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『人と人とがつながる職場の大切さ』 有限会社セントラルEAP

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『人と人とがつながる職場の大切さ』 有限会社セントラルEAP
『人と人とがつながる職場の大切さ』
有限会社セントラルEAPコンサルティング代表取締役
赤塚由見子(精神保健福祉士)
近年はめまぐるしい産業技術の発達により、皆さんの仕事や職場環境もかなり変化したのではな
いでしょうか?一番は業務のIT化でしょう。これまで手作業で行なっていた伝票処理も、パソコ
ンへ入力するだけ・・・、となった職場は多いはずです。パソコン処理は手作業よりも作業時間が大幅
に短縮されると共に、一度に大量の処理も可能にしてくれたはずです。モレやミスも大幅に減り、
人件費も削減することができました。機械が発達したことにより、とても便利になりました。
しかし、長所と短所が表裏一体のように、便利で快適になったはずの職場環境にも「ひずみ」が
見え隠れしています。私がこれまで企業から多くご相談をいただいた内容に、社員の方の欠勤につ
いてのご相談があります。IT化されて便利になった職場環境と、社員の欠勤とどういう関係があ
るのか?と思われるかもしれません。でもとても大きな関係があるようです。それは、
「急に休む社
員がいる」とか「突然、朝、出勤せずに後から休暇届けを出す社員がいる」など、いわゆるドタキ
ャンのような休み方をする社員の対応に困っている企業は少なくありません。その背景には、有給
休暇の申請がIT化されていることが関係している場合があります。つまり事前に上司の判子を貰
う必要がない場合は、
「休む」ことへのハードルが低くなるため、休み易い環境になるのです。従っ
て、計画的に休暇を取得するのではなく、
「あ、今日は遅刻しそうだから、もう休んじゃおうかな」
ということも可能になる、というわけです。厚生労働省からも有給休暇の取得は推奨されているの
で、企業は少しでも社員の心のハードルを下げて休み易くする工夫をしなくてはなりません。上司
の判子が必要となると申請を遠慮する社員も多いですから・・・。
システム化の良し悪しのジャッジは
難しいですね。
人が何か行動するときに他者が介在する、ということはとても大切なことです。人間は社会の中
で生きているので、自分が社会とどのように関わっているのか?ということが、心のバランスに大
きな影響を与えます。社会とのつながりが薄くなったような場合に、人は「孤独感」を感じるので
す。メンタルヘルスで使われる言葉に「ソーシャル・サポート」というものがあります。文字通り
これは「社会的支援」です。ソーシャル・サポートにはさまざまな種類があり、情緒面を充足して
くれるサポートがあったり、実際に作業の遂行を手伝うなどする道具的サポートというものがあっ
たり、
情報を提供することで相手を助ける情報的サポートがあったりします。
ケースバイケースで、
必要なサポートを提供したり、相手にサポートの提供をお願いしたりしなくてはなりません。そし
て、これらのサポートの全てを機械化することは困難です。近い未来に心を持ったロボットの出現
もあるかもしれませんが、当面は人間同士の力で行なわなくてはなりません。
どんなにテクノロジーが進化しても、人間の心は人間が介在することで癒されたり、励まされた
りするものです。機械化が進み、便利になった世の中だからこそ、周囲から与えられるソーシャル・
サポートや自分が提供できるサポートを見直し、人間同士の付き合いを大切にすることが、活気あ
る職場につながるのです。
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