練を通して人材の
育成
階層別社員研修
05年11月よりカフェテリアプラン
方式の教育研修制度を構築
半年毎に予定表を更新
階層別社員研修
※飯野海運(株)のマネジメントシステムの運用については、
ステークホルダー リレーションズ マネジメント・調査グループ(管理責任者:同グループリーダー
執行役員)が実務を担当し、必要なデータの記録・収集・管理を行っています。また、内部監査はグループ会社のイイノリサーチアンドパソナ(株)と共同で、
内部監査手順書に基づき法令の遵守状況や記録の正確性等も含め監査を行っています。
※イイノマリンサービス(株)、
イイノ・ビルテック(株)のマネジメントシステムの運用状況についても、内部監査手順書に基づき内部監査員による監査を行って
います。
※監査結果は、
マネジメントレビューの場で検討し、
マネジメントシステムの継続的改善に活用しています。
飯野海運 安全・環境報告書2006【資料・継続的報告編】
15
環境性報告
ENVIRONMENTAL
マネジメントプログラム(詳細版)
Head Quarter
飯野海運(株)の環境マネジメントシステム
■当社のマネジメントシステム認証取得状況
飯野海運(株)、
イイノマリンサービス(株)(グループの主要船舶管
飯野海運(株)では、2004年3月に海上運送
理会社)、
イイノ・ビルテック(株)(グループのビル管理会社)の3社
業でISO9001・14001の統合認証を取得し、
がISO9001・14001の認証を取得し、海運業・不動産業の事業
2005年3月にビル賃貸業に適用範囲を拡大
全般にわたりグループとして品質マネジメントシステムおよび環境
しました。 マネジメントシステムを実施・推進しています。
飯野海運(株)
ISO14001登録証書
■飯野海運(株) 環境目的および環境マネジメントプログラム
分野
目 的
2005年度目標
紙コップ使用量1%削減
廃棄物を低減し、省
資源・リサイクルを
推進
グリーン購入(エコ商品)
の比率向上
結 果
2006年度目標
紙コップ使用量1%削減
○
意識啓蒙教育
エコ商品割合
個数比42%、金額比51%
オフィス用紙購入に占める
グリーン購入(エコ商品)の
比率向上
○
グリーン購入(エコ商品の購入)
船内廃棄物の削減(10%)
内航運航船腹のCO2排出
量把握
飯野ビルガス消費の削減
(前年度比1.8%削減)
天然資源の消費低
環 減および省エネル
ギーの実施
境
主な活動内容
1.4%の削減達成
○
意識啓蒙教育
○
輸送トンキロと燃料消費量の
データ収集
○
空調機・冷凍機の効率運転
不要照明の消灯
5.4%の削減達成
飯野ビル全体の消費電力削
減(前年度比1.8%削減)
1.6%の増で目標未達
○ 平均空室率が4.1%ポイント低下
したことが影響
イイノ・ビルテック(株)での
グリーン購入推進
飯野ビルのOA床にエコマーク商品
を導入(604m2)
飯野ビル排出CO2の削減
(09年度に06年度比4.6%
減)
○
意識啓蒙教育
不要照明の消灯
○ 夏季ノーネクタイの奨励
○ 空調設定、
温度の変更
○
事故災害への対応
社内の電力使用量0.5%削
減
社内の電力使用量
0.5%削減
2.7%の削減達成
最小限の環境破壊にとどめ
る
安全環境委員会で報告された事故
最小限の環境破壊にとどめ
のうち環境関係は、海運3件、不動産
る
9件
船舶からの漏油、
ケミカル
漏洩事故削減
○
○
事故・災害等への迅速な対応
○
意識啓蒙教育
■内部監査員より見た飯野海運(株)の品質および環境マネジメントプログラム
私は飯野海運(株)がISOの導入を検討し始めた2002年6月より、
削減目標を掲げ、推進責任部
関係会社であるイイノリサーチアンドパソナ(株)に配属され、ISO推
門が社内PRに努め、各部門が
進の事務局として今日まで携わっております。
意識して努力した結果、
「やれ
当初は、内部監査員の有資格者がおらず飯野海運(株)のISO推進
ばできるではないか」との意識
責任部門と共に2003年10月「内部監査員養成コース」の研修を
が芽生えてきたのではないか
受け(品質・環境各2日間)、
2004年1月の登録審査に備えました。
と思います。
飯野海運(株)においては品質マネジメントプログラムに相当する
来年はいよいよ3年目の更改審査に当たります。4年目以降は紙・
システムは従前より運用されていましたが、環境については初めて
ゴミ・電気から離れた環境目標が設定され、更なる環境負荷低減に
の経験で環境側面の抽出から特定まで手順書を作成し、環境目標
向けた活動が推進されることを期待しています。
の設定および運用・監視手順を決め2003・2004年の環境目標
を設定しました。1年数ヵ月後、設定目標に対する運用結果が次の
ように報告され驚きました。
イイノリサーチアンドパソナ(株)
・紙文書使用量削減・ペーパーレス化については、24%減達成
代表取締役社長
・紙コップ使用量は、1%削減目標に対し、 8.7%減達成
金子 嘉弘
・社内電力使用量は、0.5%削減目標に対し、8.0%減達成
飯野海運 安全・環境報告書2006【資料・継続的報告編】
16
SAFETY
安全性報告
マネジメントプログラム(詳細版)
Shipping
イイノマリンサービス(株)の品質マネジメントシステム
■イイノマリンサービス(株)のマネジメントシステム認証取得状況
船舶管理会社であるイイノマリンサービス(株)は、1994年7月
のもとに統合し、
一体的な運
にISMコードに適合する安全マネジメントシステム(SMS)を構築
用・改善を推進しています。
して適合証書(DOC)を取得しました。さらに2002年9月には、品
なお、QMS・EMSの適
質マネジメントシステム(QMS)を構築し、ISO9001の認証を取得
用範囲は、
イイノマリンサー
し、
また、環境マネジメントシステム(EMS)を確立してISO14001
ビス(株)の本社および全管
の認証も取得しています。現在では、
これらのシステムを個々に運用
理船舶となっています。
イイノマリンサービス(株)
ISMコード適合証書
イイノマリンサービス(株)
ISO9001登録証書
するのではなく、
「H・S・E基本方針」
(Health,Safety,
Environment)
■イイノマリンサービス(株)の品質方針
1. 会社は、会社の業務である船舶管理に対し適切な品質マネージ
3. 各部門ごとに品質目標を定め、その実現に努力する。又、品質目
メントシステムを構築する。
標の達成度を確認するためにレビューをおこなう。
2. 会社は、品質マネージメントシステムをISO9001の規格要求
事項に適合させ、その有効性を継続的に改善する。
4. この品質方針は、会社の全員に伝達され、又、理解される。
5. 品質方針は、
毎年1回レビューをおこない、
その適切性を見直す。
■イイノマリンサービス(株) 安全・品質目的および安全・品質マネジメントプログラム
分野
健
康
︻
H
︼
安
全
︻
S
︼
保
安
︻
S
︼
目 的
健康・衛生維持
2005年度目標
結 果
2006年度目標
船員の200,
000労働時間当
り傷病発生件数:2.
0件以下
傷病発生件数2.
177件
薬物使用発生件数:0件
発生件数:0件
衝突事故防止
衝突事故の航海当り件数:
0.
1件以下(前年0.
14749)
航海当り件数:0.0700件
座礁事故防止
座礁事故の発生件数:0件
ケミカルタンカー
船底接触あり
火災発生防止
火災事故の発生件数:0件
発生件数:0件
機関故障防止
機器損傷事故の航海当り件
数:0.
3件以下
(前年0.
36873件)
航海当り件数:0.211件
機器損傷事故の航海当り件
数:0.2件以下
荒天回避
荒天遭遇による船体損傷事
故を10%削減
オイルタンカー係船設備
損傷あり
荒天遭遇による船体損傷事
故の航海当り件数:0.01件
以下
人身事故防止
船員の200,
000労働時間当
りの傷病による業務従事不
0日以下
能日数*1:3.
船員の1,
000,
000労働時間
業務従事不能日数*1:
当りの記録可能傷病の発生
3.4199日
4以下
*1 傷病発生から下船までの日数 件数(TRC):0.
保安侵害
未然防止
ISPS コードに関わる外部
審査での指摘事項を年間
0.
3件/隻とする
指摘事項:0.17件/隻
ISPS コードに関わる外部
審査での年間指摘事項:0.1
件/隻以下
海難事故(衝突・火災・座
礁・漏油)発生件数:0件
ケミカルタンカー
船底接触あり
海難事故(衝突・火災・座
礁・漏油)発生件数:0件
疾病・けが防止
麻薬回避
主な活動内容
○ 労働安全健康キャンペーンを毎月公文書
船員の1,
000,
000労働時間
当りの労働損失を伴う死傷 で発行
○ 月例安全衛生委員会で乗組員に周知
の発生数(LT I )を対前年比
(船内安全衛生委員会報告書に記録)
で削減
見張りの強化、港湾事情の収集
特殊運航手順書の遵守、安全研修による
衝突・座礁事故の航海当り
啓蒙活動
件数:0.
05件以下
○ 水先人乗船時の操船意図確認徹底
○ 岸璧接触、船底接触を含む
○ 会社船底下余裕水深方針の遵守徹底・訪
船確認
○
○
計画的な保守整備の実施
再発防止対策の徹底
○ 定期的な訪船活動の実施
○
○
気象情報の解析力向上
船舶への適切、迅速な情報供与
○ 船舶搭載型気象情報提供サービスの全船導入
○
○
毎日の危険予知トレーニング実施の徹底
ニアミスレポート提出促進による傷病の 未然防止、分析結果周知徹底
○ 乗組員安全作業手順書等の遵守
○
○
船舶保安規程の遵守と内部監査による深度化
訪船者のIDカード確認を訪船活動・公文
周知徹底
○
○
○
○
リスク評価による事故未然防止
船舶への迅速な情報供与
○ 船員の検船教育実施
メジャーオイルインスペクシ
○ 他船検船結果情報を基にした各船自己評
ョン1回当り指摘事項:5件/
価に対する支援徹底
隻以下(05年 6.
302件/隻)
○ 検船3日前、1日前チェックの徹底
品
質
︻
Q
︼
顧客満足度
機器の不良による不稼動日
発生率3%削減
不稼働日発生率10.
5%削
減
機器不良による不稼動日数
発生率:年間2.
5時間/隻以
下(05年 2.
6時間/隻)
全乗組員のリピーター率
85%以上維持
リピーター率:94.
3%
2年超乗組員のリピーター
率 80%以上維持
幹部船員(Top4*2)のリピ
ーター率85%以上維持
リピーター率:80.
7%
同幹部船員(Top4*2)のリ
ピーター率 85%以上維持
顧客満足度評価の平均点:
「3.
6」以上
平均点:「3.
8」
顧客満足度評価の平均点:
「3.
8」以上
向上
飯野海運 安全・環境報告書2006【資料・継続的報告編】
計画的な保守整備の実施
再発防止対策の徹底
○ 船主への報告体制強化
○
○
○
○
船員配乗会社の監督強化
離職理由の分析、改善対策実施
*2 Top4
:船長、
機関長、
一等航海士、
一等機関士
船費削減と安全・効率運航の両立
トラブル発生時の迅速な報告・対応
○ 定期船主訪問でクレーム収集・対応
○
○
17
ENVIRONMENTAL
環境性報告
マネジメントプログラム(詳細版)
Shipping
イイノマリンサービス(株)の環境マネジメントシステム
■イイノマリンサービス(株)の環境方針(行動方針を抜粋)
(1)船舶の航行における海洋環境保全活動、及び事務所における環境保全
(2)船舶の運航において適用される環境の法規制、
並
びに会社が同意したその他の要求事項を遵守する。
活動を対象とする環境マネージメントシステムを構築し、文書化し、
これ
に従い行動し、汚染の防止に努めると共に、
システムの有効性を継続的
(3)環境保全活動においては、環境方針に沿った環境
に改善する。
目的及び目標を設定し、行動する。又 環境方針、
環境保全活動として
環境目的、手順の見直しを行う。
(4)管理船舶の乗組員及び陸上の関係者全員が、
こ
1. 船舶の安全運航による海洋汚染防止
2. 排出物、廃棄物の適正管理、
リサイクル
の方針を周知され、理解し、実行し、
かつ、維持す
3. 船舶の運航や業務の効率向上を図り省エネルギー・省資源を推進
る。又 会社の活動に関連する外部関係者にもこ
4. 大気汚染や地球温暖化の原因となる有害排気の削減のため、設備・
の環境方針は周知される。
イイノマリンサービス(株)
ISO14001登録証書
(5)我が社の環境マネージメントシステムを有効に機能させるため、その実
燃料の研究・改善及び最新機器・技術の開発導入
施権限及びシステムの維持、実施状況の報告責任を有する管理責任者
5. 船舶からの有害塗料排除
を別紙の通り任命する。
6. オゾン層破壊物質の排除
(6)我が社は、管理責任者がその任務を行うために必要かつ適切な経営資
7. 健康障害要因の除去
源、及び支援を行う。
8. 環境保全の為の組織体制を整備し、研究・教育・訓練を行う、意識理
解を深める、適切な情報開示及び社会貢献活動の支援、参画
(7)環境マネージメントシステムへ適合し行動することを確実にするための
教育・訓練を積極的に行う。
を指針とする。
(8)環境方針は、社外へ必要に応じて公表する。
■イイノマリンサービス(株) 環境目的および環境マネジメントプログラム
分野
目 的
2005年度目標
結 果
船舶から海上への漏油・ケミ
カル漏洩事故の発生件数:0件
発生件数:1件
(ケミカルタンカー)
甲板上への漏油・ケミカル
漏洩事故発生件数:0件
発生件数:1件
(オイルタンカー)
事務所1人(1隻)当りの月間
消耗品購入金額:¥1,
100
(前年度¥1,
109)
購入金額:¥955.
5
事務所1人(1隻)当りの月間
消耗品購入金額:¥1,
000以
下
船内ゴミ・廃棄物の発生処
理量10%削減
削減率:13%
船内ゴミ・廃棄物の発生処
理量10%削減
プラスチック・ビニール廃
棄物の全量陸揚げ
全船実施
プラスチック・ビニール廃
棄物の全量陸揚げ
事務所1人(1隻)当りの月間
紙購入枚数:370枚以下
(前年度372.
1枚)
購入枚数:399.
7枚
事務所1人(1隻)当りの月間
紙購入枚数:390枚以下
事務所1人(1隻)当りの月間
電気使用量:48kWh (前年度48.
2kWh)
電気使用量:47.
4kWh
事務所1人(1隻)当りの月間
電気使用量:46kWh
船舶燃料油使用量の1%削
減(輸送トン当り)
削減率:0%
補油する船舶燃料油の硫黄
分:3.
0%以下
硫黄分:3.
32%
○ 燃料油分析の実施による硫黄分の把握、
補油する船舶燃料油の硫黄
および適切な燃料油管理
分:3.
0%以下
○ 海洋汚染防止
(MARPOL)条約附属書VIの遵守
フロンガスの補充量の2%
削減
補充なし(削減率:100%)
新造船にCO2または泡消火
装置採用(ハロンガス消火
装置の不採用)
海洋汚染防止
廃棄物低減
環
境
︻
E
︼
天然資源
消費削減
2006年度目標
主な活動内容
船員の意識啓蒙教育(安全セミナー等)
荷役前・作業前会議徹底
船舶から甲板上・海上への ○ 安全管理システムによる海難事故発生防止
○ 甲板廃水栓・漏油受けタンク栓の確認
漏油・ケミカル漏洩事故の
○ 燃料給油中や潤滑油冷却装置からの漏油
航海当り件数:0.
05件以下
(05年 0.
07件)
防止
○ 荷役装置/連絡手段/計測措置の適正整
備/操作
○
○
文房具の死蔵品を減らす
啓蒙活動による紙コップの消費の削減
○ マイカップの使用励行
○
○
○ 船員の意識啓蒙教育、手順書の遵守、包
装屑の適正処理
○ 電子化の促進
○
○
○
○
プラスチック・ビニール原則全量陸揚げ
訪船時における指導・教育
紙購入量の周知による啓蒙活動
使用済みコピー用紙の使用
意識啓蒙教育
入口ドア常時閉鎖で空調効率向上
○ 不要照明の消灯
○
○
大気汚染防止
○
新造船にCO2または泡消火装置を採用
※2005年度中に、環境に関する法令違反により受けた処罰はありません。
飯野海運 安全・環境報告書2006【資料・継続的報告編】
18
SAFETY
安全性報告
マネジメントプログラム(詳細版)
Real Estate
イイノ・ビルテック(株)の品質マネジメントシステム
■イイノ・ビルテック(株)のマネジメントシステム認証取得および運用状況
ビル管理会社であるイイノ・ビルテック(株)は、2005年5月に、
に基づいて運用されています。マネジメント
飯野ビルならびにイイノ・ビルテック(株)本社を適用範囲として、品
システム運用の過程で見つかった不適合事項
質マネジメントシステムおよび環境マネジメントシステムについて
については、毎月開催の安全衛生委員会に報
ISO9001・14001の統合認証を取得しました。
告し、是正措置をとるよう指示して3ヵ月後に
品質・環境マネジメントシステムは、統合マネジメントマニュアル
検証するというサイクルで改善を進めています。
イイノ・ビルテック(株)
ISO9001登録証書
■イイノ・ビルテック(株)の品質及び環境の方針
1.顧客満足度の向上に向けた業務体制及び作業環境の確立
4.品質及び環境目的・目標を策定し、定期的に達成状況を評価し、
2.ビル管理業務及び会社事務所における環境負荷の低減に努める
見直しを実施する
対策の確立
5.関係する全ての要員に対する教育・訓練を実施し、
この方針の意
3.会社における品質及び環境マネジメントシステムの実施及び見
義と個々の役割を認識させる
直しによる継続的な改善
■イイノ・ビルテック(株) 品質目的および品質マネジメントプログラム
分野
目 的
2005年度目標
結 果
2006年度目標
主な活動内容
工事業者に「工事工程表」
「安全作業
○
設備工事での事故発生件数
の削減
(前年度1件)
事故発生件数2件
前年比1件の増加で達成できず
手順書」の提出を求め、
「工事施工上
○
「工事施工上の遵守事項」を周知する
○
設備工事での無事故
の遵守事項」に基づいた打ち合わせ
実施
ために臨時安全協議会等を開催
危険作業に現場立会いで安全管理
○
緊急体制に対する信用信頼
6名が救命講習を受講(一部上級資格)
の向上(救急講習認定者数
警備室にAED(自動体外式除細動器)を
3名増員)
設置し、警備員全員が説明受講
立哨・座哨、巡回勤務を通じて異常発
○
警備員資質の向上
(警戒心の向上)
竣工検査実施55件中、手直し指摘は
見の場合、
「警備員異常発見報告書」
を利用して、報告・連絡・改善を実施
着工前の打ち合わせを十分に実施
○
品
質
54件が指摘なし、
1件が13%の項目の
顧客の満
足度向上
指摘あり
竣工検査での手直しの削減
着工前および工事中の打合せ、指示、
○
指摘を励行
指摘事項の手直しは、完了を確認し
○
竣工検査での手直し指摘事
項の削減
(検査用チェックリスト項目
の10%以内に削減)
工事中は、施工業者に作業報告・連絡
○
を徹底させる
1日1回以上の現場巡回を実施し、不
○
良箇所発見の場合は、直ちに是正さ
せ、要因追求と再発防止策を実施
チェックリストに記録
巡回し室温計測結果を運転に反映
○
クレーム件数は47件増加
中央監視装置で空調機を計測し、適正
○
飯野ビル空調クレーム件数
の削減
夏場は、
テナントからの要請に従い
○
空調温度を28度に上げて設定
飯野ビル空調クレーム件数
の削減
状態保持
昼間期に各室内ダンパーの調整
○
冬場は、空調温度を0.5度下げた
○
調整記録の作成
○
定期的に外周、外構、屋上、9F−B3F
○
清掃業務における不適合の
4ヵ所の床面の黒ずみ、
ヒールマーク等
早期処理
の是正を処理し、評価・確認を実施
清掃業務における共用部分
を巡回
不適合箇所発見の場合は、清掃業者
○
の不適合箇所の早期発見と
顧客からの苦情の削減
の責任者に「清掃業務の品質向上指
示書」で連絡し、早期対処を要請
是正措置実施後、確認し記録
○
飯野海運 安全・環境報告書2006【資料・継続的報告編】
19
ENVIRONMENTAL
環境性報告
マネジメントプログラム(詳細版)
Real Estate
イイノ・ビルテック(株)の環境マネジメントシステム
■品質・環境マネジメントシステムの定着に向けて(ISO推進事務局より)
イイノ・ビルテック(株)は、2004年10月頃から品質・環境マネジ
受けられるレベルにまでなったということで
メントシステムの運用を開始しました。当初は手順書・規程類等の
従業員に自信も出てきたように思います。
整備が不十分で、現場各部門に協力を呼びかけながらシステムの
内部監査員も、最近新たに3名が研修を受
整備を進めました。最初から100%を目指すのではなく実施可能
講し、4名に増えます。研修を通じて、
これま
なレベルから着手し、運用しながら改善していく考え方で取り組み
で感じていたシステムに関する疑問が解消し
を始めました。段階的に改善を進めるという考え方が各部門に徐々
たと受講者の1人が話していました。
に浸透し、
従業員が改善に向ける意識も少しずつ変わってきました。
今後も従業員のPDCAサイクルへの理解度の向上を図り、品質
今は従業員全員、真面目に取り組んでいます。目標の中には自社
および環境マネジメントシステムの一層のレベル向上を目指して
の努力だけでは達成できないものもあり難しい面もありますが、目
いきたい思います。
標を設定しその達成のために手順書・指示書に従って推進する
イイノ・ビルテック(株)
PDCAサイクルが徐々に回り、定着し始めています。業務が認証を
総務・業務部長(ISO推進事務局)
イイノ・ビルテック(株)
ISO14001登録証書
猪狩 哲郎
■イイノ・ビルテック(株) 環境目的および環境マネジメントプログラム
分野
目 的
2005年度目標
結 果
2006年度目標
飯野ビル共用部照明の不
主な活動内容
○
屋上、9F−B1Fを巡視し、不要箇所
○
警備室遠隔操作盤で点灯・消灯確認
消灯を実施
要時消灯励行による消費
電力量削減
飯野ビル消費電力量
(飯野海運(株)使用分およ
天然資源の
び共用部)削減
143,151kWhの削減達成
○
巡回警備員等による消灯活動、空調
と照度調整を実施
○
巡視による室温計測結果を運転に
○
中央監視装置で空調機を計測し、適
○
館内への「お願い書」による周知
○
冷却塔/ストレーナー(ろ過装置)の
○
対象建材・製品のリストを作成し、対
○
対象外でも類似品を検索し環境負荷
反映
機モーターのインバーター化等を実
飯野ビル空調機の適正状
施
正状態保持
態保持による消費電力量
消費低減お
削減
よび省エネ
ルギーの実
清掃実施
施
グリーン購入の推進
対象をエコマーク製品と特定調達品と
して実施し、購買額約4,200千円達成
グリーン購入の推進
象品の優先使用実施
の低い製品を使用
グリーン購入法調達基準に適合して
○
環
境
省エネルギー配慮設備機
高輝度誘導灯、省エネルギー蛍光灯の
省エネルギー配慮設備機
器の採用
取り替え時採用比率100%を達成
器の採用
事務所内消費電力量の削
社内掲示板での周知
減
実績値(上期・下期平均)
(基準値から3%削減)
基準値 1,900kWh
事務所廃棄物の削減
(基準値から3%削減)
基準値 可燃物:2.0kg/日
1,737kWh(9%削減)
○
10%の削減を達成
実績値(上期・下期平均)
○
可燃物:1.62kg(19%削減)
○
不燃物:1.11kg(8%削減)
不燃物:1.2kg/日
廃棄物の低
減再利用お
よび再使用
を推進
紙文書等使用量の削減
社内掲示板での周知実施
(基準値から3%削減)
実績値(上期・下期平均)
基準値 A3:
2,000枚/月
○
A3:
A4: 16,000枚/月
○
A4: 13,233枚/月 (17%削減)
A5:
2,500枚/月
○
A5:
B4:
700枚/月
○
B4:
710枚/月 (1%増加)
B5:
600枚/月
○
B5:
1,225枚/月 (104%増加)
合計: 21,800枚/月
○
合計:18,928枚/月 (13%削減)
事務所内消費電力量の削
減
(基準値から3%削減)
事務所廃棄物の削減
(基準値から3%削減)
1,543枚/月 (23%削減)
2,218枚/月 (11%削減)
いるか確認
○
適合品がある場合、採用指示
○
全従業員へ説明会および社内掲示
○
不要箇所の照明の消灯等
○
毎月、電力消費量の監視・測定実施
○
全従業員への説明会および社内掲示
○
毎日、廃棄物量計量を実施
○
全従業員へ説明会および社内掲示
○
使用済OA紙裏面再利用実施
○
OA紙の消費量監視・測定を実施
○
全従業員へ説明会および社内掲示
○
毎月、消費量の監視・測定を実施
で周知徹底
で周知し、
ゴミ分別を徹底
で周知徹底
紙文書等使用量の削減
(基準値から3%削減)
社内掲示板での周知実施
紙コップの消費削減
(基準値から3%削減)
基準値 1,000個/月
実績値(上期・下期平均)
662個/月(34%削減)
○
6月からは納入業者による回収
紙コップの消費削減
(基準値から3%削減)
で周知徹底
リサイクルを実施
※2005年度中に、環境に関する法令違反により受けた処罰はありません。
飯野海運 安全・環境報告書2006【資料・継続的報告編】
20
SAFETY
安全性報告
海運業の安全対策活動
Shipping
主要な安全確保策の全体像
狭水路通狭回避
危険回避
台風・暴風雨の回避のための停泊
事故防止
安全設備の導入
座礁・衝突防止設備,海賊対策設備等
監視活動の励行
水先案内人(パイロット)、曳航船(タグボート)等
安全教育の徹底
各種安全教育、危険予知訓練(KYT)等
労働安全衛生
海運業に
おける
安全確保
乗組員の健康管理(健康診断、病気予防等)
事故原因の分析と再発防止策の実施
損失軽減設備の導入
消火設備、救命設備等
事故損失軽減
事故発生想定訓練の実施
安全管理の体制と仕組みの整備充実
主要な安全確保規制
SOLAS
船舶の安全確保に関する最も基本的かつ包括的な国際条約。海上人命安全条約。船舶の構造・設備面を中心に規定。
ISMコード
ISPSコード
STCW
COLREG
SOLASに規定される国際安全管理規則。
SOLASのもとに2004年7月に発効した国際船舶港湾保安規則。
船員の訓練、資格証明、当直基準等について規定した条約。
海上における衝突防止のための航行ルール等を規定した条約。
海運業の安全管理体制
■平常時のリスクマネジメント体制(イイノマリンサービス(株))
社長
<船舶管理面>
<労働安全衛生面>
船舶安全対策委員会
委員長:社長
管理責任者
安全管理委員会
安全衛生委員会
委員長:海務部長
委員長:船員部長
船長
船内安全衛生委員会
委員長:船長
■緊急時の危機管理体制
飯野海運(株) 緊急対策本部
イイノマリンサービス(株) 緊急対策本部
本部長:イイノマリンサービス(株)社長
補 佐:イイノマリンサービス(株)管理責任者
業務部
飯野海運 安全・環境報告書2006【資料・継続的報告編】
管理部
海務部
船員部
工務部
21
SAFETY
安全性報告
海運業の安全対策活動
Shipping
船員と安全教育
当社の船隊に乗船する船員は現在総勢1,300人程度ですが、そ
船長、機関長、一等航海士、一等機関士
の96%は外国人船員の皆様です。それぞれの国で船員としてス
の主管者は、国籍、乗船地を問わず全員が
タートできる教育を受けての採用ですが、各船が地球規模で日々
東京の本社で乗船前の研修と必要な打ち
進化する安全環境レベルを余裕を持ってクリアするためには、採用
合わせを終了した後、乗船して行きます。
後自社内外で行う教育訓練が欠かせません。その上で乗船中には
各船にはきめ細かい支援を行いますが、
各自の能力をフルに発揮していただくための動機付けが大切です。
その効率を上げるためにも今まで以上に、
現地の代理店任せにすることなく、直接外国船員とコミュニケー
船員の質の向上と高定着率の維持に努め
ションをとる努力を続けているのも当社の特徴です。研修スタッフ
て参ります。
が各地に赴き安全研修(各国年2回)を行うとともに、直接要望な
どを聞き船員政策の参考とします。年末には各国で家族との交流
飯野海運(株) 取締役専務執行役員
を行い、当社が長期にわたる安定的な職域であることを理解して
イイノマリンサービス(株) 代表取締役社長
いただいております。
松本 隆彦
安全運航・環境保全のための船員教育の推進
安全運航と環境保全を達成し、海運事業者としての社会的使命
BRM(Bridge Resource Management)セミナー
を果たすために、船上での現場実務を推進する船員の担う役割は
BRMとは、もともと航空パイロット向けのCRM( Cockpit
極めて大きいと言えます。一般に、海運事故の発生原因の80%は
Resource Management)と呼ばれる手法を船舶に応用したも
ヒューマンエラーと言われており、当社においても人を主因とする
ので、
ブリッジで利用可能な全ての資源(ハード・ソフト・情報・人的
事故比率が高いことからも、事故防止のための船員の役割は大き
資源など)を最適に活用することにより安全運航を実現しようとす
いことが分かります。当社では、事故防止と安全運航、環境保全に
るものです。
向けて、次のような船員の教育研修を実施しています。
実際のセミナーでは、BRMの考え方を座学で学んだ後、受講者
が各乗組員の役割を担い現実の航行を想定した操船シミュレータ
乗船前研修
訓練を行うことにより、最適な行動の仕方を学べるよう組み立てら
上級士官は船員配乗会社の研修に加えて、乗船前に東京の事務
れています。とりわけチームワークによる安全運航の実現に力点
所で研修を実施しており、会社の現状、最近の事故、公文書の内容、
を置いています。
乗船する船舶の状況、特に注意する事項等を教育しています。
短期安全研修
船員の研修受講状況
船員国籍
現在イイノマリンサービス(株)の船員構成は、日本人が約90名、
対象者数
(06/3末)
05年度
受講者数
韓国人が約220名、
フィリピン人が約900名、その他アジア人が約
100名となっており、船員配乗会社であるIino Marine Korea(韓
国)およびPOBAR Marine Service(フィリピン)等が、船員の研
修を実施しています。
短
期
安
全
研
修
イイノマリンサービス(株)では船員配乗会社の研修に加え、韓国、
フィリピン、その他アジアで年2回3日間の安全研修を実施してい
ます。
1日目は安全マネジメントシステム(SMS)を中心とした教育、
2日目は事故を教訓とした技術的教育、3日目はKYT(危険予知訓
練)研修を行っています。
飯野海運 安全・環境報告書2006【資料・継続的報告編】
B
R
M
研
修
日本*
既受講者数
既受講率
44名
60名
67%
5名
62名
69%
90名
韓国
223名
107名
169名
76%
フィリピン
904名
100名
735名
81%
その他アジア
108名
83名
58名
54%
日本
49名
4名
37名
76%
韓国
118名
11名
106名
90%
フィリピン
82名
3名
74名
90%
* 日本人研修下段は、
KYTトレーナー研修
22
SAFETY
安全性報告
海運業の安全対策活動
Shipping
船員教育推進のためのその他の施策
■大学等との連携
独立行政法人海技教育機構が運営する海技大学校(兵庫県芦屋
University)から毎年実習生6名をイイノマリンサービス(株)で受
市)に、当社の船員を毎年10∼15名程度派遣して教育を受けて
け入れ、
韓国の船員教育に協力しています。これまでに数回、
韓国船
います。また、韓国の木浦海洋大学(Mokpo National Marine
員の短期安全研修で同大学の教授に特別講義をしていただきました。
■教育研修ツールの整備
KYT ビデオ英語版の製作
フィリピンに研修用シミュレータ施設設置
当社ではヒューマンエラー防止の一環としてKYT(危険予知訓練)
フィリピン の 船 員 配 乗 会 社
運動の推進を行っています。毎朝の作業前ミーティングを実施し、
POBAR Marine Serviceに
事故や傷病の防止を図っています。船員の多くが外国人であるこ
2003年にコンピュータ・シミュ
とを考慮し、2003年に英語版のKYT教育ビデオを独自に製作し、
レーション訓練設備を導入しま
全船と海外の船員配乗会社に配付しました。このKYT教育ビデオは、
した。オイル・ケミカル・LPGタ
メジャーオイルイン
ンカーの荷役シミュレーション、
ス ペクション の 際
機関部のシミュレーションによ
にも、高く評価され
る船員の技術向上を図っています。また船舶料理士の講習施設も
ています。
設置しています。
シミュレータ研修
KYT教育ビデオより
船員の労働安全衛生管理
■船員の健康管理
乗組員の健康管理は安全運航にとって重要です。乗船中の傷病
しかし、救急の必要性は常に発生する可能性があります。現在で
を防ぐ為に、乗船前の健康診断及び「KYT
(危険予知訓練)」講習
は船医は乗船していませんので、傷病者の発生に際しては船舶管
を実施しています。また、船内では「船内安全衛生委員会」を設置
理会社に連絡すると同時に、
その状況に応じて無線医療センター(船
し船内作業の安全対策および衛生管理を実施しています。加えて
員保険病院)の医療助言を受け、緊急を要する場合は最寄の港に
船内融和維持を目的とした「船内苦情処理制度」を導入し、人的ト
入港、あるいはヘリコプターの手配を要請しています。
ラブルの防止およびストレスの解消に努めています。
傷病発生状況(傷病による下船者数)
■乗組員の傷病発生状況
乗組員の傷病発生状況について、疾病と職務傷に分けて統計を
35
取り、傾向と原因を分析して、傷病の撲滅を図っています。2004
25
2005年度には、疾病件数が増加しました。
31
30
20
年度は対前年で疾病・職務傷とも発生件数が減少しましたが、
疾病 職務傷
件
21
13
29
10
19
5
16
15
10
5
0
7
7
16
18
19
9
12
2001年度 2002年度 2003年度 2004年度 2005年度
■韓国・フィリピンでのパーティ
当社では毎年末、釜山(韓国)とマニラ(フィリピン)で会社主催
共有する意義深い催しとなっ
のパーティを開催し、下船している乗組員、乗船中の乗組員の家
ています。
族を招待しています。2005年はそれぞれ約300名、700名の
このパーティの模様はビデ
方が参加されました。
オに編集し各船に配付し乗組
東京から毎年欠かさず当社の代表者が参加し、日頃からの当
員から好評を得ています。
社への支援に感謝するとともに、今後の発展に向けての決意を
飯野海運 安全・環境報告書2006【資料・継続的報告編】
マニラ(フィリピン)での
感謝祭パーティ
23
SAFETY
安全性報告
海運業の安全対策活動
Shipping
安全運航のための活動
■検船・臨船活動
メジャー オイル インスペクション
飯野検船システム
当社の船舶は、オイルタンカー、ケミカルタンカー、LPGタンカ
当社では、
内部監査に加えて独自の検船システムを導入しており、
ーが多く、
メジャーオイル会社の検船を受ける機会が多くあります。
全ての管理船を対象として、安全管理の状況を中心に、年2回の検
この検船はハード・ソフト両面の安全性が重要視され、それに合格
船を実施しています。2005年度は30隻の管理船を対象に50件
することは船舶の安全運航の指標でもあります。
の検船を実施しました。
2005年度の受検件数および合格数は、過去3年間に比べ大幅
飯野検船実績
に増加しました。
件数
メジャーオイル インスペクション実績
項目
02年度
03年度
04年度
05年度
受検数
62隻
71隻
69隻
91隻
合格数
59隻
69隻
67隻
90隻
不合格数
3隻
2隻
2隻
1隻
再受検合格数
3隻
2隻
2隻
1隻
02年度
03年度
04年度
05年度
46件
54件
46件
50件
安全監督臨船
当社では、オイルタンカー、LPGタンカーおよび場合によりケミ
カルタンカー、貨物船が主に日本で荷役を行う際には、安全監督を
派遣し、荷役の監督、荷役機器を含む船体や機器の状態を確認して
います。
内部監査
安全監督臨船延べ隻数・延べ日数
ISMコードの規定に基づき、全ての管理船舶を対象に、安全マネ
隻・日
700
ジメントシステム(SMS)及び環境マネジメントシステム(EMS)の
600
実施状況を中心に、毎年1回以上の内部監査を実施しています。
2005年度は30隻の管理船を対象に内部監査を実施しました。
延べ隻数 延べ日数
651
500
485
471
467
432
400
300
200
179
190
159
168
206
100
0
2001年度
2002年度
2003年度
2004年度
2005年度
■関門海峡・来島海峡通峡規制
関門・来島海峡は、日本の海峡の中で事故発生率が高く、海上交
特に、来島海峡は、オイルタンカー、
ケミカルタンカーについて空
通の難所と言われています。当社では、過去のケミカル船の来島
船で、
かつ視界が1海里以上あることを条件に通峡を許可しており、
海峡での衝突事故を契機に両海峡について通行規制を設けました。
関門海峡より厳しい規制となっています。この社内規制については
両海峡とも原則昼間航行、水先人の乗船、事故時の連絡体制の
用船者の方々にご理解いただくよう、営業各部より事前に申し入れ
確立、通峡前の安全担当部門への報告、許可の取得という体制を
ています。
取っています。
瀬戸内海西部の地図と関門・来島海峡の位置
広島県
山口県
福岡県
関門海峡
通峡実績
(写真提供:関門海峡観光推進協議会)
飯野海運 安全・環境報告書2006【資料・継続的報告編】
愛媛県
来島海峡
03年度
04年度
05年度
関門海峡
28隻
19隻
23隻
来島海峡
34隻
11隻
6隻
(写真提供:今治市観光課)
24
SAFETY
安全性報告
海運業の安全対策活動
Shipping
安全運航のための設備対策
■安全航海のための設備/機器
船舶には、極めて多くの設備や機器が搭載されていますが、ほと
やISMコードをはじめとする条約や規則等で搭載が義務付けられ
んどが安全のための設備機器と言っても過言ではありません。船
ていますが、当社はより一層の安全確保のため、ECDIS(電子海図
舶設備を安全確保の観点で、以下のように分類できます。
システム:Electronic Chart Display and Information Systems)
これらの設備機器のほとんどは、SOLAS(海上人命安全条約)
等の機器導入を進めています。
分類
主な設備機器
堪航性設備
機関室内の主機・発電機・ボイラー・各種ポンプ、および船体
目的地まで安全航海する設備
レーダー等の航海計器や各種通信設備
係船設備
錨及び錨巻揚機、舵および操舵機、係船索等の甲板機械
荷役目的設備
安全に積荷・揚荷をするための機械設備
緊急時対応設備
救命設備、消火設備、警報設備
その他の安全設備
海賊/テロ対策設備、曳航用機器
■海賊対策/テロ対策
海賊など武装集団による船舶に対する強盗事件の発生件数は、
考えています。
1999年以降全世界で毎年300件以上が報告され、東南アジア海
当社では、海賊の予防対策としてキセノンライト(極めて強力な
域でも多発しています。2005年には、日本船籍タグボート「韋駄
ポータブルサーチライト)2台の搭載、海賊予防センサーの危険海
天」号がマラッカ海峡でロケット弾等の重火器で武装した海賊に襲
域での設置、世界中どこでも通信可能なイリジウム携帯電話の搭載
撃され、船長・機関長等3名が誘拐されて後に解放されるという事
を行うとともに、安全管理マニュアルに海賊対策手順書を規定して
件が発生しました。2005年は、件数は276件と1999年以降初
万全を期しています。またシージャック対策としては船舶の通信衛
めて300件を下回りましたが、人質に取られた人数は440人と過
星システムである「インマルサットC」を利用して船舶の位置を追
去最多を記録しました。
跡するシステムを導入しています。これらの対策もあって、当社の
最近の海賊は、上記の事件のように銃火器等で武装するなど凶
船舶では、
この十数年海賊事件は発生していません。
暴化しています。また人質を取り、多額の身代金を要求したり、一
2004年7月1日には、国際船舶港湾保安規則(ISPSコード)
部ではテロ行為準備のため船舶運航技術の習得を目指していると
が発効しました。当社では攻撃を受けた際に、警報と同時に自
推測されています。
船のIDコード、船名、位置、時刻を通知できる船舶警報通報装置
最近の武装した海賊を一度船舶に乗せてしまうと、その対応は
(SSAS:Ship Security Alert System)を搭載するなど、海賊
困難であるため、乗船させないことが海賊対策の第一のポイントと
および船舶へのテロに対する厳重な予防対策を推進しています。
海賊発生件数と被害状況
被
害
人
数
項目
2004年
発生件数
2005年
325件
276件
人質
148人
440人
誘拐
86人
13人
脅迫
34人
14人
暴行
12人
6人
傷害
59人
24人
殺害
32人
0人
行方不明
合計
30人
12人
401人
509人
(国際海事局(IMB)海事レポートより)
キセノンライト
キセノンライト(使用例)
(画像2点は(株)湘南工作所のパンフレットより)
飯野海運 安全・環境報告書2006【資料・継続的報告編】
25
ENVIRONMENTAL
環境性報告
海運業の環境保全活動
Shipping
主要な環境保全策の全体像
安全運航による座礁・衝突防止
漏油防止
海洋環境保全
タンカーのダブルハル(二重船殻構造)化
有機スズ(TBT)を含まない船底防汚塗料の使用
海洋生態系保全
バラスト水の適正処理(外洋交換など)
ビルジの適正処理(油・水分離処理)
排出物の適正処理
生活系廃棄物の適正処理
主機の燃焼効率向上
省エネルギー策
地球温暖化防止
温室効果ガスの排出抑制
(=燃料消費効率向上策)
船体抵抗低減
の推進
海運業に
おける
環境保全
排熱回収・利用
窒素酸化物(NOx)の排出抑制
新型ディーゼル機関の採用
硫黄酸化物(SOx)の排出抑制
硫黄(S)分の少ない燃料の使用
大気汚染防止
(酸性雨防止)
フロンの使用取り止め
空調機・冷凍機の冷媒の代替フロン転換
ハロンの使用取り止め
ハロン消火装置の使用取り止め
オゾン層破壊防止
主要な環境保全規制
MARPOL73/78条約
船舶による環境保全に関する最も基本的かつ包括的な国際条約。海洋汚染防止条約。
附属書に I∼VI があり、油、廃棄物、排出ガス等による海洋および大気の汚染を規制。
温室効果ガス排出抑制の主な施策
船舶の航行は、燃料である重油の燃焼により必ずCO2等の温室
主機運転性能解析ソフト導入による経済運転の実施
効果ガスの排出を伴います。当社では、その排出抑制のために以
主機運転性能解析ソフトの導入により、主機の回転数・出力・スピ
下の燃料消費効率向上策を実施しています。
ード等の運転状況が、即時に把握できるようになります。運転に際
して、
この情報をもとに経済性運転を行いやすくなり、燃料消費効
項目
施策
・電子制御エンジンの採用*
率が向上して、温室効果ガス排出抑制につながります。
・燃料油前処理の実施*
主機の燃焼効率向上
・助燃剤・改質剤の活用*
排気ガスエコノマイザーの採用
・主機運転性能解析ソフト導入に
主機から発生する排気ガスの熱を回収・再利用し、蒸気を発生さ
よる経済運転の実施
船体抵抗の低減
排熱回収・利用
せ活用することにより、燃料消費の節減につながります。
・船首・船尾・プロペラ形状の改善
・船底船側洗浄・プロペラ研磨*
・排気ガスエコノマイザーの採用
タービン発電機の採用
・タービン発電機の採用
タービン発電機は、高温高圧の蒸気をタービン(羽根車)に当て
* 安全・環境報告書2006で記述した施策
て回転させ発電機を駆動する仕組みで、重油などの燃料を使用し
ないため、発電に際して温室効果ガスを発生させません。
飯野海運 安全・環境報告書2006【資料・継続的報告編】
26
ENVIRONMENTAL
環境性報告
海運業の環境保全活動
Shipping
海洋環境保全のための船体設備
■タンカーのダブルハル化
1989年にアラスカ沿岸で発生したVLCC(大型原油タンカー)
などシングルハルタンカーによる油流失事故が続き、IMO海洋環
バルディーズ号座礁による原油大量流出事故を契機に、1992年
境保護委員会で数回にわたりシングルハルタンカーの段階的廃船
3月、IMO(国際海事機関)海洋環境保護委員会で、1993年7月
規制強化が採択されました。2005年4月から、5,000DWT以上
以降に建造される原油タンカーの貨物油タンク部分のダブルハ
のシングルハルタンカーは一定の例外を除き船齢が25年になる
ル(二重船殻)化の義務付けと既存タンカーの使用年限を制限す
か2015年のいずれか早い年での廃船が義務付けられました。
る海洋汚染防止条約(MARPOL73/78条約)の改正案が採択さ
当社では、
ダブルハルタンカーを1982年に初めて導入し、それ
れました。
以降もダブルハル化に積極的に取り組み、現在では当社船隊にお
ダブルハルとは、
船体が二重構造で、事故で外板に穴があいても、
ける、オイルタンカー(原油タンカーとプロダクトタンカー)のダブ
貨物油タンクには影響を与えにくい構造になっているものです。
ルハル化率は100%となっています。また、ケミカルタンカーは全
その後、1999年12月のフランス西沖におけるエリカ号折損事
船がダブルハルタンカーとなっています。
故、2002年11月スペイン沖で発生したプレステージ号折損事故
オイルタンカ−のダブルハル化率推移
ダブルハルタンカー シングルハルタンカー
ダブルハルタンカーの構造模式図
ダブルハル化率(右軸)
バラストタンク
8
隻
100%
100%
100%
100%
100%
貨物油タンク
バラスト水
75%
6
シングルハル(ダブルボットム)タンカーの構造模式図
75%
4
8
8
50%
8
1
2
貨物油タンク
25%
4
3
バラストタンク
※横外板がシングル
0
02/3末
03/3末
04/3末
05/3末
06/3末
0%
■燃料油タンクのダブルハル化
小型のオイルタンカーの貨物油よりも多くの燃料油を積載してい
る海洋汚染防止条約(MARPOL73/78条約)附属書 I の改正案が
る船舶が多いことから、油流出事故による海洋汚染防止の観点から
採択されました。2007年8月以降に建造契約、
または2010年8月
は、燃料油タンクについてもダブルハルにより防護すべきとの考え
以降に引き渡される全新造船に義務付けられることになりました。
に基づき、2006年3月IMO海洋環境保護委員会で、総容積が
当社では、
この規制よりも以前に契約する新造船についても、燃
600m3以上の燃料油タンク部分についてダブルハル化を義務付け
料油タンクのダブルハル化を進めています。
■船尾管エアーシール装置の採用
プロペラ部には、海水がプロペラ軸を伝って船内に浸入すること
船尾管エアシール装置の構造模式図
海水
シールエア
供給装置
潤滑油
を防ぐためにシール装置が必要ですが、潤滑油の船外への漏洩を
防ぐために、加圧した空気の力で潤滑油も海水も遮断するエアシ
ール機構を持つ船尾管エアシール装置が開発されています。
当社では、1997年からこの船尾管エアシール装置を積極的に
エアチャンバー
(空気室)
採用しています。
ドレイン(排水)
タンク
(コベルコイーグル・マリンエンジニアリング(株)資料より)
飯野海運 安全・環境報告書2006【資料・継続的報告編】
27
ENVIRONMENTAL
環境性報告
海運業の環境保全活動
Shipping
海洋環境保全のための船体設備
■ビルジ処理システム
船舶の運航により機関室内では汚水・油水混合物が発生します。
離方式を採用しビルジの発
これを機関室ビルジと言い、そのまま船外に排出するのではなく、
生量を極力抑制しています。
海洋汚染防止条約(MARPOL73/78条約)附属書 I に従って適
前処理段階でプライマリー
正に処理するよう規制されています。ビルジセパレーターというビ
タンクにおいてビルジを水
ルジを油分と水分に分離する装置によって油分のみを分離除去し、
分と油分等を分離した上で
排出基準(油分濃度15ppm未満)を満たした水分のみを航海中に
ビルジセパレーターを通し、
海中に排出するとともに、油分は廃油として焼却処理しています。
ビルジ処理量を減少させ、
これら法規制の遵守に加えて、当社では独自のビルジ発生源分
ビルジからの海中排出水分量を極小化しています。
左側:ビルジプライマリータンク
右側:ビルジセパレーター
当社のビルジ処理システム
ビルジセパレーター
ポンプ
水分のみ
排出基準を
満たした水分
船外排出
ビルジ
ビルジタンク
セパレーター
ビルジ等
油水混合物
油
プライマリー
タンク
油
スラッジタンク・
ビルジセパレーター
オイルタンク
IMOの型式承認を得た
船内
焼却炉
廃油タンク
スラッジポンプ
焼却処分
■有機スズを含まない船底防汚塗料の使用
船舶の航行に伴い、海藻類や貝類などの海中生物が船底に付着
これに対応して、2001年10月のIMO( 国際海事機関 )国
すると、船体抵抗が増加し船速が低下します。それにより燃料消費
際 会 議において、①2003年1月以降はTBT塗料の新たな塗布
効率が低下するとともに、多くのCO2やNOx・SOxを排出し、大気
を禁止し、②2008年1月以降はTBT塗料を完全に除去するか、
ま
汚染につながります。
たは過去に塗布したTBT塗料が海水へ溶出しないように塗料を上
これを防ぐために、1960年代半ば頃から、動植物の付着防止効
塗りすること(シーラーコート)を義務付ける条約が採択されました。
果が高いTBT(有機スズ)を含む塗料が広く使用されてきました。
当社では前倒し対策として関係業界と協力して新造船・修繕船へ
しかし、1974年にフランスで養殖カキの生育異常が発生し、
これ
の高仕様TF塗料(有機スズを含まない塗料)を採用しており、
シー
を機に、海水に溶け出したTBTが魚介類に悪影響を与える環境ホ
ラーコートした上にTF塗料を塗装した船舶を含めて、2004年4
ルモン作用について疑いが持たれるようになりました。微量の
月には100%の管理船舶がTF塗装船となりました。
TBTが巻貝のメスをオス化するとの報告もされています。
TF塗料化比率の推移〈当社管理船〉
①TBT塗料塗装船 ②シーラーコート+TF塗料塗装船
③TF塗料塗装船 TF塗料化率(②+③の割合)
(右軸)
隻
40
100.0%
91.7%
100.0%
100%
96.0%
81.0%
29
30
21
20
24
2
2
25
1
1
27
2
75%
3
50%
4
1
10
影響が少なく、航行中に加水分解することにより船底表面を滑らか
飯野海運 安全・環境報告書2006【資料・継続的報告編】
23
25
26
25%
16
TF塗料は、有機錫を含まないため海水に溶け出しても生態系への
に保ち、燃料消費を抑えてCO2などの排出を抑制します。
20
0
02/3末
03/3末
04/3末
05/3末
06/3末
0%
28
ENVIRONMENTAL
環境性報告
海運業の環境保全活動
Shipping
海洋環境保全のための活動
■バラスト水の適正処理
船舶は空荷時に、船体の喫水およびトリム(前後の傾き)を変化
IMO(国際海事機関)ではバラスト水対策について討議を重ね、
させ船体の安定性とプロペラ効率や舵効を確保するために海水
2004年2月にバラスト水の管理や処理基準を定めた国際条約が
(バラスト水)をバラストタンクに注入して航行しています。バラス
採択され、将来はバラスト水処理装置の設置が義務付けられること
ト水は通常、揚荷港で注水され積荷港で排水されますが、バラスト
になりました。
水に伴ってこれに含まれる小動植物や有害病原体などの海中生物
当社は、現在ではこれらの取り決めや寄港国の規制に従い、外洋
が移動し、積地の海洋生態系に悪影響を与えるとして、特に1980
でバラスト水交換を実施し、寄港国の港に他地域の海中生物を持
左側:ビルジプライマリータンク
年代後半から問題視されてきました。
ち込まないように努めています。
右側:ビルジセパレーター
オゾン層破壊防止
■オゾン層破壊物質の使用取り止め
地球の周囲の高度20∼30km付近に広がっているオゾン層は、
ハロン消火装置の使用取り止め
太陽光に含まれる有害な紫外線を吸収し地球上の生物を保護する
ハロン消火装置については既に採用を取り止め、ほとんどの船
働きをしています。フロンやハロン等のオゾン層破壊物質は、上空
舶でCO2式消火装置や高膨張式消火装置を搭載しています。
でオゾンと化学反応を起こしオゾンを分解してオゾン層を破壊します。
非ハロンガス消火装置装備率の推移<当社管理船>
当社では、
オゾン層の破壊進行を防止するため次のようなフロン・
ハロンガス消火装置装備船 非ハロンガス消火装置装備率(右軸)
ハロン対策を進めています。
非ハロンガス消火装置装備船
隻
40
代替フロンへの転換
100%
91.7%
船舶の空調機・冷凍機には、冷媒としての性能に優れ、信頼性が
96.0%
96.3%
96.6%
81.0%
30
高いHCFC冷媒R-22が、
これまで広く使用されてきましたが、オゾ
ン層破壊や地球温暖化への悪影響が明らかになり、代替フロンへ
21
20
の転換が進められています。当社新造船においては、オゾン破壊係
数ゼロのHFC冷媒R-404aを採用しています。
10
25
1
24
2
27
1
29
1
75%
50%
4
24
22
26
28
25%
17
なお、当社グループではコンテナ船は保有・運航していませんの
0
で、冷凍コンテナ用冷媒は使用していません。
02/3末
03/3末
04/3末
05/3末
06/3末
0%
廃棄物の適正処理
■船内生活系廃棄物の適正処理
船舶では、乗組員の船内での生活に伴って様々な生活系廃棄物
写真左から、紙ゴミ・雑布類(黒)、廃プラスチック類(赤)、金属・ガ
が発生します。これらは海洋汚染防止条約(MARPOL73/78条約)
ラス・陶磁器(緑)、
食物くず(青)、
附属書 V に基づき適正に処理し、海洋環境の保全に努めています。
梱包材等の事業系廃棄物(黄)
廃棄物は手順書に従い、分別収集され、焼却処理、海洋投棄、
また
に分別して保管しています。
は陸上受入施設へ移送されます。特にプラスチック類等は、
本船で保
管の上、
全量陸揚げ処分し、
受領書を付して記録簿へ記載しています。
船内廃棄物の保管状況
■廃油の適正な焼却処理
船舶用燃料油には不純物が多く含まれており,
燃料油使用時の前
また焼却処分に際し発生するダイオキシンを極力抑制できる海
処理システムで不純物を取り除く際に発生する水分・不純物が混ざっ
洋汚染防止条約(MARPOL73/78条約)附属書VI に基づく型式
た不要な油を廃油タンクに集めて、新たに加熱し、水分等を蒸発分
承認を得た廃油焼却炉を2000年より全ての新造船に採用してい
離した上で、廃油焼却炉で焼却処分しています。
ます。
飯野海運 安全・環境報告書2006【資料・継続的報告編】
29
SAFETY
安全性報告
不動産業の安全対策活動
Real Estate
不動産業の安全・環境に対する取り組み
オフィスビルの安全に対する捉え方、生活環境に対する社会的な
一方、万一に備えたバックアップ体制と
ニーズおよび意識は時代とともに大きく変化してきております。
して、
ビル内照明とエレベータ運行を考
災害発生時の対応、設備機器の正常運転はもちろんのこと、
日常
慮した非常用発電機の容量アップや、蓄
における不特定な人物の出入りそのものを拒否する時代となって
熱式空調システムの採用による大容量雑
参りました。
用水の確保等、省エネを組み合わせたシ
企業の社会的責任(Corporate Social Responsibility)、
コ
ステムや機器の採用を行って参りました。
ンプライアンス遵守、個人情報保護法など、企業を取り巻く環境の
そして時代に即した危機管理体制の見直
変化に対処するため、当社といたしましては安全・セキュリティ対策
し等ソフト面の充実を図って参りましたが、今後も日常のチェック機
の実現を図り、顧客満足度の向上に努めて参ります。
能の強化により、
「慣れ」による綻びのないよう邁進していく所存で
また、2005年5月、
ビル管理業におけるISO9001と14001
あります。
の認証を取得し、今後も顧客満足度の向上を常に心がけると共に、
照明器具をはじめ各種ファンモーターのインバーター化等により
飯野海運(株)執行役員 環境負荷低減に努めて参ります。
イイノ・ビルテック(株)代表取締役社長 石川 廣行
不動産業の安全管理体制
■平常時のリスクマネジメント体制
飯野海運(株) 安全環境委員会
イイノ・ビルテック(株) 安全衛生委員会
委員長:イイノ・ビルテック(株)社長
事務局:イイノ・ビルテック(株)安全衛生推進者
<飯野ビル>
監視センター 安全衛生委員会
飯野ビル監視センター員
<その他のビル>
協力業者会 安全衛生委員会
各ビル 所長会
協力業者15社
各ビル所長
■緊急時の危機管理体制
飯野海運(株) 緊急対策本部
イイノ・ビルテック(株) 緊急対策本部
関連ビル統括対策本部
委員長:イイノ・ビルテック(株)社長
事務局:イイノ・ビルテック(株)総務・業務部・総務担当
設 置:東京桜田ビル イイノ・ビルテック(株)事務所内
情報班
総務・業務部、
厚生・救護班
総務・業務部
技術部
設備班
監視センター、
保安班
協力業者会
本部長:イイノ・ビルテック(株)
常務取締役
各ビル・物件
保安部
設備部、建築部
※当社の主要賃貸ビルでは、
このほかに自衛消防組織(自衛消防隊、
自衛消防本部)を編成しており、緊急時には当社グループ社員はそれぞれの任務
に当たります。
飯野海運 安全・環境報告書2006【資料・継続的報告編】
30
SAFETY
安全性報告
不動産業の安全対策活動
Real Estate
警備・安全状況の監視
■館内警備・警備システム
1960年のビル竣工に伴い、旧飯野不動産(株)警備課による飯
機械警備システム
警備会社(基地局)
野ビルの自社警備を開始しました。その後、永年にわたりつちかっ
ビ
たビル警備の知識・経験を生かし、1987年にビル管理会社(現イ
イノ・ビルテック(株))が東京都公安委員会の警備業の認定を受け
設
センサー
センサー
防
発
ル
間
備
センサー
非
て警備業務を引き継ぎ、所有ビルの安全かつ快適な利用を目指し
常
た施設警備を行っています。
線
中
センサー
監
NTT回線
信
センサー
継
無
センサー
盤
受
表
司
信
示
令
装
装
装
置
置
置
犯
センサー
視
センサー
盤
機
装
2001年9月11日のアメリカ同時多発テロ以降、各ビルでは点
ビ ル 監 視 卓
置
無線・電話
検口の封印、防犯用カメラでの入館者の監視等を行っていますが、
特に官庁街に所在する飯野ビルでは警備員の増強配置、外周警戒
警備車輌
の強化等の特別警戒を実施しています。
設備警報等必要
に応じて出動
ビル間非常無線
ビル警備の形態は、24時間警備員をビルに常駐させる「常駐警
備」と、警備員の常駐はなくビルに設置したセンサーで感知した異
常駐警備システム
基幹ビル(飯野ビル)
ビル間
非常無線
常センサーに基づき車両で警備員が出動する「機械警備」の2種
ビ
類で行っています。
センサー
設
ル
常駐の警備員は、警察官・消防官のOBを積極的に採用するとと
間
もに、火災等の災害活動時の中核となるため自衛消防技術認定、
常
センサー
非
中
センサー
線
センサー
置
2006年1月24日には飯野ビル第一警備室にAED(自動体外式
警 備 員 ・ 監 視 員
放送システム 館内モニタ−
警備員
内線・無線
・館内放送
ビル内巡回
中央監視卓
ビル群
遠隔管理
システム
盤
装
など警備員の資質の向上に努めています。
第一警備室
(防災センター)
中央監視センター
継
無
防災センター講習修了、救命技能認定等の有資格者の育成を図る
N
T
T
回
線
備
ビ
ル
間
非
常
無
線
装
置
飯野ビル監視システム
ビル監視卓
NTT回線
除細動器)を設置し、
全警備員が使用方法の説明を受講しています。
館内警備(飯野ビル)
第一警備室モニター(飯野ビル)
空調・熱源
システム
監視員
必要に応じて応援要請・出動
第一警備室・防災センター
(飯野ビル)
電気・衛生
システム
機械警備システム
(笹塚センタービル)
■監視センター・非常無線装置
飯野ビル地下3階の中央監視センターでは飯野ビル内の電気・
さらに各ビル監視センターとの間は、飯野ビルを基地とし、電話
空調・衛生設備の状態を常時3名24時間体制で監視し、調整を行っ
回線を利用して監視しており(ビル群遠隔管理システム)、警報発
ています。適切な調整により省エネルギー化を図っています。
報の際には直ちに出動し対処しています。
またビル内の巡回活動を行い、安全および環境の状況を把握し、
また2004年4月には大規模災害等により電話回線が不通となっ
適切な状態を保っています。
た場合に備え、
ビル間非常無線装置を設置しました。
中央監視装置[空調・熱源
・電気]
(飯野ビル)
中央監視装置[受電グラ
フィックパネル]
(飯野ビル)
飯野海運 安全・環境報告書2006【資料・継続的報告編】
ビル群遠隔管理装置
(飯野ビル)
非常無線装置
(飯野ビル)
非常無線装置
(東京桜田ビル)
非常無線アンテナ
(飯野ビル)
31
SAFETY
安全性報告
不動産業の安全対策活動
Real Estate
防火・防災活動
■ビル共同防火管理協議会
複数の事務所が入居する建物では、火災・地震等の災害時の混
携強化を図っています。
乱を防ぐため、統制のとれた防火管理を進める必要があります。当
2003年10月、新宿歌舞伎町のビル火災を契機に消防法が改
社の主要賃貸ビルのうち、飯野ビル・東京桜田ビル・蒲田グリーンビ
正され、
「防火対象物定期点検報告制度」が導入されました。これ
ル*は消防法によって入居する全事業所で構成する共同防火管理
を受けて飯野ビルでは、協議会として入居事業所に制度の説明を
協議会の設置が義務付けられています。当社ではこのほかに、笹塚
行い、協議会事務局員が点検資格を取得して各事業所の防火管理
センタービルでも自主的に協議会を組織しています。
上必要な業務等が基準に適合しているか点検を行い、2006年2
協議会では、建物全体の消防計画の作成・変更、消防訓練の実施
月丸の内消防署長に結果報告(74事業所)を行いました。
方法など共同防火管理に必要な事項を決定し、防火管理体制の連
*蒲田グリーンビルは2006年3月1日に売却しました。
■非常食の常備
飯野ビルでは、大規模災害時の非常食(乾パン・アルファ米)を、
建物入居事業所の残留職員用として2,000食(共同防火管理協議
会の管理)、
イイノホールの入場者用として500食備蓄しています
(備蓄場所:屋上、7階、1階、地下3階の4ヵ所)。
屋上
7階イイノホール
1階第二警備室
地下3階保安員控室
■主な防火・防災関連工事
2005年度には、主要なもので以下のような防火・防災関連工事
を施工しました。
①屋内消火栓配管・ポンプ更新工事(飯野ビル、東京桜田ビル)
②自動火災報知設備更新工事(飯野ビル、東京富士見ビル)
自動火災報知器
(センサー)
③ビル群監視設備更新工事(飯野ビル)
④アスベスト入りタイル撤去工事(飯野ビル)
屋内消火栓設備
■飯野ビル協力業者会安全衛生協議会
飯野ビルでは、協力業者会で安全衛生協議会を組織し、毎月目
標を定めて事故防止・労働災害防止に努めています。
月間安全標語(2005年度)
4月 事故責任、
自己責任では済まされず
5月 見たつもり、そこがあなたの落とし穴
飯野ビル協力業者会
6月 小さなヒヤリを必ず発表、互いの注意で無災害
・葵設備工事(株)
・(有)ナイス・インテリア・サービス
・(株)アンドウ
・(株)那須商会
・(株)イトウ産業
・(株)廣橋電気
・(株)奥島産業
・(株)松下産業
7月 「だろう」は危険の第一歩、
「かもしれない」こそ安全の第一歩
8月 危険箇所、気付いたあなたが担当者、他人に任せず進んで改善
9月 身につけよう!点検、確認、危険予知、その場で直せ危険箇所
・(株)兼藤
10月 摘み取れ 危険 育てろ 安全 咲かせる花は ゼロ災害
・(有)亀井工業所
11月 目配り 気配り 思いやり できる職場に事故はなし
・三和装工(株)
12月 基本に戻って危険予知、作業と場所が変わる都度
・渋谷電設工業(株)
1月 新年 変わらぬゼロ災と向上心
・寺田工業(株)
2月 省く手順に近づく危険、基本動作で安全作業
・東京防災設備(株)
3月 “うっかり”
“ぼんやり”
“思い込み”危険の芽を摘み 0災害
・(株)東京三木塗装店
飯野海運 安全・環境報告書2006【資料・継続的報告編】
32
ENVIRONMENTAL
環境性報告
不動産業の環境保全活動
Real Estate
不動産業の地球温暖化対策
■温室効果ガス排出削減のための設備
《 熱 源 改 修 》
省エネを実現する熱源機器
飯野ビルでは1999年11月から2001年6月までの1年7ヵ月
改修前熱源
改修後熱源
重油焚
ボイラー
ガス焚
冷温水発生機
をかけて、地下3階にある空調用熱源機器を大幅に改修しました。
夜間電力を使用して製氷し昼間の冷房等に利用する氷蓄熱シス
冷温水発生機
テムを導入し、環境負荷の低減と冷房効率の向上を実現しました。
なお蓄熱システムは、東京富士見ビル、笹塚センタービル、汐留芝
離宮ビルディングにも各ビルに合った方式で導入しています。
飯野ビルではさらに給湯・暖房用温熱源システムを都市ガスを
ターボ
冷凍機
氷蓄熱
システム
主要燃料とするものに切り替え、温室効果ガス排出量とNOx・SOx
氷蓄熱槽
排出量の削減を実現しました。
空調機器のインバーター化
電力需要量の変化
蓄熱あり
(改修後)2002/7/23実績
飯野ビルでは2005年8月から10月にかけて、地下ガレージの
非蓄熱設定(改修前)
送風機ファン・排気ファンのインバーター化工事を行いました。
kW
4,500
4,000
回転数を調整するインバーター制御によって、省エネルギー化
契約電力の縮減
3,500
を図ることができます。
3,000
負荷を夜間へシフト
2,500
ピーク時間調整割引
2,000
高輝度誘導灯への省エネルギー蛍光灯の採用
1,500
左側:ビルジプライマリータンク
熱源機蓄熱運転
蓄熱調整割引
右側:ビルジセパレーター
1,000
500
0
0
3
5
7
9
11
13
15
17
19
21
ビル内の高輝度誘導灯の蛍光灯に省エネル
23 時刻
ギータイプのものを導入し、順次交換を進めて
います。高周波点灯専用形というグリーン購入
重油を都市ガスにした場合のCO2排出量削減効果の試算結果
97年度
重油
重油使用量( )
重油排出量CO2(t)①
98年度
99年度
法適合商品を採用し、
交換を進めています。
00年度*
234,443 249,776 201,662 136,935
635
677
547
371
換算 換算ガス量(m3)
199,060 212,079 171,227 116,268
都市
404
470
501
274
ガス 都市ガス排出CO2(t)②
CO2排出量削減効果(t)①−②
166
176
142
97
* 2000年度は設備改修年度のためA重油使用量は通常年度より少ない。
高輝度誘導灯
高輝度型誘導灯の
高周波点灯形蛍光灯
(3W)
従来型誘導灯の
蛍光灯(10W)
ビル近隣環境への配慮
■周辺環境との調和
所有ビルと近隣の緑地・公園
当社の所有ビルは、近隣に緑地・公園等がある良好な環境に立地
しています。周辺環境と調和するよう、
ビルの美観の維持や植栽の
手入れに十分な配慮をしています。
日比谷公園から
望む飯野ビル
飯野海運 安全・環境報告書2006【資料・継続的報告編】
東京富士見ビル
所有ビル
周辺緑地・公園
飯野ビル・東京桜田ビル
日比谷公園
東京富士見ビル
靖国神社
飯野竹早ビル
小石川植物園
汐留芝離宮ビルディング
浜離宮恩賜庭園、旧芝離宮恩賜庭園
飯野竹早ビル
旧芝離宮恩賜
庭園から望む
汐留芝離宮
ビルディング
33
ENVIRONMENTAL
環境性報告
不動産業の環境保全活動
Real Estate
ビルの廃棄物対策
■ビルロングライフ化による廃棄物排出抑制
建物のロングライフ化には、建設廃棄物の発生を抑制するなど
わが国のストック建物の健全化に中心的
環境面での効果もあり、良質な建築ストックの形成に向けての活動
な役割を果たしている同協会は、毎年10件
は社会的な意義も大きいと考えています。
前後の建築物を対象に表彰を行っています。
2003年5月15日には、(社)建築・設備維持保全推進協会(略称
ロングライフ部門は、竣工20年以上を経過
BELCA)より、当社所有の飯野ビルが第12回BELCA賞ロングラ
し維持管理が良好で世の範となる建物に対
イフ部門に選考され表彰されました。
して贈られるものです。
BELCA賞 賞碑
(飯野ビル正面入口脇掲示)
■廃棄物の中間処理・リサイクル
発泡スチロール・缶の減容処理
廃蛍光灯のリサイクル
飯野ビル地下のゴミ集積場には、廃棄物処理業者の(株)那須商
所有・管理ビルで使用した廃蛍光灯は、水
会と共同で廃棄物の容積を減少させる中間処理装置を設置し、
リ
銀の飛散による環境汚染を防止するため、
サイクルの容易化・効率的な運搬ができるようにしています。
東京都が出えん・設立した(財)東京都環境
整備公社を通じて、
割らずに回収しています。
廃蛍光灯は北海道の再資源化施設に輸送
され、
リサイクルされます。
廃蛍光灯保管状況
(飯野ビル)
廃棄物の再利用実績
当社の主要賃貸ビルでは、各特別区の「廃棄物の処理及び再利
発泡スチロール熔解装置
用に関する条例」に基づき、
「事業用大規模建築物における再利用
缶減容装置
計画書」を作成・提出し、廃棄物対策に取り組んでいます。廃棄物
排出量と再生率の実績は下表の通りです。
廃棄物排出量と再生率の実績(蒲田グリーンビル*1を含む主要賃貸6ビルの合計)
2001年度
排出量*2
再生率
2002年度
2003年度
2004年度
2005年度
2,462.6t
2,472.5t
2,454.0t
2,262.6t
2,123.0t
45.6%
46.5%
45.8%
44.9%
45.5%
*1 蒲田グリーンビルは2006年3月1日に売却しました。
*2 排出量はテナントを含むビル全体の一般廃棄物と産業廃棄物の合計
(工事廃材は含まない)。
■PCB(ポリ塩化ビフェニル)の回収・適正管理
ビル内のPCB
(ポリ塩化ビフェニル)使用の蛍光灯安定器は回
います。
収し、変圧器更新で回収したPCB使用のコンデンサとともにPCB
2005年6月には、PCB廃棄物処理事業を行う政府全額出資の
廃棄物として廃棄物処理法等の法令に基づいて適正な管理・保管
特殊会社である日本環境安全事業(株)にPCB機器等の早期登録
を行っています。
を行いました。今後、同社から搬入時期の提示があり次第、処理を
2005年4月には改修工事に伴い新たに事務室天井内から蛍光
行う予定です。
灯安定器が38台発見され、
これも合わせて適切に管理・保管して
PCB廃棄物の保管状況
種類
照明用安定器
高圧コンデンサ
合 計
2005年4月1日保管
2005年度中新規発生
2006年3月31日保管
528台
38台
566台
2台
−
2台
530台
38台
568台
飯野海運 安全・環境報告書2006【資料・継続的報告編】
PCB廃棄物の保管場所掲示
(飯野ビル)
34
SAFETY
安全性報告
本社の安全対策活動
Head Quarter
情報システムの安全対策
安全対策の特徴
(2)情報セキュリティマネジメント活動
情報システムには、捉える視点により、巨視的から微視的に至る
情報セキュリティを確保するために、当社は次の施策を実施し
まで次のような多様な段階があります。
ています。
①コーポレート・ガバナンスの一部を構成するITガバナンス
①制度的な施策
飯野グループ全社の共通規程として、ISO/IEC17799に準
②全社的リスク・マネジメントの一部を構成するIT業務継続計画
○
③内部統制のインフラ(IT全般統制/IT業務処理統制)
拠した情報セキュリティポリシーを制定・実施しています。
プロシージャおよびマニュアルを整備し、飯野グループの全
「情報システムの安全対策」は、
これら全ての段階で名称・枠組
○
み等は変化しながらも、必ず情報資産およびインフラの安定装置と
要員を対象にセキュリティ講習を定期的に実施しています。
して組み込まれ、維持・運営されています。
②システム的な施策(ソフト・ハード)
○
情報資産のセキュリティ確保に対する取り組み
まず、上記②および③の段階における主要な安全対策として、当
ネットワークへの不正接続防止のため、多様な防止装置およ
びソフトを導入しています。
○
機密文書等には暗号化・改竄防止・アクセスログ採取を含む
社の「情報セキュリティに対する取り組み」についてご説明します。
種々のアクセス制限・監視システムを導入しています。
(1)情報セキュリティの役割
○
当社を含む飯野グループ全社は、情報セキュリティの次の7項目
ています。
の役割を維持するために活動しています。
①機密性の維持
○
い。
護壁であることを常に念頭に置きながら継続的に実施して参りま
認可されていない方法でデータを改竄または破壊させない。
④可用性の確保
(1)広義:
IT業務継続計画
○
広域激甚災害対策等、全社的なBCP
(事業継続計画)の一部
のアクセス・使用が確実に実行できるようにする。
込んで、遠隔地にバックアップシステムを併設することを ある利用者の行為について、必要な場合には一意に追跡でき
⑥信頼性の確保
検討中です。
(2)狭義:障害対策(ダウン対策)
○
社内ネットワーク上のサーバダウン等への対策です。
・システムごとに許容可能なダウンタイムを想定し、障害が発
情報処理に関して矛盾のない、計画どおりの動作および結果
生した場合、当該ダウンタイム内に復旧できるよう各種の対
を確保する。
策を講じています。
⑦真正性の保証
○
情報システムの機能停止対策には広義と狭義の2段階があります。
を構成します。現在、特に緊急復旧を要するシステムに絞り
ることを保証する。
○
情報システムの業務継続に対する取組み
認可された利用者によって情報が要求されたときに、情報へ
⑤責任追跡性の維持
○
す。
システムが意図的または偶発的な不正操作により妨害される
③データの完全性の維持
○
ことにより初めて完全に機能します。この意味で究極的には飯野グ
ループの全要員によるセキュリティ意識の徹底と励行が最大の防
ことなく、本来果たすべき機能を滞りなく実行させる。
○
情報セキュリティは、日常業務に組み込まれて自然に励行される
情報を重要度区分に応じて分類・管理し、不正に暴露させな
②システムの完全性の確保
○
定期的にデータをバックアップし、堅固な保管施設に預託し
情報が要求されているものと同一であることを保証する。
・ダウンタイムを最小限に留めるために、ネットワーク機器の
二重化を進めています。 飯野システム(株)
代表取締役社長
貞苅 紳
飯野海運 安全・環境報告書2006【資料・継続的報告編】
35
環境性報告
ENVIRONMENTAL
本社の環境保全活動
Head Quarter
本社オフィスでの環境保全活動
■本社オフィスでの省エネルギー
チーム・マイナス6%への参加
昼休みや退社時などの照明不要時には消灯
飯野海運(株)では京都議定書の目標達成のための国民運動「チ
するよう呼び掛けています。
ーム・マイナス6%」に参加し、社員にも個人での参加を呼び掛け、
これらにより2005年度はオフィスで使用
地球温暖化防止のために活動を行っています。
する電力の2.7%削減を達成しました。
消灯励行の掲示
ハイブリッドカーの利用
飯野海運(株)では不動産営業用車
両にトヨタ自動車のハイブリッドカー
ノーネクタイ運動・昼休み消灯
「プリウス」を使用しています(1台)。
飯野海運(株)では「クールビズ」の
同車は、走行段階だけでなくライフサイ
導入・普及以前から省エネルギー対策
クルでのCO 2・NOx・SOxの排出が少
として、6∼9月の間来客応対時等を
なく、
リサイクル容易な工夫がなされ、
除き、ネクタイ着用を義務付けないノー
また環境負荷物質である鉛の使用量も大幅に低減されている環境
ネクタイ運動を実施しています。また
執務風景
ハイブリッドカー
配慮型車両です。
■本社オフィスでの省エネルギー
コピー用紙の3R
マイカップ利用による紙コップ使用量の削減
オフィスでは、両面コピーの励行(紙
オフィスに備えている給茶機の利用
使用量削減:Reduce)、裏紙使用(再
に当たって、社員はマイカップを利用す
利用:Reuse)、新聞・雑誌・使用済みコ
るよう呼び掛けています。これにより
ピー用紙の回収(再生利用:Recycle)
2005年度は紙コップ使用量を1.4%
に取り組んでいます。
紙分別ボックス
削減しました。
給茶機・マイカップ
■グリーン購入の推進
本社オフィスで使用する事務用品についてグリーン購入を進め
で42%、
金額ベースで51%となりました。
ています。2005年4月から数量および金額ベースの購入割合の集
社員には環境ラベルについて解説した文書を電子配付し、
グリー
計を開始しました。2005年度のエコ商品の購入割合は数量ベース
ン購入を呼び掛けています。
■金刀比羅宮
■リフレッシュルームの設置
こんぴらさんと呼ばれ、海運の神様としても全国的に有名な
飯野ビルの地下1階にはビル入居者や来街者の方々のための
讃岐の金刀比羅宮の分宮が飯野ビルの屋上に祭られ、毎月の月
リフレッシュルームを設置しています。2004年5月に設置した
初めの大安の日に海運、不動産の安全を祈願してお参りをして
この施設では、喫煙エリアと非喫煙エリアを完全に分けており、
います。
受動喫煙を防止しています。
毎月1回の安全祈願風景
飯野海運 安全・環境報告書2006【資料・継続的報告編】
リフレッシュルーム
36
用語集
A
I
Glossary
■ AED:Automated External Defibrillator 自動体外式除細動器
引いたトン数。運航に必要な燃料・水などの重量も含まれるが、積める貨物量
心臓の突然停止の主原因の心室細動(心臓の痙攣)を除くために、心臓に一時
を示す目安となる。一般に用いられるトン(メトリック・トン=1,000kg)の
的に電気ショックを与え、心臓機能の回復を試みるための機器。心室細動は1
他にロングトン(約1,016kg)、ショートトン(約907kg)がある。
分経過するごとに救命率が7∼10%低下し、10分後には殆どの人が死に至る
ため、早期の対応が必須である。2004年7月に厚生労働省が各都道府県知事
宛の通知で、一般市民など非医療従事者のAED使用を解禁したことを契機に、
公共の場所等へのAED設置が全国的に広がりつつある。医療知識のない人でも
音声指示による簡単な操作で電気的除細動が実施できるように設計されている。
■ BCP:Business Continuity Plan 事業継続計画
自然災害や事故・事件等の要因により緊急事態が発生した場合に、企業の重要
な業務が中断しないこと、または中断しても目標復旧期間内に業務活動が再開
でき、顧客に対するサービスレベルが許容される程度で維持できるよう、組織
体制、事前対策・初動対策・復旧対策を定めた実行計画。2001年9月11日の米
国ニューヨークでのテロ事件でBCPの有効性が認められたこと、日本で地震
や台風等自然災害が多発したことを背景に、多くの企業が整備しつつある。
■ BRM:Bridge Resource Management 船橋資源管理
船舶のブリッジにおいて、利用可能な全ての資源を最適な方法で最も有効に活
用することにより、より安全で効率的な運航を実現するための手法。人(乗組
員・水先人等)、ハード(航海計器・機器)、ソフト(規則・マニュアル等)、情
■ Green Certificate
IBF(国際団体交渉協議会)に参加するJNG(雇用者側合同交渉団)メンバーに
対する主要な優遇措置の一つ。IBF特別協約適用船に対してITF(国際運輸労連)
から発給される証書で、従来のBlue Certificateに比べ発給手続きが簡素化
されている。JNGメンバーには、ITF訪船査察に関する優遇措置(ボイコットの
廃止・査察訪船の低順位)、
紛争処理手続きの迅速化などの優遇措置も図られる。
■ GRI:Grobal Reporting Initiative
全世界に適用可能な持続可能性報告のガイドラインの策定・普及を使命として
1997年に設立された国際組織。米国のNPOであるセリーズ(CERES:Coalition
for Environmentally Responsible Economies「環境に責任を持つ経済のた
めの連合」)と国連環境計画(UNEP)との合同事業。
■ GRIサステナビリティリポーティングガイドライン2002
GRIが2000年に発表した持続可能性報告書ガイドラインをもとに内容を改訂
して2002年に発表したガイドライン。持続可能性報告の質・厳密性・利便性
を向上する全世界で適用可能なガイドラインを目指して現在も改訂中。
報等の資源が対象となり、特にチームワークによる人的資源の最適活用が最重
■ GRT(G/T)
:Gross Tonnage 総トン数
要と言われている。航空パイロット向けのCRM(Cockpit Resource Man-
船全体の大きさ(容積)を表す単位。外航船で総トン数と言えば、一般に国際
agement)を船舶に応用したもの。
トン数を意味する。IMCOにおいて1969年の条約により計測方法が国際的に
■ CASBEE:Comprehensive Assessment System for
Building Environmental Efficiency
建築物総合環境性能評価システム
統一された(1982年7月発効)。主として客船等の大きさを示す際に使われる。
わが国のみで用いられる総トン数は、国際総トン数とは異なり、船舶内の合計
容積から除外場所の容積を差し引いたものに一定の係数を掛けて表した数値。
100立方フィートで1総トン。
環境配慮設計のための自己評価や、建築行政や建築物の資産評価等の環境ラベ
リングでの利用を目的に開発された、建築物を環境性能で評価し格付けする手
■ IBF:International Bargaining Forum 国際団体交渉協議会
法。省エネや省資源・リサイクル性能等の環境負荷削減の側面に加え、室内快
JNG(雇用者側合同交渉団)とITF(国際運輸労連)が2003年に5月に設立
適性や景観配慮等の環境品質・性能の向上等の側面も含めて総合評価する。
した船員の労働条件についての協議を行う国際団体交渉協議会。2003年11月、
(1)建築物のライフサイクルを通じた評価、(2)「建築物の環境品質・性能」と
新協約であるIBFフレームワーク・トータル・クルーコスト(TCC)協約に合
「建築物の環境負荷」の両側面からの評価、(3) 「環境効率」の考え方を用い
意した。一船(23名乗り組み)乗組員月額総コスト(TCC)ベースの考え方
て新たに開発された評価指標「BEE(建築物の環境性能効率:Building Envi-
を取り入れ、さらに細部については地域交渉に委ねるなど大きな柔軟性が与え
ronmental Efficiency)」での評価を含んでいる。BEEでは、「S(素晴らし
い)」「A(大変良い)」「B+(良い)」「B−(やや劣る)」「C(劣る)」
られている。
という5段階の格付けが与えられる。
国土交通省の支援のもと産官学共同で研究開発が進められており、JSBC(日
本・サステナブル・ビルディング・コンソーシアム)が運営している。事務局
は(財)建築環境・省エネルギー機構内に設置されている。
■ IMO:International Maritime Organization 国際海事機関
海上の安全、船舶による環境汚染防止など、海運に関する技術的・法律的問題
について政府間の協力を促進し、各種規則や条約等の作成を行う国連の専門機関。
1958年IMCO(Inter-Governmental Maritime Consultative Organization:政府間海事協議機関)としてロンドンに設置され、1982年にIMOに改称。
いくつかの自治体では自治体版CASBEEを導入し、一定規模以上の建築物建
CASBEEの評価結果を第三者に提供する場合に重要となる信頼性や透明性の
■ ISMコード:International Safety Management Code
国際安全管理規則
確保という観点から認証制度が設けられており、評価の的確性を確認すること
1993年11月にIMOにおいて採択された国際的な船舶管理のための規則で、
で、その適正な運用と普及が図られている。
SOLAS附属書第IX章「船舶の安全運航の管理」として位置づけられている。船
設の際の環境計画書の届出に、CASBEEによる評価書の添付を求めている。
主や会社(船舶管理会社等)に安全マネジメントシステム
(SMS)の確立、陸上
■ COLREG:Convention on the Internatinal Regulations for
Preventing Collisions at Sea
安全管理者の選定、安全運航マニュアルの作成、船舶および設備の維持・管理、
国際海上衝突予防規則に関する条約。海上における衝突防止のための運航ルー
関が審査し、会社には適合証書(DOC:Document of Compliance)、船舶に
ル等を規定した条約。現在のものは、1972年にIMCO(現在のIMOの前身)で
は安全管理証書(SMC:Safty Management Certificate)が発行される。
採択され、1977年7月に発効した。
2002年7月1日以降、国際航海に従事する全ての船舶に適用された。わが国
■ Class ⇒船級
■ CSR:Corporate Social Responsibility 企業の社会的責任
すべてのステークホルダーを視野に入れ、経済・環境・社会など幅広い分野で
の社会ニーズの変化を捉え、それをいち早く「価値創造」や「市場創造」に結
び付けることによって、企業の「競争力強化」や「持続的発展」とともに、「経
済の活性化」や「より良い社会づくり」をめざす取り組み。
緊急時の対応措置などを義務付けるもの。これを船舶の旗国政府または認証機
では、2000年6月から、内航船舶についても任意でISMコードを認証取得で
きる制度が実施されている。
■ ISPSコード:International Ship and Port facility Security Code
国際船舶港湾保安規則
2002年12月にIMOにより採択された、テロ対策強化を主眼に定められた国際
輸送に関わる船舶・港湾の保安管理規則。2004年7月1日に発効した。国際輸
送に従事する船舶は、セキュリティ管理体制を整えてISSC(International
■ DWT(D/W)
:Deadweight Tonnage 載貨重量トン数
Ship Security Certificate)証書を取得すること、港湾も同様にセキュリティ
満載喫水線の限度まで貨物を積載したときの全重量から船舶自体の重量を差し
管理体制を整えて承認を得ることが義務付けられている。
飯野海運 安全・環境報告書2006【資料・継続的報告編】
37
用語集
I
V
Glossary
■ITF:International Transport Worker's Federation
国際運輸労働者連盟
■ ROE:Return On Equity 自己資本利益率
1896年に結成された運輸関係労組の国際的な産別組織の一つで、船員、漁船
主の持分である自己資本を用いてどの程度の利益を上げているかを見る指標。
員、港湾、鉄道、陸上運輸、内航、民間航空、観光関係業種の各部会に分かれ
この値が高ければ株価を押し上げる要因になると言われている。
る。傘下組合数は140ヵ国以上の600組合以上。我が国からは全日本海員組
合をはじめとする運輸関係労働組合が参加している。
一般に、税引後当期利益/自己資本(期首・期末の平残)で算出される。企業が株
■ SOLAS:The International Convention for the Safty
of Life at Sea 海上人命安全条約
■ JNG:Joint Negotiating Group
国際的な雇用者グループで構成する合同交渉団
航海の安全を図るため船舶の検査、証書の発給などの規定を設け、船舶の構造・
ITF(国際運輸労連)と対峙する雇用者側の合同交渉団。日本からは国際船員
1912年4月14日に発生したタイタニック号事故を受けて、最初のSOLAS条
労務協会が正式にこれに参加している。同協会は、もともと船員配乗業務会社
約が1914年に採択された。その後、新条約が採択され、現在の条約は1974
の団体で国際船員協会と称していたが、2004年に国際船員労務協会と改称し、
年11月に採択された1974年SOLAS条約である。1980年5月に発効した。
船社や船舶管理会社も加入することとなった。日本が実質保有する便宜置籍船
に乗船する外国人船員に対するIBF労働協約は、同協会会員のみに適用される
こととなっている。
設備・救命設備・貨物の積付けに関する安全措置等の技術基準を定めた条約。
■ SRI:Socially Responsible Investment 社会的責任投資
投資対象の短期的な財務パフォーマンスだけでなく、社会、環境、倫理側面か
らの価値判断も加えて意思決定を行う投資行動。その形態は投資対象の選択の
■ KYT:Kiken Yochi Training 危険予知トレーニング
他、株主行動などにも及ぶ(環境省 平成15年6月調査による定義)。経済性も
ゼロ災害を目標として職場で行われる訓練で、全員参加でチームワークや危険
含め、CSRを評価軸とした投資と言える。日本では、企業の環境面での取り
に対する感受性を高めること、みんなで危険を発見し対策を考え、分かり合っ
組みを銘柄選定基準に含めた「エコ・ファンド」が有名。
て実行することなどを狙いに実践されている。(1)現状把握、(2)本質追求、
特殊金属膜をコーティングして放射率を低くし、伝熱を小さくしたガラス。放
■ STCW:International Convention on Standards of
Training, Certification and Watch-keeping for
Seafarers 船員の訓練及び資格証明並びに当直の基
準に関する国際条約
射率が低いほど赤外線を反射するので、室内の暖房エネルギーを室内に反射し
1967年の英仏海峡での巨大タンカー座礁に伴う広範囲な海洋汚染事故を機に
断熱性を向上させることができる。またコーティング面を反対にすれば外部の
締結された条約で、船員の資質の向上を図るために国際的に統一した船員の資
熱が内部に伝わりにくくなり遮熱性を向上させることができる。複層ガラスの
格基準を定めている。海上人命安全条約(SOLAS)等が船舶構造や設備等の
省エネ性能をさらに高めるために使用されることが多い。
面から基準を定めているのに対し、船員の知識・技能等人的側面における最低
(3)対策樹立、(4)目標設定という4R(ラウンド)法が基本手法。
■ Low-Eガラス: Low Emissivityガラス 低放射ガラス
■ MARPOL:Internatinal Convention for the Prevention
of Pollution from Ships 海洋汚染防止条約
Marine Pollution(海洋汚染)を略してMARPOL条約と称する。海洋汚染防止
基準を定めることにより航行の安全を図るもの。78年に採択、84年に発効し
たが、92年末からの連続海難事故などを受けて包括的見直しが行なわれ、95
年に改正条約が採択され、97年に発効した。
を目的として、油の排出規制等のために船舶の構造、設備などの技術基準を定
■ TBT塗料:Tributyl Tin塗料
めている。1973年条約の1978年議定書(MARPOL73/78条約)は次の6
有機スズを含む防汚塗料のこと
(Tinはスズの意)
。船底への海中生物の付着防止
つの附属書から構成されている。
性能の高さから、船体抵抗の増大・燃費悪化を防ぐ船底防汚塗料として広く使用
附属書
発効日
されてきたが、
TBTの環境ホルモン作用や海中生物への有機スズの蓄積が指摘
1983.10.2
されたため、2001年10月にIMOでTBT船舶塗料等規制条約が採択された。
2003年1月以降の新たな塗布の禁止と2008年1月以降の除去または海水へ
規制内容
I
油による汚染防止
II
ばら積みの有害液体物質による汚染防止
1987.4.6
III
容器・コンテナ・タンク等に収納されて
輸送される有害物質による汚染防止
1992.7.1
IV
汚水による汚染防止
V
VI
の溶出防止のための塗膜の塗布を義務付けている。25カ国以上の批准と合計
船腹量が世界の25%を超えた1年後に発効する。
2003.9.27
これに先立ち、我が国では化学物質審査規制法制定を機にTBTおよびTPT(ト
廃棄物による汚染防止
1988.12.31
リフェニルスズ)化合物の製造・使用が1990年代後半から停止されていたこ
排ガスによる汚染防止
2005.5.19
■ OPA90:Oil Pollution Act of 90 油濁防止法(米国)
1989年アラスカ沿岸でのバルディーズ号の事故を契機として1990年に制定
された米国の油濁事故防止のための法律。タンカーの二重船殻化の強制および、
ともあり、日本が条約の提案と採択に主導的役割を果たした。
■ TF塗料:Tin Free塗料(錫フリー塗料)
有機スズを含まない防汚塗料のこと。船底に塗布し加水分解により海中に溶け
出して生物の付着を防止する。海中生物に対する害は少ないとされている。
油濁事故発生時の油濁防除および除去費用や損害補償財源の確保などを厳格に
■ VLCC:Very Large Crude Carrier
規定。
最近では28∼30万DWTクラスの大型原油油槽船(タンカー)のことを言う。
■ PCB:polychlorobiphenyl ポリ塩化ビフェニル
水には溶けにくいが油には溶ける性質を持つ。化学的に安定し、耐熱性や電気
絶縁性に優れ、かつては電機の絶縁油、熱媒体等に多用されたが、人体に対す
る毒性が強く、蓄積されやすいため、現在製造・使用禁止。世界保健機関(WHO)
30万DWT以上のものはULCC(Ultra Large Crude Carrier)と言うことが
多い。その他の商船の船型には以下のようなものがある。
名称
パナマックス
は環境ホルモン(外因性内分泌撹乱物質)の可能性を指摘しており、廃棄物処
理法、PCB特別措置法、PRTR法などの法令の規制対象。
■ P&I保険:Protection and Indemnity Insurance
船主責任保険
対象船種
タンカー/
バルクキャリア−
スエズマックス タンカー
船舶の所有、賃貸運航に伴う事故による経済的損失を相互に補填しあうもの。
JAPAN P&I保険などがある。
飯野海運 安全・環境報告書2006【資料・継続的報告編】
最大幅は32.31mであるため、通常は船幅を32.2mとしている。
一般的には6∼7万DWT程度。
スエズ運河を満載状態で通航できる最大船型で14∼15万DWT
程度。
Average Freight Rate Assessmentの略。元々は79,999DWT
アフラマックス タンカー
のタンカーの呼称だったが、現在では、8∼10万DWTクラスの
ことを言う。
油濁等の第三者に対する責任、船員の死傷に対する賠償、あるいは積荷に関す
る責任を担保することを目的に、船舶所有者や運航者が相互保険組合を組織し
内容
パナマ運河を満載状態で通航しうる最大船型。通航可能な船舶の
南アフリカ共和国のリチャードベイ港に入港可能な15∼20万
ケープサイズ
バルクキャリア−
DWTクラスの鉱石・石炭船の総称。満載喫水が18.1mに制限さ
れる。
ハンディ・バルカー バルクキャリア− 世界の殆どの港に入港できる2∼5万DWTクラスの貨物船の総称。
38
用語集
あ
す
Glossary
■ アスベスト:asbestos 石綿(イシワタまたはセキメン)
■ 建築物における衛生的環境の確保に関する法律 (ビル管法)
天然に産する珪酸マグネシウム塩を主成分とする鉱物繊維。耐熱性、断熱性、
特定建築物等(延床面積3,000m2以上など)
の維持管理などについて定める法
不燃性、耐薬品性、耐摩耗性等に優れ、安価であることから、保温材・断熱材
律。特定建築物については、知事への届出、建築物環境衛生管理基準に基づく維
等の建築資材や工業資材として広く用いられてきた。ところが、空気中に飛散
持管理、建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)の選任を義務付けている。
するアスベストによる中皮腫、肺がん、胸膜肥厚などの人の健康被害が明らか
管理基準は、空気環境の調整、給水および排水の管理、清掃およびねずみ等の
になり、WHO(世界保健機関)がアスベストを発がん物質と断定した。日本
防除について定めている。このうち空気環境の調整の基準については、最低基
でも、大気汚染防止法、建築基準法、廃棄物処理法等が改正され、アスベスト
準ではなく指導目標的基準である。
の飛散防止対策、アスベスト含有吹付材等の使用規制、アスベスト廃棄物の溶
融無害化処理などが義務付けられている。
■ コージェネレーション:Cogeneration 熱併給発電
発電と同時に発生した排熱を冷暖房や給湯、蒸気等の供給に有効利用すること
■ インタレスト・カバレッジ・レシオ:Interest Coverage Ratio
により、総合熱効率の向上を図るエネルギー供給システム。火力発電等の従来
一般に(営業利益+受取利息・配当金)/(支払利息+手形割引料)で算出される。
の発電システムのエネルギー利用効率は40%程度で残りは排熱として失われ
当社においては、営業キャッシュフロー/利息の支払額で算出している。企業
ていたが、コージェネレーションシステムでは最大80%の高効率利用が可能
の通常の営業活動により得た利益が支払利息の何倍になっているかを示し、そ
と言われている。一般には、原動機(ガスエンジン、ガスタービン、ディーゼル
の企業の金利負担能力を表す。一般に、この値が大きければ債権者にとって安
エンジン等)により発電し排熱も利用するシステムが多いが、水素と酸素を化
全性が高く、企業は有利な条件で資金調達できる。社債の格付け時にはこれが
学的に反応させ電気を取り出し排熱も利用する燃料電池もコージェネレーショ
有力な指標の一つとして用いられる。
ンシステムの一種であり、次世代のシステムとして注目を集めている。
■ 汚染負荷量賦課金
■ サステナビリティ:Sustainability 持続可能性
公害健康被害の補償等に関する法律(公害健康被害補償法)で定められている
現在の経済・環境・社会のニーズのバランスを取り、将来世代のニーズを犠牲
大気汚染による気管支ぜん息等の健康被害の補償のための事業者の負担金。同
にしないことで実現する。1987年、環境と開発に関する世界委員会により「持
法で定める「相当範囲にわたる著しい大気の汚染が生じ、その影響による疾病
続可能な開発」(Sustainable Development)の概念が提唱され、1992年
が多発している地域」(第一種地域)として41地域が指定されていたが、大
の地球サミットによるリオ宣言で世界的な方針として採用された。
気汚染の状況等を踏まえ昭和63年3月1日に第一種地域の指定は全て解除され
た。既認定者の補償等のために制度は維持されており、昭和62年4月1日にお
いて硫黄酸化物(SOx)を排出し得るばい煙発生施設等が設置されていた工場・
事業場が賦課金の納付義務者とされている。賦課金には過去分と現在分があり、
■ サブスタンダード船
安全な航行に必要とされる船の構造や設備、船員の資格、管理責任等の点で国
際的な安全基準を満たしていない船のこと。
その割合は6:4とされている。現在約8,500の事業所が汚染負荷量賦課金を
■ 仕組船
負担している。過去分賦課金額は、昭和57年から昭和61年までのSOx累積換
外航海運会社が、パナマ、リベリア等の便宜置籍国に設立した子会社を通じて
算量に政令で定める過去分賦課料率を掛けて算出される。なお、補償に係る費
建造し、登録、保有させ、外国人船員を配乗させて用船(チャーター)する船
用の8割分はこの汚染負荷量賦課金として徴収し、残りの2割分については自
舶のこと。税金の軽減、法規制の緩和などの利点がある。
動車の負担分として自動車重量税収の一部が引き当てられている。
■ 自己資本比率
■ 温室効果ガス:green house gas
自己資本/総資産で算出される。総資産に占める自己資本の割合であり、自己
地球温暖化の原因となる気体の総称。太陽により暖められた地表より放射され
資本は返済されるべき他人資本(負債)の担保になるという考え方から、この値
る赤外線を吸収し熱エネルギーとして蓄積して地表付近の大気を暖める「温室
が高いほど、経営が健全であると言われている。
効果」作用を有することから、こう呼ばれる。二酸化炭素CO2、メタンCH4、
一酸化二窒素N2O、代替フロンであるハイドロフルオロカーボンHFC、パー
■ 資産の流動化(オフバランス化)
フルオロカーボンPFC、六フッ化硫黄SF6の6種類がある。
資産の流動化とは、その資産を他の資産と切り離しその資産の価値や生み出す
■ 稼動延べトン
貨物輸送の運航量を示す単位。積貨重量トン×月間航海日数/30日で算出。
キャッシュフローを裏付けとして資金調達すること。企業の信用力ではなく、
資産の信用力により資金調達することとも言える。オフバランス化とは、貸借
対照表(バランスシート)の資産の部から特定の資産を除外することを言う。オ
■ 環境品質原価計算
フバランス化により、ROA(総資産利益率)の上昇など資産効率の向上につなが
品質原価計算で用いられるコストの基本分類を環境会計に適用したもので、経
る。通常の場合、資産の流動化によりオフバランス化になる。
済産業省「環境管理会計手法ワークブック」で紹介されている手法。品質原価
計算で外部失敗コストに相当する「外部負担環境ロス」は、地域社会や消費者、
さらには現時点では負担者そのものが特定できない損失と定義し、企業自らが
負担する損失である「内部負担環境ロス」と明確に区分したことが特徴。
■ ジョイセフ:JOICFP Japanese Organization for
International Cooperation in Family Planning
財団法人ジョイセフ(家族計画国際協力財団)
1968年4月に「開発途上国に人口・家族計画・母子保健に関する研究及び研究
■ 危機
の助成ならびに必要な援助を行い、もって関係地域住民の福祉の向上の増進に
事業体が有する人・物などの有形資産、情報やブランド・社会的信用などの無形
寄与すること」を目的に、外務省・厚生労働省の認可法人として設立された財
資産に重大な損失が発生または発生する可能性が高まった事態。また、事業体
団法人。日本政府および国際協力機構(JICA)ならびに国連人口基金(UNFPA)、
の経営や活動継続に重大な影響が発生、または発生する可能性が高まった事態。
国際家族計画連盟(IPPF)等との共同事業実施機関でもある国際協力専門機関
■ 危機管理
である。2001年、国連人口賞を受賞。使用済みプリペイドカードや切手を活
危機に直面し緊急事態が発生した場合に備えて、事前の対策を検討・実施し、
実際の緊急時における対応策を検討・徹底しておくことにより、損失の最小化
用した国際協力キャンペーンも推進しており、1993年12月∼2006年9月4
日の使用済みプリペイドカード収集枚数の総計は71,535,774 枚に上る。
と早期の事業復旧を図るための企業活動。主に突発的に発生する危機を対象と
■ スラッジ:sludge
することから、あらゆるリスクを対象とするリスクマネジメントよりは狭い概
船舶の貨物油や燃料油、潤滑油中の不純物のこと。タンクの底部に堆積するこ
念と言える。
とが多い。
■ 喫水:draft
船体の水中に没している部分の深さ。船の最下点から水面までの垂直距離。
飯野海運 安全・環境報告書2006【資料・継続的報告編】
39
用語集
す
り
Glossary
■ スロップ:slop
■ 品質原価計算
原油や重油等を揚荷した後のタンククリーニングによって発生した油水混合液
PAF法(Prevention-Appraisal-Failure Approach:品質コストの基本分類)
(スロップ水)をスロップタンクに集め、水切りをした後残った油分のこと。
という枠組みを通じて品質に関連するコストを分類した上で、品質低下・不良発
陸揚げ処分される。
生の予防コストや品質評価コストを投下して、内部失敗コスト(社内での品質不
■ 船級:Class
船舶に付与された等級のこと。保険契約や用船契約等を円滑に行うための国際
良ロス)や外部失敗コスト(社外で発生した品質不良ロスへの対応コスト)をゼロ
にすることを目指す手法。
的な標準となる。船級協会(中立的な立場で船舶を検査し証明する民間の非営
■ フロン
利団体)が機関、船体、艤装品等を一定の基準に基づいて検査し、船級を決定
メタンやエタンなどの低級炭化水素の水素を塩素やフッ素で置換した化合物(CFC、
する。船級協会には、日本のNK、英国のLRS、米国のABS、フランスのBV、
HCFC、HFC)の総称(日本独特の慣用的な名称)。不燃性で熱的・化学的に
ノルウェーのDNV、ドイツのGL等がある。
安定で、強い毒性も認められないことから、かつては冷媒や半導体等の製造過
■ ダイオキシン:dioxin
程での洗浄剤、スプレーの噴霧剤、プラスチックの発泡剤などに多用された。
人工物質の中で最も毒性が強い物質。主に廃棄物の焼却・燃焼過程で発生し大
気中に排出されたり、焼成灰に含まれる。金属精錬や化学品製造過程でも副次
的に生成され、また森林火災や火山活動でも発生する。発ガン性があり、奇形
や免疫力低下の原因ともなる。わが国国内においては、1997年8月に大気汚
染防止法施行令の改正が行われ、現在取りうる限りの厳しい規制基準が定めら
れている。
しかし大気中に放出されたフロンによるオゾン層破壊作用が指摘されたため国
際的に規制されることとなった。
フロンのうち水素を含まないものをクロロフルオロカーボン(Chlorofluorocarbons:CFCs)と呼ぶ。このうちオゾン層保護のため国際条約により規制の
対象となっているフロンのことを特定フロンと呼び、日本でもオゾン層保護法
が制定され15種類のCFCsが1996年までに全廃された。この特定フロンの
代替品として開発されたのが代替フロンであり、ハイドロクロロフルオロカー
■ ダブルハル:二重船殻(船体)構造
ボン(HCFC)やハイドロフルオロカーボン(HFC)はその代表である。しか
衝突や座礁などで船体に多少の損傷を受けても貨物油が流出し海洋汚染につな
しHCFCはオゾン破壊係数がゼロではなく、またHFCはオゾン破壊係数はゼロ
がらないように、タンカーの船体を二重構造にすること。1992年3月にIMO
だが高い温室効果を持っている。
において、MARPOL73/78条約附属書 I の一部改正が採択され、1993年7月
に発効した。1993年7月以降に建造契約が締結される/1994年1月以降に
■ 便宜置籍船:FOC Flag of Convenience
起工・改造に着手される/1996年7月以降に竣工・引渡される、600DWT以上
所有権や管理者が、掲げている旗の国とは別の国である船舶のこと。固定資産
の石油タンカーのダブルハル化が義務付けられた。
税や登録税等の税金の軽減や賃金の安い外国人船員の雇用による船員費の削減
■ 堪航性:seaworthness
を目的に先進国の船主が、パナマ・リベリア・キプロス等の諸国に便宜的に置籍
した船舶を言う。
船舶が安全に航海できる性能、能力のこと。
■ トリム:trim
船舶の喫水の状態。特に船首・船尾喫水の差。船体の前後の傾きを表す。
■ ポート ステート コントロール:PSC Port State Control
船舶が寄港する国が入港船舶に対し、船舶設備や乗組員の資格等について国際
条約の基準に適合しているか検査すること。地域ごとの検査手順の統一と検査
■ ナイトパージ:night purge
情報の集中化のために、
Paris MOU(欧州地域)、Tokyo MOU(アジア太平洋地
一般に春・夏・秋には、昼間に建物の外壁・躯体に蓄えられた熱が夜間に室内
域)
等、世界で8つのMOU(Memorandum of Understanding)が結ばれている。
温度を上昇させる。ナイトパージは、夜間(Night)の涼しい外気を屋内に直
Tokyo MOUは1993年12月に採択された覚書で、アジア・大平洋地域の18
接導入して、昼間の室内発熱を除去(Purge)するとともに、躯体・室内に蓄
の国・地域が参加している(2005年8月現在)。
冷して朝方の空調立ち上がり負荷を軽減する自然エネルギー利用システム。動
力を用いずに外気導入による自然換気を行うことでエネルギーの節約になる。
■ ホルムアルデヒド:formaldehyde
化学式HCHO。各種合成材料の原料として使用される。身近では壁紙、家具、
■ ハザードリスク:hazard risk
合板などの接着剤の原料として使われ、ここからホルムアルデヒドが長期にわ
ハザードとは偶然性の強い外的なリスク要因を意味し、ハザードリスクとは、
たり放散されてシックハウス症候群の原因物質になる。発癌性も指摘されてお
地震、台風、水害等の自然災害や、火災や戦争・テロ等の事故・事件など主に外
り、厚生労働省による室内濃度指針は0.08ppm以下とされている。ビル管法、
的要因で突発的に発生するリスクを指す。
大気汚染防止法、PRTR法などの法令の規制対象。
■ バラスト水:ballast 水
■ マニフェスト:manifest
船体の姿勢制御や復元性確保のためにバラストタンクに積載される海水のこと。
産業廃棄物管理票。廃棄物処理法によって定められ、排出事業者が産業廃棄物
船舶の安全運航には不可欠のもの。バラスト水は、通常、揚荷港で注入され積
の運搬・処理・処分のプロセスを最後までチェックするために交付する複写式
荷港で排出されるため、バラスト水の移動に伴って、これに含まれる微小生物
伝票。このほか条例等の定めによる一般廃棄物管理票がある。
(バクテリアやプランクトン)や魚類の卵・幼生などが地球規模で移動してい
ると言われている。これらが、新たな環境で定着すれば、その海域の生態系や
水産業等への影響が問題となり、また一部の病原菌による人体の健康への直接
影響も指摘されている。このため、IMOにおいて、2004年2月「船舶のバラ
スト水及び沈殿物の規制及び管理のための国際条約」が採択された。30ヶ国
以上の批准、かつ合計船腹量が世界の35%を超えてから1年後に発効する。
■ ハロン
臭素を含むハロゲン化炭素の一種。オゾン層破壊物質の一つで、フロンよりも
破壊力は強い。不燃性で安定しており毒性も少ないことから、消火剤として広
く使用されてきた。先進国においては1994年以降の製造は禁止され、CO2消
火設備等への転換が進められている。
■ ビルジ:bilge
■ メジャー オイル インスペクション:Major Oil Inspection
メジャー(石油の探鉱・精製から販売までを行う国際石油資本)が、原油や石
油製品の輸送を委託する際に、独自に定めた安全運航に関する基準に基づきタ
ンカーを検船する仕組み。
これに合格することが契約の条件となる。
■ リスクマネジメント:Risk Management
事業体を取り巻くあらゆるリスクを対象とし、リスクの回避・予防策と発生時
の損失軽減策を検討・実施し、事業継続と持続的発展を確保していくための経
営活動。
※海運業関連の用語の一部については、
(社)日本船主協会のホームページを参考にさせ
ていただきました。
青字は海運業関連、茶字は不動産関連、黒字は共通の用語を示します。
船底に溜まった油水混合物のこと。
飯野海運 安全・環境報告書2006【資料・継続的報告編】
40
アンケート集計結果と対応
Communication
安全・環境報告書2004 アンケート
「安全・環境報告書2004」に対しても、
アンケート等で貴重なご意見を寄せていただきました。ご協力ありがとうございました。
ご指摘・ご要望に関する対応・回答
ご指摘・ご要望の概要(一部)
全体として文字が小さいように感じた。
「ビジョンと戦略」の図で、企業と社会の持続性の関係につい
全
体
経
済
性
等
安
全
性
そ
の
他
−
当社は、企業の存続と社会の持続性の統合が重要な課題だ
と考えています。
1冊で会社の全体像が解り、良いと思う。但し、
「安全・環境性
2006年版の印刷物はコンパクトにしましたが、資料・継続的
報告」の内容が薄くならないようにすべき。
報告編(Web)で継続的な報告に努めています。
安全だけが突出しているように見える。もっと会社の全体像
(方針・計画等)を示した上で報告する方が良いのではないか。
1、11
−
安全を含んだ当社のマネジメントプログラムの全体像を記載
しています。
各取り組み項目の目標(単年、中長期)を開示されるとより良
マネジメントプログラムの全体像を海運・不動産業の取り組
いと思う。
みの冒頭に記載しています。
取り組みに対する評価が定性的なものが多く、今後は定量的
マネジメントプログラムの達成評価を極力定量的に行いまし
な評価が必要。
た。今後は目標設定の定量化にも努めて参ります。
責任ある立場の人たちだけでなく、担当する社員の生の声を
今回も責任者の声明を重視しています。社員の声については
掲載した方が良い。
資料・継続的報告編(Web)に一部掲載しました。
中期経営計画の分析・検討の概要記載があれば良かった。
中期経営計画の進捗状況について数値も含めて記載しました。
最近は、特にコンプライアンスの充実が図られているかどうか
コーポレートガバナンスの三委員会体制の中でコンプライア
が問われており、その記載があると良い。
ンスについて記述しました。
海運業だからか環境面よりも安全に記述が多いと思った。
今後も経営理念の第一「安全の確保が社業の基盤」を基軸に
これまで安全を数字で表現したレポートを見たことがなかった。
置いて継続的に報告していきます。
「安全・環境会計」は分かりにくく、再検討が必要と思う。
安全・環境会計の意義や考え方について資料・継続的報告
いずれ安全会計が普及すると思うが、先取りしている。今後も
編(Web)で詳述しました。また安全・環境報告書2006で
継続し、時系列比較すると良い。
は公表開始年度との比較を行いました。
事故事例など不利益情報を開示し、対応策まで記載している
事故はゼロにすることが目標ですが、そのための取り組みお
ので誠意を感じた。
よび事故への対応については真摯に報告します。
グリーン購入に対する記述がないのが気になった。
マネジメントプログラムのページとWebで報告しています。
15∼16
21∼22
15∼20
20
6
7
−
13∼14
9∼14
19
22、16、20
資料・継続的報告編(Web)で報告を継続しています。
29
環境新技術などの面が薄いと思った。
今回は「ターボリング」を紹介しています。
17
全体としてのマテリアル/エネルギー・バランスのフローを
これまでも安全・環境会計の中で示してきましたが、
より明確
掲載すべき。
なフローに表現しました。
新しい汐留ビルの環境対策を次回で詳述してほしい。
今回4ページにわたる特集として詳細に記載しました。
封筒の半分を再利用した返信用封筒は環境への配慮を考え
今回も同様の封筒を利用しています。この封筒を使ってご意
ていて良い。
見をいただけたら幸いです。
社会性報告は手薄。外国人の雇用が多いが、雇用体系や労務
外国人が大きな割合を占めている船員について特にページ
管理状況の詳しいデータを公開すべき。
を割いて報告しました。
外国人船員のコメントやPOBARの詳しい情報が欲しい。
海外での船員の研修について記述しました。また船員の労働
と思うので、
も少し大きく扱っても良いと思う。
社
会
性
関連ページ
て企業の持続性が優先しているように見えて疑問。
バラスト水の問題は、CO2削減以上に影響が大きな環境問題
環
境
性
当社の対応・回答(主として2006年版)
レイアウト・字の大きさを改善し、読みやすさに配慮しました。
「健康」や「国籍・人種・性別」への取り組みを知りたい。
安全衛生については定量的な指標を含めて報告しました。
16、22
23∼26
−
27
27、22∼23
NPO・学生など専門家以外のからの意見を座談会形式で聞け
今回汐留ビルについての座談会を開催しました。今回も専門
23∼26
ば、
報告書自体の読みやすさなどへの素直な評価が出ると思う。
家のご意見でしたが、
今後別の立場の方の参加も検討します。
31∼32
用語集が充実しており参考になった。
今回も充実し、資料・継続的報告編(Web)に掲載しました。
37∼40
第三者意見は、業種とは全く異なる分野あるいは専門家が良
今回は第三者意見を頂き、
さらにグリーンアワード財団からコ
いのではないか。
メントをいただきました。
31∼32
様々なジャンルのステークホルダーからの声が書かれており、
今回はこれまでとは異なった形でステークホルダーの方々に
23∼26
素晴らしい。
参画いただきました。
31∼32
ステークホルダーの声は内容がバラバラで分かりにくい。
今回は汐留芝離宮ビルディングにテーマを絞り、関係者の座
ミーティングを開き、そこでの意見を記載した方が良い。
談会形式でミーティングを開催しました。
23∼26
※関連ページの番号の黒色の字は「安全・環境報告書2006」、青色の字は【資料・継続的報告編】
(Web版)を示す。
飯野海運 安全・環境報告書2006【資料・継続的報告編】
41
アンケート集計結果と対応
Communication
安全・環境報告書2004 アンケート
アンケート集計結果(回答数42 2006年8月末現在)
わかりやすさ
報告書記載内容
ややわかりにくい
5%
(2)
どちらともいえない
14%
(6)
当社の取組み内容
どちらともいえない
2%
(1)
どちらともいえない
2%
(1)
やや役に立つ
31%
(13)
わかりやすい
50%
ややわかりやすい
(21)
31%
(13)
「安全を重視した編集方針」
評価できる
74%
(30)
やや評価できる
15%
(6)
「安全・環境会計」公表の試み
海運業の安全・環境性報告
7
危険要因・環境負荷の全体像
7
安全・環境会計
マネジメントシステム
テーブルトップドリル(机上訓練)
不要または分かりにくかった記事
4
4
3
特になし
あまり評価できない
2%
(1)
評価できる
62%
(26)
報告書を読んだ立場
企業の環境 ・CSR担当
株主・投資家
10
9
3
2
安全・環境会計
1
学生
海運業の環境負荷
の全体像
1
環境・CSR専門家
3
用語集
1
環境団体・NPO
3
サステナビリティ図 ・ガバナンス体制図
1
取引先
3
地域別売上高
1
研究・教育機関
CSR先進企業からの
メッセージ
1
その他
4
2
安全・環境に関する組織
2
通峡自主規制
2
ステークホルダーの声
1
経済性報告
1
事故分析と再発防止
1
社会性報告
1
海運業・不動産業の安全性報告
1
ステ−クホルダーと当社の関係性
1
その他
どちらともいえない
12%
(5)
やや評価できる
24%
(10)
評価できる
78%
(32)
ステークホルダーの声
評価できる
70%
(29)
ステークホルダーの意見掲載
評価できない
2%
(1)
やや評価できる
15%
(6)
特に興味を持った記事
安全・環境性報告全般
やや評価できる
26%
(11)
役に立つ
67%
(28)
あまり評価できない
どちらともいえない
2%
5%
(1)
(2)
どちらともいえない
2%
(1)
やや不十分
2%
(1)
2
2
8
(複数回答あり)
安全・環境報告書2005 アンケート
安全・環境報告書2006に記載し切れなかったご指摘・ご要望に関する対応・回答
ご指摘・ご要望の概要(一部)
ROA(総資産利益率)を指標に取り入れたらどうか。
当社の対応・回答(主として2006年版)
当社では現在ROE(自己資本利益率)を中期経営計画上の指標とし
て選択しています。
中南米は営業先にならないのか。
当社は極東-中東航路などで独自の地位を築いていますが、大西洋お
よび南米航路も拡大しています。
海運・不動産という「安全」が最優先される業界で「安全」を
今後も経営理念の第一「安全の確保が社業の基盤」を基軸に置いて
前面に出したレポートは非常に分かりやすく、
かつ重要なこと
継続的に報告していきます。また、取り組み自体のレベルを一層高め
と思う。これからも安全への取り組みを期待する。
ることに努めます。
飯野海運 安全・環境報告書2006【資料・継続的報告編】
関連ページ
6
2
−
42
ガイドライン対照表
Guideline Index
GRIガイドライン対照表
項目
記載ページ
項目
記載ページ
項目
EN14 主要製品・サ−ビスの環境影響
供給業者
1.ビジョンと戦略
EC3 全調達品の総コスト
×
EN15 再生利用可能製品比率・再生利用率
EC4 合意条件での支払済契約の割合
12
法の遵守
2.報告組織の概要
EC11 組織別国別供給業者内訳
×
EN16 環境規制違反に対する義務・罰金
組織概要
従業員
1.1
組織のビジョンと戦略
1.2
最高経営責任者の声明
1
3-4
EC5 給与等の国・地域別の内訳
記載ページ
16,22
―
O
輸送
EN34 物流輸送の重要な環境影響
―(本業)
2.1
報告組織の名称
2.2
主な製品やサービス
2
2.3
報告組織の事業構造
1-2
2.4
主要部門、子会社等
3
2.5
事業所の所在国名
1 1
公共部門
2.6
企業形態(法的形態)
1 1
EC8 支払税額の国別内訳
12
雇用
2.7
対象市場の特質
EC9 助成金等の国・地域別内訳
×
LA1 労働力の内訳
2.8
組織規模
1,2,6,12 1,7-8 EC10 地域社会・団体等への寄付
12
LA2 雇用創出総計と平均離職率
×
2.9
ステークホルダーのリスト
O
LA12 従業員に対する法定以上の福利厚生
×
1 1
1-2
11
2.11 記載情報の報告期間
EC6 投資家・株主への配当
EC7 内部留保の増減
EC12 非コア領域のインフラ整備支出
34 裏
表 表、3
3
14 3,10
2.17 GRI原則・規定非適用の決定
3
2.18 コスト・効果の算出規準・定義
13 10
3,10
2.20 正確性等保証の方針・取組
4 3,15
2.21 第三者保証書の方針・取組
4,32
2.22 追加情報報告書の入手方法
34
3.統治構造とマネジメントシステム
×
EN3 直接的エネルギー使用量
EN4 間接的エネルギー使用量
EN17 再生可能エネルギーの使用・
エネルギー効率向上に関する取組
EN19 他の間接的エネルギー使用
×
独立取締役の割合
2
EN20 影響を受ける水源・生態系等
3.3
専門的知見取締役選任プロセス
2
EN21 利用可能水量に占める取水量
3.4
リスク・機会の監督プロセス
7
EN22 水のリサイクル量と再利用量
3.5
役員報酬と目標達成度との相関
2
生物多様性
7,11 2,15
1,5
2
ステークホルダーの参画
3.9
主要ステークホルダーの定義・選出根拠
3.10 ステークホルダーとの協議手法
3.11 ステークホルダー協議からの情報
3.12 ステークホルダー情報の活用状況
EN6 生物多様性地域の土地・面積
LA16 従業員エンプロイアビリティ支援・
退職後生活への対処プログラム
29
プログラム
LA11 上級管理職・企業統治機関の構成
O
HR3 サプライ・チェーン、請負業者の人権
パフォーマンス評価等
×
EN26 自然生息地の改変・復元
×
HR8 人権問題に関する従業員研修
EN27 原生生態系保護・回復方針等
O
差別対策
×
HR4 差別撤廃方針、手順、プログラム
O
組合結成と団体交渉の自由
EN29 脆弱生態系地域等での事業
EN8 温室効果ガス排出量
3.15 主な加盟業界団体・提言団体
1
3.16 上下流影響の管理方針・システム
×
EN9 オゾン層破壊物質使用・排出量
3.17 間接的影響の管理取組
O
EN10 NOx、SOx、その他の重要放出物
3.18 所在地・事業内容変更の決定
3
HR5 組合結成自由の方針等
14,16,22
12,14,45-46
×
14,16,22
12,14,45-46
15-16,21-22 EN11 種類・処理方法別廃棄物総量
14,16,22
11 16-17,19 EN12 種類別主要な排水
14,22 12,14,46
EN13 化学物質・石油・燃料の漏出
19
EN30 間接的温室効果ガス排出量
×
5.パフォーマンス指標
EN31 有害廃棄物の生産・輸送・輸出入
×
経済的パフォーマンス指標(EC)
EN32 排水・流出で影響を受ける水源等
×
顧客
供給業者
EN33 供給業者の環境パフォーマンス
製品とサービス
×
×
×
5
×
児童労働
HR6 児童労働撤廃方針等
×
強制・義務労働
HR7 強制・義務労働撤廃方針等
×
懲罰慣行
HR9 不服申立についての業務慣行
12,14,29,34,45-46 HR10 報復防止措置と実効的な秘密保持・
15-20
7
×
5
×
6 7
×
方針とマネジメント
×
43-44
O
人権(HR)
EN25 自然保護区・脆弱生態系への影響
4.GRIガイドライン対照表
27-28
多様性と機会
14,22 12,14,46 LA10 機会均等方針・プログラム等
×
×
×
32-33 41-42 EN28 影響地域の絶滅危惧種数
飯野海運 安全・環境報告書2006【資料・継続的報告編】
LA9 従業員の年間平均研修時間
LA17 技能管理・生涯学習の特別方針と
14,22 12,14,46
O
×
教育研修
EN24 不透水性地表面の割合
33 41-42
EC2 市場の地域別内訳
×
LA14 ILO労働安全衛生指針遵守の立証
HR2 投資・調達決定時の人権配慮
放出物、排出物および廃棄物
EC1 総売上
10,19,27-28 23
LA8 HIV/AIDS方針・プログラム
HR1 人権問題方針・ガイドライン等
×
GRIガイドライン対照表
LA7 傷害・病欠・欠勤率、死亡者数
―
×
4.1
28
EN23 生産・採掘用の全土地
3.14 参加・支持する憲章・原則・提唱
3.20 マネジメントシステム認証状況
×
LA6 合同安全衛生委員会
28-29
EN7 生物多様性への影響内容
3.13 予防的アプローチ・予防原則
関わるプログラムと手順
LA5 労災・職業病の記録・通知慣行等
11
統括的方針およびマネジメントシステム
3.19 経済・環境・社会的パフォーマンスに
20,26
26,33,36
―
3.2
安全衛生
14,22 12,14,46 LA15 労働組合との安全衛生取決め等
EN18 主要製品生涯エネルギー消費量
EN5 水の総使用量
取締役会への株主による勧告の仕組
14,16,22
12,14,45-46
7
3.8
―
エネルギー
組織の統治構造
方針に責任を持つ組織構造と主務者
14,16,22
12,14,45-46
EN2 外部廃棄物の原材料使用割合
3.1
使命・価値声明、行動規範・原則、方針
20
水
構造と統治
3.7
労働/労使関係
×
EN1 種類別総物質使用量
O
12,27
LA13 経営に対する従業員参画規定
3
3.6
労働慣行と公正な労働条件(LA)
×
2.13 報告組織・報告内容の範囲
2.15 比較に影響する基礎的事柄
14 12,14
社会的パフォーマンス指標
LA4 運営変更時の従業員協議方針等
原材料
2.14 前回報告以降の重大な変更
EN35 種類別の環境への総支出
LA3 労働組合所属従業員割合
34
2.19 測定手法の変更
12
6,12 8
環境パフォーマンス指標(EN)
EC13 間接的な経済影響
2.12 前回報告書発行日
2.16 再報告の性質・効果・理由
その他全般
間接的な経済影響
報告書の範囲
2.10 問い合わせ先
12
投資家
苦情処理システム
×
×
<凡例>
数字 :安全・環境報告書2006の対応記述ページ
数字 :【資料・継続的報告編】の対応記述ページ
― :該当しない項目
O :未実施または件数0件の項目
× :対応記述していない項目
43
ガイドライン対照表
Guideline Index
GRIガイドライン対照表(続き)
項目
記載ページ
保安慣行
項目
記載ページ
HR11 保安担当職員への人権研修
×
先住民の権利
HR12 先住民ニーズへの取組方針等
HR13 共同運営している地域苦情処理制度
/管轄機関の記述
HR14 地元地域社会に再分配される営業収
入の割合
O
O
×
社会(SO)
SO6 独占禁止法令関連訴訟判決
12
SO7 不正競争防止の方針等
5
O
プライバシーの尊重
PR1 顧客の安全衛生保護方針等
PR4 顧客の安全衛生規制違反の件数と
×
PR6 自主規範、製品ラベル、受賞
SO4 社会・倫理・環境パフォーマンス表彰
×
製品とサービス
31
×
PR7 製品情報・品質表示規制違反の件数
O
と類型
×
PR8 顧客満足度に関する方針等
SO5 政党や政治団体への献金額
×
広告
O
情件数
×
PR2 商品情報・品質表示方針等
SO3 政治的ロビー活動・献金方針等
5
PR11 消費者プライバシー侵害に関する苦
O
類型
SO1 地域への影響管理方針等
PR3 消費者プライバシー保護方針等
5
規制機関への苦情報告件数
5
PR10 広告、マーケティングに関する法律違
顧客の安全衛生
政治献金
O
反の件数と類型
PR5 製品・サービスの安全衛生監督・
SO2 贈収賄・汚職に関する方針等
記載ページ
システムに関する方針等
製品責任(PR)
地域社会
贈収賄と汚職
項目
PR9 広告に関する規準・自主規範の遵守
競争と価格設定
15,21 5,17,19
<凡例>
数字 :安全・環境報告書2006の対応記述ページ
数字 :【資料・継続的報告編】の対応記述ページ
― :該当しない項目
O :未実施または件数0件の項目
× :対応記述していない項目
※ GRI「サステナビリティリポーティングガイドライン2002」の項目への対応状況を示します。
※「5.パフォーマンス指標」の黒色の字はGRIガイドラインの必須指標を、灰色の字は任意指標を示します。
※ 上表の各項目ごとの記述はキーワードを抽出したもので、各項目の意味を正確に表現したものではありません。
ガイドラインの具体的な内容は、以下のURLをご参照下さい。
http://www.globalreporting.org/
http://www.globalreporting.org/guidelines/2002/2002Japanese.pdf
環境省ガイドライン対照表
項目
記載ページ
1)経営責任者の緒言
2)報告に当たっての基本的要件(対象組織・期間・分野)
3)事業の概況
3-4,11
表,1-2,34,裏 表,1,3,裏
1-4,6,12 1,3,7-8
5)事業活動への環境配慮の組込に関する目標、
計画及び実績等の総括
6)事業活動のマテリアルバランス
7)環境会計情報の総括
1,5,7 15,18-19
11,14,16-18,22-26
16,18,20,45-46
16,22
9)環境に配慮したサプライチェーンマネジメント等の状況
10)環境に配慮した新技術等の研究開発の状況
11)環境情報開示、環境コミュニケーションの状況
12)環境に関する規制の遵守状況
13)環境に関する社会貢献活動の状況
低減対策
21)総排水量及びその低減対策
14,22 12,14,46
22)輸送に係る環境負荷の状況及びその低減対策
24)製品・サービスのライフサイクルでの環境負荷の
状況及びその低減対策
労働安全衛生に係る情報
34
13,15,17-18,21,25,27-28
11,13,17,19,23,32
5,27-28
地域の文化の尊重及び保護等に係る情報
O
環境関連以外の情報開示及び社会的コミュニケーション
O
の状況
23-26,31-34 41-42
―(本業)
22 16,20,36
5. 社会的取組の状況
人権及び雇用に係る情報
7-10,16,22 15-20
14,16,22
12,14,29,34,45-46
14 12,14
3. 環境マネジメントに関する状況
8)環境マネジメントシステムの状況
記載ページ
23)グリーン購入の状況及びその推進方策
2. 事業活動における環境配慮の方針・目標・実績等の総括
4)事業活動における環境配慮の方針
項目
20)廃棄物等総排出量、廃棄物最終処分量及びその
1. 基本的項目
広範な消費者保護及び製品安全に係る情報
29
34
−
15-16,18,20
政治及び倫理に係る情報
1,5,12
20 36
個人情報保護に係る情報
5
4. 事業活動に伴う環境負荷及びその低減に向けた取組の状況
14)総エネルギー投入量及びその低減対策
14,16-17,20,22,24,26
12,14,26,33,36,45-46
15)総物質投入量及びその低減対策
16)水資源投入量及びその低減対策
17)温室効果ガス等の大気への排出量及びその低減対策
×
14,22 12,14,46
14,16-17,20,22,24,26
12,14,26,33,36,45-46
18)化学物質の排出量・移動量及びその管理の状況
×
19)総製品生産量又は販売量
−
<凡例>
数字 :安全・環境報告書2006の対応記述ページ
数字 :【資料・継続的報告編】の対応記述ページ
― :該当しない項目
O :未実施または件数0件の項目
× :対応記述していない項目
※ 環境省「環境報告書ガイドライン2003年度版」の項目への対応状況を示します。
ガイドラインの具体的な内容は、以下のURLをご参照下さい。
http://www.env.go.jp/policy/report/h15-05/all.pdf
飯野海運 安全・環境報告書2006【資料・継続的報告編】
44
パフォーマンスデータ集
Performance Data
海運業
■安全に関するパフォーマンスデータ
主因別事故件数
主因
Man(人)
Machine(機械)
Media(情報/環境)
Management(管理)
合計
02年度
14
14
5
5
38
03年度
7
5
2
1
15
04年度
5
3
3
0
11
05年度
6
1
2
1
10
項目
飯野検船
02年度
46件
159隻
432日
実施件数
延べ隻数
延べ日数
安全監督
臨船
項目
事故種類
衝突
座礁
火災
浸水
海洋汚染<油・ケミカル>
甲板上漏油・ケミカル漏洩
機器損傷
死亡事故
行方不明
密航者
その他
合計
03年度
0.147%
0.073%
0.000%
0.000%
0.000%
0.147%
0.367%
0.000%
0.000%
0.073%
0.294%
1.102%
04年度
0.224%
0.075%
0.000%
0.000%
0.075%
0.075%
0.224%
0.000%
0.075%
0.000%
0.150%
0.898%
05年度
0.000%
0.129%
0.000%
0.000%
0.000%
0.000%
0.194%
0.000%
0.065%
0.000%
0.259%
0.646%
02年度
13件
18件
31件
03年度
10件
19件
29件
04年度
7件
9件
16件
03年度
71隻
69隻
2隻
2隻
関門海峡・来島海峡通峡実績
項目
05年度
50件
206隻
651日
04年度
69隻
67隻
2隻
2隻
05年度
91隻
90隻
1隻
1隻
(対象範囲:飯野海運(株)運航船)
03年度
28隻
34隻
62隻
関門海峡
来島海峡
合計
04年度
46件
168隻
467日
(対象範囲:IMS管理船)
02年度
62隻
59隻
3隻
3隻
受検数
合格数
不合格数
再受検合格数
04年度
19隻
11隻
30隻
05年度
23隻
6隻
29隻
船員の研修受講状況
研修
船員国籍
短期
安全
研修
傷病発生状況(傷病による下船者数)
01年度
5件
16件
21件
03年度
54件
190隻
485日
メジャーオイルインスペクション実績
事故種類別事故発生率
項目
職務傷
疾病
合計
:飯野検船はIMS管理船、安全監督
( 対象範囲
)
臨船は飯野海運(株)運航船、
IMS管理船等
飯野検船・安全監督臨船実績
05年度
7件
12件
19件
BRM
研修
対象者数
(06/3末)
日本
90名
韓国
フィリピン
その他アジア
日本
韓国
フィリピン
223名
904名
108名
49名
118名
82名
05年度
06/3末
06/3末
受講者数
既受講者数
既受講率
44名
60名
67%
(5名)
(62名)
(69%)
107名
169名
76%
100名
735名
81%
83名
58名
54%
4名
37名
76%
11名
106名
90%
3名
74名
90%
※( )内はKYTトレーナー研修
■環境に関するパフォーマンスデータ
燃料消費に関する投入と排出
分類
資源消費量
温室効果
ガス排出量
大気汚染物質
排出量
(参考)
(対象範囲:飯野海運(株)運航船)
項目(単位)
A重油(千t)
C重油(千t)
重油合計(千t)
CO2(t)
CH4(t)
N2O(t)
CO2換算合計(t)
原単位(kg)
NOx(t)
原単位(kg)
SOx(t)
原単位(kg)
稼動延トン(t)
01年度
10.0
203.7
213.6
662,225
60.0
32.1
673,428
49.1
18,585
1.35
12,884
0.94
13,719,877
オイルタンカーのダブルハル化比率
項目
ダブルハルタンカー隻数
シングルハルタンカー隻数
ダブルハル化率
02/3末
3隻
1隻
75.0%
04/3末
8隻
0隻
100.0%
02/3末
16隻
1隻
4隻
81.0%
03/3末
20隻
2隻
2隻
91.7%
04/3末
23隻
1隻
1隻
96.0%
02/3末
17隻
4隻
81.0%
03/3末
22隻
2隻
91.7%
04/3末
24隻
1隻
96.0%
06/3末
8隻
0隻
100.0%
(対象範囲:IMS管理船)
非ハロンガス消火装置装備率
項目
非ハロンガス消火装置装備船隻数
ハロンガス消火装置装備船隻数
非ハロンガス消火装置装備率
05/3末
8隻
0隻
100.0%
05/3末
25隻
2隻
0隻
100.0%
03年度
9.7
190.0
199.7
619,015
56.1
29.9
629,469
53.4
17,372
1.47
12,034
1.02
11,793,646
(対象範囲:飯野海運(株)運航船)
03/3末
4隻
0隻
100.0%
TF塗料(有機スズを含まない塗料)化比率
項目
TF塗料塗装船隻数
シーラーコート+TF塗料塗装船隻数
TBT(有機スズ)塗料塗装船隻数
TF塗料化率
02年度
9.1
200.7
209.8
650,372
58.9
31.6
661,409
57.4
18,253
1.58
12,541
1.09
11,525,378
04年度
05年度
9.9
10.7
181.3
204.7
191.2
215.4
592,775
667,893
53.7
60.5
28.6
32.2
602,755
679,161
53.2
57.4
16,635
18,743
1.47
1.58
11,690
12,444
1.03
1.05
11,340,160
11,839,801
※原単位はいずれも稼動延トン当りの排出量
船上生活系廃棄物排出量
項目
プラスチック・ビニール類
食物屑
ビン缶等
合計
(対象範囲:IMS管理船)
03年度
237.5m3
367.4m3
263.1m3
868.1m3
04年度
276.6m3
258.0m3
262.3m3
796.9m3
05年度
289.7m3
235.1m3
263.7m3
788.5m3
06/3末
26隻
3隻
0隻
100.0%
(対象範囲:IMS管理船)
飯野海運 安全・環境報告書2006【資料・継続的報告編】
05/3末
26隻
1隻
96.3%
06/3末
28隻
1隻
96.6%
※IMSはイイノマリンサービス(株)を示す。
45
パフォーマンスデータ集
Performance Data
不動産業
■安全に関するパフォーマンスデータ
訓練実施実績(2005年度)
訓練種別
ビル名
総合訓練
防火対象物定期点検報告制度 報告事業所数(飯野ビル)
消火訓練
地震訓練
項目
報告事業所数
放送訓練
備考
毎日
*1 消火栓放水訓練あり
年1回
年2回*1
年2回
(11/9・3/7)(5/24・10/12) (8/31)
年1回
年2回
東京桜田ビル
(9/1)
(11/11・3/1)
年1回
飯野富士見ビル
ー
(5/25)
年1回*2
飯野竹早ビル
ー
(11/17)
年1回
蒲田グリーンビル*3
ー
ー
(12/8)
年1回
笹塚センタービル
ー
ー
(9/27)
飯野ビル
ー
ー
テナント計画・実施
テナント計画・実施
*2 避難訓練と消火訓練
*3 2006年3月1日に売却
(このページ以下同様)
水質検査結果
(対象範囲:主要賃貸ビル)
2004年度
591/594( 99.5%)
594/594(100.0%)
594/594(100.0%)
2005年
71
2006年
74
(対象範囲:全所有・管理ビル)
項目
02年度 03年度 04年度 05年度
人的要因*5
10件
15件
18件
13件
設備要因
19件
11件
22件
4件
外部要因・不明*6
2件
3件
3件
3件
合計
31件
29件
43件
20件
テナント等によるもの
*5 当社グループ社員、業者、
*6 いたずら電話等
ー
空気環境測定結果(目標値達成地点数/測定地点数、達成率)
ビル管理法規定項目*4
2002年度
2003年度
空清 二酸化炭素含有率 565/583( 96.9%) 546/548( 99.6%)
気浄 一酸化炭素含有率 579/583( 99.3%) 548/548(100.0%)
度 浮遊粉塵量
578/583( 99.1%) 547/548( 99.8%)
*4「建築物における衛生的環境の確保に関する法律」で定める目標基準値
事故・トラブル発生件数
週1回
ー
2004年
73
2005年度
600/601( 99.8%)
601/601(100.0%)
601/601(100.0%)
(対象範囲:全所有・管理ビル)
02年度
03年度
04年度
05年度
検査結果*7 異常なし 異常なし 異常なし 異常なし
「水道法」および「建築物における衛生的環境の確保に関す
*7 検査項目は、
る法律」に定める項目
■環境に関するパフォーマンスデータ
電力購入に関する投入と排出(2005年度)
分類
テナント含む
ビル全体
自社負担分
(参考)
項目(単位)
電力購入量(kWh)
CO2排出量(kg)
電力購入量(kWh)
CO2排出量(kg)
延床面積(m2)
飯野ビル
12,321,780
4,583,702
6,415,229
2,386,465
76,808.82
東京桜田ビル
2,336,461
869,163
1,254,163
466,549
17,762.63
東京富士見ビル
1,576,968
586,632
866,196
322,225
10,674.86
飯野竹早ビル
525,690
195,557
265,446
98,746
4,736.37
蒲田グリーンビル
2,480,688
922,816
488,172
181,600
11,527.38
笹塚センタービル
2,283,816
849,580
898,085
334,088
11,973.11
飯野竹早ビル
笹塚センタービル
※CO2排出係数は東京電力2005年度の0.372kg/kWhを使用。
重油使用に関する投入と排出(2005年度)
分類
テナント含む
ビル全体
自社負担分
項目(単位)
特A重油購入量( )
CO2排出量(kg)
NOx排出量(kg)
SOx排出量(kg)
特A重油購入量( )
CO2排出量(kg)
NOx排出量(kg)
SOx排出量(kg)
都市ガス使用に関する投入と排出(2005年度)
東京桜田ビル
68,385
185
144
116
68,385
185
144
116
項目(単位)
都市ガス購入量(m3)
飯野ビル
東京桜田ビル
482,633
25
29,393
116,976
CO2排出量(kg)
1,003,713
52
61,127
243,270
NOx排出量(kg)
825
0.04
50
200
都市ガス購入量(m3)
482,617
25
29,393
116,976
CO2排出量(kg)
1,003,679
52
61,127
243,270
NOx排出量(kg)
825
0.04
50
200
※A重油からのCO2排出係数は「事業者からの温室効果ガス排出量算定方法ガイドライン(試案ver1.6)」
(環境省)から2.70963 kgCO2/ 、NOx排出係数は「平成14年度版 環境活動評価プログラム
(エコアクション21)」
(環境省)から2.10kg/k 、SOx排出係数は当社把握の特A重油比重と硫黄分含有率から算出。都市ガスからのCO2排出係数は地球温暖化対策の推進に関する法律施行令から
3
(環境省)から0.00171g/m3。
2.07966 kgCO2/m 、NOx排出係数は「平成14年度版 環境活動評価プログラム(エコアクション21)」
水の利用に関する投入と排出(2005年度)
分類
テナント含む
ビル全体
自社負担分
項目(単位)
上水利用量(m3)
井水・湧水利用量(m3)
水利用・排出量合計(m3)
下水排水量(m3)
減水等量(m3)
上水利用量(m3)
井水・湧水利用量(m3)
水利用・排出量合計(m3)
下水排水量(m3)
減水等量(m3)
飯野ビル
105,218
0
105,218
85,176
20,042
71,385
0
71,385
51,343
20,042
東京桜田ビル
15,908
6,635
22,543
20,030
2,513
11,488
6,635
18,123
15,610
2,513
東京富士見ビル
6,425
27
6,452
5,935
517
6,279
27
6,306
5,789
517
飯野竹早ビル
5,188
24
5,212
4,470
742
5,188
24
5,212
4,470
742
蒲田グリーンビル
9,438
0
9,438
9,438
0
9,393
0
9,393
9,393
0
笹塚センタービル
15,365
0
15,365
11,044
4,321
15,365
0
15,365
11,044
4,321
飯野ビル
1,336,835
37.9%
200,180
53.0%
1,537,015
39.9%
84,551
東京桜田ビル
244,135
56.7%
69,340
40.6%
313,475
53.1%
15,003
東京富士見ビル
48,126
69.2%
12,749
29.9%
60,875
61.0%
13,892
飯野竹早ビル
26,808
88.0%
3,814
100.0%
30,622
89.5%
409
蒲田グリーンビル
46,175
42.5%
24,740
21.5%
70,915
35.2%
400
笹塚センタービル
87,818
56.6%
22,314
23.7%
110,132
49.9%
0
廃棄物排出量(2005年度)
分類
項目(単位)
処理量(kg)
再生率(%)
処理量(kg)
産業廃棄物
再生率(%)
処理量(kg)
合計
再生率(%)
工事廃材(産廃) 処理量(kg)
一般廃棄物
※一般廃棄物および産業廃棄物はテナント排出分を含む合計。工事廃材(産廃)は産業廃棄物の外数であり、両者の合計が産業廃棄物処理量の総合計。
飯野海運 安全・環境報告書2006【資料・継続的報告編】
46
安全・環境報告書2006【資料・継続的報告編】
発 行 日
発 行
: 2006年9月30日
: 飯野海運株式会社
制作協力
編集・印刷
http://www.iino.co.jp
: 日本経営システム株式会社
: 丸中印刷株式会社
次回発行予定 : 2007年夏頃
飯野海運株式会社
ステークホルダー リレーションズ マネジメント・調査 グループ 安全環境室
〒100-8506 東京都千代田区内幸町二丁目1番1号
電話: 03(3506)3868 FAX: 03(3506)3064
電子メール:[email protected]
http://www.iino.co.jp/kaiun/ir/anzen.html
飯野海運はチーム・マイナス6%に参加しています。
www.team-6.jp
Fly UP