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財政学
科 目 名 担当教員名 科目別種類 単位数 選択・必修別 財政学 明瀬 政治 専門科目 2 選択 開講年次 資 格 と の 関 連 教 職 課 程 2年春 調査実 概要 経済の多くの領域では、自由な市場メカニズムによって価格と数量が調整され、効率的な資源配分 が達成されますが、この市場がカバーできない領域(市場の失敗)があります。そこに登場するのが政 府です。政府は、予算を用いて市場経済の限界を補完し、資源配分の調整、所得と冨の再配分、さら には経済の安定化を図る役割を担う一方、市場における民間の経済活動に対して介入や規制を行なっ ています。財政学はこうした政府の経済活動や介入等の有効性を分析するものです。近年では、大き な政府に対する反省から、行財政改革や民営化、規制緩和がさかんに議論されています。こうした議 論に参加する前提の一つが財政学の課題だと捉えて頂きたい。 到達目標・意義 日本の危機的な財政状況を理解し、少子高齢社会に生きていく知恵を身につける。同時に、公務員受 験に必要な基礎知識を習得する。 発揮する能力要素 実施方法 課題発見力 傾聴力 情況把握力 基本的に講義形式で進めますが、各講義に関連する時事問題について質問しま す。 教科書および参考書 教科書:上村敏之『コンパクト財政学』新世社2007年 参考書:井堀利宏『財政学 第2版』新世社2003年、貝塚啓明『財政学』東大出版会、石 弘光『財政 理論』有斐閣、薮下史朗訳『公共経済学』東洋経済新報社 関連科目 経済学1(1年春)、経済学2(1年秋) 履修に必要な予備知識や技能 教科書を読んできて欲しい。 受講生への希望・要望、学習上の助言 税金や年金問題を始めとする生活に関わる経済情報に関心を持って欲しい。 評 価 方 法 評価の割合 筆記試験 レポート試験 小テスト 70 授業態度 20 成果発表 その他 合計 10 100 評価についてのコメント 成績は、学期末に行う筆記試験を中心に評価しますが、業間チェックを行い、平常点として考慮しま す。 回 数 テーマ・内容 留 意 点 1 政府の経済活動領域とその機能 政府はどんな経済活動をしているか。なぜ政府の経済活動が必要 か。 財政学の課題をお話します。 2 わが国の財政制度と財政運営 財政制度の大まかな説明と、財政運営の推移(小さな政府から大 きな政府へ、そして・・・)を見ていきます。 3 公共財の理論1 公共財の供給プロセスを民間部門のそれを対比させながら、最適 供給条件について考察します。フリーライダー問題にも触れま す。 4 公共財の理論2 ナッシュ均衡やリンダール均衡についても説明します。ちょっと だけ数学の知識が必要です。でも大丈夫。絵解きします。 5 政府支出の現状 政府支出の大きさ、主要支出費目(社会保障費・防衛費・教育 費)の性格や規模等について解説します。 6 政府支出の問題点 上記支出費目の問題点のほか、公共投資に係る諸問題を解説しま す。 7 民営化の経済分析 肥大化した政府(大きな政府)の活動守備範囲の見直し(民営 化)の諸問題を考えます。 8 労働所得税 わが国で最も重要な課税ベースである労働所得税の仕組みや労働 供給に与える効果等、皆さんの関心の高いテーマを取り上げま す。 9 資本所得税 利子所得税、資本利得税、資産課税(相続税や贈与税)そして企 業課税の現状と諸問題を解説します。 10 消費税 間接税の代表格・消費税を取り上げます。近い将来、消費税率の 引き上げは避けて通れないでしょう。この際、しっかり学習して おきましょう。 11 税制改革 現行税制との対比で、消費課税、包括的所得課税、最適課税の三 つ議論を紹介します。 12 公債発行の問題点 770兆円を上回る公債発行残高。公債発行をめぐる様々な問題を みんなで考えます。 13 IS-LM分析再考 1年秋の経済学2で学習したIS・LM曲線をベースに公債発行がも たらす諸効果を分析します。 14 公債管理 中長期的な財政運営のあり方を公債管理の観点から眺めます。 15 まとめ これまでの講義内容を整理します。この回は期末筆記試験対策の 時間と考えてください。