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2011/11/8 自然地理学 II 10/25 の質問に対する回答 山田周二 ・なぜ
2011/11/8 自然地理学 II 10/25 の質問に対する回答 山田周二 ・なぜ海面温度が 26℃くらいのところで台風が発生しやすいのか? →26℃くらいのところではなく,26℃よりも海面水温が高いところで発生する.それは,海水面からの蒸発が盛 んであるところで台風が発生し,水温が高いほど蒸発が盛んになるため. ・なぜ北緯 0 度のところまで寒帯前線が行ったら戻ってくるのか? →北緯 0 度には行かず,おおむね 30 から 50 度の間を動いている.それは,太陽高度の変化による. ・日本では水害は夏と秋に起こりやすいことは分かったが,南半球ではこの逆になるのか? →夏と秋に水害が多いのはあくまで日本の話で,北半球でも日本とは異なる気候帯にある地域では,雨が降る季 節は異なる.たとえば赤道付近の熱帯雨林気候区では年中雨が降るし,地中海性気候区では冬に雨が降る. ・雨がほとんど降らない地域というのは,講義で説明された雨が降る3つの条件が成り立ちにくいということ か? →そう. ・台風が 5-10 月に集中するのはどうしてか? →台風は海水面からの蒸発が盛んであるところで発生し,夏ほど蒸発が盛んなので,夏に多くの台風が発生する. ・前線には梅雨前線や秋雨前線があるが,それは単に発生する時期の違いだけか? →梅雨前線と秋雨前線では,発生する時期が異なるのに加えて,移動の方向も異なる.梅雨前線は南にある暖か い高気圧の発達にともなって北へと移動するのに対して,秋雨前線は北にある冷たい高気圧の発達にともなって 南へ移動する. ・雨をそのまま飲むのが良くないのであれば,雪もそのまま食べるのは良くないのか? →衛生的には,雨を飲むのと雪を食べるのは同じようなものである. ・過去に寒帯前線は 50 度付近にできると覚えたが,春分秋分には日本よりも南の低緯度地域にあるというのは 日本付近だけのことか? →寒帯前線は 50 度付近にも形成される時季はあるが,季節に伴って南北に移動するため,最も南下したときに は日本付近に限らず 30 度付近にある. ・熱帯低気圧の発生域は,南アメリカ大陸西側ガラパゴス諸島付近において,ペルー海流のために一部発生しな い区域があるが,その理由はペルー海流が冷たいため,海水の蒸発を防いでいる,と言う説明で良いか. →その説明で良い. ・熱帯集束帯が何であるか良く分からなかった. →熱帯集束帯は,地球上で最も暖められた空気によって上昇気流が発達しているところで,春分・秋分には赤道 付近に形成されるが,太陽高度の変化とともに南北に移動する. ・山登りをするときに,フェーン現象を利用して天気を予測することは可能か? →フェーン現象の発生後に特定の天気になるわけではないため,天気の予測にはあまり関係がないと思う. ・冬に台風が発生して日本本土を通ると言うことはありえないのか? →可能性は 0 ではないが,原理的には,夏よりもその可能性は著しく低いし,最近 20 年間では起こっていない. ・雨期と乾季がはっきり分かれている地域の降雨の原因はどのようなものか? →基本的には同じで,降雨の条件が整う時とそうでない時の差が,大きいかそれほどでもないかで,雨期と乾季 がはっきりしているかそうではないかに分かれるだけである.