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技 術 概 要 (様式)
技 術 分 類 安全、環境、コスト、ICT、品質、景観
技 術 名 称 MITS工法(CMSシステム、QSJシステム)担 当 部 署 技術部
担
NETIS登録番号 QS-000013 、QS-000012
社
名
等 MITS工法協会
当
者 角 和樹
電 話 番 号 0952-64-2331
技 術 の 概 要 1.技術開発の背景及び契機
近年、新しい軟弱地盤改良工法が開発されておりますが、超軟弱地盤の狭小な現場
や障害物が残存している現場の施工に対応している工法は少ないのが現状です。
MITS工法は、そのような現場に対応する地盤改良工法として開発しました。改良機が
小型軽量で、最大打設長23mまでの施工が可能、上空制限下で施工可能及びコスト
縮減が可能です。QSJシステムでは地中内部に点在する捨石等の障害物を削孔し、柱
状改良体を造成することが可能となります。
2.技術の内容
MITS工法に使用する地盤改良機はクローラ型バックホウ(0.28m3~ 0.8m3)をベース
マシンとしており、総重量は9t ~25tです。バックホウのブームを伸縮及び旋回すること
で、本体不動のまま複数本の施工ができ、狭小な軟弱地盤上で施工可能です。
CMSシステムの原理は、機械攪拌工法と高圧噴射ジェットグラウト工法の長所を組合
せたものです。図に示すように、セメントスラリーを中圧(5MPa~15MPa)で噴射しつ、特
殊攪拌翼により軟弱地盤と混合することで改良体を造成します。
QSJシステムは硅砂を含むセメントスラリーもしくは削孔水を直接噴射可能な特殊グラ
ウトポンプを使用することにより、障害物の削孔が可能で、改良体造成さらに周辺への
変位抑制が図られる改良方法です。
3.技術の効果
MITS工法(両システム)の効果としてコスト縮減が可能です。従来工法との比較を示す。
(a)地盤改良機の損料が安価。(b)施工時間が短縮可。(c)施工足場が簡単(軟弱な
場合は敷鉄板程度)。(d)機械組立・解体費用が低廉。(e)大規模施工では、1基のプ
ラントから複数台の改良機へスラリーを供給可能。
QSJシステムの効果としては障害物(捨石、コンクリートガラ、木杭等)が残存している地
盤の改良施工が可能です。
4.技術の適用範囲
CMSシステム
改良対象地盤: N値≒0からN値11未満の粘性土、N値15未満の砂質土
改良造成径 : 最大1600mm(対象地盤により異なる) 打設長 : 最大23m
QSJシステム
改良対象地盤: 地盤粘着力30kN/m2未満の粘性土、N値15未満の砂質土
改良造成径 : 最大1000mm(対象地盤により異なる) 打設長 : 最大23m
5.活用実績 (MITS工法 CMSシステム・QSJシステム)
国の機関 61件 (九州 58件 、九州以外 3件 )
自治体 301件 (九州 297件 、九州以外 4件 )
民 間 6件 (九州 5件 、九州以外 1件 )
11
6.写真・図・表
CMS施工状況
CMSシステム施工フロー
CMSシステム
攪拌翼
QSJシステム施工フロー
ガイドホール
(削孔マシンにて先行掘りする)
QSJシステム先端モニタ-
従来工法は障害物が残存する場合は
削孔マシンと改良マシンの2台(2工程)
が必要となる。
水+硅砂 スラリー+硅砂
障害物 (捨石等)
改良体造成時
QSJシステムにより1マシン(1工程)での
施工が可能。
12
スラリー+硅砂噴射
障害物削孔時
水+硅砂噴射
技 術 概 要 (様式)
技術分類 安全、コスト、品質
技術名称 多機能高強度コンクリート沓工法
NETIS登録番号 QS-050012
担当部署 九州支店技術部
担当者 谷川 一智
社名等 ㈱千代田コンサルタント
電話番号 092-433-0770
技術の概要 1.技術開発の背景及び契機
近年,支承部においては,腐食性環境や重車両交通等により劣化が進行し,機能が
低下している支承が多く見受けられる。また,阪神大震災後,防災上の観点から,桁か
かり長,変位制限構造,段差防止構造および落橋防止構造などの落橋防止システム
の構築が義務付けられている。このような背景から,支承部の機能回復と落橋防止シ
ステムを併せもった低コストの支承取替え工法を開発した。
2.技術の内容
本工法で提案する支承の構造は,台座コンクリート,沓座モルタル及び沓を一体化し
たものであり,その材料には,高強度・高流動コンクリートを用いている。この構造体に
は,さらに変位制限・段差防止及び落橋防止構造等の落橋防止システムとしての機能
を付加することが可能である。本工法では,路面に段差が生じる従来のジャッキアップ
工法ではなく,機械式仮受け装置を用いるため,交通対策上,安全に支承を取替ること
ができる。
3.技術の効果
・ジャッキアップを行わずに支承取替えを行うことによる施工の安全性の向上
・現場打ちコンクリートとすることにより対象橋梁の状況に応じて任意に形状の
修正が可能となるため既設橋梁の補修・補強に適している。
・変位制限構造や落橋防止構造と一体化した構造とすることにより,劣化が多く
見受けられる台座コンクリート部の支圧応力度を分散しこれを改善する。
4.技術の適用範囲
①適用範囲
・コンクリートT桁橋などの桁橋が効果の高い適用範囲である。
②適用できない範囲
・スラブ桁橋などの上部構造桁からの水平力を伝える構造がない形式。
・ただし、構造上問題なく上部構造桁からの水平力を伝える突起を設け
られるものはその限りではない。
5.活用実績
国の機関 1 件 (九州 1 件 、九州以外 0 件 ) 自治体 0 件 (九州 0 件 、九州以外 0 件 ) 民 間 0 件 (九州 0 件 、九州以外 0 件 ) 13
6.写真・図・表
施工事例
現況
海岸線の橋梁
で塩害により支
承機能がない。
機械式仮受け
装置の設置
油圧ジャッキによ
るジャッキアップ
ではない。
トルクレンチで
トルク管理を行う
プレキャスト板の設置
プレキャスト板
ゴム沓
ゴム支承および
プレキャスト板の
設置
上沓
ボルトナット
高強度コンクリートの現場練り・品質試験
Vロート試験
品質試験は、
フロー値試験と
Vロート試験で行
う。
フロー値試験
完成
14
6 .写真・図・表
■商品写真
【ミノコート添加剤】
■舗装断面写真
【断面拡大写真】
【型抜き供試体】
薄
層
ア
ス
フ
ァ
ル
ト
混
合
物
既存路面
【イメージ図】
ストレートアスファルト+ミノコート添加剤
施工厚さ
10~20㎜
スクリーニングス・砂・石
既
存
ア
ス
フ
ァ
ル
ト
混
合
物
砕 石
既存アスファルト
乳剤 (接着剤)
■商品使用例
【施工例】
ミノコート添加剤を使
用した舗装補修工事
補修前
補修後
ひび割れ発生がひどい
路面状態
約3年経過後の良好な路面状態
16
技 術 概 要 (様式)
技術分類 安全、環境、【コスト】、ICT、品質、景観
技術名称 RSIグラウンドアンカ-工法
担当部署 RSIアンカ-協会
NETIS登録番号 KT-00-30024
担当者 緒方 秀
社名等 RSIアンカ-協会
電話番号 092-651-4334
技術の概要 1.技術開発の背景及び契機
永久、及び仮設アンカ-の設置において、アンカ-体設置地盤として問題のある緩
い砂質土や粘性土分の多い地盤、風化の著しい岩盤、盛土地盤にも摘用できる事が
可能であれば、ト-タルコストを縮減できる事に着目し、開発された工法がRSIグラウン
ドアンカ-工法(Regroutable Super Injection Ground Anchor)です。
2.技術の内容
RSIグラウンドアンカ-工法は、繰り返し注入を行う特殊な注入パイプ(インジェクショ
ンパイプ)と従来の摩擦引張型グラウンドアンカ-を組み合わせた、繰り返しを可能とし
たグラウンドアンカ-である。テンドンと外周にインジェクションパイプを組み合わせるこ
とにより、セメントペ-ストを所定の位置に繰り返し加圧注入でき、アンカ-体径の拡大
が可能となる。この技術により、従来のアンカ-では設置が困難であった緩い砂質土や
粘性土分の多い地盤、風化の著しい岩盤、盛土地盤に対してアンカ-を適用すること
ができる。グラウトが逸散し易い亀裂や空洞の発達した岩盤においても、確実なアンカ
-体が造成が可能である。
3.技術の効果
RSIアンカ-の繰り返し注入の効果による引抜き抵抗の増加は、セメント粒子が粒子
間に浸透する浸透注入、注入圧力により地盤を圧縮しアンカ-体径を拡大する圧縮注
入またはグラウトが地盤を脈状に割裂する割裂注入に起因する。アンカ-周面摩擦抵
抗値は従来型アンカ-に比べ、概ね1.5~2.0培程度の引抜き抵抗力を得られる事
が証明されている。
4.技術の適用範囲
二重管ダブルパッカ-を使用した繰り返し注入方式により、アンカ-体径を拡大する
事が可能で、緩い砂質土や粘性土分の多い地盤、熱水変質した安山岩(プロピライト)
のような粘土化した強風化した強風化岩等の力学的性質の劣る地盤に対してもアンカ
-を適用できます。
5.活用実績
国の機関 7件 (九州 7 件 、九州以外 0 件 ) 自治体 62件 (九州 58 件 、九州以外 4 件 ) 民 間 2件 (九州 0 件 、九州以外 2 件 ) 計 71件
17
6.写真・図・表
繰り返し注入システム
インジェクションパイプによる水噴射テスト状況
アンカー体切断面
18
技 術 概 要 (様式)
技術分類 コスト、環境、品質
技術名称 アンカー工法ラッパ管使用長期保護材
NETIS登録番号 CG-030013-A
担当部署 調査部
担当者 大坂 理
社名等 (株)日本海技術コンサルタンツ
電話番号 0852-66-3680
技術の概要 1.技術開発の背景及び契機
地すべりや斜面崩壊を防止する為のグラウンドアンカー工について、従来自由長部
の保護はグラウト打設工による充填注入で行うが、対象地盤によっては設計以上のグ
ラウト材を要し、グラウト材の大量地盤流出が懸念されていた。また、定着部への加圧
注入後の連続した充填注入である為、緊張する前にアンカー材全体を包んだグラウト
柱が造成されることになる。このことは、アンカー緊張力はグラウト柱の圧縮に作用する
だけで、自由長部に必要な弾性機能が損なわれ、地盤への効果がないアンカー工を造
成する可能性があった。
2.技術の内容
アンカー工法ラッパ管使用長期保護材は、自由長部保護の為に、定着部への加圧注
入後に塩ビパイプを挿入するツールとしてラッパ管を使用する。そして挿入と同時に自
由長部の余分なグラウト材を排除することで自由長部に空隙をつくり、弾性機能と適切
な緊張力を長期にわたって確保する、アンカー機能を向上させる技術である。
3.技術の効果
ラッパ管の挿入により、自由長部の弾性機能と緊張力の確保、再緊張が容易に可能
となり、余分なグラウト材を排除することで、充填注入に代わる四重防錆機能をもたせ
ることができる。また、環境面ではグラウト材の地盤流出・地下水汚染の防止につなが
り、グラウト材注入量の減少と作業の省力化は、低コスト、工期短縮を可能とする。
4.技術の適用範囲
地すべり防止工、急傾斜地崩壊対策工事、法面工事、土留め工事などのグラウンド
アンカー工施工可能現場であれば問題はなく、定着体をケーシング加圧方式で行う全
てのアンカー工法に適用できるが、定着体を除くテンドン最大径がφ75㎜以下であるこ
とが条件である。また、特に効果の高い適用範囲は、充填注入時にグラウト材の流出
が予想される透水性地盤やアンカーの再緊張が必要な場合である。
5.活用実績
国の機関 1件 (九州 0件 、九州以外 1件 ) 自治体 9件 (九州 0件 、九州以外 9件 ) 民 間 0件 (九州 0件 、九州以外 0件 ) 19
6.写真・図・表
ラッパ管断面図
施工フロー
施工後全体図
20
技 術 概 要 (様式)
技術分類 コスト
技術名称 来待石加工粉を利用した商品開発
NETIS登録番号 登録なし
担当部署 営業部
担当者 安田 研
社名等 (株)日本海技術コンサルタンツ
電話番号 0852-66-3680
技術の概要 1.技術開発の背景及び契機
来待石とは、松江市宍道町来待地区で産出される凝灰質砂岩のことです。加工が比
較的容易なこの来待石は、石灯ろうや墓石をはじめ様々な用途に利用されています。
しかし、加工する際に発生する石粉は、一部が釉薬として利用されていますがそのほ
とんどは廃棄処分するしかありませんでした。
2.技術の内容
当社では、この廃棄処分されていた来待石粉体に着目し、そのままあるいは焼成する
ことによって様々な製品を開発し、その一部は「しまねグリーン製品」に認定して頂くこと
ができました。
3.技術の効果
来待石粉体の有効利用を進めることができれば、石加工産業において廃棄物をゼロに
することができ、また新たな地域の特産品を生み出すことにつながります。
4.技術の適用範囲
建材、陶芸用材、園芸用土、緑化基盤材等、様々な用途における利用。
5.活用実績
民 間 2 件 (九州 0 件 、九州以外 2 件 ) 21
6.写真・図・表
涼し板を緑化基盤材として用いた例
涼し板
陶芸作品として用いた例
焼成豆石を園芸用材として利用した例
焼成豆石
22
技 術 概 要 (様式)
技術分類 コスト
技術名称 NE-桁衝突工法
担当部署 九州支社、構造保全計画室
NETIS登録番号 QS-040030
担当者 友光 宏実
社名等 大日本コンサルタント株式会社
電話番号 092-441-0433
技術の概要 1.技術開発の背景及び契機
従来の巻き立て工法では、河川内や海上部橋脚の耐震補強では大規模な仮設工が
必要で、多大な工事費と工期を必要としていました。また、河川に対しては巻き立てに
より河積阻害率が増大し流下機能の低下を招いていました。
本工法では、これらを改善するために従来無視されていた橋台背面部の抵抗を考慮す
ることで橋脚天端の変位を小さくし、橋脚の耐震性能を大幅に向上させるものです。
2.技術の内容
本工法は既設の橋梁に対して桁遊間部にゴムなどの間詰め材を充填する耐震補強工
法です。間詰め材の充填と橋台の変位拘束効果により、橋脚天端の変位を小さくでき、
補強規模の低減が図れます。そのため、従来工法(巻き立て工法)と比べて、経済性・
施工性の大幅な向上が図れ、所要の耐震安全性を満足させる技術です。
3.技術の効果
・仮桟橋・仮締切を必要とする河川橋や施工条件の厳しい橋脚に対して、大幅なコスト
縮減が図れます。
・基礎の補強を回避出来ます。
・橋脚や基礎を直接補強しないため、環境にやさしい工法です。
・外見を損なわずに補強出来ます。
・橋台の無い連続高架橋にも適用でき、河川内等の補強箇所を陸上部へ等へ制御で
きます。
4.技術の適用範囲
・上部工形式を問わず、適用することができます。
・橋軸方向の変位拘束効果を対象とするため、
橋軸直角方向の耐震性を有している橋梁。
(壁式橋脚等)--(注1)
・平面線形が直線に近い橋梁。
(注1)円柱式橋脚でも桁連結を併用すること
により、巻き立て補強を回避できる
可能性があります。
(右図参照)
5.活用実績
国の機関 16 件 (九州 1 件 、九州以外 15 件 ) 自治体 26 件 (九州 9 件 、九州以外 17 件 ) 民 間 - 件 (九州 - 件 、九州以外 - 件 ) 23
6.写真・図・表
24
技 術 概 要 (様式)
技術分類
安全、環境、コスト、ICT、品質
技術名称
スリーケィエス工法
担当部署
NETIS登録番号
社名等
技術の概要
担当者
三井住建道路株式会社
電話番号
技術研究所
河村 邦基
04-7155-0147
1.技術開発の背景及び契機
社会資産である建築構造物、土木構造物は、リサイクル、リユース、リニューアルで維
持することが求められてきました。これらの構造物を長く使い続ける為に補修維持技術
が要求されているなか、金属及びコンクリートの既設構造物を長期間継続使用すること
を目的として、開発された技術です。解体により発生する廃棄物を低減し、環境保護に
貢献します。
2.技術の内容
金属や鉄筋コンクリートの本来の機能を維持するには、鋼材が腐食しにくい条件を確保
し続けることが求められます。そのためには鋼材を鋼材自身が保護する被膜を形成さ
せる機能や環境遮断性能のある部分補修性に優れた材料材質を使用することが必要
であり、また同時に動的な変化への追従機能に優れた素材を使用することも必要となり
ます。本技術はこれらの条件を確保し、従来の膜厚など質量で対応する技術から、機
能性材料を使用して複合条件下でも従来性能以上に機能する材料の組合せで構造物
を保護する工法です。
3.技術の効果
新設、既設構造物の保持、対策後の長寿命化、局部補修性の確保、廃棄排出物の低
減
4.技術の適用範囲
鉄筋コンクリート構造物、鋼製構造物、複合構造物への機能維持補修
5.活用実績
国の機関 0 件 (九州 0 件 、九州以外 0 件 ) 自治体 1 件 (九州 0 件 、九州以外 1 件 ) 民 間 3 件 (九州 0 件 、九州以外 3 件 ) 25
6.写真・図・表
軒先補修、雨漏れ対策
RC構造物のアルカリ付与補修
薄塗り仕上げモルタル方式
コンクリート高欄と縁石部の防水対策
はく離試験 最大50㎜の状況
トンネル打ち継ぎ部で実績
26
技 術 概 要 (様式)
技術分類 安全、環境、コスト、ICT、品質、景観
技術名称
IRIプロファイラー(接触型)を用いた
道路管理画像システム
(副題:接触型IRI測定装置を用いた新た
な路面管理手法について-乗り心地から
道路を管理する-)
NETIS登録番号
担当部署
営業部技術営業課/技術:調査設計部
担当者 今代稔 / 技術:橘高・保見
社名等 西日本高速道路エンジニアリング中国㈱
電話番号 082-532-1436 / 082-532-1411
技術の概要 1.技術開発の背景及び契機
連続静止画を用いた道路管理画像は、日常点検、道路管理台帳の補完、補修区間の状
況把握、安全施設等の設置状況および緊急時の線形確認など多くの場面で広く活用さ
れている。この道路管理画像に“乗り心地”指標であるIRI(International Roughness
Index:国際ラフネス指数)を同時に表示することで路面状況を的確に把握し、適切な路面
管理を実現させる手法を目指すものである。
2.技術の内容
連続静止画は、走行車両より等間隔(5~20m)に道路状況を撮影し、見たい箇所が容
易に検索でき、動画として扱うシステムに比べデ-タ容量が少なくてすむのが特徴であ
る。この画像に移動距離(10m)ごとに乗り心地評価であるIRIを同時に表示することで、
路面の悪い所を抽出し、その程度と損傷の要因を把握できるもので、これまでにないわ
かり易い道路管理手法である。
IRIの測定には、従来の非接触型に比べ、より路面の形状変化がより細かく測定できる
接触型を用い、なお且つ後部車輪に装着できる脱着式を採用したため幅広く活用するこ
とができる。
3.技術の効果
路面は供用後、経年とともに確実に悪くなっていき、その現象は乗り心地に顕著に現れ
てくる。路面管理は、ひび割れ、わだち掘れ、平坦性の3要素で行っているが、これらの
測定には特殊車両を用いて定期的に実施している。しかし、その頻度は少なくリアルタイ
ムな現況把握が困難な状況である。そこで、安価で簡易的な装置により、リアルタイムに
路面状況を把握することで適切な路面管理ができることが可能となる。また、画像を残す
ことで経年変化の把握も容易にできることになる。
4.技術の適用範囲
全ての舗装道路に適応できるが、より重要度の高い道路を測定頻度をあげて測定するこ
とでリアルタイムな道路管理に活用できる。
交通量の多い路線では、現地での路面調査ができないため路面の予備調査の資料とし
て活用できる。
5.活用実績
国の機関 5 件 (九州 0 件 、九州以外 5 件 ) 自治体 1 件 (九州 0 件 、九州以外 1 件 ) 民 間 1 件 (九州 0 件 、九州以外 1 件 ) *ただし、道路管理画像(連続静止画)の実績のみ。IRIを測定した実績はなし。
27
6.写真・図・表
測定装置
IRI測定装置
道路管理画像撮影装置
活用効果
28
技 術 概 要 (様式)
技術分類 安全、環境、コスト、ICT、品質、景観
エネルギー分散型蛍光X線分析装置
技術名称 (-コンクリートの調査に最適-)
担当部署
NETIS登録番号
営業部技術営業課/技術:高速道路設計部
担当者 今代稔 / 技術:刈山・山本
社名等 西日本高速道路エンジニアリング中国㈱
電話番号 082-532-1436 / 082-532-1433
技術の概要 1.技術開発の背景及び契機
現在、コンクリート劣化の原因となる塩化物量の測定方法は、コンクリート構造物からコ
アサンプルを採取し、分析機関に持ち帰って複雑な前処理を施し、電位差滴定測定を
行っています。しかし、土木構造物は、検査対象物が大きく、立地条件も厳しいことから、
大断面の検査を行うには多くのコアサンプルを採取するのに大きな労力と費用を必要と
するうえ、分析機関における前処理および分析に長時間を要します。本開発は、近年急
速に性能の高まったポータブル蛍光X線分析装置を用いて、現場で簡易・迅速にコンク
リート中の塩化物量を分析することにより、コンクリート構造物長期寿命化のための塩害
調査の効率化とコストダウンを図ることを目的としています。
2.技術の内容
従来の蛍光X線分析のうち、精度の高い回折装置は大型、据置式で現場分析に適さ
ず、現在市販されているハンドヘルド型やモバイルタイプの蛍光X線分析装置は重元素
の分析は可能ですが、コンクリート中のCl のような微量軽元素領域では要求される検出
精度を満足することは出来ません。本装置は東京大学との共同研究によりこのいずれの
開発にも成功し、小型・軽量ながら塩化物量分析では業界基準である1.2Kg/㎥を一桁下
回る検出精度に達しましたので、従来は不可能であったコンクリート中塩化物の現場測
定・分析が可能となりました。
3.技術の効果
現今のコンクリート構造物は、高度成長期に建設された割合が高く、コンクリート構造物
の長寿命化のためには今後急速に劣化診断・補修が必要となってまいります。その場
合、試料を分析センター持ち帰って時間をかけて化学分析を行うのに比べ、本装置を用
いて現場分析を実施すれば、分析時間、費用とも大幅な削減が可能となります。また、分
析には、溶液剤の酸性液など産廃物を排出しないので、地球環境の保全にも貢献するこ
とになります。
4.技術の適用範囲
ほとんどのコンクリート構造物に適用できますが、特に、飛来塩分の影響を受ける海岸
の道路、橋脚、鉄道、港湾設備、発電所、産業用プラント設備には有効です。
また、寒冷地では凍結防止剤の使用による道路の劣化調査にも効果的です。
5.活用実績
国の機関 1 件 (九州 1 件 、九州以外 0 件 ) 自治体 0 件 (九州 0 件 、九州以外 0 件 ) 民 間 4 件 (九州 0 件 、九州以外 4 件 ) 29
6.写真・図・表
30
技 術 概 要 (様式)
技術分類 コスト
技術名称 ランブルストリップス
担当部署 寒地土木研究所寒地交通チーム
担当者 平澤 匡介
NETIS登録番号 HK-030032-V
社名等 独立行政法人 土木研究所
電話番号 011-841-1738
技術の概要 1.技術開発の背景及び契機
北海道では平成16年まで13年連続で都道府県別交通事故死者数全国ワースト1を
記録し、交通事故死者数を減少させることが重要な施策の一つでした。特に北海道で
は車両同士の正面衝突による死亡事故が多く、その割合は北海道以外の地域の約2
倍です。これまで、正面衝突事故対策として中央分離帯やセンターポール、チャッター
バーなどが道路に設置されていますが、これらの施設はコスト面や冬期降雪時におけ
る除雪作業の支障となることが課題でした。そこで、これらの問題点を解消する効果的
な正面衝突事故対策として、米国の高速道路において路外逸脱事故に対し効果を挙
げているランブルストリップスに着目し、研究開発を進めてきました。
2.技術の内容
ランブルストリップスは、凹型の溝をセンターラインに連続して設置することにより、そ
の上を通過する車両に対し不快な振動や音を発生させ、ドライバーに車線を逸脱したこ
とを警告する交通事故対策です。施工は、案内輪を異径に改良した既存の路面切削機
を用い、切削ドラムを上下させることにより、ランブルストリップスの窪みを切削するもの
で、1日当たり約800mの速度で行うことが可能です。施工費は、1m当たり約800円と安
価で、他の正面衝突事故対策であるチャッターバーの1/5、センターポールでも1/4以下
です。また、霧や大雨、吹雪などでセンターラインの視認性が悪い場合にも、音や振動
が走行位置の目安となり、安全性が向上します。
3.技術の効果
ランブルストリップス上を通過すると振動と音が発生するため、車線逸脱に対する高
い警告効果が得られます。平成14~16年に北海道の国道センターライン上にランブル
ストリップスを設置した60箇所、延べ108kmの施工前後2年間では正面衝突事故は、事
故件数が49%減少し、死者数は71%減少しました。これらの区間における費用便益は10
年間で約41億円となり、費用対効果は32.3と計算されました。設置費用の低廉性や事
故防止効果等が大きく評価され、主に正面衝突事故対策として急速に普及し、整備延
長は平成19年度末時点で全国の総延長約1,400kmに達しました。
4.技術の適用範囲
・新設舗装路面はもちろんのこと、既設舗装に対しても簡単に短期間で施工が可能で
す。
・排水性舗装路面やコンクリート舗装にも施工が可能です。
・橋梁やトンネルにおいても施工可能ですが、舗装厚に注意が必要です。
・曲線半径の小さいカーブ区間や縦断勾配の厳しい区間でも施工が可能です。
・ランブルストリップス上を車両が通過することは多くありませんが、通過の際には騒音
と振動が発生するので、住宅街に設置する場合は、注意が必要です。
5.活用実績
国の機関 300 件 (九州 0 件 、九州以外 300 件 ) 自治体 142 件 (九州 0 件 、九州以外 142 件 ) 民間※ 41 件 (九州 0 件 、九州以外 41 件 )
※
高速道路、有料道路
31
6.写真・図・表
図-1 異径車輪による施工過程
散水車
スイーパ
専用切削機
廃材用ダンプ
図-2 標準施工編成
写真-1 施工機械
写真-3 設置状況(R237)
写真-2 施工状況
1200
(km)
北
海
道1000
の
国
道
・ 800
道
道
に 600
お
け
る 400
整
備
延 200
長
図-3 路外逸脱警告概要図
車両が車線を逸脱してタイヤがランブル
ストリップスを踏んだ際、ゴロゴロという音
と振動を発します。
正
面
衝
突
事
故
件
数
80
道道センターライン
378.4
42.9
1136.3
218.8
路肩
42.9
追越禁止黄色1条線
6.3
40.5
追越禁止黄色2条線
132.6
25.8
3.9
39.2
H14年度
H15年度
0
8.5
323.2
254.9
229.2
391.9
311.6
107.8
H16年度
H17年度
H18年度
H19年度
図-4 北海道の国道・道道における整備延長の推移
(平成20年3月末現在)
(人)
(件)
73
49%
減少
60
37
40
20
正 30
面
衝
突 20
事
故
死 10
者
数
28
71%
減少
8
0
0
Before整備前
installation
(2
years)
(2年間)
After 整備後
installation
(2(2年間)
years)
Before
installation
整備前
(2
years)
(2年間)
After整備後
installation
(2(2年間)
years)
図-5 H14~H16にランブルストリップスを整備した箇所(108km)における正面衝突事故発生状況
32
技 術 概 要 (様式)
技術分類 コスト
技術名称 ALiCC工法
担当部署 技術推進本部(施工技術)
担当者 堤 祥一
NETIS登録番号 KT-070009-A
社名等 独立行政法人 土木研究所
電話番号 029-879-6759
技術の概要 1.技術開発の背景及び契機
軟弱地盤対策分野でのセメントなどの改良材を用いた地盤改良の果たす役割が大き
くなっている中で、軟弱地盤層が厚い場所において大規模な地盤改良が必要となるな
ど、設計法の合理化が強く求められています。
このような背景の下、土木研究所を中心とした国際共同研究において、従来よりも面
的に低い改良率、浅い改良深度のもとで盛土の安定や沈下抑制を図る本工法の開発
を実施しました。
2.技術の内容
盛土材の改良体および無処理部分に発生する応力が、実際にはアーチ効果により配
分されるという原理を利用し、深層混合処理等によるセメント系改良体を従来よりも低
い改良率で盛土下に全面的に配置することによって、軟弱地盤の圧密沈下軽減を図る
工法です。構造物の要求性能、地盤条件、施工条件を基にプログラムにより、施工に
必要な設計計算ができるようになっています
必要な設計計算ができるようになっています。
3.技術の効果
盛土内のアーチ効果を定量的に評価し、改良体が分担する適正な荷重を設定するこ
とにより、従来の深層混合処理工法に比べ改良率を小さくでき、低コスト化を図ることが
可能です(従来工法と比較し3割縮減)。また、ドレーン工法のような圧密放置期間が不
要なため工期短縮も可能で(従来工法と比較し7割短縮)、沈下量が抑えられることに
よって盛土材料も節約できるという利点を有しています。
4.技術の適用範囲
・低改良率であるため、法面部においては安定、側方変形に留意する必要があります。
・改良体間隔が概ね2.5m以上になると、改良体無処理部分との不同沈下量の増加が
顕著になります。
5.活用実績
国の機関 2 件 (九州 1 件 、九州以外 1 件 ) 自治体 0 件 (九州 0 件 、九州以外 0 件 ) 民 間 0 件 (九州 0 件 、九州以外 0 件 ) 他、タイ国で道路拡幅に関する実績1件あり
33
6.写真・図・表
盛土
荷重のほとんど
は改良体に作用
荷重の流れ
改良体
図-1 アーチ効果の原理
写真-1 施工状況
ALiCC工法
従来工法
図-2 従来工法とALiCC工法の比較
図-3 沈下量の経時変化
34
技 術 概 要 (様式)
技術分類 コスト、品質
技術名称 パワーブレンダー工法
担当部署 事務局
NETIS登録番号 CB-980012-V
担当者 佐藤 利行
社名等 パワーブレンダー工法協会
電話番号 03-3681-8533
技術の概要 1.技術開発の背景及び契機
国土の狭い我が国では、軟弱地盤上に土木構造物、建築物、盛土等を構築した際に
生じる沈下対策や構造物の安定性の確保といった目的で地盤改良が行われてきた。
昨今の地盤改良における社会ニーズの多様化に伴って、概ね10m程度の地盤までを連
続的に施工できる工法が求められた。そこで改良深度が概ね10m程度までの施工を可
能とするパワーブレンダー工法を開発した。
2.技術の内容
パワーブレンダー工法は、浅層・中層(概ね10m程度まで)を改良対象深度とし、原位
置土とセメント及びセメント系固化材等の改良材を鉛直に撹拌混合して改良体を造成
する地盤改良工法です。鉛直に撹拌混合するため、互層地盤においても連続かつ安定
した改良体の造成が可能です。
本工法は、施工に伴う周辺地盤に与える変位は極めて少なく、低振動・低騒音の施工
が可能です。また、上空制限が強いられる場所での施工が可能であり、狭隘な場所や
傾斜地における段違い箇所での施工が可能です。
3.技術の効果
(1)原地盤が互層地盤であっても、改良深度全域において連続した均質な改良体の造
成ができること。
(2)改良体の造成に伴う周辺地盤への影響が少なく、低振動・低騒音の施工ができるこ
と。
(3)上空制限下においても上空制限高さと同程度の改良深度の施工ができること。
4.技術の適用範囲
・改良深度は概ね10m程度まで施工可能です。
・標準施工で粘性土の場合N値≒10程度(施工実績N値=17)、砂質土の場合N値≒20
程度(施工実績N値=32)の地盤に適用可能です。
・低振動・低騒音の施工が出来ます。
・近接構造物への影響が極めて少ないです。
・狭隘な場所や傾斜地における段違い箇所での施工が可能です。
・上空制限が強いられる場所での施工が可能です。
5.活用実績(2005年4月~2008年3月まで)
国の機関 293 件 (九州 28 件 、九州以外 265 件 ) 自治体 852 件 (九州 89 件 、九州以外 763 件 ) 民 間 153 件 (九州 8 件 、九州以外 145 件 ) 35
6.写真・図・表
撹拌翼形状
エアー加速型吐出
口からの噴射状況
図-2 互層地盤における施工イメージ図(CG図)
図-1 パワーブレンダー全景
(GL -0.00~-5.00m)
(GL -5.00~-7.00m)
(GL -0.00~-5.00m)
(GL -5.00~-7.00m)
▽改良深度(7.0m)
図-3 改良体の品質特性
図-5 施工に伴う振動・騒音の距離減衰
図-4 周辺地盤へ与える変位
36
技 術 概 要 (様式)
技術分類 安全、環境、コスト、ICT、品質、景観
技術名称 モジュラーチ工法
担当部署 九州支店
NETIS登録番号 TH-980002-V
担当者 石渡 藤井 田島
社名等 ジオスター株式会社
電話番号 092-441-0014
技術の概要 1.技術開発の背景及び契機
1994年にフランスより 技術導入したこの工法は、日本の各種基準に適応するよう改良
を加えると共に、本工法の設計方法・施工技術、耐震性能についても公的機関に委託
研究を行い安全性の確証が得られています。モジュラーチは、従来の現場打ちカル
バートに代わって、プレキャスト部材を用いて大断面アーチカルバートを構築する工法
として、「労働作業の省力化」「効率化」「現場における安全性の確保」「品質の確保」
「耐久性の向上」「コスト縮減」「景観への配慮」などに対し十分寄与できる工法です。
近年におきましてはモジュラーチを連続して配置する「多連モジュラーチ工法」が、盛土
構造で問題となる地域分断等の解決策として注目を集めています。
2.技術の内容
① 多分割方式で軽量化を図っているため、大断面の構造物が構築できます。
② アーチ型構造物に加わる荷重によるモーメントが最も小さい箇所で分割する合理的
な分割方式です。
③ 抗口形状は竹割り構造とすることができ、他工法と比較してゆとりのある美しい空間
を得ることが可能です。
④ 側壁部材が自立する構造で、施工性にすぐれており、工期の大幅な短縮が図れま
す。
⑤ (財)土木研究センターで実物大実験や各種シュミレーションを行っており、レベル2
の地震荷重に対しても部材や継手部の安全性が確認されております。
3.技術の効果
① 従来工法より大幅な工期短縮と省力・省人化・工費節減が図れるほか、管理の行き
届いた工場製作であるため高品質・高強度の製品が供給出来ます。
② 合理的な分割方式を採用しているので部材の組み合わせに自由度があり、多種多
様な大断面構造物の構築が可能です。
③ モジュラーチを連続して本線の下に布設する工法(多連モジュラーチ工法)を用いる
ことにより、盛土工法で問題になる地域分断、風の阻害等の問題点を解決出来ます。
4.技術の適用範囲
①断面寸法:内幅3~20m、内高5~10m ②現場条件:1)最小土被り0.6m以上(T荷重
載荷時)を原則とする。 2)平面交差角は60度以上を標準とする。 3)縦断布設勾配
は、10%以下を標準とする(最大15%までの実績あり)。
5.活用実績
国の機関 170 件 (九州 35 件 、九州以外 135 件 ) 自治体 230 件 (九州 45 件 、九州以外 185 件 ) 37
6.写真・図・表
38
技 術 概 要 (様式)
技術分類 安全、環境、コスト、ICT、品質、景観
技術名称 スラリーパック
担当部署 九州支店 工事部 エンジニアリング課
NETIS登録番号
担当者 大林 裕
社名等 大林道路株式会社
電話番号 092-432-0884
技術の概要 1.技術開発の背景及び契機
舗装ストックの拡大に伴い、その維持補修を必要とする量も拡大の一途にある。補修
材料の種類・補修工法は多岐にわたっており、補修材料・工法は破損形態(わだち堀
れ、ひび割れ、段差、ポットホール等)に応じて使用され、その種類も加熱アスファルト
混合物から常温型混合物まで豊富に存在する。近年地球環境保全の観点から、省エ
ネルギーおよびCO2排出量削減への対応としての材料、製造方法、工法が期待されて
おり、その中でも常温型混合物が注目されている。
スラリーパックは、このした様々な破損形状を一つの材料で補修できる材料として開発
した常温硬化型路面補修材料です。
2.技術の内容
スラリーパックは、常温で硬化する流動性に富んだ路面補修材です。老朽化して荒れ
た路面の化粧直しやひびわれの補修・段差の解消などに最適です。材料を1箱(ワン
パック)に詰め込んでいますので、混合容器(バケツ等)と混合機(ハンドミキサー)があ
れば、簡単に施工できます。
なお、スラリーパックは舗装の破壊を根本的に補修しようとするものではなく、主として
舗装表面の機能回復を図り、本格的な修繕が必要となるまでの供用性を維持すること
を目的とした予防的維持工法に使用する材料です。
3.技術の効果
以下の特長を有しているため、様々な破損形状の補修に対応できる。
・施工が簡単で、短時間で作業が終わる。
・セルフレベリング性に優れているため、ゴムレーキ、コテ等で簡単に敷均し可能です、
転圧を必要としない。
・ゼロすり付けができるので、段差が生じることがなく、車いすなどに優しい。
・流動性に富んでいるため、ある程度のひび割れ面にも充填される。
4.技術の適用範囲
・荒れた路面、ひび割れ、段差の補修
・ポットホールのパッチング、レールパッチング
・表面保護
上記適用箇所は、車道、構内道路や駐車場など舗装すべてに適用できます。また既存
舗装はアスファルト舗装、コンクリート舗装どちらにも適用可能です。タックコートやプラ
イマーを塗布する必要はありません。
5.活用実績
多数
39
6.写真・図・表
写-1 パック内容
表ー1 性状試験特性値
<施工写真>
骨材飛散箇所補修
マンホール周り段差修正
40
技 術 概 要 (様式)
技術分類 環境、コスト、品質
技術名称 エコクレイウォール工法
担当部署 ライト工業(株)九州支店
NETIS登録番号 KT-040079
担当者 鶴田 直
社名等 ライト工業(株)
電話番号 092-651-4331
技術の概要 1.技術開発の背景及び契機
遮水壁工事は従来から数多くの工法が採用され多くの実績が有りますが近年の建
設汚泥の増加に伴い、コストのみならず環境に配慮した工法が求められています。
また、地震国の日本においては地震による遮水壁壁体の損傷による漏水で周辺土壌
を汚染する二次的な問題を引き起こす可能性があります。そこで長期的になおかつ
地震に対する耐久性および安定性があり、排泥が出ない工法が求められていまし
た。
2.技術の内容
従来のセメントスラリー系遮水壁工法のようにセメントを使用しないため体積増
加が少なく施工時の排泥が発生せず、粘土鉱物を粉体で原位置土と混合撹拌するこ
とで人工的に粘土遮水壁を造成します。この粘土壁は変形追随性を有しており、地
震に対する耐久性があり経済的に優れた工法です。
3.技術の効果
施工現場の目視により、等厚式では排泥は発生しないことが確認出来た。
現場で採取した試料より透水係数が等厚式で1.0×10-7cm/s以下であり、造成された
遮水壁が十分な遮水性能を有することが確認された。
供試体の一軸圧縮試験およびECウォール試料の三軸圧縮試験により、造成された
遮水壁が変形追随性を有することが確認された
以上の結果により建設技術審査証明を取得した。
4.技術の適用範囲
等厚式施工機での適用範囲は壁厚=550~850mm、施工深度=35m程度。
その他留意条件として
①N値100以上の土質
②障害物の有無および粒径100mmを越えるレキを含む地盤
③地下水流速が著しく大きい場合
5.活用実績
国の機関 0 件 自治体 0 件
民 間 8 件 (九州 1 件 、九州以外 7 件 ) 41
6.写真・図・表
図-1 使用用途
水槽
スラリープラント
サイロ
粉体供給機
布掘り(1m×1m程度)
発電機
掘削液
ECウォール
粉体噴射
図-2 施工概要図
写-1 施工機械
図-3 透水試験結果
写-2 ECウォール出来形
42
技 術 概 要 (様式)
技術分類 コスト、品質
技術名称
OC-i SYSTEM
MOVATRA
担当部署 社会環境事業部、九州支店
NETIS登録番号 KT-060130-A
担当者 神戸 信人、本田 明寛
社名等 株式会社 オリエンタルコンサルタンツ
電話番号 092-411-6268
技術の概要 1.技術開発の背景及び契機
これまでの交通量調査、ナンバ-プレ-ト調査には、以下のような課題があり、これら
調査には、今後、①精度が高く、簡易に設置できる計測機の開発、②簡素化による人
件費等のコスト削減が必要である。
・機械計測も一部で導入するものの多くは人手観測
→人手観測:コストが高い、精度の均質性の確保が困難
・既存の簡易トラカンは、設置撤去・消耗品コストが高い
2.技術の内容
■OC-i SYSTEM(可搬式ナンバ-プレ-ト自動観測装置)
・昼夜連続して変化する交通流動を24時間連続で正確に把握することを目的に構築し
た可搬式ナンバ-プレ-ト観測装置(近赤外線照明、CCDカメラ、処理装置を内包)。
・カメラにより走行中の車両のナンバ-プレ-ト情報をテキストデ-タ化して蓄積する。
・異なる2日間のナンバ-情報マッチングについて特許取得(特許番号第3767889号H17.2.10
登録)
■MOVATRA:モバトラ(携帯型交通量計測装置)
・国内初の長距離型赤外線測距センサを利用した携帯型交通量計測装置。
・従来は大半を人手観測、一部を路面貼付型の磁気式やゴムホ-ス式で対応していた
が、車線上での作業が無く、無線通信でデ-タを取得することが可能。
・すでに国土交通省の社会実験に利用。
3.技術の効果
■OC-i SYSTEM(可搬式ナンバ-プレ-ト自動観測装置)
・高い精度による観測(補足率95%、正解率99%)
・大幅な工期短縮(ex.4車線×3断面の2日間調査で、約1ヶ月の工期短縮)
■MOVATRA:モバトラ(携帯型交通量計測装置)
・設置・撤去が容易(交通規制が不要、設置作業時間30分程度)
・計測程度が高い(車両カウント率:95%)
・人手に比べ大幅なコスト低減
4.技術の適用範囲
■OC-i SYSTEM(可搬式ナンバ-プレ-ト自動観測装置)
・夜間、高速走行車(180km/hまで)の観測が可能
・既設構造物への設置による安全で長期間の観測が可能
・ご当地ナンバ-(平成18年10月交付分)に対応
■MOVATRA:モバトラ(携帯型交通量計測装置)
・乾電池16本で昼夜連続して4日間計測可能(商用天地の使用も可能)
・2車種交通量(小型、大型)、車速、車長の計測が可能
・その場でデ-タ取得、即時に集計可能
・計測道路条件:2車線以下の道路、中央分離帯ありの4車線道路
5.活用実績
国の機関 65 件 (九州 0 件 、九州以外 65 件 ) 自治体 0 件 (九州 0 件 、九州以外 0 件 ) 民 間 60 件 (九州 1 件 、九州以外 60 件 ) 43
6.写真・図・表
■OC-i SYSTEM(可搬式ナンバ-プレ-ト自動観測装置)
約30cm
近赤外線照射装置
3m四方の領域を検知可能
CCDカメラ
約30cm
奥行き約30cm
1車線につき1基ずつ観測機器が必要
・撮影した静止画の中から
ナンバープレートの位置
を捉える
Step2:ナンバープレート画像の検知
・ナンバープレートの位置
を認識し、切り出した画
像を幾何補正する
Step3:文字データの取得
車籍地:品川
車種:123
ひらがな:あ
一連番号:1234
記憶領域
■MOVATRA:モバトラ(携帯型交通量計測装置)
①
③
センサユニット(メイン・サブ)
ゲートウェイユニット
44
②
④
技 術 概 要 (様式)
技術分類 安全、環境、コスト、ICT、品質、景観
技術名称 伸縮式ストラット工法
担当部署 土木本部技術部
NETIS登録番号 KTK-070003-A
担当者 吉原 到
社名等 あおみ建設株式会社
電話番号 03-5439-1014
技術の概要 1.技術開発の背景及び契機
耐震強化岸壁の整備率の向上と臨海部都道府県全てに耐震強化岸壁の整備を目標として、
国土交通省は、「耐震強化岸壁緊急整備プログラム」を策定、実施されています。
そして、年々社会資本整備予算が縮減される状況から、現在の港湾機能を低下させることなく
(岸壁を供用しながら)既存岸壁を低コストで耐震補強できる技術が求められています。
また、民間企業が所有する専用岸壁においても、高度経済成長時に建設されたものが更新時
期を迎え、岸壁を供用しながら(代替施設がない)低コストで延命したいというニーズがあります。
2.技術の内容
伸縮式ストラット工法は、上部工直下の水域で、隣接する鋼管杭を伸縮式ストラット部材(補剛
部材)で剛結することで耐震補強を行う工法です。
本工法では、格納状態のストラット部材を杭間に引き込んだ後に伸長することで、既設杭に補
剛部材を設置することを可能としました。
このことにより、上部工を撤去することなく耐震補強を行うことが可能となりましたので、岸壁を
供用しながら耐震補強工事を施工することが出来ます。
伸縮式ストラット部材は以下に示すメリットを保有しています。
・既設鋼管杭が偏心、傾斜している場合でも、部材の伸縮で追随可能
・部材長を微調整できるため、部材のユニット化が可能(同一サイズで量産できる)
3.技術の効果
上部工を撤去することなく耐震補強が可能であり、以下の効果が得られます。
・岸壁を供用しながら施工可能(岸壁機能停止に伴う補償費が不要)
・上部工の撤去、復旧に伴うコストを削減できる
・上部工の撤去、復旧に伴う工期を短縮できる
・上部工の撤去、復旧に伴う材料およびCO2を削減できる
4.技術の適用範囲
・直杭式横桟橋
・ドルフィン等杭式の係留施設
5.活用実績
国の機関 0 件 (九州 0 件 、九州以外 0 件 ) 自治体 0 件 (九州 0 件 、九州以外 0 件 ) 民 間 0 件 (九州 0 件 、九州以外 0 件 ) 45
6.写真・図・表
図-1 伸縮式ストラット工法による耐震補強イメージ
格納時
鋼管杭
鞘管部
ストラット部材
で連結
伸長時
図-3 耐震補強断面例
ストラット部
図-2 ストラット部材の伸縮
STEP4
STEP5
STEP6
S TEP7
ストラット部材設置
グラウト注入工
出来形確認 品質管理
(
)
準備工
ストラット部材製作
S TEP3
ストラット部材仮組
S TEP2
ストラット部材海上移動
STEP1
図-4 施工フロー
図-5 施工イメージ
46
技 術 概 要 (様式)
技術分類 安全、環境、コスト、ICT、品質、景観
技術名称 KS-EGG工法
担当部署 土木本部 技術部
NETIS登録番号 CG-010009-A
担当者 池上 成洋
社名等 あおみ建設株式会社
電話番号 03-5439-1014
技術の概要 1.技術開発の背景及び契機
地盤の液状化対策工法の一種に、サンドコンパクションパイル工法(SCP工法)があり、バイブ
ロハンマーを用いて動的に改良を行う振動式SCP工法が主流でした。
近年では液状化対策工法としての需要の増加に伴い、市街地周辺での施工が求められるケー
スが急増していることから、このような環境下では振動・騒音の大きい振動式SCP工法による施
工が困難となる場合が多くなってきました。
そこで、低振動・低騒音での施工が可能であり、十分な締固め能力を有する静的締固め地盤改
良工法を開発し、市街地周辺での液状化対策工法として社会に提供することが求められてきまし
た。
2.技術の内容
KS-EGG工法は、緩い砂質地盤に回転駆動装置と押込みウィンチを組み合わせた回転貫入装
置により、ケーシングパイプの静的貫入を行い、パイル材の排出・打戻し・拡径によって締固めた
杭(φ700~800)を造成することで、原地盤を静的に締固める地盤改良工法です。
ケーシングパイプ先端には円錐状の掘削・拡径ヘッドを装備し、高い掘削能力とその掘削土の
積極的な側方への押付け、さらにパイル材の拡径締固めを行います。
また、パイル材としては、砂、砕石(C-40)、再生砕石(RC-40)、ガラス砂が使用できます。
バイブロハンマーを使用せず静的な回転貫入装置を使用することで振動・騒音を低減し(振動
基準値75dB以下、騒音基準値85dB以下)、周辺環境に配慮できます。
3.技術の効果
KS-EGG工法は、建設作業振動規制基準値75dB に対して振動源より数m離れると50dB、ま
た、騒音規制法基準値85dB に対して騒音源より数m離れると80dB となり、低振動かつ低騒音で
の施工が可能です。また、2種類の先端ヘッド形状の選択により、打設個所に多少の障害物や硬
い層が存在してもケーシングの貫入が可能です。それにより、先行掘削が不要となり、安価で迅
速な施工ができます。
さらに、ケーシング貫入時に原地盤を円錐状の先端ヘッドの回転力および上下運動により、積
極的に側方に押しつけます。また、造成時には従来の振動式SCPと同等の締固め効果を有して
います。
4.技術の適用範囲
・市街地や既設構造物近傍での施工が可能です。
・改良深度25mまでの施工が可能です。
・N 値20程度の中間層(層厚2.0m程度)が存在する地盤でも施工可能です。
・造成杭径はφ700~800までが可能です。
・パイル材には、砂、砕石(C-40)、再生砕石(RC-40)、ガラス砂を使用できます。
5.活用実績
国の機関 24件 (九州 0件 、九州以外 24件 ) 自治体 19件 (九州 1件 、九州以外 18件 ) 民 間 8件 (九州 0件 、九州以外 8件 ) 47
6.写真・図・表
【写真-1 出来上がり杭径(砂)】
【図-1 施工概要図】
【写真-2 出来上がり杭径(再生砕石)】
【図-2 施工サイクル】
【図-3 先端ヘッド】
【図-4 振動騒音測定データ】
【図-5 改良効果の比較例(N値)】
48
技 術 概 要 (様式)
技術分類 安全、環境、コスト、ICT、品質、景観
技術名称 KS-B・MIX工法
担当部署 土木本部 技術部
NETIS登録番号 CG-030026
担当者 池上 成洋
社名等 あおみ建設株式会社
電話番号 03-5439-1014
技術の概要 1.技術開発の背景及び契機
深層混合処理工法は、軟弱地盤中に安定処理材(セメントスラリー)を強制的に注入しながら機
械攪拌混合することで軟弱土を強固な改良杭に改良する工法です。
従来の深層混合処理工法はφ1000×2軸が主流であり、多数の施工実績を有していますが、
更に大口径化によるコストダウンが求められています。
しかし、従来の機械設備では、改良径が大きくなるほど攪拌翼の抵抗力が増大し、オーガモー
タや機械本体が大型化するために、まだ広く普及していないのが現状です。
そこで、小型かつ軽量で大きなトルクを発揮することができる油圧駆動方式のロータリードライ
ブを採用した大口径深層混合処理工法を開発しました。
2.技術の内容
KS-B・MIX工法は、駆動装置を従来の電動式アースオーガから油圧式のロータリードライブに
改良した大口径深層混合処理工法です。これにより、杭径φ1200~1600、杭ピッチ1.0m~1.6m
までの2軸での大型施工が、従来の深層混合処理工法と同等の改良効果で可能です。
また、ピッチ変更も油圧装置により施工現場内で容易に変更が可能となっています。
さらに、油圧駆動による大トルク(145kw×2)の発生によって、大口径においても高い貫入力お
よび撹拌能力を持ち、あらゆる軟弱地盤にも対応が可能です。
3.技術の効果
KS-B・MIX工法は、大口径化および高い施工能力により、施工期間の短縮およびコスト縮減に
大きく寄与することができるとともに、低振動低騒音で施工できるため、市街地等での施工にお
いて環境にも配慮した工法です。(施工機より数m離れると振動50dB、騒音80dBとなる)
また、排土式深層混合処理工法との組み合わせで既設構造物との近接施工も可能です。
さらに、ベースマシンの装備を変更することにより、静的締固め砂杭工法のKS-EGG工法へ現
場内で変更が可能です。1つの現場で、深層混合処理と締固め砂杭の造成が必要な場合、1台
のベースマシンで両方の施工できます。
4.技術の適用範囲
・改良深度30mまでの施工が可能です。
・改良杭径φ1200mm~1600mmの2軸施工が可能です。
・杭ピッチ1.0m~1.6mまでの施工が可能です。
・N 値20程度の中間層(層厚3.0m程度)が存在する地盤でも施工可能です。
・市街地や既設構造物近傍での施工が可能です。
5.活用実績
国の機関 3件 (九州 0件 、九州以外 3件 ) 自治体 0件 (九州 0件 、九州以外 0件 ) 民 間 3件 (九州 0件 、九州以外 3件 ) 49
6.写真・図・表
【図-1 施工概要図】
杭芯セット
攪拌・貫入
スラリー注入
先端処理
攪拌・引抜
造成完了
【図-2 施工サイクル】
【写真-1 施工機械】
【写真-2 施工状況】
【写真-3 出来形確認】
50
技 術 概 要 (様式)
技術分類 安全、環境、コスト、ICT、品質、景観
技術名称 ラクトボード工法
担当部署 土木本部 技術部
NETIS登録番号 QS-040003-A
担当者 池上 成洋
社名等 あおみ建設株式会社
電話番号 03-5439-1014
技術の概要 1.技術開発の背景及び契機
バーチカルドレーン工法は軟弱粘性土地盤の圧密を促進する工法です。
代表的なものとしてサンドドレーン工法やプラスチックボードドレーン工法があり、ドレーン打設後
に載荷盛土工を併用することで圧密沈下を促進させる方法として、これまでに数多くの実績を有
しています。
このうち、プラスチックボードドレーン工法では、化学繊維系のドレーン材が大半であり、半永久
的に地中に残るために、施工中は材料であっても施工完了後は廃棄物として扱われてしまうこ
と、また化石燃料系材料であるために多大な石油エネルギーを消費すること等の課題が指摘さ
れています。
そこで、植物を原料として造られた生分解性プラスチックを使用し、ゼロエミッションを目指した
環境に優しいドレーン材を開発する必要がありました。
2.技術の内容
ラクトボード工法に使用するラクトボードは、軟弱粘性土地盤の圧密促進を図るバーチカルド
レーン工法において、植物を原料とした生分解性プラスチックにより、圧密終了後に生分解し無
害化する地盤改良工事用のドレーン材です。
ラクトボードは、芯材・フィルターともに天然のでんぷん(飼料用とうもろこしでんぷん)や糖類な
どの植物を原料として作られたポリ乳酸樹脂であり、施工後は土中の微生物のはたらきによって
水と二酸化炭素に生分解され無害化し、圧密沈下完了後には自然に還る素材です。なお、生分
解時に発生する二酸化炭素は、元々光合成によって大気中から吸収したものなので、カーボン
ニュートラルの考えから増加したことにはなりません。
ドレーン材としての要求性能である施工性、透水性および引張強度などはこれまでの化学繊維
系のものと全く変わりません。
3.技術の効果
ラクトボードはドレーン材としての所定の機能を有するとともに、ドレーン材としての機能を果た
した後は、土中の微生物のはたらきによって、水と二酸化炭素に生分解され土に還ります。生分
解してしまうことにより地中に異物を残さず無害化が図れるとともに、循環型社会への貢献が図
れます。
また、植物由来の原料を使用することにより、原料採取から廃棄までのLCA(ライフサイクルア
セスメント)を従来の化学繊維系の材料と比べて、石油消費量は約30%、二酸化炭素排出量は約
40%減少することができる環境負荷を低減する材料です。
さらに、従来のプラスチックボードドレーン打設機を改造等をせずにそのまま使用できます。
4.技術の適用範囲
・N値0-4程度の軟弱な粘性土地盤に適用できます。
・圧密沈下完了後に掘削作業等を必要とする場所に効果が大きいです。
・環境に配慮したゼロエミッション型の工法を希望する場所に対応します。
・pH9.0以上のアルカリ性土壌の粘性土地盤には適用できません。
ただし、日本の土壌の90%以上は酸性土壌であり、ほとんど問題ありません。
5.活用実績
国の機関 1件 (九州 1件 、九州以外 0件 ) 自治体 3件 (九州 2件 、九州以外 1件 ) 民 間 5件 (九州 0件 、九州以外 5件 ) 51
6.写真・図・表
【写真-1 生分解状況】
【図-1 登録番号No.377】
【図-3 LCA比較】
【図-2 登録番号No.62】
【写真-2 製品外観】
【図-4 断面図】
【表-1 標準仕様】
【表-2 物性表】
52
技 術 概 要 (様式)
技術分類 安全、環境、コスト、ICT、品質、景観
技術名称 ネットワークドレーン工法
担当部署 土木本部 技術部
NETIS登録番号 KT-060084-V
担当者 池上 成洋
社名等 あおみ建設株式会社
電話番号 03-5439-1014
技術の概要 1.技術開発の背景及び契機
軟弱粘性土地盤の圧密促進に用いる鉛直ドレーン工法では、軟弱地盤中に設置した鉛直ド
レーンを介して集められた過剰間隙水を載荷盛土の外に導くために、良好な排水性能を有する
サンドマットを地表面に敷設するのが一般的です。このサンドマット材には、従来良好な排水性を
有する砂が使用されてきましたが、近年、この良質材が枯渇しつつあり、その確保が困難になる
とともに、砂単価の高騰によるサンドマット工の施工費増大を招く結果となっています。
そこで、良質天然砂を用いることなく、従来のサンドマット工法と同等の排水効果を発揮するた
めの水平排水ドレーン工法を開発し、軟弱地盤改良のコスト縮減と施工期間の短縮および環境
保全を図ることが必要となってきました。
2.技術の内容
ネットワークドレーン工法は、鉛直ドレーンに格子状(X、Y方向)に配置した水平排水ドレーンを
併設した工法です。本工法は、従来の鉛直ドレーン工法の施工機械を用いて鉛直ドレーンを打
設した後、その頭部の余長部を隣接する鉛直ドレーン頭部に順次水平連結することにより、鉛直
および水平両方向の格子状の排水経路を同時に確保する新しい圧密促進工法であり、従来工
法のような水平排水材としての良質なサンドマットは必要としません。
従来工法の場合、サンドマット内での水平方向の排水機能は、サンドマットに使用される砂の
透水性に大きく左右されます。しかし、ネットワークドレーン工法は、水平排水材に鉛直ドレーンと
同じ材料を使用し、かつその連続性が確保されているので、鉛直および水平両方向の排水性能
が良好となり、良質な砂を使用した従来工法と同等の圧密促進効果を期待できます。
3.技術の効果
ネットワークドレーン工法は、水平排水層としての良質なサンドマット材が不要になります。その
結果、材料コストおよびマット施工費を縮減できるとともに、サンドマットの材料採取を抑制するこ
とができ、環境保全に寄与します。
また、サンドマットを敷設する工程が不要となるため、施工期間の短縮が図れます。
さらに、鉛直および水平両方向のドレーン材に工場生産による均質な同一の材料を使用し、そ
の連続性が確保されているために良好な排水性能を有し、信頼性の高い圧密促進効果が得ら
れます。
なお、施工重機の足場材として、建設発生土の有効利用も可能です。
4.技術の適用範囲
・N値0-4程度の軟弱な粘性土地盤に適用できます。
・従来の鉛直ドレーン工法であるプラスチックボードドレーン工法に適用できます。
・鉛直ドレーン施工機械は湿地型を基本とします。
・足場材を省略する条件としては、原地盤表層のコーン指数がqc=300kN/m2以上とします。
5.活用実績
国の機関 0件 (九州 0件 、九州以外 0件 ) 自治体 0件 (九州 0件 、九州以外 0件 ) 民 間 9件 (九州 1件 、九州以外 8件 ) 53
6.写真・図・表
鉛直ドレーン
専用連結材
水平(Y)ドレーン
専用連結材
水平 (X) ドレーン
(鉛直ドレーンの余長部)
水平(X)ドレーン
平面図
水平 (Y) ドレーン
鉛直ドレーン
専用連結材
専用連結材
地盤の変形に追随
現地盤が超軟弱な場合
には重機足場のトラフィ
カビリティ確保のため、
建設発生土を敷設する
【写真-1 水平ドレーンの敷設状況】
鉛直ドレーン
:過剰間隙水
の流れ
断面図
【図-1 工法概念図】
【写真-2 ドレーン材の接続手順】
【図-3 先端ヘッド】
【図-2 地盤沈下量の比較】
【写真-3 排水状況】
54
技 術 概 要 (様式)
技術分類 コスト
技術名称 アーバンノーディッグ工法
担当部署 西日本支部 事務局
NETIS登録番号 QS-010005
担当者 三原 義寛
社名等 アーバンノーディッグ工法協会
電話番号 0952-68-3491
技術の概要 1.技術開発の背景及び契機
従来、上下水道、ガス管、電力線、通信ケーブルなどの埋設管工事は、道路や地盤を
開削してパイプを埋設するのが一般的な方法であり、膨大な時間と経費を費やしてきま
した。
小口径推進工法も数多く工法があるが、推進費用も高価で、仮設に係る費用も高く、且
つ工期に要する時間も長くなる問題点もありました。
アーバンノーディッグ工法は、地上からの電磁誘導システムによる簡易な方法で施工
管理を行う事と、推進設備を地上及び車上に設ける事により、従来工法よりコスト低減
と工期短縮を実現した工法です。
2.技術の内容
アーバンノーディッグ工法は非開削工法の1種で、一般名称でHDD工法(誘導式水平ド
リル工法)と呼ばれ、地上からの操作により埋設管を非開削で布設する工法です。
アーバンノーディッグ工法は、地中のビーコン(発信器)から発進された電波を地上のロ
ケータ(受信器)で受信し、地表から遠隔操作により誘導されたドリルヘッドにより掘削を
行います。その後、計画された布設管を形成された掘削孔へ、引き込む事により小口
径管を布設する工法です。
3.技術の効果
(1)施工コストの低減
・機械経費、人件費を大幅に減少
・地上作業が中心のため大規模な仮設が必要でなく仮設費用を低減
(2)施工工期の短縮
・小口径推進工法の半分以下の所要時間で施工する事も可能
・機械の設置、撤去が容易
(3)カーブ推進が可能
・上下左右の修正が可能
・埋設物等を迂回し現場に応じた推進が可能
4.技術の適用範囲
①適用可能な範囲
対象土質:シルト質土、粘性土、砂質土、礫混じり土砂(礫径30mm程度、混入率20%未
満)
対応管径:φ50mm~φ 550mmまで
推進可能距離:120mまで(φ 50mmで120mまで、 550mmで40mまで)
※上記を超える距離については協会へご問い合わせ下さい。
対応深度:約10mまで 曲率半径:R40~46mまで
②機種
大型機:JT4020・JT2720 中型機:JT2511・JT1720・JT2020 小型機:PT1010・PU10
③適用管種
ポリエチレン管、鋼管、ステンレス管、推進用NS形ダクタイル鋳鉄管、電力・通信用ケーブル保護
管、(一部塩化ビニル管)
5.活用実績
国の機関 15件 (九州 14件 、九州以外 1件 ) 自治体 346件 (全国) 民 間 18件 (全国) 55
6.写真・図・表
図-1 アーバンノーディッグ工法
施工機械一覧
図-2 施工手順
写真-1 施工事例
56
技 術 概 要 (様式)
技術分類 安全、環境、コスト、ICT、品質、景観
技術名称 AT-P工法
担当部署 技術調査部
NETIS登録番号 QS-060003-A
担当者 彌永 裕之
社名等 株式会社 アーテック
電話番号 0973-23-9083
技術の概要 1.技術開発の背景及び契機
河川中の橋脚の耐震補強において河積阻害率の制限を受ける場合、通常のRC巻き
立て工法の1/3ほどの補強断面厚さですむポリマーセメントモルタル巻立工て法によっ
て施工されている。
それでも河積阻害率を超える場合は、河川管理者の工事許可がおりずに着工が見送
られることがあり、ポリマーセメントモルタル巻立て工法よりさらに補強断面を薄くできる
工法を望む声が大きかった。
2.技術の内容
AT-P工法は既設RC橋脚の表面に溝を刻み、従来工法では表面に配置していた軸
方向補強主鉄筋を埋め込みエポキシ樹脂で固定した後、補強帯鉄筋を表面に配置し
て
ポリマーセメントモルタルを巻立てる。
補強断面厚さは、補強帯鉄筋が16㎜の場合で34㎜(最小)。補強主鉄筋は橋脚内に
埋め込まれるため、サイズに関わらず補強断面の厚さに影響しない。使用する補強帯
筋の最大外径にポリマーセメントモルタルの被り厚(14㎜)を加えた厚さが補強断面厚
さになる。
3.技術の効果
① 河積阻害率や建築限界など構造寸法上の制限を受ける場合に有効である。
② 補強による重量の増加が少ないため、基礎構造及び地盤への負担が少ない。
③ 主鉄筋が橋脚内に埋め込まれ、エポキシ樹脂で固定された結果、ひびわれ分散性
じん性が向上。主鉄筋の座屈、はらみ出しを抑制し変形性能に優れた、既設橋脚と
一体化した耐震補強ができる。
4.技術の適用範囲
① RC橋脚であればどんな形状でも適用できる。
② 水門および頭首工の堰柱、底版の耐震補強。
③ ボックスカルバートの耐震補強
④ そのほか
5.活用実績
国の機関 3 件 (九州 0 件 、九州以外 3 件 ) 自治体 19 件 (九州 1 件 、九州以外 18 件 ) 57
6.写真・図・表
施工例
五の橋 (岩手県釜石市)
神立橋 (島根県出雲市)
津蔵渕水門(堰柱、底版) (高知県四万十市)
< AT-P概要図 >
58
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