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論
博 士 論 文 題
文
内
容
の
要
旨
目MulthnputMultFoutputFeedbackErrorLearningContro1：
TheoryandApplications
(多 入 出 力 フ ィー ドバ ッ ク 誤 差 学 習 制 御 ：理 論 と応 用)
氏
名ALALIBASELABDRABALAMEERA.
(論文 内容 の 要 旨)
本 論 文 は 、ヒトの 動 作 習 熟 のモ デ ル として川 人 らによって提 案 され たフィー ドバ ック
誤 差 学 習(FeedbackErrorLeaming；FEL)の
手 法 を制 御 工 学 の面 か ら考 察 し、多 入
出 力 システムへ の拡 張 と安 定 性 の証 明 、閉ル ー プ 同 定 へ の応 用 、2リ ンクマ ニピュレ
ー タへ の適 用 実 験 などを行 ったものである。
FELは
制 御 対 象 の数 理 モ デ ル を用 いず 、フィー ドフォワー ド制御 器 を学 習 によって
調 整 し、優 れ た トラッキング特 性 を得 るとい う手 法 で あり、フィー ドバ ック誤 差 に基 づ い
て学 習 が行 われ る点 に著 しい特 徴 が ある。本 論 文 で は まず 、この 手 法 を線 形 多 入 出
力 系 に拡 張 す る。そ の ため には 相 対 次 数 の補 償 とパ ラメー タ調 整 則 を拡 張 す る必 要
が あるが、前 者 はインタラクタ多 項 式 行 列 の逆 行 列 を用 い てプ レフィル タを構 成 す るこ
とによって達 成 し、後 者 は ベ クトル 調 整 則 を行 列 に拡 張 す ることで 実 現 され る。そ の有
効 性 はシミュレー ションによって検 証 され た。
次 に 、上記 の調 整 則 をクロネ ッカ積 で記 述 す ることにより、この 手 法 の 安 定 性 を適 応
制 御 の 分 野 でよく知 られ た正 実 条 件 に基 づ い て証 明 す る。そ の 際 、信 号 の持 続 的励
振(PersistentExcitation；PE)が
が、たとえPE性
満 た され て いれ ば 調 整 パ ラメ・
一一
一
・
タも真 値 に収 束 す る
が満 た され なくても出 力誤 差 は0に 整 定 され ることが示 され る。つ まり、
参 照信 号 によらず トラッキングの 目的 は 達成 できる。
さらに、出力 誤 差 の 収 束 が非 常 に早 いことに注 目し、この 手 法 を周 波 数 応 答 と結 び
つ けて閉ル ー プ 同 定 法 として提 案 す る。制御 対 象 のパ ラメー タが 閉ル ー プ 系 か ら同定
され 、初 め に粗 く設 計 され たフィー ドバ ック制御 器 をより高 性 能 のもの に再 設 計す ること
が可 能 となる。
最 後 に、2リ ンクマニピュレー タによって提 案 手 法 の有 効 性 を検 証 す る。一 筆 書 きで
書 ける簡 単 な文 字 を参 照 信 号 として指 定 し、これ にマニピュレータをトラッキングさせ る
実 験 を行 い 、プ レフィル タの 存 在 によって 角 は 丸 くなるもの のオ ンラインで機 械 が 手 書
きに習 熟 す ることを確 認 した。
氏
名ALALIBASELABDRABALAMEERA
(論 文 審 査 結 果 の 要 旨)
本 論 文 は 、ヒ トの動 作 習 熟 の モ デ ル で あ る フ ィー ドバ ック誤 差 学 習(Feedback
ErrorLeaming；FEL)の
手 法 を制御 工 学 の観 点 か ら考 察 す る こ とに よ り、理 論
と応 用 に 関 して 幾 つ か の知 見 を 与 えた も の で あ る。 そ の主 な成 果 は 次 の3点
に
要 約 され る。
1.近
年 、複 数 の研 究 者 に よっ てFELの
制御 工 学 的 な研 究 が な され て い るが 、
多 入 出 力 シ ス テ ム に拡 張 した の は本 論 文 が初 め て で あ る。 現 代 制 御 の ツ ール で
あ る行 列 演 算 や 状 態 空 間 表 現 を活 用 す る こ とに よ って 達 成 され て い る。 これ に
よ りFELの
適 用 対 象 が格 段 に広 が る と とも に 、一 般 的議 論 が見 通 しよ く行 え る
よ うに な っ た。 ま た 、 こ の枠 組 み に お い て 収 束 性 も証 明 され 、理 論 面 か らの 有
効 性 が 実 証 され た。
2.持
続 的 励 振(PersistentlyExcitation；PE)条
件 が な くて も出 力 誤 差 が0
に整 定 され る こ とか ら、 これ を周 波 数 応 答 と結 び つ け て 閉ル ー プ 同 定 の 新 た な
手 法 を提 案 して い る。 閉ル ー プ で の 同 定 は 、入 出力 信 号 が相 関 を持 つ こ とか ら
極 め て 困難 で あ る と言 われ て い るが 、 本 研 究 に よ ってFELが
同定 に も有 用 で あ
る こ とが 示 され た。
3.機
械 へ の適 用 実 験 を通 じて 、 制 御 手 法 と して の 有 効 性 を検 証 して い る。 フ
ィー ドフ ォ ワー ド制 御 器 の切 換 に よっ て 、 マ ニ ピ ュ レー タ に複 数 の 文 字 の 一 筆
書 き を教 え る こ とは 、学 習 の 例 と して説 得 力 あ る もの で あ る。2リ ン クマ ニ ピュ
レー タ は2入
力2出
力 系 で あ り上 記 の 手 法 の対 象 と して ま さに相 応 しい が 、 線
形 シ ス テ ム を 対 象 と した 本 理 論 を用 い る に あ た っ て は 、 そ の非 線 形 特 性 が 問 題
に な る。 本 研 究 で は 局 所 的 な ハ イ ゲ イ ン フ ィー ドバ ッ ク等 の実 装 上 の 工 夫 に よ
りこの影 響 を低 減 し、 検 証 実 験 に成 功 した 。
以 上 の よ うに 、本 論 文 は 学 習 制 御 に 関 す る理 論 と応 用 の 両 面 か ら今 後 の 工学
に 大 き く貢 献 す る研 究 で あ る。 よ っ て 、 本 論 文 は博 士(工
て価 値 が あ る もの と認 め る。
学)の
学位 論文 と し