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資料4−2
準天頂衛星システムの推進と
利活用について
平成26年7月
内閣府宇宙戦略室
衛星測位のしくみ
測位衛星(GPS等)
時刻情報、衛星の
軌道情報等を送信
衛星から地上へ
の一方向送信
(x,y,z,t)
4機以上の衛星から
信号を受信して
位置と時刻を決定
○衛星測位は、人工衛星からの信
号を受信することにより地上の
位置・時刻を特定する技術
○3次元情報と時刻情報の4つの
パラメータを計算する必要があ
るため、位置特定には最低4機
の人工衛星から信号を受信
○米国GPSは、米国国防総省が
運用している30機程度の人工
衛星から構成されるシステムで、
各人工衛星は高度約2万km上
空を12時間で地球を1周して
いる
1
準天頂衛星の軌道
○静止軌道
赤道面上にあり、高度約36,000kmの円軌道で、地球の自転と同期して約24時間で
1周する軌道。そのため、衛星は地上からは静止したように見える。
○準天頂軌道
静止軌道に対して軌道面を40∼50度傾けた楕円軌道で、地球の自転と同期して
約24時間で1周する軌道。子午線(日本の場合は東経135度(明石市))の近傍上空を
南北に往復する。
■ 準天頂軌道衛星の地上軌跡
■ 静止軌道と準天頂軌道
(衛星の地上直下点が描く軌跡)
準天頂軌道
日本
赤道面
静止軌道
2
測位衛星分野の国際動向と日本の位置付け
我が国は民生用として世界最大規模のGPS利用国。
GPSの補強・補完を目的とした日本独自の準天頂衛星システムを開発し、初号機
「みちびき」を2010年9月に打上げ。
「実用準天頂衛星システム事業の推進の基本的な考え方」(平成23年9月30日
閣議決定)において、2010年代後半を目途にまずは4機体制を整備し、将来的には、
持続測位が可能となる7機体制を目指すこととした。
出典:JAXA
準天頂衛星
(日本)
出典:Lockheed Martin
GPS衛星
(米国)
ガリレオ衛星
(欧州)
GLONASS衛星
(ロシア)
出典:CAST
出典:Astrium
北斗衛星
(中国)
出典:NPO PM
出典:ISRO
IRNSS衛星
(インド)
3
準天頂衛星システムの開発・整備・運用
①衛星の開発・打上げ・整備(平成24∼29年度)/事業費約845億円
②地上システムの整備・運用(平成24∼44年度)/事業費約1188億円(平成30年度より支出予定)
事業の目的・概要
事業の推進状況
○測位衛星の補完機能(測位可能時間の拡大)、測位の ○準天頂衛星システムの開発・整備に着手。
精度や信頼性を向上させる補強機能やメッセージ機 ・3機分の衛星の開発・整備は、国が直接実施。
能等を有する準天頂衛星システムを開発・整備(打 (委託先:三菱電機(株)、5年間の国庫債務負担行為、
上げ含む)する。
約503億円)
○「実用準天頂衛星システム事業の推進の基本的な考 ・地上システムの整備・運用は、民間資金を活用した
え方」(平成23年9月30日閣議決定)において、
PFI事業として実施。
①実用準天頂衛星システムの整備に可及的速やかに (実施者:準天頂衛星システムサービス(株)(SPC)、
取り組む
21年間の国庫債務負担行為、約1,188億円)
②2010年代後半を目途にまずは4機体制を整備し、
準天頂衛星
準天頂衛星
将来的には持続測位が可能となる7機体制を目指す
システム
システム
③実用準天頂衛星システムの開発・整備・運用は、
(地上システム)
(衛星システム)
準天頂衛星初号機「みちびき」の成果を活用しつつ、
GPS
内閣府が実施することとしている。
スケジュール
2012年度
(平成24年度)
×
準天頂衛星システムの仕様決定、事業着手
宇宙(衛星)システムの整備
2018年度
(平成30年度)
×
地上システムの整備
民間による整備・運用
準天頂衛星システム(4機体制)の運用開始
国による開発・
整備
運用(15年間予定)
準天頂衛星システム利用者
4
準天頂衛星システムの進捗状況と想定スケジュール
◆衛星システムについては、平成26年度できるだけ早期に基本設計が完了予定。その後、詳細設計
を平成26年後半を目処に完了し、本格的な製造に着手予定。
◆ また、地上システム・衛星システムを含めた「総合システム設計」が平成26年度できるだけ早期に
完了予定。
年度
衛星システム
H24
H25
H26
H27
H28
H29
H30
H31
H32∼H44
(2012)
(2013)
(2014)
(2015)
(2016)
(2017)
(2018)
(2019)
(2020∼2032)
契約(3月)
総合システム 契約(3月)
3機打上げ
整備
基本/詳細設計
打上げ前試験
総合システム設計
測位チューニング等
総合システム検証
地上システム (PFI
事業
利用拡大方策の策定/実施
地上システム
主管制局
基本/詳細設計
地上システム総合試験
製造
H30年度より
サービスの運用
開始
試験
追跡管制局
)
監視局
設計/製造
設計/製造 試験
試験
5
準天頂衛星システムの機能と意義
【第1の機能】GPSの補完
○衛星測位の利用可能場所・時間の拡大
上空視界の限られた都市部を中心に改
善が図られる。
【第2の機能】GPSの補強
○衛星測位の精度及び信頼性の向上
GPSのみ:低精度(約10m),信頼性の保
証がない
→GPS+補強:高精度(2m/数cm)、信頼
性の確保
【第3の機能】安否確認・避難誘
導等機能
○簡易メッセージ送信機能
○メッセージ通信機能
①高度な機器やサービスの市場の
創出と我が国の幅広い産業の競
争力強化に資する。(日本とアジア
地域における2020年の経済効果:
約4兆円)
②測位、ナビゲーション及び時刻参
照の分野における産業、生活、行
政の高度化・効率化に寄与する。
③アジア・オセアニア地域にも左記
の機能が展開可能であることから
当該地域への貢献と我が国の国
際プレゼンスの向上に寄与する。
④測位衛星分野における日米協力
の強化。
⑤発災直後の安否確認・避難誘導、
救援・被災地状況の把握、復旧・
復興等の各段階において、我が
国の災害対応能力の向上等広義
の安全保障に資する。
6
測位衛星の用途
今日、測位衛星の利用は、様々な省庁(所管産業界等を含む。)で広く行われている。
農機・建機
車両
鉄道
船舶
航空*
(農林水産省、国土交通省)
※ その他、野生生物の
行動把握などにも活用
(国土交通省)
パーソナルナビゲーション
*現在我が国が運用中の航空支
援衛星による航法補強システム
(MSAS)も活用
公共測量・
民間測量・
地積測量
緊急通報
(110番、119番等)
(国土交通省、
法務省)
測位衛星
(警察庁、消防庁、国土交通省)
民間警備
金融取引
機器制御
安全保障
(防衛省)
捜査活動
(警察庁)
7
アジア各国との協力

準天頂衛星システムの利用促進に向け、アジア各国と準天頂衛星システムアジア
太平洋ラウンドテーブルを実施



第1回 2012年 6月(横浜)
第2回 2012年12月(クアラルンプール)
第3回 2013年12月(ハノイ)
※第3回参加国:マレーシア、ラオス、ベトナム、カンボジア、オーストラリア、フィリピン、ミャンマー、
の7カ国

準天頂衛星システムの計画の進捗状況及びこれを用いたアプリケーションの説明を
行うとともに、参加国における準天頂衛星システムの利用に関する潜在需要及び利
用に向けた自国インフラの活用や新規整備の可能性について把握した。

今後、準天頂衛星システムの各国での活用に向けた二国間ベースでの対話を進め
ていくと共に、継続的な協力の枠組みとして本会議を今後も活用していくことについ
て参加者の間で合意した。
第3回会合模様
第1回会合模様
第2回会合模様
8
今後の方向性
●地上システムの整備、衛星打ち上げを着実に推
進するとともに、初号機みちびきの運用及び後
継機の開発・打ち上げに必要な措置を講じる。
●将来的には、持続測位が可能となる7機体制を
目指す。
●準天頂衛星システムの利用拡大を積極的に展
開する。特に、ユーザー拡大の観点から、我が
国だけでなく、アジア太平洋地域も念頭に置き
つつ、幅広い分野での利用拡大を積極的に推
進する。
9
主な政府決定等における準天頂衛星システムの位置付け(抜粋)
 宇宙基本計画(平成25年1月25日 宇宙開発戦略本部決定(議長:安倍総理))
第3章 宇宙開発利用に関し政府が総合的かつ計画的に実施すべき施策
3−1.宇宙利用拡大と自律性確保を実現する4つの社会インフラ
A.測位衛星
(3)今後10年程度の目標
2010年代後半を目途にまずは4機体制を整備する。準天頂衛星システムを活用した新たな機器や
サービスを、我が国を始めアジア太平洋地域に提供する。
(4)5年間の開発利用計画
①事業計画の着実な推進
2010年代後半を目途に4機体制を構築するため、準天頂衛星システムの開発・整備を着実に推進する。
 平成27年度宇宙開発利用に関する戦略的予算配分方針(平成26年5月26日)
II.平成27年度予算の重点について
2.重点化すべき事業
(1).測位衛星
2010年代後半の準天頂衛星システムの4機体制整備に向けた衛星開発、地上システムの整備、衛星打
ち上げを着実に推進するとともに、初号機みちびきの運用及び後継機の開発・打ち上げに必要な措置を講
じる。具体的には、準天頂衛星システムの4機体制を確実に実現するため、初号機「みちびき」の後継機の
整備に関する調査・検討を行う。また、将来的には、持続測位が可能となる7機体制を目指す。
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