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ジカ熱・デング熱について

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ジカ熱・デング熱について
ジカ熱・デング熱について
ほけせん便り160号
保健管理センター
学校医 山本 勇
2016年5月発行
ジカ熱もデング熱も同じ種類の蚊で媒介されます。
国立感染症研究所
毎日新聞
厚生労働省検疫所
国立環境研究所資料より引用
ヒトスジシマカ(日本に生息しています、
ヤブカといわれています)
ネッタイシマカ(日本にはいません)
小頭症児
正常児
ジカ熱とは
ジカウイルスをもつヤブカ属のネッタイシマカやヒトスジシマカに刺されると感染することがあります。ジカウイルスはデングウイルスと同じ属のウイルスです。流行地域は中南米です。潜伏期間は
数日より1週間で、症状は発熱、発疹、結膜炎、倦怠感、頭痛などで、重くはなく、2-7日でおさまります。不顕性感染が80%あるといわれています。ブラジルでは妊産婦がジカウイルスに感染す
ると、明らかではありませんが小頭症児が多くなるといわれています。さらに運動神経の障害を起こし両手足に力が入らなくなるギランバレー症候群が多くなるといわれています。これは自己免疫
反応が関与しているといわれています。
ウイルスが見つかった地域
抗体保持者が認められた地域
ジカ熱の治療・予防
特別な治療法はなく、症状に応じた対症療法が行われます。
流行地域に行くときは、しっかりと網戸が取り付けられていてエアコンが備わっていて、蚊をしっかりと駆除しているところに滞在してください。長袖のシャツ、ズボンを着て、できるだけ皮膚の露出
部をすくなくしてください。屋外に出る必要のあるときにはディートなどの有効成分が含まれている虫よけを使用してください。
デング熱とは
蚊によって媒介されるデングウイルスの感染症であり、比較的軽症のデング熱と、重症型のデング出血熱があります。デングウイルス感染症がみられるのは、東南アジア、中南米、カリブ海諸国であ
り、全世界で年間1億人がデング熱を発症し、約25万人がデング出血熱を発症していると推定されています。病原体はフラビウイルス属のウイルスで媒介はヤブカ属のネッタイシマカやヒトスジシマカ
です。このウイルスには血清型が4種あり感染した型には抗体ができますが他の型にはできないことがおきます。かなりの割合で不顕性感染があり、50~80%といわれています。感染3~7日後、
突然の発熱で始まり、頭痛特に眼窩痛・筋肉痛・関節痛をともない、食欲不振、腹痛を伴うこともあります。発症後、3~4日後に胸部・体幹から始まる発疹が出現し、四肢・体幹へ広がり、1週間程度
で消失し、通常後遺症なく回復します。デング出血熱は発熱のおさまりかけのころに細かい点状出血を示します。さらに胸水、腹水が出現することもあります。さらに重症化し血小板の減少、血液が
固まりにくくなることが出現することもあります。
デング熱の治療・予防
通常のデング熱の場合には輸液や鎮痛解熱剤の使用にとどまることが多いのですが、ただしサリチル酸系の鎮痛解熱剤は出血傾向を助長することがあるためアセトアミノフェンが勧められま
す。蚊に対する対策はジカ熱に対してと同様で重要です。
ジカ熱もデング熱も同じ種類の蚊で媒介されます。感染そのものの症状は似ていますが、ジカ熱は胎児に影響したり、さらに自己免疫の機序を介して神
経症状をおこすことがあります。一方、デング熱では出血症状を伴う重症型が存在します。蚊に対しては十分な対策が必要です。
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