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04 ら1 980年 に か け て 始 ま っ た い ろ い ろな活動とイニシアティブを持っ た経験のことです。おもな生産物 はその地方で大きな重要性をもっ たシザル麻なので、キャンペーン は教会とサンターナ市場に本部を お くM O C( コ ミ ュ ニ テ ィ 組 織 振 興 運動)の協力を得ました。組合は 最初の戦略として流通部門から中 間業者を排除することから手がけ ました。そのため、販売オペレー ションにおける生産者のグループ 化を進めたのです。このアイデア を実施した結果、キャンペーンの 指導者たちは大いに勇気づけられ シザル麻の生産地域の6つのムニ シ ピ オ にA P A E Bが 設 立 さ れ る ま で に なりま し た。 A P A E Bに よ っ て リ ー ド さ れ た 一 連の活動は、当初はシザル麻の繊 維加工従業員から始まり、後には 国内用、輸出用マットやカーペッ トの生産業者にまで拡大しました 現 在APAEBは そ の ほ か に も い ろ い ろな活動を実施しており、農家を 対象とした学校(6つムニシピオ で9 0名の 生徒) も その ひ とつで す 若干の問題はありましたが、そ れは多様性に富むプロジェクトで は避けられないことです。この A P A E Bの 経 験 か ら い く つ か の 重 要 なことがわかりました。そのひと つは既存のソーシャル・キャピタ ルのベースが同団体を基礎とした 集団キャンペーンの広がりを支え たことです。また社会アクターの 能力向上への投資が重要であるこ と もわか り ました 。 A P A E Bに よ る と 、199 3年 に 創 設 さ れ た 融 資 協 同 組 合 (COOPERE) はバイア州における小規模農家向 けの融資機関としては初めてだと いうことです。現在同じような機 関 が バ イ ア 州 に25存 在 す る と い わ れ て い ま す 。C O O P E REは 同 組 合 の 中心的組合員であるシザル麻の生 産者に食い込むことはできなかっ た も の の 、5 600の 組 合 員 を 有 し て います。バレンテの経験の影響 があったことは間違いありませ ん。しかし、さらに大きな挑戦 はこのような影響が存在しない か、やっと始まったばかりのコ ミュニティにおいて如何にソー シャル・キャピタルを機能させ るかということです。これは東 北ブラジルにみられるような教 育面での遅れの大きなコミュニ ティにおいては、決定的なファ クターとなります。時間の尺度 についても考える必要がありま す。短期間に成果を求めるよう な、集団対象事業の企画や機関 の取り決めから生まれた「人工 的な」活動は失敗しやすいので す。必要なのは教育、能力向上 に集中的に投資し、恒久的に地 域開発を可能とするためにパー トナーを探しメカニズムをつく り だして い くこと で す。 タシジオ・パトリシオ・デ・アラウージョ ペルナンブコ連邦大学経済学部教員 ジョアキンナブッコ財団経済人口問題調査 コーディネーター ホベルト・アルヴェス・デ・リマ ペルナンブコ連邦大学経済学部教員 平 成16年 9 月 か ら 「 東 北 ブ ラ ジ ル 健康なまちづくりプロジェクト」の 事前調査活動に参加している奨学生 たちが、これまでの活動について次 のように感想を語ってくれました。 ジョージ・アドリアーノ・ノバエス (専攻:地理学) 学際的調査は自分にとって初めての 経験なので大変興味深いです。 パトリシア・メスキータ・ポンテス (専攻:地理学) ムニシピオでの社会的活動を体験す ることができ大変勉強になります。 ジョゼ・マヌエル(専攻:医学) 新しい窓が開いた気がします。これ まで、健康を病気の観点からばかり みていましたが、今回の経験で違っ た見解が開けることを期待していま す。コミュニティとともに働き、彼 らと語らうことは新しい経験です。 保健の分野では、これまで生 活の質、社会の潜在的動員力と 効果的参加、個人やコミュニテ ィの自主性、企画と地域行政の 強化などのファクターを考慮し た概念であり、方法論であり、 ツールとしてのヘルスプロモー ションが提案されてきました。 このようなヘルスプロモーシ ョンの概念のもとではじめて、 住民参加による「健康なまちづ く り 」 の 推 進 の た め の 1)リ ー ダ ーシップを有する社会運動の実 施 、 2)国 民 の 健 康 増 進 の 必 要 に 答える義務を有する政府機関の 役割の重要性が認識されるよう になったのです。社会運動と政 府という2つの大きな領域のな かで、住民が何を必要としてい るかが明らかにされ、要求が吸 い上げられ、問題が解決される ことになるのです。ブラジルに おける「健康なまちづくり」も このようなプロセスによって実 行されることになります。 ブラジルにおけるヘルスプロ モーションの動きは健康への権 利の普及と行政の民主化を課題 とする分野ごとの広範な改革プ ペドロ・パウロ・ゴメス・ド・ナシ メント (専攻:医学) 未来の職業人、また人間として成長 するよい機会であり、社会問題に関 する調査プロセスを勉強できたこと もよい経験です。 アナカーラ・メロ・ゴメス・ペレイ ラ (専攻:医学) 今回の経験は医学をこれまでと違っ たかたちでみる機会を与えてくれま した。プロジェクトは健康を多角的 な視点からみる試みでとても興味深 いです。 エ リ ラ ー ニ ・ レ イ チ ・ ダ ・ シ ル バ (専攻:社会福祉) 学際的連携は大変重要なことだと思 います。技官たちから、また他の奨 学生との役割分担からいろいろなこ とを学ぶことができました。今回の 経験は自分の職業人としての将来に とっても重要なものだと認識してい ロセスの一部として捉えられて います。 また政府は、新しい理念と倫 理に基づいて、保健制度の分権 化のシナリオのなかで新しい公 衆衛生の実践を制度化しようと 試みています。特に市において 試みられている健康のための分 野間活動の連携、健康的な環境 をつくり出すための住民参加、 健康維持に適した生活スタイル を希望する住民のための住居、 基本的なニーズの見直しなどの いろいろな経験は、行政と社会 が結束してヘルスプロモーショ ンを行うことを約束することに よってより実りのあるものにな るのです。 この挑戦に立ち向かうために 公共政策なかでも保健政策が立 案、実施、評価されるなかで、 「健康なまちづくり」のような 政策を展開させることは意義が あると思います。 そこでは生活のダイナミズム を持つ個人と社会運動に存在す る固有性と特異性を考慮しなが ら、住民の健康についての共通 認識を構築することが可能です ます。 ハッケル・ホドリゲス・デ・モラレス (専攻:社会福祉) いろいろな新しい概念について学ぶこ とができたこと、ひとつのことについ 積極的にディスカッションをしている奨学生たち それは住居、仕事、食べ物、安 全、社会支援などの面でより不 安の少ない日々を過ごすために 必要な分野間の連携を意味する ものなのです。 「健康なまちづくり」体制が 実現すれば、住民はニーズや願 望を外へ向かってより強く表明 でき、当局の専門家やサービス 部門にそれらが届いて適切な対 策が容易になるでしょう。同時 に、住民のひとりひとりに住み 慣れたまちの主役であり責任者 であると自覚させるような戦略 作戦をとることも可能になりま す。 問題の解決にはいろいろな方 法が存在します。いずれにせよ より快適な生活を求める住民運 動を成功させるためには話し合 いが必要かつ不可欠であるとい う意味では、まちは地理的空間 の概念でなく、社会的空間の概 念で捉えなければなりません。 ________________________________________________________________________________________________________________ 公衆衛生博士 保健省労働管理保健教育局 健康教育コーディネーター てもいろいろな見方があることがわか ったことは有意義でした。他の分野の 人たちと多くの交流が持てたこともよ い経験です。 FOTO: CLEBER BUNZEN ソーシャル・キャピタルの概念 の 学 術 的 な 使 用 は20世 紀 の は じ め に遡りますが、広義の概念の使用 は ロ バ ー ト ・ パ ッ ト ナ ム(1993年 、 2000年 、2003年)に よ っ て 政 治 に 関する議論の中で使われたことに はじまります。やがてこの概念は 世界銀行によって、いろいろな国 々における社会計画の理論的正当 性の説明に使われようになりまし た。ソーシャル・キャピタルは社 会開発のための互恵関係の社会的 ネットワークが形成されると、よ り堅固かつ顕著になる個人間の連 帯 の 関係を 意 味す る もので す 。 したがって、この用語はコミュ ニティの目的と連帯の軸によって 位置づけられた社会的結束が、コ ミュニティの社会開発のための条 件の枠づくりに果たす役割を意味 します。これまでの地域開発の具 体的な経験によって、協働関係、 連帯関係の進むところでは、社会 的コントロールと非協働性から生 じるリスクへの危機感が社会的結 束を強めることになることがわか っていました。しかし、これらの 経験には協働活動に期待される道 徳的、倫理的基本線を社会的アク ターが修得するに足りるには十分 な 成 果と持 続 性が 必 要です 。 組合的、協働的性格を持ったひ とつの経験がいったん確立したと き、組合なり共同体なりに表わさ れたソーシャル・キャピタルが、 たとえば公共資金の獲得や銀行融 資の獲得などのための重要な手段 と し て機能 す るこ と になり ま す。 ソーシャル・キャピタルのベー スの重要性を明らかにする典型的 な 事 例 は1 9 8 0年 に ブ ラ ジ ル の バ イ ア 州 に 設 立 さ れ たAPAEB( バ レ ン テ小規模農業生産者組合)のケー スです。もともとは、農業生産者 が露天市で売っていた自家栽培の 農作物の余りに対し課されていた 税金の撤廃を要求した政治的なキ ャ ン ペ ー ン を 始 め た 頃 の1 979年 か 05