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第112回防衛調達審議会議事要旨(PDF:307KB)
第112回防衛調達審議会議事要旨 1 日時 平成25年7月17日(水)10時00分~12時20分 2 場所 防衛省庁舎A棟11階 3 第1省議室 出席者 (委員) 渡邉会長 尾畑会長代理 奥宮委員 藤川委員 堀内委員 山口委員 (防衛省) 吉田審議官 春木統合幕僚監部首席後方補給官 小川陸上幕僚監部装備部長 菊地海上幕僚監部装備部長 小野航空幕僚監部装備部長 外園技術研究本部総務部長 小座間装備施設本部副本部長(管理担当) 岡本監査課長 4 堀地装備政策課長 杉山監査課先任部員 議題 (1)随意契約等に係るサンプリング調査審議(平成24年度海上自衛隊補給本 部) (2)1者応札・1者応募案件に係るサンプリング調査審議(平成24年度海上 自衛隊) (3)随意契約等に係るサンプリング調査審議対象契約の抽出について (4)次回の日程等 5 議事概要 (1)随意契約等に係るサンプリング調査審議(平成24年度海上自衛隊補給本 部) 平成24年度に海上自衛隊補給本部が締結した契約の中から、サンプリン グ調査審議の対象として委員が抽出した、「P-1の技術維持活動(機体)」 について審議を行った。 (契約の概要等) 1 この契約は、固定翼哨戒機P-1に係る技術維持活動を実施する役務請負 契約であり、契約期間は平成24年9月から翌年の8月までの1年間とし、 毎年度、当該契約を行っていくものである。 【事前調査における論点等】 ① 技術維持活動の意義、必要性について 試作機での技術実用試験が終了し、量産機が納入されてもなお、技術資料 の作成や不具合調整に毎年多額な費用を必要とするのか。 ※ 一般の機械製品では、完成時に操作マニュアル等が引き渡され、その後 の不具合調整等については、1年程度、メーカーが無償で行う事が多いの ではないか。 ② 作業実績時間の把握が重要と思われる契約であるが、 ・ 個々の作業の原価監査はどのように行っているのか。 また、契約の履行途中での工数の実質的なチェックはどのように行ってい るのか。 ・ 具体的にどのような体制で実績の水増し等を生じさせないように牽制を しているのか。 ③ 不確定要因がある場合、企業側の見積工数の適正性について、官側が独自 に査定できるスタンスを見せることは必要と思われる。 【本審議】 事前調査の論点①について 防 技術維持活動の目的は、航空機の安全な運航を維持、向上するためのもの である。 市場製品では、メーカーが価格を設定するとき、ある期間のサポート料(不 具合が生起した場合の対策費等)をあらかじめ積算し、製品価格に含め販売 しているものと認識している。 防衛省における航空機の取得は、防衛省が示す仕様に基づき、契約相手方 が製造する製造請負契約であり、この製造請負契約には、防衛省に航空機を 引き渡してからの技術維持費(運用中の不具合に対する調査、同改善に伴う 技術資料作成等)は含まれていないため、別途、維持契約を締結する必要が ある。 この維持契約により、運用期間を通して生起する不具合に対して、改善を 行い、信頼性の向上を図ることにより、航空機の安全な運航を維持しており、 2 機体が運用されている間は必要不可欠なものである。 委 試作から量産段階になった当初は、不具合が色々と出てきてコストが掛か るということであろうが、航空機の運用が進むことに伴い不具合も減っていく ものと考えるが、おおよそ、何年くらいで不具合が減少していくものなのか。 防 航空機の運用が進むことにより初期的な不具合は減っていくと考えるが、 運用時数が増えることによって発生する不具合もある。特にP-1は国内開発 された航空機でもあることから、予測するのは困難であるが、一般的には不具 合件数も減少していくものと考えられる。 事前調査の論点②について 防 個々の作業は製造指図書においてオーダー番号の枝番が付与される。これ を契約書、契約相手方から提出された実際原価(実際価格)計算書及び契約 相手方が保有する内部証拠(原価元帳、製造指図書、工数実績リスト、勤務 表等)を突合(計算・証拠・工番)し、当該実際原価等の適否の審査を行っ ている。 原価監査は、契約履行後において工数を含め実績を確認するものであり、 契約履行中の工数については、監督官が仕様書に記載のとおり、毎月作業終 了後、作業確認書でチェックしている。 また、役割については、監督官は、作業内容の妥当性及び作業の進捗把握 の確認を行う。原価監査官は、契約相手方が契約履行のために支出又は負担 した財貨の実際消費量をもって計算した実際原価を、契約相手方の内部にあ る証拠資料(内部証拠)を調査・確認し、当該実際原価等の適否の審査を行 っており、原価監査官と監督官は所掌業務を異にしており、それぞれ独立し ている。 委 仕様書には検査官という職務もあるが、業務内容等の詳細について、監督 官及び原価監査官の業務内容等も含め資料を提示されたい。 事前調査の論点③について 防 ご指摘の不確定要因がある場合の見積工数の適正性については、仕様書の 役務内容から見積工数を確認した上で、過去の傾向等を考慮するなどして、 適正な予定価格算定に努めている。 (2)1者応札・1者応募案件に係るサンプリング調査審議(平成24年度海上 3 自衛隊) 平成24年度に海上自衛隊が締結した契約のうち、 ・ 一般競争入札に付したところ、応札者が1者のみであった案件(1者応 札案件) ・ 公募に付したところ、応募者が1者のみであった案件(1者応募案件) の中から、委員により抽出されたサンプリング調査対象について審議を行 った。 今回の審議会では、サンプリング調査対象8件について審議を行った。 (1者応札案件)計6件 ・(海外修理)TFE731-2-2B型エンジン部分修理及びMPI作業8個 ・武器等用部品(製造者規格品)「ANTENNA SWITCH COUPLER」外 ・ソノデータ記録装置AN/AQH-4(V)2用テープ修理1000巻 ・(海外修理)慣性航法装置LTN-72用モジュール修理5個 ・防振ゴム(NDS規格品)MOUNT,RESILENT ・複写機 外 艦船用1形 (1者応募案件)計2件 ・P-1型航空機用部品(国産)CORE ENGINEMODULE ほか3件 ・武器等用部品(専用品)「機雷探知機ZQS-3、4用SOUJYUHAKI」外 防衛省側から、契約の概要、1者応札・1者応募となったことについて推 察される理由、1者応札・1者応募の改善のために緩和できる条件や今後取 り組む方策等について資料を提示したのち、主に以下のような議論があった。 (武器等用部品(製造者規格品)「ANTENNA 委 SWITCH COUPLER」外) 1者応札となったと推察される理由が、技術面から参入が困難であった のではないかとのことであるが、かなり高度な技術を要するのか。仕様書 を見て研究すれば製作できるものなのか。 防 完成された技術であるので技術的に困難さを伴うものではないが、使っ ている周波数帯に特殊性があって、会社側も得意な分野の周波数帯がある ので、設備投資をしてまで参入するには至っていないものと考える。 (ソノデータ記録装置AN/AQH-4(V)2用テープ修理1000巻) 委 資料では、磁気テープ及び修理に係る設備は一般的に流通しているもの であるとのことであり、1者応札となるような難しい作業とは思えないが 4 どうか。 防 契約相手方は、官側から預託された古い磁気テープをリールから取り外 し、契約相手方が輸入した新しい磁気テープを官側のリールに巻き取ると いう工程になっており、その工程を行うための機械を契約相手方しか持っ ていないためであると考える。 委 契約相手方は輸入代理店になっているのか。 防 その通りである。 委 資料からは、磁気テープを購入していることや輸入代理店になっている ことも分からない。各委員から質問のあったことも含めて整理して、改め て資料を提出されたい。 (防振ゴム(NDS 規格品)MOUNT,RESILENT 外) ※ 委 NDS規格 というのは特殊なもので、他のゴムメーカーでは製造でき ないものなのか。 防 本品は艦艇から水に伝わる音を軽減するためのもので、ゴムの性能だと か材料的なものでメーカーの特殊性がでてくるものではなく、形状、機器 との連接、対象とする振動、金具とゴムの接着の方法及び耐久性などのノ ウハウが他のメーカーと差がでてくるのではないかと考える。 ※NDS規格:国定規格が定められていない装備品等を標準化するため、防衛省で定めた規格 (3)次回の日程等 次回は9月18日(水)に開催の予定。詳細については事務局から後日連 絡。 (以上) 5