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河合委員提出資料(PDF形式:863KB)
1 トヨタのFCV開発の取り組みと 普及にむけた課題 2014年3月4日 トヨタ自動車株式会社 河合 大洋 2 FCVの開発状況 トヨタ FCV、FCバス 今後の展開 3 ・2015年からセダンタイプのFCVの販売を開始 ・日本ではインフラ整備が期待される4大都市圏から ・お客様に納得頂ける価格レベルを目指す ・2016年からFCバスの販売を開始 ・2020年以降の普及拡大を目指し、更なるコスト低減を推進 2015年頃販売開始 2013年東京モーターショー出展コンセプト車 「TOYOTA FCV CONCEPT」 2016年頃市場導入 FCバス(東京空港交通仕様) FCスタックの耐久性 4 クロスリーク量 低コスト化⇒小型・高性能、加湿モジュールレス(例:電解質膜の薄膜化)⇒クロスリーク悪化への対応が必要 開発初期 限界値 物理的 劣化低減 2008年 最大出力 限界値 2008年 開発初期 低コスト化⇒Pt触媒量低減⇒性能低下、耐久性低下への対応が必要 耐久性(年) 耐久性は着実に向上しつつあるが、性能/コストとの背反解決が必要。 バス・トラック等への展開も踏まえ、更なる材料・基盤技術の研究開発が重要 FCシステムコスト低減 FCHV-adv (2008年) 5 1/20以下 (2015年) さらなる コスト低減 普及開始 限定導入期 技術課題解決 本格普及期 コスト低減 設計 生産技術 量産効果 2015年のFCV導入開始に向け、FCシステムコストを2008年モデルの1/20以下を 目指して開発中。2020年以降の普及拡大に向け、更なるコスト低減に注力。 燃料電池システムの開発状況 車両システム効率 60% 65% (TOYOTA FCHV-adv 比、米国試験LA#4モード、社内測定値) 信頼性向上、小型・軽量化、低コスト化 加湿器レス 昇圧コンバーター採用 昇圧コンバータ 6 燃料電池 FCセル枚数削減、モーター小型化 水素タンク タンク:貯蔵性能 約20%向上 5.7wt% 達成 世界トップレベル (TOYOTA FCHV-adv比) 燃料電池:出力密度 2倍以上向上 3.0kW/L 達成 世界トップレベル (TOYOTA FCHV-adv比) 出力100kW以上 パワーコントロールユニット モーター 2次電池 水素充填口 普及型FCV導入に向け、更なる進化を目指す 7 普及に向けた課題 水素価格 FCHV-adv ハリアー HV ハリアー ガソリン 1880㎏ 1800㎏ 1660㎏ JC08モード 124㎞/㎏ 燃料消費率 =32.6㎞/L 21.4㎞/L 14.8㎞/L JC08モード ×0.7 22.8㎞/L 15㎞/L 10.4㎞/L 燃料価格 80円/Nm3 =896円/㎏ =236円/L 150円/L 150円/L 車両重量 100㎞走行 1035円 時の燃料代 8 FCVとHVの燃費差を考慮した燃料代の比較(日本) (円/Nm3) 100 90 水 素 価 80 格 1448円 HVのガソリン代 ≒ FCVの水素代 70 水素代の方が 安い領域 60 50 120 1001円 トヨタ試算 110 130 140 150 160 170 180 ガソリン価格 (円/L) JC08モード×0.7 カロリー等価:水素1㎏=ガソリン3.8L 水素1㎏=11.2Nm3 FCVの燃費向上と水素価格の低減によりお客様にメリットが出る。 販売初期の都道府県別プリウス台数比率 9 プリウス販売台数のほぼ半数が4大都市圏 ⇒FCVも最初は、4大都市圏中心に水素STを集中配置し、初期市場を創生したい 販売台数比率 販売台数比率=各県でのプリウス販売台数/全国での販売台数 中京圏 愛知 等 首都圏 東京、神奈川、埼玉、千葉等 関西圏 大阪、兵庫等 愛 高 福 佐 長 熊 大 宮 島 川 媛 知 岡 賀 崎 本 分 崎 縄 香 口 沖 徳 鹿児島 山 良 島 庫 山 奈 阪 広 兵 都 根 大 賀 岡 京 重 島 滋 知 取 三 岡 鳥 愛 阜 和歌山 静 野 京 岐 葉 長 東 玉 梨 千 馬 井 埼 木 山 群 城 福 栃 島 川 茨 形 山 福 田 石 山 城 潟 秋 手 富 宮 森 新 岩 神奈川 青 北海道 都道府県 北九州圏 福岡 等 初期のFCV需要予測地域と台数規模 10 1STあたりの台数比率 (~’19年) 100% 個人 90% 法人 東京重点地域 80% 愛知重点地域 70% 枠付:ST設置計画有り 60% 大阪重点地域 50% 40% 30% 20% 八王子市 中川+港 中央+西+浪速+天王寺+東成 南+瑞穂+熱田 緑区+天白 足立区 練馬区 墨田+台東+荒川 新宿+文京 大田区 中+北+東 品川+目黒 世田谷区 豊田市 0% 港+中央+千代田 10% 初期のFCV需要予測地域である4大都市圏の 都心部への水素ST設置が重要 水素ST設置計画と課題 11 100% 個人 90% 法人 80% 70% 設置を期待する場所 60% 50% 40% 30% 20% 中川+港 八王子市 南+瑞穂+熱田 中央+西+浪速+天王寺+東成 足立区 緑区+天白 練馬区 墨田+台東+荒川 大田区 新宿+文京 中+北+東 豊田市 世田谷区 品川+目黒 0% 港+中央+千代田 10% 現状 ST地区 図1. FCV販売が見込まれる地区 図2. 13年度計画ST @首都圏 <課題> ・高需要地の都心部に、十分な水素STの設置計画がない。 ・水素STの設置・運営コストが高い。都心部は地価が高いため、より運営費が嵩む。 ⇒都心部での水素ST設置候補場所の探索、 小さな土地でも設置可能な「移動式水素STの活用検討」が急務。 国・政策への要望・期待 12 FCV普及、水素需要の創出のために (1)FCV普及のための支援 ・FCVユーザーに魅力あるインセンティブ(補助金、優遇税制等) ・政府によるFCV率先導入(含:霞ヶ関近郊の水素ST設置) (2)水素ST整備・運営への支援 ・’15年100基に向けた水素供給インフラの整備支援の拡充 ・’15年度以降、当面の間(FCV黎明期)の水素ST運営支援 ・初期(先行)インフラ整備事業者に対する様々なインセンティブ ・需要地(23区内や横浜市街など人口密集地)へのST設置 (例: 国有地、公有地のご提供) ・高速道路沿いへの設置(含:自治体のご理解、途中流出通行料免除) (3)規制見直しの具体的活動へのご支援 ・規制見直しの期限通りの完了。欧米と同じ土俵となる規制見直し。 (4)水素・FCVの社会受容性の向上 水素インフラ事業者・機器メーカへの要望・期待 1.FCV普及、水素需要の創出のために (1)欧米と競争力のあるST設置価格(含、工事費)の実現 欧米と同じ土俵まで競争できる環境整備(規制見直し等) パッケージ化等の技術開発の推進 (2)運営費低減のための様々な工夫、活動 (セルフ充填化、メンテ費用削減など) (3)高需要地へのST設置の具体化(移動式含めた検討) (4)ユーザーが魅力を感じる水素価格の実現 (5)水素安全の理解活動(自動車業界と協力して) 13 まとめ 2015年FCV市場導入に向け、着実に準備を進めている。 2015年以降、FCV市場創生に向け、車の魅力向上、価格低減 の努力を継続する。 FCV普及には、水素ステーションの展開が必要であり、政府・ インフラ関係者・車メーカ・自治体で協力して進めていきたい。 14 15