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Sustainability Report 2008
Sustainability Report 2008 ∼人、社会、地球の新しい未来へ∼ 編集方針 「Sustainability Report 2008 ∼人、 社会、 地球の新しい未来へ∼」 は、 2007年度 (2007年4月∼2008年3 月) のトヨタの環境・社会に対する取り組みを中心に、 その背景にある考え方、 方針も述べています。 環境側面は、 エネルギー/温暖化、 資源循環、 環境負荷物質、 大気環境の4つのテーマとそれを推進する環境経 営を第4次「トヨタ環境取組プラン」 に従い報告。社会側面は、 お客様等ステークホルダー別に報告しています。 また、 本年度は特に重要と思われる項目について、 以下のページで詳述しています。 なお、高齢者、弱視の方等全世界で5%を占めるといわれる難読症の方に対して、視認性、判読性、可読性を向 上したユニバーサルデザインフォント (書体) を本年度版より本文に使用しています。 ・未来の社会づくりに向けた3つのサステイナビリティへの トップメッセージとスペシャルストーリー 2∼9ページ ・グローバルビジョン2020の策定 11ページ ・社会的責任を果たす上で重要な活動を統括・推進するため 「CSR委員会」 を設置 12ページ ・生産分野におけるCO2チャレンジ目標設定 17∼19ページ ・エネルギー/温暖化の基本的な考え方の整理・表明 20∼23ページ ・グローバル連結環境マネジメント推進体制の進捗 39ページ ・トヨタ 「生物多様性ガイドライン」 の策定 41ページ ・トヨタの社会に対しての貢献の新しい方向であるパートナーロボットの紹介 58∼59ページ ・障がい者雇用促進策としてトヨタループス (株) を設立 63ページ ・環境、 交通安全、 人材育成の3つの分野を中心に世界での社会貢献事例紹介 82∼85ページ 1.20 1.10 +17.4 % 1.00 0.90 ’ 97 ’ 98 ’ 99 ’ 00 ’ 01 ’ 02 21ページ 日米欧で平均燃費向上 ’ 03 ’ 04 ’ 05 ’ 06 ’ 07 (年度) 39ページ 59ページ 第1回南ア環境委員会 ロボットによる 抱き上げ移乗支援 63ページ 82ページ トヨタループス (株) 絶滅危機に瀕した (2008年5月設立)完成予想図 マウイイルカ Sustainability Report 2008の内容を概観していただくために、 14∼15ページに2007年度の活動のサマリー を掲載すると同時に、本レポートの簡略版としてWeb版(http://www.toyota.co.jp/SR/08repo/)を 作成しました。 本誌と併せて活用ください。 また、 Sustainability Reportをさらによいものとするため、 巻末に アンケート用紙を用意しました。 ご意見、 ご感想をいただければ幸いです。 (1) 対象期間:2007年4月∼2008年3月。 大きな進捗のあった事項は2008年6月分まで記載。 (2) 報告範囲 環境側面 トヨタ単体の取り組みと海外の連結子会社等での活動事例。 国内外の連結環境マネジメントの進捗状況。 社会側面 トヨタ単体の取り組みと海外の連結子会社等での活動事例。 経済側面 アニュアルレポートのサマリー。 (3) トヨタ自動車の主要情報開示ツール Sustainability Reportに加え、 下記にてもトヨタ自動車の諸活動、 データ、 考え方につき情報開示しています。 ご覧ください。 http://www.toyota.co.jp/jp/ ir/library/annual/index.html http://www.toyota.co.jp/jp/ about_toyota/gaikyo/index.html http://www.toyota.co.jp/ SR/08sitedata/ 表紙について:「走れば走るほど空気がきれいになるクルマ」 をPHV (プラグインハイブリッド) でイメージしました。 目次 トップメッセージ 2 スペシャルストーリー サステイナブル・モビリティ 4 サステイナブル・プラント 6 サステイナブルな社会貢献 8 理念と体制 環境負荷物質 35−36 環境負荷物質の管理、低減の一層の管理 35 TMC生産活動におけるPRTR対象物質の低減 海外事例 36 大気環境 37−38 各国/各地域の都市大気環境改善に資する 排出ガス低減 37 38 企業理念 10 コーポレート・ガバナンス&コンプライアンス 13 TMCのVOC排出量低減活動 海外事例 2007年度のサマリー 14 環境経営 環境側面 環境理念 16−19 理念・方針と環境取組プラン 16 連結環境マネジメント活動推進 16 第4次「トヨタ環境取組プラン」 17 チャレンジ目標の設定 17 第4次「トヨタ環境取組プラン」 のポイント 18 エネルギー/温暖化 20−29 グローバルな事業活動における一層のCO2低減 20 各国/各地域でトップクラスの 燃費性能を目指す技術開発の推進 24 クリーンエネルギー車の開発推進と 効果的な導入、 普及推進 25 各種ネットワーク技術等を活用した 交通流改善への取り組み 26 TMC(トヨタ自動車)の生産活動におけるCO2低減 27 各国/各地域の物流活動におけるCO2低減 28 グローバル生産環境データ (CO2) 海外事例 29 資源循環 30−34 TMCの循環型社会へ向けた 資源有効利用の一層の推進 30 TMCの水使用量の低減 31 日欧のリサイクルシステムの定着 32 リサイクル設計の一層の推進と展開 33 グローバル生産環境データ (廃棄物量・水使用量) 34 海外事例 39−47 取組体制 39 連結環境マネジメント取組方針と結果 40 環境教育の充実 42 ビジネスパートナーにおける 環境マネジメントの一層の推進 42 環境改善に寄与する新規事業の推進 43 Eco−VASによるライフサイクル環境負荷の 着実な低減 44 海外事例 45 全社環境方針進捗状況 46 その他事業 48−49 住宅事業 48 詳細資料 50−55 社会側面 お客様とのかかわり 56−60 お客様対応 56 品質への取り組み 57 持続的な発展への貢献を目指す近未来技術 (ロボット) 58 ユニバーサルデザイン 60 海外事例 60 従業員とのかかわり 61−67 トヨタウェイの共有 61 多様性の尊重 62 人材育成 64 安全・健康 65 海外事例 67 ビジネスパートナーとのかかわり 68−72 サプライヤーとともに 68 販売ネットワークとともに 70 国内市場の活性化に向けて 71 海外事例 72 株主とのかかわり 73 地域社会・グローバル社会 74−86 50 安全への取り組み 74 51 社会貢献基本方針 76 自動車生産・物流工程における 資源投入量と排出量 51 環境への取り組み 77 交通安全への取り組み 78 新型車・フルモデルチェンジ車の 主要環境データ 52 人材育成への取り組み 79 環境関連の主な受賞実績 52 芸術・文化活動への取り組み 80 連結EMSの国内の主な対象会社 53 共生社会への取り組み 81 継続的報告 53 海外事例 82 ISO14001認証取得状況 53 コミュニケーション 86 連結対象範囲 54 海外事例 87 CO2換算係数 54 レポート掲載事業体一覧 55 環境会計 主要環境データの状況 本文中のこのマークは関連サイトのアドレスです 経済側面 業績および所在地別セグメントの状況 88−89 過去4年の海外取組事例(社会側面) 90 海外の地域・国別報告書URL 90 海外の地域・国別報告書 海外連結子会社等の地域・国別報告書は日本と合わせ12の国・地域で2008年中に発行予定です。 これにより全世界の販売台数の約84%をカバー、 グローバルでの情報開示を行います。 海外の地域・国別報告書の掲載URLは90ページを参照 北米・カナダ 豪州 欧州 タイ インド アルゼンチン 南アフリカ フィリピン 台湾 ニュージーランド ブラジル 1 持続可能な社会の実現へ向けたメッセージ 「サステイナブル・モビリティ」 「サステイナブル・プラント」 「サステイナブルな社会貢献」 の3つの サステイナビリティにより豊かな低炭素社会に貢献 トヨタ自動車株式会社 代表取締役社長/トヨタ環境委員会委員長・CSR委員会委員長 Sustainability Report 2008 発刊に当り、 自動車産業に大きなかかわりがある地球温暖化問題とエネルギー問題が世界的に 深刻さを増す中、 トヨタとしての取り組みの考え方について述べさせていただきます。 世界の自動車保有は、 およそ9億台といわれ、 直近の20年でほぼ5年ごとに1億台ずつ増加しています。今後も途上国を中心に 増加が見込まれ、 2010年には10億台を突破し、 2020年には15億台に達するという予測があります。地球環境に与えるインパク トもそれだけ大きなものになると認識しています。 トヨタの企業活動も、 海外の生産拠点が1990年の14ヵ国/地域で20拠点から27ヵ国/地域53拠点へと増加、 グローバルに拡 大する中、 「地球温暖化問題とエネルギー問題への対応なくして、 自動車の未来はない」 という強い危機意識を持って、 移動体とし ての自動車はもちろん生産活動においても地球と共生できるクルマづくりに取り組みます。 トヨタは創業以来、 「自動車を通じて豊かな社会づくりに貢献する」 ことを基本理念として事業を営んでまいりました。 「豊かな 社会づくりへの貢献」 とは、 「地球の持続可能な発展への貢献」 です。トヨタグループの創始者である豊田佐吉の遺訓である 「豊田 綱領」 にはじまり、 2007年11月に策定した 「トヨタグローバルビジョン2020」 にもこれをしっかり示しました。 「地球の持続可能な発展」 のためには、 環境保全と経済成長を両立させることが必要となります。 その鍵を握るのは、 技術革新で あり、 技術を生み出すのも、 活用するのも、 人間です。 トヨタは、 「人」 と技術の力を結集し、 「豊かな低炭素社会」 の実現に貢献します。 具体的には 「サステイナブル・モビリティ」 「サステイナブル・プラント活動」 「事業活動以外の面でサステイナブルな社会実現へ の貢献」 の 「3つのサステイナビリティ」 をキーワードに 「研究開発」 「モノづくり」 「社会貢献活動」 の分野で、 地球温暖化問題やエ ネルギー問題を中心とした 「地球の持続可能な発展への貢献」 に対する活動を強化していきます。 その一環として 「サステイナブル・モビリティ」 の分野では本年5月末累計150万台を達成したハイブリッド車に関し、 2010年 代の早い時期に年間販売100万台の達成を目指し、 2020年代には全車種にハイブリッド技術を展開、 さらなる普及を図ります。 「サステイナブル・プラント活動」 では、 日本の堤工場をはじめ北米、 欧州、 アジアの各地域のモデル工場を皮切りに、 今後全世界 の工場に展開します。 「事業活動以外の面で、 サステイナブルな社会実現への貢献」 の分野では、 社会貢献により国際社会や国レベルでの取り組みと ともに地域に根ざした地道な活動を積み重ねます。すでに、 砂漠化や森林荒廃が深刻な中国やフィリピンで、 地域に根ざした植 林活動に取り組んでいます。また、2000年度より 「トヨタ環境活動助成プログラム」 により、42ヵ国累計140件の助成を環境 NPOに対し行いました。 これらの活動を推進するのに重要なのは、 「人」 です。 この観点から、 今までにも増して、 従業員の人材育成、 安全・健康に注力します。 トヨタが創業以来受け継いできた経営上の信念・価値観をまとめた 「トヨタウェイ」 の2つの柱は 「知恵と改善」 「人間性尊重」 で す。夢の実現に向けて常に進化、 革新を追求、 知恵を絞り続けること、 あらゆるステークホルダーを尊重し、 誠実に相互理解に努 め、 互いの責任を果たすことをトヨタは大切にしてまいりました。 地球環境問題をはじめ、 人類の直面する諸課題は、 地球全体、 社会全体の協働が必要な複雑かつ困難なものです。今後も互いの 人間性を尊重し、 人間の持つ知恵の力を信頼、 絶え間ない改善と技術革新によってのみ解決の道があると考えます。トヨタは 「人」 と 「技術」 の力を結集し、 「豊かな低炭素社会」 の実現に貢献したいと考えます。 2008年7月 2 2007年度の主要取り組みと Sustainability Report 2008 トヨタ自動車株式会社 代表取締役副社長/CSR・環境担当 「Sustainability Report 2008」 は、 トヨタ自動車の2007年度におけるCSR・環境に関する主要な取り組みをまとめたもので す。 レポートは3部構成で、 「理念と体制」 「環境側面」 「社会側面」 からなっています。 2007年度は、 先述した3つのサステイナビリティに対する具現化の一端として、 連動したスペシャルストーリーをこのメッセージ の次ページより掲載する等、 トヨタとして重要と思われる項目につき読者の方にいかにわかりやすくお伝えするか配慮しました。 「理念と体制」 では、 創立70周年を機に、 目指すべき企業像を示す 「グローバルビジョン2020」 を策定し、 公表しました。 「環境側面」 の導入部には、 エネルギー/温暖化に対する基本的な考え方を整理・表明すると同時に、生産分野におけるCO2 チャレンジ目標を設定しました。 「社会側面」 では、 障がい者雇用促進策としてトヨタループス (株) の設立や、 トヨタの社会に対しての貢献の新しい方向である 「パートナーロボット」 の考え方、 進捗につき紹介しています。 「Sustainability Report 2008」 を通じ、 トヨタの活動の進捗をご理解いただくと同時に、 地球や社会に対する共生の想いの一 端を感じていただければ幸いです。 私たちの取り組みにつき、 忌憚なきご意見をお待ちしております。 2008年7月 3 3 つのサステイナビリテイ Special Story part1 ─サステイナブル・モビリティ─ サステイナブル・モビリティを 実現するために トヨタは創業以来「自動車を通じて豊かな社会づくりに貢献する」 ことを基本理念としてきた。クルマのメーカーとしてこの 理念を実現するためには、技術革新を通して環境、安全、渋滞等の課題を解決、サステイナブル・モビリティを実現し、社会に 提供することが求められる。中でも、今喫緊の課題はエネルギー/温暖化であり、低炭素社会の実現である。 サステイナブル・ モビリティの実現は、低炭素社会実現への貢献にもつながっていく。 サステイナブル・モビリティの課題 ハイブリッド技術をはじめ総合技術で燃費向上 20世紀は、 グローバルに産業・技術が発展する世紀だった。 こうした課題への対応として、エンジンの改良、新エンジン 産業・技術の発展はエネルギー使用量を増加させ、化石エネ 投入、 トランスミッションの効率化、車両の軽量化に燃費等 ルギー消費量を急増させた。人口の増加、 クルマの普及もそ の向上や代替エネルギー適合を、 排ガスのクリーン化と同時 の一因であり、 化石エネルギーの燃焼で発生するCO2増加が に行って、 「サステイナブル・モビリティ」 の実現を目指してい 要因とされる地球温暖化は、 グローバルな取り組みが早急に る。 これらを推進するには自動車メーカーとしての総合力が 必要とされる大きな問題になっている。 また、 1990年代より 問われる。 経済成長著しいBRICs (ブラジル・ロシア・インド・中国) など その中で、 現在トヨタがサステイナブル・モビリティ実現のコ の経済発展にともない、 今後も世界のエネルギー消費は増え ア技術に据えているのが、 ハイブリッド技術だ。 ハイブリッド 続けるものと予測され、供給の逼迫、資源の枯渇の可能性も 「排ガスのクリーン 技術は、 「燃費の向上」 「CO2排出量削減」 あり、 あわせて工場などの生産活動、物流や人流などクルマ 化」 などを同時に実現できる上、 ディーゼルや燃料電池など の使用による大気汚染も深刻な問題である。 このような現状 さまざまな動力源と組み合わせることができる。 そのため、 を踏まえ、サステイナブル・モビリティを実現するために克 将来にわたってすべてのパワートレーンの核となる技術だ。 服しなければならない環境に関する大きな課題は、 1997年、 初めてのハイブリッド車プリウスを発売し、 以降ハイ (1) CO2削減 ブリッド車種の拡充を図り、 2008年5月には累計販売150万 (2) エネルギー対応 台を達成した。 試算の結果、 ハイブリッド車の普及によって、 (3) 大気汚染防止 約700万tのCO2排出量と約270万kLのガソリン消費を抑制 の3つであるとトヨタは考えている。 これら3つの課題は互い することができた。 今後は、 2010年代のできるだけ早い時期 に背反するケースもあり、3つを同時に解決することが重要 にハイブリッド車年間100万台販売を目指し、2020年代に 「エネル である。特に、 「温暖化を防止するためのCO2削減」 は全車種にハイブリッド技術を展開する予定だ。現在、 ハイ ギー枯渇に対応する代替エネルギーへの対応」 は、早急に取 ブリッドシステムの大きさ・質量・コストを初代プリウスの4 り組まなければならない重要な課題だ。 分の1にする目標を掲げ、 達成に向け活動を強化している。 運輸部門におけるガソリン・軽油の需要増加推移 (Mtoe) ハイブリッド車150万台によるCO2削減効果(トヨタ試算) ガソリン 軽油 1000 140 800 120 100 600 80 400 60 40 200 0 サイズ、 性能が同等な 従来ガソリン車のCO2排出量 HVからのCO2排出量 HV累積販売台数 約700万トンの CO2排出量削減 1997∼2008/5の 累積 20 ’ 90 ’ 95 ’ 00 ’ 05 出典:IEAデータ 4 (万台) 160 0 ’ 97 ’ 98 ’ 99 ’ 00 ’ 01 ’ 02 ’ 03 ’ 04 ’ 05 ’ 06 ’ 07 ’ 08(年度) 電気利用を促進するプラグインハイブリッド車 次世代電池開発の強化 石油代替エネルギーの中でも電気は供給量やクルマからの かつて豊田佐吉は、高性能の蓄電池に100万円の懸賞金を 克服しなければな CO2削減などの点でメリットが大きいが、 出したことがある。 その条件は、 「36時間続けて100馬力を らない課題も多い。 現状の一番の課題は電池のエネルギー密 出し、重さ60貫(225kg)、容積10立方尺(280L)以内」 だっ 度が低いこと。 そのため、 航続距離を伸ばせず、 容量や重量が た。条件を満たす電池は現れなかったが、高性能電池の必要 大きく、 充電に時間がかかっている。 そのため、 革新的な電池 性を見抜いた先見性は、時代の一歩先をいっていた。 トヨタ が開発されるまで、 一般車のEV化は難しい。 この現状を踏ま では、 電池開発に対し、 2008年7月に電池研究部を新設して え、 電気エネルギーを最大限活用してCO2の排出量を削減す リチウムイオン電池開発を加速させ、 その先にある革新的な るのがプラグインハイブリッド車だ。 プラグインハイブリッド 次世代電池の研究に着手した。 生産面においては松下グルー 車では、 車に積んだ電池を家庭用の電源で充電する。近距離 プとの合弁会社、 パナソニックEVエナジー (株) が2009年よ では主にモーターで走行し、 長距離走行ではガソリンエンジ りリチウムイオン電池の生産を開始し、2010年には本格生 ンがサポートし、ハイブリッド車として走行する。EV走行 産を行う。 (モーターのみでの走行) 可能距離は13kmで、 1日の走行距 出力密度(W/L) り40∼50%少ないプリウスと比較してもさらに13%程度 8000 CO2の削減が可能になる。 プラグインハイブリッド車のメリット 6000 米国 4000 トヨタでは日本、米国、欧 州の3地域で実証実験を 開始した。 2010年までに リチウムイオン電池を搭 載したプラグインハイブ リッド車をフリートユー ザー向けに導入の予定だ。 WtW CO2 排出量(プリウス=1) 10000 (* WtWのCO2排出量) 1.0 ガソリン 0.5 次世代電池 池 電 ン オ イ ム ウ チ リ 日本 E85 佐吉電池 離を25kmとした場合、 CO2の排出量が通常のガソリン車よ フランス 2000 従来電池の 性能限界 0 プリウス プラグインハイブリッド車 1000 25km走行(13kmEV走行) トヨタ試算 ニッケル水素電池 10 100 1000 10000 エネルギー密度(Wh/L)航続距離 * WtW=Well to Wheel:一次エネルギー の採掘から車両走行による消費まで セルロースエタノールでエネルギー多様化に対応 エネルギー多様化については、 当分、 主流のガソリン、 軽油 点では3%程度エタノールを混合したガソリンを活用し、 さ については消費を抑えるクルマの低燃費化で対応し、 代替 らに導入環境の整備状況に応じて10%程度混合のE10を エネルギーについては利用しやすく、かつ 「排気ガスのク 目指すのが現実的だ。 トヨタは2006年以降販売の新車 (ガ を実現する必要がある。 エネル リーン化」 「CO2の排出低減」 ソリン乗用車) すべてがE10対応車となっている。 また、 高濃 ギー密度の低い圧縮天然ガスや水素、 電気などは航続距離 * FFVを導入 度エタノールを普及させているブラジルでは、 が短い都市内コミュータや路線バスなどでの活用が当面は している。 バイオ燃料は、 現在ほとんどが穀物ベースであり、 妥当だ。 乗用車やトラックについては、 ガソリンに混合する 食糧以外の原料からつくる必 「バイオ燃料」 などの使用を拡大していく必要がある。 現時 要がある。 そのため、 供給量も確 保できるセルロースエタノール セルロースエタノールの製造プロセス 原料 製造プロセス 前処理 草・木材 (セルロース) 酵素糖化 酵母発酵 製品 バイオエタノール 酵母 の研究を現在進め、 生成を早く 実現したいと考えている。 * FFV= Flexible-Fuel Vehicle 2008年3月より 発売しているカローラFFV ブラジルにおけるFFV導入の詳細は 29ページ を参照 5 3 つのサステイナビリテイ Special Story part 2 ─ サステイナブル・プラント ─ モノづくりと自然循環の調和を目指して トヨタが発表した 「3つのサステイナビリティ」。 3本柱のうち 「モノづくり」 の現場での取り組みが「サステイナブル・プラント 活動」 だ。 この活動では、 「自然を活用し、自然と調和する工場」 をコンセプトに、 モノづくりと自然循環の調和を目指す。 この活 動は、 ハイブリット車「プリウス」 を生産する堤工場をモデルとしてスタートし、今後グローバルに展開していく。 自然と調和する工場 サステイナブル・プラントを実現するために 自動車メーカーにとって、 「クルマを作ること=モノづくり」 堤工場では、 これまでもガスエンジン・コージェネレーション は最も基本的な作業だ。 その 「モノづくり」 にサステイナブル システムを導入するなどして、 2006年度には1990年比50%以 (持続可能) の概念を取り入れようというのが 「サステイナブ これは年間削減量にして約14 上CO2排出量を削減してきた。 ル・プラント構想」 だ。 「自然を活用し、自然と調和する工場」 万tであり、 東南アジアの熱帯林約4,600haが吸収するCO2の をコンセプトとしたサステイナブル・プラントの実現に向け 量に相当する。 今後はさらにエネルギーのムダをなくし、 省エ て、 まず3つの基本的な取り組みが定められた。 ネを図る。 また、 高岡工場では、 塗装工程での乾燥炉削減など 2007年に稼動を開始 低CO2生産技術の導入を進めている。 【エネルギー低減】 ①低CO2生産技術の開発・導入と日常カイゼン活動 【エネルギー転換】 した新第1ラインと、 今後稼動予定の新第2ラインに導入され る低CO2生産技術の効果を合わせるとCO2排出量の削減効 ②再生可能エネルギー (太陽光など) の活用 【地域交流・生態系保護】 果は年間約35%に達する見込みである。 堤 工 場の再 生 可 能エネルギーの活 用では、定 格 出 力 約 ③工場の森づくり活動 ∼Green for Tomorrow∼ この3つの基本的な取り組みに沿って、 堤工場でサステイナ ブル・プラント実現への取り組みが始まった。 2,000kWの多結晶シリコン型太陽光発電システムを設置 (NEDO太陽光発電新技術等フィールドテスト事業) 。 この発 電システムは自動車生産工場では世界最大級のものであり、 組立工程で使用する電力の約半分を供給できる。 また、 発電し た電力の一部は蓄電し、 工場周辺道路の外灯に活用している。 「工場の森づくり」 では、 地域との共生という観点からその土 地に合った自然植生種による森づくりを推進するため、 周辺 地域の17ヵ所の寺社などに残存する林の樹種構成をフィー ルド調査し、 アラカシ、 スダジイなど堤工場に植樹すべき55 種の樹木を決定した。 この森づくり方法では、将来的に多層 工場将来イメージ Design by 工藤未来 2008年5月に開催された植樹祭 6 構造を持つ森が形成され、 多様な生き物に生息地を提供でき に展開している。 るようになる。 また、堤工場ではNOX吸収量の高い樹種や屋 サステイナブル・プラントのコンセプトは 「自然を活用し、 自 上緑化などバイオ・緑化事業の技術も活用している。 然と調和する工場」 だが、 そこで働く人にとっては 「家族に自 堤工場の森づくりを象徴するイベントとして、 2008年5月に 慢したい職場。 子どもに働かせたいと思う環境」 であり、 地域 は地域の方々、 従業員、 従業員の家族など約5,000人のボラ の人々にとっては 「ずっとこの場所に工場があり続けてほし ンティアによる5万本の植樹祭が行われた。参加者からは いと思ってもらえる工場」 でもある。工場の設備、体制、働く 「自然に触れるよい機会だった」 「子どもの成長とともに樹の 者の意識が一体となってその目標に向かうことで、 サステイ 成長も見守っていきたい」 と声が寄せられた。 このイベントは、 ナブル・プラントの実現は初めて可能になる。 サステイナブル・プラント構想の基礎を支える、従業員の環 渡辺社長はサステイナブル・プラントについてこう語る。 「環 境意識 (エコマインド) の表れでもある。 境エネルギー問題は製造業にとって重要。 製品だけでなく造 持続可能性を底から支える環境意識 サステイナブル・プラントを実現するために欠かせないのが、 る工場がそうした問題にきちんと対応できるようでありたい。 自然との共生等働く人が誇りに思え、 周辺に住む人が安心す る地域に溶け込んだ工場づくりが重要だ」 。 そこで働く従業員一人ひとりの環境意識を向上させること だ。設備や体制がいくら整えられても、 そこで働く人間の意 識向上なしに、サステイナブル・プラントの実現はむずかし い。課題は、環境に興味のない人にいかに興味を持ってもら うか、 環境について何をしたらいいかを示す、 ということだ。 そうした取り組みの一つが 「エコポイント制度」 だ。 この制度 では、省エネや環境保全につながる提案、工場周辺美化など に参加するとポイントを付与され、 優秀者には賞品が授与さ れる。 そのほかにも、 エコキャラクターの募集、環境イベント の開催など環境に対する意識づけと持続的な活動を積極的 ソーラーパネル設置状況 全世界の工場へサステイナブル・プラント活動拡大 国内の他工場、 海外各地域のモデル工場へとその活動を広 廃棄物ゼロを達成している。 バンポー工場では今後、 「工場 げていき、 最終的には全世界の工場がサステイナブル・プラ の森づくり」 活動を展開することになっている。 ントとなることが目標だ。 トヨタは2007年12月に、 海外モ 「サステイナブル・プラント構想」 は、 こうして堤工場から欧 デル工場の決定について発表した。 アメリカではTMMMS 米アジアへ、 そして全世界の工場へと広がっていこうとし がモデ ル 工 場に決 定した。また、欧 州ではイギリスの ている。 TMUK、 フランスのTMMFの2つがモデル工場に決まった。 アジア地域では、 タイのTMTをモデル工場として活動を展 開していく。2007年1月に操業を開始したTMTのバン ポー工場がすでに積極的に活動を開始している。 バンポー 工場は 「アジア太平洋地域における生産技術、 環境対応面 での最新工場」 を目指して建設された。 コージェネレーショ TMUK(英国) TMMF (フランス) TMMMS (アメリカ) TMT (タイ) ンシステムと太陽光発電の併用、 排水リサイクル、 ボディ塗 装ラインへの水性塗料をすでに導入し、 創業当初から埋立 各国・各地域のモデル工場へ展開 7 3 つのサステイナビリテイ Special Story part 3 ─サステイナブルな社会貢献─ 環境改善のための技術・人づくりに助成、 人類共通の課題である環境問題解決の一翼を担うために トヨタは事業活動を通じて培った技術やノウハウ、社員個人が保有するさまざまなスキルを活かして社会貢献プログラムの 開発に努めている。 この一環として行っているのが、 「地球温暖化」 と 「生物多様性」 を対象テーマに、実践型プロジェクトを助 成する 「トヨタ環境活動助成プログラム」 だ。 「環境」 「交通安全」 「人材育成」 が 社会貢献の3本柱 助成プログラムのテーマは、 環境技術と人づくり 社会貢献活動の一環として展開しているのが、 「トヨタ環境 トヨタは社会の幅広い層と力を合わせ、 豊かな社会の実現と、 そ 活動助成プログラム」 だ。 「環境改善に資する環境技術・環境 の持続的な発展のため、 積極的に社会貢献活動を推進している。 人づくり」 をテーマに、世界各国の民間非営利団体が実施す 豊かな社会の実現と、 その持続的な発展は、 トヨタにとっても存 る実践型プロジェクトや環境保全のための人材育成活動に 続と成長の基盤であり、 持てる資源を有効に活用しながら、 次 助成する。 の世代を担う人材の育成と社会的課題の解決に向けた社会貢 トヨタは1999年に、 国連環境計画 (UNEP) の 「グローバル500 献活動に取り組む、 それがトヨタの社会貢献の基本方針である。 賞」 を受賞した。 「トヨタ環境活動助成プログラム」 は、 受賞を 「一年の計は田を耕すにあり、 十年の計は樹を植えるにあり、 記念して、 2000年度に始まった。 百年の計は人を養うにあり」 (管子) 。 中国の格言にあるように、 実施団体の自主性を最大限尊重し、 1件あたりの助成金額や 人材育成は時間がかかるが、大切な仕事である。自動車メー 活動地域に制約を設けない 「一般助成枠」 の助成期間は3年 カーの事業活動に密接な関係を持つ 「環境」 と 「交通安全」 に 以内としている。2005年度からは、助成申請に不慣れな国 加え、 「人材育成」 をトヨタは社会貢献の3つ目の柱に挙げて 内の団体・グループが応募しやすいように、助成額に200万 いる。 社会をつくるのは人であり、 人材育成こそが豊かで繁栄 円という上限を設けて申請方法を簡素化した「小規模助成 した社会につながる。 枠」を新設。国内での身近な環境を保全するための、地域に トヨタにとっての一番の使命は、 自動車やその周辺事業を通 根ざした実践的な草の根活動に助成する。国内外の有識者 じて、 こうした社会づくりに貢献することであることは言う で構成する選考委員会が、申請されたプロジェクトの実用 までもない。 しかし、 企業市民として、 事業活動以外の面でも 性・発展性などを審議し、助成先を決定。機会をとらえて助 社会への貢献が求められている。 その一環として行っている 成プロジェクトの現場を訪問し、 フォローアップを行っている。 のが社会貢献活動なのである。 2000年度∼2007年度の8年間の助成総額は約14億円。助 成件数は累計140件にのぼる。活動地域別では日本51件、 米州大陸15件、 アジア・太平洋53件、欧州7件、 アフリカ13 件、 その他1件と幅広い。 8 太陽光パネルの組立てを見学する子どもたち (ペルー) 湿地帯に適合する樹林の植林作業(ケニア) 「森の名人・名手」 に学ぶ学生たち (日本) 助成を受けたNPOの相互交流を促進 ルズ」で活動成果報告会を実施した。成果発表に参加した 2007年度は、 国内外の環境NPOなどから一般助成枠373件、 NPOからは、 「発表が自分たちの活動の励みになっている」 と 小規模助成枠157件、 合計530件の申請が寄せられ、 選考委 の声が寄せられた。 参加団体の間では報告会後も活発な情報 員会 (委員長:中村桂子 JT生命誌研究館 館長) により助成プ 交換などが行われ、他団体の活動を参考にした、新たな活動 ロジェクトが決定された。一般助成枠で選ばれたのは、 ブラ が生まれることも期待される。 (オペラサォン・アマゾニア・ナティヴァ) ジルのNGO OPAN こうしたNPOとの交流・ が行う、 「アマゾン森林のコパイバ油の抽出と商品化による 連携は今後も継続の予 カトゥキナインディアンの持続的な収入確保」 のためのプロジェ 定。 NPOと力を合わせて クトなど12件。 小規模助成枠で選ばれたのは、 共存の森ネッ 社会貢献に取り組み、多 トワークの 「棚田を未来につなぐために」 など15件。計27件 様な価値観を受容しな のプロジェクトへの助成総額は、 約1億6,000万円にのぼる。 がら新たな企業活力にも 2007年度は、 「助成を受けている団体同士の情報交換・交流 つなげたいと考えている。 を促進するため、2007年12月に 「トヨタの森・フォレスタヒ 活動成果報告会で 「トヨタの森」 の 見学を実施 カンボジアの農村で農業支援を行い、貧困からの脱却を図る 日本国際ボランティアセンター (JVC) は、 1980年に活動を 成プログラムは助成期間が最長3年と長い。一つのプロ 開始した。 ベトナム戦争後、 政情が不安定なカンボジアやラ ジェクトを立ち上げてから定着させるまでには数年の時間 オスから逃れて来る人たちを支援するため、 日本人の青年 がかかるので、 とてもありがたい。 助成金を人件費などソフ ボランティアが集まって結成。 当初は難民キャンプでの食 ト面にも使えるなど、使途の自由度が高いことも魅力」。 糧支援や職業訓練などを行っていたが、 難民が発生する根 2004年から3年間、 助成を受けた日本国際ボランティアセ 本原因を解決しようと、 カンボジア国内でも活動を始めた。 ンター・カンボジア事業担当の鈴木まりさんは、 こう話す。 当時のカンボジアは、 乳幼児死亡率が世界一。 そのうち、 下 シェムリアップ県では2年間に35村で農業支援を実施。 農 痢で死亡する乳児が多く、 水の衛生状態が悪いことがわか 民1,800世帯のうち300世帯が参加した。 新しい農法を試 り、井戸を掘って安全な水の供給を行うなど、徐々に根幹 した農家のある若い母親は言う。 の対策に活動をシフトした。 貧困問題の解決のために始め 「私は小学校に3年生までしか行っていないし、 夫はまった たのが、 農業支援だ。 貧困層の9割以上は農村に住む。 しか く行っていない。 だからこの農法でがんばって少しでも収 し、 カンボジアの伝統的な稲作農法は、 分けつが少なく、 つ 穫を増やし、 子どもを中学校まで卒業させたい」 く穂も少ないので、 1ヘクタール当たりの収量が約1tと、 JVCは今後、 助成期間に得たノウハウを活かし、 現地で人材 日本の6分の1程度にしかならない。 そこで、 収量の多い農 育成に取り組む予定だ。 村人への農業研修・環境教育のほ 法を広めようと、 農民を集めた研修会や農業指導を開始し か、 学校の先生を環境教育 た。 食糧自給率の低い地域を選び、 まずはカンボジア南部 ファシリテーターとして育 カンダール県の農村部で実施。 同地域での成果を受けて、 成。 現地でJVCの情報セン カンボジア北西部シェムリアップ県で活動を開始するにあ ターに集まる大学生にも たり、 トヨタ環境活動助成プログラムに応募した。 助成金は 環境や開発に関する講座 苗や農業資材の購入、 研修にかかる人件費、 移動手段とし を提供し、 現地の人たちが てのクルマの購入などに充てた。 自立して農業で生活でき 「単年度の助成プログラムが多いなか、 トヨタ環境活動助 るよう、 支援していく。 幼苗を1本ずつ植える新しい農法で 収量の上がった田んぼ 9 企業理念 人・社会・地球環境との調和を図り、 モノづくりを通して持続可能な社会の実現を目指す トヨタは創業以来、時代をリードする革新的かつ高品質な CSR方針「社会・地球の持続可能な発展への貢献」 製品とサービスの提供により、社会の持続可能な発展に努 2005年1月、「トヨタ基本理念」をステークホルダーとの関 めてきました。その基本は「トヨタ基本理念」とCSR方針 係を念頭においてまとめた「社会・地球の持続可能な発展へ 「社会・地球の持続可能な発展への貢献」 にあります。 創立70周年を迎えた2007年11月、 トヨタ基本理念をベー スに、ありたい企業像を示す「グローバルビジョン2020」 を策定し、2020年に向けてトヨタが目指す未来像を、全世 界の従業員と共有しました。 創業以来受け継がれる 「豊田綱領」 の精神 創業以来今日まで、 トヨタの経営の 「核」 として貫かれてきた のが 「豊田綱領」 です。 トヨタグループの創始者、豊田佐吉の 考え方をまとめたもので、以来、従業員の精神的支柱の役割 を果たし、 今日の 「トヨタ基本理念」 にその精神が受け継がれ ています。 トヨタ基本理念 「トヨタ基本理念」 (1992年制定、 1997年改正) は、 創業以来 受け継がれてきた、 トヨタ独自の経営上の考え方・価値観・手 法を踏まえ、 トヨタがどのような会社でありたいかをまとめ たものです。連結子会社とともに、 その内容を理解・共有し、 企業活動を通じて、 社会・地球の持続的な発展に貢献するこ とを目指しています。 トヨタ基本理念 1. 内外の法およびその精神を遵守し、オープンでフェアな企業活動 を通じて、国際社会から信頼される企業市民をめざす 2. 各国、各地域の文化・慣習を尊重し、地域に根ざした企業活動を 通じて、経済・社会の発展に貢献する 3. クリーンで安全な商品の提供を使命とし、あらゆる企業活動を通 じて、住みよい地球と豊かな社会づくりに取り組む 10 の貢献」を公表しました。 2008年7月、 その後の環境変化、 社 会のCSRへの関心の高まり等を踏まえ、CSR方針「社会・地 球の持続可能な発展への貢献」 として改定しました。 トヨタは、 連結子会社とこれを共有、 行動します。 前文 私たち(トヨタ自動車株式会社および子会社)は、 「トヨタ基 本理念」 に基づき、グローバル企業として、各国・各地域での あらゆる事業活動を通じて、社会・地球の調和のとれた持続 可能な発展に率先して貢献します。 私たちは国内外・国際的 な法令並びにそれらの精神を遵守し、誠意を尽くし誠実な事 業活動を行います。 私たちは、持続可能な発展のために、以下 のとおり全てのステークホルダーを重視した経営を行い、 オープンで公正なコミュニケーションを通じて、ステークホ ルダーとの健全な関係の維持・発展に努めます。私たちは、 取引先がこの方針の趣旨を支持し、それに基づいて行動する ことを期待します。 お客様 ■ 私たちは、 「お客様第一主義」という信念に基づき、世界中 の人々の生活を豊かにするために、お客様の様々な期待に応 える革新的・安全かつ卓越した高品質な製品とサービスを開 発・提供します。 (基本理念 3,4) ■ 私たちは各国の法およびその精神を遵守し、お客様をはじ め事業活動に関わる全ての人々の個人情報保護の徹底に努 めます。 (基本理念 1) 4. 様々な分野での最先端技術の研究と開発に努め、世界中のお客様 のご要望にお応えする魅力あふれる商品・サービスを提供する 従業員 5. 労使相互信頼・責任を基本に、個人の創造力とチームワークの強 みを最大限に高める企業風土をつくる ■ 私たちは、 「事業活動の成功は従業員一人一人の創造力と 6. グローバルで革新的な経営により、 社会との調和ある成長をめざす 優れたチームワークによってこそ達成される」との信念のもと、 7. 開かれた取引関係を基本に、互いに研究と創造に努め、長期安定 的な成長と共存共栄を実現する 従業員を尊重し、個々人の成長を支援します。 (基本理念 5) ■ 私たちは、均等な雇用機会を提供するとともに、従業員の 別を行いません。 (基本理念 5) ■ 私たちは、全従業員に対し公正な労働条件を提供し、安全 かつ健康的な労働環境を維持・向上するよう努めます。 (基本 理念 5) ■ 私たちは、事業活動に関わる全ての人々の人権を尊重し、 いかなる形であれ強制労働・児童労働は行いません。 (基本理 念 5) ■ 私たちは、従業員との誠実な対話と協議を通じ、 「相互信頼・ 相互責任」の価値観を構築し共に分かち合います。そして、従 は、従業員が自由に結社する権利または結社しない権利を、 事業活動を行う国の法令に基づいて認めます。 (基本理念 5) ■ 私たちは、経営トップの率先垂範のもと、倫理的な行動を促 す企業文化を育て、それを実践していきます。 (基本理念 1,5) 株主 ■ 私たちは、株主の利益のために、長期安定的な成長を通じ 企業価値の向上を目指します。 (基本理念 6) ■ 私たちは、株主および投資家に対して、事業・財務状況と 成果の適時かつ適正な開示を行います。 (基本理念 1,6) 地域社会・グローバル社会 環境 ■ 私たちは、あらゆる事業活動を通じ環境保全に努め、環境 と経済を両立する技術の開発と普及に取り組むとともに、社 S us t a i n a b ilit y R eport 2008 業員と会社がお互いに繁栄するよう共に努力します。 私たち 企業理念 多様性・一体感の確保に努力します。 また、従業員に対する差 会の幅広い層との連携を図り、地球温暖化防止、生物多様性 の保全等、環境との調和ある成長を目指します。 (基本理念 3) 社会 ■ 私たちは、各国の文化・慣習・歴史および法令を尊重し、 「人間性尊重」 の経営を実践します。 (基本理念 2) 取引先 ■ 私たちは、社会が求めるサステイナブル・モビリティの実現 ■ 私たちは、サプライヤー・販売店などの取引先を尊重し、長 に向けて、安全でクリーンかつ社会のニーズを満たす優れた 期的な視野に立って相互信頼に基づく共存共栄の実現に取 技術を常に追求します。 (基本理念 3,4) り組みます。 (基本理念 7) ■ 私たちは政府や取引先による贈収賄を許さず、行政府諸 ■ 私たちは、取引先の決定にあたっては、全ての候補に対し 機関と誠実かつ公正な関係を維持します。 (基本理念 1) その国籍または規模に関わらず門戸を開き、その総合的な強 社会貢献 みに基づき判断します。 (基本理念 7) ■ 私たちは、事業活動を行うあらゆる地域において、独自に ■ 私たちは、各国の競争法の規定と精神を遵守し、公正かつ またはパートナーと協力して、コミュニティの成長と豊かな 自由な取引を維持します。 (基本理念 1,7) 社会づくりを目指し、社会貢献活動を積極的に推進します。 (基本理念 2) グローバルビジョン2020 世界のさまざまな地域で加速する経済の進展や地球規模の環境 問題・エネルギー問題など、産業を取り巻く環境は大きく変化して います。その中で、10年先、20年先、地球の一員として、社会の一 員として役に立つ存在であるために、 トヨタは、世界の仲間と未来 像を共有するグローバルビジョン2020を策定しました。 ●スローガン 今回、 このビジョンのスローガンを、従業員一人ひとりが、そして トヨタが現状に満足することなく、新しい世界を切り開き、夢を着 実に実現していくという思いを込めて、 「Open the Frontiers of Tomorrow」 としました。 それに続く、 「through the energy of people and technology」 は、 それを実行する源泉は人の持つ力 であり、 技術の力であることを示しています。 ●トヨタが目指す2020年の未来像 「自然循環」 人も社会も地球で営ま れている自然循環の中 に存在しています。 トヨ タは、大切な地球環境を 持続的なものとするた めに、自然循環と調和 するモノづくりに挑 戦します。 「産業連環」 ひとつの産業が新たな 価値をつくり出すと同 時に、次の芽となって新 たな産業を生み出す産 業連環。 トヨタは、産業 の持続的な発展の原動 力になりたいと考え ています。 2020年を見すえた時、 トヨタは今一度、自然と産業との関係を見 つめ直し、モノづくりと人・社会・自然との調和の追求が大切だと 考えます。 そして、 モノづくりと自然循環との調和を追求すること により、 トヨタは「自然循環」 と調和する 「産業連環」 の原動力とな ることを目指します。 そのためにも、新しい領域にチャレンジして いくことこそが私たちの使命だと考えています。 11 トヨタのCSR推進組織・体制 体制図 組織 CSR委員会 2007年1月、 専任組織としてCSR・環境部にCSR室を設置し 委員長:渡辺社長 ました。CSR室では、部門横断的なCSR課題への対応、社内 事務局:CSR・環境部 外へのCSRの展開、CSR情報発信、 ステークホルダーとのコ ミュニケーション等に取り組んでいます。 企業行動 倫理分科会 体制 社会貢献 活動分科会 環境 マネジメント 分科会 CSR 企画分科会 2007年10月には、 副社長以上の取締役および監査役の代表 で構成される 「CSR委員会」 を設置しました。 「CSR委員会」 は、 コンプライアンス確立の中核である 「企業行動倫理委員会」 CSR活動の方向 と社会貢献を推進する 「社会貢献活動委員会」 を一体化し、 「トヨタ基本理念」に基づき、 グローバル企業として、 各国・各 相互の連携を密にして、 各活動の発展・充実を図っています。 地域のあらゆる事業活動を通じて、 社会・地球の持続的な発 委員会では、 社会・地球の持続可能な発展に貢献するため、 グ 展に寄与していきます。 そのために、 自動車・住宅事業、 新規 ローバルなCSR方針・活動の企画や企業倫理・コンプライア 事業、 社会課題への貢献等において、 すべてのステークホル ンス、 リスク管理に関する重要課題、社会貢献や新たな環境 ダーを重視した経営を行い、 オープンで公正なコミュニケー 課題に関する重要課題と対応について審議・報告しています。 ションを通じ、 健全な関係の維持・発展に努めます。 トヨタCSR活動のイメージ テロ・紛争 食糧問題 世の中の社会課題 戦争 疾病・感染症 人口問題 南北格差 水資源問題 土壌地下水問題 トヨタの社会貢献活動 貧困問題 大気問題 大規模自然災害 交通事故 安全 環境 トヨタの新規事業 環境 安全 ・ドライバー講習 ・トヨタ環境助成 プログラム ・トヨタ白川郷 社会 環境 ・緑化 自然學校 他 (植林/屋上緑化) ・お客様第一主義 ・車両の環境技術開発 他 海洋汚染 ・多様性尊重、 ・工場・販売店・ 人材育成 物流のCO2低減 ・車両安全 他 ・環境負荷物質 地球温暖化 交通渋滞 低減 生物多様性 コンプライアンス ・リサイクル設計 森林減少・砂漠化 他 少子高齢化 ・クルマの情報 ・エネルギー多様化 国際的労働力と ネットワーク化 (バイオ燃料/ エネルギー問題 移民問題 コジェネ技術) ・モビリティ ・納税、株主還元、雇用 他 ( エアロ/マリン) ・コーポレート・ガバナンス 他 ・生活支援/ 日本の農業活性化 文化・ シニア支援 経済 共生社会 (パートナーロボット) 他 トヨタの自動車・住宅事業 ・運転支援 ・歩行者交通安全 ・交通システム キャンペーン 高度化 他 他 ・芸術/文化支援 ・ボランティア 活動支援 他 快適・ 利便性 資源・ エネルギー 障がい者対応 教育の機会 人材育成 12 ・自動車整備学校 ・トヨタ助成基金 他 資源問題 企業理念 コーポレート・ガバナンス&コンプライアンス コンプライアンス ガバナンスの基本的な考え方 トヨタはコンプライアンスを、 「法令はもとより、 社会常識・企 グローバルな戦略展開の迅速な意思決定およびオペレー 業倫理を遵守し、 さまざまなステークホルダーからの期待に ションのスピードアップを期し、 独自の経営制度を導入して 応え、 企業活動をフェアに進めていくこと」 と考えています。 います。 また、社会的責任を果たしつつ経営の透明性を高め コンプライアンスの確立には、 日常業務の中での地道で着実 るため、社内に各種の委員会等を設置し、 さまざまなステー な取り組みが必要であり、 そのために 「CSR委員会」 の企業行 クホルダーの観点から、 経営や企業行動のあり方について審 動倫理分科会等の 「仕組みづくり」 と、 一人ひとりのコンプラ 議、 モニタリングを実施しています。 さらに、 トヨタの 「問題解 イアンス意識を高める 「人材育成」 を2本柱として取り組みを 決と再発防止を優先する」 独自の企業風土があり、 「品質は工 進めています。 程で造り込む」 という考え方のもと、 日々の業務から、 その業 務の質を向上させていく取り組みが、 ガバナンスの強化につ コンプライアンス徹底の教育・研修 ながっていると言えます。 こうしたチェック&バランス機能 経営トップから従業員一人ひとりに至るまでコンプライアン を経営陣と従業員が共有することで、 高い倫理観に基づく意 スを浸透させるため、OJTや階層別教育、 ホームページでの 情報発信、 eラーニング等を通じて、 コンプライアンス意識の 思決定と業務の執行に努めています。 醸成を図っています。 適切な経営を確保する仕組みと 内部統制の基本方針 企業倫理相談窓口 2003年に導入された現行の経営制度では、 全社のさまざま 従業員がコンプライアンス上問題と感じたり疑問に思った な機能のオペレーションに関して、 取締役である専務が最高 時に相談できる「企業倫理相談窓口」を、社外の弁護士事務 責任者の役割を担い、 常務役員が実務を遂行するという仕組 所 (委託) に設置しています。 みになっています。 これにより、現場意見の全社経営戦略へ 相談内容は、 匿名で社内事務局に連絡され、 事実確認が行わ の反映や、 経営意思決定事項のオペレーションへの迅速な展 れますが、相談者が特定され、不安を感じたりすることがな 開を通じて、現場に直結した意思決定をすることが可能に いように細心の注意を払い事実関係を調査します。 調査の結 なっています。経営監視の仕組みは、日本の会社法に基づく 果、問題が確認された場合は、 ただちに問題対処に当たりま 監査役制度を採用。監査役7名中4名を社外監査役とするこ す。 なお、 相談の状況を社長・監査役に毎月報告しています。 とで、企業行動の透明性を一層高めています。適切な経営を 確保する仕組みとしては、 1996年から、 政治、 経済、 環境、 ビ トヨタ行動指針 ジネスなどさまざまな分野における海外の有識者10名前後 「トヨタ基本理念」を実践し、社会的責任を果たすため、 トヨ で構成する、「インターナショナル・アドバイザリー・ボード タで働く人々の基本的な心構えをまとめ、 具体的な留意点を (IAB)」を毎年開催。グローバルな視点から意見をいただい 示したものが「トヨタ行動指針」 (1998年策定、2006年3月 ています。 改訂) です。 これは、 従業員がつねにトヨタで働く者としての また、内部統制の整備に関しては、2006年5月、基本方針を 自覚を持ち、自らがどのように行動すべきかを考え、 それを まとめ、 取り組んでいます。 実行に移すためのツールです。 トヨタのコーポレート・ガバナンス インターナショナル・ アドバイザリー・ボード 現場重視+多方面からのモニタリング 選任 監査役会 過半数の 社外監査役 外部監査人 財務監査および 内部統制監査 株主 労使協議会・労使懇談会 * 取締役会 専務 常務役員 S us t a i n a b ilit y Report 2008 コーポレート・ガバナンス CSR委員会 トヨタ環境委員会 ストックオプション委員会 情報開示委員会(開示統制) 内部監査部門(内部統制) * CSRに関する新規企画、企業倫理、 コンプライアンス、 リスク管理、社会貢献活動、 環境マネジメントの方針、審議・決定等 内部統制の基本方針 基本的な考え方 •「人間尊重」の考え方のもと、業務執行を行う「人」の善意・意欲・自律的 な判断を引き出す仕組み •「人」 と 「組織」 による 「業務執行プロセス」 の中に、内部統制の仕組みを組み 込み、 相互牽制・取締役が管理・監督できる仕組み •「組織を横断する仕組み」を設置し、内部統制を補完 基本的方針 ① 取締役の法令遵守 ② 取締役の職務の執行に係る情報の 保存及び管理 ③ 損失の危険の管理に関する規程 その他の体制 ④ 取締役の職務の効率性 ⑤ 使用人の法令遵守 ⑥ 企業集団における業務の適正性 ⑦ 監査役を補助する使用人 ⑧ ⑦の使用人の独立性 ⑨ 監査役への報告 ⑩ 監査役の監査の実行性確保 13 2 0 0 7 年 度 の サ マリー 環境側面 エネルギー/温暖化 エネルギー/温暖化の基本的な考え方を整理・表明。 開発設計と生産・物流の両側面からCO2低減の取り組みを進めるとともに、 交通流改善や植林など総合的な取り組みを推進。 エネルギー/温暖化の基本的考え方の整理・表明 20−23 ハイブリッド車累計販売台数141万台突破 25 トヨタ環境フォーラムにおいて、 低炭素社会に貢献するためのアクションプランを発表 26 トヨタプラグインHV 資源循環 特定3物品の再資源化等の実績 (2007年度実績) 実績 ASR引取台数 エアバッグ引取台数 フロン引取台数 再資源化率 ASR エアバッグ 実績 961千台 払い渡しを受けた 8,430百万円 245千台 預託金 705千台 再資源化等に 要した費用 76% 94% 8,768百万円 △338百万円 収 支 資源生産性を念頭に、資源有効利用の推進、水使用量の低減、 リサイクル設計の取り組みを推進。 国内全仕入先の梱包・包装資材使用量を把握 31 ASRについて再資源化率を着実に向上させ、 2015年度法定基準を8年前倒しで達成 32 環境負荷物質 「車両に対し確実な対応」 を基本方針に、製品、生産の両面から 全社システムでの管理やグローバルな活動を展開。 欧州化学物質規制「REACH」へ対応すべく、 国内仕入先に対し説明会を実施 欧州REACH規制仕入先説明会 大気環境 低排出ガス車生産台数比率の推移 (%) 100 80 平成12年基準 25%低減レベル 60 平成12年基準 50%低減レベル 40 平成12年基準 75%低減レベル 平成17年基準 50%低減レベル 20 0 平成17年基準 75%低減レベル ’ 03 ’ 04 ’ 05 ’ 06 35 ’ 07(年度) 排出ガス低減とVOC排出量低減を取組項目に挙げ、 製品は低エミッション技術の開発、 各国の状況に応じた低排出ガス車を導入。 超−低排出ガスレベル以上の生産台数比率99.6% 37 全ボディ塗装ラインにおける VOC塗装面積当たり排出量の平均値26g/m2 38 環境経営 第4次「トヨタ環境取組プラン」 に沿って取り組みを進め、進捗。 環境月間にはIPCC議長ラジェンドラ・パチャウリ博士を招き講演会を実施。 第1回南ア環境委員会 2007年10月に豪亜環境委員会、2008年4月に南ア環境委員会が スタートし、 グローバルな環境経営推進整備 39 持続可能な地球・社会の実現に向けた取り組みの一環として、 トヨタ 「生物多様性ガイドライン」作成 41 住宅事業 住宅事業「2010年環境取組プラン」 に沿って着実な取り組みを実施。 商品開発から居住段階までを見通した環境配慮型住宅を発表。 長寿命+環境配慮住宅「シンセ・カーダ モード」 を発売 シンセ・カーダ モード 14 48 社 会 側面 お客 様とともに 「お客様第一・品質第一」 を念頭に、 オールトヨタの取り組みの中で お客様満足度向上を追求。 「品質は工程で造り込む」 自工程完結の考え方を全社へ展開 57 トヨタの社会に対しての新しい方向であるパートナーロボットを紹介 58・59 従業 員とのかかわり 渡辺社長によるロボット開発概要の 発表会 「労使相互信頼・長期安定」 「コミュニケーション」 を基盤に、 従業員一人ひとりが職場力向上に向けた取り組みを推進。 「8万人職場コミュニケーション活動」 の浸透・定着を目指し、 「職場コミュニケーションの充実・強化」 を方針に、 活動を推進 61 障がい者雇用拡大に向けて 「トヨタループス (株) 」 を設立 63 2008年3月に完成した健康支援センター 「ウェルポ」 で、 4年に1度の節目健診を実施 66 トヨタループス (株) (2008年5月設立)完成予想図 ビジネスパートナーとのかかわり 取引先をビジネスパートナーとして尊重し、 強い連携のもと、 国際社会の持続可能な発展に貢献できるビジネスを展開。 「自動車産業適正取引ガイドライン」 に関する説明会に 1次サプライヤー327社、 約600名が参加 69 国内市場を活性化させるさまざまな提案活動を、 販売店とともに実施 71 かけがえのない一台宣伝編とサービスエンジニア編 株主とのかかわり 財務戦略の基本方針 「成長性」 「効率性」 「安全性」 をバランスよく推進し、 企業価値増大を図る。 年間配当金、 前期比20円増の140円に 73 地域 社 会・グローバル社 会( 安 全 への取り組み) ニューヨークで開催された インフォメーションミーティング 人を中心に、 より安全なクルマを開発し、 社会との協調を図る 「安全基本理念」 のもと総合的なアプローチを推進。 先進の予防安全および衝突安全技術を新型クラウンに搭載 74・75 ITS技術を活用した 「インフラ協調型安全運転支援システム」 の 開発・実用化に積極的に取り組み 75 ドライビングシミュレーター 地域 社 会・グローバル社 会( 社 会 貢 献 ) 「社会から信頼されるよきグローバル企業市民」 を目指し、 豊かな社会づくりと その持続的発展のため国内外で社会貢献活動を推進。 中国で培ったノウハウ、 植林技術を活かし、 フィリピンで3年間、 1,772ヘクタールの植林活動を実施 「トヨタ博物館」 「産業技術記念館」の2つの博物館にそれぞれ25万人が来場 77 80 小学校へ訪問した 「ふれあいコンサート」 の様子 地域 社 会・グローバル社 会(コミュニケーション) 多くの文化施設を基点に、 ビジョン、企業活動を広く紹介。企業広告キャンペーン 「あしたのハーモニー」 では明日に向けた思いやりのメッセージを発信。 「社団法人日本経済団体連合会・WBCSDによる 共催セミナー:低炭素社会に向けた産業界の貢献」 に参画 86 インド・バンガロールで開催された ステークホルダー・ダイアログ 15 環境理念 地球にフレンドリーな技術で 地球再生を牽引する企業を目指して クルマの開発から生産、使用、廃棄、 リサイクルに至るすべ 連結環境マネジメント活動推進 ての段階で環境負荷の低減に取り組んでいます。また、住 トヨタ自動車(TMC) は、 グローバルな事業展開に合わせて 宅、情報、バイオ・緑化事業等、あらゆる事業において環境 環境への取り組みを推進するため、TMC単体だけでなく連 への取り組みを進めます。世界各国・各地域でトップレベ ルの環境対応を実現するため、各地域・各分野において環 境マネジメント体制を整備します。国内外の関連会社と一 体となって連結環境マネジメントを推進し全世界で環境 経営を実現します。 部品・資材サプライヤー 開発 設計 温暖化(CO2) 省資源(梱包材等) 調達 環境負荷物質 リサイクル 廃棄物(シュレッダー 再資源化業者 ダスト、 バッテリー等 資源 の廃部品、廃油等) 廃棄 採取 リユース 物流 生産 原材料 燃料 エネルギー 水 温暖化(CO2) 大気・水域への排出、 騒音、臭気、廃棄物等 使用 温暖化(CO2、HFC) 大気への排出 (HC、CO、NOx、PM 等) 物流 温暖化(CO2) 省資源(梱包材等) 廃棄物 販売店(メンテナンスにともなう廃オイル・部品等) 理念・方針と環境取組プラン 「トヨタ基本理念」 (1992年策定、 1997年改正) を基に、 環境 取り組みに対する方針を定めたものが「トヨタ地球環境憲 章」 (1992年策定、 2000年改訂) です。 この憲章を、 全世界の 連結事業体約530社で共有しています。 この 「トヨタ地球環 境憲章」 に沿って各社が環境取り組みを推進するための中・ は、 2006 長期目標をまとめています。 トヨタ自動車 (*TMC) 年度から2010年度を対象に第4次 「トヨタ環境取組プラン」 を策定、 推進しています。 * TMC=Toyota Motor Corporation トヨタ環境取組プラン概念図 TMCは連結EMS対象会社に環境方針の立案、 環境対応ガイ ドラインを示し、 「環境取組プラン」 の策定と推進、 環境マネジ メントシステムの構築、各国・各地域でトップレベルの環境対 応を要請しています。 また、優秀事例の展開や情報交換を通 じ相互の関係を強化するほか、 監査教育などの支援も行って います。 全世界の生産・販売台数に対する連結EMS対象会社 のカバー率は、 生産分野で99%、 販売分野96%となり、 一部 の非連結会社分を除く、 生産・販売をカバーしています。 *EMS:Environmental Management System トヨタ地球環境憲章 Ⅰ. 基本方針 1.豊かな21世紀社会への貢献 豊かな21世紀社会へ貢献するため、 環 境との調和ある成長を目指し、事業活 動の全ての領域を通じて、ゼロエミッ ションに挑戦します。 2.環境技術の追求 環境技術のあらゆる可能性を追求し、 環境と経済の両立を実現する新技術の 開発と定着に取り組みます。 3.自主的な取り組み 未然防止の徹底と法基準の遵守に努め ることはもとより、 地球規模、 及び各国・ 各地域の環境課題を踏まえた自主的な 改善計画を策定し、 継続的な取り組みを 推進していきます。 4.社会との連携・協力 関係会社や関連産業との協力はもと より、政府、自治体を始め、環境保全に 関わる社会の幅広い層との連携・協力 関係を構築していきます。 Ⅱ. 行動指針 1.いつも環境に配慮して ・・・生産・使用・廃棄の全ての段階でゼロエミッションに挑戦 (1)トップレベルの環境性能を (3)未然防止の徹底 有する製品の開発・提供 (2)排出物を出さない生産活動の追求 (4)環境改善に寄与する事業の推進 2.事業活動の仲間は環境づくりの仲間 ・・・関係会社との協力 トヨタ 基本理念 連結事業体で共有(約530社) トヨタ地球環境憲章 連結環境マネジメント対象会社 (約590社)が策定 トヨタ環境取組プラン (5ヵ年計画) 年度方針 環境マネジメントシステム 16 を2000年度より導入しています。 メント (連結*EMS) 連結環境マネジメント主な対象会社については 53ページ を参照 お客様 創業以来の事業精神 結子会社と一体となって取り組みを進める連結環境マネジ 3.社会の一員として 社会的な取り組みへの積極的な参画 (1)循環型社会づくりへの参画 (2)環境政策への協力 (3)事業活動以外でも貢献 4.よりよい理解に向けて ・・・積極的な情報開示・啓発活動 Ⅲ. 体制 経営トップ層で構成するトヨタ環境委員会 (委員長:社長) による推進 成しました。 これは、 国内外連結会社が一丸となり、 目標達成 トヨタが目指すべき 「地球にフレンドリーな技術で地球再生 に向け強力に取り組みを推進してきたことによるものです。 を牽引する」 企業像を具現化するため、 2006年度より2010 最優先すべ 特に人類最大の課題であるCO2排出量の低減は、 年度まで実施すべき活動を明確にし、TMCが策定したもの き取り組みであるとの認識のもと、グローバル目標である 「2010年20%減」 に対し、 2007年度は32%減を達成し、 効 が第4次 「トヨタ環境取組プラン」 です。 果を上げることができました。 今後もその改善スピードを緩 チャレンジ目標の設定 めることなく、 チャレンジ目標を追加設定し、取り組みを推 今年度までに、 第4次「トヨタ環境取組プラン」 の生産分野の 進します。 これらの活動を踏まえ、2010年以降の削減目標 主な取り組み項目について、 2010年度の数値目標を早期に達 (第5次 「トヨタ環境取組プラン」 ) を検討中です。 環境負荷 物質 資源循環 環境負荷物質の管理、 低減の一層の推進・ 環境負荷物質4物質 鉛・水銀・カドミウム・ 六価クロム のグローバルな全廃 各種ネットワーク技術 等を活用した交通流 改善への取り組み 水使用量低減 日欧のリサイクルシステムの定着 ・2015年リサイクル実効率 95%に 向けた着実な取り組み リサイクル実効率: 日本→2010年度92%相当、 欧州→2006年85% マネジメント 連結環境マネジメント強化 ビジネスパートナーに おける環境マネジメントの 一層の推進 環境教育の充実 取り組み体制 環境マネジメント 環境改善に寄与する 新規事業の推進 Eco−VASの本格運用と 定着化により、 ライフサイクル環境負荷の 着実な低減 組織・体制 社長を委員長とした「トヨタ環 トヨタ環境委員会 境委員会」 のもと、 「製品環境委 委員長:渡辺 社長 1992年設置 ●当社の重要環境課題の方向付け 員会」 「 生産環境委員会」 「 資源 循環委員会」 の3つの委員会を 設置し、各分野の課題や対応方 針を検討します。関係するすべ ての部署が連携し、全社的な取 り組みを推進します。 生産・物流 PRTR対象物質の 排出量低減 VOC排出量 低減対策 第4次「トヨタ環境取組プラン」 リサイクル設計の 一層の推進と展開 単独→グループ 単体→ビジネスパートナー 国内→グローバル 単年→中長期 開発・設計 各国・各地域の 都市大気環境改善に 資する排出ガス低減 循環型社会に向けた 資源有効利用の 一層の推進 各国・各地域の 生産・物流活動に おけるCO2低減 CSR・環境部 環境委員会運営(事務局) 1998年設置、2007年改組 ●方針・目標進捗管理、トヨタ環境取組プラン、 年度全社環境方針の立案 CSR・環境担当 :木下 副社長 CSR・環 境 部 統 括 :小澤 専務 担当役員 :葉山 常務役員 Sustainability Report 2008 クリーンエネルギー車の 開発推進と効果的な導入、 普及促進 エネルギー・燃料 多様化に向けた 技術開発 大気環境 ─ グローバルな 事業活動における 一層のCO2低減 環境側面 エネルギー・ 温暖化 各国・各地域で トップクラスの燃費性能 を目指す技術開発の推進 環境理念 第4次「トヨタ環境取組プラン」 自動車 リサイクル 社会との連携 循環型社会構築への 寄与・貢献 環境情報開示と双方向 コミュニケーションの充実 持続可能な発展を踏まえた 環境政策への 積極的な貢献と提言 製品環境委員会 委員長:上田 常務役員 1973年設置 ●開発・設計側面から環境保全関連の重要事項を検討 生産環境委員会 委員長:井川 専務 副委員長:伊奈 専務 1963年設置 ●生産・物流分野における環境保全の重要事項を検討 オールトヨタ生産環境会議・生産環境連絡会 資源循環委員会 委員長:伊奈 専務 2008年設置 ●自動車リサイクル等に関する重要事項を検討 17 第4次「トヨタ環境取組プラン」 のポイント 業活動である開発・設計、 調達、 生産・物流、 販売、 リサイクル 第4次「トヨタ環境取組プラン」 の策定に当たっては、2020 の各分野で取組項目・具体的な実施事項・目標を策定し、 さ ∼2030年に予想される環境問題を再確認し、 ①エネルギー /温暖化、 ②資源循環、 ③環境負荷物質、 ④大気環境を4大重 要テーマとしました。 この4大重要テーマに対し、 トヨタの企 らに環境経営を推進、強化します。 また、早期に目標が達成 した生産分野のCO 2低減に関しては、さらにチャレンジ目 標を追加設定し取り組みます。 第4次「トヨタ環境取組プラン」 具体的な実施事項・目標等 取組項目 エネルギー/温暖化 マネジメント 1 グローバルな事業活動における一層のCO2低減 ● 開発・設計 2 各国・各地域でトップクラスの燃費性能を ● 目指す技術開発の推進 ● ● ● ● ● ● ● 3 クリーンエネルギー車の開発推進と ● 効果的な導入・普及促進 4 エネルギー・燃料多様化に向けた技術開発 ● 5 各種ネットワーク技術等を活用した ● 交通流改善への取り組み 生産・物流 6 各国・各地域の生産・物流活動における ● CO2の低減 ● ● ● グローバルなCO2削減の中長期シナリオ策定と確実な推進 日本:2010年基準を上回るさらなる燃費向上を継続的に推進 欧州:JAMA自主約束2009年CO2140g/kmの達成に向け着実な取り組み推進 北米:競合トップクラスの燃費性能を目指し、 着実な開発推進 中国:新燃費基準を早期に達成し、 クラス別トップレベル燃費を達成 その他の地域:燃費向上技術の積極的導入 燃費改善に資する関連技術の開発実用化 ハイブリッドシステムの一層の性能向上および車種と導入地域拡大 将来の水素社会の実現を目指し、次世代燃料電池車の開発と早期導入等 CO2低減、エネルギーセキュリティに資する、各種バイオ燃料、合成燃料の評価と対応技術開発 車・交通インフラ・人、 三位一体の協調など、 ITSを活用した社会システム 導入を目指し、関係団体等と連携した交通流改善への取り組み推進 ● 〈生産〉 ● 工場では生産技術の革新等、 画期的な生産性向上によるCO2低減の推進 (オフィス等も含めた活動を展開) ● 新エネルギー利用技術の開発と導入検討 〈物流〉 ● 輸送改善によるCO2低減対策の実施 〈2010年度目標〉 生産 地域 グローバル *TMC 物流 ※国内 海外 項目 目標 売上高当たり排出量 2001年度比20%減 売上高当たり排出量 1990年度比35%減 排出量 1990年度比20%減 排出量 1990年度比10%減 (CO2排出量の把握と低減活動拡大 2007年度までに実態を把握し目標管理へ移行) ※範囲:生産部品物流、 完成車物流、補給部品物流 資源循環 生産・物流 7 循環型社会に向けた資源有効利用の ● 一層の推進 〈生産〉 ● 歩留まり向上等の発生源対策による排出物低減 (金属屑等の有価物・廃棄物の低減と埋立廃棄物ゼロの継続) 〈物流〉 ● 梱包のミニマム化および容器のリターナブル化拡大等による梱包資材使用量の低減 〈2010年度目標〉 地域 国内 TMC 海外 物流 ※ 国内 海外 生産 対象 項目 目標 排出物 売上高当たり排出量 2003年度比3%減 排出物 売上高当たり排出量 2000年度比20%減 廃棄物 各国トップレベル低減活動を推進 梱包資材 使用量 1995年度比43%減 梱包資材使用量の把握と低減活動拡大 ※ 範囲:生産部品物流、補給部品物流 8 水使用量低減 ● 自動車リサイクル 9 日欧のリサイクルシステムの定着 ● ● 2015年リサイクル実効率95%に向けた着実な取り組み (リサイクル実効率:日本→2010年度92%相当、 欧州→2006年85%) 10 リサイクル設計の一層の推進と展開 ● ● ● ● ● ● 各国・各地域で個別に目標を設定し継続的に水使用量低減 ASRリサイクル技術の高度化に向けた一層の取り組み 解体方法、ツールの開発と普及(解体情報提供) 中古部品の利用拡大(日本:2010年中古部品販売点数 2002年度比10倍) 新規開発部品(FC、HV等)のリサイクル技術開発、回収ネットワークの構築 解体、リサイクルが容易な車両の開発推進と展開 トヨタエコプラスチック等再生可能資源、リサイクル材の使用拡大 (2010年樹脂部品の15%使用技術確立) ● 新規開発部品 (FC、HV等)のリサイクル設計開発と展開 ● ● 環境負荷物質 開発・設計 1● 1 環境負荷物質の管理、 低減の一層の推進 ● ● ● 環境負荷物質4物質(鉛・水銀・カドミウム・ 六価クロム)のグローバルな全廃 ● ● ● 生産・物流 1● 2 PRTR対象物質の排出量低減 ● 2006年より4物質全廃車の日欧導入(2007年完、適用除外部品あり) グローバル基準に基づく全世界での4物質全廃の早期達成 環境負荷物質の管理対象拡充 グローバルに全新型車で2010年までに車室内VOCを低減 小温暖化係数冷媒エアコンの開発 塗装工程を中心としたPRTR対象物質の排出量低減 〈2010年度目標〉 生産 18 *TMC=Toyota Motor Corporation:トヨタ自動車 地域 国内 TMC 海外 対象 項目 排出量 1998年度比55%減 排出量 1998年度比70%減 各国規制より厳しい排出量目標を設定し低減活動を展開 環境理念 具体的な実施事項・目標等 取組項目 大気環境 開発・設計 13 各国・各地域の都市大気環境改善に資する ● 排出ガス低減 生産・物流 14 VOC排出量低減対策 ● 超低エミッション技術開発の推進と各国の状況に応じた最高レベルの低排出ガス車の導入 日本:SU-LEVを順次導入拡大 米国:Tier2、LEV2規制への的確な対応 中国:Euro4レベル車の早期導入 ※ 一般国:Euro3,4レベル車の早期導入 ● 高効率クリーンディーゼル車の開発とさらなる普及促進 日本:貨物車を主体に一層の普及拡大 欧州:さらなるクリーン化を目指した低排出ガス車の開発と早期導入 ※ 一般国:日本、 米国、中国以外の地域 ● ● 塗装工程における洗浄シンナーの一層の使用量低減と水性塗料採用拡大等の実施 〈2010年度目標〉 地域 項目 国内 塗装面積当たり排出量 35g/m2以下(全ライン平均) TMC 塗装面積当たり排出量 25g/m2以下(全ライン平均) 海外 各国トップレベルのVOC排出量低減活動を展開 国内・海外 VOC排出量低減活動を展開 その他塗装 環境経営 マネジメント 1● 6 ビジネスパートナーにおける 〈仕入先〉 ● 仕入先と連携した活動の一層の充実 - トヨタへ納入される部品、 原材料、 生産設備などに含まれる 環境負荷物質の管理充実 - 仕入先における自主的な環境パフォーマンス向上活動の要請 〈国内販売店〉 ● トヨタ販売店ガイドラインの見直しによる、 中期的な環境課題への対応支援 - 廃棄物、排水の適正処理に加えCO2削減等、幅広いテーマへの積極的な取り組み - 自動車リサイクル法対応指針に基づく取り組みの定着推進 ● 販売店における環境マネジメント機能強化・充実への対応支援 - トヨタ販売店の重点指標設定とモニタリング体制整備 〈海外代理店〉 ● 海外代理店のオペレーションより発生するCO2等の把握・管理・削減の支援 ● 海外販売店の廃棄物、 排水、エアコンフロン適正処理の徹底の支援 1● 7 環境教育の充実 ● ● 1● 8 環境改善に寄与する新規事業の推進 ● ● ● 1● 9 Eco-VASの本格運用と定着化により、 ● 20 循環型社会構築への寄与貢献 ● ● Sustainability Report 2008 〈生産事業体〉 ● 企画段階から環境対策を確実に織り込むエコ ・ファクトリー活動のグローバルな展開 (違反・苦情ゼロ、環境リスクの最小化、各国・各地域No.1の環境パフォーマンス) 〈非生産事業体〉 ● CO2等各事業体環境パフォーマンスのグローバル管理と向上 ─ 15 連結環境マネジメント強化 ● 環境マネジメントの一層の推進 従業員の環境意識向上に加え、実務改善に資する環境教育の継続的実施 連結事業体を含むグローバルな環境教育の充実 バイオ・緑化事業の拡大、確立 定置型燃料電池の開発・商品化促進 環境負荷物質管理等、環境リスク低減事業の拡大など 国内モデルチェンジ、 新型車より順次運用、 欧州・米国生産車等を含め 全車に展開 ライフサイクル環境負荷の着実な低減 社会との連携 目標 環境側面 対象 生産 ボディ塗装 CO2低減対策技術等環境基礎研究の推進・支援と提言 環境技術開発・環境教育および生物多様性保全に資する社会貢献プログラムの実施 - トヨタ環境活動助成プログラム ( 「グローバル500賞」 受賞記念)、 トヨタ白川郷自然學校に代表される活動の継続・充実 ● 21 環境情報開示と ● 双方向コミュニケーションの充実 ● ● ● ● ● 22 持続可能な発展を踏まえた環境政策への ● 積極的な貢献と提言 ● ● 各国・各地域での環境商品技術情報提供の一層の充実 エコドライブ情報の消費者への提供 各国・各地域での環境報告書のさらなる充実 地域社会とのコミュニケーションをグローバルに一層充実 広範なステークホルダーとの対話と相互理解促進 国内外の環境政策議論・枠組みづくりへの参画 WBCSD・経団連・自工会等産業界の環境取り組みの推進 チャレンジ目標(2008年6月追加設定) 取組項目(生産) エネルギー/温暖化 地域 CO2 項目 グローバル TMC 2007年度結果 2010年度目標 ※ チャレンジ目標 売上高当たり排出量(2001年度比) 32% 20% 35% 売上高当たり排出量(1990年度比) 55% 35% 60% 排出量(1990年度比) 25% 20% 30% ※07年度為替レート固定前提 19 エネルギ−/温暖化 中長期省エネルギー/温暖化対策 に向けて トヨタプラグインHV エネルギー/温暖化問題は人類全体にとり最重要課題の マネジメント グローバルな事業活動における一層のCO2低減 一つであり、 この問題を克服するため、 世界全体のCO2排出 開発・設計 量の20%を占める運輸部門が果たさなければならない役 各国/各地域でトップクラスの 燃費性能を目指す技術開発の推進 開発・設計 クリーンエネルギー車の開発推進と効果的な導入、 普及推進 割は大きいと認識しています。今後も世界の交通需要、特に 開発・設計 エネルギー・燃料多様化に向けた技術開発 途上国など非OECD加盟国の保有台数の増加は顕著で、総 開発・設計 走行量も増加傾向が続くため、温暖化対策なくして、持続 各種ネットワーク技術等を活用した 交通流改善への取り組み 生産・物流 各国/各地域の生産・物流活動におけるCO2低減 可能な発展を実現することはできません。 トヨタは、省エネ ルギーの観点からもCO 2 排出量削減に積極的に取り組み を進めています。設計・開発部門ではグローバルな自動車 開発・設計/マネジメント 燃費改善、次世代自動車の開発・導入、燃料多様化への対応 に一層力を入れ、生産・物流分野では低CO2生産技術の導 入と改善の積み重ねや再生可能エネルギーの活用により、 低炭素型工場を目指すと同時に、グローバルでの管理体制 やCO 2 排出量の低減目標を定め、クルマの開発から設計、 生産、物流、販売に至るあらゆる段階、すべての事業領域で 取り組みを進めます。道路交通セクターからのCO2排出量 を低減するには、自動車の燃費改善だけでなく、交通流改 グローバルでの燃費向上推進 トヨタは世界各地のエネルギー多様化の動向に対応しなが と 「大気のクリーン化」 を同時に実現 ら、 「CO2排出量の低減」 できるクルマを 「適時」 「適地」 「適車」 という考え方に基づき 開発・生産することで、 エネルギー/環境問題の解決に取り 組んでいきます。下図の大小多くの壁は、 それぞれの燃料を 使い、 普及させる過程で解決しなければならない課題を示し 善、燃料多様化、燃料の効率的な利用といった総合的な対 ています。低燃費エンジンの技術革新、ハイブリッド車等の 策が必要です。 このためには、官民とも関連する主体がベス 次世代自動車の開発・導入に積極的に取り組むことにより、 トプラクティスを共有し、協力して取り組みを推進する枠 組みが有効です。グローバル規模の道路交通セクターの取 環境・エネルギー問題への対応シナリオ ハイブリッド技術 プラグインハイブリッド技術 り組みを促進するための(社)日本自動車工業会の活動に も積極的に参画していきます。 Light Duty Vehicle(LDV)保有台数予測(1000人あたり) 800 (在来油田) インフラ 整備 ガス貯蔵技術 (現状比2倍) ガス化/合成技術 700 北米 石炭 燃料性状均一化 OECD太平洋 500 400 OECD欧州 東欧 旧ソ連諸国 PHV、小型EV用 電気貯蔵技術 南米 300 原子力 中国 インド 0 ’ 00 ’ 10 ’ 20 ’ 30 ’ 40 出典:WBCSD Mobility 2030(Full Report 2004) その他アジア 中東 アフリカ ’ 50(年度) 水素製造 非OECD加盟国 100 水力 太陽光 地熱など セルロース 活用技術 充電インフラ 整備 水素 貯蔵技術 採掘/ 精製技術/ コスト CO2削減技術 (燃料製造時) バイオマス 発電 保有台数︵台/千人︶ OECD加盟国 600 200 20 天然ガス ガソリン/軽油 ガソリン/軽油 石油 量の確保 (深海油田、 オイルシェールなど) ガス燃料 合成液体燃料 (GTL/CTL/BTL) バイオエタノール バイオディーゼル EV用電気貯蔵技術 電気 EV 水素 FCHV CO2削減技術 (火力発電所) CO2削減技術 (水素製造時) インフラ整備 2010年 内燃 機関 2030年 ンの開発も必要です。 バイオ燃料等、 地域ごとの燃料多様化 ラスの燃費性能を目指します。 また、多様なエネルギーの中 に向けた車両技術の開発も進めます。食糧と競合しないセ から、その時々の状況や地域特性を勘案して、 「排気ガスの ルロースエタノールや軽油と同等の性質を持つ水素処理バ を両立したパワートレー クリーン化」 や 「CO2排出量の削減」 イオ軽油の製造技術開発にも取り エネルギー / 温 暖 化 燃費向上をグローバルに一層推進し、各国・地域でトップク 組んでいます。開発・設計の取り組 ハイブリッド車の燃費優位性(欧州) みにより、 各地域の車両燃費は着実 多い に改善され、 日米欧地域のトヨタ車 ガソリン 販売台数に基づいた新車(乗用車) ディーゼル 17.4%向上しました。今後は中国 ガソリンHV やインドなどほかの地域でも平均 メーター内に設置された エコドライブインジケータ− 環境側面 CO2排出量(g/km) 平均燃費は1997∼2007年の間に 燃費値を把握、関示するとともに、 LS600h RX400h ─ 一層の燃費向上を促進していきま す。 さらに、 ITS技術を活用した交通 GS450h Sustainability Report 2008 流改善、 エコドライブ促進のための カムリHV エコドライブインジケータ・エコド プリウス ライブモードスイッチの装備やエ コドライブを紹介する冊子配布等 重い の啓発活動にも取り組んでいます。 車重(ton) エコドライブパンフレット トヨタの地域別平均燃費の推移(1997年を1とした場合の指数値) 日米欧 1.20 1.10 +17.4 % 1.00 0.90 ’ 97 ’ 98 ’ 99 ’ 00 ’ 01 ’ 02 ’ 03 ’ 04 ’ 05 日本 米国 1.30 1.30 1.30 1.20 1.20 1.20 1.10 1.10 1.10 1.00 1.00 1.00 0.90 ’ 97 ’ 98 ’ 99 ’ 00 ’ 01 ’ 02 ’ 03 ’ 04 ’ 05 ’ 06 ’ 07 (年度) 0.90 米国LDV * 米国LDT * ’ 97 ’ 98 ’ 99 ’ 00 ’ 01 ’ 02 ’ 03’ 04 ’ 05 ’ 06 ’ 07 (モデルイヤー) ’ 06 ’ 07 (年度) 欧州 0.90 ’ 97 ’ 98 ’ 99 ’ 00 ’ 01 ’ 02 ’ 03 ’ 04 ’ 05 ’ 06 ’ 07 (年度) * LDV=Light Duty Vehicle:乗用車 LDT=Light Duty Truck:SUV、 ミニバンを含む (米国燃費規制プログラムの車両分類) 21 生産・物流 生産台数(万台/年) 1000 グループを挙げて低炭素型工場を目指す 800 1973年以降、 「全員参加による省エネルギー」 をスローガン 600 に、全社活動で省エネを積極的に推進し、78年には全豊田 生産技術連絡会の中にエネルギー部会を設置。1998年に 400 「オールトヨタ地球温暖化 は、CO2排出量低減を目的とした 防止会議」 (2000年にオールトヨタ生産環境会議) を設置、 200 グループを挙げCO2排出量低減に取り組んでいます。海外 では、 1997年度に中期計画作成に向けた地域別ガイドライ ンを策定し、各事業体に自主的な取り組みを要請。2003年 以降、地域別環境委員会を立ち上げ、取り組み体制を強化 し、 グローバルで低炭素型工場を目指しています。 第1次トヨタ環境取組プラン (93年 CO2排出量低減目標は、 ∼95年)から設定し、5年ごとに内容を見直し、現在は第4 次トヨタ環境取組プラン (2006∼2010年) を推進していま す。同プランで定めた2010年グローバル目標(売上高当た りCO2排出量を2001年比20%減)を早期に達成(同32% 減) したため、同35%減というチャレンジ目標を新たに追加 設定しました。 工場では、生産技術の革新等、画期的な生産性向上(老朽化 した生産ラインの更新、新設に合わせたコンパクト・スリム 化、 省スペース、 ハイスピード、 工程短縮などをねらった革新 技術の導入、生産量が減少したラインの統廃合による効率 化)、省エネ設備の導入(小型ボイラーの導入、コージェネ レーションシステムの導入、廃熱回収装置の導入等)、燃料 転換(都市ガスへの切り替え)、ムダを徹底的に省く日常改 善(不良率低減、歩留まり向上、作業改善、休日夜間非稼働 0 ’ 01 ’ 02 ’ 03 日本より電力換算係数の 大きい地域 ’ 04 ’ 05 日本より電力換算係数の 小さい地域 ’ 06 日本 ’ 07 (年度) 各国の電力CO2換算係数 インド オーストラリア 中国 インドネシア アメリカ タイ イギリス 日本 ベトナム ベネズエラ アルゼンチン カナダ ブラジル フランス 0.0 0.2 0.4 0.6 (t-CO2/Mwh) 0.8 出典:CO2 Emissions from Fuel Combustion, 2007 edition, IEA, Paris, France. ※基準年2001年の換算係数を使用 生産会社については54ページ参照 ※電力CO2換算係数は主要な生産国のものを掲載しており、 時電力低減など) に全員参加で取り組み、 エネルギー効率を サステイナブル・プラント活動をグローバル展開 また、 グローバルで 高め、 CO2排出量の低減に努めています。 サステイナブル・プラント活動のグローバル展開など、CO2 (総量抑制)を目指し、将来にわ CO2排出量のピークアウト 排出量低減につながる取り組みを強化しています。サステ たって低減努力を継続します。 イナブル・プラント活動では「自然を活用し、自然と調和す グローバルな事業活動に関連し、 国によって発電のためのエ る工場」 を目指し、①エネルギー低減、②エネルギー転換、③ ネルギー源 (石油、 石炭、 原子力、 水力等) が異なるため、 電力 工場の森づくり活動に取り組んでいます。エネルギー低減 を同じ量だけ使ってクルマを生産しても、 発生するCO2も異 では、低CO2生産技術の開発・導入を進め、各生産工程で次 なります。 また、日本より大きな電力のCO2換算係数の国で のような取り組みにより飛躍的なCO2低減の実現に取り組 の生産も増加しています。 んでいます。 このような状況も考慮し、現地の事情に合わせたCO 2排出 量低減活動に取り組んでいます。 ・プレス:省エネタイプサーボプレスによる シンプル・コンパクト化 ・溶接 :スリムロボット導入によるライン長の短縮 ・塗装 :水性3wet塗装導入によるブース長短縮と 中塗乾燥炉の廃止 ・組立 :SPS*1とAGV *2を利用した 部品搬送導入によるライン長の短縮 *1 SPS:セットパーツシステム *2 AGV:無人搬送車 22 1.0 グローバルCO2原単位低減率 光発電を積極的に導入し、2008年3月に堤工場で、自動車 売上高当たりCO2原単位低減率 工場では世界最大級の約2,000kWの太陽光発電システム を設置しました。海外でも北米、欧州、アジアでモデル工場 を設定し、 環境に配慮した工場づくりに取り組みます。 ’ 01 (%) 0 ’ 02 ’ 03 ’ 04 ’ 05 環境理念 エネルギー転換では、再生可能エネルギーを活用した、太陽 (参考) 生産台数当たりCO2原単位低減率 ’ 06 ’ 07 4次プラン目標 (2010年) - 10 * * チャレンジ目標 (2010年)35%減 - 20 - 30 *売上高当たり原単位 - 40 環境側面 ─ Column 自動車のCO2排出量には、 「カタログ燃費」 「 、走行係数」 、 グローバルで総合的対策を促進した場合の、 世界道路交 「総走行量」 の4つの要因が関係 燃料の 「CO2排出係数」、 その結果、 通セクターからのCO2排出量を推計しました。 しています。 従って、 自動車メーカーによるカタログ燃費 燃費改善とそれ以外の対策によるCO2削減量が同じレ 改善だけでなく、実走行燃費とカタログ燃費の比を表す ベルであり、2025年あたりには減少傾向に転じること 走行係数の悪化要因である交通渋滞や運転方法の改善、 が判明しました。 トヨタは (社)日本自動車工業会を通し 燃料の低炭素化、 モーダルシフト等による効率的利用を て、 道路交通セクターの総合的取り組み促進へ積極的に 官民協力して進めていくことが重要となります。 (社) 日 参画しています。 Sustainability Report 2008 道路交通セクター全体の取り組み促進への参画 本自動車工業会では、 現状対策レベルを維持した場合と、 道路交通セクターCO2排出量 =「カタログ燃費(km/L)」−1 × 「走行係数*」 × 「CO2排出係数 (gCO2/L) 」 × 「総走行量 (台km)」 * 走行係数:実走行燃費とカタログ燃費の比 世界の道路交通セクターCO2排出量予測 ②JAMA提言施策導入ケース ①現状対策維持ケース 世界の道路交通セクターCO2排出量 (MtCO2) (MtCO2) 10,000 10,000 現状以降 対策なし 8,000 燃費改善 バイオ燃料 交通流改善 エコドライブ 6,000 4,000 現状以降 対策なし 燃費改善 8,000 バイオ燃料 交通流改善 エコドライブ 代替促進 6,000 ’ 05 ’ 10 ’ 15 ’ 20 ’ 25 ’ 30(年度) 4,000 ’ 05 ’ 10 ’ 15 ’ 20 ’ 25 ’ 30(年度) 出典: (社)日本自動車工業会 23 低燃費エンジンの普及をさらに拡大 開発・設計 2007年度発売のノア、 ヴォクシー、プレミオ、 アリオンに搭 各国/各地域でトップクラスの 燃費性能を目指す技術開発の推進 載した新開発2.0リッター直噴3ZR-FAEバルブマチックエン ジンは、 デュアルVVT-i (吸排気連続可変バルブタイミング機 構) に、吸気側バルブリフト量を連続的に変化させる機構を 2010年燃費基準を2005年に引き続き 全重量区分で達成 組み合わせることで、 スロットル開度を一定に保ったまま、 吸 気バルブのリフトにより吸気をコントロールする仕組みを 2007年度は、全重量区分で引き続き2010年燃費基準を達 採用。燃焼効率の向上により低燃費と高い動力性能を実現 成し、 ガソリン乗用車の燃費基準達成車の生産台数比率は しました。 91% (前年比3ポイント向上) に達しています。 ノア、 ヴォクシーに搭載した新開発2.0リッター直噴3ZR-FE 新型車・フルモデルチェンジ車は、12車種中11車種が、 ガソリンエンジンでもデュアルWT-iを採用し、 バルブタイミ 2010年燃費基準をクリアしました。 ングを最適制御しています。 2010年燃費基準達成状況とトヨタ車の燃費実績 (km/L) 35 トヨタ車の2007年度平均燃費 2010年燃費基準 30 各区分でトヨタ車トップの燃費値 25 20 15 10 5 0 828∼ 1,016∼ 1,266∼ 1,516∼ 1,766∼ 2,016∼ 2,266∼(重量区分:kg) 2007年度 新型車・フルモデルチェンジ車(乗用車) における 2010年燃費基準達成状況 重量区分 (車両重量kg) 燃費基準 (km/L) 新世代のエンジン動弁機構「バルブマチック」 2007年度 2007年度新型車・フルモデル 平均燃費(km/L) チェンジ車の適合車種 828∼1,015 17.9 20.9 1,016∼1,265 16.0 18.3 * イスト プレミオ、 アリオン、 1,266∼1,515 13.0 14.2 プレミオ、 アリオン、 カローラルミオン 1,516∼1,765 10.5 12.3 1,766∼2,015 8.9 10.1 2,016∼2,265 7.8 10.0 2,266∼ 6.4 8.2 高効率トランスミッションの導入拡大 * ノア、 ヴォクシー、 ヴァンガード * * マークXジオ、 クラウン LS600h/LS600hL、 ランドクルーザー 主要車種新旧モデル燃費比較 り、2007年度発売のプレミオ、 アリオン、 ノア、 ヴォクシー、 車種に採用しました。 Super CVT-iはワイドな変速比幅と低 速からロックアップ可能なトルクコンバーターを採用し、 エ ンジンとの統合制御により、 低燃費を実現しています。 プリウス、GS450hが新2015年燃費基準を達成 (km/L) 20 新型車 2007年度発売のプリウス、 GS450hは、 新燃費基準の試験方 従来型車 法となる 「JC08モード」 で、省エネ法に基づき策定された新 15 燃費目標基準である 「2015年度燃費基準」 を達成しました。 10 5 24 Super CVT-i(自動無段変速機) は採用を徐々に拡大してお イスト、 ヴァンガード、 マークXジオ、 カローラルミオンの8 LS600h 注1:*印は、適合車種でも型式および仕様によっては達成していないものがあります。 0.0 注2: 部分は燃費基準を達成 注3:2007年度以前の達成車は掲載していません。 注4:燃費値はいずれも、国土交通省10・15モード走行審査値です。 0 トランスミッションの伝達効率を上げ、燃費性能を高める イスト (1.5L) プレミオ/ アリオン (1.8L) ノア/ ヴォクシー クラウン (3.0L) ランドクルーザー エネルギー / 温 暖 化 開発・設計 プレミオ ノア クリーンエネルギー車の開発推進と 効果的な導入、普及推進 ハイブリッド車累計販売台数141万台突破、 2007年度は44万台販売 アリオン 2007年度のクリーンエネルギー車の国 内 販 売 台 数は 8万5,268台で、 トヨタ車国内販売台数の5.5%です。 全世界 ヴォクシー ヴァンガード 環境側面 におけるハイブリッド車の累計販売台数は1997年12月、 初 代プリウスを発売以来、 141万台 (2008年3月末) を突破。 特 に2007年度は44万台を全世界で販売しました。 なかでもプ ─ リウスの累計販売台数が2008年4月に100万台を達成しま した。 プリウスは2000年には北米や欧州など海外でも販売 トヨタクリーンエネルギー車販売台数(国内) ’ 03年度 クラウン マークX ジオ 電気自動車 ハイブリッド車 天然ガス自動車 計 カローラルミオン トヨタ車総販売台数に占める割合 ’ 04年度 Sustainability Report 2008 を開始。 以来、 販売台数を伸ばしてきました。 イスト (単位:台) ’ 05年度 ’ 06年度 ’ 07年度 7 0 0 0 0 42,021 64,877 57,756 81,118 85,127 222 277 208 206 141 42,250 65,154 57,964 81,324 85,268 2.4% 3.7% 3.4% 5.0% 5.5% ハイブリッド車累計販売台数(全世界) LS600h ランドクルーザー (万台) 150 141万台 140 129万台 130 エコドライブインジケーターの採用拡大、 ゾーン表示も導入 120 110 100 90 2006年度に搭載を開始した、 ドライバーのエコドライブを 80 支援する 「エコドライブインジケーター」 の採用を順次拡大 60 しています。燃費効率のよい走行状態の時に、 「ECO」を表 70 50 40 示するランプが点灯することで、 ドライバーにその状態を 30 知らせ、学習してもらうことにより燃費向上に寄与するこ 10 とがねらいです。 2007年度は 「ECO」 マークが点灯するインジケーターをプ 20 0 ’ 97 ’ 98 ’ 99 ’ 00 ’ 01 ’ 02 ’ 03 ’ 04 ’ 05 ’ 06 ’ 07 ’ 08(年) 3月末 レミオ、アリオン、 ノア、 ヴォクシー、イスト、 ヴァンガード、 新型ハイブリッド車レクサスLS600h/LS600hLを導入 マークXジオ、 カローラルミオンの8車種に採用。 クラウンで 2007年5月、 ハイブリッドセダンLS600h/LS600hLを発売。 は、エコドライブインジケーターランプに加え、現状のアク 新開発のV8・5.0Lエンジンと高出力モーターを、 新開発のフ セル開度とエコ運転の範囲を示すエコゾーン表示を採用し ルタイムAWDシステムと組み合わせた世界初のハイブリッ まし た 。また 、燃 費 計 も 、 ドシステムを採用しました。新開発の高出力モーターには、 LS600h/LS600hL、プレ 2段変速式リダクション機構を組み合わせ、低速域から高 ミオ、 アリオン、 ノア、 ヴォク 速域までの幅広い速度域で、モーター効率の良い領域を使 シー、イスト、ランドクルー 用しています。 4輪回生ブレーキも採用し、前後輪の回生ブ ザー、 マークXジオ、 IS F、 カ レーキと油圧ブレーキを協調制御することで、減速・制動時 ローラルミオン、 クラウンに 搭載しています。 メーター内に設置された エコドライブインジケータ− のエネルギー回収効率を高めてガソリン消費を抑え、 大幅な CO2排出量削減に寄与します。 25 プラグインHVの試乗会を開催 トヨタプラグインHVは、 2007年7月に、 プラグインハイブリッ ド車として初めて、 公道走行を可能とする国土交通大臣認定 を取得しました。 プラグインハイブリッド車は、 外部電源から の電気をバッテリーに充電することで、 電気自動車としての 走行割合が増加。発電エネルギー源によっては、CO2排出量 の減少が可能です。認定取得に合わせ、 マスコミ関係者など を対象に試乗会も開催しました。 C ol umn プリウス販売台数100万台達成 2008年4月、 プリウスの累計販売台数が100万台を突 破しました。 1997年12月に世界初の量産ハイブリッド 車として発売したプリウスは、海外にも販売を拡大。 2002年には累計販売台数が10万台を、2005年には 50万台を突破し、 順調に販売台数を伸ばしてきました。 「ハイブリッド車の大量販売は不可能と言われたのに、 10年間で100万台を達成したことはすごい」。 ハイブ リッド車の開発に携わった従業員から声が寄せられて います。 「私たちがつくったクルマが地球環境に貢献し ていることが誇りであり自信」 と、 従業員の誇りにもつ トヨタプラグインHV 「低炭素社会のためにできること」 トヨタ環境フォーラム開催 2008年6月11日、 MEGA WEBで 「トヨタ環境フォーラム」 を開催し、 「研究開発」 「モノづくり」 「社会貢献活動」 の3つの 分野で、 低炭素社会に貢献するためのアクションプランを発 表しました。 フォーラムの席上、 渡辺社長は 「トヨタは創業以来、 自動車を 通じて、 豊かな社会づくりに貢献することを基本理念として ながりました。 「これからもハイブリッドシナジードライ ブの信 頼 性を世 界 中に伝えたい」 「ハイ ブリッド技術で、お 客様にワクワクして もらえるようなクル マづくりをしたい」 と、従業員の士気も 向上しています。 初代プリウス 事業活動を営んできた。 今後とも、 人と技術の力を結集し、 地 球環境保全と経済成長を両立することができる社会の実現 に貢 献していきた 開発・設計 い」と語りました。ま た、 2010年度のCO2 各種ネットワーク技術等を活用した 交通流改善への取り組み 低減目標を上方修正 したほか、次世代電 池の開発を目指す 北京市で交通情報モニターを開始 「電池研究部」 を新設 することを明らかに しました。 左から瀧本副社長、内山田副社長、渡辺社長、 東京工業大学統合研究院 教授 柏木孝夫様 FCHV、実用的な使用形態で配送業務など実施 26 2008年5月より、中国北京市で交通情報サービス対応カー ナビゲーションシステムのモニター評価を開始しました。 こ のナビゲーションシステムは北京市交通信息中心(BTIC)、 北京世紀 通科技有限公司(CENNAVI) と連携して開発し 2007年4月から、経済産業省の「水素・燃料電池実証プロ * RTIC方式の交通情報をカーナビ上に表示するこ たもので、 ジェクト」 の燃料電池自動車実証実験に参画。 ヤマト運輸株 とができます。今回は、サービスの本格開始に向けてモニ 式会社の協力のもと、 中部国際空港周辺地域において、 燃料 ター評価を実施するものです。 今回開発したナビゲーション 電池ハイブリッド車、 トヨタFCHVによる営業運行を実施し システムでは、 BTICのプローブカー情報システムによって得 ました。 られるリアルタイムの交通情報を、 CENNAVIが放送波でク 事業用貨物車として登録したトヨタFCHVをヤマト運輸へ貸 ルマのカーナビゲーションに配信。 ドライバーは道路ごとの 与し、同社常滑新開宅急便センターと中部国際空港間の配 混雑状況を地図上で確認し、渋滞を考慮した経路の探索が 送業務など、 実用的な使用形態で実施しました。 営業運行を 可能になります。 中国でカーメーカー純正品として交通情報 通じて取得したデータは、 燃料電池ハイブリッド車の実用化 サービス対応車載器を初めて提供しました。 に役立てていきます。 * RTIC(Real-time Traffic Information of China) 天然ガスコージェネレーション等の新エネルギーの導入を TMC(トヨタ自動車) の生産活動における CO2低減 積極的に進めています。2007年度の新エネルギーによる発 電量は432千MWhで、 全電力使用量の約16%でした。 生産分野における2007年度CO2低減目標 TMC新エネルギー使用量 ・全社のCO2年間総排出量を166万t以下 432 (千MWh) 400 300 生産分野では、 生産拠点と非生産拠点 (オフィス等) を合わせ 200 たCO2排出量の削減目標を設定し、取り組みを推進。2006 100 年度に実施した下記の対策が大きな成果を上げたことなど により、総排出量は158万tとなり、目標を達成しました。今 CO2低減を進めていきます。 CO2生産技術の導入促進など、 ’ 04 ’ 05 ’ 06 ’ 07(年度) グリーン電力の利用 日本自然エネルギー (株) の 「グリーン電力証書システム」 に 基づき、風力発電によるグリーン電力を年間185万kWh利 CO2低減に効果のあった主な対策 実施拠点 ’ 03 (注)算定方法を見直し、過去にさかのぼり訂正しました。 Sustainability Report 2008 イナブル・プラント (詳細は6、7ページ) で取り組んでいる低 276 228 ─ 後も工場の更新時に省エネ機器を導入すると同時に、 サステ 0 369 310 環境側面 固定発生源からのCO2排出量目標達成 施策 明知工場 エネルギー / 温 暖 化 新エネルギーの利用を推進 生産・物流 低減量(千t) 天然ガスコージェネレーション導入 下山工場 ガスタービン燃料転換(重油から都市ガスへ) 13 下山工場 生産ライン集約化(ZZエンジン第3ライン) 11 C ol umn 熱処理工程のエネルギーロス削減で 経済産業大臣賞を受賞 TMC使用エネルギー別熱量構成比率 コークス1.1% LPG2.2% A重油6.2% 用しました。 7 灯油0.2% 明知工場の取り組みが、 (財) 省エネルギーセンターの 「平成19年度省エネルギー実施優秀事例表彰」経済 産業大臣賞を受賞し、 トヨタは昨年に続き2年連続の 電力61.5% 都市ガス28.8% 受賞となりました。 トヨタの主力ユニット工場の一つである明知工場は 鋳造・機械工程を持ち省エネ対策に力を入れており、 これまで同表彰の資源エネルギー長官賞を3度受賞 TMC CO2排出量(エネルギー起源) と 売上高当たりのCO2排出量の推移 (万t) 240 220 非生産部門のCO2排出量 生産部門のCO2排出量 売上高当たりのCO2排出量 212 200 180 エネルギーロス削減」 の取り組みです。機械工場の熱 (t/億円) 50 29.1 160 178 19.3 140 171 16.8 40 30 160 158 20 CO2 13.8 13.1 10 0 0 ’ 90 ’ 04 ’ 05 売上高当たり 排出量 排出量︵エネルギー起源︶ CO2 しています。 評価の対象となったのは、 「熱処理工程の ’ 06 ’ 07(年度) (注1)非生産拠点で1990年度の排出量を把握できない場合は、 それ以降で把握できた 最も古いデータを使用しました。 を対象としています。 (注2)CO2排出量は、生産部門、非生産部門(福利厚生施設除く) 処理工程はエネルギー使用量が最も多く、全体の27 %を占めていました。 これまで対策困難であった熱処 理の条件変更における所要時間短縮による省エネを 実現するため、 ディファレンシャルギア熱処理工程で 統計学手法 (SQC) を活用。 2つの部品の熱処理方法を 統一し、 熱処理の条件変更時に発生するエネルギーロ スをなくしました。 今後はさらに省エネ活 動を推進すると同時に この活動を他工場やグ ループ会社に横展開し ていきます。 省エネルギー月間表彰式 27 生産・物流 C ol umn 各国/各地域の物流活動におけるCO2低減 港の集約による物流効率化 物流分野における2007年度CO2低減目標 従来、豊田および関西地区での生産車は、衣浦港か ・CO2排出量を48.3万t以下に低減 ら関東地域へ、 名古屋港からその他の海上輸送地域 へ輸送していましたが、名古屋港に車両ヤードを確 物流効率化により排出削減目標を達成 保することで、関東向け輸送を名古屋港に集約しま 2007年度は、 九州・東北地区の工場での増産等により、 成り した。 この改善により、 陸上・海上での輸送距離短縮、 行きベースでのCO2排出量が前年度比11%増の49.2万tと 海上輸送の航海時間短縮による配船効率化により1 なるところ、 東北・北海道向け鉄道輸送の拡大、 海上輸送の港 隻を減船しました。 これにより2007年度は6.7千t 集約による物流効率化、 物流パートナーと一体となった燃費 向上活動の継続により、3.9万tを低減しました。 その結果、 総排出量は前年度比2%増の45.3万tにとどまり、 目標を達 約211km 関西 成しました。 低減 当初見込み 49.2 50 44.4 41.3 40 豊田 名古屋 約29km 約33km (万t) 44.0 約177km 関西 豊田 名古屋 物流CO2排出量の推移(国内) 65.9 のCO2を低減しました。 衣浦 ▲3.9 5 隻で ラウンド 45.3 40.3 衣浦 田原 関東 田原 4 隻で ラウンド 関東 (田原→名古屋→衣浦→関東:585km) (田原→名古屋→関東:532km) 改善前(衣浦港出荷) 改善後(名古屋港集約) 30 0 TMC物流でのCO2把握範囲 1990 ’ 04 ’ 05 ’ 07実績 (年度) ’ 06 (注1)CO2換算係数は54ページを参照 (注2)2007年度は、 CO2換算係数を変更 (注3)CO2の算定に誤りがあったため過去にさかのぼり修正しました 国 内 取り組み範囲 お客様 直送品 完成車 国内 販売店 ボディ メーカー グローバルでのCO2排出量把握体制を整備 2004年度から進めてきた、 海外各地域でのCO2排出量把握 の体制整備が完了し、グローバルでのCO2排出量の把握を 開始しました。 2008年度から順次、 実績に基づく低減目標を 設定し、 低減活動を推進していきます。 地域にまたがる海上輸送にともなうCO2排出量の把握も進 めており、2007年度は日本からの出荷分の把握を完了しま した。 2008年度は他の地域間にも拡大します。 生産部品 完成車 内製工場 (組立ユニット) 完成車 サプライヤー 現状管理範囲 管理体制充実化を推進中 部品 センター 海 外 国内 共販店 サプライヤー 補給部品 積 生産部品 物流センター (梱包工場) 輸入品 お客様 揚 海外 販売代理店 出 港 港 物流 センタ− 工場 CO2排出量低減の取り組み結果 対策テーマ 低原単位 輸送へのシフト モーダルシフト 大型船投入 総走行距離の 低減 ルート見直し 他 燃費向上 商品 主な活動内容 ・関東自動車工業岩手工場向け鉄道輸送の拡大 ・関東自動車工業岩手工場向け陸送便の海上輸送化 ▲7.6千t/年 ▲2.8千t/年 補給部品 ・北海道共販店向け鉄道輸送化 ▲1.3千t/年 完成車 ・九州・東北航路への大型船投入 ▲4.2千t/年 生産用部品 ・衣浦港積みの名古屋港集約による効率化 ▲6.7千t/年 生産用部品 ・トヨタ自動車九州向け部品の現地調達化推進 ▲3,0千t/年 全商品 ・ドライバー教育等によるエコドライブの推進 ▲5.7千t/年 完成車 その他 低減活動合計 28 CO2低減量 ▲7.8千t/年 ▲3万9千t/年 エネルギー / 温 暖 化 グローバル生産環境データ グローバルでのCO2低減活動は、CO2原単位(売上高当 たり) を2010年度までに、 2001年度比20%低減を目標 に掲げ、国内外の連結会社等で、積極的に生産性向上、 省エネ活動に取り組み、 電気、 ガス、 燃料油等の使用量削 減を行ってきました。 その結果、 早期に目標を達成したため、 さらに高いチャレ CO2排出量 CO2総量(万t) 900 800 700 600 700 39.6 500 756 今後も引き続き改善に取り組んでいきます。 200 50 35.0 30 31.8 29.5 26.8 20 10 100 0 ’ 01 ’ 04 ’ 05 ’ 06 0 ’ 07(年度) アジア、豪州、 中近東、南アフリカ、 中南米 欧州 中国 北米 日本 (除くTMC) 環境側面 ンジ目標(17∼19ページを参照) を追加設定しました。 855 40 400 300 821 783 売上高当たり原単位 (t/億円) TMC ─ ※TMC、 国内外連結会社等 120社 国内 : 53ページ 1∼5グループ対象会社 〔孫会社を含む (豊田通商を除く) 〕 海外 : 54ページ 生産および生販一体会社 〔除くTMMR (ロシア) 〕 (注1)2001年度の排出量を把握できない 拠点は、 それ以降で把握できた最も古いデータを使用 (注2)2005年度より中国事業体を追加 (注3)CO2換算係数は、 GHGプロトコルを使用して算定 (54ページを参照) Sustainability Repoet 2008 海外事業体の取り組み事例 バイオエタノール対応フレックス・フューエル・ビークルを発売 ブラジル・TDB(Toyota do Brasil) 2007年5月、 TDBはトヨタ初の 「フレックス・フューエル・ビー コールドスタートシステムという新たな機構が必要でした。 クル」 (FFV) を発売しました。 ガソリンでもエタノールでも、 両 このシステムを開発するにあたり、TDBとTMCはエタノール 者を任意の割合で混合した燃料でも走る次世代のクルマです。 利用とエンジン部品に関する情報交換を行い、専門チームを ブラジルではエタノール原料に適したサトウキビの生産がさ 設置。気温が低い日でもエ かんなため、1970年代にバイオエタノールの開発・生産が始 ンジンの始動性を従来通 まり、 現在では新車登録台数の83%をFFVが占めています。 りに保つ工夫を取り入れま 発売したのは、現地生産したカローラフレックスとカローラ した。発売開始から2008 フィールダーフレックス。 いずれも、 ガソリン100%からバイ 年4月までの販売台数は オエタノール100%まで走行できます。 エタノールは水を含 約3万5,000台。 2008年末 んでおり、 配管する金属部品の錆対応が必要だったこと、 また、 までにさらに3万5,000台 ゴム部品の腐食の問題や気温が低い時の気化が悪いことから、 を販売する計画です。 画像手配中 TDBのFFV開発チームメンバー エネルギー削減コンテストで40以上の省エネプロジェクト実施 タイ・TMT(Toyota Motor Thailand) TMTは、 トヨタの主催する 「第1回トヨタグローバル環境表彰」 の変更。 冷却タイプから省エネ型のシャワータイプに切り替 に呼応して、 エネルギー利用量の削減に挑戦。 2006年から 「エ えました。塗装の乾燥工程で ネルギー削減コンテスト」 を開催しています。 同コンテストの開 も、炉で温められた空気の熱 催は、 環境マネジメント対象のTMTの4工場で働く全従業員 を有効利用することで、 エネル の環境マインドを刺激し、 高めました。 これにより2006年から ギー使用量を削減しました。 2007年に、 工場、 物流、 オフィスなどの生産および非生産分野 において40以上のエネルギー削減プロジェクトが実行されて います。 特に効果的だったのは、 塗装工程で使う空調システム エネルギー削減コンテストでは作業 現場から改善を提案 29 資源循環 限りある地球資源をムダなく、 持続的に利用するために 掲載写真選定中 HV電池取り外し実技講習会 資源の枯渇、水資源の不足、廃棄物の処理など資源にかか TMC社外排出物量と売上高当たり社外排出物量の推移 わる問題は、世界的な人口増加や途上国の経済発展の中で 社外排出物量(千t) ますます深刻さを増しています。日本では多くの資源を海 600 外に依存する一方、埋立処分場の不足や不法投棄などの問 500 題を抱えています。 循環型社会への転換がより一層求められる今日、生産拠 400 点・非生産拠点における資源有効利用やクルマのリサイク 300 ル、水使用量の低減活動の一層の推進を通して、資源循環 200 型社会の実現に向けて貢献していきます。 生産・物流 TMC循環型社会へ向けた資源有効利用の一層の推進 生産・物流 TMCの水使用量の低減 リサイクル 日欧のリサイクルシステムの定着 リサイクル リサイクル設計の一層の推進と展開 559 売上高当たり原単位(t/億円) 553 10 530 526 506 8 7.1 6 6.0 5.2 4.5 4 4.2 2 100 0 ’ 00 ’ 04 ’ 05 ’ 06 ’ 07 0 (年度) (注1)社外排出物量は、生産部門、非生産部門(福利厚生施設除く) を対象としています。 (注2)社外排出物量の算定に誤りがあったため過去にさかのぼり訂正しました。 生産・物流 TMCの循環型社会へ向けた 資源有効利用の一層の推進 生産分野の2007年度目標 ・社外排出物量を54.1万tに低減 社外排出物低減活動 2000年度に生産工場、2003年度に非生産拠点で*1埋立廃 棄物ゼロ化を達成、現在もゼロ化を継続しています。 さらに 循環型社会に向けた資源有効利用を一層促進するため、 2006年度からは売却リサイクルを含む社外排出物量の低 減目標を掲げました。 2007年度は鉄・アルミの歩留まり向上 や不良ロス低減、油脂の再生装置の導入による循環利用な どの省 資 源 化 活 動に取り組んだ結 果 、社 外 排 出 物 量は 50.6万t (前年度比3.7%減)、売上高当たり社外排出物は 30 C ol umn 油脂管理システムを導入して 使用量を 「見える化」 油脂類の補給を必要とする生産設備は約1万5,000 台、 油脂使用量は年間約1万kLです。 2007年は使用 状況の管理強化を通じて一層の低減を図るため、油 脂管理システムを導入、油脂使用量が1日単位で把 握できる 「見える化」 を行いました。 また、 システムを 活用した管理を定着させるため、 「誰が」 「どの情報 を」 「どのくらいの頻度で確認・使用」 しているかがつ かめるようにしました。 この活動は、 化学工学会から 高い評価をいただき年 度総会において講演を 実施するとともに、 「資 源循環型ものづくりシ 4.2t/億円 (前年度比7.8%減) になりました。 ンポジウム」では賞を *1 埋立廃棄物ゼロ化 2000∼2004年度:直接埋立される廃棄物を1995年度比5%未満で取り組み 2005年度∼:直接埋立される廃棄物を1995年度比1%未満で取り組み 授与されました。 シンポジウム発表風景 資源循環 物流分野における2007年度目標 ・梱包・包装資材使用量を6.18万t以下に低減 C ol umn バンパー包装のスリム化 国内全仕入先の梱包・包装資材使用量を把握 バンパー包装のスリム化等包装仕様の簡素化、 および出荷容 補給部品物流では、2006年度よりバンパー包装の 器のリターナブル化の拡大により0.3万t低減しましたが、 総 見直しを進めてきました。従来の段ボール包装から 使用量は物量増等の影響で6.6万tとなりました。 部品形状にフィットしたバブルシート (ポリエチレン なお、2007年度より補給部品の仕入先包装分について、把 製)包装へ変更することで、2007年度は0.8千tの 握範囲を93社から268社全社へ拡大しました。海外でも使 販売店・修理工場から回収し、 リサイクルを実施して より全地域に展開する予定です。 います。 ─ また、 この改善により積載効率も向上したことから TMC梱包・包装資材使用量の推移(国内) CO2も0.1千t低減することができました。 103.0 Sustainability Report 2008 (千t) 100 環境側面 梱包資材を低減しました。日本では使用済シートを 用量の低減を目指し、 一部地域で開始した把握を2008年度 90 80 低減 当初見込み 68.9 70 59.2 60 60.0 60.6 60.0 ’ 04 ’ 05 ’ 06 改善前 段ボール ▲3.0 改善後 バブルシート 65.9 50 0 ’ 95 ’ 03 ’ 07年実績(年度) (注)補給部品の仕入先包装の把握範囲拡大について 従来は、仕入先からの包装資材使用量実績報告(93社) により把握していましたが、 当社への補給部品納入実績に基づく、包装資材使用量集計のシステム化(06年5月) により 全社(268社) の把握を開始。過去の実績も推計し見直しました。 (生産用部品は従来より283社全社把握) 商品 主な活動内容 補給部品 リターナブル化 スリム化等 ・バンパー包装仕様のスリム化 ・その他梱包・包装仕様スリム化 ・スチール・リターナブル容器の適用拡大 ・荷姿変更、材質変更 生産用部品 ・プラスチック・リターナブル容器の 適用拡大 低減活動合計 TMCの水使用量の低減 世界的に水資源の確保が重要な課題になっている中、 トヨ 梱包・包装資材使用量低減活動結果 対策テーマ 生産・物流 タも水使用量の低減に取り組んでいます。2007年度総使 低減量 ▲0.8千t/年 ▲1.1千t/年 ▲0.6千t/年 ▲0.3千t/年 ▲0.2千t/年 3 となりました。 用量は15.4百万m(前年度比4.4%減) TMC水使用量の推移 (百万m3) 水の総使用量(全社) (m3/台) 20 18 ▲3.0千t/年 台当たり水使用量(車両組立工場) 16 14 12 6 16.2 4.1 17.0 4.0 16.8 4.2 16.2 4.1 15.4 4.1 4 3 10 8 2 6 4 1 2 0 5 ’ 03 ’ 04 ’ 05 ’ 06 ’ 07(年度) 0 (注1)水総使用量は、生産部門、非生産部門(福利厚生施設除く) を対象としています。 (注2)台当たり水使用量は、車両組立工場の台当たり原単位を示しています。 31 また、ASRリサイクル技術の一層の高度化に向けて、電炉原 リサイクル 燃料の利用拡大を図るとともに、ASR中の樹脂の分別技術 日欧のリサイクルシステムの定着 開発 (マテリアルリサイクル) に取り組んでいます。 *RSPP(Recycle Sound-Proofing Products) :リサイクル防音材 国内の自動車リサイクル法への対応 RSPP(ウレタン・繊維類) の使用量推移 *1 使用済み自動車から発生するフロン類、 エアバッグ類、 ASR の引き取りやリサイクルなどを定めた自動車リサイクル法 RSPP再生素材使用量(t) 3,000 (2005年1月施行) への対応として、 解体・リサイクル業者と 2,000 連携し、着実に取り組んできました。ASRについては再資源 1,000 化率を着実に向上させ、 2007年度は76%と2015年度法定 *2 車両換算し 基準の70%を8年前倒しして達成。 その結果、 たリサイクル実効率は96%と2003年6月公表のトヨタリサ イクルビジョン (リサイクル実効率95%) を達成しました。 *1 ASR(Automobile Shredder Residue) :使用済み自動車の破砕処理後に出る金属以外 の廃棄物 トヨタのリサイクル実効率およびASR再資源化率の推移 (%) 100 93% トヨタのリサイクル 実効率(車両換算値) 76% 70 50 トヨタのASR再資源化率 66% 57% ’ 05 2015年度 法定基準 70% 特定3物品の再資源化等の実績 ASR引取台数 エアバッグ引取台数 フロン引取台数 ASR 再資源化率 エアバッグ 実績 961千台 245千台 705千台 76% 94% 158 2,420 2,342 200 150 100 50 0 ’ 03 ’ 04 ’ 05 ’ 07(年度) ’ 06 0 販売店・部品共販店で着実なリサイクル推進 中古部品・リビルト部品の供給 全国の販売店および部品共販店では、中古部品・リビルト部 の販売拡大に向けて、市場実態調査などを実施するととも に、部品共販店向けの対応方針の策定と展開を行っていま す。2007年度は中古部品7万1,500点、 リビルト部品 2万 リビルト部品などの供給実績 (2007年度実績) 実績 払い渡しを受けた 預託金 8,430百万円 再資源化等に 要した費用 8,768百万円 収 支 △338百万円 供給点数 リビルト部品 A/Tトランスミッション 9,220(160) パワーステアリング 15,830(17,565) トルクコンバーター 3,513(3,426) ( )内は新品部品実績 *2 解体・シュレッダー工程までで再資源化される比率約83% (2003/5 合同審議会資料より 引用) に、残りのASR比率17%とASRリサイクル率76%を乗算したものを合算して算出。 使用済みパーツの回収・リサイクルの推進 海外の自動車リサイクル法への対応 ツの回収を行っています。2007年度の各使用済みパーツの 欧州では、 EU廃車指令 (2000年) に基づき、 加盟各国で自動 回収・リサイクル量は、バンパー87万4,000本(回収率 全国の販売店、 部品共販店などでは、 自動車の使用済みパー 車リサイクル法が制定され、2007年1月から、自動車メー 61.5%) 、 鉛バランスウェイト50.5tでした。 また、 容器のド カーによるすべての廃車引き取りが開始されています (一部 ラム缶を削減するため、 オイルをタンクローリー車で運び販 の国を除く)。 トヨタはTME・各国代理店との連携のもとに、 売店のタンクに給油するバルク方式は、 部品共販店販売量の EU加盟国23ヵ国で使用済み自動車引き取りネットワーク 60.2% (2006年度54.9%) と増加しました。 を構築。残る4ヵ国も、各国の事情に合わせた対応を進めて います。 使用済みバンパー回収量の推移 100 (万本) 80 ASRマテリアルリサイクルの推進とさらなる高度化 60 1998年に世界初のASRリサイクル実用化プラントを豊田メ 40 タル (株) と共同で建設。 月1万5,000台の処理能力のもとで 20 マテリアルリサイクルを推進し、 2008年は操業10周年を迎 0 えます。自動車メーカー自ら高度なASRリサイクルを10年 間にわたり行ってきた結果、 ASRからウレタンや繊維類を分 を、 2007年度 別回収した車両用リサイクル防音材( RSPP) * 77.1 82.8 89.8 90.5 87.4 回収率(%) 100 90 80 70 53.7 54.8 ’ 03 ’ 04 59.1 ’ 05 60 62.0 61.5 ’ 06 0 ’ 07(年度) 50 ハイブリッド車用電池リサイクル技術開発、 回収システム構築 再資源化を行うとともに、樹脂・ゴム類等も分別し、6,276t 1997年12月のプリウス発売にともない、 翌1998年から、 全 国規模のハイブリッド車用電池の回収・リサイクルシステム を灯油等の代替燃料に利用しています。 をパナソニックEVエナジー (株) と共同で構築。 までに累計1,400万台に搭載しました。 さらに、銅の回収と 32 152 214 2,521 8,600点を販売しました。 ’ 07(年度) ’ 06 2,683 RSPP搭載台数(万台) 185 品の販売に取り組んでいます。 また、中古部品・リビルト部品 96% 94% 2,585 191 解体方法・ツールの開発と普及 このリサイクルシステムの周知徹底を図るため、 「回収・リサ イクルマニュアル」 を配布するとともにホームページで公開 2001年に豊田メタル (株) 内に設立した自動車リサイクル研 しています。2008年3月、車種追加等に対応し、 ホームペー ジを更新するとともに、全国の解体業者6,300事業所に、 そ 両構造」 「適切で効果的な解体技術」 などに取り組み、 研究成 究所では、 トヨタの開発・設計部署と連携し 「解体しやすい車 果を設計部署にフィードバックするとともに、易解体ツール の旨案内いたしました。 の開発に取り組んでいます。 ハイブリッド専用電池回収・リサイクルフロー 2007年度は、バッテリーを外した状態でもパワーシートを 解体業者 ②回収依頼 電池 ステンレス原料 金属クズ スクラップ業者 鉄鋼原料等 廃プラ 廃プラ業者 ASRリサイクルTHチーム (トヨタグループ、 ホンダ、 その他) * 全部再資源化のため銅部品やハ 合同の講習会を3回開催、 イブリッド車用電池の取り外し工法・ツールを紹介しました。 * 全部再資源化:鉄の品質確保に向けて不純物としての銅を事前処理するため、 解体業者などがワイヤーハーネス、 モーター等の銅部品を取り外す高度な解体を行い、 解体自動車を電炉・転炉に鉄鋼材料として投入できる状態にすること Sustainability Report 2008 燃料化 また、研究・開発成果の解体業者などへの普及活動では、 ─ ③電池運搬 金属 樹脂 トスライド用ツール等を考案しました。 電池リサイクル 業者 環境側面 回収 指示 ④電池パックの分解 運送業者 ①廃車からの電池取外し 電池 回収 スライドさせ取付けボルトの取外しを容易にするためのシー パナソニック EVエナジー (株) 有価物 資源循環 2007年度は907個を回収、 リサイクルしました。 http://www.toyota.co.jp/jp/environment/recycle/ law/recycle_fee/battery.html リサイクル 電池吊りツール リサイクル設計の一層の推進と展開 解体・リサイクル性向上への取り組み HV電池取り外し実技講習会 使用済み自動車の部品解体・リサイクル性向上を目指し、 数々 の研究を積み上げてきました。 これらの技術やノウハウの蓄積 をベースに2003年5月発売の 「ラウム」 にはリサイクルしやす い材料、 易解体性に配慮した設計を織り込み、 その後発売の プリウスなど新型車・フルモデルチェンジ車に継続採用すると ともに、 さらなる解体・リサイクル性向上に取り組んでいます。 開発した解体ツールの情報は、 ホームページで公開しています。 http://www.toyota.co.jp/jp/environment/recycle/ scrap/index.html 全部再資源化技術の解体情報はホームページで公開しています。 http://www.toyota.co.jp/jp/environment/recycle/ law/recycle_fee/allrecycle.html 2007年度は、新たに新型クラウンのインストルメントパネ ルの材質構成を従来のウレタン系表皮、 ソフト層からポリプ ロピレン系表皮+ソフト層とし、 基材と同質材料化すること により、 リサイクルしやすくしました。 再生可能資源、 リサイクル材等の使用拡大 2007年度発売の新型車・フルモデルチェンジ車全12車種 また、 インストルメントパネル易解体性を開発の段階から織 り込めるシミュレーションシステムを開発しました。 (2006年度全6車種) にリサイクルしやすい樹脂*TSOPを 採用しました。再生可能資源としては、LS600h、IS Fなど4 車種(2006年度全2車種)に天然素材のケナフを採用、 リ 従来品 表皮、 ソフト層 (ウレタン系) 基材 (ポリプロピレン) 開発品 サイクル材等は、 リサイクル防音材RSPPをプレミオ、アリ 表皮+ソフト層 (ポリプロピレン系) 基材 (ポリプロピレン) オンなど10車種(2006年度1車種)に採用、自動車以外か らのPETボトルリサイクル材をカローラルミオン、ヴァン ガードのインストルメントパネル遮音材、IS Fのルーフサイ レンサなど4車種(2006年度全2車種)に採用拡大しまし インストルメントパネル た。また、クラウンでは、販売店より回収したバンパーから のリサイクル材(リサイクルPP)を従来のエンジンアン ダーカバー、フロアーカバーなどの使用からツールボック スへ展開するなど使用部位を拡大しました。 *TSOP(Toyota Super Olefin Polymer): トヨタスーパーオレフィンポリマー 33 海外事業体の取り組み事例 国内生産環境データ 国内連結会社等でもTMCと同様の対策を実施し、 原単位を改善しました。 植物素材を使った 発泡ポリウレタン製シートを開発 社外排出物量 米国・TEMA(Toyota Motor Engineering & Manufacturing North America) 売上高当たり原単位 (t/億円) 社外排出物量(千t) 2,000 1,655 1,746 1,854 1,774 1.802 1,500 14.0 自動車部品に再生可能な植物素材を積極的に利用するという 12.0 方針に基づき、 TEMAは、 改質した大豆油を原料に含む発泡ポ 10.0 10.0 9.9 9.1 1,000 8.0 8.3 7.5 6.0 4.0 500 2.0 0 ’ 03 ’ 04 ’ 07(年度) ’ 06 ’ 05 0 リウレタンをシートに使用することに成功。2007年6月から、 カローラとレクサスRXに採用しています。 大豆は米国の主な 農産品の一つで、 地産地消できます。 油を石油製品の代替用に 改質しやすい特徴があります。 TEMAはサプライヤーとの共同 開発で、 石油に大豆油を5∼8%混合しました。 「植物原料を採 用する上で最大の課題は、 素材の性能を石油製品と同等以上 に保つこと」 と、開発責任者のエリック=コンネルは言います。 「再生可能な植物素材には、70年以上使われてきた“標準的 ※TMC、国内連結会社等 34社 (国内連結会社等は53ページを参照 除く豊田通商) ※社外排出物の算定に誤りがあったため過去にさかのぼり訂正しました な” 石油原料にはない、 新たな課題が多くあることを念頭に置 く必要がありました。 今回の開発が成功したことで、 再生可能 な植物素材使用の第一歩が踏み出せました。 今後は、 非食物系 のセルロースをバイオ燃料に使う等 グローバル生産環境データ のTMCの研究の動きも念頭に置き つつ、さまざまな試みを続けます」。 廃棄物量 売上高当たり原単位 (t/億円) 廃棄物量(千t) 144 140 120 100 0.81 80 60 102 118 109 0.4 0.46 0.44 0.37 20 0 ’ 01 ’ 04 ’ 05 0.2 0 ’ 07(年度) ’ 06 ※逆有償リサイクルは含まず ※TMC、国内外連結会社等 119社 国内 : 53ページ 1∼5グループ対象会社〔孫会社を含む (豊田通商を除く)〕 海内 : 54ページ 生産および生販一体会社[除くTMMR(ロシア)、 IMC(パキスタン)] ※2006年度より中国事業体を追加 ※2007年度に過去に逆り孫会社を追加 ※廃棄物の算定に誤りがあったため過去にさかのぼり訂正しました 生産台数当たり原単位 (m 3 /台) 水使用量(百万m3) 28.5 30 28.0 28.8 33.0 31.9 5.0 4.8 15 4.0 3.7 10 3.6 3.6 3.6 5 3.0 2.0 1.0 0 ’ 01 ’ 04 0 ’ 07(年度) ’ 06 ’ 05 ※TMC、国内外連結会社等 34社 ※2006年度より中国事業体を追加 ※水使用量の算定に誤りがあったため過去にさかのぼり訂正しました 34 7.0 6.0 25 20 排水リサイクルの取り組みで、 NPO主催の環境賞受賞 英国・TMUK(Toyota Motor Manufacturing (UK)) TMUKは90年代から水使用量削減を積極的に推進。問題の 早期発見・対策のため、工程ごとに作業標準に対する実績を 毎日チェックするなど地道な活動を続けた結果、 2005年の水 使用量は93年比で72%減りました。 2005年までに車両1台 あたりの水使用量を2.94m3から2m3に削減するという5ヵ年 計画達成のため、 2005年には、 塗装工程で出る排水を浄化し、 水使用量(車両組立工場) 35 大豆油を使った 発泡ポリウレタン製のシート 0.8 0.6 0.47 40 1.0 129 2008年6月には、 この発泡ポリウレタ ンを採用したRAV4を発表しました。 TMC 日本(除くTMC) 北米 中国 欧州 アジア、豪州、中近東、南アフリカ、中南米 ボイラー用水とコンプレッサーの冷却水に再利用する仕組み を導入。 1日あたり約200tの排水をリサイクルし、 水使用量を 年間で5万t削減しました。車両1台あたりの水使用量は2m3 に削減されました。 ポール=グレッグソン・部門マネージャーは、 「この取り組みはリサイクルに対する考え方を深めてくれまし た」 と言い、 施設プロジェクトグループのエ ンジニア、マシュー=ゴドバーは、 「チーム ワークの結果、TMUKにとって非常にメ リットのある設備を導入できました」 と話 します。 2007年には、 英国の環境NPOビジ ネス・イン・ザ・コミュニティが主催する、 イースト・ミッドランド郡環境賞で最高の 排水リサイクルの 取り組みでNPOから 「エコ・エフィシェンシー賞」 を受賞しました。 表彰を受けた 環境負荷物質 環境負荷物質 さらなる環境負荷物質の管理と低減を グローバルに展開 欧州REACH規制仕入先説明会 ガイドライン」 を作成し、 自動車のサプライチェーンに対して広 への影響が懸念されている物質も含まれています。 トヨタは く啓発活動を実施。 トヨタも2008年6月からの予備登録、高 製品と生産の両面から環境負荷物質の管理強化と低減活動、 る企業責任を明確にする 「REACH」 が発効。 また、生産時の 化学物質もPRTR制度のもと低減します。 トヨタは今後とも 業界との連携と独自の取り組みにより、 化学物質による環境 負荷をできる限り小さくするクルマづくりを進めていきます。 開発・設計 環境負荷物質の管理、低減の一層の推進 生産・物流 TMC生産活動におけるPRTR対象物質の低減 開発・設計 REACH対応を図ります。 まずは予備登録への確実な対応に向けて、国内仕入先510 Sustainability Report 2008 EU廃車指令に続き、 対象物質の拡大と化学物質管理に対す 懸 念 物 質の届 出と情 報 開 示の段階的対応により着実に ─ グローバルな展開に取り組んでいます。2007年、欧州では 環境側面 世界約10万種類の重金属や化学物質の中には、 環境や健康 社、 約1,000名の参加のもとに 「欧州REACH規制に関する説 明会」 を2007年12月に開催。 社外専門家による規制概要の 解説も含め、規制の影響と対応、予備登録の進め方について 説明を行いました。 参加者からは 「各仕入先でのREACH対応 のポイントが明確になった」 など、説明会を評価する声が寄 せられました。 *REACH(Registration, Evaluation, Authorisation and Restriction of Chemicals) C ol umn 環境負荷物質の管理、低減の一層の管理 環境負荷4物質の全廃 REACH規制とは 化学物質による人や環境への影響の最小化、 化学物質 「トヨタグローバル基準」 に基づき、 環境負荷4物質 (鉛、 水銀、 カドミウム、六価クロム) の早期全廃に向けて取り組みを進 めてきました。 その結果、2006年8月、国内の全生産事業体 で4物質を全廃。 海外においては2007年末、 全世界の主要工 場において概ね全廃しました。 自工会自主目標対象全車種で車室内VOC目標達成 *1 管理の企業責任明確化をねらいとする化学物質規制 「REACH」 が、 2007年6月に欧州で発効しました。 これ までの行政による化学物質の指定・使用制限に加え、 企 業自らが使用・含有する化学物質の把握とリスク評価 を実施し、 行政へ登録・届出をするとともに一般への情 報開示を行うとするものです。 これにより、 欧州域内で 製造あるいは輸入される物質と調剤中の物質は 「登録」 内装部品などから揮発する化学物質 ( VOC) のうち、 トルエ が必要となります。 製品・部品は 「高懸念物質の届出と ン、 キシレン、 ホルムアルデヒドなどは、 健康に影響をおよぼ 情報開示」 が義務づけられます。 す懸念があると指摘されています。内装部品の素材や加工 REACHに関する主なスケジュール 法、 接着剤の見直しにより、 2007年度発売の新型・フルモデ *2 自工 ルチェンジ全12車中10車種 で車室内VOCを低減し、 会自主目標を達成しました。 *1 VOC(Volatile Organic Compounds) : 揮発性有機化合物 *2 LS600h/LS600hLとIS Fは、派生車のため、自工会自主目標の対象外 欧州新化学物質規制「REACH」への対応 * 2007年6月に発効した 「 REACH」への確実な対応のため、 欧州、 アメリカ、 韓国、 日本の自動車業界は 「REACHに関する 2007 2008 2007年 6月1日 2009 2008年 2008年 6月1日 12月1日 (REACH施行) 2010 2009年 6月1日 2011 2013 2010年 2011年 11月30日 6月1日 予備登録 2013年 5月31日 2018 2018年 5月31日 高懸念物 質の届出 登録:1年当たり1,000トンを超える 段階的導入物質 CMR物質、1年当 たり100トンを超えるR50/53物質、 認可の必要な物質 登録: 1年当たり100トンを超える段階的導入物質 登録: 1年当たり1トンを超える段階的導入物質 1トンを超える非段階的導入物質や予備登録されていない物質の 製造/輸入/上市に先立つ登録 出典: (社)日本自動車工業会翻訳「自動車業界REACHに関するガイドライン」 35 生産・物流 海外事業体の取り組み事例 TMC生産活動における PRTR対象物質の低減 「SOCフリープロジェクト」 を展開 フィリピン・TMP(Toyota Motor Philippines) 2007年度目標 ・トルエン、 キシレンなどPRTR対象物質の 年間排出量を1,930t以下 SOCを全廃するというトヨタのグローバル方針を受け て、 TMPも2006年に 「SOCフリープロジェクト」 を開始 PRTR対象物質の排出量低減 * 2007年末までに鉛、 水銀、 カドミウム、 六価クロム等の PRTR対象物質はトルエン、キシレン、エチルベンゼン、 しました。 まず、 素材や部品のサプライヤーに対して、 製 品に使用されるすべての原料や化学物質を調査して報 1,3,5-トリメチルベンゼンが全体の94%を占めています。 こ 告するよう依頼。 SOCが含まれていた場合は、 無害で安 の4物質の低減活動を定着させ、 着実に低減を進めています。 全な物質への代替を進めました。 TMPでも、 X線を使っ 2007年度はバンパー塗装の水性化や洗浄シンナーの使用 てSOCの含有を調べる測定器を導入し、 調達した素材 量低減と回収率向上活動により、 PRTR対象物質の年間排出 や部品にSOCが含まれていないことを確認しました。 量を1.6千t (前年度比12.5%減) に低減しました。 プロジェクトの推進にあたっては、 70社のサプライヤー *PRTR(Pollutant Release and Transfer Register) :環境汚染物質排出・移動登録 にプロジェクトの目的を正しく理解してもらうことが 大きな課題となりました。 そこで、 説明会を実施すると ともに、 環境負荷物質やSOCフリープロジェクトについ TMC PRTR対象物質排出量の推移 てサプライヤー向けのシンポジウムを開催。70社130 (千t) 7 人が参加しました。 もう一つの課題は、 大量の素材や部 6.3 6 品をどう確認するかでした。 チェックしなければならな 5 いサンプル数があまりに多かったため、期限までにす 4 べてのサンプルの確認を終えられるよう、新たなチー 3.0 3 2.0 2 1.8 1.6 1 0 ’ 98 ’ 04 ’ 05 ’ 06 ’ 07 (年度) ムを設置して推進しました。 こうした取り組みの結果、 TMPは2007年末までに、 全 車両の全部品・素材の鉛フリー化を完了。 その後も、抜 き取り検査を行っています。 モデルチェンジにより新た に採用される部品や素材についても、 すべて確認を行 います。 国内生産環境データ 国内連結会社等もTMCと同様の対策を実施し、 排出量を低減しました。 PRTR対象物質排出量 (千t) 20 17.7 15 9.0 10 7.5 6.7 6.3 5 0 測定器で部品にSOCが含まれていないことを確認 ’ 98 ’ 04 ’ 05 ’ 06 ※TMC、国内連結会社等 34社 (国内連結会社等は53ページを参照 除く豊田通商) 36 ’ 07 (年度) 大気環境 大気環境 製品とモノづくりの両面から、 大気のクリーン化を推進 コースタービッグバン 2007年度低排出ガス車認定制度適合車 度まで低減しています。 しかし、世界的なモータリゼーショ 車 名 る低減への努力が必要です。また、工場ではNOx、SOx対 に影響をおよぼす移動発生源としての自動車、固定発生源 としての生産工場の両面から一層のクリーン化を推進する ため、第4次「トヨタ環境取組プラン」 のもとに低エミッショ ン技術の開発、グローバルな展開、VOC低減に取り組んで います。 計 開発・設計 各国/各地域の都市大気環境改善に資する排出ガス低減 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 0 0 1 2 1 4 4 4 4 3 2 0 3 3 5 35 Sustainability Report 2008 策に加え、VOCの低減活動も重要です。 トヨタは、大気環境 型式数(U-LEV) ─ LS600h/LS600hL IS F プレミオ アリオン ノア ヴォクシー イスト ヴァンガード ランドクルーザー マークX ジオ カローラ ルミオン クラウン ンでは大気環境への負荷の増加が懸念されており、さらな 生産・物流 TMCのVOC排出量低減対策 型式数(SU-LEV) 環境側面 自動車の排出ガスは、日本ではこの30年間に100分の1程 低排出ガス車生産台数比率の推移 (%) 100 開発・設計 各国/各地域の都市大気環境改善に資する 排出ガス低減 低排出ガス車の普及促進により、 超−低排出ガスレベル以上99.6% 国土交通省「低排出ガス車認定制度」 の平成17年基準適合 車導入の拡大を進め、平成17年基準排出ガス 「75%低減レ ベル (SU-LEV)」 の生産台数比率は85.7%になり、前年度よ り6.9ポイント向上しました。 超-低排出ガスレベル以上の生 産台数比率は99.6%、 前年度より1.9ポイント向上。 平成12 年基準、 平成17年基準を合わせた適合車の生産台数比率は 99.9%になりました。 2007年度のガソリン乗用車では、平成17年基準排出ガス 「75%低減レベル」 に新型・フルモデルチェンジ12車種中11 80 平成12年基準 25%低減レベル 60 平成12年基準 50%低減レベル 平成12年基準 75%低減レベル 40 平成17年基準 50%低減レベル 20 0 平成17年基準 75%低減レベル ’ 03 ’ 04 ’ 05 ’ 06 ’ 07 (年度) 平成17年基準低排出ガス車生産台数比率(2007年度) 区分 低減レベル ( )内は型式数 生産台数比率 新☆☆☆ U-LEV 平成17年基準排出ガス 50%低減レベル 13.9% (54) ☆☆☆☆ SU-LEV 平成17年基準排出ガス 75%低減レベル 85.7% (109) 車種を含む35型式、 「50%低減レベル」 にフルモデルチェン ジ1車種を含む1型式が新たに適合しています。 また、2010 年燃費基準を達成し、 かつ超-低排出ガスレベル以上の生産 台数比率は91.2%、 前年度より5.1ポイント向上しました。 平成12年基準低排出ガス車生産台数比率(2007年度) 区分 ☆ 良-低排出ガス車 低減レベル 平成12年基準排出ガス 25%低減レベル ( )内は型式数 生産台数比率 0.4% (14) 37 ディーゼルの排気ガスクリーン化 国内生産環境データ ディーゼルからの排出ガスのクリーン化では、 主にPM (粒子 状物質) とNOx (窒素酸化物) の低減が課題となっています。 2007年7月にマイナーチェンジしたコースタービッグバン とマニュアル車では、 「平成17年(新長期)排出ガス規制」 に 国内連結会社等もTMCと同様の対策を実施し、 原単位を改善しました。 VOC排出量(ボディ塗装) おけるPM排出量を規制値よりさらに10%低減、 オートマチ 原単位(g/m2) ック車ではPM排出量とNOx排出量を規制値よりさらに10 100 %低減。 「低排出ガス重量車」 の認定を国土交通省より取得 75 しました。 コースターは、 改良型N04Cディーゼルエンジンを搭載する とともに、 インタークーラー付電子制御可変ノズル式ターボ チャージャー、 コモンレール式燃料噴射システム、高性能触 0 ムの強化など、 クリーンなディーゼルシステムを採用するこ 43.1 50 25 媒DPRを採用。 さらにクールEGR(排出ガス再循環) システ 78.8 ’ 98 ’ 04 39.3 35.7 ’ 05 ’ 06 32.8 ’ 07(年度) ※TMC、国内連結会社等 8社 とで排出ガスを低減しています。 海外事業体の取り組み事例 生産・物流 中国4事業体が連携してVOCを低減 TMCのVOC排出量低減活動 中国・TTCC(Toyota Motor Technical Center(China)) SFTM 四川(Sichuan FAW Toyota Motor) SFTM 長春(Sichuan FAW Toyota Motor) TFTM(Tianjin FAW Toyota Motor) 2007年度目標 ・ボディ塗装:VOCの年間排出量を 全ライン平均30g/m2以下 SFTM四川では、 ボディ塗装工程のVOC排出量の低減 に取り組み、大きな成果を上げました。従来は、自動塗 装機の塗料系統を洗浄する際、洗浄シンナーの供給量 塗装VOC排出量の低減、平均値は26g/m2に を一律で制御していました。 これを、 色系統ごとに個別 光化学オキシダントのさまざまな原因の一つに、 VOC (揮発 制御できるように改善した結果、ムダな供給がなくな 性有機化合物) が挙げられています。 トヨタでは上塗り工程 り、洗浄シンナー使用量が半減しました。 これにより、 への水性塗料の導入、使用後の洗浄シンナー回収の強化な VOC排出量も大幅に低減することができました。 ど、自動車ボディ塗装ラインのVOC排出量低減をさらに進 めています。2007年度は、全ボディ塗装ラインにおける 目 VOC塗装面積当たり排出量の平均値は26g/m2になり、 標を達成しました。 2007年度に更新した高岡第1塗装ラインは上塗りベース 塗装の水性化に加え、 さらに中塗り工程にも水性塗料を導 入。VOC塗装面積当たりの排出量目標値20g/m 以下を 2 達成しています。 (g/m ) 2 ました。他事業体のメンバーがSFTM四川に集まって 研修会を開催。 VOCに関する知識や装置の構造・機能、 改善のノウハウを習熟しました。 すでにSFTM長春とTFTMでも装置の改善を終え、 SFTM四川と同様に、 VOC排出量を低減しています。 こ の標準化の教材として 使われているほか、自 動塗装機を使用する各 50 事業体にも紹介されて 40 います。 35 30 30 38 めました。 装置の改良と並行して、 人材の育成も実施し 像にまとめられ、改善 64 60 0 装機を使用する中国の3事業体が連携を取りながら進 の改善手法はビデオ映 TMCボディ塗装のVOC排出量(全ライン平均)推移 原単位 この改善活動は、TMCと中国のTTCC、同型の自動塗 ’ 98 ’ 04 ’ 05 27 26 ’ 06 ’ 07 (年度) SFTM四川に各事業体の担当者が 集まり研修を実施 環境経営 環境経営 グローバル化、拡大に対応した 連結環境マネジメントの強化 豪亜環境委員会 グローバルな環境経営の推進体制 環境側面 トヨタは、環境への対応を経営の中心に位置づけ、 さまざま な技術革新を通じて環境問題への対応を進めています。 ま を整備し、すべての国/地域においてトップレベルの環境 2006年度より2010年度にかけて実施すべき活動を、第4 中国環境委員会 (2007∼) 北米環境委員会(2004∼) トヨタ環境委員会 (1992∼) Sustainability Report 2008 対応を目指し取り組みます。 こうした目的を達成するため、 欧州環境委員会(2003∼) ─ た、世界各国/各地域、各分野で環境マネジメントの体制 豪亜環境委員会(2007∼) 次「トヨタ環境取組プラン」 において明確にしました。2007 年度は第4次「トヨタ環境取組プラン」の2年目にあたり、 南ア環境委員会(2008.4∼) 南米環境委員会(2006) プランに沿って着実に取り組みを進めました。これからも ますます進行する事業のグローバル化に対応するため国内 外の環境マネジメントを強化し、より一層健全な環境経営 新設環境委員会の開催 の推進に取り組んでいきます。 2007年10月、名古屋ミッドランドスクエアにおいて、豪亜 マネジメント 連結環境マネジメントの強化 地域18事業体代表者およびTMCからの出席者全90人参 加のもと、第1回豪亜環境委員会が開催されました。開催に マネジメント ビジネスパートナーにおける環境マネジメントの一層の推進 当たり、 葉山常務役員より、 グローバル環境方針と豪亜環境 マネジメント 環境教育の充実 委員会への期待が伝えられ、TMAP佐々木社長より豪亜地 マネジメント 環境改善に寄与する新規事業の推進 域の各社で、 さらなる環境の取り組みを実施する方針が説 マネジメント 各種ネットワーク技術等を活用した交通流改善への取り組み 明されました。 マネジメント Eco-VASによるライフサイクル環境負荷の着実な低減 今後は、次回豪亜環境委員会開催に向けた支援、TMCとの 社会との連携 循環型社会構築への寄与貢献 (76∼85ページ参照) 社会との連携 環境情報開示と双方向のコミュニケーションの充実 (86、87ページ参照) 連携強化のための体制整備などに取り組みます。 また、 2008年4月には、 南アフリカのTSAMダーバン工場で、 第1回南ア環境委員会が開催されました。約30人の出席の もと、TMCより、 エネルギー原単位の継続的改善、良好な環 マネジメント 境イメージの維持と環境違反の再発防止、仕入先・ディー ラーの環境マネジメントの強化について依頼するとともに 分野別取り組みが報告され、環境取り組みの促進が図られ 連結環境マネジメントの強化 ました。TSAMのボードメンバーからは、物流のCO2削減目 海外事業体における環境の取り組みを確実に推進するため、 標立案に当たり、TMCからのサポートを期待する声が上 また、 さらなるグローバル体制充実の一環として、 2003年か がっていました。 ら、地域ごとの環境委員会を順次立ち上げてきました。 この 地域別環境委員会は現地主体の運営のもと、調達、製品開 発、 生産、 販売、 リサイクル、 物流等、 トヨタの事業活動すべて における環境の取り組みを対象としています。従来の欧州・ 北米・南米・中国環境委員会に加え、2007年10月には新た に豪亜環境委員会が、2008年4月には南ア環境委員会がス タートし、 トヨタ環境委員会と連携して活動しています。 第1回豪亜環境委員会 第1回南ア環境委員会 39 2007年度連結環境マネジメント取組方針と結果 第4次「トヨタ環境取組プラン」 の2年目にあたる2007年度 生産分野は計画的に対策を実施し、 ほぼ目標を達成しまし は、生産・販売分野等、今年度目標の確実な達成に向けた取 た。販売・その他分野では各社ごとに年度プランを策定し、 り組みを推進しました。 推進中です。 2007年度取組方針と活動結果 取組方針 全 体 目標 2008年度方針 活動結果 取組方針 目標 ・各地域別環境委員会の充実 ・地域環境委員 ・欧州環境委員会:07年7月、10 ・TMCと環境連結会社の双方 ・海外未開催地 域の委員会 会の定期開催 月、08年1月開催 向コミュニュケーション(全 と自立化 設立・開催 ・豪亜環境委員 ・南米環境委員会:第3回5月、第 地域、全分野)が確実に図れ 会の新設 る海外環境委員会体制の構 ・既存委員会の 4回11月開催 定期開催 (07年10月) ・中国環境委員会:第2回11月、 築完了 第3回08年3月開催 ・豪亜環境委員会:第1回10月、 第2回08年2月開催 ・グローバルEMS連絡会:第5回 5月開催 ・各国各地域No.1の環境 国内 生産 (79社) (35社) パフォーマンス確保への 取り組み継続 ・違反・苦情ゼロに向けた 取り組み強化 海外 (*44社) ・2006年度活動結果 販売 国内 (86社) (37社) および、2007年度 年度計画の策定フォロー ・各社2007年 ・国 内 外 連 結 会 社においては、 ・各社2010年目標達成に向 ・各社2008年 度目標の達 2007年度目標達成に向けて けた取り組みの強化と違反・ 度目標の達成 成と違反・苦 と違 反・苦 情 計画的に対策を実施し、 ほぼ 苦情未然防止の徹底 情ゼロ 目標を達成 ・オールトヨタ生産環境会議、 ゼロ ・未然防止活動を展開してきた 地域別環境委員会を通じた が、軽微な違反・苦情が発生(違 目標達成フォローの充実 反12件、苦情6件)。対策は すべて完了 ・国内オールトヨタ生産環境会 議、海外地域別トヨタ環境委員 会でのフォロー充実、環境情報 ネットワークシステムの有効活 用により目標達成への取り組 みを強化 ・2 0 07年度計 ・各社ごとに年度プランを 策定して推進中 画目標の達成 ・2007年度活動結果および、 ・2008年度 2008年度年度計画の策定 計画目標の フォロー 達成 ・CSR取り組み ・販売店ごとのCSR取り組み宣言 ・チェックリストによる改善取 ・チェックリス ・現状の取り組みを継続 り組みの継続 トによる ・チェックリストについては、 宣言の全社完 は、直営販売店42社全社が (チェックリストは、法改正、直 実施 改善取り組み 了 法改正・直近の事例等を 近の事例等を踏まえ、内容の の定着 踏まえ、内容を改訂 鮮度を確保) ・原単位管理と昨年度データ ・EPIの定着 との比較管理 海外 ・ディーラー環境監査 (*49社) プログラム継続 ・対象会社全社データ入力 ・原単位管理と昨年度データ ・EPIの定着 との比較管理 ・環境連結23ディ ・重点7/13ディストリビューター ・ディーラー環境監査プログ ・整備途上 11ディストリ ストリビューター を含む27/38ディストリビュー ラム継続 ビューターの 中重点13ディス ターがディーラーの環境法令遵 守の実態把握と改善支援の体 体制確立 トリビューターの 制を確立 是正目処付け ・2007年度計 ・各社ごとに年度プランを策定 ・2007年度活動結果および、 ・2006年度活動結果 その他 国内 して推進中 2008年度年度計画の策定 2007年度 画目標の達成 (71社) (56社) および、 フォロー 年度計画の策定フォロー ・EPIの定着 ・データ管理の充実(原単位、 ・データ管理の充実 (原単位、 ・試行の実施と ・対象会社全社データ入力 ・東京地区販売店にて、省エネ方 前年度比等) 前年度比等) 分析・評価 海外 策の試行(第2ステップ) を開始 ・省エネ方策の試行(第2ステ ・東京地区販売店にて規模を (15社) 拡大した省エネ方策の試行 ップ)の効果把握。販売店へ の展開方法検討 (第2ステップ) を実施 40 *生販一体の10社はどちらにも含む ・2008年度 計画目標の 達成 ・EPIの定着 ・適正な分析 ・効果的な方法 を立案 トヨタ 「生物多様性ガイドライン」 の策定 工場の新設や大規模な改装・拡張時における環境対策を確 世界には現在約3,000万種の生物種が存在するといわれ、 わ 実にするため、企画・設備計画、施工、操業の各段階でチェッ れわれ人類はさまざまな恵みを享受しています。 それはCO2 クをするのが「エコ・ファクトリー活動」 です。 これは、 トヨタ 吸収など人間が生存する基盤の支え、自然災害の防止など が工場の理想とする 「サステイナブル・プラント」 のコンセプ 多岐にわたっています。 しかし、人類による大規模開発や環 トを実現するための重要なツールです。 境汚染により、 地球上の生物種は毎年約4万種が絶滅してい 2007年度は、 北米、 欧州、 中国、 タイ、 日本の18工場でエコ・ る、 ともいわれています。 そのため、 国連をはじめ世界規模で 生物多様性に対する取り組みが進められています。 工時) を行っています。 安定操業に入った工場は、 3年に1度 トヨタでは 「トヨタ基本理念」 に基づき、持続可能な地球・社 のグローバル監査対象へと移行します。 会の実現に向けた取り組みの一環として、 2008年3月トヨタ 「生物多様性ガイドライン」 を取りまとめました。 今後はこの サステイナブル・プラントについては 6、 7ページ を参照 ガイドラインに沿って生物多様性に関する取り組みを進め エコ・ファクトリー活動 2007年度実施済み 数字のみ:今後の実施予定年度 北米 欧州 中国 タイ 日本 書面監査 08 現物監査 08 09 コンプライアンス リスク評価 08 09 08 * パフォーマンス評価 (エネルギー、VOC等) 09 10 08 08 * 08 09 08 08 08 10 08 *2007年まで行っていた性能評価を、 操業開始時のコンプライアンス・リスク評価、 操業開始後のパフォーマンス評価の2つに分離しました。 て、 より具体的な取り組みを展開していきます。 トヨタ 「生物多様性ガイドライン」 取り組みの基本的な考え方 生物多様性の重要性を認識し、トヨタ基本理念に基づき、住みよい地球・豊 かな社会の実現と、その持続的な発展を目指し、自動車・住宅事業、新規事 業、社会課題への貢献等において、生物多様性に取り組みます。 主な取り組み 技術による貢献 トヨタはバイオ・緑化技術、環境技術等の可能性を追 求することにより、生物多様性と企業活動の両立を目 指します。 社会との連携・協力 トヨタは、政府・国際機関・NPO等、生物多様性に 関係する社会の幅広い層との連携・協力関係を構築す ることを目指します。 情報開示 トヨタは企業活動と両立する生物多様性に関する自主 的取り組みや成果を開示することにより、広く社会と 共有し、もって持続可能な社会の発展に寄与すること を目指します。 本館が「第2回サステナブル建築賞 奨励賞」受賞 2005年2月に本社地区に完成した本館には、 トヨタの生物多様性取り組み事例 ①お客様をやさしくお迎えするトヨタの「顔」 ④環境に配慮した建築、設備 の、 4つのコンセプトが盛り込まれています。 こうした建設への取り組みが高く評価され、2007年度、財 団法人建築環境・省エネルギー機構主催の第2回「サステナ ブル建築賞」奨励賞および、社団法人空気調和・衛生工学会 主催の 「空気調和・衛生工学会賞」 技術賞を受賞しました。 特 に環境への配慮として、日射遮蔽を目的としたハイテク カーテンウォール、全面床吹き出し空調システム全73項目 2 の工夫により実施した省エネ、 CO2低減対策をLCCO(建物 で集計すると、従来水準と比較し を壊すまでのCO2発生量) て約33%の低減実績 (2006年度) を達成しています。 2006年度 本館CO2排出量(kg-CO2/m2年) 新築工事 建替工事 修繕 維持管理 33%削減 0 25 50 75 100 横浜国立大学の協力のもと、生物を用 い た 試験(バイオアッセイ)で 工 場 排 水の水生生物への影響を評価 − 「サステイナブル・ 工場の森づくりを通じた、地域貢献 や生態系保護の取り組み プラント」 の推進 6・7 環境アセスメント の実施 海外工場新設等の際、生物多様性に 対する影響の可能性を含めた環境影 響評価を実施 41 燃費の向上、 排出ガス低減 地球温暖化による絶滅種増加の抑制。 道路周辺の生物種への環境影響軽減 24・25・37 里山保全。ハッチョウトンボやシデコ ブシ等の絶滅危惧種を保護 77 トヨタ白川郷 自然學校 "自然との共生"を目指し、自然体験 型環境教育を実施。絶滅危惧種のギ フチョウを保護 77 中国河北省 植林活動 2001∼2006年度に2,500haの植林。 2010年までにさらに500haの植林 を計画 77 フィリピン 植林活動 熱帯雨林の再生と持続可能な植林を 目指し、2007∼2012年度に2,500ha の植林を計画 77 環境改善に資する環境技術や人づく りに関するプロジェクトの支援。 8・9・77 「トヨタの森」運営 改修工事 103kg-CO2/m2年 本館 主要関連ページ 工場排水の 生態系影響評価 ③機能重視かつ使い勝手のよい快適オフィス環境 154kg-CO2/m2年 具体的な実施事項・目標など 取組項目 ②セキュリティ、危機管理面の充実 一般ビル 平均値 125 150 175 Sustainability Report 2008 高岡#1 TMT#3 GTMC#2 GTE#2 TFTM#3 TFTE#2 GTMC GTE TFTD TFTM#2 FTCE TMMR TMIP TMMP TMMMS TMMC#2 TMMTX BODINE 企画 るほか、 今後策定する第5次 「トヨタ環境取組プラン」 におい ─ 2006年度以前実施済み 環境側面 ファクトリー活動を行い、 うち2工場については現物監査 (施 環境経営 エコ・ファクトリー活動のグローバル展開継続 エネルギー 「トヨタ環境活動 助成プログラム」 41 マネジメント マネジメント 環境教育の充実 第2回グローバル環境表彰実施 2008年1月、第2回目となる 「グローバル環境表彰」 を実施 しました。 世界各国の連結対象会社の環境取り組みを一層推 進させるため、 連結環境マネジメントの充実、 連結事業体にお ける環境担当者のモチベーション向上が目的です。 第1回の グローバル環境 表彰授賞式 ビジネスパートナーにおける 環境マネジメントの一層の推進 サプライヤー TOYOTAグリーン調達ガイドラインの 国内外事業体への展開完了 対象が、主としてアジア事業体であっ 2006年3月、 環境面への要求項目に加え、 社会面の項目を追 たのに対し、 今回は対象を全世界に拡 加し、改定した 「TOYOTAグリーン調達ガイドライン」 を国 大し、17ヵ国/地域28事業体が参加 内外の車両系生産事業体を中心に、各仕入先に展開しまし し、 24プロジェクトを選出。 各国の優秀 た。2008年5月までに、国内7事業体、海外21事業体と北米 者を表彰するとともに事例発表を行い および欧州の2地域で 「グリーン調達ガイドライン」 を発行。 ました。優秀事例は横展開を図り、各 これにより全世界への展開が完了しました。 海外事業体の環境改善に役立てます。 Column 従業員の環境意識向上を目的に IPCC議長を招き講演会実施 国連の「世界環境デー」 (6月5日)、環境省の「環境 TEMA(北米) TME(欧州) 国内販売店 月間」 ( 6月)に合わせ1973年より「トヨタ地球環 販売店の省エネ方策第2ステップへ 境月間」を毎年6月に展開しています。2007年度 2006年度、非生産事業体のCO2排出量低減のため、東京地 はその一環として、インドエネルギー資源研究所 区の販売店3社3店舗で省エネ方策の試行を開始しました。 所長でノーベル平和賞を受賞したIPCC議長、 ラジ 2007年度は次のステップとして、取り組み店舗を4社16店 ェンドラ・パチャウリ博士を招いた講演会を7月 舗に拡大し、 空調機器のコントロール、 照明の最適化、 不要照 20日に実施しました。 テーマは、 「『*IPCC第4次レ 明の間引きなどに取り組みました。 ポート』による地球温暖化の予測と企業の役割」。 講演会には従業員のほか連結事業体環境担当役 員など約260名が参加しました。 講演の中でパチャウリ博士はまず、地球温暖化が 海外代理店 海外販売店環境リスク監査プログラム (DERAP) 拡大 起こっていることに疑問の余地はないこと、 そのス 販売店の環境リスクを監査する、 販売店環境リスク監査プロ ピードが年々加速していることを強調。 その上で、 グラム(*DERAP)を継続実施しました。監査ではリスク低 地球温暖化の原因とその影響、CO 2排出量全体に 減、 環境マネジメントシステム導入の基礎づくりのため、 占める運輸部門の割合、CO 2削減のために必要な 1.環境推進責任者の選任 自動車関連の対策を説明しました。そして最後に 2.環境遵法の宣言 トヨタがなすべきこととして、将来の運輸システム 3.有害廃棄物処理 に対する鮮明なビジョンの 4.廃水処理 確立、バイオ燃料の開発、高 5.エアコン冷媒回収 エネルギー効率のクルマの の環境基礎5項目について体制の確立を内容としています。 開発、軽量材料の開発など 2007年度は世界35ヵ国、 2,283販売店を対象に実施、 環境 を挙げました。 *IPCC:気候変動に関する政府間パネル トヨタへの期待を語る ラジェンドラ・パチャウリ博士 基礎5項目の達成ディーラー数は32%から54%に拡大しま した。 今後も全ディーラー達成に向け活動を推進します。 * DERAP (Dealer Environmental Risk Audit Program) 42 中国事業体 環境経営 海外の植林事業(オーストラリア) マネジメント 1998年設立のオーストラリアン・アフォレステーション (株) 環境改善に寄与する新規事業の推進 環境改善に寄与するバイオ・緑化新規事業の推進 では、成長の早いユーカリの植林事業に取り組んでいます。 2007年度までに1,763haの植栽を完了し、 順調に成長を続 けています。 早ければ2009年から伐採を開始し、 順次、 紙パ ルプ用材として出荷予定です。 中国およびフィリピンの植林については 77ページ を参照 緑化事業 ●環境緑化植物開発 環境側面 NO2・SO2等の大気汚染物質吸収能力とヒートアイランド現 象の緩和能力が高いチェリーセイジ 「キルシェピンク」 「キル シェレッド」 、 クチナシ 「ヴァルト」 を開発。 道路緑化や建物緑 ─ 化に活用されています。ま た、 2005年1月販売の省管 Sustainability Report 2008 理型コウライ芝「TM9」は、 草丈が従来品種の半分で、 通常は年3∼5回の刈込み が年1回で済み、省管理と 廃棄物低減を実現しました。 ●屋上緑化 キルシェレッド オーストラリアの植林地(8年生) 2006年度、 省管理型コウライ芝TM9を屋上緑化基盤材に活 着したマット芝 「TM9ターフマット」 を開発し、 トヨタルーフ ガーデン㈱を通じて販売しております。 これは屋上緑化を促 その他事業 進し、ヒートアイランド現 象の緩和・CO 2の低減につ 定置用燃料電池大規模実証実験へ継続参加 ながる商品です。工期が短 トヨタは、経済産業省「定置用燃料電池大規模実証事業」 に く、施工直後から芝生を利 参画する東邦ガス (株)へ、都市ガスを燃料とする発電出力 用できるのが特長です。ま 1kW級の家庭用燃料電池コージェネレーションシステム た、草丈が短く芝刈り回数 を2006年度(24台) に引き続き、2007年度も28台提供し が1、 2回/年で済むため管 理も容易で、廃棄物も削減 ました。2008年度の大規模実証事業にも24台を提供する TM9ターフマット できます。 予定です。 アイシン精機(株) と共同開発した定置用燃料電池システム に、貯湯ユニットを組み合わせたシステムで、愛知・岐阜・三 畜産バイオマス事業 重に据置設置。 大規模実証事業に機器を提供したことで、 省 (株) メニコンと共同で、 効率的で環境負荷の少ない畜産向け エネ性およびCO2削減効果拡大に向けた性能改良ポイント、 堆肥化促進システム 「resQ(レスキュー)45」 を開発。 このシ 運転方法、導入すべき家庭 ステムは分解酵素・微生物を基に開発した促進材「特別急 などが明確になるとともに、 酵」 と高温菌「サーモ・マス より多くの方にお使いいた ター」 を使用し、 鶏糞の場合、 だくための要件(サイズ、重 堆肥化期間を従来の約1ヵ 量など) も明確になりました。 月から約2週間と大幅に短 今後も引き続き実用化に必 縮します。 また、 悪臭源のア 要となるデータを取 得し、 ンモニアガスを40∼90% 信頼性の向上やコストの低 低減するとともに、著しい 減など、今後の商品化に向 減容効果も発揮します(数 値は (株) メニコン実験値) 。 促進材「特別急酵」 と 高温菌「サーモ・マスター」 けた課題を明確にし、商品 開発を加速していきます。 定置用燃料電池システム 43 PCB含有電気工作物の届出と保管 マネジメント 2005年度より社外委託処理を開始しており、 3,158台につ Eco−VASによる ライフサイクル環境負荷の着実な低減 いてはすでに処理等を実施しました。 残りの変圧器・コンデンサー2,089台については、 2008年度 LCAで新型車・フルモデルチェンジ車全12車種を評価 車両開発の全プロセスを通じ、 生産、 使用、 廃棄に至るまで総 土壌・地下水に関する取り組み 合 的な環 境 性 能を評 価するのが E c o - V A Sです。この 6工場における土壌浄化対策は2001年度に完了しました。 Eco-VASの中で、材料、部品、車両製造および、走行、 メンテ 地下水についても、 1997年にバリヤ井戸による流出防止対 ナンス、廃棄の段階で環境への影響をトータルで評価する 策を完了しています。引き続き揚水曝気浄化処理を行い、 ト * LCA(ライフサイクルアセスメント)を実施しています。 2007年度は、全新型車とフルモデルチェンジ車12車種 (LS600h、 プレミオ、 アリオン、 ノア、 ヴォクシー、 イスト、 ヴァ ンガード、 ランドクルーザー、 マークXジオ、 IS F、 カローラル ミオン、 クラウン) についてEco-VASによるLCA評価を行い ました。 LS600hでは同クラス車に比べ、 ライフサイクル全体 で15%以上CO2排出量を削減しています。 *Eco-VAS(Eco-Vehicle Assessment System) LS600hのLCA評価 1.0 A : LS460 1000 B : LS600h 0.8 800 0.6 600 0.4 400 0.2 200 0 A B NOx 素材製造 A B SOx 車両製造 A B PM 走行 A B NMHC メンテナンス A B CO2 0 廃棄 SOx : 硫黄酸化物(Sulfur Oxide) PM : 粒子状物質(Particulate Matter) NMHC : 非メタン炭化水素(Non Methane Hydrocarbons) ・自動車の生涯走行距離10万km(10年) を、10・15モードで走行した場合の結果です。 ・レクサスではLCAにより相対的な環境メリットを確認することを目的としているため、 評価結果は指数で示しています。 またCO2はtonレベル、 それ以外の項目はkgレベルで 排出されるので、指数を別に示しています。 リクロロエチレンの測定結果を行政に報告、地域の方にも 「地域協議会」 の場で説明を行っています。 トリクロロエチレン測定値 環境基準値:0.03 単位:mg/L 工 場 地下水測定データ 本 社 0.002未満∼2.77 元 町 0.002未満∼0.24 上 郷 0.002未満∼0.30 高 岡 0.002未満∼0.68 三 好 0.002未満∼0.67 堤 0.002未満∼0.61 大気・水質環境データ 項 目 大気 ’ 03 ’ 04 ’ 05 ’ 06 ’ 07 NOX 472 444 526 419 416 SOX 148 139 111 68 32 全窒素 71 59 46 40 45 水 質 全リン 6.1 6.8 3.9 3.8 3.0 COD 86 68 65 67 89 (注1)大気データの単位は千m N/年、 水質データの単位はt/年 3 (注1)全工場・事業所で測定しています。 (注2)記載工場以外では検出していません。 (注3)測定ポイントは各工場に複数 あるため、測定値に幅があります。 C ol umn 広州で第4回日中環境マネジメント セミナー開催 2007年6月、中国広東省広州市の中山大学におい て、第4回日中環境マネジメントセミナーを開催し ました。セミナーでは、 トヨタと共同研究を行って 遵法活動 いる清華大学環境科学工程系と中山大学が中心と 異常・苦情ゼロに向けて なり、中国における環境汚染問題と対策、 トヨタの 2007年度は、2006年度に引き続き 異常・苦情ヒヤリ事例 * の再発防止対策を進めるとともに、 発生事例の原因を人・設 備に分類して、 全社展開を実施することで未然防止を図りま した。 また、近年、車両からの油漏れが多発しており、仕入先車両 からの油漏れを未然防止するため、 点検の徹底・未然防止の 仕組み構築を依頼し、 監査を実施。 同様の観点から物流サイ トの雨水系に車両からの油が流出する可能性がある箇所に ついても対策を実施しました。 *異常・苦情ヒヤリ事例:事故には至らなかったものの、潜在的にリスクの高い事例 44 以降も委託処理を継続していく予定です。 環境への取り組みなどについて発表がありました。 セミナーには広東省ならびに広州市環境保護局、 近隣の大学からも多くの出席をいただき、会場は立 ち見が出るほど盛況でした。 セミナー主担当の孫さ んは「今回は連結活動の重要度を再認識しました。 広州トヨタの環境管理はスタートしたばかりです が、みんなで協働し、努力すれば、必ず中国環境 No.1の目標を達成できると信じています」とコメ ントを寄せています。 環境経営 海外事業体の取り組み事例 生態系に配慮した物流センター、 ハクトウワシも確認 米国・TLS(Toyota Logistics Service) オレゴン州のTLSポートランド港物流センターは、 年間25万 をつくって、 サケの稚魚の保護にも努めています。 こうした工 台を扱い、 米国31州に車を配送しています。 TLSは、2004年 夫の結果、 環境に配慮した建物に与えられるLEED (リーダー に物流センターを移転・拡張した際に、環境に配慮した要素 シップ・イン・エナジー・アンド・エンバイロメンタル・デザイ を取り入れました。 ン) 認証でゴールドの格付けを得たほか、 米国NGOから 「サー その一つは、 センターの面する河岸を修復し約1万6,000m2の モン・セーフ (サケにやさしい) 」 の認証を授与されました。 環境側面 「バイオスウェイル」 (生物湿地) を導入したこと。雨水が流れ 込むと、 植物がフィルターの役割を果たして汚染物質を取り 除き、水の温度を下げます。 これがサケなどの魚類がすみや ─ すい環境を維持します。 野生生物の生息地としても機能して おり、物流センターの敷地ではガンやウサギ、 コヨーテのほ Sustainability Report 2008 か、一時は絶滅の危機に瀕した米国の国鳥で、生態系の頂点 に立つハクトウワシが確認されるなど、 生物多様性の保全に もつながっています。 同物流センターは、 この他にもさまざまな環境配慮の工夫を 取り入れています。 建物資材の43%は港から約800km圏内 で生産されたものを採用し、75%はリサイクル材です。電力 は100%、風力発電の電力を購入。植栽はすべてオレゴン州 に自生する植物のため、水やりが不要です。河川に人工の堰 敷地内で見られるハクトウワシ 「クールビズ」 で省エネを推進し、従業員の意識を改革 オーストラリア・TMCA(Toyota Motor Corporation Australia) TMCAは2007年夏、 本社ビルで 「クールビズ」 を導入。 上着や ビルの排出量全体の6%にあたる20t削減されました。 ネクタイを着用せず、 軽装で過ごすことで、 冷房の設定温度を 夏季の 「クールビズ」 に加え、冬季は 「ウォームビズ」 も実施し 従来の約24度から26度に上げ、 省エネを推進しました。 まず ました。 今後は両者を組み合わせた 「エコビズ」 活動を本社以 は週末を選んで実施したところ、 特定の場所や従業員に不都 外でも導入したいと考えています。 合が生じたほか、 温度センサーの調整が必要だったため、 空調 ベリンダ=ブラックモア・ナレッジ マネジメント・マネージャー システムがスムーズに稼働しませんでした。 そこで、 ホットラ は言います。 「クールビ インを設置して、 問題になりそうな場所について従業員から ズは、TMCAでは当た 連絡を受け、 迅速に対応。 温度設定を0.5度ずつ調整し、 定着 り前の日常になりまし を図りました。 た。環境に配慮してい 「当初は多少の調整が必要でしたが、 オフィスの環境に大き ることを伝える、 とても な変化はなく、 もちろん労働環境に影響するほどではありま シンプルな方法だと思 せんでした。極端に暑い日は、本社最上階に行くのは憂鬱で います。行動で示すこ したが、そこまでの暑い日はそうあるわけではありません。 とは、間違いなく言葉 クールビズ導入は成功だったと思います」 とアミート=ベイ よりも伝わります」 。 ンズ顧問弁護士は言います。 「遠慮なくネクタイをはずしてください」 と来客にもクールビズを呼びかけた 本社 クールビズの導入により、 1ヵ月あたりのCO2排出量は、 45 ②資源循環:国内外のリサイクル法に着実に対応。 さらなる マネジメント 2007年度 全社環境方針進捗状況 リサイクル率の維持安定化が課題です。 ③環境負荷物質:全新型車で業界自主規制を達成。 新たな化 学物質規制 「REACH」 への計画的対応が課題です。 ①エネルギー/温暖化:生産では、 グローバルCO2目標 (売上 ④大気環境:各国・各地域で低排出ガス車を導入。地域規制 高当たり排出量) を早期に達成。新たにチャレンジ目標を追 動向を先行した対策が課題です。 加し、 さらに取り組みを強化していきます。 また、 それにより ⑤環境マネジメント:豪亜環境委員会を新設。 2008年度4月 (総量) の増加抑制を図ります。 CO2排出量 には、 南ア環境委員会を立ち上げました。 エネルギー/温暖化 第4次「トヨタ環境取組プラン (2006∼2010年度)」取組項目 2007年度環境方針 2007年度実施状況 課題と2008年度の方向性 ・シナリオ具体化検討 2.各国/各地域でトップクラスの燃費性能を 目指す技術開発の推進 (目標) ・日本:2010年基準を上回るさらなる 燃費向上を継続 ・ロードマップ実現に向けた ・自動車・工場のCO2削減 取り組みの具現化 ロードマップを策定 地域別(含む中、印)、中長期) ・環境フォーラムでの発信(08年6月) (グローバル、 ・日本:2010年基準を上回る 燃費向上技術開発 ・欧州:JAMA自主約束2009年CO2140g/km に向けた取り組み ・北米:競合トップクラスの燃費性能を目指し 着実な開発推進 ・欧州:140g/km対応の 着実な推進 ・北米:競合トップクラスの 燃費性能車の着実な導入 ・日本:新型・フルモデルチェンジ車12車種 ・日本:2010年基準を上回る 中11車種で2010年基準をクリアし、 引き 燃費向上技術開発 続き全重量区分で基準を達成 ・欧州:低CO2車を着実に導入 ・欧州:140g/km対応の着実な推進 1.グローバルな事業活動における 一層のCO2低減 3.各国/各地域の生産/物流活動における CO2の低減 〈生産〉 ・生産技術の革新等、画期的な生産性向上に よるCO2低減の推進 〈物流〉 ・輸送改善によるCO2低減対策の実施 ・北米:競合トップクラスの低燃費車を導入 ・北米:競合トップクラスの低燃性能を (01年度比) 目指し、着実な開発推進 ・グローバルCO2原単位 ▲32% (90年度比) TMC CO2原単位 ▲55% 排出量 ▲25% (90年度比) 〈生産〉 エネルギーロス ・低CO2生産技術の導入、 低減等の推進 ・目標過達によりチャレンジ目標 追加設定提案 〈物流〉 〈物流〉 ・物流パートナーと一体となった ・低原単位輸送へのシフト CO2低減の取り組み ・総走行距離の低減等を推進 ・グローバル物流CO2の把握 ・燃費向上によるCO2低減の推進 ・グローバルCO2の実績把握 北米、欧州に加え、新規に豪亜、中国、 南米、南アでCO2の把握を開始 〈生産〉 ・拡大する生産計画のもと、CO2 の総量増加抑制と原単位改善 〈生産〉 ・2010年チャレンジ目標の追加設定 (08年6月) と達成に向けた活動の強化 〈物流〉 ・さらなる輸送効率の改善によるCO2 増加抑制 ・海外各地域での目標管理体制づくり 資源循環 第4次「トヨタ環境取組プラン (2006∼2010年度)」取組項目 7.循環型社会に向けた 資源有効利用の一層の推進 〈生産〉 ・歩留まり向上等の発生源対策による 排出物低減 〈物流〉 ・梱包のミニマム化および容器のリターナブル化 拡大等による梱包資材使用量の低減 46 2007年度環境方針 〈生産〉 ・排出物低減活動の計画的推進 2007年度実施状況 〈生産〉 ・歩留まり向上等の発生源対策の実施 課題と2008年度の方向性 〈生産〉 ・排出物低減活動の計画的推進 〈物流〉 〈物流〉 ・出荷先・仕入先を巻き込んだ梱包 ・リターナブル化の一層の拡大および 仕様の抜本的見直し活動の推進 梱包仕様のスリム化 〈物流〉 ・出荷先・仕入先を巻き込んだ 梱包仕様の抜本的見直しの継続推進 ・水使用量の低減 ・水使用量管理の徹底 ・水使用量管理の徹底継続推進 9.日欧のリサイクルシステムの定着 (2010年目標) ・2015年リサイクル実効率95%に向けた 着実な取り組み 〈日本〉 ・社会システム3年目順調に稼動 ・グローバルな自動車リサイクル ・07年4月∼08年3月トヨタのリサイクル率 への着実な対応 96%(車両換算) 〈欧州〉 ・EU27ヵ国中23ヵ国で回収ネットワーク 構築完了 〈他〉 ・中国リサイクル実態調査と対応体制構築 〈日本〉 ・リサイクル率の維持安定化 ・新規開発部品(HV等) のリサイクル技術 開発、回収ネットワークの構築 ・HV車の本格的廃車発生に 向けた取り組み ・日、米、欧の回収リサイクルシステムの見直し 10.リサイクル設計の一層の推進と展開 (2010年目標) ・解体、リサイクルが容易な車両の開発 ・トヨタエコプラスチック等再生可能資源、 リサイクル材の使用拡大 (2010年樹脂部品の15%使用技術確立) ・再生可能資源、 リサイクル材15%使用 ・リサイクル技術シナリオ (リサイクル材の活用推進など) 技術の目処付け完了 およびロードマップ策定による ・解体性向上のための設計により 解体時間をさらに2%減の目処付け完了 推進 ・水使用量管理の徹底推進 ・グローバルなHVリサイクルシステムの 検証、課題の把握 〈欧州〉 ・残り4ヵ国政府動向フォローと モニタリングの仕組み作り 〈他〉 ・法動向の的確な把握とタイムリーな対応 ・リサイクル技術シナリオの着実な推進 環境負荷物質 11.環境負荷物質の管理、低減の一層の推進 (2010年目標) ・全世界での4物質(鉛、水銀、 カドミウム、六価 クロム)全廃の早期達成(2007年末) 12.PRTR対象物質の排出量低減 〈生産〉 ・PRTR対象物質の排出量低減 2007年度環境方針 2007年度実施状況 課題と2008年度の方向性 ・全世界の製造事業体での フリー化完了へ向けた取り組み ・08年3月、 グローバルSOCフリー化完了 (一部残存部品は別途切替え管理) ・製造事業体の4SOCフリーの 仕組み定着化 ・車室内VOCを全新型車で低減 (業界自主基準を達成) ・主要製造事業体においてほぼ完了 ・全製造事業体で4SOCフリー化完了 ・新型・フルモデルチェンジ車10車種で 業界自主規制を達成 〈新たな化学物質規制「REACH」対応〉 ・欧州新化学物質規制(REACH) に 対する進め方提案。 仕入先説明会等で展開 ・全新型・フルモデルチェンジ車で 自主基準達成 ・部品(特に成形品)製造、供給への 影響を配慮した計画的REACH対応 ・REACH(日調分)予備登録推進と 高懸念物質管理仕組み検討 〈生産〉 ・洗浄シンナー使用量低減、回収率向上 活動実施 〈生産〉 ・PRTR対象物質低減活動の計画的な 推進 〈生産〉 ・PRTR対象物質低減活動の 計画的な推進 環境経営 第4次「トヨタ環境取組プラン (2006∼2010年度)」取組項目 環境側面 大気環境 第4次「トヨタ環境取組プラン (2006∼2010年度)」取組項目 〈生産〉 ・ボディ塗装VOC低減活動の 計画的な推進 課題と2008年度の方向性 ・新型・フルモデルチェンジ車全12車種中 11車種で超・低排出ガスレベル以上を 達成 ・引き続き超−低排出ガスレベル以上の 車両を開発、導入 〈生産〉 ・水性塗装の導入等実施 〈生産〉 ・ボディ塗装VOC低減活動の計画的な 推進 Sustainability Report 2008 14.VOC排出量低減対策 〈生産〉 ・塗装工程のVOC排出量の低減 ・低排出ガス車の着実な導入 2007年度実施状況 ─ 13.各国/各地域の都市環境改善に資する排出ガス 低減 (目標) ・超低エミッション技術開発の推進と各国 最高レベルの低排出ガス車の導入 ・クリーンディーゼル車の開発と普及促進 2007年度環境方針 環境マネジメント 第4次「トヨタ環境取組プラン (2006∼2010年度)」取組項目 15.連結環境マネジメント強化 (2010年目標) 〈生産事業体〉 ・各国・各地域No.1の環境パフォーマンスの確保 ・違反・苦情・環境リスクの最小化 〈非生産事業体〉 ・CO2等、環境パフォーマンスのグローバル管理と向上 16.ビジネスパートナーにおける環境マネジメントの 一層の推進 (目標) 〈仕入先〉仕入先と連携した活動の一層の充実 〈国内販売店〉 トヨタ販売店ガイドラインの見直し 〈海外代理店〉海外代理店環境マネジメントの向上 2007年度環境方針 ・各国/各地域No.1の環境 パフォーマンス確保への 取り組み継続 2007年度実施状況 課題と2008年度の方向性 ・国内外連結会社 2007年度個別目標 ほぼ達成 ・豪亜環境委員会新設(07年10月) ・地域別環境委員会を継続的に開催 中国(07年11月、08年3月) 南米(07年5月、11月) ・軽微な違反・苦情が発生、対策済み 再発防止、対策済み ・各地域別環境委員会の充実とTMC、 地域間 連携強化 ・各国・各地域No.1の環境パフォーマンス 確保への取り組み継続 ・北米環境委員会の体制強化 ・南ア環境委員会の新設 ・違反・苦情未然防止活動の強化と未然 防止啓蒙活動の継続実施 ・中国等での 新調達ガイドライン発行 ・中国、 アジア、南米等14事業体で発行 ・国内外発行済みガイドラインの フォロー実施 〈国内販売店〉 ・販売店省エネ方策試行の継続 〈国内販売店〉国内販売店省エネ試行 第2ステップ開始 ・国内販売店省エネ試行第2ステップの 遂行と結果分析 ・豪亜環境委員会新設 ・各地域別環境委員会の充実と さらなる自立化 TMCにおける社会との連携 第4次「トヨタ環境取組プラン (2006∼2010年度)」取組項目 20.循環型社会構築への寄与・貢献 (2010年目標) ・CO2低減技術等環境基礎研究の推進支援と提言 ・環境教育および生物多様性保全に資する プログラムの実施 21.情報開示と双方向コミュニケーションの充実 2007年度環境方針 2007年度実施状況 課題と2008年度の方向性 ・ 「トヨタ環境活動助成プログラム」 ・2007年度助成対象27団体を決定。助成 2007年度プログラム実施と 団体発表および活動成果報告会を開催 2008年度以降のプログラム起案 ・トヨタ生物多様性ガイドラインを制定 ・助成テーマを 「地球温暖化」 「生物多様性」 に絞込み ・情報開示の一層の充実 ・海外事業体を含むCSR方針の 展開 ・ホームページのCSR情報開示の充実 ・連結対象会社等へのCSR展開・ 連携活動の実施 ・サステイナビリティレポートの充実 ・CSR活動展開の範囲・内容の立案 ・生物多様性に関するアクションプラン の策定 TMC環境関連事故 2008年1月 飛島物流センター合併浄化槽の定期水質検査 再発防止策として、 合併浄化槽の入口および出口にて水質を において、 COD値が法的規制値を上回る事故が発生。 直ちに 連続監視(水質自動監視器の設置) し、異常があった場合に 放流を停止し、所轄官庁へ自主的に報告を行い、高COD排 は、 適切に処置する体制の整備および工事時に使用される薬 水については、 適切に社外処理を行いました。 品の事前チェックの徹底を図りました。 47 住宅事業 お客様視点での 「生活の豊かさ」の実現と 「地球環境へのやさしさ」の両立 シンセ・カーダモード 日本の住宅の重要課題である寿命の短さ、地球環境への対 応をテーマに開発に取り組み、画期的な超寿命化、大幅な 環境負荷低減を実現した住宅を商品化。 また街づくりの提 案やマンション事業など総合的な住環境事業を展開。 商品開発から生産段階、 居住段階を見通したCO2削減や社 外排出物の低減など、地球環境に配慮したモノづくりを推 進しています。 商品開発での取り組み 長寿命+環境配慮住宅「シンセ・カーダモード」発売 2008年4月「シンセ・カーダ モード」 を発売。鉄骨の防錆性 能の向上や基礎の高耐久化などにより、60年保証の「長寿 命住宅」 を実現。 また、 断熱性能の向上や新しい通風設計、 省 エネ照明の採用、太陽光発電システムなどにより、実質CO2 排出量ゼロを可能にする 「環境配慮住宅」 としています。 生産工場の取り組み CO2排出量の低減 省エネ型エアコンへの更新(食堂、 ロッカールーム、施工棟) や生活系上水供給ポンプの省エネ化(春日井事業所)、工場 扉開放時の熱ロス低減(山梨事業所)、外壁乾燥炉の断熱化 による消費エネルギー低減(栃木事業所) などの取り組みに より、CO2排出量および戸当たり原単位ともに2007年度目 標を達成しました。 また、 春日井事業所では*社内ESCOによ る省エネ診断を実施、 ボイラーの排熱回収利用など提案2件 に対して検討を行い、 改善活動を開始しました。 * 社内ESCO (Energy Service Company) :工場の製造部と連携して省エネ改善に取り組む 社内組織。 住宅生産工程におけるCO2排出量の推移 8,000 7,837 7,241 7,797 7,738 7,574 (t/戸) レージのある暮らし」 を発売。 “インナーガレージのある暮ら 2,000 0 2.63 基準値 4,000 ’ 00 2.04 2.06 ’ 04 ’ 05 1.88 ’ 06 1.91 ’ 07(年度) Column 実質CO2ゼロを実現する取り組み 「シンセ・カーダ モード」 の主な環境対応の取り組みは、 トヨタホームと一般的な住宅の年間CO2排出量 (t−CO2/年) 1990年以前の 一般的な木造住宅 4.42 46%削減 ①断熱材 (種類・充填方法) の工夫、 高性能ガラスの採用 により断熱性能を大幅に向上、②防犯性と通風を両立 した 『エアリーガード』採用などにより、室内の通風・日 Cada MODE 2.37 射遮蔽をコントロールし、冷房日数低減、③オリジナル エコキュートや省エネ照明の採用によりCO2排出量の ゼロ (カーボンニュートラル) を実現します。 48 照明・家電 他 オール電化・ 高効率照明 高効率 エコキュート 暖冷房 エアリーガード 高断熱 調理 さらに変換・配置効率を向上 46%のCO2削減を実現し、 させた太陽光発電システムを搭載することで、 実質CO2 生活行為による CO2排出 給湯 低減などで、1990年以前の一般的な住宅と比べ、約 0.00 4 3 6,000 また、ガレージを組み込んだ住宅「エスパシオEF(エフ)ガ し” をトヨタらしい視点で提案しました。 戸当たり原単位 CO2排出量 (t) Cada MODE (太陽光発電装着) 太陽光発電 5.85kW 上下水 節水機器 カーボンニュートラル 2 1 0 輸送分野の取り組み 埋立廃棄物ゼロからさらに資源ロスの低減を目指し、2006 年度から有償リサイクルを含む社外排出物の低減目標を掲 げて一層の資源有効利用を図っています。 2007年度は廃ビ ニール、石膏くずの歩留まり向上、排水処理場汚泥の乾燥化 等の取り組みに加え、 外壁塗装時の廃液を汚泥と液体に分離 する 「外壁塗装廃液凝集脱水機」 を導入。 汚泥は社外処理、 液 体は排水処理しています。 その結果、社外排出物量は3,400 t (2000年度比11%減)、戸当たり原単位は0.86t/戸 社外排出物量の推移 ’ 00 3,589 3,652 0.84 0.95 0.89 ’ 04 ’ 05 ’ 06 3,400 0.86 2 1.5 1 0.5 ’ 07(年度) 0 異常・苦情ゼロに向けて 改正省エネルギー法に対応し、2006年度に輸送に関する エネルギー使用量の実績を把握、 2007年度はその数値を基 準値に低減目標を掲げて取り組んだ結果エネルギー消費原 単位は2.08MJ/トンキロ (前年比3.7%減) となりました。 目 標達成に向けて、 研修会でエ コドライブを推進するなどの 活動を行うとともに、 長距離 改正省エネルギー法に対応した 物流エネルギー (t-CO2) 7,000 輸送物件の増加にともなう 6,000 対策として、 施工現場に近い 5,000 工場でつくり、 出荷する生産 工場の最適化を行い、総走 (MJ/トンキロ) 2.5 6,766 6,839 2.16 2.08 2.0 1.5 4,000 1.0 3,000 0.5 0 行距離の低減を図りました。 0 ’ 06 ’ 07(年度) 物流CO2排出量 エネルギー消費原単位 * 改正省エネルギー法:運輸分野のエネルギー 使用合理化のため2006年4月から施行 ※ トラック輸送は燃費法、 船舶輸送はトンキロ法で集計 施工現場での取り組み 3事業所と本社プラントエンジニアリング部の協力を得て 2007年度、 3事業所で連絡会を持回り開催し、 排水異常未然 新築現場の廃棄物削減と ゼロエミッション化への取り組み 防止活動のほか、本社、他工場の異常ヒヤリ事例に対する未 2007年度は出荷数量の適正化などの減量対策により、1戸 然防止横展開活動を積極的に進め、 その結果、 異常苦情件数 3 に低 当たりの廃棄物発生量を2.8m(2000年度比48%減) はゼロでした。 減しました。 また、ゼロエミッション化に向けてモデル販社 「住宅部門環境連絡会」を2007年4月に立ち上げました。 * を設定、 リサイクルルートの整備と徹底した取り組みにより 水使用量の低減 2社が達成しました。 今後さらに展開と拡大を図るとともに、 2007年度の総量は11.7万t (前年度比3%減)でした。 瓦やガラスなどのリサイクル困難な廃棄物についてもルート 2008年度からは、排水処理場の処理後の放流水を使用し、 開拓を推進、 全社ゼロエミッション化を目指します。 廃液ろ液の排水処理に利用することで、 水使用量低減を計画 * ゼロエミッション:現場から発生する埋立廃棄物ゼロとすること。 しています。 ユニット工法の施工現場での廃棄物発生量の推移 水使用量の推移 戸当たり原単位 水使用量 (万t) 13.0 13.0 12.0 (t/戸) 11.7 10 5 0 60 40 36.5 ’ 04 34.4 ’ 05 29.3 ’ 06 29.6 ’ 07(年度) 20 0 (m3/戸) 6.0 5.4 5.0 4.0 3.0 2.0 ※データはモデル販社の130∼140m2の平均的な 戸建て住宅の廃棄物の実容積を示しています。 基準値 15 Sustainability Report 2008 0 1.28 基準値 1,000 2,980 (t/戸) * ─ 3,000 2,000 戸当たり原単位 社外排出物量 3,823 物流エネルギー消費の低減 環境側面 (2000年度比33%減) になりました。 (t) 4,000 住宅事業 社外排出物量の低減 3.3 3.1 3.0 2.8 ’ 00 ’ 04 ’ 05 ’ 06 ’ 07 (年度) 1.0 0 住宅事業「2010年環境取組プラン」 と2007年度の進捗 行動指針 項 目 商品開発 ファクター4の実現: お客様視点での 生産工場 CO2目標設定 「生活の豊かさ」 の実現と 生産工場 「地球環境への 社外排出物 目標設定 やさしさ」 の両立 2010年シナリオ 2007年度進捗状況 ・2010年度100%の建物で次世代省エネ性能基準を超えるレベルを達成。 ・エコキュートや太陽光発電等の省エネ・創エネ装置の採用を積極的に推進。 次世代省エネ装着率 91.0% エコキュート装着率 18.0% ・2010年度CO2排出量:2000年度比3%減 7,837t(3事業所)→7,602t CO2排出量(2000年度比) 7,574t(3.4%減) ・2010年度CO2原単位:2000年度比33%減 2.63t/戸(3事業所平均)→1.75t/戸 CO2原単位(2000年度比) 1.91t/戸(27%減) ・2010年度社外排出物量:2000年度比10%減 3,823t(3事業所)→3,441t 社外排出物量(2000年度比) ・2010年度社外排出物原単位:2000年度比38%減 1.28t/戸(3事業所平均)→0.79t/戸 社外排出物原単位(2000年度比) 0.86t/戸(33%減) 輸送分野 ・2010年度エネルギー消費原単位:2006年度比4%減 2.16MJ/トンキロ→2.07MJ/トンキロ 施工現場 ・2010年度新築現場のゼロエミッション化(焼却灰を除く埋立廃棄物ゼロ) 太陽光発電装着率 エネルギー消費原単位 (2006年度比) 1.8% 3,400t(11%減) 2.08MJ/トンキロ (3.7%減) 販売店の取り組み:2社達成 (注)生産工場のCO2目標設定と社外排出物目標設定について、設定時(2005年)当初との住宅生産数見込みの変化を勘案し、目標変更を行いました。 49 詳細資料 環境会計 「顧客効果」算出方法(日本の場合) (1万km*1/ガソリン車の燃費*2−1万km/HVの燃費*2) ×145.58円*3×2007年度HV販売台数 基本的考え方 トヨタでは環境コストを 「*環境投資」 と 「*維持コスト」 の2つ *1 国土交通省「自動車輸送統計」 による乗用車平均年間走行距離 *2 10・15モード燃費を実用燃費に換算 *3 石油情報センター調査による2007年度全国平均ガソリン単価(消費税含む) に分類して集計し、併せて、経済効果や環境効率も算出して います。 環境負荷の改善効果 (物量効果) については、 「2007 環境効率 年度 『主要環境データ』 の状況」 (51ページ) をご覧ください。 トヨタでは、 環境効率を下記の算式で定義し、 算出数値を 「環 *環境投資:環境配慮型製品の研究開発費等、 効果が将来までおよぶ支出 *維持コスト:環境コストのうち、 環境投資以外の支出 境効率性指標」 としてフォローしています。 環境負荷には、 生 環境コスト 1990年度から 産部門のCO2排出量と廃棄物発生量を用い、 2007年度の環境コスト総額は、 2,859億円で、 前年度比361億 廃棄 算出、 2007年度までの17年間でCO2指標は約110%、 円の増加となり、 売上高の2.4%を占めています。 増加要因は、 物指標は約350%向上しました。 ハイブリッド車の開発費が増加したことなどによります。 今後も、 できる限り環境負荷の少 経済効果 ない生産を目指し、 「環境効率」 の ①実質的効果 (2007年度) 「省エネによるエネルギー費 の低減」等の費用低減と 「リ サイクル品売上」等の収入 経済効果(実質的効果) エネルギー費 低減 廃棄物処理 費用の低減 円の増加となっています。 21 28 3 10 4 1 0 0 リサイクル品売上 58 (環境関係技術収入他) 合計 21 83 145 21 104 133 155 売上高 環境負荷 環境効率の推移 (指数)〈自動車生産によるCO2指標〉 250 91 7 環境効率 = 向上に努めます。 ※ボディ ’ 05 ’ 06 ’ 07 メーカー6社 年度 年度 年度 ’ 07年度実績 を計上しています。総額は、 その他 155億円で、前年度比22億 (単位:億円) 環境効率の計算式 (指数)〈自動車生産による廃棄物指標〉 400 200 0 101 300 150 08年3月) ②顧客効果 (累計:’ 97年12月∼’ 売上高/CO2排出量を 指標とし、1990年度を 100とした指数を グラフ化、表示しています。 100 ハイブリッド車への代替による効果は311億円(日本)、 1,368億円 (世界) 、 累計効果は1,140億円 (日本) 、 3,574億 500 ’ 90 ’ 02 ’ 03 ’ 04 ’ 05 ’ 06 ’ 07 (年度) 売上高/廃棄物発生量を 指標とし、1990年度を 100とした指数を グラフ化、表示しています。 200 100 ’ 90 ’ 02 ’ 03 ’ 04 ’ 05 ’ 06 ’ 07 (年度) 円 (世界) になりました。 区分 〈環境コストの実績〉 当社フォーマットによる実績 項目 (単位:億円) 内容 研究開発費用 リサイクル関連費用 ※設備投資 環境投資 その他費用 (社会貢献、ISO認証費用、教育訓練費等) 温暖化対策 環境対応主目的 の設備投資 2,453 21 15 12 28 19 23 14 15 26 3 3 5 40 26 72 58 57 194 186 196 2,230 2,378 2,741 26 28 27 維持コスト 排水処理費用 5 5 4 大気汚染・臭気防止費用 9 10 12 地球環境保全費用 9 6 6 60 47 43 22 22 23 15 0 0 2 2 3 広報・宣伝費 環境専任スタッフ費用 人件費 環境修復費用 2,100 55 廃棄物処理費用 理解活動費用 1,915 公害防止他 環境投資計 環境対策関連費用 ’ 05年度 ’ 06年度 ’ 07年度 廃棄物処理 通常設備投資に含まれる環境対応分 リコール対策費 土壌・地下水汚染修復費 維持コスト計 合計 148 120 118 2,378 2,498 2,859 ※設備投資の減価償却費は費用に含んでおりません。 (ご参考)2007年度研究開発費総額:8,185億円 設備投資総額:4,012億円 50 環境省フォーマットによる2007年度実績 分類 トヨタ 投資 ①公害防止コスト (1)事業エリア ②地球環境保全コスト 内コスト ③資源循環コスト (単位:億円) ※ボディメーカー 6社 費用 投資 費用 6 16 20 231 6 33 5 5 27 10 28 26 (2)上・下流 コスト リサイクル関連費用、 業界団体分担金 0 14 0 4 (3)管理活動 コスト 環境広告、 環境報告書発行費用、 環境専任スタッフ費用 等 ー 81 1 18 (4)研究開発 コスト 環境負荷低減のため の研究開発費用 ー 2,453 2 334 (5)社会活動 コスト 環境保全団体への 寄付 等 ー 6 0 0 11 3 ー 0 253 2,606 66 415 (6)環境損傷 土壌・地下水汚染の 対応コスト 修復のための費用 等 合計 2,859 481 ※ボディメーカー6社:関東自動車工業、 ダイハツ工業、 トヨタ車体、日野自動車、 トヨタ自動車九州、 セントラル自動車(各社採用基準に基づき集計しています) 〈 海外事業体の環境会計数値 〉 ・TMT(タイ) :環境コスト:646百万円、経済効果:366百万円 ・國瑞汽車(台湾) :環境コスト:349百万円、経済効果:27百万円 詳細資料 2007年度「主要環境データ」 の状況 分野 項 目 ’90年度 ’95年度 ガソリン 2000 年 (平成 12 年) 規制 25%低減レベル達成車 [生産台数比率 (型式数)] ̶̶ ̶̶ ガソリン 2000 年 (平成 12 年) 規制 50%低減レベル達成車 [生産台数比率 (型式数) ] ̶̶ ̶̶ ̶̶ ̶̶ ̶̶ ガソリン 2000 年 (平成 12 年) 規制 75%低減レベル達成車 [生産台数比率 (型式数) ] ̶̶ ̶̶ ̶̶ ̶̶ ̶̶ ガソリン 2005 年 (平成 17 年) 規制 50%低減レベル達成車 [生産台数比率 (型式数) ] ̶̶ ̶̶ 32.6% (101) 18.9% (61) 13.9% (54) ガソリン 2005 年 (平成 17 年) 規制 75%低減レベル達成車 [生産台数比率 (型式数) ] ̶̶ ̶̶ 63.7% (69) 78.8% (84) 85.7% (109) 販売台数 ̶̶ ̶̶ ̶̶ ̶̶ 57,964 81,324 ̶̶ ̶̶ 0 0 0 ̶̶ ̶̶ 57,756 81,118 85,127 17.6 17.6 208 ̶̶ 206 ̶̶ 141 ̶̶ 12.3 (平均) 12.3 (平均) 20.2 20.7 20.9 17.0 17.3 18.3 14.1 14.5 14.2 11.8 11.9 12.3 9.8 10.3 10.1 9.9 9.5 10.0 6.5 6.5 8.2 排出ガス ハイブリッド車 [台] 天然ガス自動車 [台] 703∼827kg 燃費(注1) 828∼1,015kg 1,016 ∼1,265kg 1,266 ∼1,515kg 重量区分別平均燃費 [km/L] (注1) (ガソリン乗用車) 1,516 ∼1,765kg 1,766 ∼2,015kg 8.5 (平均) 2,016 ∼2,265kg 8.0 (平均) 2,266kg ∼ 生 産 CO2 (注2) 0.4% (14) 37ページ 85,268 25ページ 24ページ 総排出量 [CO2換算万t/年] 212(注4) 211 171 160 158 [CO2換算t/億円・年] 29.1(注4) 31.2 16.8 13.8 13.1 ̶̶ ̶̶ 30 27 26 38ページ 売上高当たり排出量 ボディ面積当たりVOC排出量 [g/m2] 環境負荷物質 Sustainability Report 2008 [台] 2.1% (19) ─ [台] 電気自動車 3.4% (34) 本報告書 該当ページ ’07年度 環境側面 製 品 クリーン エネルギー車 ’05年度 ’06年度 主要指標[単位] 27ページ リサイクル PRTR対象物質排出量 [千t/年] ̶̶ ̶̶ 2.0 1.8 1.6 36ページ 廃棄物 (注3) 焼却廃棄物量(注5) [千t/年] 62 41 8.4 7.5 6.4 ー リサイクル率 リサイクル実効率 [%] ̶̶ ̶̶ 93 94 96 32ページ (注1)1990年度の燃費値は10モード燃費を10・15モード燃費に換算した値 (注2)2005年度より非生産拠点も目標範囲に加えたため、 1990年度にさかのぼり全社のCO2排出量を記載 (注3)2000年度に埋立廃棄物「ゼロ」を達成・継続 (注4) 1990年1月∼12月の集計値 (注5)焼却廃棄物量の算定に誤りがあったため、 過去にさかのぼり訂正しました 自動車生産・物流工程における資源投入量と 排出量(2007年度) インプット 大気への排出 ●CO2排出量 [45.3万t‐CO2] ●PRTR対象物質排出量 [1.5千t] 生産工程 大気への排出 塗装 溶接 プレス ●総物質投入量 ●温室効果ガス排出量 [132万t‐CO2] エネルギー起源:131万t 非エネルギー起源:0.4万t 物流工程 [137万t] ●事業者内物質循環利用量 [28万t] ●総エネルギー消費量 [30.8×106GJ] エンジン ●再生可能エネルギー消費量 (風力発電54GJ) ●水使用量 [1,313万m3] ●PRTR対象物質取扱量 [1.5万t] 鋳造・鍛造 機械加工 トランスミッション等 インプット 組立 熱回収 ●自社内熱回収資源量 [ー] ●梱包・包装資材使用量 [6.6万t] 排出物 水域等への排出 ※1 GJ (ギガジュール):10 9 J ※2 エネルギー起源:エネルギー起源CO2 非エネルギー起源:非エネルギー起源CO2および (CH4、N2O、HFC、PFC、SF6) CO2以外の温室効果ガス ※3 CO2換算係数については54ページを参照 ●総排水量 [1,411万m3 ] ●PRTR対象物質 排出量 [14t] ●PRTR対象物質 事業所内埋立処分量 [ー] ●廃棄物等の総排出量 [48.7万t] ・社外リサイクル量[48.2万t] ・埋立処分量[ー] ●PRTR対象物質移動量 [250t] 51 詳細資料 2007年度新型車・フルモデルチェンジ車(乗用車) の主要環境データ LS600h 車 名 車両仕様 車両型式 エンジン型式 車外騒音 排出ガス レベル (平成17年 (注1) 規制基準) 部品に使用 している 環境負荷 物質 リサイクル 関係 イスト ランド クルーザー ヴァンガード カローラ ルミオン IS F マークXジオ クラウン DAA-UVF45 DBA-ZRT260 DBA-ZRR70W DBA-NCP110 DBA-ACA33W CBA-UZJ200W DBA-ANA10 DBA-USE20 DBA-NZE151N DBA-GRS202 2UR-FSE 2ZR-FE 3ZR-FAE 1NZ-FE 2AZ-FE 2UZ-FE 2AZ-FE 2UR-GSE 1NZ-FE CVT CVT CVT CVT 5AT CVT 8AT CVT 6AT 2007年 5月 2007年 6月 2007年 6月 2007年 7月 2007年 8月 2007年 9月 2007年 9月 2007年 10月 2007年 10月 2008年 2月 エアコン 冷媒使用量 (g) (HFC134-a) 900 440 500 (シングル) 750 (デュアル) 380 490 920、970 (クールボックス 付の場合) 450 450 440 450、650 (リアエアコン 付の場合) CO2排出量 (g/km) [10・15モード 燃費値換算] 190 137 164 129 184 352 181 283 143 197 10・15モード燃費 (km/L) (国土交通省審査値) 12.2 17.0 14.2 18.0 12.6 6.6 12.8 8.2 16.2 11.8 加速騒音規制値 (dB-A) 76 76 76 76 76 76 76 76 76 76 加速騒音諸元値 (dB-A) 75 73 74 75 75 75 74 75 74 75 75%低減レベル(SU-LEV) ★★★★ ★★★★ ★★★★ ★★★★ ★★★★ ー ★★★★ ★★★★ ★★★★ ★★★★ 販売開始 時期 燃料消費率 ノア/ ヴォクシー 電機式無段 変速機 温室効果 ガス プレミオ/ アリオン 3GR-FSE ー ー ー ー ー ★★★ ー ー ー ー 鉛 自工会 目標達成 自工会 目標達成 自工会 目標達成 自工会 目標達成 自工会 目標達成 自工会 目標達成 自工会 目標達成 自工会 目標達成 自工会 目標達成 自工会 目標達成 水銀 自工会 目標達成 自工会 目標達成 自工会 目標達成 自工会 目標達成 自工会 目標達成 自工会 目標達成 自工会 目標達成 自工会 目標達成 自工会 目標達成 自工会 目標達成 カドミウム 自工会 目標達成 自工会 目標達成 自工会 目標達成 自工会 目標達成 自工会 目標達成 自工会 目標達成 自工会 目標達成 自工会 目標達成 自工会 目標達成 自工会 目標達成 六価クロム 自工会 目標達成 自工会 目標達成 自工会 目標達成 自工会 目標達成 自工会 目標達成 自工会 目標達成 自工会 目標達成 自工会 目標達成 自工会 目標達成 自工会 目標達成 リサイクルしやすい材料を 使用した部品(TSOP) バンパー、 内装材 バンパー、 内装材 バンパー、 内装材 バンパー、 内装材 バンパー、 内装材 バンパー、 内装材 バンパー、 内装材 バンパー、 内装材 バンパー、 内装材 バンパー、 内装材 50%低減レベル(U-LEV) − − − − − − − リサイクル材使用 − ○ − − ○ − ○ ○ ○ ○ シュレッダーダストをリサイクル した防音材(RSPP) − ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ − ○ 天然素材 (ケナフ) ○ (ケナフ) ○ ○ (ケナフ) ※掲載した車種タイプは、原則的に販売台数の多いタイプを取り上げています。 (注1)乗用車排出ガスレベル (下表) をご参照ください。 新型車・モデルチェンジ車(乗用車) の環境データは「環境仕様」として 製品カタログ、およびホームページ上にも掲載しています。 ガソリン乗用車排出ガスレベル (平成17年規制) http://www.toyota.co.jp/jp/environment/ environmental_info/index.html 規制物質 ※ 新モード 一酸化炭素:CO(g/km) 非メタン炭化水素:NMHC(g/km) (g/km) 窒素酸化物:NOX ← 1.15 ← 0.05 0.025 0.013 0.05 0.025 0.013 表彰名 対 象 省エネルギー優秀事例表彰 経済産業大臣賞 統計学手法を活用した熱処理炉の省エネ 財団法人 建築環境・省エネルギー機構 「サステナブル建築賞」奨励賞 本館における環境に配慮した建築、設備 社団法人 空気調和・衛生工学会 「空気調和・衛生工学会賞」技術賞 本館における環境に配慮した建築、設備 財団法人 省エネルギーセンター 52 平成17年50%低減 平成17年75%低減 (☆☆☆) (☆☆☆☆) ※新モード: (10・15モードの測定値)×0.88+(11モードの測定値)×0.12 環境関連の主な受賞実績(2007年度) 団体名 規制値 財団法人 地球・人間環境フォーラム 環境コミュニケーション大賞 持続可能性報告大賞(環境大臣賞) Sustainability Report 2007 社団法人 日本機械学会 技術賞 電動アクティブスタビライザサスペンションシステムの 開発・実用化 社団法人 自動車技術会 浅原賞技術功労賞 技術開発賞 自動車エンジン制御および制御システム開発環境構築に 大きく貢献 FR(後輪駆動)乗用車用ハイブリッドシステム 180Mpaピエゾコモンレールシステム 詳細資料 連結EMSの国内の主な対象会社(50音順) 1グループ ・連結子会社 ・自動車製造業など ・トヨタの派生会社 3グループ 4グループ ・連結子会社 ・部品生産会社 5グループ ・連結子会社 ・各種製品生産会社 ・財務会計上は 非連結 ・部品生産会社 など 計37社 キャタラー 協豊製作所 中央精機 パナソニックEVエナジー 堀江金属工業 豊精密工業 アドマテックス シンテックホズミ トヨタタービンアンドシステム 日本ケミカル工業 大豊工業 豊田鉄工 トリニティ工業 その他業種 愛知陸運 タクティー トヨタエンタプライズ 豊田中央研究所 トヨタテクノクラフト トヨタモデリスタ インターナショナル トヨタ輸送 トヨフジ海運 など 計56社 ※財務会計上 非連結の 6法人含む Sustainability Report 2008 オールトヨタ生産環境会議メンバー 販売会社 東京トヨペット トヨタ部品東京共販 トヨタホーム東京 トヨタレンタリース東京 ─ 愛三工業 アイシン・エィ・ダブリュ アイシン・エーアイ アイシン精機 アイシン高丘 愛知製鋼 ジェイテクト デンソー 東海理化 豊田合成 豊田自動織機 豊田通商 トヨタ紡織 生産会社 環境側面 関東自動車工業 岐阜車体工業 セントラル自動車 ダイハツ工業 トヨタ自動車九州 トヨタ自動車東北 トヨタ自動車北海道 トヨタ車体 日野自動車 2グループ ・財務会計上は 非連結 ・主要部品生産会社 ・ボディメーカー など (EMS=Environmental Management System) オールトヨタ生産環境連絡会メンバー ※グローバル生産環境データ (29、 34 ページ) および国内生産環境データ (34、36 ページ)の国内における集計対象範囲は、上記 1∼5 グループ(除く豊田通商)34 社です。 29、 34 ページの CO2 排出量、 廃棄物量については、 上記 34 社に加え孫会社も含みます。 継続的報告 2007年版の「Sustainability Report」に記述した内容うち、編集方針やスペースの都合で、今回掲載できなかったものがあります。 継続的な報告という観点から、主なものの経過をご報告します。 環境側面 社会側面 分 野 2007年版 掲載ページ 内 容 生産 ・ 物流 36ページ 油脂類の地下浸透未然防止に対しては、2006 年度末で必要な設備対策はすべて完了してい ます。今後は日常管理の徹底を図ります。 2007年度より施設・設備ごとに点検箇所、点検項目等の日常点検記 録表により、維持管理の徹底を図っています。 アスベストに関しては、設備、建物の対策を推 進中で、設 備 は 2 0 0 6 年 8 月 、建 物 は 2 0 0 7 年 度末に対策完了予定です。 設備については当初予定のものは2007年度末に完了しました。さら に調査をした結果、新たな追加箇所が判明し、それらについては2008 年半ばにすべての対策を完了する予定です。 また、建物については2007年度末に完了しました。 従業員 49ページ 進捗状況 ISO14001認証取得状況 環境対応をより一層確実なものとすると同時に、 活動の透明 ショップは、 タイ、 アルゼンチン、 台湾、 ベトナム等で拡大。 約 性の観点から、 トヨタ自動車は国内主要工場、事業所および 80拠点増加しました。 これにより、累計15ヵ国、500拠点に 技術、 物流分野でISO14001を取得更新しています。 また、 連 迫りました。 結対象会社を中心に、国内外関連会社でも取得を推進して います。 2007年度、国内の取得企業数は変わりません。海外では中 国内外のISO認証取得企業数 国の生産会社TFTM、 SFTMと生販一体会社GTMCが ISO14001を取得。 その結果、国内外のISO取得企業 数は管理対象228社中119社と拡大しました。 代理店が支援して、 同認証を取得した海外販売店・サービス 生産会社 生販一体会社 販売会社・ その他業種 国内 34社 − 24社 海外 27社 10社 24社 53 詳細資料 連結対象範囲 組織・体制 連結EMSの対象会社は586社で、 財務会計上の全連結子会 1 .「トヨタ地球環境憲章」を共有し、自社の環境方針を立案 社と、財務会計上連結対象外でも主要な生産会社や海外販 2 .生産分野では数値目標を立ててフォロー 売代理店などが対象です。 3 .販売分野では環境マネジメントシステムを構築し、業態に 具体的には、 ①TMCが直接管理する財務会計上の連結子会 応じた環境負荷低減活動、環境コミュニケーション、社会 社170社、②財務会計上は非連結だが主要な生産会社と海 貢献などを実施、また2006年度よりCO2 等、環境負荷の 外販売代理店50社、③そのほか、大学・生協など6法人、④ 数値管理にも着手 4 .各国・地域の状況を踏まえたトップレベルの環境対応 TMCが連結子会社を通じて間接管理する財務会計上の連 結子会社360社の4種類です。 ※ 財務上非連結会社への要請事項は、地域・業態によって異なる場合があります。 連結環境マネジメント主な対象会社 欧州自主プログラム参加事業体 Toyota Hellas(ギリシャ) Toyota Ireland(アイルランド) Louwman&Parqui(オランダ) Toyota AG(スイス) Toyota SA(トルコ) その他11社 欧州の非連結代理店16社はTMEの支援のもと、 自主的にISO取得を含むEMSを展開。 TDG (ドイツ) TDK (デンマーク) Toyota Norge (ノルウェー) TME (ベルギー) TMUK (英国) TGB (英国) TSWE (スウェーデン) TAF (フィンランド) TMMP (ポーランド) TMIP (ポーランド) TMMR (ロシア) TMR (ロシア) TMPL (ポーランド) TCZ (チェコ) TPCA (チェコ) TES (スペイン) ED2 (フランス) TMI (イタリア) IMC (パキスタン) TMMT (トルコ) 欧 州 TMMF (フランス) TFR (フランス) TTFC (中国) TFAP (中国) SFTM (中国) GTMC (中国) TTPI (インド) TKM (インド) TKAP (インド) ALJ (サウジアラビア) GTE (中国) TMAP-EM (タイ) TMT (タイ) STM (タイ) UMWT (マレーシア) ASSB (マレーシア) BMS (シンガポール) 生産会社 販売会社 生販一体会社 その他業種(地域統括会社等) ※黒字は財務会計上の連結子会社 青字はそれ以外 国内の主な対象会社については53ページ (2008年4月1日現在) TFTD(中国) TMCI(中国) TTCC(中国) FTMS(中国) FTCE(中国) TMKR(韓国) TMMC(カナダ) 北 米 TCI(カナダ) CAPTIN(カナダ) 日 本 TMCほか TFTE(中国) TFTM(中国) Kuozui(台湾) NUMMI(米国) TMS(米国) CALTY(米国) TMMI (米国) BODINE (米国) TABC(米国) TMA(米国) TMMWV (米国) TMMK(米国) TEMA(米国) TMMAL(米国) TMMBC (メキシコ) Hotai(台湾) TMP(フィリピン) SERVCO(米国) TMMTX(米国) TAP(フィリピン) TMV(ベトナム) TMAP-MS(シンガポール) TDV (ベネズエラ) TMMIN(インドネシア) TAM(インドネシア) TDB (ブラジル) TASA(アルゼンチン) TMCA(オーストラリア) TTC - AP- AU (オーストラリア) 中南米 TNZ (ニュージーランド) TSAM (南ア) アジア・豪州・中近東・アフリカ CO2 排出量算出に用いたCO2 換算係数 (1)国内環境データ(除く物流) (3)物流データ 電 力 0.3817kg-CO2/kWh ブタンガス 3.0094kg-CO2/kg A 重 油 2.7000kg-CO2/L 都市ガス 2.3576kg-CO2/m3 C 重 油 2.9419kg-CO2/L コークス 3.2502kg-CO2/kg 灯 油 2.5308kg-CO2/L 石 炭 2.3536kg-CO2/kg ※CO2換算係数の出典: (社) 日本自動車工業会 ※一部、個別に把握した換算係数を使用している場合もある ※該当ページ:27ページ「TMC CO2排出量 (エネルギー起源) と売上高当たりのCO2排出量の推移」 2006年度以前 鉄道(JR貨物) 21.7g-CO2/トンキロ 2007年度 22g-CO2/トンキロ 軽油(トラック) 2.62kg-CO2/L 2.62kg-CO2/L C重油(船舶) 2.99kg-CO2/L 2.98kg-CO2/L ※2006 年度以前の CO2 換算係数の出典 鉄道(JR 貨物):「環境と交通運輸」財団法人運輸政策研究機構(トンキロ法) 軽油(トラック)と C 重油(船舶):環境省(燃料法) (2)グローバル生産環境データ 該当ページ:28 ページ[物流 CO2 排出量推移(国内)] ・IPCC 2006, 2006 IPCC Guidelines for National Greenhouse Gas Inventories, ※2007 年度の CO2 換算係数の出典 Prepared by the National Greenhouse Gas Inventories Programme, Eggleston ロジスティクス分野における CO2 排出量算定方法 共同ガイドライン H.S., Buendia L., Miwa K., Ngara T. and Tanabe K. (eds). Published: IGES, Japan. Ver.3.0(経済産業省・国土交通省) ・CO2 Emissions from Fuel Combustion, 2007 edition, IEA, Paris, France の2001年の換算係数を使用 該当ページ:28 ページ[物流 CO2 排出量推移(国内)]および 51 ページ ※都市ガス、 蒸気、 温水、 冷水、 コークス炉ガスについては、 「地球温暖化対策の推進に関する法律」の換算係数を使用している [自動車生産・物流工程における資源投入量と排出量(2007 年度)] ※該当ページ:29 ページ「グローバル生産環境データ CO2 排出量」 54 詳細資料 レポート掲載主要事業体一覧 国/地域 カナダ 略称 カローラ、 マトリックス、 RX生産、 エンジン生産 41 BODINE Bodine Aluminum, Inc. エンジンブラケット、 エンジンブロック、 シリンダーヘッド生産 41 TMA Toyota Motor North America, Inc. 北米統括会社 76 TEMA Toyota Motor Engineering & Manufacturing North America,Inc. 北米生産・エンジニアリング統括会社 Toyota Motor Sales, U.S.A, Inc. アメリカ販売代理店 TMMTX Toyota Motor Manufacturing, Texas, Inc. タンドラ生産 41 TMMMS Toyota Motor Manufacturing, Mississippi, Inc. 生産準備中 41 TMS カムリ、 カムリハイブリッド、 ソラーラ、 アバロン、 エンジン生産 Toyota Logistics Service TMSの子会社で物流を担当 45 TDB Toyota do Brasil Ltda. カローラ、 ハイラックス生産、 ブラジル販売代理店 29 TMMP 84・85 Toyota Motor Manufacturing Poland SP.zo.o. エンジン、 トランスミッション生産 41 Toyota Motor Industries Poland SP.zo.o. エンジン生産 41 イギリス TMUK Toyota Motor Manufacturing (UK) Ltd. アベンシス、 オーリス生産 、 エンジン生産 フランス TMMF Toyota Motor Manufacturing France S.A.S. ヤリス、 エンジン生産 ベルギー TME Toyota Motor Europe NV/SA 欧州統括会社 スペイン TES Toyota España S.L.U. スペイン販売代理店 82 ロシア TMMR カムリ生産 41 南アフリカ TSAM Toyota South Africa Motors(Pty) Ltd. カローラ、 ハイエース、 ハイラックス、 フォーチュナー、 ダイナ生産、南ア販売代理店 GTMC 中国 台湾 7・34・90 7 32・42・76 39・60・90 Guangzhou Toyota Motor Co.,Ltd. カムリ生産、 販売代理店 41 FTCE FAW Toyota(Changchun)Engine Co.,Ltd. エンジン生産 41 TFTD Toyota FAW(Tianjin)Dies Co.,Ltd. 金型生産 41 TFTE Tianjin FAW Toyota Engine Co.,Ltd. エンジン生産 TFTM Tianjin FAW Toyota Motor Co.,Ltd. ヴィオス、 カローラ、 カローラEX、 クラウン、 レイツ生産 GTE アジア Limited Liability Company “Toyota Motor Manufacturing Russia” 41 38・41 Guangqi Toyota Engine Co.,Ltd. エンジン、 エンジン部品生産 41 SFTM Sichuan FAW Toyota Motor Co.,Ltd. コースター、 ランドクルーザー、 ランドクルーザープラド、 プリウス生産 38 TTCC Toyota Motor Technical Center(China)Co.,Ltd. TMCI Toyota Motor(China)Investment Co.,Ltd. 中国統括会社 Kuozui Motors,Ltd. カムリ、 カローラ、 ウィッシュ、 ヴィオス、 ヤリス、 ハイエース、 ゼイス、 プレス部品生産、 エンジン生産 50 Toyota Motor Asia Pacific Engineering and Manufacturing Co.,Ltd. 豪亜生産・エンジニアリング統括会社 64 TMT Toyota Motor Thailand Co.,Ltd. カローラ、 ウィッシュ、 カムリ、 ソルーナ、 ヴィオス、 ヤリス、 ヴィーゴ、 フォーチュナー等生産、 タイ販売代理店 TMP Toyota Motor Philippines Corp. カローラ、 イノーバ、 ヴィオス生産、 フィリピン販売代理店 TKM Toyota Kirloskar Motor Private Ltd. カローラ、 イノーバ生産、 販売 TAM P.T.Toyota-Astra Motor インドネシア販売代理店 P.T.Toyota Motor Manufacturing Indonesia イノーバ生産、 エンジン生産 Kuozui TMAP-EM Sustainability Report 2008 アフリカ Toyota Motor Manufacturing, Kentucky, Inc. TLS TMIP ポーランド ヨーロッパ 76・90 ─ ブラジル 34・42・76・85 環境側面 TMMK 南米 掲載ページ Toyota Motor Manufacturing Canada Inc. 北米 アメリカ 主な生産品目 会社名 TMMC 中国における自動車およびその部品の研究・開発、 38 国産化にかかわる技術コンサルティングサービス 72・76 タイ フィリピン インド インドネシア オセアニア TMMIN 7・29・41・50・67・72・90 36 67・86・87・90 85 85・90 パキスタン IMC Indus Motor Company Ltd. カローラ、 ヴィーゴ生産、 パキスタン販売代理店 83 マレーシア UMWT UMW Toyota Motor Sdn. Bhd. マレーシア販売代理店 83 オーストラリア TMCA Toyota Motor Corporation Australia Ltd. カムリ、 オーリオン、 エンジン生産、 オーストラリア販売代理店 ニュージーランド TNZ Toyota New Zealand Limited ニュージーランド販売代理店 45 82・90 事業体データは2007年12月現在 55 お客様とのかかわり 「お客様第一・品質第一」 の考えに基づき、 多様化するお客様ニーズへ対応 お客様相談センター お客様のトヨタへの満足と信頼を向上させるため、 すべての 365日体制によるお客様対応 部署があらゆる局面で「お客様第一・品質第一」を念頭に、 365日体制の「お客様相談センター」では、 お客様の窓口と オールトヨタの取り組みを推進しています。お客様相談 して 「お待たせしない」 「迅速で的確」 な対応力の向上を常に センターを中心にアンテナを張り、お客様の声を積極的に 車両開発に活用。また、ユニバーサルデザインの考えを すべての新型車に反映させ、より多くのお客様にクルマの 利便性を提供します。 図り、年間40万件近いお客様の声をお伺いしています。 また、レクサスブランドではレクサスインフォメーション デスク、 レクサスオーナーズデスク (24時間365日体制) を 設置しています。 お客様から寄せられたご意見は関係部署へ フィードバックを行い、製品や企業活動の改善に役立てて お客様との窓口「お客様相談センター」 の活動 います。 お客様の声に基づくよりよい製品・サービスづくり強化の お客様への応対品質の向上 ため、1982年のトヨタ自動車工業とトヨタ自動車販売の 2007年度は、 よりきめ細かな対応を目指す 「会話力の向上」 合併を機に各部のお客様対応機能を一元化。 お客様関連部と の取り組みを開始しました。 これは、 ご質問・ご要望の背景や ともに 「お客様相談センター」 を設置しました。 以後、 お客様の 真意を汲み取り、お客様が本当に知りたい情報を提供する 利便性を高め、 より多くの声をお伺いするため、 カタログ等 とともに、 よりお客様の期待に沿った製品づくりに活かして での告知、 フリーダイヤル化や、 24時間カタログ受付など機能 いくための活動です。 の充実に努め、2004年には、365日受付を開始しました。 現在では、製品をはじめ企業活動に対するお客様の声を、 トヨタ車のリコール等の具体的な情報については、 ホームページで公開しています。 URL : http://toyota.jp/recall/ 製品の改善につなげています。 トヨタお客様相談センター入電件数 お客様対応概念図 トヨタ 販売店・代理店 国内トヨタ販売店 レクサス販売店 国内サービス地区担当部 ・サービス技術部 技術分野 (万件) 40 365日 オープン 35 30 25 20 15 10 品質保証本部 品質保証部 生産分野 お客様 品質部 (日本*CQE) お客様 お客様関連部 5 0 ’ 03 ’ 04 ’ 05 相談内容(2007年度) お客様相談センター その他 32.4% 国内・海外 営業分野 *CQE=Customer Quality Engineering 56 装備・性能・ メカニズムの 問い合わせ 36.8% 36.4万件 海外代理店 ・販売店 お客様からのダイレクトな声 (年) ’ 07 総数 海外 CQE 海外サービス 地区担当部 ・サービス技術部 ’ 06 お客様品質部へのダイレクトな声 自動車販売 ・整備業者の 問い合わせ 13.4% 技術相談 17.4% 品質に対する調達分野の取り組み 高まる品質要求に対応し、 お客様と社会の期待に応え続けて サプライヤーに対しては調達部門が窓口となり、 「品質方針説明 いくために、 より一層高い問題意識を持ってさらなる品質向上 を目指すCF活動を全社展開。 「お客様へのご迷惑ゼロ」 を掲げ、 悪いものを市場へ出さない取り組みを推進しています。 決していく活動です。その活動の 品質向上一体活動 品質に対する生産分野の取り組み (年) ─ ’ 08 なって課題を共有し、 困りごとを解 継続と定着化を進めています。 1 CF活動の啓発と品質意識の向上 ’ 07 と同じ目線で、現地現物で一体と 社会側面 高↑品質向上活動・仕事の質・意識レベル↓低 フェーズ3 品質の造り込み = “自工程完結” の定着化 4(仕事の質のスパイラルアップ) 2 フェーズ1 緊急流出防止 ’ 06 代表的なものは 、 サプライヤーとの 「品質向上一体活動」 です。 これ プライヤーを訪問し、 サプライヤー 3 フェーズ2 過去から学んだ課題の克服 ’ 05 会」 等を通じてトヨタの品質方針を展開したり、 品質向上の取り組 みを支援しています。現在、CF活動の一環として取り組んでいる は開発・生産・調達部門担当者がサ これまでのCFの取り組み 現在「フェーズ3」 の 取り組みを実施 お客様とのかかわり さらなる品質向上を目指すCF活動の推進 設計通りの製品をつくり出すための 「良品条 Sustainability Report 2008 件」 に基づく生産ライン設計、良品だけを次 「自工程完結」 を全社へ展開 工程へ送るための 「インライン計測」 、 現場の 「品質は工程で造り込む」 という考え方の再認識と実力の再構 マネジメント強化を図る 「チームリーダー制」 築を図り、自分の担当領域で悪いものをつくらない 「自工程完 など、 自工程完結の完成度を高める取り組み 結」 を全社で目指すため、2007年1月、BR自工程完結推進室 を積み重ねています。2007年度からは源流 * を設置。 1990年代から取り組む製造現場に加え、 2007年度か 対策をさらに進め、 悪いものの発生原因ゼロ らはスタッフへ自工程完結を展開しています。事後のチェック を実現するために、 生産現場での活動の徹底 や手直しに頼らず「仕事の良し悪しをその場で判断でき、その に加え、生産技術、設計と一体となって図面 時点で対処できる」 ことを目標に、 スタッフへの啓発活動を推進。 からよくして活動をさらに推進しています。 プリウスラインのインライン 計測センサーゲート 説明会の実施、各部・各グループの実務テーマ登録、その事例 展示会を行う等、イントラネットに理解を促す「自工程完結 ホームページ」 を立ち上げました。2008年度は、 グループ企業 や海外事業体にも取り組みを一部展開していきます。 *BR(Business Reform) :特定のテーマに対応するため開設される室 品質に対する開発分野の取り組み 開発分野ではお客様に喜ばれ、 安心して使っていただける商 品をタイムリーに提供できるよう、 すべての技術者が 「お客 様第一」を念頭にCF活動を推進することで、 開発の完成度向 上に取り組んでいます。 具体的には過去の不具合や開発の振り返りから、 高い品質を 確保するために開発の中で「誰が、 いつ、何をすべきか」 を定 めた品質向上施策を、 車両開発業務へ確実に織り込むととも に、 実務者一人ひとりへの定着化を図ってきました。 また、 市場での車両保有期間の長期化や海外の生産、 販売拡 大にともなう車両の使用環境変化に対応するため、 経年車の 回収調査や海外市場での お客様の視点から業務や提言が行える従業員を育て るため、消費生活アドバイザー認定制度創設当初 から資格取得を積極的に支援。社内勉強会や受験費 用補助を行いながら、1991年には 「トヨタ消費生活 アドバイザーの会」 を発足し、 社内への消費者志向意識 の浸透を図ってきました。 現在では、 単独企業トップと なる約200名の有資格者が在籍しています。会では 消費者視点による自社製品、CM・カタログ、施設 チェックをはじめ、 社内への啓発活動や意見交換会、 異業種交流会など活発に活動を展開。 2007年度は、 トヨタ会館の展示や元町工場の見学 使われ方調査を進めてき ルートをお客様目線で確認。また、 トヨタ相談セン ました。得られた結果は、 ターへの*ミステリーコールによる応対品質向上に 随時、 製品へフィードバッ 向けた提案活動等を実施しました。 クするとともに、 この活動 *ミステリーコール:評価スキルを持つ専門員が一般顧客を装ってコールセンターに 電話をかけ、 問い合わせ等に対するオペレーターやその上位者の電話応対内容を 実態調査するもの。 を通じて若いエンジニアの 育成にもつなげています。 200名を超えた 「トヨタ消費生活アドバイザーの会」 試験終了後の部品検討会 57 C o l umn 長寿社会を支えるパートナーロボットの開発 ∼ロボットが介護や家事をする時代をつくる∼ トヨタの社会に対する責任を果たすためにもっとも重要なことは、事業活動を通じてお客様と社会のニーズを満たし、貢献す ることです。少子高齢化、人口動態の変化等、大きな社会の流れを捉えた上で、蓄積してきた自動車技術やIT技術、 また、 そ の他分野の先進技術などとも協力・連携し、 パートナーロボットの開発・実用化を進めます。 人と共生するパートナーロボットの開発 約15%の人が介護を必要としている現状 2007年12月、 MEGA WEBにおいて 「トヨタ・パートナーロ では、 なぜ福祉分野からなのか? そこには、 早急に手を打た ボット」の開発概要を渡辺捷昭社長自らが記者発表に臨み なければならない社会的ニーズ、少子・高齢化という日本の ました。開発ビジョンは「企業の社会的責任」 「地球・社会と 大きな社会問題があるためです。2005年、65歳以上人口は の共生」 に基づき、 トヨタは3つのサステイナビリティを通し 2,682万人、 総人口の20%を超えました。 これに少子化が加 て 「地球や社会の持続的な発展への貢献」 を果たしていくこ わり、推計によると65歳以上人口が総人口に占める割合は とです。同時に、新たな開発ロボット2体が紹介されました。 2055年には40%以上になります (下グラフ参照) 。 すべての 1体は 「バイオリン演奏ロボット」。介護・医療支援、家庭内の 人が健康に過ごせればいいのですが、 加齢によりさまざまな 家事支援を念頭に、 「道具を使うロボット」 として開発された 疾病や障害が生じてきます。現実に、介護保険事業における ヒューマノイドロボットでした。もう一体は「モビリティロ 要介護(要支援)認定者数は、第1号被保険者(65歳以上) で ボット」 。 高齢者の移動を支援するロボットです。 実用化に向 430万人を超えています (2007年10月) 。 けた開発拠点である広瀬工場開発棟では、製造支援の分野 このような高齢化社会をいかに支えていくのか。 少子化とい だけでなく、 福祉分野を大きな視野にロボット開発が進めら う、 もう一方の人口問題と重ね合わせれば、若い人的資源に れています。 福祉分野ロボットを中軸に、 クルマの高度化、 モ 頼るには過酷な状況と言わざるを得ません。 もちろん、老老 ノづくり支援と連携して互いの技術を高め合っていく。 これ 介護となればますます問題は深刻になります。 人を持ち上げ がトヨタのロボット開発のコンセプトであり、 クルマから創 たり、動かしたりする肉体的負担は、 お年寄りでなくても決 出する新分野への進化として“人と共生するパートナーロ して軽くはありません。 また、介護疲れと言われる中では精 ボットづくり” を目指しています。 視野にする福祉分野は 「介 神的な負担の大きさも見逃すことができません。 その介護を 護・医療支援」 「パーソナル移動支援」 「家事支援」。 それも極 ロボットに任せることで、 誰に気兼ねすることもなく、 いつで めて具体的に、2010年代から “ロボットのいる暮らし”へ向 も頼みごとをして、身の回りの世話をしてもらう。メンタル けて順次実用化を進める計画です。広瀬工場では実用化ト な面でもロボット介護のメリットは図りしれません。 ライアルに向けた本格的な評価を2008年年初から始めて います。そして、 介護・医療支援ロ ボットの現 場ト 80 ライアルを2008 60 年度中にトヨタ 40 記念病院で開始、 そ の 後 、他 病 院 へも展開します。 58 人口ピラミッドの変化 2005年 (歳) 100 2030年 2055年 20% 32% 41% 80% 68% 59% 20 渡辺社長によるロボット開発概要の発表会 0 0 50 150 250 出典:平成19年版厚生労働白書 0 50 150 250 0 50 150 250 (万人) 2010年代の家庭への普及を目指して ロアまでを可能にしました。 介護は誰にも身近な問題です。持続的な発展に向けた社会 今後は階段のある多層階から、 さらに街中へ、 あらゆる路面 の要請があるなら、 トヨタとしてやるべきことをやる。 これ を自律して動ける移動技術の完成を目指しています。さら がトヨタの事業活動における基本スタンスであり、パート に、要介護者支援リハビリロボットとして着用タイプのロ ナーロボット開発の原点です。2010年代には病院や施設は ボット開発も併行して進んでおり、 たとえば半身にマヒがあ もちろん、 家庭にもパートナーロボットを提供します。 る人のリハビリにも有効性が期待されています。 トヨタが目指すパートナーロボットは、人と空間を共有する 一方、 ロボットを産業化していくためには、産・官・学の連携 ロボットであり、 「かしこさ (知的能力) 」 と 「やさしさ (身体能 が不可欠です。特に、実際にロボットを家庭に普及させてい 力)」を備えた、人に役立つ知能化機械と位置づけられてお くためには、人とロボットとの共生を図る安全規格を決め、 り、高いコミュニケーション能力と人に合わせる作業能力、 普及への制度づくりを急がなくてはなりません。 これは国際 安全・安心のやわらかい動作能力が求められています。 これ 的な規格づくりが進んでおり、 トヨタは積極的に国際会議に を実現するための要素技術として、 「人と協調する技術」 「移 参画して発言や提言を行っています。 もうそこまで来ている 動技術」 「全身運動能力」 「道具を使う能力」 の4つの領域にお ロボットを受け入れるための社会制度づくりが、 すでに必要 いて開発を進めています。 さらに、 これらに脳の働きや認識 な時が迫っています。 などの先端の科学と技術を組み合わせ、介護・医療分野では パートナーロボットの研究開発についてはホームページでも公開しています。 患者さんのベッドからの移乗、 リハビリ支援、 歩行介助、 モノ を取ったりすることができるロボットの実用化に取り組ん でいます。 また、行動範囲も一部屋レベルから単一の広いフ http://www.toyota.co.jp/jp/tech/robot/ 2008年から実用化トライアルを開始 2008年 製造モノづくり支援 パーソナル移動支援 201X年 トヨタ工場内にて、実用化を継続 社内 娯楽・商業施設 病院 介護・医療支援 家事支援 移動技術 2010年 未来モデル住宅 2010年代の早い時期に実用化を目指す 抱き上げ移乗支援 トヨタにおけるロボット開発のあゆみ トヨタはグループとして1970∼1980年代にかけて産業用 「ロビーナ」 は3本指でサインも書けますが、 さらに両腕と両 ロボットの開発を推進。 溶接工程や塗装工程などでは多く 手の動作に巧みに協調する5本指ロボットの開発に力を注 の作業をロボット化し、 組立工程では搬送ロボットを中心に いでいます。 2008年には広瀬工場に新開発棟が完成。 開発 人の作業をサポートしており、 品質の向上面においても貢 拠点の強化を図り、 分散するロボット実験場を集約して開 献しています。 2001年、 蓄積した産業ロボット技術と自動 発と先端研究を加速します。 パートナーロボット部は現在 車の制御技術、最新のITテクノロジーを集結。"夢のあるモ 100名体制で研究開発に取り組んでいますが、 3年後まで ノづくり"をテーマに 「愛・地球博」 に向けたロボットプロジェ に2倍の人員に増強する計画です。 クトを立ち上げました。 2005年にはパートナーロボット部 を設立。 2007年、 身振り手振りを交えて音声対話する施設 案内パートナーロボット 「ロビーナ」 をトヨタ会館に導入し ました。 この他に時速7kmで走る二足歩行ロボット、 介助犬 ロボット、 あらゆる路面を自律移動するモビリティロボット、 バイオリンを弾くロボットなど数多くのロボットを開発。 介助犬ロボット 案内ロボット 楽器演奏ロボット 59 ユニバーサルデザイン (UD) すべての車種にUDの要素を盛り込み ウェルキャブ販売台数1万7千台、 シェア73.1% 「すべての人に快適な移動の自由を提供する」。この理念のも と、 トヨタユニバーサルデザインの展開の一つという位置づけ 自動車は、 「あらゆる人があらゆる場面で利用する」 移動手段で のもとに福祉車両「ウェルキャブ」 の開発と普及に取り組んでい す。 トヨタは 「多様化したニーズとそれに応えるクルマの関係」 ます。多様化する福祉車両へのニーズに応えるラインアップの という視点に立ち、 「人にやさしいクルマづくり」 に取り組んで 充実をつねに図り、 2007年度は27車種56タイプを展開。 車いすに います。 人間工学に基づくユニバーサルデザインもその一環で、 乗ったまま車内に乗り込めるリモコン操作の電動ウィンチを採用 使う人や場面に応じた製品開発を行っています。 2003年にはUD した「ノア/ヴォクシー車いす仕様車」をはじめ、車いすのまま への取り組みを体系化し、より実践的な製品開発を可能にす 運転席への乗降ができる「ポルテ フレンドマチック車ウェル る2つの評価指標を定めました。一つはさまざまな体格や身 ドライブ」、自操式の「ラクティスフレンドマチック車」を発売 もうひとつ 体機能への対応度を表す*エルゴインデックスで、 しました。また、ご利用の便を図り、全国10ヵ所に開設する はお客様の使い方 (シーン) への対応度を表すシーン適合度、 で ウェルキャブ専門常設展示場「トヨタハートフルプラザ」には、 す。 この2つの評価指標をもとにUDを評価し、 お客様の声を積 1万1,323組(前年比103%) のお客様にご来場いただきました。 極的に取り入れて車両開発を進めています。 2007年度の例としてはフルモデルチェンジしたノア/ヴォク シーに 「チャイルドケアモード付、ロングスライドマルチ回転 シート」 を搭載しました。 このシートは外側に回転させることが でき、 チャイルドシートを装着していてもクルマの外から子ども を楽に乗せたり下ろしたりすることができます。 またステップ が低くアシストグリップを装備しているので、子どもでもス ムーズな乗り降りが可能になりました。 これらは一例であり、 すべての車種でUDの要素が取り入れられています。 ワイヤレスリモコンで操作する標準装備の電動ウインチと フラットな床面で介護の方の負担を和らげます。 ウェルキャブ販売台数とシェアの推移(国内) (台) ロングスライドマルチ回転シート *エルゴインデックス:人間工学(ergonomics)と指標(index)を組み合わせたトヨタの造語 20,000 18,000 16,000 14,000 12,000 10,000 8,000 6,000 4,000 2,000 0 販売台数(年度) ’ 96 ’ 97 ’ 98 ’ 99 シェア (年度) ’ 00 ’ 01 ’ 02 ’ 03 ’ 04 ’ 05 (%) 17,128台 100 90 73.1% 80 70 60 50 40 30 20 10 0 ’ 06 ’ 07 海外事業体の取り組み事例 卓越したお客様品質実現のため、 チームワークとコミュニケーションを強化 南アフリカ・TSAM(Toyota South Africa Motors) 60 TSAMは市場でのブランド力を向上するため、 新型カロー 販売員向け研修でも、 営業部員と技術部員が机を並べて ラの導入にあたり、 「卓越したお客様品質」 の実現に取り組 受講するという新たな方法を導入。 連帯感を強めました。 みました。 製品のみならず、 マーケティング、 PRから、 お客 広告マーケティング・キャンペーンでは、 従来にない 「ファ 様やメディア向けのイベントに至るまで徹底して、 卓越し ミリー・ピクニック形式」 の試乗 た品質を提供する取り組みです。 このため、 社内でのチー 会を開催。 ヨハネスブルグなど ムワーク強化とコミュニケーションの質向上を図りまし の主要都市で、 5,500人を超え た。 ライン作業者300人全員が工場内全工程を見直すと るお客様を招待し、 カローラの 同時に、 販売店を訪問。 カローラの試乗も体験しました。 製 よさを実感できるよう、 毛布や 造、 船積み、 販売の現場を知ることで、 オペレーション全体 食べ物など、 あらゆる要素に洗 を把握し、 自分たちの役割について理解を深めました。 練さと上質感を伝えました。 販売店のショールームに 展示されているカローラを 点検するライン担当者 従業員とのかかわり 従業員とのかかわり グローバルにトヨタウェイを 共有しながら、 多様性の尊重と人材育成実施 トヨタループス(株) (2008年5月設立)完成予想図 信念や価値観を整理、 集約した 「トヨタウェイ2001」 。 これを ため、 従業員として共有すべき価値観と行動指針としてグロー 尊重、安全・衛生など、従業員への諸施策の基本を「トヨタ ウェイ2001」 に置き、 よりよい職場づくりを推進しています。 労使双方で 「21世紀に向けた 労使の決意」に調印。さらに 「相互責任」 を明記しました。 その後も幾多の話し合いを Sustainability Report 2008 バルに展開。 同時にコミュニケーション、 人材育成、 多様性の して掲げました。 1996年には ─ 「トヨタのモノづくり」 と 「お客様満足」 を世界中で実現する 社会側面 創業以来、暗黙知として脈々と受け継がれてきた経営上の 通じ、 労使の相互理解と相互 信頼を積み上げています。 労使宣言調印式 「8万人職場コミュニケーション活動」 を浸透 トヨタでは、 これまでも 「何でも話し合える職場風土と良好な トヨタウェイの共有 人間関係づくり」 を目指し、多様なコミュニケーション施策 従業員の生活安定、自己実現、成長と企業の発展は車の両輪で を展開してきました。その一環として、現在、グローバルに あり、労使相互信頼・長期安定、 コミュニケーションを精神的基 事業が拡大する中で円滑なコミュニケーションの再強化を 盤としています。 「トヨタウェイ2001」 はこの基盤のもと、 「知恵 図るため、2006年6月から 「8万人職場コミュニケーション と改善」 「人間性尊重」を柱に、 「チャレンジ」 「改善」 「現地現物」 活動」を全社展開しています。2006年度は、全職場・全従 「リスペクト」 「チームワーク」 の5つのキーワードでまとめられて 業員で職場コミュニケーションの状況を点検し、 課題の抽出と います。現状に満足せず、問題意識に基づいて知恵を絞りつづ 対策の立案・実行に取り組みました。また、2007年度は、 けること、 あらゆるステークホルダーを尊重し、従業員の成長と 「職場コミュニケーションの重要性」 の浸透・定着を目指し、 会社の成果を結び付けること、 この2つを念頭に行動すること すべての部において 「職場コミュニケーションの充実・強化」 が謳われ、 グローバルトヨタで展開しています。 を方針に掲げ、 各部での取り組みを主体とした活動を推進し てきました。 そして2008年度は、 「活動の総仕上げ」 として、 チ ャレ ン ジ 夢の実現に向けて、 ビジョンを掲げ、 勇気と想像力をもって挑戦する。 労使相互信頼・長期安定 改 善 常に進化、革新を追求し、絶え間無く 改善に取り組む。 Continuous Improvement 現 地 現 物 ないように、 さらなる職場での定着活動を推進していきます。 職場力を向上させるコミュニケーション 仕事の成果 知恵と改善 現地現物で本質を見極め、素早く 合意、決断し、全力で実行する。 職場コミュニケーション向上の取り組みが一過性に終わら Respect for People 人間性尊重 会社としての成果・成長 リス ペ クト 他を尊重し、誠実に相互理解に努め、 お互いの責任を果たす。 コミュニケーション 職場力 チームワーク 相互信頼・相互責任に基づく労使関係 1947年の金融引き締め強行(ドッジライン)による自動車需要の 激変は、1950年に至って人員整理を巡る大規模な労働争議を引き 起こしました。創業者豊田喜一郎の社長辞任と引き換えに組合は 提案を了承、事態は収束しました。1962年には「労使宣言」を締結。 を労使関係の基盤と 過去の労働争議を教訓に、 「労使相互信頼」 成果を生み出すための基盤 人材を育成し、個の力を結集する。 仕事の基本プロセス + チームワーク + 人事育成 円滑なコミュニケーション 〈職場〉 仕事をきちんと 行うための コミュニ ケーション 仕組み・ツール ●上司との面談 ●始業前ミーティング・昼礼 職場ミーティング、I・TIME ●OJT など 人間関係を よくするための コミュニ ケーション 仕組み・ツール ●日常のあいさつ ・上司の声かけ ●HUREAI行事 ●各種懇談会 など 管理職の意識 ●部下に関心を 持つ ●部下を大切に する、尊重する など 〈全社〉 仕組み・ツール ●経営トップの メッセージ ●方針管理 ●SAMIT など 仕組み・ツール ●インフォーマル活動 ●HUREAI day、 駅伝大会 ●相談窓口 など 61 多様性の尊重 「ダイバーシティ・プロジェクト」以降の取り組み 企業がグローバルに活動を行う場合、世界を視野に「多様 多彩な人材の活用」を行うと同時に、 「 人材育成」による 個々人の能力を高めることが何よりも重要です。 多様な人材を人材育成により、育て、戦略化することによ り、活気ある企業風土が形成されます。 トヨタは多様な価値 観、発想を互いに尊重し合いながら、働く人々にとって魅力 的な自己実現の場となる職場や企業でありたいと願ってい ます。多様性の尊重は国、地域により重視される点は異なり ますが、日本の課題は女性、障がい者、高齢者、非正規社員 雇用のさらなる活用です。 多様な才能、 価値観を受け入れ、 活 用することは、 トヨタにとって極めて有効な刺激になり、 イノ ベーションにつながると考えています。 年度 女性の視点からとらえた企業課題の解決を通して、より 多様性のある活力ある職場をつくり出すため、2002年に 「ダイバーシティ・プロジェクト2002」を発足。さまざまな 支援施策を導入して女性の活躍推進を図ってきました。 2007年1月に新設したBRキャリア・ライフデザイン室が 中心となって、 「仕事と育児の両立支援」 「キャリア形成支援」 「風土・意識改革」を軸に施策の推進に取り組んでいます。 2007年度は「キャリアサポートブック」を配布。また、キャ リア形成支援として社内イントラネット 「そだててねっと」 にさまざまなフィールドで活躍している女性社員をロール モデルとして掲載したり、新制度の詳しい情報を発信した キャリア形式支援 ●風土・意識改革キャンペーンの実施 ●仕事と育児の両立支援制度の導入 ●育児休暇期間の延長 ●柔軟な勤務時間制度 2002 ・勤務時間の短縮措置 ・フレックスタイム制のコアタイム廃止措置 ・部分的在宅勤務 ●子の看護休暇 ●ウェルチョイスにおける育児サービスの充実 ●キャリアデザインフォーラムの開催 ●育児休暇復帰後の キャリア相談シートの導入 2003 ●事業所内託児施設「ぶぅぶランド」 の開設 の開設 2004 ●事業所内託児施設「ぶぅぶタウン」 ●再雇用制度(プロキャリア・カムバック)の導入 2005 ●事業所内託児施設「ぶぅぶパーク」 の開設 2006 ●立ち仕事に従事する女性への妊娠期休暇制度の導入 ●仕事と育児の両立ハンドブック配布 2007 「キャリア支援」 を推進 仕事と育児の両立支援 ●BRキャリア・ライフデザイン発足 ●T-Wave「そだててねっと」開設 ●ポスト・フラット化の人事組織改革 ●業務職新人事制度 ●上司向け冊子「キャリアサポートブック」配布 ●柔軟な勤務時間制度の一部改定 ・勤務時間の短縮等の措置 2008 ・部分的在宅勤務 ・子の看護時間(子の看護休暇を変更) ●常1直勤務のトライ実施 トヨタの目指す、女性の活躍を支援する姿 事技系 ●育児をしながら室長・グループ長を 担う女性が多数います ●海外事業体に指導的役割で 出向する主任クラスの女性が 各地域で多数活躍しています 技能系 ●製造ラインで、女性が チームリーダーとして 多数活躍しています ●製造ラインで、女性が育児期も 継続的に技能を磨いています ●多数の上級業務職が実務の リーダーとして活躍しています りしています。自発的な能力向上やキャリア形成、育成に関 する上司とのコミュニケーションの活性化に役立つように しています。 トヨタの正社員数(単体) 女性の育成へ向けて「キャリアサポートブック」配布 男 女 合計 人数 62,524人 6,468人 68,992人 平均年齢 39.8歳 30.3歳 38.9歳 ともに、育成する側の上司の理解とサポートが必要です。そ 勤続年数 18.8年 10.3年 18.0年 のため、BRキャリア・ライフデザイン室では「育成」 と 「両立」 女性の活躍推進では女性従業員の自律的、自発的な姿勢と 2部構成の「キャリアサポートブック」を作成。2008年1月、 ※2008年3月末 各職場のグループ長以上に配布しました。御領室長は「各種 育児休職制度と柔軟な*勤務時間制度の利用状況 女性支援制度の認知を高めること、育成のサポートを目的 (人) 350 317 300 250 200 150 100 50 0 に、 まず多くの女性従業員の声を聞き 2 248 4 214 4 198 176 3 2 73 ました。 育児との両立では懐妊から職 1 2 3 6 8 179 174 127 93 ’ 03 ’ 04 ’ 05 ’ 06 ’ 07 (年度) 育児休職者(男性) 柔軟な勤務時間制度利用者(男性) 育児休職者(女性) 柔軟な勤務時間制度利用者(女性) *勤務時間の短縮措置、部分的在宅勤務など 62 場復帰までのバックアップ計画表 『キャリアプランシート』 を添付、現在 までに100人ほどが提出しています。 『この本を活用して独自の勉強会を開 催したい』 などの声が幾つかの部署か らあります」 と反響を語ります。 キャリアサポートブック ライフ (株)」 による3年満了予定者のトヨタグループ会社へ 社内の障がい者雇用促進とともに、社会に障がい者の雇用 の正社員登用制度「*JOIN3」を開始。正社員を希望する方 機会を広げるために、 「トヨタループス (株) 」 を設立。 2009年度 と、 よりよい人材確保を求めるグループを結ぶかけ橋となっ の事業開始と同時に特例子会社の申請をおこなう予定です。 ています。 「JOIN3」 を通じてグループ会社の正社員になった 2007年度の社内への採用実績は、聾学校・一般高校から 方からは 「JOIN3の担当の方には親身になって相談にのって 18人を定期採用。不定期採用(通年) では全国のハローワー いただき、本当に感謝しています」 と喜びの声が寄せられて ク、国立職業能力開発校から15人を1年間で採用しました。 います。 なお、 「JOIN3」 の2007年度の実績は154人です。 知的障がい者も12人在職、 生産ライン等で活躍しています。 2008年4月末における全雇用人員は955人、雇用率は 従業員とのかかわり 障がい者の雇用機会拡大 *JOIN3:Job (仕事) とIntroduce (紹介) と3年満了を合わせた造語。 期間従業員の方で3年間の 期間満了後に正社員での就職を希望する方を、 トヨタで3年間勤務し製造スキルを習得した 人材を求めるグループ会社に紹介する制度。 トヨタすまいるライフ (株) が仲介。 社会側面 1.86%です。 1,800人の定年退職者を再雇用 ─ 1991年の技能職定年退職者を対象とした社内再雇用制度 の導入に続き、2001年には社外就労希望者に関係会社の 就労と社外就労の両面から60歳以降の働き方を支援する 仕組みを作ってきました。 2006年度の改正高齢者雇用安定 法施行に合わせて、社内再雇用の対象を全従業員に拡大 障がい者雇用拡大へ 「トヨタループス (株)」 を設立 障がいのある方の雇用充実に取り組む一方、社会 するとともに、選定基準の見直しを行い、 より多くの従業員 的な雇用機会の拡大に貢献していくため、 2008年 が再雇用される制度へと見直しを行いました。 また、多様な 5月「トヨタループス(株)」を設立しました(トヨタ 就労希望に対応するため、 短時間勤務の拡充などの見直しも 100%出資)。 併せて実施しました。 その結果、 2006年以降、 新規再雇用者が 新会社では重度の身体障がい、知的障がいのある方 大幅に増加し、 社内においては、 2008年4月現在で約1,800人 を中心に採用を行い、2009年5月からトヨタ本社 の再雇用者が在籍し、長年の会社生活で培った技能や専門 (豊田市) と名古屋オフィスにおいてトヨタの印刷業務 能力を活かし、 活躍しています。 や郵便物受発信業務の受託事業を開始。 特例子会社 の認定申請も行う予定です。初年度採用は約30名。 定年退職者数と再雇用者数推移 (人) 1,600 1,600 1,400 1,200 1,200 5年後に約70名規模とするとともに、グループ企業 1,600 へ障がい者雇用促進のために蓄積したノウハウ、 情報 の提供や支援を図っていく考えです。 また、働く障が 1,100 1,000 1,000 い者にとって施設面・制度面で「オール5」の労働環 900 境を整備し、障がい者と健常者がともに働けるユニ 900 800 バーサルな環境づくりも推進していきます。今後も 600 “トヨタとしてやるべきこと”を“トヨタらしく (考え 400 200 0 100 ’ 03 Sustainability Report 2008 就労先を紹介する 「選択式再就労システム」 を導入し、社内 100 ’ 04 200 ’ 05 定年退職者 ’ 06 ’ 07(年度) 再雇用者 方や取り組み方など)”着実に進め、社会と調和する 職場づくりを目指したいと考えています。 非正規社員の正社員雇用制度拡大 正社員のほかに嘱託、受入出向者、派遣社員、期間従業員 など非正規社員が働くトヨタでは、特に期間従業員に対 する雇用制度の充実に努めています。 本人の希望を尊重しな がら、 これまでに契約期間の延長(最長3年)、契約2年目の 期間従業員への優遇措置や能力向上機会を整備した 「シニア 期間従業員制度」、 「正社員登用制度」 を導入してきました。 2008年6月現在、 期間従業員の在籍者数は約8,500人、 うち シニア期間従業員は約2,700人。2007年度の正社員への トヨタループス (株) (2008年5月設立)完成予想図 登用者数は1,250人です。 また、 2007度から 「トヨタすまいる 63 人材育成 した。 さらに、 教育体系の構築を目指すグローバルトヨタへの 「トヨタウェイ」の実践を人材育成の根幹とし、その5つの 協力を開始。 その一環として、 TMAP-EM (タイ) にトヨタから キーワードを基軸に教育プログラムの充実を図っています。 赴いた講師は「現地講師による、現地での自主開講が目標 優れたモノづくりの継承と発展に欠かせないのは、 各職場に です。 今回は50名が対象、 みな優秀でした。 現地講師へのアド おける日々の仕事を通じた人の育成です。OJT(職場での バイスを行っています」 と取り組みを語っています。 教育・訓練)を基本に置き、 トヨタウェイによる「価値観の *TTDC:トヨタテクニカルディベロップメント株式会社、 トヨタ開発・設計分野の開発パートナー会社。 共有と伝承」を最大のテーマに教育体系を整備、展開し ながら、活力ある職場づくりに取り組んでいます。 グローバルトヨタの技術者育成協力の考え方 海外開発拠点 グローバルにコア教育を展開するトヨタインスティテュート 協力 トヨタインスティテュート (TI) は 「トヨタウェイを実践でき R&Dラーニングセンター教育 (トヨタ、TTDC、ICT) る人材の育成」 を使命として2002年に設立されました。 世界 中のトヨタの人材が共有すべきトヨタウェイやその実践のた 協力 めの仕事の手法 (問題解決、 部下指導などのノウハウ) をトヨタ TMC資格 トヨタ自動車 新入社員∼ 若手・中堅 クラス グローバルな事業展開の加速 海外赴任前教育・ キャリア採用者導入教育 各階層別教育 方針管理 問題解決 トヨタウェイ 部下指導 等 新任管理者教育 主任職(※2) 海外事業体 グローバル コンテンツ プロによるスパイラルアップサイクル にともない、生産準備、生産 技術の革新 管理物流、工場運営、TPS等、 TPSの進化 さまざまな分野でのプロ人 標準化 材が求められています。この プロ人材を育成するため育成 プログラム「Pro-WIN」を展 革新ライン (GBL・GEL・ ・ ・) 開しています。 「Pro-WIN」 は ショップ別 ベストライン 「一人ひとりが目標とする人 ※1 基幹職:マネージャークラス ※2 主任職:係長クラス 小集団化活動を事技系職場に拡大 フィードバック グローバル 展開・運営 号口化 材になるまでの育成を計画的・継続的に実行できる仕組み」 です。 ①若手は3年で一人前を目指す ②目指すプロ像を明確にした育成 2006年から 「組織・集団として力を高める大切さ」 をテーマ ③計画的な育成異動 に、 職場力の向上をねらった組織の小集団化を進めています。 等を3本柱としています。 これは、グローバルな事業の急拡大など経営環境が大きく さらなるレベルアップ目指して教育体制の整備等を行っています。 変化する中、 トヨタの強みの源泉である「チームワーク」を 再認識し、 トヨタの 「教え/教えられる企業風土」 の再構築を 目指す取り組みです。 コミュニケーションや人材育成を基盤 とする 「チームワーク」 「職場力」 の強化として、 2007年1月に 育成ビジョン 全員から 「やってよかった。続けるべき」 と感想が寄せられま ・設備技術 レベル4 ・工程技術 レベル3 ・要素技術 レベル3 ・設備技術 レベル2 プロジェクトリーダー 開発リーダー PJTを一人で遂行 開発を一人で遂行 深堀・担当拡大 要素技術深堀 (20%) Will 一人ひとりが 目指す プロ人材像 個人別の長期 ・ 短期育成計画 Interact 相方向で合致 育成 移動 情報システム での 継続管理 3年で一人前(部品生準を一人で実施) ・生準知識取得(教育・実習) ・業務ステップ習得/実施(リピート) (に)一人ひとり が到達する Needs 組織にとっての プロ人材 教育 風土」 の醸成へ向け、 若手主任職を実践研修として講師に登用。 要素技術プロ 業務 す。 2007年度の受講者は約730名。 また、 「教え/教えられる 1∼3年 開発設計技術者を対象に、 約2ヵ月間40講座を展開していま 育成スキーム ラーニングセンター」 を開設。 トヨタ、TTDC、海外事業体の * 4年目以降 R&Dラーニングセンターの教育の継続と海外展開 工程・設備プロ (80%) (で)グローバル 競争に勝つ プロ人材 (例)生産技術部の育成ビジョン 人事制度」 を柱とした人事・組織改革を実施しました。 技術部門新人教育体系を見直し、2006年4月に「R&D Pro-WINとは プロ人材『目標』 と 『スキーム』 目標 事技系職場に 「組織の小集団化」 と 「人材育成をより重視した Pro-WIN(Professional-Will Interact Needs) のしくみ 基幹職 「チームリーダー制」 を技能系職場に導入。 2007年7月には、 64 協力:教育の仕組み・教材提供 生産・生技分野のプロを育てるPro-WIN継続 経営幹部 育成教育 基幹職(※1) 車両開発委託先 主要仕入先 のコア教育として世界各国の事業体に展開しています。 トヨタインスティテュートの教育体系 協力 安全・健康 * GPCは、海外の現地採用従業員の技能習得をより効率的に、より 従業員の安全・健康の確保は、企業活動で最も大切なものの スピードアップを図ることを目的の一つとする人材育成機関です。 一つです。2008年年頭のあいさつで渡辺捷昭社長は 「安全は 国内工場より高技能の技能員を集め、技能訓練のための訓練機器、 作業の入り口であり、安全と健康は何ものにもまさる」との アニメーションや動画などを駆使したマニュアルによる訓練方法を 考えを示し、 トヨタの安全衛生基本理念のもと、 「職場の一人 開発・展開、技能習得期間を短縮してきました。また、GPC方式の研 ひとりが安全と健康を自ら考え実践する風土・文化づくり」 を 修を海外事業体へ展開し、米国・英国・タイの3ヵ国/地域に「地域 今年度会社方針の重点実施事項の第一番目として掲げました。 GPC」 を発足。日本での研修で認定取得した地域GPCのトレーナーズ この重点実施事項に基づき、安全についてはすべての職場を トレーナーが、各地域でGPC方式の研修を実施しています。 対象に全員参加での 「相互啓発型安全文化づくり」 を展開し、 ついては生 活 欧州GPC 習慣改善活動、 メンタルヘルス GPC (2005年設立) トレーナー : 8人 研修者 : 2007年度より 地域GPCとして本格研修開始 活動を推進し、 北米GPC (2006年設立) トレーナー : 14人 研修者 : 300人/年 従業員の健康 Sustainability Report 2008 (2003年設立) トレーナー : 150人 研修者 : 2,500人/年 ─ 豪亜GPC 社会側面 結果としての災害ゼロを目指しています。また健康づくりに GPCの海外展開 (2006年設立) トレーナー : 19人 研修者 : 800人/年 従業員とのかかわり GPC(グローバル生産推進センター) の取り組み継続 づくりを支援し ています。 「安全衛生基本理念」 (豊田英二最高顧問の直筆) 労働安全衛生マネジメントシステムの浸透 *GPC:Global Production Center ICT(海外事業体からの社員の受け入れ)の取り組み継続 2007年度は、 2005年に策定した第5次 「安全・健康5ヵ年方針」 の 3年目にあたります。安全・健康推進活動では、 トヨタの労働安全 * 衛生マネジメントシステム(OSHMS)を推進してきました。 海外事業体従業員を対象に展開するプログラムです。1年半∼ 2008年度は、 安全文化づくりのため職場主体で安全と健康を実践 2年の期間、日本でOJTを柱に、仕事を通してトヨタウェイの習得 する自立型・相互啓発型の仕組み整備と活動推進、労働安全衛生 を図り、帰国後は各事業体や地域に貢献できる人材育成に取り マネジメントシステムの継続と徹底、 グローバルに推進する仕組み 組んでいます。2000年以降、 グローバル化の進展により受け入れ づくりの3つを柱に従業員の安全と健康づくりを推進していきます。 ICTはトヨタウェイのグローバル展開と人材交流・育成を目的に、 人数も急増、現在518名(2008年4月時点) が在籍しています。 *ICT:Intra Company Transferee 労働安全衛生マネジメントシステムの枠組み ▼安全衛生方針の表明 C ol u m n P:計画 ▼活動計画の立案 D:実施 ▼活動の展開・推進 問題解決トレーナー養成研修の展開 リスクアセスメント リスク低減活動 〈維持活動〉 〈レベルアップ活動〉 人 ・作業改善 /教えられる風土」のグローバル展開の一環として、問題 物 ・安全基準制定 ・設備改善 C:チェック A:改善 問題解決を実践できる人材育成をねらいに、海外事業体 ・点検・維持 人材・ 予算の 確保 記録 各層の 役割 明確化 教育の 実施 ▼自己監査 ▼社内監査 に合格した修了者は、現地トレーナーとして社内の仲間へ 労働災害発生頻度 (休業度数率) 現在までに75事業体、350名を 2 認定。自立化を進める海外事業 全産業 1.5 体では、従業員の自信や達成感 製造業 自動車製造業 1 の醸成にも役立っています。 *TBP:Toyota Business Practices 時間の 確保 文書 整理 手順の 設定 関係事項 の周知 ▼点検・職場観察、評価 のトレーナー候補者に対し、1週間の教育訓練を実施。検定 学んだことを教えていきます。 法順守 トヨタインスティテュートでは「トヨタウェイ」 および「教え ・ルール設定 標準作業設定 ・教育訓練 トレーナー養成に取り組んでいます。 トヨタの 解決(*TBP) ▼体制の整備 労働者の 意見の 反映 問題解決トレーナー養成研修風景 トヨタ 0.5 0 ’ 04 ’ 05 ’ 06 ’ 07 (年) 65 健康づくり 生活習慣病未然防止の徹底 2007年度は生活習慣改善活動を重点項目とし、 BIP2活動を 生活習慣病予防の観点から、メタボリックシンドロームが 展開しました。内容としては、 「健康づくりもPDCA」 を活用 注目されています。これは腹囲が基準オーバーで、血糖、 ・禁煙 した職場単位の健康づくり活動、 BMI(肥満指数) 血圧、脂質のうち、2つ以上の項目がデータ異常に該当した 教室を実施しました。 こうした活動と環境整備によりBMI、 状態です。2008年4月からは40歳以上の保険加入者を *1 *2 喫煙率はいずれも減少しましたが、目標の数値には達しま 対象に特定健診の実施と、予備軍と診断された者に対する せんでした。2008年度は全従業員を対象としたメタボ 特定保健指導が義務づけられました。 リックシンドロームに対する健康支援、 職場主体の禁煙活動 こうした動きに対応するため、 トヨタ の強化に取り組みます。 では健診対象年齢を36歳に拡大し、 特 *1 *2 BIP2活動:Behavior Change Innovation Program(行動変容プログラム) により、 BMIと喫煙率の2項目を指標にした生活習慣改善運動 2 BMI:体重(㎏)/身長(m) で求められる肥満度指数。標準値は 22.0で、24.2以上の割合を目標値に設定 BMI 70 60 50 40 55.0 47.0 32.3 30 55.4 45.0 や各工場・事業所で開始しました。 また、生活習慣病未然防止のため、 『トヨタ健康ハンドブック』を作成し BMI・喫煙率・*3健常者率 (%) 80 定健診をウェルポ(下記コラム参照) 喫煙率 健常者率 56.4 56.9 41.6 39.2 29.1 28.5 27.7 ’ 05 ’ 06 ’ 07 て全従業員に健康に関する情報提供 を行いました。 トヨタ健康ハンドブック 20 10 0 ’ 04 (年度) *3 健常者率:定期健康診断の結果、 疾病の所見が無い受診者の割合 メンタルヘルスケアの充実 職場のケアとして、管理監督者にメンタルケアの重要性・ ノウハウについてのリスナー研修を実施。JMI(Japan Mental Health Inventory)調査データと健康相談状況に 基づいた再発防止活動の展開、 異動・昇格者健康フォロー等の 変化点管理など、 メンタルヘルスに関する早期発見・対応を 実施しました。 また、 新任主任・中堅技能職に関してはストレ ス解消法を理解してもらうセルフケア研修を実施。 2007年度 からはメンタルヘルスによる休職者の復職支援として臨床 心理士によるカウンセリングの試行を始めました。 全体的な メンタルヘルスについてはイントラネットで情報を提供し フォローしています。 2008年度は、セルフケア研修の拡大、復職支援カウンセ 健康支援センター 「ウェルポ」 で節目健診開始 2008年3月、豊田市岩倉町に完成した健康支援セン ター「ウェルポ」で、 4月よりトヨタ健保加入従業員と その家族を対象に36歳以上4年に1度の節目健診を 始めました。 健診の内容はメタボリックシンドロームの評価を含む健 康診断と健診結果に基づいた学習会で、 1日あたり90 名の受け入れが可能になっています。 この節目健診は、 グローバル企業にふさわしい健康づくり体制の確立、 自 立的な健康づくり活動につなげていくことが目的です。 節目健診の受診者からは、 「当日の健診結果説明があり、 健康の振り返りとして参考になった」 「夫婦で健康目標 を設定・確認し合うことができてよかった」 などの感想 が聞かれました。 リングの展開、未然防止のための職場支援活動を推進して いきます。 海外勤務者の健康管理強化 海外勤務者は勤務地によって医療機関の差があるため、 国内 の勤務者に比べて健康支援状況が異なります。 2007年度は 健診受診計画表を作成し、未受診者のフォローを行い、受診 率が向上しました。 また、定期的に現地医療状況を把握する ため、中国、中近東、中南米の状況把握と現地勤務者への フォローを実施しました。今後は、受診率のさらなる向上 と、地域ごとの医療体制把握に努めていきます。 66 健康支援センター 「ウェルポ」 従業員とのかかわり 海外事業体の取り組み事例 「トヨタ工業技術学校」 が開校から一年経過 インド・TKM(Toyota Kirloskar Motor) は、 「僕のように貧しい生徒にこんな機会が訪れるとは夢に しました。 今後のインド市場の成長を念頭に置き、 生産の も思いませんでした」 と言い、 バサバラジ君は 「村の友人 拡大および、 さらなる品質向上を視野に将来計画を策定 の多くが、 僕が入学できたことを羨ましがっています」 と するなかで、 TTTIは優秀な人材の育成に貢献します。 話します。 教師たちは、 生徒が独自のカリキュラムを楽し TKMは、生徒の募集に当たり、地方の中学校卒業生に く、熱意を持って学んでいると見ています。教師の一人、 門戸を開放。 授業料や生活費はすべて、 同校の経営幹部が サジャン氏は「生徒たちはとても吸収が早い。自律心と 負担。全寮制で3年間の専門技術教育を行っています。 学びへの意欲がそうさせるのだと思います」 と話します。 社会側面 TKMは2007年に 「トヨタ工業技術学校(TTTI)」 を設立 カリキュラムは工業科目に加え、塗装、溶接、自動車 ─ (組立/整備)、 メカトロニクスの4つの専門コースを設 Sustainability Report 2008 置。 トヨタウェイをはじめトヨタの仕事の進め方などを 講義に組み込み、現地現物を重視してTKMでの技能実 習も実施しています。 2007年8月には開校式が行われ、 榎泰邦在インド日本大使(当時)やTMCの木下副社長 などが出席しました。 現在、 同校では64人の青年が学んでいます。 入学試験の ほか筆記テスト、 技能テスト、 身体測定、 面接、 健康診断に より選ばれた生徒たちです。 生徒の一人、 ハリシュ=ビー君 インド工業技術学校で熱心に学ぶ生徒達 従業員満足度は65%から70%に向上 タイ・TMT(Toyota Motor Thailand) TMTは、従業員が仕事の際に幸せであることが結果と 度の基本であるコミュニケーションの向上の一環として、 して仕事の効率、 質の向上にもつながるとの信念のもと、 また、 マネジメントレベルが従業員満足度に最も影響を 従業員に対する諸施策を立案、実行しています。その 与えることから、 マネジメント層が役割や責任を理解で 一環として、上司、同僚、職場環境、仕事の内容、成長の きるように、人事部門がマネジメント層とのコミュニ 機会などに関し従業員満足度を調査しました。調査結 ケーションの時間を設け、 マネジメント層の役割の重要性 果の従業員満足度に最も影響を与えるのは、マネジメ について話し合っています。 ントのレベルであることがわかりました。調査結果によ れば、従業員満足度全体としては、会社、職場に満足し ているという比率が2006年の65%から2007年には 70%へと改善し、向上する傾向にあります。これはグ ローバル企業の平均より高く、人事専門の国際的コンサ ルティング会社、 ヒューイット・アソシエーツの従業員 満足度の分類では最も高いゾーンに位置しています。調 査結果は、従業員満足度の向上に活用。TMTは結果に 基づき、 満足度に重要な影響を与える分野でさらに改善 を図るための方針管理を実施。 方針に基づき、 部署ごとに 対策を実施し、 解決策を策定しました。 また、 従業員満足 TMTは従業員満足度の向上に取り組む 67 ビジネスパートナーとのかかわり ビジネスパートナーと築く 持続可能な社会 ジュネーブショーに出展したiQ ビジネスパートナーとの関係においては、法とその精神を ③良き企業市民を目指した現地化の推進 遵守し、オープンでフェアな企業活動を推進しています。 国際化が進展する中で、現地生産を積極的に推進してい サプライヤー、販売店などのビジネスパートナーとは、 ます。現地生産にあたっては、地元の企業として地域の 相互の信頼に基づく繁栄を目指し連携していくことに より、社会や地球の持続可能な発展に貢献しています。 社会・経済に貢献できるよう、現地のサプライヤーから の調達を積極的に推進しています。 サプライヤーとともに グローバル仕入先総会で 「安全・品質・CSR」 を徹底 トヨタは創業以来、 サプライヤーと一体となったモノづくりを 2008年2月、世界のサプライヤーにトヨタの取組方針を 追求してきました。 サプライヤーとともに苦労を重ね、 「互助 伝える「トヨタグローバル仕入先総会」を開催。海外93社、 と共生」 による強固で緊密な関係を築いてきました。 トヨタ 国内348社の計441社より約700名が参加しました。 開会に の活動がグローバルに広がる今、 新たなパートナーとの関係 あたり、 笹津副社長から 「つねに、 『お客様にとってよいクルマ』 も含め、 こうした緊密な関係をこれからも大切にしていきた を考え続け、サプライヤーの皆様と力を合わせて製品化し いと考えています。 ていく努力を続けたい」 と挨拶がありました。 その後の調達 調達の基本方針 「世界で最もよいものを、 最も安くタイムリーに、 しかも長期 方針説明会では、新たな成長ステージでの飛躍に向けた礎 を築いていくため、 「 環境・安全を中心とした技術開発」や 「拡大する新興国への対応」の取り組み強化について説明 安定的に」調達するためには、あらゆる国・地域のサプライ するとともに、 企業活動 ヤーとの緊密な連携が不可欠です。 サプライヤーとトヨタが のベースとなる 「安全・ 互いを尊重した対等な立場で取引きを行い、 固い信頼を結び 品質・CSR」の徹底を 合い、 ともに成長・発展する関係づくりこそ、調達の最重要 お願いしました。また、 課題と認識しています。 トヨタでは、次の3点の基本方針に 品質・原価・技術開発 基づきグローバルな調達活動を展開しています。 など優れた成果を上げ たサプライヤーに対し ①オープンドアポリシーに基づく公正な競争 取引を希望される国内外のサプライヤーに対して、国籍、 企業規模、取引実績の有無を問わず、 オープンで公正かつ 公平な参入機会を提供します。 サプライヤーの選定にあたっ ては、品質、原価、技術、納期などの能力に加え、継続的な 改善に取り組む経営姿勢、 体制などを総合的に勘案します。 ②相互信頼に基づく相互繁栄 トヨタは、長期的なビジョンの中でサプライヤーと相互 繁栄できる取引関係の確立を目指し活動します。その 基礎となる相互の信頼関係を築くため、 サプライヤーとの 密接なコミュニケーションを図っています。 68 表彰も行われました。 「グローバル貢献賞」を受賞したサプライヤー サプライヤーとともに推進するCSR調達の浸透 「環境に関する調達ガイドライン」 (1999年3月発行) の対象 業種や取組項目を拡充し、 2006年3月に 「TOYOTAグリーン 調達ガイドライン」 を発行しました。 その中で、 企業の社会的 側面の重要性から、 トヨタのCSR基本方針である 「社会、 地球 の持続的な発展への貢献」 の支持・共有をお願いしています。 また、 コンプライアンスを基本契約の項目の一つに定めてい ます。部品、資材、設備、工事、物流などの業種約1,000社を 対象に、 2006年4月よりこのガイドラインの運用を開始する とともに、 ISO14001の外部認証の取得や環境負荷物質の管理 等、 各社の取組状況をフォローします。 からの参加者合わせて過去最高の約2万4,000人が訪れま 企業の社会的責任 (CSR) の基本となるのがコンプライアンス した。展示会では品質実績、不具合事例、CF活動、改善事例 です。 サプライヤーとともにコンプライアンスに関する勉強会 について展示したほか、全社方針である 「品質は工程で造り を実施し、 法令遵守の徹底をお願いしています。 2007年度は 込む-自工程完結-」 について特設コーナーを設けました。参 10月に 「自動車産業適正取引ガイドライン」 に関する説明会 加者からは「サプライヤーとの一体活動からトヨタの姿 を行い、 独占禁止法・下請法遵守に向けた取り組みをお願いし ビジネスパートナーとのかかわり コンプライアンスに関する勉強会実施 勢 が 伝 わって き た 」 ました。 この説明会には、 1次サプライヤー327社、 約600名が 「不具合の教訓はさっ 参加。 12月には欧州の新化学物質規制REACHへの確実な対 そく自 社で展 開した 応を図るため、国内サプライヤーに説明会を実施しました い」などの声が寄せら 内容については、事例 情報交換会」 を実施し、参加したサプライヤー254社258名 集を作成し各社に後 に対し、労務関連の法令・ルールの確認と遵守をお願いし 日配布しました。 自工程完結の特設コーナー ─ また、 継続的な取り組みとして、 6月に 「労務コンプライアンス 社会側面 れました。展示された (510社、 約1,000名) 。 ました。 Sustainability Report 2008 さらに、2008年4月には輸 出取引管理についての連絡 会を行い、 サプライヤー60 社に外為法等輸出関連法令 地震対策好事例の共有化 の遵守の徹底、社内の管理 2007年は能登半島(3月)、三重亀山(4月) と大きな地 体制のチェックなどをお願 いしました。 欧州REACH規制説明会 協豊会・栄豊会向け安全研修を実施 震が続き、 2007年7月の中越沖地震は、 サプライヤーを はじめ、多くの施設に被害をもたらしました。震度6を 超えるような大地震は東海地区だけでなく全国どこで サプライヤーの安全については、 「安心して作業できる環境 起きてもおかしくないといわれています。 このような状況 づくり」をキーワードに自社における取り組みの強化を を踏まえ、 「人命第一」の立場から地震に対する優れた お願いしています。 予防対策例を社内外から集め、 「 地震対策好事例集」 2007年度は協豊会、栄豊会各社の実務責任者(安全の を作成し協豊会・栄豊会メンバー320社に配布しました。 番人)を対象にグローバル安全衛生教育センターの視察 冊子では、 耐震化を建屋の耐震対策・落下物対策・設備の 並びに懇談会を行いました。 転倒/ズレ対策という3つの視点から分類し、視点ごと 研修は6∼10月の5日間、計10回実施し、計271名の参加 の施策を写真入りで紹介しています。たとえば、建屋の 者がありました。研修では生産模擬ライン、異常処理教育、 耐震化では補強柱や筋交いの追加、落下物対策では落 技能講習の現場視察のあと、参加者からの質問や各社の 下防止ワイヤーやネットの追加、転倒防止では壁への 課題について懇談しました。懇談では活発な意見交換、質疑 棚の固定などを紹介。また、避難路の確保や二次災害 応答がなされました。出席者の感想は「大変参考になった」 (火災)防止の好事例を紹介しています。巻末には協豊 会自主研究会が作成した 「地震対策実施状況調査票」 を 「自社展開の手が かりになった」 「対 加え、協豊会・栄豊会各社が自主点検をする手助け 応策を検討したい」 としました。配布を受けたサプライヤーから 「自社内や など好評でした。 ま 取引き先に展開す た、参加した各社の る際に、大変参考 役員・部長クラスが になる」などの声 研修内容の社内展 が聞かれました。 開を行います。 安全研修会 仕入先品質事例展示会を開催 サプライヤーとともに品質向上に取り組むため、 毎年トヨタ 本社で 「仕入先品質事例展示会」 を開催しています。 第8回目 配管の地上化により破損の 防止と見える化が可能 の2007年は11月13∼23日に開催し、 サプライヤーと社内 69 販売ネットワークとともに 海外代理店とのかかわり トヨタの 「お客様第一主義」。 この理念が問われる最前線、 そ れが販売ネットワークです。 トヨタと販売店は、 製品・サービ 店と契約を結んでいます。 販売店はトヨタの直接のお客様で スの優位性や価値である 「トヨタバリュー」 を共有し、 固い信 あり、 「トヨタバリュー」 を一般のお客様に伝える最前線でも 頼関係に結ばれた一心同体のパートナーとして、 お客様の満 あります。 代理店と 「トヨタバリュー」 を共有するため、 販売の 足に応える取り組みを推進。お客様満足のたゆまぬ向上を トヨタウェイを共有するさまざまな活動を実施しています。 図るため、 トヨタからのさまざまな支援、 販売店からのお客様 の声のフィードバックなど、 つねに双方向の密接なコミュニ 販売店サポートを目的に各国モーターショー出展 ケーションのもと、 活動を展開しています。 トヨタはブランドイメージの高揚と販売店の販促支援の 援しています。2008年3月にはジュネーブモーターショー e の 歓び w nin g に、 コンセプトカー 『iQ』 を出展しました。 『iQ』 は、 「環境問題 マ クル of Joy 革 N e 新性 xt S ta O トヨタ バリュー Th 海外 国内 TMC a ・社会への誠実 環境 さ 全、 e to Societ y 安 Tru 代理店 生販一体会社 Qu 販売店 た品質 越し 卓 xperiencee E y lit 品質 える ion 超 ectat p 販売店 向上を目的に、 各国のモーターショーに出展ならびに出品支 Beyo 期待 nd を Ex お客様 がクローズアップされている状況にあるなか、持続可能な 未来の実現にはクルマのパッケージングにおいて根本的な 革新が必要」 という考えのもとに発生したモデルです。環境 性能ではCO2排出量削減を念頭に燃費を追求し、CO2排出 ndard 量99g/km(欧州燃費基準)を達成。 トヨタ車として初めて 100g/kmを切りました。 欧州の代理店からは「燃費重視の欧州ユーザーにベスト フィットのクルマで、 国内販売店 トヨタのこのクルマに 国内販売ネットワークは直接契約を結ぶ約300社、 5,700販売 かける熱意に共感し 店舗 (U-Car含む) です。 2000年にまとめた 「国内営業トヨタ た」 「環境戦略のイメー ウェイ」 では、第一にお客様、第二に販売店、第三にメーカー ジリーダーとして、積 という基本理念を掲げています。 お客様第一主義のもとに、 極的に販売していきた トヨタはお客様と販売店の期待に応える立場に徹し、 お客様 い」との反応がありま 満足へのサポートをPDCAで高めていくことにより、 販売店 した。 の発展=トヨタの発展が実現すると考えています。 ジュネーブショーに出展したiQ 本社地区(豊田市) でトヨタ世界大会開催 よりきめ細やかな対応を目指す販売店のCSR活動 トヨタは海外代理店の代表者を対象に、 トヨタの方針を伝え トヨタ自動車販売協会(ト販協)は、2005年「トヨタ販売店 るため4年に一度世界大会を開催しています。 2007年10月 CSRガイドライン」を発行、2006年、通常総会において 25∼31日、その世界大会をこれまでで初めて豊田市で 「CSR宣言」 を採択。 オールトヨタ一体となって 「地球・地域社会か 開催しました。 2007年はトヨタの創立70周年であり、 本会議 ら愛される存在」 を目指すため、 コンプライアンス、環境対応、 においては質的フロントランナーとしての新しいビジョンや 社会貢献を3本柱に、販売店として各ステークホルダーの 企業姿勢、役割を再確認しました。 また、渡辺社長が「3つの 満足度向上に取り組んでいます。 2007年度は、 自主監査ツール サステイナビリティ」 について説明。本社地区開催の機会を である 「コンプライアンス・環境チェックリスト」 を改訂。 各種法 活かし、技術・商品開発における最先端の取り組みを見て 改正を反映するとともに、 よりきめ細かな対応を目指すため、 いただきました。 さらに一部プログラムでは、 工芸体験コース 販売店での具体的事例も織り込みました。 また、全国の販売店 を実施しました。 日本文化発祥の地、 京都にて京友禅や扇面絵 代表者を対象に、弁護士による講演会やメーカー担当者による 付等のものづくりの原 説明会を東京、名古屋 点を理解していただき で開催。のべ900名が ました。 参加者からは、 参加し、 「企業が健全に 「トヨタファミリーとし 発展する上で社会的責 ての一体感が醸成さ 任を果たすことの必要 れ、 トヨタの将来を確 性が理解できた」 などの 声が寄せられました。 70 海外では、代理店や地域統括会社を通して約7,900の販売 信した」などの感想を 東京地区で開催されたCSR説明会 いただきました。 本社地区で開催された世界大会 ビジネスパートナーとのかかわり 国内市場の活性化に向けて ∼クルマの魅力を伝える、新しいさまざまな提案活動∼ 少子・高齢化など社会環境の変化によって国内市場が縮小する中、 お客様と向き合い汗を流しながらがんばる販売店に 対して、 トヨタはメーカーとして何ができるか、 何をなすべきか。 それは"きずな"を大切に、 "基本"に忠実に、 お客様にクルマ の魅力や楽しさを原点から伝える新しい提案をさまざまな角度から発信していくこと。 そして、販売店の信頼に応え、 将来に向けて一層の施策や支援に汗を流すこと。 トヨタはお客様に満足いただくため、 品質にこだわるモノづくりとともに、 国内市場の活性化に向け、 販売店とともに新しいカーライフやサービスの提供に取り組んでいます。 社会側面 メーカー主催の魅力体感イベント、 「ドライブ王国」 ─ Sustainability Report 2008 「ドライブ王国」 は、 クルマの魅力や進化をお客様に体感していただくため、 メーカー として初めて主催する試乗会企画です。 2007年12月、 第1回目を東京お台場で開催。 新型車28車種74台を用意し、 より安全で快適、 環境配慮されたクルマの性能や機能、 楽しさにふれていただきました。2日間の試乗会に約1万3,000名のお客様に来場 いただき、 「関心が高まった」 「新しいクルマがほしくなった」 「次ある時はまた来る」 など 多くの声をいただきました。 今後、 各主要地域での開催を予定しています。 東京お台場で開催された 「ドライブ王国」 お買い物の間に整備が終わる 「その場で、車検」 販売店テクノショップが展開する 「その場で、 車検」 (販売店により名称が異なる場合があります) 。 複数のサービススタッフが作業を 同時進行し、 終了後直ちに検査員が順次チェック、 1時間ほどで車検を終えます。 整備スタッフの技術力、 チームワーク力に加え、 トヨタは車検作業から検査までをトータル研究。ムダのない作業を実現するシステム台車、 オイルと冷却水を同時に回収で きるドレーン台車、人手を省く冷却水注入装置を開発し、代車手配の要らない効率のよい車検作業をサポートしています。 販売店のアフターサービス情報:http://toyota.jp/after_service/ 目指すのは、地域の皆さんに喜んでもらえる街づくり オートモールと商業施設が融合した、 大型複合商業施設 「トレッサ横浜」 は、 クルマを 通した生活の愉しさを再発見していただける“街づくり”を目指しています。街は ファミリーで楽しめるテナントをはじめ、 地域の方がサークル活動などに利用できる コミュニティハウス、 公共性の高いクリニックモールや郵便局などで構成されています。 親子ゾーンにある 「でこぼこモータース」 は、 自分だけの一台をつくり、 乗れる体験アト ラクション。 他にもモノづくりのお店が多くあり、 またクルマ関連イベントも実施して おり、 お客様に喜んでいただける “街づくり” を進めていきます。 親子が協力してデコレーションした 自分だけの一台 全チャネルの販売店を招き 「プリウスカップ」 を開催 交流と情報交換の場として、 茨城、 栃木、 群馬の全チャネルの販売店を対象に、 2007年 12月に第1回 「プリウスカップ」 (エコラン自動車競技) を開催しました。 本格的なピット を用意した競技には豊田章男副社長も加わり、 各販売店チーム、 トヨタチーム、 さらに 販売店サービススタッフがテクニックを競い合いました。 同時に、 自信と誇りを持って お客様に薦めていただけるように、 自ら体感することで商品の優位性への認識を深め ました。 「プリウスカップ」 は2008年も引き続き開催します。 第1回プリウスカップでのサーキット走行 かけがえのない一台 トヨタ自動車創立70周年の2007年11月3日、 「お客様にとって、 かけがえのない一台」 という全面広告を全国各紙に掲載。 これは1969年に連載した企業広告のリバイバル で、 「70年間ブレていないトヨタの想い」 を伝えるための広告でした。 現実を見ながら 絶えず改善を続けるのはトヨタのDNAであり、 「一にユーザー、 二にディーラー、 三に メーカー」 という言葉は今も変わりません。 「お客様にとって、 かけがえのない一台」。 この想いはいつの時代も変わることはありません。 宣言編(左) とサービスエンジニア編(右) 71 海外事業体の取り組み事例 販売代理店の研修担当マネージャーの会合をホスト、 ノウハウ吸収 中国・TMCI(Toyota Motor(China)Investment) 2007年8月、 中国・北京で5日間かけて、 Retail Training および 「販売店における人材育成」 について、参加者によ Managers Meeting (RTMM)を、 TMCが開催しました。 る討議・発表が行われました。参加した販売代理店は今 海外販売代理店への販売・マーケティング方法の定着・ 回のRTMMで推奨された発表準備プロセスおよび販売 改善を推進するGKC(グローバル・ナレッジ・センター) プロセスの標準化等取り組みを持ち帰って実施し、 活動の一貫として開催したもので、代理店21社の研修 2008年9月開催の第7回RTMMで実施状況を報告する 担当のマネージャー32人が参加。 過去6回中最大規模の 予定です。 なお、TMCIからは、今回会議をホストしたこ 会合となりました。 参加販売代理店間で販売店教育情報 とにより 「先行実施国で標準化された有益な情報が入手 や経験を共有することにより、各国教育プログラムの できた」 と評価しています。 質の向上と、開発の効率化がねらいです。 なお、今回TMCIがホストとして会議を行うことにより、 各国のノウハウの吸収、 中国への水平展開を図りました。 会議では、 ホスト国である中国市場の動向が紹介された 後、初参加国であるインド、インドネシア、台湾、タイで の事業展開や、 オーストラリア、 ブラジル、 欧州での、 販売 店における 「販売のトヨタウェイ」 の推進状況についての 発表がありました。 また、 中国の販売代理店2社の課題へ のアドバイスとして、 「効率的な販売店教育体系の構築」 第6回RTMM会議 取引き先の労働安全衛生の取り組みを強化 タイ・TMT(Toyota Motor Thailand) トヨタは、作業者の目線に立った「安心して作業できる した展示会も開催しました。stamping partメーカーに 環境づくり」をキーワードに、 「現地現物による確認」や ついては工場の監査も行っています。2008年は事故件 「安全の番人の育成」など、さまざまな提案を通して取 数ゼロを目標に掲げ、CCCF活動の徹底や日常的な安全 引先の労働安全衛生の取り組み強化を支援してきました。 管理を通して、 取引き先の労働安全衛生の取り組みを強化 海外の事業体でも、 同様の取り組みが始まっています。 しています。 こうした活動は、 タイの自動車市場における TMTは2006年に、Completely Check Completely TMTの競争力強化にもつながっています。 Find-Out( CCCF:完全なチェックと完全な洗い出し) 活動を開始しました。生産現場で危険なポイントを洗い 出し、 リスクを評価し、対策を取り、安全管理方法を視 覚化して掲示するものです。2007年度にはこの一環と して主要な取引き先140社の労働安全衛生への取り組み 状況を監査し、 「 優」 「 良」 「 可」 「 改善が必要」 という4つ のグループに分類。各社の段階に応じた対策を進めて います。 2007年4月には、 全取引き先を対象に労働安全衛生に関 するミーティングを実施。 部品や原料を提供する取引き先 236社が参加しました。同月には安全と品質をテーマに 72 2007年4月に開催された 労働安全衛生に関するミーティング 株主とのかかわり 株主とのかかわり 安定成長の実現を 目指して ニューヨークで開催されたインフォメーションミーティング するとともに、長期的な視点に立った安定成長を実現して ことが株主の皆様の利益につながり、 ひいては長期にわたる (円) 180 500 150 400 120 300 90 200 60 100 30 0 長期安定的な成長を通じた企業価値の向上 ’ 04/3期 ’ 05/3期 ’ 06/3期 ’ 07/3期 ’ 08/3期 0 ’ 04/3期 ’ 05/3期 ’ 06/3期 ’ 07/3期 ’ 08/3期 トヨタの財務戦略の基本方針は、 「成長性」 「効率性」 「安全性」 株主還元 の3つの柱から成り立っています。中長期的にバランスを トヨタは株主の皆様への積極的な利益還元を重要な経営方針の とりながらこれらの3つのポリシーを実施していくことが、 一つとして位置付け、企業体質の充実・強化を図りつつ積極的な 安定的かつ持続的な成長を可能にし、ひいては企業価値の 事業展開を推進し、1株当たり利益の継続的な増加に努めます。 増大につながると考えています。 こうした方針のもと、2008年3月期の1株当たり年間配当金は ①「成長性」 :技術力、供給力、販売力の質向上のための 継続的な先行投資 前期より20円増の140円とさせていただきました。これは過去 最高かつ9期連続の増配です。今後も、毎期の業績、新規投資計画 新たに市場を創造するための技術力、 グローバルな需要に 等を勘案しながら、連結配当性向30%の早期実現を目指すと 応えるための供給力、市場ニーズを的確にとらえるため ともに、1株当たり配当金の増額基調の継続に努めていきます。 の販売力を向上させるべく、研究開発・設備投資を、効率 化を図りながら積極的かつ継続的に行っていくことが重 要と考えています。 ② 「効率性」 :収益性と資本効率の維持・向上 グローバルコアモデルの展開による効率的な商品投入、 2007年度発売のモデルからその成果が出始めた 「VI活動 (原価低減活動) 」 のさらなる推進、 需要の高い地域へフレ キシブルに商品を供給する生産体制の整備、高岡工場の 革新ラインに代表される高効率な生産技術の開発・導入 などにより、高水準な収益性を維持していきます。また、 事業・財務状況と成果の適時かつ適正な開示 株主や投資家の皆様に長期的かつ安定的にご支援いただくためには、 投資判断に有用な会社の状況について説明責任の遂行が大変重要で あると考え、企業情報や財務情報の適時適切な開示に努めています。 また、全社的活動として「情報開示委員会」を設置し、開示すべき財務 情報・重要情報の正確性、公正性および適時性の確保に努めています。 ディスクロージャー書類の一覧 ■決算報告書 http://www.toyota.co.jp/jp/ir/financial_results/2008/index.html 自己株式の取得を継続的に実施することも併せ、 収益性と ■第104期報告書(第104回 定時株主総会招集ご通知添付書類) 資本効率の維持・向上を図ります。 ■アニュアルレポート ③ 「安全性」 :強固な財務基盤の維持 豊富な流動性と安定した株主資本を持つことにより、 強固 な財務基盤を維持しています。 これにより、原材料価格の 高騰や急激な為替変動など厳しい事業環境においても、 設備投資や研究開発など、 将来の成長に向けた投資を継続 することができます。 また、 借入債務に対する信用格付けを 高水準に保つことで、一時的な信用収縮局面においても、 低コストかつ安定的な資金調達が可能となっています。 Sustainability Report 2008 ご信頼・ご理解につながると考えています。 1株当たり配当金 (円) 600 ─ いくことにあります。そして、 こうして企業価値を向上させる 連結1株当たり当期純利益 社会側面 トヨタの経営の基本理念は、事業活動を通じて社会に貢献 http://www.toyota.co.jp/jp/ir/stock/shareholders.html http://www.toyota.co.jp/jp/ir/library/annual/index.html ■有価証券報告書 http://www.toyota.co.jp/jp/ir/library/negotiable/index.html ■米国SEC年次提出書類 http://www.toyota.co.jp/jp/ir/library/sec/index.html ■コーポレート・ガバナンス報告書 http://www.toyota.co.jp/jp/ir/library/cg/index.html ■トヨタの概況 http://www.toyota.co.jp/jp/about_toyota/gaikyo/index.html ■サステイナビリティレポート http://www.toyota.co.jp/jp/csr/report/index.html 73 地域社会・グローバル社会(安全への取り組み) 「交通事故死傷者ゼロ」、 「事故を起こさないクルマ」 を 実現するために 安全装備が充実した新型クラウン これからもクルマが交通手段として発展していくために は、負の要素である環境負荷、交通事故、渋滞などを最小に することが重要です。 トヨタは社会との協調を図る「安全 基本理念」 のもと、 総合的なアプローチでより安全なクルマを 開発し、安全への取り組みを推進しています。 予防安全 ナビ・ブレーキアシスト ナビゲーションの*地図情報に基づき、一時停止の存在を画 面と音声でドライバーに知らせるシステムです。 バックカメ ラで道路上のペイント標識を認識し、 地図情報と照合して一 時停止線までの正確な距離を把握します。 そして、一時停止 「人・クルマ・交通環境」 の三位一体の取り組み 「交通事故のない世界」。この究極の目標を達成するためには より安全なクルマづくり、 ドライバーや歩行者への啓発活動、 交通環境整備への提言が不可欠です。 トヨタはモビリティ社会 の究極の願いである「交通事故死傷者ゼロ」を実現するため、 「人・クルマ・交通環境」三位一体の取り組みを推進しています。 2006年8月に打ち出した、技術開発の方向を示した 「統合安全 コンセプト」 は、 各種センサーが集めたクルマの挙動や交通環境、 ドライバーの状態などの認知情報に基づき、 コンピュータが支援 内容を判断して安全システムを作動、各運動ステージでドライ 線に接近しても減速しない場合にはドライバーに注意を 喚起し、その後、 ドライバーの急ブレーキ操作を支援する 「ナビ・ブレーキアシスト」が作動します。このシステムは、 新型クラウンに搭載しました。 *地図情報:東京23区、横浜市、名古屋市、大阪市の片側2車線以上の 道路に進入する一時停止交差点が対象。今後、順次拡大予定。 ナビ・ブレーキアシスト 画面表示と音声で案内 止まれ ポーン、この先一時停止があります。 止まれ 注意喚起 バーを的確にサポートするものです。 交通安全啓発活動 トヨタ ドライバーコミュニケーション 幼児向け交通安全教材の贈呈 トヨタ・チャイルドセーフティコミュニケーション トヨタセーフティスクール トヨタ交通安全キャンペーン トヨタ交通安全センター モビリタ クルマの安全性の追求 交通環境整備に向けて 人 安全なクルマづくりの考え方 トヨタのITSビジョン アクティブセーフティ (予防安全) ITSへの取り組み パッシブセーフティ (衝突安全) 将来のモビリティ社会 プリクラッシュセーフティ 公的活動への参画 統合安全コンセプト クルマ 交通環境 安全基本理念 ①健康で豊かなモビリティ社会への貢献 ピピッ、一時停止です。 約100m ナイトビュー (歩行者検知機能付) 夜間走行時、車両前方の見えにくい歩行者、障害物、道路状況 を映像化する装置が「ナイトビュー」です。ハイビームの光を フィルターにより近赤外光のみ 前方に照射し、近赤外線カメラで 撮 影 し た 映 像 を ファイン グ ラ フィックメーター上に表示します。 トヨタは常に「人」中心に考え、クルマを通して「人」が快適に移動 できる交通死傷者のないモビリティ社会を目指します。 車両前方40∼100mに歩行者を ②社会との協調 んで点滅させるとともに歩行者の グローバル社会の一員として、政府・自治体などをはじめ幅広い 層と積極的に協力し、交通環境改善・安全意識向上に努めます。 ③安全な車両の開発 事故分析に基づき必要な 「予防安全」 技術と 「衝突安全」 技術を世界に 先駆けて開発し、 より多くの皆様に提供できるよう取り組みます。 検出すると、映像全体を黄枠で囲 位置も黄枠で囲んで表示します。 歩行者を検知する機能の搭載は、 近赤外光を用いたシステムとして は世界で初めてです。 新型クラウン ハイブリッドに搭載しました。 74 2人目が検出されても 1人目はそのまま表示 地域社会・グローバル社会 ︵安全への取り組み︶ プリクラッシュセーフティ 進化したドライバーモニター 新しいドライバーモニターでは、 従来検知していたドライバー の顔の向きに加え、 目の開閉状態を検知することができるよう になりました。衝突の可能性があり、 ドライバーの目が通常 インフラ協調型安全運転支援システム の瞬きより長く閉じている場合には認知ミスの兆候であると 車両に搭載された個々の安全装備・システムを進化 判断し、 早期に警告を発し認知の遅れに対応します。 さらに衝 させると同 時に、IT S 技 術を活 用した「インフラ 突の可能性が高まっても 協調型安全運転支援システム」の開発に積極的に ドライバーの状態が改善 レーキによって体感的に カメラ撮影範囲 ドライバー モニターカメラ 警告し、衝突不可避と判 情報を道路に設置されたセンサーとクルマ、 あるいは クルマとクルマが通信することで「事故を起さない ドライバーモニターカメラの作動イメージ 速度を低減するとともに、 夢のクルマ」 の実現を目指します。 すでに行政と連携 ─ 断した場合はプリクラッ シュブレーキにより、 衝突 取り組んでいます。 「インフラ協調型安全運転支援 システム」 では、 クルマのセンサーではとらえきれない 社会側面 されない場合には警報ブ 運転者 した公道での走行実験を実施しており、 実用化に向け Sustainability Report 2008 取り組んでいます。 プリクラッシュシートベル トの作動により、衝突被 害低減を図ります。新型 クラウンに搭載しました。 上下まぶたを検知し、左右眼開度を算出 衝突安全 全方位コンパティビリティ (共存性) 公道走行実験 「コンパティビリティ」 は、重量・車高の異なるクルマ同士の 衝突時、 自車と相手車両の共存を追求する概念です。 この概念 を取り入れて、 自車より重い2トンクラスのクルマとの前面・側 面・後面からの衝突安全実験を実施しています。 トヨタ独自 の厳しい目標を設定し、 全方位からの衝突に際し自車と相手車 両双方の安全を確保するボディ構造を追求しています。 ドライビングシミュレーターの開発 歩行者保護 交通事故を低減する技術の開発には、 ドライバーの 対人事故の際、 歩行者への傷害を軽減するため、 ボンネット、 カウ 運転特性解析が欠かせません。 しかし、居眠り運転、 ル、 フェンダー、 バンパーなどに衝撃吸収構造を採用しています。 わき見運転、飲酒運転といった運転特性の解析に実 サイド&カーテンシールドエアバッグの標準化 した運転特性解析を安全に行うため、 東富士研究所の クルマ側面からの衝突により強い衝撃を受けた場合、乗員 一角に最新型のドライビングシミュレーターを開発・ 車を使用することには、 危険が伴います。 そこで、 こう の安全を確保するためには側面のエアバッグが有効です。 設置しました。運転特性を正確に把握するためには、 側面からの衝突に対してはサイドエアバッグが胸に対する ドライバーに模擬運転であることを感じさせない 衝撃を緩和し、カーテンシールドエアバッグが頭部側面を 必要があります。 そのためこのシミュレーターでは、 覆い頭部への衝撃を緩和します。 このサイド&カーテンシー 車体の加速感や速度 ルドエアバッグの全車への標準装備化を進めています。 感などを「限りなく 実走行に近い」もの にしました。この装 置を活用し、さらに 効 果 的な事 故 防 止 技術の開発を進めて いきます。 ドライビングシミュレーター イストに全車標準装備されたサイド&カーテンシールドエアバッグ 75 地域社会・グローバル社会(社会貢献) サステイナブルな社会の 実現に向けて なぜなにレクチャー in タイ トヨタは「社会から信頼されるよきグローバル企業市 海外の推進体制の強化 民」を目指し、豊かな社会づくりとその持続的な発展の 下記の図に示すように、北米−欧州−アジア−中国の地域 ため、国内外で幅広く社会貢献活動を推進しています。 基本方針 統括会社とトヨタ本社(TMC)を結ぶネットワークを構築 し、 その強化を進めています。地域統括会社を核に、TMCと 連携を取りつつ、地域方針・活動計画を審議します。 トヨタは、 その基本理念で 「国際社会から信頼される企業市民を 目指す」 「地域に根ざした企業活動を通じて、 経済・社会の発展 に貢献する」 と示し、 その解説である 「社会・地球の持続可能な 発展への貢献」 で「コミュニティの成長と豊かな社会づくりを 目指し、社会貢献活動を積極的に推進します」 としています。 この考えに基づき、 社会貢献活動の目的・取り組み姿勢・活動を 基本方針で明確に示し、 グローバルに共有しています。 社会貢献活動の基本方針 目的 トヨタ自動車株式会社と関連子会社(当該表中トヨタ) は、豊かな 社会の実現と、その持続的な発展のため、積極的に社会貢献活動 を推進します。 取り組み姿勢 トヨタは、社会の幅広い層と力を合わせ、持てる資源を有効に 活用しながら、次の世代を担う人材の育成と社会的課題の解決に 向けた社会貢献活動に取り組みます。 社員の インボルブメント トヨタは、社員が一市民として主体的に行う社会貢献活動を支援 します。 情報開示 トヨタは、 社会貢献活動の成果を開示し、 広く社会と共有し、 社会の 発展に寄与することを目指します。 グローバル展開 トヨタは、社会貢献活動基本方針をグローバルに共有し、各国・ 各地域の実状に合わせた社会貢献活動を展開します。 <米 国>TMAを事務局に年3∼4回の社会貢献委員会で戦略的な寄付にかかわる 予算・方針・個別プロジェクトを審議 <欧 州>TMEを事務局に年2回の社会貢献委員会で各国事業体のプロジェクトを 審査し、 優秀プロジェクトを支援 <アジア> TMAPを事務局に年3回のチームトヨタアジアパシフィック会議で各国事業体 トップが各国の取り組み推進を確認。 また、 2007年11月に社会貢献委員会を 新設し、 各国事業体のプロジェクトを審査し、 優秀プロジェクトの支援を開始 <中 国>TMCIが有識者の助言等を参考に、 現地ニーズに応じた活動を推進 海外推進体制 TMA(米国) TME (欧州) TMC TMAP(アジア) TMCI (中国) TTAP(チーム トヨタ アジアパシフィック) (各社トップレベル) TMAP社会貢献活動委員会 社会貢献活動の実績 国内の推進体制 1989年に社長を委員長として関係役員で構成する「社会貢献活動 「環境」 「交通安全」 「人材育成」 の3分野をグローバルな重点 委員会」を最高意思決定機関として設置(2007年10月にほかの機能も 領域とし、 これに各地域の社会ニーズに応じた分野を加えて 統合のうえ「CSR委員会」を新設)。2006年1月には活動の一層の強化 各事業体が主体的に取り組んでいます。 を目的に、 これまで社内に分散していた機能を集約し、社会貢献活動の 日本では3重点分野に 「芸術・文化」 「共生社会」 の領域を加える 専門部署である 「社会貢献推進部」 を発足して活動を展開しています。 とともに、 社員のボランティア活動支援にも力を注ぎながら、 国内推進体制 トヨタの持つノウハウやリソーセスを最大限に活用したプロ CSR委員会 グラムを推進しています。 社会貢献活動分科会 <社会貢献推進部> ■グローバル活動の総括 ■社会貢献自主プログラム (環境、 メセナほか)■交通安全自主プログラム ■トヨタボランティアセンター ■トヨタ博物館 ■産業技術記念館 〔関連推進部署〕 企業PR部 <地域交流・国際交流> 総務部 <地域渉外対応> 東京総務部 <自動車工業会関係> CSR・環境部 <地球環境の保全> 【国内】 グループ会社 販売店 <文化施設> ■トヨタ会館 ■豊田佐吉記念館 ■トヨタ鞍ヶ池記念館 ■アムラックス <関連施設> ■モビリタ ■トヨタ白川郷自然學校 <財団他> ■豊田工業大学 ■(財) トヨタ財団 ■MEGA WEB 環境 2007年度分野別実績 トヨタ単体と主要連結会社 との社会貢献活動実績は 右記の通りです。 ※2その他 〔関連法人/文化施設/財団〕 76 欧州社会貢献委員会 TMEと傘下製造・販売事業体 (社長/マネージャーレベル) 米国社会貢献委員会 TMA/TMS/TEMA(各社トップレベル) 交通安全 約226億円 ※1 ※1 トヨタ単体と主要子会社の 連結ベース 海外事業体の実績は、2007年度 平均為替レートで円換算 ※2 関連施設の運営および目的が複数の 分野にわたる活動はその他に分類 人材育成 芸術・文化 共生社会 10周年を迎え、11月に記念式典ならびにイベントを開催。 地球と社会の持続可能な発展に貢献するため、 環境教育、 環境活動 永年にわたる関係者の協力に感謝の意を表するとともに、 助成、生物多様性保全、植林などの社会貢献活動に積極的に取り 活動を支えていただいた皆様方との交流を深めました。 組んでいます。 ここでは、 その主な活動について紹介しています。 また、2006年度より始めた「親子で森に親しむ森あそびイベ 中国における砂漠化防止活動の支援継続 2001年より中国科学院、 河北省林業局、 NPO地球緑化セン ターと共同で、 深刻な砂漠化が見られる河北省豊寧県におい ント」などには計308名の方に参加いただき、 これらにより 1万509名(学童6,185名)の来場者を迎え、累計来場者数は 約5万9,400名に達しました。 植林を完了。2006年度までに第1期、第2期を終え、砂漠化 とを記念して、2000年度より 「環境改善に資する環境技術・人 の原因に対する対策をとるとともに、 地域住民の生活と環境 づくり」に関する研究・活動を公募・選定し支援しています。 保護の両立への取り組みを行ってきました。2007∼10年 2007年度は500件を超える応募があり、国内外の有識者で までの第3期では、500haの植林を継続する一方、 これまで 構成される選考委員会が実用性や発展性などを審議。 「インド、 の活動の現地定着化を図る ラジャスタンにおける貧困農家のための持続可能なバイオ ため、緑化を担う技術者育 燃料サプライチェーン構築」をはじめとする一般助成12件、 成や緑化の情報発信等の拠 「釧路湿原自然再生住民プロジェクト」 をはじめとする小規模 点となる 「21世紀中国首都 助成(国内のみ)15件を選定 圏環境緑化交流センター」 し、総額約1億6,000万円の を2008年5月にオープンし 助成を実施しました。 植林地(2007年) フィリピンにおける熱帯林再生活動の支援開始 2007年よりフィリピン・ルソン島北部のカガヤン州ペニャブラ ンカ町 (マニラより北へ約500km) にて、 フィリピン環境資源 省、 ペニャブランカ町、 環境NGOコンサベーション・インターナ ショナルと共同で3年間1,772haの植林活動を開始しました。 具体的には、 森林荒廃の原因となっている焚き木採取に対し、 なお2008年は深刻な環境 課題である「地球温暖化」、 「生物多様性」に支援対象を 絞り込みます。 釧路湿原自然再生住民プロジェクト *グローバル500:国連環境計画(UNEP) が持続可能な発展に資する環境保護・改善に功績の あった個人または団体を表彰する制度 トヨタ環境助成プログラムの特集はP8、9ページを参照 焚き木専用林を設置したり、 従業員で議論を進め白川郷自然學校基本理念を策定 住民の生活向上のためマン 2005年4月に開校した 「トヨタ白川郷自然學校」 は、 より多くの ゴー等の果樹を植栽。 中国で 方に環境に対する思いを深めていただくための場を提供するこ 培ったノウハウ、 植林技術を とを目的とした施設です。 2007年度は、 1万6,300名の方にご来 提供し、 地域住民の生活と森 場いただきました。 開校して3年目を迎え、 学校の職員やお客様 林再生を両立させる持続可 をはじめとするステークホルダーに対し自然学校としての理念 能な植林を目指します。 Sustainability Report 2008 トヨタ自動車が1999年に「*グローバル500」を受賞したこ ─ トヨタ環境活動助成プログラム継続 4月より緑化活動を開始し、 これまでの7年間で2,632haの 社会側面 て、砂漠化防止に向けた取り組みを行っています。2001年 ました。 地域社会・グローバル社会︵社会貢献︶ 環境 森林荒廃が現在も進む植林予定地 を明確にするため、基本理念の策定に取り組みました。策定に あたっては「日本一の自然学校をつくる」 「自然とともに生きる 国内の森林再生モデル構築の取り組み開始 ことの大切さを実感する」などそれまであったキーワードを基 2007年10月に、三重県多気郡大台町の山林1,631haを に、従業員全員で議論を進め 取得し、 社会貢献活動ならびに、 日本の林業再生の試金石と ました。策定した基本理念は してCO2吸収など森林の持つ地球環境改善効果の最大化に 学校内に掲示してあるほか、 向け、 森林整備から再生までの取り組みに着手しました。 カードにして従業員全員が 「トヨタの森」活動10周年 携帯しています。基本理念を 策定したことにより、使命が 「トヨタの森」計画は、 愛知県豊田市郊外のフォレスタヒルズ 明確になり自覚を新たに運営 に里山活性化のモデル林を開設し、得られた緑化ノウハウの に取り組みます。 公開とともに、「自然ふれあい体験学習」など、さまざまな 白川郷自然學校の基本理念の情報は、 ホームページで公開しています。 環境教育に役立てていくものです。2007年度はモデル林開設 エントランスに飾られた 豊田章一郎名誉会長直筆文字 http://www.toyota.eco-inst.jp/concept/rinen.html 77 交通安全への取り組み また2008年2月には、冬季限定プログラム 「雪道走行体験 トヨタは 「交通事故死傷者ゼロ」 に向けた取り組みの一環と コース」 も実施しました。 して、1960年代からドライバー向け安全運転講習会や幼 児向けの交通安全啓発活動などを継続的に推進。ドライ バー・非ドライバーを問わず、交通にかかわるすべての人々 の安全意識向上に取り組んでいます。 販売店と共同で取り組む交通安全キャンペーン継続 毎年春・秋の全国交通安全運動に呼応し、販売店各社と モビリタでの安全運転講習 自分の運転映像を振り返る 共同でキャンペーンを実施しています。 親子で参加いただいたトヨタセーフティスクール継続 2007年度は、①幼児の飛び出し事故防止(春)、②高齢者の 豊田市と静岡県小山町周辺の幼稚園・保育所の園児をそれ 交通安全(春・秋)、③後席シートベルトの着用(秋)を重点 ぞれトヨタ会館とモビリタに招いて交通安全教室を毎年開 テーマに、啓発リーフレットを約150万部配布しました。 催しています。2007年度はトヨタ会館で117園の園児約 また、幼 稚 園・保 育 所の新 入 園 児 向けに安 全 絵 本 を 約 5,400人が参加、モビリタでは幼児に加え保護者も合わせ 265万部、紙芝居を 約400人が参加。 子どもからは 「道路をわたる時にはクルマの 約4万7,000部贈呈 影などに注意したい」 などの感想が寄せられ、保護者からは しました。 「後席シートベルトの重要性 これは1969年から を認識した」などの評価をい 続いている活動であ ただきました。1975年から り、累計発行部数は の園児の累計参加者は 約1億1,590万部 2,674園、 約21万8,000人に (絵本)、約115万部 (紙芝居) を数えます。 達しました。 セーフティスクールinモビリタ 2007年度配布の 「交通安全絵本・紙芝居」 トヨタ ドライバーコミュニケーションに 高齢ドライバー対象プログラム追加 トヨタ独自の安全運転講習 「トヨタ ドライバーコミュニケー ション」 は、 1987年に若年ドライバーの事故を低減するために 始まり、 全国各地で実施しています。 1987年からの累計受講 者数は2万5,500人を超えます。 富士スピードウェイ内の 「トヨタ交通安全センター モビリタ」 では、 同プログラムを年間を通じて定常的に開催しています。 モビリタは総面積約13万㎡の国内最大級施設で、広大な フラットコース、 35度バンクを含む周回路、 直線低ミュー路、 ワインディング低ミュー路を完備。 トヨタのテストドライ バーを養成する教官がインストラクターを務め、 「高速フル ブレーキング」 「低ミュー路ブレーキング」 「低ミュー路走行」 等、 クルマの限界挙動を安全に体験することができます。 2007年度は4,200人が受講しました。また、2007年7月 には、高齢ドライバー対象のプログラムを実施しました。 通常のプログラムに加え、受講者が講習車両の車載カメラ で撮影した自分の運転映像を見て、自分自身の運転方法を 客観的に見直すメニュー等を追加。インストラクターが よりきめ細かいアドバイスができることを特長としてい ます。参加者からは「法定講習にはない、実践的できめ細 かい講習内容に満足した」などの感想をいただきました。 78 交通安全啓発活動出張イベント継続 交通安全への関心を地域に広げるために、 さまざま な交通安全啓発メニューを一度に体験できる出張型 イベントを実施しています。 2007年度は地元行政や イオングループ、 販売店各社などの協力を得て、 全国の 集客型施設にて交通安全イベントを開催しました。 同イベントでは、 トヨタドライバーコミュニケーション の一部を体験できるほか、 チャイルドシートの取り付 け方教室や、 加齢による身体機能の衰えの体験、 擬似 飲酒歩行体験などを実施。 参加者からは 「家族が一緒 に飲酒運転の危険性に ついて再認識できまし た」などの感想をいた だきました。 2007年度 には約1万2,000名の方 になんらかの啓発プロ グラムを体験いただき ました。 愛・地球博記念公園における 出張イベント(2007年5月) トヨタは社会の幅広い層と力を合わせ、 持てる資源を有効に 活用しながら、次世代を担う人材の育成に向けて積極的に 活動を展開しています。 科学のびっくり箱! なぜなにレクチャー24回実施、海外にも展開 地域社会・グローバル社会︵社会貢献︶ 人材育成 います。参加した子どもたちからは「演奏技術だけでなく、 合宿を通して学んだことを地元での活動に活かしていき たい」などの感想が寄せられています。 キャンプ開催中は地域貢献プログラムとして、 地元の子ども たちを対象に一日楽器特別講習会「トヨタ楽器の友だち大集 合」も開催しました。 青少年の理科離れという社会的課題への取り組みとして、 小 学生向け科学工作教室(参加費無料) を1996年から毎年開 社会側面 催しています。講師は社員である「*トヨタ技術会」のメン バー有志が務め、 全国各地の科学館・博物館や当社関連の施 設・事業体で開催しています。 ─ トヨタオリジナルの「二足歩行型ロボット」 「 電力回生自動 車」 など10種類のプログラムを通じて、 モノづくりの大切さ・ で工作に取り組むことで、 子どもたちの創意工夫を引き出す のが特徴です。 アンケートでも 「学校の授業では知らなかった ことを教わって楽しかった」 などの感想が寄せられています。 Sustainability Report 2008 科学の楽しさを体験します。 まず原理や仕組みを理解した上 「日本青少年交響楽団特別演奏会」 3/29(土)市川市文化会館 12年目を迎えた2007年度は、 初の海外展開 (タイ・バンコク) トヨタ・子どもとアーティストの出会い継続 を含む10ヵ所の新規開催館をはじめ24回開催し、 1,800名の アーティストとの出会いを通じて豊かな感性や価値観を育 児童が参加。開催累計は248回、参加者累計は2万500名に むことを目的に、 NPO法人 「芸術家とこどもたち」 「子どもと 達しました。 アーティストの出会い」ならびに各地のNPOと連携し、 *トヨタ技術会:会員の技術向上および親睦を図り、自動車製造販売業をはじめさまざまな 事業の技術分野の発展に寄与することを目的とする社内団体。会員数は約3万1,000名。 2004年から開催しています。 アーティストが学校・児童館・ 病院を訪れ、総合学習などを活用して地域特色・ニーズに 即したワークショップを開催。 2007年度末までに全国7地域 で24回実施、 3,385名の児童が参加しました。 2007年度は北海道 (札幌) ・群馬・愛知・大分で実施、 群馬では 絵本作家と児童が幅25メートル高さ1メートルの絵を描き、 愛知では国際色豊かな学校で自分たちの強み (英語・ポルト ガル語)を使った発表会を実施、大分では中学生とレイン ボーマンに扮したアーティストが巨大な絵を仕上げました。 また札幌では、 現代美術家が2週間学校の空き教室に長期滞 「なぜなにレクチャーinタイ」 ホバークラフト工作の様子 トヨタ青少年オーケストラキャンプ継続 音楽を通じた青少年育成を目的に、 (社) 日本アマチュアオー 在するアーティストインスクール活動を実施。 地域、 PTAの 方々の協力を得て校庭に巨大な雪山を創作し最終日には 花火を打ち上げるなど多くの児童の心に残るワークショップ となりました。 ケストラ連盟と連携して1985年から 「トヨタ青少年オーケ ストラキャンプ」 を開催しています。 これはオーケストラ演奏の 合宿研修で、 これまでにのべ4,500名以上の青少年が参加 しています。 第10期 (2006ー2007年) は全国から参加した 約150名が、千葉県木更津市で3泊4日の合宿を実施。第一 線で活躍される指揮者、演奏家の指導のもと練習を重ね、 最終日には合宿の成果を披露する日本青少年交響楽団特別 演奏会が行われました。 参加した若者たちは、 キャンプの企画・運営も自ら行う中で、 演奏技術の習得のみならず、 一つの目標を協力して達成する 喜びを学び、全国各地での芸術文化活動の担い手となって 群馬で実施した25mの巨大絵巻物を創作する ワークショップ 79 芸術・文化活動 芸術・文化支援 「トヨタ博物館」 と 「産業技術記念館」 の特色ある2つの博物館 トヨタコミュニティーコンサート累計1,200公演開催 を運営し、 自動車文化・モノづくり文化の継承に力を注いでい トヨタコミュニティコンサートは 「音楽を通じて地域文化の ます。 また、 文化基盤の充実に向け、 NPOや各種団体と連携し 振興に貢献すること」を目的に、1981年より全国のトヨタ た芸術・文化支援を積極的に推進します。 販売会社グループと共同開催しています。 2007年度は全国 23都道府県39公演を実施。 これまでの累計は、 44都道府県 累計来場者424万人を数える 「トヨタ博物館」 「トヨタ博物館」 は (愛知県長久手町) は、 1989年に開館した 自動車博物館で、 トヨタ初の生産型乗用車であるトヨダAA 型乗用車をはじめ、 国内外のクラシックカー140台あまりを 音楽とふれあえる機会を「生のオーケストラ演奏」という カタチでお届けします。 常設展示しています。 トヨタ・マスター・プレイヤーズ、 ウィーン 2007年度は約25万名の来場者を迎え、累計来場者数は約 世界トップクラスの芸術鑑賞の機会を多くの方に提供し、 424万名となりました。 ガソリン自動車誕生から1世紀にわた 豊かな時間を過ごしていただくことを目的に、 ウィーン・フィル る自動車の発達史を体系的に展示し、 オリジナルな状態を大 およびウィーン国立歌劇場のメンバーを中心に特別編成された 切にしながら展示車両がいつでも走れるよう 「動態保存」 して オーケストラによるコンサートを2000年から実施しています。 います。 クラシックカー・フェスティバルをはじめとするイベン 2007年度は全国5都市7公演を実施し、 1万2,200名の方々に トでは、同乗試乗 ご来場いただきました。 会も実施していま また、公演期間中には次代を す。 また、学芸活動 担う青少年を対象としたプロ の成果を企画展で グラムとして 「コンサートへの 発表し、 2007年度 ご招待」 「 公開リハーサル」 は 「ヘンリーフォー 「学校等への訪問コンサート」 ドとT 型フォード 「公開マスタークラス」 も実施 展」など、4展を開 催しました。 しました。 小学校へ訪問した 「ふれあいコンサート」 の様子 本館欧米車の展示風景 トヨタ コレオグラフィーアワード グループ発祥の地に建つ「産業技術記念館」に25万名来場 次代を担う振付家の発掘・育成を目的に、 コンテンポラリー 「産業技術記念館」 (名古屋市) は、1994年、 トヨタグループ ダンスなどの舞踊分野における顕彰事業として世田谷パブ 発祥の地に 「研究と創造の精神」 と 「モノづくり」 の大切さを リックシアターと連携し、 2001年から実施しています。 受賞者 伝えることを目的に、グループ13社が共同で設立した には次年度に作品発表の場と制作費の一部が授与されます。 博 物 館です。2 0 0 7 年 度は約 2 5 万 名の来 場 者を迎え、 これまでにアワードは過去5回実施し、 のべ951件の応募を オープン以来の累計来場者数は約223万名に達しました。 いただきました。 2007年度は過去の受賞者によるガラ公演を 館内には、繊維機械や自動車に関するさまざまな動態展示 金沢・福岡・東京で実施し、 同時に地元のダンサーに振り付けた をはじめ、 100年以上前のスイス製蒸気機関を展示するなど、 作品を発表するなど、 他地域への活動の拡がりを試みました。 貴重な産業遺産の紹介を行っています。 2007年度は、江戸時代を中心とした科学技術資料「トヨタ 新たな助成プログラムを始めたネットTAM コレクション」の公開、自動車分野をテーマにした「ユニ 芸術文化基盤の整備と芸術文化に携わる人材の育成を目指 バーサルデザイ し、2004年よりアートマネジメント総合情報サイト 「ネット ン」展、子ども向け TAM」 を運営。2007年度はサイト内の一部を日・英にバイ 「夏休みワーク リンガル化し、約137万件のアクセスがありました。また、 ショップ」 や本物の アートマネジメントの活動環境の改善を目指して 「トヨタ芸術 エンジンを分解・ 環境KAIZENプロジェクト」 助成制度を新たに開始、 2008年 組み付ける「カル 7月には助成先(3件)を決定する公開プレゼンテーション チャーセミナー」 な 大会を実施予定です。 どを開催しました。 産業記念館自動車館内 80 137市町村で1,229公演を行い、 のべ98万名の方々に楽しん でいただきました。 これからもたくさんの方たちに、気軽に ネットTAMの詳細は http://nettam.jp 多様な人々が互いを尊重し、 自立してともに社会に参加して 支え合う 「共生社会」 づくりを目指し、 トヨタの持つ技術やノウ ハウなど有形無形の資源を活用しながら、地域・福祉・自立 支援などの活動を積極的に進めています。 さまざまなジャンルの音楽をお楽しみいただく トヨタロビーコンサート実施 日頃コンサートに足を運ぶ機会の少ない地域の福祉施設の 地域社会・グローバル社会︵社会貢献︶ 共生社会 2日間で56人の従業員が活動しました。 活動紹介コーナーで は、 トヨタグループの 活動をパネルで紹介 し、 「 いろんな活動を されてるんですね」 と 全国から来られたお 客様から感想をいた だきました。 第16回 全国ボランティア フェスティバル あいち・なごや 1階ロビーで「トヨタロビーコンサート」 を開催。社員ボラン 障がい者ふれあい交流軽スポーツフェスティバルの支援 ティアや地域の方々が運営にあたり2007年度は佐々木彩子 豊田市にある (社)豊田市身障協会、協会設立20周年記念 が2007年10月に開催されました。 2日間で、 26人の従業員 ビル ミッドランドスクエア内の当社ショールームにてコン が会場準備、競技者補 サートを2回開催し、 約360名の方にフルートアンサンブルや 助、得点係、会場片付 二胡とサックスの珍しい演奏などをお楽しみいただきました。 けなどで参加し「皆さ 子どもたちの生の声を聴き、受け止める 「トヨタ子ども110番」、累計相談数45万件に Sustainability Report 2008 事業として、 障がい者ふれあい交流軽スポーツフェスティバル 方々にご来場いただきました。また2007年度より名古屋 ─ さん (ピアノ、唄) の 「サマーコンサート」 を実施、約400名の 社会側面 方々や近隣住民を対象に、1995年からトヨタ東京ビルの んのサポートのお陰 で、有意義な大会とな りました」と参加者の トヨタ子ども110番は、 国際児童年の1979年5月5日に開設した 方に喜んでいただけ 小学生から高校生を対象とした 「子どもなんでも相談」 です。 友達 ました。 車椅子の競技者の方をサポート や家族のこと、 勉強や進路、 恋愛についての相談やからだや心の悩 みまで、 どんなことでも通話料のみで相談できます。 2007年度は 愛知県内児童養護施設卒園生 「旅立ちセミナー」 開催 開設29年目を迎え、 これまでに45万件の相談を受け付けました。 愛知県内にある児童養護施設の卒園生を対象に三菱商事 (株) と共催し、2008年2月「第2回 旅立ちセミナー」を開催。 ボランティア活動 とよた2007クリーン活動 2000年からさまざまな団体と協働で、 豊田市にある矢作川 産業技術記念館の見学やテーブルマナー・社会人セミナーなど 18人の従業員が施設 ごとのチームに分かれ 河川敷のクリーン活動を実施しています。 2007年6月9日の て、 卒園生のサポートを 活動で8回目を迎え、従業員900名と、諸団体、市民の方を しました。 卒園生や先生 含む総勢1,200名以上が参加。合計247袋(1,280kg)の からは、 「こういったセ ゴミを回収しました。 ミナーの開催は、 ありが 多くの参加者から 「ご たいです」と感謝の言 みを拾わなくて済む 葉をいただきました。 卒園生を対象としたテーブルマナー 街づくりをしなけれ ば 」と心 強い 言 葉 が 独居高齢者宅の家具転倒防止活動継続 寄せられました。 2003年5月より従業員ボランティアが豊田市在住で65歳以上 河川敷に集まった従業員や市民の皆さん の独居高齢者宅を対象に家具転倒防止活動を実施しています。 実施件数は、100軒を 第16回 全国ボランティアフェスティバル あいち・なごやの支援 超え、 対策実施後のお宅 2007年9月に愛知県で開催された 「第16回全国ボランティア からは、 「これで安心し フェスティバル」 では実行委員会へ参加するなど、 さまざまな て暮らせます」 と喜んで 面で協力させていただきました。 いただき、現在は、豊田 中でも、 西三河ブロックの豊田市会場では、 駐車場誘導や会場 市民生委員・児童委員 誘導などの活動をはじめ、 豊田市能楽堂を使用してのサークル 協議会と協働して活動 活動発表、 コンサートホールでのパネルディスカッションなど、 の輪を拡大中です。 高齢者宅での家具転倒防止活動 81 海外事業体の取り組み事例 [環境] 「水の森」 プロジェクトで河川域に植樹 スペイン・TES(Toyota Espana) TESは、イベリア半島を流れる主要河川、タホ川とグア な森林樹種が激減しています。そこで流域4カ所で、 ディアナ川の流域環境保護活動を支援しています。 タホ川 WWFアデナの指導のもと、TES従業員やプリウスユー はイベリア半島最長の1,038kmで、 東部のアルバラチン ザーなどのボランティアが在来樹種を植林。 グアディアナ 山脈を源流に、 スペインとポルトガルを通り、 リスボンで 川流域では、 過去数十年の間にユーカリなどの外来種が 大西洋に注ぎ込みます。グアディアナ川は、国の中央部 増え、在来の樹木や低木がほとんど見られなくなったた に水源を持ち、西へ流れポルトガルとの国境で南下、大 め、 1980年に、 官民が共同で 「グアディアナ水路連盟」 を 西洋に注ぐ全長744kmの河川。両河川沿岸ではダム湖 設立。 ユーカリを伐採し、 在来種を植栽しています。 「水の が広大な水のネットワークを形成し、農業用水や発電、 森」 プロジェクトは、 ボランティアの派遣や資金援助を通 生活用水などの水資源として役立っています。 して、この活 動 しかし、過剰な取水や汚染が深刻化し、全域で自然環境 を支援。 2007年 が著しく悪化。 これを受けTESは2006年に、WWFスペ 末までの、T E S イン支部のWWFアデナとメディア大手のレコレトスと の従業員・家族 ともに 「水の森」 プロジェクトを開始。 流域数カ所で環境改 のボランティア 善活動の支援を始めました。 流域の木々は土壌の侵食や 参 加 者 数は 5 0 川の汚染を防ぐ作用があり、 地下水保全や河川の維持に 人。植林面積は 役立つため、 主に河岸に植林を行っています。 累計で20haに タホ川の支流、 アルゴドル川周辺では、 地中海周辺に特有 およんでいます。 TESの従業員や家族がボランティアで 植林作業に参加 NGOと連携して絶滅の危機に瀕したマウイイルカを保護 ニュージーランド・TNZ(Toyota New Zealand) 自然豊かなニュージーランドでは、 国民の多くが自然との な禁止やイルカが生息する浅瀬での底引き網の禁止を 強いつながりを感じています。 8,000万年の間、 隔離された 政府に働きかけ、海洋哺乳類の保護区設置を提案。 4カ 環境で独自の進化を遂げた結果、 ニュージーランド特有 所の設置が決まりました。 の野生生物種が数多く生まれましたが、 人為的な活動や TNZはこの活動に資金提供やハイブリッド車の貸し出し 初期の入植者が持ち込んだ外来種が、 これらの固有種を を行うほか、 TNZのコールセンターを活用し、 7年以上に 圧迫しています。TNZは将来世代のためにニュージーラ わたりフリーダイアルを提供。 マウイイルカを見た人が ンドの生物多様性を保全しようと、 自然保護団体・WWF WWFに報告できる仕組みを導入しています。WWF ニュージーランドとともに25年間にわたり活動しています。 ニュージーランドのクリス=ハウ事務局長は、 「目撃情報 長期にわたるパートナーシップの重要な側面の一つが、 によりマウイイ WWFによる絶滅の危機に瀕したマウイイルカの保護です。 ルカの行動範囲 ニュージーランド北島の北西部海岸沖だけに生息する、 がわかり、 保護強 世界で最も希少なイルカで、国際的な自然保護団体、 化を訴えるのに IUCNは絶滅の危機に瀕した生物に指定。現在では約 たいへん役立っ 100頭しか生息していません。定置網や切れた網にひっ ています」 と話し かかって溺れたり、 底引き漁に巻き込まれたり、 船にぶつ ます。 かったりする事故のほか、海の汚染などが減少の原因 です。WWFはマウイイルカ保護のため、定置網の完全 82 小さな体躯と丸いひれが特徴のマウイイルカ 海外事業体の取り組み事例 海外事業体の取り組み事例 [交通安全] 子供向け交通安全教育で交通事故減少を目指す マレーシア・UMWT (UMW Toyota Motor) マレーシアではモーターリゼーションの急速な進展にともな また、同年初めには、政府の「学童擁護員育成プログラム」 い、交通事故が急増。2007年には、30万件の事故が発生し、 支援も開始。子どもたちの安全を保護する学童擁護員を育成 6,000人が死亡しました。特に、交通安全に関する知識不足が し、小学校に配置する活動で、UMWTは学童擁護員の制服や 原因と見られる青少年の死亡事故が多いことが問題となっ 笛、横断旗を提供。この育成プログラムに参加した学童擁護 員が全国1,000校に配置されました。 各種対策を展開しています。 2006年、 マレーシアの販売代理店 プログラム3年目の2008年には、政府は同プログラムをマ UMWTもこの状況を憂慮し、政府の方針に沿い、子どもたち レーシアの全小学校7,616校に拡大予定。UMWTも2,000人 の交通安全意識の向上を目的とした5ヵ年の「交通安全プロ の擁護員用の制服等を提供予定。また、マレーシア全地域の の優秀作品を決める 「交通安全絵画コンテスト」 とクアラルン ズ・クラブ」 を開設 プールなど6都市のショッピングセンターで交通安全に関 し、子どもたちは するゲームと絵画コンテスト表彰式の2つのイベントを実施 インターネットを しました。 通じて、学校授業 2年目は、 「再び安全な道路環境を」をテーマに、子どもたちが 科 目に沿った交 正しい道路標識を習得するため、参加型クイズ大会を実施 通 安 全ルールを し、約4万人が参加しました。 習得します。 Sustainability Report 2008 交通安全を目指した小学生向けのオンラインクラブ「トラ フィック・ヒーロー ─ グラム」 を開始しました。 1年目は、小学生から交通安全に関する絵画を募集し、地域 社会側面 ています。政府は2010年までに死亡事故件数を減らすため、 「トラフィック・ヒーローズ・クラブ」 開始セレモニー 交通安全を子どもたちに楽しく伝える パキスタン・IMC(Indus Motor Company) パキスタンでは自動車の保有台数が年10%の割合で増 通して交通安全のメッセージを伝えました。 ピエロによ 加しており、 交通安全が最大の社会問題となっています。 る寸劇では交通ルールを守る実践的な方法を見せ、 交通 自動車事故による死傷者数は、 東京では登録台数1万台 安全の大切さを強調しました。 あたり1.4人ですが、 カラチ市では11.3人。 2006年1月 2008年までに、 IMCはカラチ市内の150校を訪問。 3万人 から2008年3月の間に、 カラチ市だけでも5万3,748人が 以上の子どもたちが参加しました。 ママ・パルシ高校のミ 負傷し1,336人が死亡。 半分以上は子どもが被害者です。 ラール・マバルバラさんは、 「交通安全の大切さを楽しく IMCは、子どもたちに交通安全の大切さを伝えるため、 伝えてくれたピエロの演技がよかったです」 と話します。 2007年1月に自然保護団体のWWFと協働し「トヨタ 子どもや親たちから非常に好評だったため、IMCは今 学校交通安全キャンペーン」を開始しました。学童を 後、市内のほか 対象にしたのは、親に与える影響が大きいほか、将来は の学校やほかの もっと混雑した道路で運転することになるからです。交 都市でも活動を 通安全教本を配り、交通安全や道路標識について説明。 展開していく予 クイズや交通ルールを守る誓約書への署名も行いました。 定です。 子どもたちに楽しく交通安全を学んでもらうため、子ど もの教育をテーマに活動するNGO、 ファミリー・エデュ ケイション・サ−ビス・ファウンデーションも連携して 「トヨタ学校交通安全コンサート」 を開催。 コンサートを 音楽、 ダンス、 大道芸などを通して交通安全を学ぶ 83 海外事業体の取り組み事例 [人材育成] トヨタウェイの手法を学校教育に生かす 米国・TMMK(Toyota Motor Manufacturing Kentucky) 「楊枝で橋の模型をつくってみよう」 。 グループに分かれ、 問題解決や改善活動でした。 そこで、 TMMKと学校関係 最適な設計を考える中学生たち。 「見た目が丈夫そうで 者による推進委員会を結成し、 3年間かけて 「クエスト」 を も、実際に頑丈とは限らない」。生徒たちは体験を通して 開発。 1999年に教育現場への導入を開始しました。 同年 学びます。 トヨタウェイの手法を取り入れて開発された には小・中・高等学校の教師23人に研修を実施。期待以 学校教育プログラム 「Quest for Useful Employment 上の成果が上がり、翌2000年には100人、2001年は Skills for Tomorrow (将来に向けて有用な職業技能の 130人と研修参加者が増加しました。 ケンタッキー州の 獲得を目指して) 」 、 通称 「クエスト」 の一こまです。 公 立 学 校 で は 平 均 学 力 の 向 上 目 標 を 掲 げ ており、 「クエスト」 が生まれた背景には、 地域の学校教育に対す TMMK周辺の各校では、 着実に成果が上がっています。 る問題意識がありました。従業員の教育・研修に力を入 れるTMMKは、 一方で、 採用する以前の学校教育の充実 と改善の必要を感じ、 1988年の設立当初から地域の小・ 中・高等学校教育を積極的に支援。 この間にも、 効果の高 い教育プログラムの必要性を感じていました。 これは地 域の教育委員会や学校関係者にとっても長年の課題 だったことから、TMMKの提案を受け、連携して学校教 育の改善策を検討することとなったのです。 学校関係者が特に関心を持ったのが、 小集団活動による 楊枝を使って橋の模型を作る実習授業 経済的に恵まれない学生への進学・進級支援 中国・TMCI(Toyota Motor(China)Investment) トヨタ自動車(TMC)は、 「人づくり」のための社会貢献 人格形成に役立つ活動も年間を通して行っています。 活動として、 2006年3月に、 中国で最も歴史の古い公益 支援を受けている学生からは、 「生活困難な学生に物質 機関の一つ 「中国宋慶齢基金会」 と共同で、 「トヨタ助学 的な援助を与えてくれるだけでなく、精神的な励ましも 基金」 を設立しました。中国中西部の大学20校の、成績 与えてくれる」 「支給額がほかの助学金より多い。 学生が は優秀ながら経済的に厳しい状況にある学生に対し、 自信を持って生活や課題に立ち向かえるようにしてくれ 助学金を支給します。支給額は、 1人年間5,000元で、 支給 る」 との声が寄せられています。 総額は2,000万元(約3億円)。2010年までの5年間に 毎年1校あたり10人に支給し、1,000人の学生を支援 する計画です。 中国では、経済発展や教育制度改革の結果、大学に 進学する若者が急増しています。一方で、経済的な理由 で、進学・進級を諦めざるを得ない学生も多数います。 TMCはこうした問題の解決に寄与するため、 「トヨタ 助学基金」 の設立を決めました。 「トヨタ助学基金」では助学金を支給するだけでなく、 トヨタ販売店や工場の見学、日本への招待、就職講座 の開催、リーダー研修の実施など、学生の能力向上や 84 2007年度の助学金を受けた武漢大学の学生たち 海外事業体の取り組み事例 海外事業体の取り組み事例 [共生社会] 従業員のボランティア活動を積極的に支援 米国・TEMA (Toyota Motor Engineering and Manufacturing North America) 1996年に米国ケンタッキー州に設立された生産事業 活動参加者は、 イントラネットで活動状況を申告します。 の統括会社TEMAは、従業員のボランティア活動を TEMAは申告に基づき毎月、 従業員が支援する団体の中 積極的に推進しています。従業員一人ひとりの活動 から抽選で一部の団体に寄付を行う仕組みや、 助成金制 状況をイントラネットで共有し、毎年、最も活動時間の 度を用意。 「ボランティア・オブ・ザ・イヤー」 に選ばれた従 業員が指定する団体にTEMAから資金援助をする仕組 みも設けています。 TEMAやTMMK従業員によるボラン TEMAが従業員のボランティア活動促進に取り組み ティア活動は、 地域社会でも貴重な財産となっています。 社会側面 長かった従業員と、最も積極的に活動した従業員を それぞれ表彰しています。 始めた背景には、米国におけるトヨタ最大の生産拠点、 ─ TMMKが同様の活動を推進していたことにあります。 Sustainability Report 2008 TMMKは1993年から従業員やその家族によるボラン ティア活動促進に力を入れてきました。 TEMA従業員によるボランティア活動は、高齢で庭の 手入れができない人々のための庭掃除、知的障がい者 によるバスケットボールチームのコーチ、 国定公園の森の 整備など多岐にわたります。 TEMAの女性従業員の一人 は、 「目に見えるかたちで他人を少しでも助けてあげられ れば」 とボランティア活動参加の動機を語ります。 TEMAの社員がボランティアでコーチを務めた 知的障がい者のバスケットボールチーム 地域コミュニティと協働で植林活動を実施 インドネシア・TMMIN(Toyota Motor Manufacturing Indonesia)/TAM(Toyota-Astra Motor) TMMINは2008年1月、KIIC(カラワン工業団地)と います。 このように、果実がなる換金植物は、将来の地域 協働でテラガ村の工業地帯での環境保全活動を開始 コミュニティの生活向上にもつながります。 このほか、 しました。温暖化防止を目的とした環境保全や、地域に 絶滅の危機に瀕した熱帯植物の植林や荒れた土地の おける教育活動へのTMMINのコミットメントを具現 回復や海岸の干拓なども手がけています。 化するためです。 活動開始にあたり、 スティーブン=インドラワン総務部門 長がKIIC近隣の5つの村から参加した中学生とともに、 ウリン(ボルネオ鉄木)の植林を実施しました。これら 5村には2,000本の苗木を寄付しました。植林活動は CSR活動に熱心に取り組む企業15社と協働で、ボゴー ル農業大学の助言を受けながら行っています。 2007年2月には、TMMINとTAMの両社は従業員と その家族が木を植え、 育てることで緑を増やし、 環境意識 を向上できるように、従業員にマンゴーの種2,500粒を 配布しました。 この取り組みは従業員だけでなく、地域 住民にも広げていく予定です。すでに、カラワン工業団 地ではマンゴーとランブータンの木を計1,800本植えて TMMIN伊原木社長から カラワン工業団地へ苗木を贈呈 85 地域社会・グローバル社会(コミュニケーション) 社会から信頼される よき企業市民を目指して 子ども向け交通安全啓発プログラム (インド) トヨタは多くのステークホルダーと対話を深めるため、 コミュ ニケーションの場や機会を設けています。また、トヨタの 活動を、 より多くのお客様にご理解いただくため、 ビジョン、 企業活動、 環境への取り組みを紹介しています。 今後も施設、 ウェブサイト等を通じ、 お客様・社会との交流を図り、 お寄せ いただいた声を企業活動にフィードバックしていきます。 WBCSD(持続可能な発展のための世界経済人会議) 「クラシックカーフェスタ in MEGA WEB」開催 2007年12月2日、東京お台場にあるMEGA WEBで初め て 「トヨタ博物館クラシックカーフェスタ」 を開催しました。 トヨタ博物館(愛知県長久手町)では毎年春に地元でクラ シックカーイベントを開催していますが、 トヨタ創立70周年 を記念して初めて東京で開催したものです。フェスタには 一般参加48台、 トヨタ 博物館所蔵10台、 MEGA WEB所蔵8台、 ジュネーブに本部を置くWBCSDは、 「 持続可能な発展」に寄 合わせて66台が参加 与するグローバル企業200社のトップで構成される団体で、 し、 公道パレード、 デモ 豊田章一郎名誉会長が副会長を務めています。 走行、クラシックカー WBCSDは「エネルギーと気候」「開発 (開発途上国の経済発展) 」 同乗体験ほか、多数の 「ビジネスの役割 (Business Role) 」「生態系」の4つの重点分野を 設定し政策提言活動を行っています。 イベントが開催され ました。 初めて東京で開催された 「クラシックカーフェスタ」 「開発」 重点分野のもと、 トヨタがワーキンググループのリーダー 役を担っている「開発のためのモビリティ」プロジェクトでは、 4都市 (ダルエスサラーム/タンザニア、 バンガロール/インド、 上海/中国、 サンパウロ/ブラジル) で、 ステークホルダー・ダイ アログを含むケーススタディを実施しました。 2007年9月には、 インド南部の産業都市バンガロールでステーク ホルダー・ダイアログを開催しました。 カルナタカ州の行政官や 現地のNGO、TKM(トヨタキルロスカモーター) を含む現地企 環境を大切にしたい、今の世の中をよくしたい、そうした 業、国際的な都市交通の専門家等とともに、 「バンガロールが抱 想いに一人ひとりができることを提案する、そんなコンセ えるモビリティの課題」 「モビリティ格差の解消」 「サステイナブ プトから生まれた企業広告キャンペーン(TVCM+Web ル・モビリティに向けた技術の活用」 について議論しました。 当プ マガジン)が「あしたのハーモニー」です。タレントの森田 ロジェクト全体を取りまとめて、2008年11月、 ヨハネスブルグ 一義(タモリ)さんを編集長に、 「エコドライブ・植林・交通 で開催されるWBCSD総会で 安全・未来技術」などをテーマに、 トヨタの社会貢献活動 報告書を発表する予定です。 や環境への取組活動をTVCMやWebマガジンを通じて 取材形式でレポート。これ 「エネルギーと気候」重点分野 にも参加しており、 2008年2月、 をきっかけとして、トヨタ 東京での理事会を機に開催さ がお客様とともに世の中に れた「日本経団連WBCSDによ 貢献できることをもっと増 る共催セミナー:低炭素社会 に向けた産業界の貢献」に参 画しました。 86 明日に向けた思いやりのメッセージ 「あしたのハーモニー」 インド・バンガロールで開催された ステークホルダー・ダイアログ やせるように、メッセージ を発信しました。 編集長の森田一義 (タモリ) さん 地域社会・グローバル社会 ︵コミュニケーション︶ 第7回トヨタ・ステークホルダー・ダイアログ 幅広いステークホルダーの皆様と直接対話をすることの トヨタのCSRに関する課題について議論し、社会との 重要性に気付き、トヨタは、2001年から「トヨタ・ス コミュニケーション活動のさらなる充実の必要性など数多 テークホルダー・ダイアログ」 を毎年開催しています。 第7 くのご意見をいただきました。 また、 トヨタのCSR活動につ 回目は、 2008年2月22∼23日、 トヨタのモノづくりの いても参加者の理解を深めていただくことができました。 ルーツである産業技術記念館(名古屋市)を会場に、 社会側面 NGO、 企業、 専門家、 行政から13名の方に参加いただき、 トヨタ側参加者と合わせた総勢25名で実施しました。 運営を (株) 日本総合研究所に依頼し、 『グローバル化する ─ トヨタの事業活動とCSR』 をテーマに議論しました。 特に、 双方向コミュニケーションの充実を図るため、 これまで CSR活動について具体的に話し合いました。 また、会議 結果を社内にフィードバックしていくため、 担当の役員、 第7回トヨタ・ステークホルダー・ダイアログ CSR・環境部に加え、グローバル渉外広報企画部、広報 本サステイナビリティレポートで、 生物多様性に関する方 部、 人事部、 法務部、 お客様関連部から従業員が参加しま *2 、 障が 針をまとめた 「*1トヨタ生物多様性ガイドライン」 した。 い者の雇用促進取り組みについて報告しています。 これ 議事は、上記テーマに沿って「途上国におけるCSR」 らはこれまでのダイアログにおけるご意見を反映した 「品質・顧客対応のCSR」 「社会貢献活動とCSR」 「CSRに おけるコミュニケーション」 の4セッションを設定。 各専門 の方に問題提起をいただいた上でさまざまな角度から Sustainability Report 2008 のダイアログ出席者からのご意見を反映してトヨタの 取り組みです。 *1 トヨタ生物多様性ガイドラインについては41ページを参照 *2 障がい者雇用については63ページを参照 海外事業体の取り組み事例 「3つのサステイナビリティ」 を広告でコミュニケーション インド・TKM(Toyota Kirloskar Motor) インドでは、 モータリゼーションの進展に伴い、 自動車市場が 連動して 「3つのサステイナビリティ」 を広告キャンペーンと 年間200万台と急速に拡大しています。一方、大気や水の環 して展開。明日への希望にあふれるインド社会の世相を 境悪化が生じています。一方で、 インドの消費者の環境意識 反映したメッセージ「Open Up Tomorrow, Today」を は高まっており、 ナショナルジオグラフィック協会が2008年 発信。 2008年1月の、 TMC渡辺社長のインド訪問に合わせて 1∼2月に日本、 米国、 イギリス、 ドイツ、 オーストラリア、 ブラジ 広告を出稿しました。 ル、 中国など14ヵ国を対象に行った調査では、 調査対象国のう 今 後は、 「3つのサステ ち、 インドの消費者の環境意識が最も高くなっています。 イナビリティ」への取り こうしたなか、1997年に創業したTKMは、工場における、 組みを具体化するため、 省エネ・節水等の環境改善や、傘下販売店でのISO14001取 環境対応優秀販売店の 得推進サポートインド自動車メーカーとして、初の環境報 表彰や環境NGOの支 告書発行等、環境対応をしてきました。TKMのインド社会 援 、交 通 安 全 と 環境を における環境に対するコミットメントをさらに明確にする テーマにした絵本の配布 ため、日本で使用したものと同じロゴを使うなど、TMCと などを検討しています。 インドの知識層に最も読まれている 新聞「Times of India」 に出稿 87 財務概況 業績および 所在地別セグメントの状況 2008年3月期の当社の連結決算は、販売台数が前期比38万9千台増の891万3千台、売上高が前期比9.8%増の26兆 2,892億円、営業利益は同1.4%増の2兆2,703億円、また当期純利益は同4.5%増の1兆7,178億円となり、いずれも過去 最高を記録しました。 トヨタは「需要ある場所で生産」を基本方針として、事業をグローバルに展開してきました。その過程で現地調達を拡大し、 地元の雇用を創出することによって、積極的に世界各地の経済に貢献してきました。 今後も、すべての地域・すべての商品セグメントにおいて、チャンスを取り込み、 リスクを回避・吸収しながら、長期安定的な 成長を目指していきます。 http://www.toyota.co.jp/jp/ir/library/annual/ (2008年8月予定) 連結ベース 2008/3期 ①売上高 2007/3期 対前期比 参考:単独ベース 2008/3期 26兆2,892億円 23兆9,480億円 +9.8% 12兆792億円 ②営業利益 2兆2,703億円 2兆2,386億円 +1.4% 1兆1,086億円 ③当期純利益 1兆7,178億円 1兆6,440億円 +4.5% 1兆1,381億円 ④総資産 32兆4,583億円 32兆5,747億円 ▲0.4% 10兆4,358億円 ⑤株主資本 11兆8,695億円 11兆8,360億円 +0.3% 7兆3,024億円 14.5% 14.7% _ 15.6% ⑦車両生産台数 8,547千台 8,180千台 +4.5% 4,264千台 ⑧車両販売台数 8,913千台 8,524千台 +4.6% 4,303千台 ⑥ROE(株主資本当期純利益率) 車両生産台数(連結ベース) 車両販売台数(連結ベース) 販売の増加をうけ、世界全地域で生産が拡大し、連結生産 日本を除く各地域で販売が拡大したことにより、連結販売 台数は前期比約37万台増の大幅な増加となりました。 台数は前期比約39万台増と大幅な増加となりました。 車両生産台数 車両販売台数 (千台) 10,000 所在地別生産台数内訳 計8,547千台 その他地域5.3% アジア 11.2% * 8,000 欧州8.3% 6,000 (千台) 10,000 所在地別販売台数内訳 計8,913千台 その他地域17.2% * 8,000 アジア 10.7% 6,000 日本 4,000 日本 2,000 0 60.4% 北米 2006/3期 2007/3期 2008/3期 日本 88 24.5% 4,000 海外 14.8% *その他地域:中南米、 オセアニア、 アフリカ 2,000 0 欧州 2006/3期 2007/3期 2008/3期 日本 海外 14.4% 北米 33.2% *その他地域:中南米、 オセアニア、 アフリカ、 中近東ほか (10億円) 3,000 (10億円) 30,000 2,500 財務概況 所在地別セグメントの状況 売上高と営業利益(連結ベース) ・日本については、 売上高は前期比3.4%増の15兆3,158億円、 営業利益は同1.2%減の 1兆4,402億円となり、前期に続き極めて高い水準を維持しました。国内の柔軟な 生産体制により、 資源国・新興国を中心とした海外の旺盛な需要を取り込んだ結果、 25,000 2,000 20,000 1,500 15,000 1,000 10,000 輸出台数を伸ばしました。 ・北米については、 売上高は前期比4.4%増の9兆4,232億円、 営業利益は同32.1%減の 3,053億円となりました。 営業利益の減益は、 米国の金利が急速に低下したために、 販売金融子会社における金利スワップ取引きなどの時価評価による評価額が前期と 経済側面 比べて667億円増加したことなどによるものです。 ・欧州については、売上高は前期比12.7%増の3兆9,934億円、営業利益は同3.0% 増の1,415億円となりました。市場が急速に拡大しているロシアや東欧諸国では、 ─ カムリやアベンシスなどを中心に販売が好調に推移し、 増益に寄与しました。 ・アジアについては、 売上高は前期比40.2%増の3兆1,208億円、 営業利益は同2.2倍の 5,000 500 0 2004 /3期 2006 /3期 2005 /3期 営業利益 2007 /3期 2008 /3期 Sustainability Report 2008 2,563億円となり、 大幅な増益となりました。 インドネシアやタイを中心に、 生産および 販売台数が増加したことによるものです。 0 ・中南米、 オセアニア、 アフリカについては、 売上高は前期比19.3%増の2兆2,941億円、 営業利益は同72.4%増の1,439億円となり、 大幅な増益となりました。 現地ニーズを 売上高(右目盛) 取り込んで開発されたブラジルのカローラ、 アルゼンチンのIMV、 オーストラリアの カムリなど、 すべての地域で販売台数が増加しました。 所在地別 売上高と営業利益(注:売上高には、所在地別セグメント間の内部売上高を含みます) 日本 北米 (10億円) 欧州 (10億円) (10億円) 1,500 15,000 1,500 10,000 1,200 12,000 1,200 8,000 900 9,000 900 6,000 600 6,000 600 4,000 300 3,000 300 2,000 0 2006 /3期 2007 /3期 2008 /3期 0 0 2006 /3期 営業利益 売上高(右目盛) アジア (10億円) (10億円) 2007 /3期 2008 /3期 営業利益 売上高(右目盛) 0 中南米、オセアニア、アフリカ (10億円) (10億円) (10億円) (10億円) (10億円) 600 4,000 600 4,000 600 4,000 450 3,000 450 3,000 450 3,000 300 2,000 300 2,000 300 2,000 150 1,000 150 1,000 150 1,000 0 2006 /3期 2007 /3期 2008 /3期 0 営業利益 売上高(右目盛) 0 2006 /3期 2007 /3期 2008 /3期 0 0 2006 /3期 営業利益 売上高(右目盛) 2007 /3期 2008 /3期 0 営業利益 売上高(右目盛) ■当期純利益とROE(連結ベース) ■設備投資と研究開発費(連結ベース) 当期純利益は、5期連続1兆円超を達成し、連結ROEは * 14.5%と前期とほぼ同レベルとなりました。 先行・先端技術の充実のため、 高水準な投資を実施いたしました。 当期純利益とROE (10億円) 2,000 (%) 20 1,500 15 1,000 10 5 500 0 2004/3期 2005/3期 2006/3期 2007/3期 2008/3期 当期純利益 ROE(右目盛) 0 設備投資と研究開発費については、高い設計品質の維持や 設備投資と研究開発費 (10億円) 2,500 *賃貸資産を除く (10億円) 1,000 2,000 800 1,500 600 1,000 400 500 200 0 2004/3期 2005/3期 2006/3期 2007/3期 2008/3期 設備投資 0 研究開発費(右目盛) 89 海外事例 過去4年のステークホルダー別海外取組事例(社会側面)アーカイブ トヨタはグローバル企業として、各国各地域のニーズに合わせた活動を展開してきました。本レポートは、 年度報告の観点より、年度内に行われた新たな取り組み、大きな進捗のあった取り組みを海外事例として 紹介してきました。社会側面の継続的な取り組みを知りたいとの読者の要望に対応し、過去4年分の ステークホルダー別海外取り組みを、ホームページに掲載すると同時に以下に代表例を紹介します。 [従業員とのかかわり] [お客様とのかかわり] ■顧客満足度向上の取り組み ■効率改善の取り組み インド・TKM (Toyota Kirloskar Motor) タイ・TMT (Toyota Motor Thailand) TKMは広大な国土に55ヵ所のサービス拠点を 構え、広範囲に点在する顧客にサービスを提供。 遠方のお客様には整備や修理を目的とする出張 サービスを開始。 2006年度のレポートで紹介 [従業員とのかかわり] 1997年のバーツ暴落の危機の下、生産台数が 急減。徹底したコスト削減と教育研修で雇用を 確保。一人の解雇もなく今日の成長に転じる基礎 体力を養う。 2005年度のレポートで紹介 [ビジネスパートナーとのかかわり] ■従業員のエイズ対策を支援 ■サプライヤーサポートの取り組み 南アフリカ・TSAM (Toyota South Africa Motors) インドネシア・TMMIN (Toyota Motor Manufacturing Indonesia) 1993年よりHIV/エイズ対策を行っており、 「ピア・ エデュケーター」と呼ばれるボランティアを養成し、 啓発活動を実施。企業内クリニックではエイズ発症抑 制剤ARV治療も実施。 2007年度のレポートで紹介 洪水の影響を受けたサプライヤーに対し、助言や 設備の修理、修理用部品の供給を通してサポート。 洪水時の再発防止を図るため取水口改良や土手の かさ上げを実施。 2007年度のレポートで紹介 [地域社会・グローバル社会] [地域社会・グローバル社会] ■自然保護の取り組み ■安全意識・技術向上の取り組み 米国・TMS (Toyota Motor Sales, U.S.A.) ニュージーランド・TNZ (Toyota New Zealand) 生物多様性の宝庫であるガラパゴス諸島で、環境 負荷の少ないエネルギー供給プロジェクトに参加。 ISO取得ノウハウや資金の両面で支援しました。 NGOと協働で、 初心者ドライバーの意識と運転技術 向上を目的とする高校生向け運転技術研修プロ グラムを実施。研修に必要な車両、点検・整備費用 を提供。 2006年度のレポートで紹介 2004年度のレポートで紹介 [地域社会・グローバル社会] [地域社会・グローバル社会] ■環境教育支援の取り組み 英国・TMUK (Toyota Motor Manufacturing(UK)) 環境保全や地域社会に貢献するため、 コンテストを 企画。子どもたちに、科学技術への興味、環境配慮 への意識を高めてもらうことが目的です。 2005年度のレポートで紹介 ■地域コミュニケーションの取り組み 中国・GTMC (Guangzhou Toyota Motor) これまでに培った工場公開のノウハウを海外に展開し、各国 事業体の支援活動を開始。これに呼応し、GTMCは操業時より 工場を公開。モノづくりの大切さを伝えるとともに、従業員に仕事 へのやりがい向上を促進。 2007年度のレポートで紹介 ホームページではさらに多くの事例を掲載しています。 [URL] http://www.toyota.co.jp/SR/08repo/activities/ 海外の地域・国別報告書掲載URL 地域・国 URL 北米 http://www.toyota.com/about/environment-2007/index.html カナダ http://www.toyota.ca/NWS/media/pdf/naer2007_e.pdf 台湾 http://www.kuozui.com.tw/english/index_e.htm 豪州 http://www.toyota.com.au/toyota/events/Content/0,4906,3528_1372,00.html 欧州 http://www.toyota.eu/04_environment/08_sustainability_report/index.aspx タイ http://www.toyota.co.th/environment/en/a_home.asp インド http://www.toyotabharat.com/inen/environment/index.asp アルゼンチン http://www.toyota.com.ar/environment/reports/index.asp 南アフリカ http://www.toyota.co.za/toyotaworld/environment.aspx フィリピン http://www.toyota.com.ph/ecosafety/index.asp ニュージーランド http://www.toyota.co.nz/AboutUs/Sustainability/ ブラジル http://www.toyota.com.br/meio-ambiente/relatorio.asp (2008年8月現在) ※報告書が直接掲載しているURLがある場合はそのURLを、 ない場合は環境のトップページを掲載しています。 90 第三者審査 トヨタでは、 「Sustainability Report 2008」 の正確性および客観性の向上のため、環境定量情報について、デロイト トウシュ トーマツの主要構成事務所である 監査法人トーマツの関係会社(株) トーマツ審査評価機構による第三者審査を受けています。 第三者審査手続は、①審査計画策定 ②審査実施 ③審査報告 ④最終版報告書チェック ⑤第三者審査報告書提出 会社概要 商 号 トヨタ自動車株式会社(TOYOTA MOTOR CORPORATION) 株主数 522,135名 創 立 1937年(昭和12年)8月28日 発行済株式総数 3,447,997千株 主な事業 自動車および住宅の製造・販売 ほか 上場証券取引所 国内) 東京、名古屋、大阪、福岡、札幌 資本金 3,970億円 本 社 〒471-8571 愛知県豊田市トヨタ町1番地 TEL 0565-28-2121(代) 国内の主な生産拠点 社 〒112-8701 東京都文京区後楽1丁目4番18号 TEL 03-3817-7111 (代) 海外) ニューヨーク、ロンドン (注)資本金・株主数は2008年3月末日現在。資本金は1億円未満切捨て。 東 京 本 名古屋オフィス 〒450-8711 愛知県名古屋市中村区名駅4丁目7番1号 TEL 052-552-2111 (代) 自動車:本社工場、元町工場、上郷工場、高岡工場、三好工場、堤工場、 明知工場、下山工場、衣浦工場、田原工場、貞宝工場、広瀬工場 住 宅:春日井事業所、栃木事業所、山梨事業所 地球温暖化防止の国民運動「チーム・マイナス6%」に参加 トヨタは、地球温暖化防止の国民運動である「チーム・マイナス6%」に参加。 ①冷房温度28度の設定、②夏季の軽装の奨励など、CO2排出量抑制に努めます。 91 [カラーユニバーサルデザイン] この 報 告 書は 、カラーユニバ ーサルデ ザ Cert no. SA-COC-1544 インに 配 慮して 制 作 するため N P O 法 人 カラ ー ユニバーサルデザイン機構 (http://www.cudo.jp/)に依頼し、情報 [編集・製版・刷版] (Computer To Plate)化し、製版工程での中間材料であるフィルムの使用を全廃しました。 が正しく伝わるか色弱者モニターの方に 製作をCTP ご確認いただいています。 [用紙] 市中回収古紙パルプとFSC(Forest Stewardship Council 森林管理協議会) で認定された森林および管理された森林より採取 した木材で製造したパルプを配合した用紙を使用。 すべての用紙製造にECF (Elemental Chlorine Free) 漂白を採用しています。 ECFは従来パルプ漂白の際に使用していた塩素ガスの替りに、ダイオキシン等の有機塩素化合物を発生させにくい漂白剤を使用 しています。 [ユニバーサルデザインフォント] 視認性、判読性に優れたユニバーサルデザ [インキ] フリーとしました。 インフォント(書体)を使用しています。文字 インキの石油系溶剤を大豆油主体とした植物油系溶剤に100%置き換え、VOC(揮発性有機化合物) の骨格をシンプルにし、 骨格で囲まれた空間 [印刷] を広く大きくとったデザインとしたことで 刷版現像時にアルカリ性現像液・酸性定着液が不要で、インキ転写時にイソプロピルアルコールなどを含む湿し水が不要な、 水なし方式を採用しました。水あり印刷に比べVOCを60%以上削減しています。 ディスレクシア(難読症)の方への配慮を行 うとともに、弱視や高齢の方が視認しやすい [加工製本] ことを評価・確認しています。 製本用接着剤は古紙再生時に分離除去が容易なポリウレタン系の接着剤を使用しました。 また使用する用紙の内、加工時の断裁によって発生する余白紙、使用用紙中の19.3%は製紙会社へ送り、古紙として再生紙の 原料としました。 本報告書はISO14001の認証を取得した会社、工場で生産した資材(用紙、 インキ、刷版、接着剤) を使用し、印刷、編集もISO14001の認証を取得した会社で実施しました。 発行部署/CSR・環境部(問い合わせ先)TEL 03-5800-7745 FAX 03-3817-9035 発行/2008年7月 次回発行/2009年夏予定 WEB版URL http : //www.toyota.co.jp/SR/08repo/ 冊子お申し込みURL http : //www.toyota.co.jp/SR/form/ EA-0807