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ひろげよう 平和の連鎖(PDF:1045KB)

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ひろげよう 平和の連鎖(PDF:1045KB)
平和都市宣言 周年
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― も く じ ―
ちらも実現には至りませんで 中国、太平洋など、国内外の
した。そこで、当時の小里頼 戦地へと赴いていきました。
り ょ うま つ こ
永町長らが誘致に奔走し、政 ◆ 糧 秣庫︵赤レンガ倉庫︶
府に対して陳情などを行った 現在の信州大学旭町キャン
結果、ついに兵営が実現した パスの敷地は、旧陸軍歩兵第
五十連隊の駐屯地が置かれた
のです。
場所です。食糧などを保管し
兵営の決定は、新聞をにぎ
わせ、翌 年に五十連隊が松 た糧秣庫︵赤レンガ倉庫︶が、
本に入ったと 今も残っています。
きには、市民
文化財的価値が認められ、
から大きな歓
迎を受けまし
た。松本市は
﹁軍都﹂とし
て発展してい
くこととなり
ました。
ここで厳し
い教育と訓練
を受けた兵隊
たちは、シベ
リア、満州、
広報まつもと2016年 9 月号 2
▲糧秣庫(赤レンガ倉庫)
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松本町が土
地や負担金を
提供し、旭町
に歩兵第五十
連隊の兵営が
決定したのは、
明治 年のこ
とです。これ
より以前に二
度、松本への
兵営の誘致運
動を行ってい
ましたが、ど
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ひろげよう 平和の連鎖
「山の日」記念全国大会 他
災害へ備えましょう
応急処置は医療救護所で
9月10日∼16日は自殺予防週間
守りたい、
松本の農地と農業
9月20日∼26日は動物愛護週間
9月10日は下水道の日
保険証更新のお知らせ
臨時福祉給付金 他
市民活動フェスタ 2016
健康フェスティバル
松本ノーマイカーデー
飯沼英樹「闘ウ女神タチ」
コラムのページ
情報チャンネル
10月の相談日
生きがいの仕組みづくり
▲歩兵第五十連隊
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昭和 61 年 9 月 25 日
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市内には、戦争との関わりを示す遺跡が、現在も
残っています。
戦争遺跡から、松本の戦争の記憶をたどってみま
しょう。
旧陸軍歩兵第五十連隊
歩兵第五十連隊が組織され
たのは、日露戦争中の明治
年︵1905︶のことです。
連隊とは、軍隊の戦闘単位の
ことで、師団・旅団に次ぐも
のです。連隊は、大隊・中隊
に編成されていました。師団
の定員は、平時は約1万人、
戦時は2万人を超えていまし
た。連隊は、約1700人の
定員を基本としていました。
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世界の恒久平和は人類共通の願いである。われわれは、平和を
愛するすべての人々とともに、核兵器の廃絶と戦争のない明る
い住みよいあすの郷土を願い、ここに「平和都市」の宣言をする。
30
昭和 年に松本市が平和都市宣言をしてから、今年で 周年を迎えます。
松本市と戦争との関わりについて学び、戦争のない明るい社会を実現す
るために、改めて平和について考えてみませんか。
松本市平和都市宣言
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旧陸軍飛行場
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松本の陸軍飛行場は、現在
の信州まつもと空港の近く、
今井・笹賀・神林にまたがる
地域にありました。陸軍省の
命令で工事が開始されたのは、
昭和 年 月のことです。
飛行場は、 万平方メート
ルもの広大な敷地だったため、
市では、戦争の風化が叫ばれる昨今、市内に残る戦
争の爪跡を後世に残し、語り継いでいくため、戦争遺
跡周辺に記念碑を建立しています。
【設置場所】
歩兵第五十連隊糧秣庫(旭町)
、里山辺軍事工場、中
山軍事工場、旧陸軍飛行場(笹賀)
平成 年8月に国の登録有形 とができます。
工事には、国民学校や旧制中
◆中山軍事工場
文化財に指定されました。
学校、旧制高校の生徒、地元
戦時下には、兵隊のほか、満州や中国に移民した
弘法山あたりから、現在の 住民など、多くの人々が動員
女性、学童疎開をした子ども、それぞれが異なった
中山霊園に向かう道沿いまで されました。
軍事工場の疎開
戦争体験をしています。
を中心に、斜面を利用して建 ◆飛行場の跡
松本市では、人々の歩みや
昭和 年、名古屋の飛行機 設されました。
旧陸軍の滑走路は、菅野小 思いを後世に伝えていくため、
製造所が空襲にあい、翌 年
学校の西側にありました。
現在でも山側の斜面には、
戦争体験者への聞き取り調査
に工場を松本に疎開すること 半地下工場の基礎と思われる
格納庫︵飛行機を収納する
が決定しました。
コンクリート壁を見ることが 倉庫︶等のコンクリート基礎 を行っています。
◆里山辺軍事工場
の一部は、菅野小学校のグラ 調査をまとめた﹃伝えたい
できます。
ウンドの基礎も兼ねていて、今 私たちの戦争体験﹄は、文書
林地区・大嵩崎地区の農地
を中心に、地下工場・半地下
でも確認することができます。 館で販売しています。
工場が作られました。
現在でも地下工場のトンネ
ル内部︵一部︶を確認するこ
市内に残る戦争遺跡
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▲中山にあった半地下工場
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飛行機を操縦するロボット
市内在住 丸山重雄さん(90歳)
隊員は、
「人間」としてではなく、
「飛行機を操縦するロボ
ット」のように扱われ、命の大切さは考えられていませんで
した。厳しい訓練や戦闘中に、多くの仲間が命を落としまし
た。私自身も、何度も死の危険に直面しました。
人の命がロボット代わりにされるなんて、とてもみじめな
ことです。終戦後、
「せっかく生きている。生かされている
のだから、無駄に生きないように」と思って、さまざまなこ
とに挑戦し、充実した人生を送っています。
戦争は、兵隊だけではなく、多くの尊い命を奪います。命
は、軽いものではありません。他に代わりのない、かけがえ
のない大切なものです。
戦争は、二度とあってはならないと申しそえます。
3 広報まつもと2016年 9 月号
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▲充実した人生を送るため
に、書道や華道、茶道な
ど多くのことを学んだと
いう丸山さん。
後ろに、戦友の鎮魂を願
って描いた「仏画」が並ぶ。
16歳のときに、東京の立川陸軍航
空学校に入学しました。私は「戦闘隊」
に配属され、空中で敵の航空機を探し
て、撃ち落とす任務につきました。
相手を撃ち落とさなければ、自分が
撃ち落とされる…。そんな状況のため、
毎日「今日、死ぬかもしれない」と考
えていました。それが当たり前の世界
で、将来のことなど考えることは全く
ありませんでした。
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松本市では、平和を創る取り組みを進め、平和の
連鎖をひろげていくために、さまざまな平和推進事
業を実施しています。
︻文書館
1階︼
平和資料コーナー
文書館が所蔵している戦時
中の手紙や疎開中の写真、市
松本市の戦争の歴史や平和
の取り組みを恒常的に展示し、 内に残る戦争遺跡の当時の写
平和について学ぶことができ 真などのほか、市が実施して
る場所として、中央図書館と いる平和推進事業のパネルを
文 書 館 に﹁平 和 資 料 コ ー ナ 展示しています。
ー﹂を設置しています。
︻中央図書館 1階︼
広島平和記念式典参加
広島・長崎の原爆パネルの
ほか、里山辺や中山の軍事工
場跡の模型、パネルの展示、
平和に関する書籍、資料等約
400点を常設しています。
松本市平和都市宣言の願い
を踏まえ、
毎年、
松本市内中学
校の代表者が原子爆弾の被爆
地である広島を訪れています。
今年は、 人が参加し、広
島平和記念式典への参加や、
被爆体験者の講話、広島平和
記念資料館等の見学をとおし
て、広島で起きた被爆の実情
を学び、知り、考え、平和の
大切さを肌で感じてきました。
﹁学都松本﹂
参加を契機に、
の中学生として、平和の尊さ
を学びながら、家族や友人を
思いやるなど、身近でできる
ことを行動に移すきっかけに
なるよう、実施しています。
▲文書館の平和資料コーナー
親子平和教室に参加して
松本市の戦争と歴史、被爆地広島の実情を学び、
平和と命の大切さを考えるため、小学 4 ∼ 6 年生を
対象とした親子平和教室を開催しました。
6 月下旬から 8 月中旬までに、全 5 回の教室が
開かれ、11組の親子が参加しました。
参加者は、文書館で講座を受講したり、広島平和
記念式典に参加したりしました。
―親子平和教室に参加したきっかけ
お母さん 林 由香さん(右)
小学5年生 林 真由莉さん
由香さん
私が子どもの頃にくらべて、戦争について知る機会
が少なくなったような気がします。戦争や平和につい
て、子どもと一緒にもう一度学びたいと思い、参加しました。
―広島平和資料館を見学して
2 歳の時に被爆し、12歳で亡くなった佐々木禎子
真由莉さん
さんが薬袋で折った鶴を見て、精一杯生きようとした
思いが伝わってきました。戦争は、罪のない人の命が奪われる、
ひどいものだと思いました。二度と戦争を起こさず、平和な未来
をつくるために、私ができることをやっていきたいです。
―戦争体験者の話を聞いて
戦争は、家族や友達とバラバラになってしまう恐ろし
結衣花さん
いものだと感じました。体験者の方から、
「家族や友達と
仲良くしたり、協力したりすることが平和なんだよ」と教えてもら
いました。これからも、家族や友達を大切にしていきたいです。
―親子平和教室で学んだことをいかして
優子さん
親子平和教室に参加して、私たちの身近なところにも
戦争遺跡があることを知りました。子どもと一緒に、市 小学5年生 藤澤 結衣花さん(左)
お母さん 藤澤 優子さん
内にある戦争遺跡を巡ってみたいと思います。
広報まつもと2016年 9 月号 4
ともしび
平和の灯モニュメント
平和の
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西本沙織さん
信州大学 経済学部 3 年
主体的な平和学習を
関 和穂さん
松本ユース平和ネットワーク
松本大学 総合経営学部 3 年
﹁松本ユース平和ネットワーク﹂は、若者の視点で
平和活動を進めていくため、松本市在住の若者を中心
に活動しています。
参加している学生2人に、話を聞きました。
私たちの思い
次世代へ平和の連鎖を
平成18年と平成26年に、広島市から贈られた「被
爆アオギリ二世」をあがたの森公園の平和祈念碑付
近に植樹しました。
今年の平和祈念式典では、長崎市から贈られた
「被爆クスノキ二世」の苗木を植樹しました。
平和学習のあり方を考え
文書館での学習や、戦争体 験者の聞き取り調査などをと るために、まず自分たちが
おして戦時下の松本について 今までどのような平和学習
勉強し、学んだことを伝え広 を受けてきたのか、振り返
りました。
める活動をしています。
そこで感じたことは、今
5月にまつもと市民芸術館 で行われた﹁日本非核宣言自 の平和学習は、①受け身の
治体協議会﹂では、学習内容 学習である、②日本の戦争
を発表したほか、長崎市長や 以外は詳しく知らない、③
松本市長と、戦争や平和につ 現在、世界で行われている
いて意見を交わす﹁平和トー 戦争の実態を知らないとい
うことです。
ク﹂にも参加しました。
受け身の学習では、平和
この活動をする中で、戦争 について知らないことが多い について学びたいという意
ということを強く感じました。 識も育ちにくいのではない
かと思います。
これからも学習を進め、私
たちよりさらに若い世代に、 主体的な平和学習を進め
戦争の歴史や、平和の大切さ ていくためには、どのよう
を語り継いでいきたいと思っ な方法が望ましいのか、今
後も考えていきたいです。
ています。
5 広報まつもと2016年 9 月号
▲広島平和記念式典参加中学生の感想発表
被爆地から平和を受け継ぐ
昨年、市役所本庁舎前
庭に「平和の灯モニュメ
ント」を設置し、広島平
和記念公園の「平和の灯」
を点火しました。
9月25日の平和都市宣言
の日に伴い、記念事業を
開催します。
被爆アオギリ二世・
被爆クスノキ二世の植樹
●日時 9 月21日(水)午後 3 時30分∼ 4 時30分
●会場 松本市役所
●内容 平和の灯リーフレット披露、平和メ
ッセージ、平和パフォーマンス
●問い合わせ 行政管理課(☎33-4770 㨐33-1877)
また、被爆地の長崎市から
贈られた被爆クスノキ二世を
植樹しました。
式典終了後
に は、 あ が た
の森文化会館
講 堂 で、
﹁平 和
の 集 い﹂ を 開
催しました。
小学生によ
る平和の詩の
朗 読 や、 平 和
に関する本の
読 み 聞 か せ、
スズキメソー
ドの平和コン
サートが行われ、多くの市民
が耳を傾けていました。
▲被爆クスノキ二世の植樹
松本市平和祈念式典
今年も、終
戦記念日の8
月 日に、あ
がたの森公園
平和祈念碑前
で、 第「 回
松本市平和祈
念式典 を
」 開
催しました。
折鶴の献呈
のほか、広島
平和記念式典
に参加した中
学生により、
感想文と平和へのメッセージ
が読み上げられました。
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