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Estimation of the Number of Railway Users based on Individual

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Estimation of the Number of Railway Users based on Individual
東京大学
柴崎・関本研究室 / Shibasaki - Sekimoto Lab. IIS, the University of Tokyo.
個人移動履歴を用いた鉄道利用者数の推定
Estimation of the Number of Railway Users
based on Individual Movement Trajectories
1
池澤俊 )、
金杉洋、 松原剛、 秋山祐樹、 足立龍太郎、 柴崎亮介
[email protected]
研究の背景
鉄道利用者数を把握することは短期的なイベントによる鉄道需要の推定、災害や事故発生時の影響評価や被害推計といった社会的なニーズ
がある。各種交通系電子マネーの普及により、鉄道利用者の乗降駅の情報を得ることが可能になった。しかし、異なる事業者間を跨る乗換など、
途中の利用路線までを把握することは困難である。
本研究では、携帯電話のGPS機能などから取得できる移動軌跡を利用し、GPS観測困難な地下鉄区間も含めた鉄道のネットワークデータを用
いて途中区間を推計し時間連続な位置データとすることで各駅における乗降人数を推定し、各路線の利用人数の推測を1時間単位で行う。さら
に、異なる鉄道事業者を跨いだ複数路線について横断的な利用状況把握の可能性を検討する。
研究に用いたデータ及び手法の概要
使用したデータセット
・混雑統計Ⓡ(株式会社ゼンリンデータコム提供の2013年のGPSのログデータ)
・鉄道ネットワークデータ(金杉ら(2013)の手法[1]により国土交通省から公開されている2011年の鉄道のデータを元に作成したデータセット)
GPS Point
研究の流れ
Railway
駅
鉄道トリップデータ
交通モード付き
鉄道モードのみの
GPSデータ
集計
(利用路線推定後)
GPSデータ
トリップデータ
time
大野らの手法(2013)[2]を用いてGPSデータの各トリップについて交通モードを推定し、「鉄道」モード
のトリップを抽出した。次に各鉄道トリップの利用路線を推定し(マップマッチング処理)、集計を行った。
GPS Point
ti
ti+1
ti+2
駅
Railway
集計内容
・鉄道利用者の時間的推移(駅別乗降者数)
・鉄道路線上における鉄道利用者数の時間的推移
対象期間・エリア
2013年7月23日~ 2013年7月31日に
関東圏を通過したもの
結果・考察
推定した鉄道路線
time
ti
ti+1
ti+2
図1.マップマッチング処理のイメージ
鉄道利用者数の時間帯別推移
図2より
鉄道利用状況のピークは7時台、8時
台及び18時台であることがわかる。
図3より
新宿駅、横浜駅や大宮駅における朝
のピークは8時であり、柏駅における
朝のピークは7時と都心よりも少し早
いことがわかる。
図3.鉄道乗降者数の時間的推移(各主要駅)
鉄道路線上における鉄道利用者数の時間的推移
8時台では、平日の方が利用者数が多いことがわかる.全ての路
線の利用者数が多くはなく、郊外から都心に向かっている路線の
利用者数が特に多い傾向にあることがわかる。都心に入ると地
下鉄の路線数が増えるため、利用者が分散していると考えられる。
12時台では、休日はやはり多くの企業や学校が休みであることか
ら利用者数は少ないと考えられ、平日は日中多くのユーザーは
企業が学校などに滞在しているため、朝の時間帯よりも鉄道路線
の利用者が少ないことが考えられる。
18時台では、やはり平日のほうが休日の利用者の方が少ないが、
平日の利用者が8時台よりも全体的に少ないことがわかる。これ
は、多くのユーザーの朝における移動時間は重複しているが、帰
宅の時間はそれぞれ異なっていることが原因であると考えられる。
図2.鉄道乗降者数の時間的推移
7/26(Fri)
8:00
12:00
7/26(Sun)
12:00
8:00
図4.鉄道路線上における鉄道利用者数の時間的推移
18:00
18:00
今後の展開
・大都市交通センサスにおける路線別乗車数及び,初乗り最終降車駅間経路別人員数といったデータを用いて、本研究の結果との相関関係を
調べるなどといった数値的な検証を行う。
・マップマッチングの手法を改善し、推定精度の向上を図る。
混雑統計Ⓡについて
「混雑統計®」(株式会社ゼンリンデータコム)は、株式会社NTTドコモが提供する「ドコモ地図ナビ」において、利用者の承諾を得て最短5分間隔で取得・蓄積された位置情報データを集計し、人々の流動バターンを定量化・可視化し
た統計データである。なお,「混雑統計®」で用いられるデータは、株式会社ゼンリンデータコムの依頼により株式会社NTTドコモにて個人が特定されないよう総体的かつ統計的に加工したものであり、なお混雑統計®に対する同処
理は株式会社ゼンリンデータコムが行った。また、混雑統計®に関するデータの総体的処理も、株式会社ゼンリンデータコムが行った。
[1] Hiroshi K., Yoshihide S., Takehiro K., (2013), Development of Open Railway Dataset towards People Flow Reconstruction, The 22th conference on GIS Association of Japan, F-3-3
[2] Ono Natsumi, 2013.Using Large-Scale, Long-Term GPS Data from Mobile Phones to Identify Transportation Modes and Analyze Mobility in the Tokyo Metropolitan Area, The University of Tokyo, Graduate School of Frontier
Sciences Department of Socio-Cultural Environmental Studies, Master’s Thesis
Shibasaki Lab. The University of Tokyo
ⓒ「混雑統計®」Copyright© ZENRIN DataCom CO., LTD
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