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三洋電機株式会社 コンポーネント企業グループセミコンダクターカンパニー

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三洋電機株式会社 コンポーネント企業グループセミコンダクターカンパニー
TCO の削減に成功した IT コンソリデーション事例
三洋電機株式会社
コンポーネント企業グループ セミコンダクターカンパニー
「人と・地球が大好きです」をコーポレートスローガンに、三洋電機
は「快適空間の創造」
「退屈しない人生の提案」というテーマを掲
げ、グローバルに事業を展開している。また、企業経営のあらゆる側
面で 20 世紀型から 21 世紀型企業への変革をとげ、世界のトップ企
業に進化するため、2003年4月、事業領域を4つの企業グループに
再編した。中でもコンポーネント企業グループの中核をなすセミコ
ンダクターカンパニーはLSI、TR、CCD、ハイブリッドICなどの半導体
製品の開発・生産・販売を担っており、民生エレクトロニクス機器用
に大きなシェアを持っている。同カンパニーでは、最近の急速なデジ
タル化と商品ライフサイクル短縮化に対応するために、ITを軸とした
ビジネスプロセスの改革を推進し、ITを「持つから使う」ことへの意
識転換を行うと同時に、IT コンソリデーションを実施した。これによ
り、TCOの削減と運用負荷の軽減を実現しただけではなく、
「迅速か
つ柔軟な IT サービス提供を行う」という、IT 部門へ「攻めの意識改
革」を定着させることにも成功した。
経営戦略に即した IT 戦略と IT 部門の意識改革を実現し、
TCO の削減に成功した IT コンソリデーション事例
世界のトップ企業に進化するために
事業領域を 4 つの企業グループに再編
ジャー針金憲一郎氏は次のように語る。
「今まではアナログ製品の半導体で強みを発揮してきたのです
三洋電機は、企業経営のあらゆる側面で 20 世紀型から 21 世紀
が、今後ますます普及するデジタル製品にも対応していきます。
型の企業へ変革を遂げ、
世界のトップ企業に進化するため、
2003
デジタル製品も最終的にはアナログ表示であり、
アナログ技術と
年4月、それまでの事業領域を、
カンパニー、子会社等を含めて4
デジタル信号処理が必要な DSC 、DVD などの民生デジタル機器
つの企業グループに再編した。具体的には、
①一般消費者向けの
向け半導体は三洋の強みです。三洋は得意とするアナログ技術を
商品事業を展開する「コンシューマ企業グループ」、②事業者を
生かしながら、
他の分野では強い社外パートナーとのアライアン
顧客とした業務用機器・システム事業を行う「コマーシャル企業グ
スを組み、
市場に対応していきます。また、
現在の課題は市場サイ
ループ」、
③メーカーを顧客とした部品事業を展開する「コンポー
クルの短縮化とコスト低減に対応するために、
スピード重視のプ
ネント企業グループ」、④マニュファクチャリング事業で蓄積した
ロセスに転換することです。新たなビジネスモデルを構築するた
リソースを活かしながら流通・金融・サービス事業を展開する
めに、次の 5C で構造改革を進めています。」
(針金氏)
「サービス企業グループ」の 4 つのグループである。
5C の内容
各企業グループは、
傘下に商品事業ごとの「カンパニー」や「独立
① Change:「ビジネスモデルを変える。」2003年4月にビジネ
会社」を配置し、それぞれに自主独立してコアコンピタンスを追
スユニット制を導入し、
製品による縦割組織から、
開発部門、
製
及している。また、
企業グループとしての事業展開を推進する「戦
略本部」、
および強力な営業活動を推進する「営業本部」を設置す
ることで、戦略的かつ高効率な経営を推進する。
今回、大規模なサーバコンソリデーションを実施したのが、
コン
ポーネント企業グループのセミコンダクターカンパニーだ。
セミコンダクターカンパニーは、
AV、通信、パソコンなど民生エレ
クトロニクス機器半導体製品の開発・生産・販売を担っている。最
造部門、販売部門などの機能別組織への構造改革。
② Challenge:2003年度の経営方針は、
物を作るから創造へ。
コアコンピタンスを強化し収益率向上への挑戦。
③ Create:設計手法改革、
スタッフのレベルアップによる開発力
の強化と開発生産性の向上。
④ CS:「顧客満足度の向上」。リードタイム短縮、納期遵守率の
向上に加え、環境対応、
コンプライアンス経営の強化。
近はコンシューマ製品の急速なデジタル化の流れの中で、従来
⑤ China:「中国ビジネスの展開」。2003年12月に蘇州で生産
の家電製品に使われていた汎用品中心の半導体からカスタム化
拠点を立ち上げた。今後は市場としての中国へ展開などビジ
が進み、3チップなど集積度の高い製品が求められている。また、
ネスを強化。
携帯電話に代表される商品ライフサイクルの短縮化に伴う納期
の短縮や、商機に合わせたジャストインタイム納品を実現するた
システムは「持つから使う」への転換で
めに、従来のビジネスモデルを改革することが大きな課題となっ 変化に柔軟に対応できる IT 基盤を整備
ていた。
セミコンダクターカンパニーは、ITを活用することで構造改革を
着々と進めてきた。1999年1月、当時半導体事業本部副本部長
新たなビジネスモデル構築に向けて
「 5C 」で構造改革を推進
だった現在のセミコンダクターカンパニー社長田中氏の指示で
SCM 導入の検討が始まった。経営企画ビジネスユニット IT セン
半導体は巨大な設備が必要であり、
巨額の設備投資で規模の利益
ターエグゼクティブマネージャー針金氏は当初よりプロジェクトに
を追求している韓国や台湾の得意とする汎用品分野で勝負して
参画、HP と共同で SCM を導入したのはその一環だ。
も、
日本のメーカーが勝つことは難しい。そこでセミコンダクター 「3ヵ月間集中して、
現場のマネージャークラスにヒアリングを行
2
カンパニーは、
コンシューマ向けのアナログ市場にフォーカスし
いました。その結果、生産プロセスの長さと意思決定の遅さが
て製品開発を展開することにした。
ネックとなっていることが判明しました。そこで意思決定をデシ
経営企画ビジネスユニット IT センターのエグゼクティブマネー
ジョンセンターに集中し、仕掛かりデータ、在庫の可視化を行うな
三洋電機株式会社
コンポーネント企業グループ
セミコンダクターカンパニー
経営企画ビジネスユニット
ITセンター
主任企画員
関口 泰 氏
三洋電機株式会社
コンポーネント企業グループ
セミコンダクターカンパニー
経営企画ビジネスユニット
ITセンター
エグゼクティブマネージャー
針金 憲一郎 氏
ど、
SCMプロセスのビジネスモデル改革を進めることにしたので
ギャップを埋めるプロセスが見えてきます。個別の開発を行うの
す。」
(針金氏)
ではなくて、ITリソースの統合が必要との結論になりました。しか
当初は楽観視していたSCMの導入は想像以上に困難で、国内外 し、
それだけ潤沢な資金があるわけではない。そこで、
システムを
の販売、製造等の関連会社 20 数社のコード体系が異なり、
また
作るのではなく活用するという発想の転換を行うことで、
TCO削
ネットワーク回線などインフラが貧弱なため、
約1割のデータを取
減につなげることにしたのです。また、
自前のハードウェアシステ
り込めない事態が発生。1 年かけてデータの標準化とネットワー
ムを持たないことで柔軟な運用が可能になると考えました。」
(針
ク回線を充実させ、
また週次単位の生産・販売・在庫管理へのビジ
金氏)
ネスモデル改革が進み、ようやく週単位で 94 %、月次ではほぼ
100%の納期回答遵守率を達成。顧客ニーズへの迅速な対応も ペイ・パー・ユースとトータルな
IT コンソリデーションを提案した HP を選定
実現し信頼性も向上した。
「当時から、
収益性を把握するにはERPが必要なことはわかってい
SCM を導入することで製造プロセスの改革を行い、次にカンパ
たのですが、
当時まだITへの投資効果もあまり明確でなく、
すぐに
ニー全体のビジネスプロセス改革を加速するためにITリソースの
大規模な投資はできません。そこで実利を優先してSCMからス
統合を行う。その新しい基盤の上にERPを構築し、
さらにSCMを
タートし、
製造プロセス改革を先行し、3年でようやく効果が確認
移行するというシナリオだ。もちろん、
それ以外のシステムも順次
できました。そして ERP の導入段階で、全体最適による効率改善
統合環境に移行する。
とコスト削減にはITリソースの統合が不可欠だという結論を出し
そのためにまず取り組んだのは、
IT基盤のベースとなるサーバの
ました」
(針金氏)
統合だった。ITセンター主任企画員・関口泰氏はその間の経緯を
セミコンダクターカンパニーのIT基盤は、
SCMや基幹業務を担う 語る。
ホストの他、取引先との VANEDI や RosettaNet などの B to B の 「 2 0 0 2 年の調査で、セミコンダクターカンパニー全体では、
仕組みや日常業務を支えるWebシステムなどが併存している。 UNIX サーバ、IAサーバ合わせて約 730 台もありました。サーバ
従来のままで ERP を導入したのでは、ロスが多く開発段階での
があれば必ず管理業務が発生します。それが隠れたコストとなっ
コード発行など整合性も取れない危険性があり、IT基盤の再構築
ていました。また、
新たにERPを構築するにしても、
3ヵ所あるファ
は必要だった。
シリティはスペース不足で、新たな大規模サーバの導入が難しい
「IT基盤の再構築にあたっては原点に返り、
あるべきビジネスモデ
状態でした。そこで 2002 年 12 月、HP を含めた 3 社に、ITリソー
ルを考えることからスタートしました。次にあるべき IT の姿を考
ス統合の提案を要請しました。」
(関口氏)
え、最後に現状分析を行いそのギャップを認識する。そうすると
その結果、
2003 年 3 月、HP の提案が採用される。
コンソリデーションによる効果
コンソリデーション前 15ラック
SCMサーバ群
ERPサーバ群
コンソリデーション後 9ラック
SCMサーバ群+ERPサーバ群
15ラックを9ラックへ
(ファシリティ費用の削減)
3
「我々のニーズを最もよく理解し、
ご提案いただいたのがHPでし
のベースを確保した。同時に、
海外ネットワークもInternet VPNか
た。
『持つから使う』への基本となるファイナンシャルプランのペ ら IP VPN へと変更した(現在中国を含むアジア地区では IP VPN
イ・パー・ユース(従量制料金)、
またSuperdomeの仮想化技術を
へ切換済み)。アプリケーションでは、
使い勝手を向上するために、
利用でき、初期投資を抑えることのできるミッドレンジクラスの
グループウェアとしてExchangeを採用する方針を決定、
2004年
rp8400の提案など、弊社の課題と背景をよく理解したサーバコ 5 月にはセミコンダクターカンパニー全社で統合する予定だ。
ンソリデーションの目的が提案内容にしっかりと盛り込まれており
ました。ペイ・パー・ユースについては他のベンダーからは具体的
多様なサービスを提供するなど攻めの IT 部門へ変身
な提案はありませんでした。SCM の運用管理を HP OpenView 「ペイ・パー・ユースの統合サーバによってコストを抑え、
より安く
製品で行っていたことも安心材料でした。統合サーバにはハイエ
いつでも自由にITを利用できるサービスを提供できるようになり
ンドのSuperdomeも検討しましたが、最終的には初期コストの問
ました。それと、
これからはユーザー部門から IT のサービス料を
題から、
ミッドレンジの rp8400 を採用しました。ミッドレンジで
いただく予定ですので、ITがストップして『申し訳ない』では済み
も、拡張性・機能性は子 Superdome と言える機器ですのでパ
ませんので、組織面においても今までオペレーションチームとイ
フォーマンスも問題はありません。」
(関口氏)
ンフラチームが別々の課になっていたのを一本化しました。ま
「小さく始めて大きく育てる」という考えの下、サーバコンソリ た、SLA 提供のためのプロセス確立と、各個人のスキルアップを
デーションは実施された。当然、
UNIXサーバだけでなくIAサーバ
図っています。」
(関口氏)
新しい IT基盤での SLA サービスは、2004 年 4 月稼動予定の、ERP
も統合される。
「サーバ統合に際しては、
セミコンダクターカンパニー全体で、
蛇
システムおよび BW(Business Information Warehouse)から導
口をひねったら使えるようなシステムを目指しました。そして、
IT
入する。また、
アジア戦略強化のために、
中国の拠点にデータセン
センターのプロフィットセンター化を目指し IT サービスの対価を
ターを設置するなど、
IP VPNネットワーク網による統合化を行う
いただくことを考えて SLA( Service Level Agreement )を採用し
計画だ。
ました。少なくとも、
今までの SCM の運用管理より2 ∼ 3レベル 「従来のITセンターはお山の大将と見られていましたが、
これから
上を目指した内容になっています。」
はプロフィットセンターとして多様なサービスを提供していきま
2003年6月にはコンソリデーションへの方針が決定され、サービ す。まずはコンソリデーションサーバを基盤にした CPU 、ディス
スレベル向上と運用負荷軽減のために、
社内にデータセンターを
ク、
メモリ空間のレンタルによるリソース提供。当初はセミコンダ
設置して統合環境の運用を行う方式を採用した。ただし、管理コ
クターカンパニーのみを対象としますが、
他のカンパニーや関係
ストの面から統合サーバは三洋電機IT関連子会社のファシリティ 会社へのサービス提供も順次展開したいと考えています。今後は
センターに設置し、
そのセンターを社内ネットワークに接続するこ
ネットワークを無線 LAN 化したユビキタスなアクセス環境の構
とで、社員がいつでもITリソースを使うことができるようにした。 築、携帯電話や PDA を利用したモバイル環境など、サービスメ
それに加え、SCMで構築した運用管理環境から統合サーバを管
ニューの向上を目指します。さらに、将来は社外向けにもサービ
理することで、
TCO削減を図っている。またコンソリデーションで
スを提供したいと考えています。」
(関口氏)
はサーバにはディスクを実装せず SAN によるストレージ統合も
セミコンダクターカンパニーのIT戦略、
システム運用は従来から
行っている。
大きく変わった。
「持つから使う」への意識変革とITコンソリデー
さらに、
サーバ統合と併行して、
社内ネットワーク回線を2.4Gbps
ションが、
セミコンダクターカンパニー IT 部門の「受け身から攻
のDPTリング網に変更することで(ルータ以下をHPが設計)、
SLA
め」への変身を加速したことは間違いない。
システム構成図
HP 9000 サーバ rp8400(業務向けサーバ)
HP 9000 サーバ
rp5470#1
(運用管理サーバ)
Switch
HP StorageWorks
テープライブラリ MSL6060 x 2
HP StorageWorks
テープバックアップ Ultrium ドライブ x 4
Switch
HP StorageWorks
Disk Array
XP128
リモートコンソール
HP 9000 サーバ
rp5470#2
(運用管理サーバ)
HP StorageWorks
テープライブラリ MSL6060 x 2
HP StorageWorks
テープバックアップ Ultrium ドライブ x 5
4
At a glance
Technology at a glance
三洋電機株式会社
・ HP 9000 サーバ rp8400
本社/大阪府守口市京阪本通 2 丁目 5 番 5 号
・ SAN( HP StorageWorks XP シリーズ)
・ HP OpenView
・ Oracle
・ SAP
会長/井植 敏 社長/桑野 幸徳
創立/ 1947 年 2 月創業・1950 年 4 月設立
資本金/ 1,722 億円( 2003 年 3 月)
売上高/ 2 兆 1,825 億円( 2002 年度 連結)
従業員数/ 79,025 人( 2003 年 3 月 連結)
三洋電機株式会社
コンポーネント企業グループ セミコンダクターカンパニー
所在地/群馬県邑楽郡大泉町坂田 1 丁目 1 番 1 号
セミコンダクターカンパニー社長/田中忠彦
設立/ 1950 年 4 月
売上高/ 2,900 億円( 2003 年 3 月)
従業員数/ 4,900 名( 2003 年 3 月)
事業概要/半導体製品の開発・生産・販売、その他半導体関連事業
三洋電機セミコンダクター
カンパニーのチャレンジ
●
IT 活用による構造改革
●
各所に散在した ITリソース
●
納期短縮、意思決定プロセスの
短縮
●
仕掛かりデータの可視化
●
製造プロセスの再構築
ソリューション
●
SCM 導入: 週単位で 94% 、月次
三洋電機の要求に
HP が出した結果
●
では 100% の納期回答遵守率
●
ERP 導入による収益性の把握
●
730 台以上の混在する UNIX/IA
サーバ群の統合
●
ペイ・パー・ユースによる変化に合
サーバの統合による大幅な管理
工数の削減
●
3箇所あるファシリティスペースの
大幅な削減
●
IT 部門の「プロフィットセンター」
への意識改革支援
わせてコントロー ルできる I T リ
ソース提供基盤
●
HP OpenView による総合的な
運用管理
5
お問い合わせはカスタマー・インフォメーションセンターへ
03-5304-6660
月∼金 9:00 ∼ 19:00 土 10:00 ∼ 18:00(日、祝祭日、年末年始および 5/1 を除く)
IT コンソリデーションに関する情報は http://www.hp.com/jp/consolidation
Microsoft 、Windows および Windows NT は、米国における Microsoft Corporation の登録商標です。
UNIX は、The Open Group の登録商標です。
記載されている会社名および商品名は、各社の商標または登録商標です。
記載事項は 2004 年 3 月現在のものです。
本カタログに記載された内容は、予告なく変更されることがあります。
© Copyright 2004 Hewlett-Packard Development Company,L.P.
日本ヒューレット・パッカード株式会社
〒140-8641 東京都品川区東品川 2-2-24 天王洲セントラルタワー
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