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経済産業省 商務情報政策局 情報経済課 電子商取引及び情報財取引等

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経済産業省 商務情報政策局 情報経済課 電子商取引及び情報財取引等
経済産業省 商務情報政策局 情報経済課
電子商取引及び情報財取引等に関する準則 ご担当者様([email protected])
「電子商取引及び情報財取引等に関する準則改訂案」に対する意見
氏名:
日本弁理士会
住所:
〒100-0013 東京都千代田区霞が関 3-4-2
電話番号: 03-3519-2703
FAX:
03-3581-1205
Email:
[email protected]
意見:
1
(1)該当箇所
準則案の148頁の論点(例)2に対する、149頁の回答「
(2)例2の場合」
について
(2)意見の内容
結論として「ウェブサイト上の広告について、日本の裁判所において商標権侵
害に基づく請求は、認められないこととなると考えられる。」と記載があるが、
この記載からは、広告行為一般が全く問題がないかの如く読めてしまう。広告
行為の態様によっては、輸入行為とは切り離して、商標権侵害あるいは不正競
争防止法違反を構成する場合(あるいは議論する場合)もあり得る。
したがって、もう少し記載を緩和し、例えば「基本的には、認められないと考
えられる。」程度の方がよいのではないか。
(3)理由・根拠
「流通・取引慣行に関する独占禁止法上の指針」
(公正取引委員会公表)の「第
三並行輸入の不当阻害」には、価格維持を図るための不当阻害の違法性につい
て指摘しつつも、その前提として、
「並行輸入品の広告宣伝活動の態様によって
は商標権を侵害したり、また、広告宣伝の類似性などから総代理店の営業との
間に混同が生じて不正競争防止法に違反することがある」との記載がある。
これは、商品の輸入行為に着目した場合には、その行為が実質的違法性を欠く
としても、広告宣伝の態様によっては、侵害等の理論構成が成り立つことを示
すものではないか。
2
(1)該当箇所
改定案107頁~112頁の「Ⅲ-9 ユーザーの知的財産権譲受人への対抗」に
ついて。
(2)意見の内容
同109頁、110頁に説明されているように、当然対抗(特許法 99 条)が導入
された特許権と、この規定に該当する規定がない著作権法との対比はその通り
であり、その指摘は重要であると思われる。
(3)理由・根拠
特許権については、特許法の改正により、当然対抗が導入された。
3
(1)該当箇所
改定案107頁~112頁「Ⅲ-9 ユーザーの知的財産権譲受人への対抗」につ
いて。
(2)意見の内容
「譲受人の著作権を侵害しない限り、情報財の使用を継続することができると
解される。」(109頁)との記載についてはその通りだが、その契約に基づく
制約が譲受人に引き継がれない旨の明記が必要だと思われる。
(3)理由・根拠
多くはいわゆるクリックオンライセンスに基づいてユーザー(ライセンシー)
と譲渡人との間に使用許諾契約が結ばれている場合が多いと思われ、一定の要
件を満たさないと契約上の地位が譲受人に引き継がれないため。
4
(1)該当箇所
改定案107頁~112頁の「Ⅲ-9 ユーザーの知的財産権譲受人への対抗」に
ついて。
(2)意見の内容
改定案107頁の『②知的財産権のみが譲渡された場合 ⅰ)著作権が譲渡さ
れた場合』の記載を、109頁『ⅰ)著作権の場合』等の記載と対応させて、
例えば以下のような記載等とすべきである。
「著作権で保護された情報財を単に視聴すること等、単なる使用行為であれば、
別途譲受人の著作権を侵害しない限り、ユーザー(ライセンシー)は情報財の
使用を継続することができる。ただし、著作権が及ぶ形で情報財を「利用」す
る場合には、一定の例外(著作権法第30条第1項等)を除き、譲受人の著作
権を侵害するため、情報財の「利用」はできない。」
(3)理由・根拠
著作権法上、視聴等の単なる「使用」と、「利用」とは明確に区別されており、
単なる「使用」については制約を受けないのが原則である。一方、
「利用」行為
については原則として著作権(支分権)の侵害になるが、一定の場合に例外的
に「利用」行為が認められている。
現状の改定案の記載だと、例外的な「利用」が認められる状況が原則のような
印象も与えるので、単なる「使用」は継続できるのが原則である旨を明確化し
た方がよい。
また、107頁の例1.例2.には「情報財の使用を続けることができるか。」
と記載されており、それに対応して「使用を継続することができる。」とした方
が対応関係が解りやすい。
以上
問合せ先:日本弁理士会事務局 業務国際課
遠藤、大橋
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