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講演スライド - どんぐり工房

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講演スライド - どんぐり工房
薬剤師のための
新添付文書の読み方
10
の
鉄則
Prologue
1. 医師、看護師、薬剤師で添付文書の読み方は
異なる。では、薬剤師はどのように添付文書
を読んだらいいのか?
2. 添付文書はどんなProblemは解決できない
のか? そのときにはどうやって解決していっ
たらいいのか?
合資会社どんぐり工房 菅野 彊
鉄則副次的な薬理作⽤を捉える
001
薬理作⽤を正しく捉えることは⼤切で
ある。その際、注意しなければならない
のは「副次的な薬理作⽤」を⾒逃さない
ことである。
しかし、「副次的薬理作⽤」は、添付
文書の「薬理作⽤」に記載されるとは限
らない。
P#1ノルモナール錠による血清尿酸値の上昇か?
S
尿酸値が上がってきて、今日先⽣から「尿酸があがると
血圧にも影響があるから下げましょう」と言われ、くす
りが追加になりました。
O 今日の血圧は129/75mmHg。肝機能、腎機能は異
常なし。
A ノルモナール錠は降圧利尿剤であり、血清カリウム値を
低下させるとともに、血清尿酸値を上昇させる。
P ①処方医にUさんの血清カリウム値、および血清尿酸値
を訊く。
②血清カリウム低下があれば、カリウム剤の追加または
ノルモナール錠から他剤への変更を提案。
症例 Uさん、69歳男、高血圧
Rp)
1.ノルモナール錠15mg 2錠
1日2回 朝・昼食後服⽤ 14日分
2.ユリノーム錠50mg
1錠
1日1回 朝食後服⽤ 14日分
Uさんは本態性高血圧でノルモナール錠が投
与されていた。最近、尿酸値が高いことが判明
、今日ユリノーム錠が加わった。プロブレムを
あげプランを示して下さい。
鉄則
副作⽤を予防する
002
副作⽤の添付文書記載は1)重⼤な副作⽤,2)その
他の臓器別副作⽤となっていてわかりやすいが、副
作⽤の早期発⾒や予防には不便である。そこで副作
⽤を
1.薬理作⽤によるもの
2.薬物毒性によるもの
3.薬物過敏症によるもの
の3つの発現機序別に分類しなおすと早期発⾒や予
防が可能になり便利である。
1
副作⽤機序別分類の現在の到達点
発現機序
特徴
チェック
対策
薬理作⽤
発現類度が⼤きい
投与量に依存して
発現
症状の観察
減量
緩和な他剤ヘ変更
対症療法
薬物毒性
投与量・投与期間
に依存して発現
定期的な問診
定期的な検査
減量
中止
他剤に変更
発現類度は⼩さい 6ヵ月間は初
発症状の問診
薬物過敏症 投与量非依存
6ヵ月以内に発現 や検査
発現時即時中止
P#1 リピトール錠による横紋筋融解症
の可能性
S
O
A
P
りんごもぎが始まったが、両腕が筋肉痛では
かどらない。いつもは右腕だけなのだが?
リピトール錠服⽤3ヵ月目。両側性の上腕筋肉
痛発現。
リピトール錠による横紋筋融解症の発症では
ないか?
尿の⾚変などの症状はないが、至急、CPKな
どの検査をすることを薦めた。
症例
Wさん、29歳男、脂質代謝異常症
Rp)
1.リピディルカプセル100mg 1cap
1日1回朝食後内服 14日分
2.ローコール錠20mg 1錠
1日1回夕食後内服 14日分
WHO脂質代謝異常症Ⅱb型で、クロフィブレ
ート系lipidelと横紋筋への影響が少ないHMGCoA阻害剤fluvastatinとの併⽤
症例
Yさん、54歳男、高血圧、
高コレステロール血症
Rp) 1.アダラートCR錠40mg
1錠
1日1回 朝食後服⽤ 30日分
2.リピトール錠10mg
1錠
1日1回 夕食後服⽤ 30日分
Yさんはりんご農家である。本態性高血圧で10ヵ月前から
アダラートCR錠20mg服⽤開始した。血清総コレステロー
ルが高く、3ヵ月前からリピトール錠が併⽤された。りんご
の収穫時期を迎え、Yさんは日々仕事に追われているが、両
腕が筋肉痛でりんごもぎに支障をきたすという。Problem
をあげて、Planを示して下さい。
鉄則
003
原則併⽤禁忌とは?
添付文書に記載された相互作⽤が、臨
床的に発現するとは限らないが、「併⽤
禁忌」は⾒逃してはいけない。
しかし「原則併⽤禁忌」は併⽤できな
いということではない。「注意すれば、
併⽤できる」ということである。
リピディルカプセル相互作⽤の
「原則併⽤禁忌」
3.相互作⽤
(1)[原則併⽤禁忌](原則として併⽤しないこと)
腎機能に関する臨床検査値に異常が認められる患者では原則として
併⽤しないこととするが、治療上やむを得ないと判断される場合に
のみ慎重に併⽤すること。
薬剤名等
臨床症状・措置方法
HMG-CoA 還元酵素阻害薬
プラバスタチンナトリウム
シンバスタチン
フルバスタチンナトリウム
等
機序・危険因子
急激な腎機能悪化を伴う横紋筋 危険因子:腎機能に関する臨床
融解症があらわれやすい。やむ 検査値に異常が認められる患者
を得ず併⽤する場合には、本剤
を少量から投与開始するととも 機序は不明であるが、フィブ
に、定期的に腎機能検査等を実 ラート系薬剤とHMG-CoA 還
施し、自覚症状(筋肉痛、脱⼒ 元酵素阻害薬の併⽤で、それぞ
感)の発現、CK(CPK)の上昇、 れの薬剤単独投与時に比べて併
血中及び尿中ミオグロビン上昇 ⽤時に横紋筋融解症発現の危険
並びに血清クレアチニン上昇等 性が高まるという報告がある。
の腎機能の悪化を認めた場合は
直ちに投与を中止すること。
2
P# クロフィブラート+HMg-CoAの原則併⽤
禁忌の併⽤
線形型薬物と
非線形型薬物の違い
004
非線形型薬物A
薬剤血中濃度
S 中性脂肪、コレステロールの両方が高いの
です。
O 腎臓を悪くしたことはありませんし、尿蛋⽩
も出たことはありません。
A 年齢も若いし、併⽤は可能か?
P 筋肉痛や⼿⾜のしびれや尿の⾚変などに気
が付いたら、知らせてください。
鉄則
線形型薬物
非線形型薬物B
くすりには投与量と血中
濃度が比例する線形型薬物
と比例しない非線形型薬物
がある。
投与量
線形型薬物と非線形型薬物の違いを明
らかにしよう
項目
線形薬物
非線形薬物
ジゴキシン、ディオ
バン、アーチスト、
サンリズム他多数
フェニトイン、ミ
カルディス、パキ
シル、プロノン他
薬物血中濃度
体内薬物量に比例
投与量比以上に
上昇か、頭打ち
消失半減期
一定
投与量で変化
薬物
ミカルディスⓇ錠は線形型薬物?
非線形型薬物?
投与量
Cmax
(ng/mL)
tmax
(h)
AUC(0-24hr)
(ng・h/mL)
t1/2
(h)
20mg
(n=31)
33.84±17.37
6.9±6.2
424.65±232.25
24.0±11.0
40mg
(n=29)
78.52±32.72
4.6±1.7
807.41±334.76
20.3±12.1
80mg
365.81±253.08 3.6±1.2 2304.54±1522.85 20.9±10.6
(n=30)
(平均値±S.D.)
薬効・副作⽤予測
症例
予測可能
予測困難
Aさん、57歳男性、高血圧
Rp)
1.ミカルディス錠40mg 2錠
1日1回 朝食後 内服 28日分
2.ウルソ錠100mg
3錠
1日3回 毎食後 内服 28日分
今日、ミカルディス40mg/日が80mg/日に
変更になった。慢性肝炎の既往がある。血圧は
153/92mmHgとのこと。
P#1
肝炎合併、ミカルディスは
40mg/日が限界
S 血圧がなかなか下がらないのでくすりが
増えた。
O ミカルディス錠40mg⇒80mg
A ミカルディスは40mgを超えると非線形
を示すので肝機能障害がある場合は
40mg/日が限界
P 疑義照会の結果、ミカルディス錠は
40mgのままでコニール錠2mg追加
3
鉄則
腎排泄型薬物と
肝消失型薬物の違い
005
薬物には、薬効を保持して尿中を未変化
で通過し、腎臓から排泄される腎排泄型薬
物と肝臓で代謝され、消失する肝消失型薬
物とがある。
腎排泄型薬物と肝消失型薬物の違い
項
目
胃腸管吸収
初回通過効果
肝臓への負荷
腎臓への負荷
肝疾患時血中濃度
腎疾患時血中濃度
酵素誘導・阻害
透析による除去
腎排泄型
肝消失型
低いが一定
受けにくい
少ない
あり
変化なし
上昇
影響が少ない
できる
高いがばらつく
受けやすい
あり
少ない
不明
変化なし
影響が多い
できない
DPP-4阻害薬グラクティブ錠は腎排泄?肝消失?
比較項目
尿中未変化体排泄率
油水分配係数 P
グラクティブ錠
0.79〜0.8
8
Log P
腎排泄型・肝消失型
エクア錠
0.227
1.255
0.098
腎排泄型
肝消失型
それを⾒分けるのは尿中未変化体排泄率
尿中未変化体排泄率(fu)=
症例
Rp)
尿中未変化体排泄量
投与量×⽣物学的利⽤率
fu
排泄型・消失型
1.0に近い場合、>0.7
腎排泄型薬物
0.0に近い場合、<0.3
肝消失型薬物
0.4〜0.6
腎排泄・肝消失型
Kさん、
80歳男、糖尿病、排尿障害
1.アマリール錠3mg
1錠
グラクティブ錠50mg
1錠
1日1回朝食後内服 14日分
2.フリバス錠50mg
1錠
1日1回夕食後内服 14日分
アマリール錠3mgで治療。空腹時血糖値
135mg/dL、HbA1c 8.1%。グラクティ
ブ錠が加わった。どんな注意が必要か?
ProblemをあげてPlanを示して下さい。
P#1 高齢者に腎排泄型薬物
グラクティブ錠の投与
S 腎臓が悪いと言われたことはなかったが、最近むくむ。
O グラクティブ錠は、fuが約0.8の腎排泄型薬物である。
A 1)26歳以降CLcrは年1%の低下。80歳のAさんのCLcr
は約55%低下で、45mL/minくらいと推測される。
2)DPP-4阻害薬併⽤時にはSU剤の減量が必要。
P 1)低血糖に注意する必要あり。症状が現れたら直ぐに
糖分をとるように指示。
2)アマリール錠、グラクティブ錠の減量、グラクティブ
錠からエクア錠、トラゼンタ錠への変更の提案を準備
する。
4
鉄則
定常状態がある薬物と
ない薬物の違い
006
薬物消失半減期5倍の法則
投与中止
投与間隔
≦3倍
消失半減期
t1/2×5
血中濃度
なら、くすりを連続投与をすると血中濃度は定常
状態に達する。連続投与時の定常状態到達時間は
消失半減期×5(時間)である。
t1/2×5
93.75%
50%
75%
87.5%
定常状態
50%
25%
12.5%
(Wolfgang A.Ritchel)
投与開始
症例 Tさん、
68歳男、高血圧、発作性心房細動
Rp)
1.アムロジン錠5mg
1錠
セララ錠50mg
1錠
1日1回 朝食後服⽤ 14日分
2.ベプリコール錠100mg 1錠
1日1回 朝食後服⽤ 14日分
時
007
妊娠禁忌とは?
添付文書の「妊娠禁忌」ということは、
そのくすりを飲んでいて、あるいは使⽤し
ていて妊娠した場合に「妊娠を継続できな
い」ということではない。
間
定常状態があるときと
ないときの服薬指導
項目
セララ錠
ベプリコール錠
投与間隔 τ
半減期 t1/2
τ/t1/2
24hr
5hr
4.8
12hr
80hr
0.15
セララは最初から
効いてきますよ。
アムロジン錠を投与されていた患者さんにセララ錠が加わ
りサンリズム頓服から、ベプリコール錠の投与に変更され
た。どのような服薬指導をしたらいいのでしょうか?
鉄則
6.25%
セララ錠
ベプリコール錠
ベプリコールが効いてくる
まで16日間かかります。
FDA薬剤胎児危険度分類基準
(オーストラリア類似)
カテゴリー
評価基準
A
B
C
D
ヒト対照試験で危険性が⾒いだせない
ヒトでの危険性の証拠はない
危険性を否定することができない
危険性を示す確かな証拠がある
X
妊娠中は禁忌
考え方
危険性はない
ヒトでの試験はない
注意が必要である
危険であっても妊婦
の使⽤による利益が
容認されることも
ありうる。
妊婦には禁忌。
5
症例:Rさん 28歳⼥性、
気管支喘息、妊娠5ヵ月。
Rp1)定期処方
1. テオドール錠200mg 2錠
朝夕食後
1錠服⽤
30日分
2. フルタイド100ディスカス 60ブリスター1個
1回100μgを1日2回吸入
Rp2)臨時処方 発熱、発咳で、下記処方が加わった。
1. クラリス錠200mg
2錠
朝夕食後
1錠服⽤
3日分
2. アストミン錠
3錠
ビソルボン錠
3錠
朝昼夕食後 1錠服⽤
3日分
3. ボルサポ 50mg
3個
熱が高い時 1個使⽤
鉄則
授乳婦への投与はRIDで
008
添付文書では、殆どのくすりが「やむを
得ず投与する場合には授乳を避けさせるこ
と」とある。
しかし、実際は「授乳しているから飲め
ないくすり」、あるいは、「飲んでいるか
ら授乳できないくすり」は少ない。
症例 Nさん、
29歳⼥性、55kg、授乳中。
Rp)
サワシリン錠250mg
3錠
シナール配合錠
6錠
1日3回 毎食後服⽤
処方薬の各種基準による危険度評価
薬剤
添付文書
テオドール錠
◇
フルタイド100 ◇
クラリス錠
◇
アストミン錠
◇
ビソルボン錠
◇
ボルサポ50mg 全期禁忌
添付文書
FDA
オーストラリア
⻁の門病院
A
B3
B3
2
C
C
C
1
1
1
A
B〜D
◇有益性が危険性を上回る場合にのみ投与
http://www.okusuri110.com/kinki/ninpukin/ninpukin_00top.html
⺟親の薬物摂取量に対する
乳児の薬物摂取量の割合RIDの検討
・RID =
・MP比=
乳児薬物摂取量(mg/kg/day)
⺟親薬物摂取量(mg/kg/day)
×100(%)
薬物の⺟乳中濃度
⺟体の薬物血漿中濃度
・乳児薬物摂取量=⺟体最高血漿中濃度×MP比×哺乳量/日
一般的にRIDが10%以下であれば問題なく授乳を
続けることができるとされる。
サワシリンのRIDの計算
5日分
38.5℃の発熱があり、のども痛い。⾚ちゃんは⽣
後3ヵ月で体重6kg。Nさんは薬局に来て「この薬を
飲んで、授乳しても⼤丈夫でしょうか?」と訊いて
いる。
サワシリン錠は添付文書では「やむを得ず投与す
る場合には、授乳を避けさせること」とある。
①Cmax 250mg経口投与後 3.68mg/L。
②MP比 0.014〜0.043
③乳児哺乳量 150mL/kg/日×6kg=0.9L/日
④乳児薬物摂取量(/kg/日)
3.68mg/L×0.043×0.9L/6kg/日=0.024mg/kg/日
⑤⺟親薬物摂取量 (/kg/日)
750mg/55kg/日=13.6mg/kg/日
RID=
0.024mg/kg/日
×100=0.17%
13.6mg/kg/日
6
009⼩児の投与は常に未知
鉄則
添付文書に「未熟児、新⽣児、幼児ま
たは⼩児に対する安全性は確⽴されてい
ない」という記載があっても、「投与で
きない」ということではない。
「どうすれば、投与できるのか?」と
いう視点で情報を探そう。
症例 K.Yさん、4歳⼥16kg、急性上気道炎
Rp)
1.セフゾン細粒⼩児⽤10% 1.5g
オノンドライシロップ10% 1.5g
朝昼夕食後服⽤
3日分
2.ブルフェン顆粒20% 0.5g 5回分
熱が高いとき1包服⽤
鉄則
添付文書「⼩児等への投与の記載」
高齢者への投与は個別で
010
セフゾン細粒、オノンドライシロップ、ブ
ルフェン顆粒の3剤とも下記の同様の記載
である。
添付文書では「高齢者には慎重にあるいは
少量から投与をする」とされる場合が多い。
○ブルフェン顆粒20%の記載
低出⽣体重児、新⽣児、乳児又は4歳以
下の幼児に対する安全性は確⽴されていな
い(使⽤経験が少ない)。
しかし、高齢者の⽣理的変化は個人差が⼤
きいので、くすりの投与量は、薬剤別、疾病
別、高齢者別に検討される必要がある。
高齢者が使わない方が良い薬の処方調査
1.Beers Criteria(M H. Beers他,最新は2003年版)
2.日本⽼年医学会ガイドライン(⿃⽻研⼆他,2005年)
3.Beers Criteria Japan(今井博久他,2008年)
項目
たかまつ
北中⼭
材木町
請求明細書件数
後期高齢者件数
3基準該当件数
該当割合(%)
1004
394
65
16.5%
1098
152
46
30.2%
558
179
81
45.3%
41
2011年1月調査
どんぐり薬局材木町
高齢者には一般に使⽤を避けることが望ましい薬剤
医薬品名
件数
サンリズムカプセル
ロヒプノール錠
ハルシオン錠
パナルジン錠
ガスター錠
ドグマチール錠・カプセル
ワソラン錠
カルデナリン錠
メイラックス錠
ジゴキシン錠(>0.125mg/日)
ペルサンチン錠(人工心臓弁除く)
ポラキス錠
ナウゼリン錠
ミニプレス錠
メルビン錠
17
7
7
6
6
4
4
2
2
2
1
1
1
1
1
Beers
Criteria
table 1
Beers
Criteria
Japan 表1
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
⽼人
医学会
○
○
○
○
○
○
○
7
どんぐり薬局材木町
特定の疾患・病態では使⽤を避けることが望ましい薬剤
疾患・病態と
薬剤名および商品名
枚
数
慢性便秘時 Ca拮抗剤
抗血液凝固療法時 アスピリン錠
胃潰瘍時 アスピリン錠
腎機能低下時 ガスター錠
認知症時 デパス錠
11
4
2
1
1
Epilogue
アスピリンと
ワーファリンが
併⽤される理由
Beers
Beers
Criteria
Criteria
Japan
Table 2
表2
○
○
○
○
○
○
添付文書が変わるとき
添付文書が変わるとき、それ
は何かが起きたとき。そのわ
けを知ろう!対策を⽴てられ
るから。
⼥、70代、
胃炎(高血圧、脂質代謝異常症その他)
検査項目
施設基準
投与4日目
投与126日目
(投与中止日)
AST(U/L)
10〜40
19
1,381
ALT(U/L)
6〜39
13
1,031
LDH(U/L)
115〜245
ー
542
ALP(U/L)
100〜340
272
829
総ビリルビン
(mg/dL)
0.2〜1.20
ー
12.13
投与120日目頃、⻩疸、そう痒感を認める。投与126日目、
薬疹著明で体の痒みを伴う。採血の結果肝障害著明にて転入院、
劇症肝炎と診断。血漿交換、ステロイドパルス療法、抗⽣剤そ
の他の治療を受けたが、ガスモチン中止52日目に死亡。
日経DI
2012.3
ガスモチン錠・散使⽤上の注意改訂のお知らせ
[改定内容]
重要な基本的注意の追記
(2)劇症肝炎や重篤な肝機能障害、⻩疸があらわれるこ
とがあるので、⻑期にわたって漫然と投与しないこ
と。なお、本剤投与中は、観察を十分に⾏い、異常
が認められた場合には、直ちに投与を中止し、適切
な処置を⾏うこと。また、患者に対し、本剤投与後
に倦怠感、食欲不振、尿濃染、眼球結膜⻩染等の症
状があらわれた場合は、本剤を中止し、医師等に連
絡するよう指導すること。
(2012年5月⼤日本住友製薬株式社)
まとめ
1.添付文書に明記されない副次的な薬理作⽤
を⾒逃さないことが⼤切である。
2.⼩児・高齢者、妊娠・授乳に対する添付文
書情報は不十分な場合が多いので、別の情
報媒体を探すことが望ましい。
3.しかし、添付文書は読み解く技術を獲得す
れば、多くのProblemを解決する。
8
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