...

第10章 外資規制業種

by user

on
Category: Documents
8

views

Report

Comments

Transcript

第10章 外資規制業種
第10章 外資規制業種
1.規制 43 業種
外国人事業法は、3 種類合計 43 業種を列記して、それらの業種への外国資本 50%以上の
外国企業による投資を規制している。
図表 10-1 外国人事業法による規制 43 業種
Ⅰ種
絶対禁止
(1)新聞発行・ラジオ放送・テレビ放送事業、(2)農業・果樹園、
(3)畜産、(4)林業・自然木材加工、(5)漁業(タイ領海・排他的経済水域内)、
(9 業種)
(6)薬草採取、(7)骨董品(取引・競売)、
(8)仏像および僧鉢の製造・鋳造、(9)土地取引
Ⅱ種
禁止
【安全保障の観点から】
(ただし閣議の承
(1)製造・販売・補修(銃・銃弾・火薬・爆発物およびそれらの部品、武器
認のもと、商務
および戦闘用船・飛行機・車両、全ての戦争用備品・部品)、
大臣の許可を得
(2)国内陸上・海上・航空運輸および国内航空事業
た場合は参入可
【文化・工芸の保護の観点から】
能)
(3)骨董品・民芸品販売、(4)木彫品製造、
(5)養蚕・絹製糸・絹織布・絹織物捺染、(6)タイ楽器製造、
(13 業種)
(7)金銀製品・ニエロ細工・黒金象眼・漆器製造、
(8)タイ文化・美術に属する食器製造
【環境・資源の保護の観点から】
(9)サトウキビからの精糖、(10)塩田、塩土での製塩、(11)岩塩からの製塩、
(12)爆破・砕石を含む鉱業、(13)家具および調度品の木材加工
Ⅲ種
禁止
【競争力が劣っているタイ企業の保護の観点から】
(ただし外国人事
(1)精米・製粉、(2)漁業(養殖)、(3)植林、
業委員会の承認
(4)ベニア板・チップボード・ハードボード製造、(5)石灰製造、
のもと、商業省
(6)会計サービス、(7)法律サービス、(8)建築設計サービス、
商業登記局の許
(9)エンジニアリングサービス、
可を得た場合は
(10)建築業(ただし、一部省令で定めるものを除く)
参入可能)
(11)代理・仲介業(ただし、一部省令で定めるものを除く)
(12)競売(骨董品・美術品以外の国際間競売、その他省令で定める競売)、
(21 業種)
(13)国内農産物の国内取引、
(14)資本金 1 億バーツ未満、または一店舗あたり資本金 2,000 万バーツ
未満の小売業、
62
(15)一店舗あたり最低資本金 1 億バーツ未満の卸売業、(16)広告業、
(17)ホテル業(ただし、マネージメントを除く)、(18)観光業、
(19)飲食物販売、(20)植物の繁殖・品種改良、
(21)その他サービス業(ただし、一部省令で定めるものを除く)
(出所)BOI 資料より作成
2.現地調達比率規制
現地調達比率についての一般的な規制はないが、次の様な措置を講じることにより、現
地調達比率の向上に努めている。
図表 10-2 現地調達比率の向上のための措置
1
原材料・部品・完成品別に輸入関税率に差を設けて誘導。
2
投資奨励業種の認可要件として、付加価値率 20%が求められる。
(ただし、電子・同部品産業、農産品加工産業、BOI が特別に同意を与えた事業は除外)
3
BOI は、国内産業保護の目的で、輸入課徴金の設定または輸入制限ができる。
4
BOI は、投資奨励恩典を付与するに際し、原材料および部品等の可能な限りの国産品使用
を求める。
5
政府の行政指導ベースで、現地調達比率の達成状況によって特典が区分されている。
(例えば、繊維では国産原料の使用比率を考慮して輸出枠を定めている)
6
政府調達に当たって国産品の調達を促進。
(出所)BOI 資料より作成
63
ひとくちメモ (8):
中小企業向け賃貸工場
主要工業団地内には賃貸工場(レンタル工場とも言う)が大抵あり、直ぐに生産を開始したい、あまり
大きな工場はいらないといった中小企業には便利。タイの専業会社が工業団地内の土地を買って賃貸工場
を建てているケースと、工業団地運営会社が自ら手掛けているケースがある。いずれも工業団地管理事務
所で紹介してくれる。工場内には、事務所、駐車場のほか、シンプルなものであるが販売用店舗、住居ス
ペース、食堂等が整備されているものもある。利用にあたっては権利の範囲、ユーティリティ負担の要否、
追加コストの要否などを確認することが大切。増設に対応しにくいこと、5 年以上操業した場合にコスト
的に割高になることもある点に注意が必要。買取特約を付けることも出来る。
なお、工業団地運営会社から、法改正・運用方法等の変更に関する有益な情報が提供されることはあま
り期待できない。日本企業は、タイ人労働者を通じて、法改正に関する不確かな情報を得ることが多いが、
工業団地運営会社に問い合わせても適切な情報を確認できるとは限らない。そのため、法令改正等の情報
に関しては、操業後も引き続き自分でアンテナを張る必要がある。
レンタル工場の並ぶ工業団地の一角
64
Fly UP