裸でも生きる

には現場を見たいとバングラディシュへ。
思いばかりしているのだろう」と、日本の大
厳しい道をあえて選び、いかなる苦境、困
学を卒業後、途上国の大学院生となった筆者
難からも逃げず、悔しくては泣き、うれしく
は悩む。やがて現地で日本の大手商社のイン
ては泣きながら強くなっていく一人の女性の
ターンに採用され、ジュートに出会い途上国
たくましさに驚かされますが、彼女にしてみ
からのカワイイブランドを作るという自分の
れば、「人は何のために生きているのか」と
生きがいを見つけます。しかし、そこまでの
いう問いかけの答えを捜し続け、最後に、社
道のりは七転び八起きの苦難の連続でした。
会的起業に行きついたのです。
小学校ではいじめられ登校拒否に。その反
多くの人に勇気を与える一冊です。
PAS T E L ★ VOL.105 2013 S P R I N G
ワークライフバランスを求めて
してワシントンの国際機関に。さらに1年後
活をしている。私はこんな国でどうして辛い
しかし何よりも、女性たちの意識が大
入るも、在学中に途上国援助のインターンと
「大学の同級生は皆大企業に入り、いい生
今は多様化時代です。人々の生き方も、
柔道部に飛び込む。猛勉強で有名私立大学に
本人女性の奮戦記です。
きく変わってきているのです。女性による
生産し輸入販売する会社を設立した一人の日
家庭生活と仕事と趣味と地域活動など、
道に出会い、高校は柔道の名門校に進み男子
女性たちのネットワーク作りの広がりは
動で非行に走り不登校になった中学時代に柔
し、ジュート（麻）を使ったバッグを現地で
多様な軸を持ちながらワークライフバラ
5
この本はバングラディシュで起業を決意
全国各地で見られます。
25歳女性起業家の号泣戦記
山口絵理子 著
講談社 1400円（税抜）
ンスを目指して、自分らしい豊かな人生
裸でも生きる
今、多 くの人が自 分の好 きなこと、自
パステル
を送ろうと考える人が増えています。
起 業であれ、再 就 職であれ、自 分の選
分にできることは何かを模索しています。
ロールしようと思っても、組 織に属して
ん だ 道で見つける ものは 何でしょう か。
資料『セカンド・チャンス社会へー妻が再就職するとき』大沢真知子+鈴木陽子著
自 由に自 分の時 間や働 き方をコント
いればノルマや 時 間に拘 束 されて難 し
生き方の変化のイメージ図
女 性 た ちのこれからの生 き 方 が楽 しみ
地域・社会活動
いかもしれません。しかし、どこにも 属
学習・趣味
です。
個人
さず、しがらみのない個人事業主となる
家庭生活
健康
﹁起 業﹂ならば柔 軟な働き方ができるで
しょう。特に、結 婚 後、家 事・育 児そして
個人
介 護などで働 くことをあきらめてきた
ワークライフバランスが
実現された社会
仕事
会社
女 性にとっては、
﹁起 業﹂は再 チャレンジ
へのチャンスになりそうです。
社 会 や 生 活 環 境の変 化 も 女 性の﹁起
業﹂
の追い風となっています。
ネット 環 境を整 備 すれば在 宅の仕 事
が可能です。ちなみに﹁女性起業﹂をネッ
トで検 索 すると、起 業に関 する塾、セミ
ナー、大賞、助成金、支援などがヒットし
ます。女性の目線や発想が新商品を生み、
市 場を開 発して日 本の社 会や経 済が活
性化することへの期待がうかがわれます。
いままでの社会