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【2-8 重度心身障害者医療費助成】(障害者福祉課)

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【2-8 重度心身障害者医療費助成】(障害者福祉課)
【2-8
重度心身障害者医療費助成】(障害者福祉課)
コーデ=コーディネーター
評価者=評価者
市=説明者(市職員)
コーデ:次の事業は、重度心身障害者医療費助成事業です。
それでは、早速、ご説明をお願いします。
市:それでは、重度心身障害者の医療費助成について説明をさせていただきます。
申し訳ありませんが、先ほど差しかえの資料をお手元に配らせていただきました。内容は
24年度の受給者数の市単独のものが以前2,677という数字だったのですが、再度もう一度職
員による目視でチェックをしましたところ、952に訂正をお願いします。それに伴いまして、
助成経費の中の市単独の基準の対象もだいぶ変わっておりますので、よろしくお願いしたい
と思います。
それでは、説明させていただきます。
まず、重度心身障害者の医療費助成の説明をする前に、障害者の施策の動向は非常にここ
10年ぐらい激変しておりまして、考え方も変わっておりますので、まずその障害者施策の
背景を説明させていただいたほうがこの事業の理解が深まると思いますので、まずこれから
説明させていただきたいと思います。
まず、障害者施策の歴史の左側を見ていただきますと、身体障害者福祉と知的、精神とい
う3つの分類の法律で2003年の支援費制度、真ん中辺にあるものですけれども、そこまで
の間はそれぞれの法律に基づいて身体障害者は身体の方の障害がある方と、あと知的とか精
神、それぞれの法律によりまして、措置という形で市のほうがその方々のサービスメニュー
とかあるいはどこで何を受けるかということを決めておりました。ところが2003年、支援
費制度ということで介護保険制度が3年前に施行されておりますけれども、介護保険制度と
同じように措置から契約へということで、利用者が自らサービスを選択できる仕組みに変わ
りました。そのときに身体障害の関係と知的の方のものについては、支援費制度という中で
運用することになりました。ただ、精神の方については、そのまま引き続き精神福祉法を根
拠にして行っておりました。
それから3年後ですけれども、障害者自立支援法が施行されました。ここでの大きな変化
は3障害共通の制度と書いてありますが、これまで支援費制度では身体と知的の方々のサー
-1-
ビス等の提供について決められていたものですけれども、そこに精神障害の方が加わって、
福祉的なサービスについて、3障害共通の制度、障害者自立支援法が施行されました。
さらに、何度かの自立支援法の改正がありましたが、今年4月に障害者総合支援法という
のが施行され、その上に障害者基本法というものがあると思います。障害者基本法というの
は、障害者の自立とあと社会参加の支援等のための施策についての基本的理念を定めたもの
ですけれども、その中で障害に対する概念がここで大きく変わっております。そこに医学モ
デルから社会モデルへと書いてございますけれども、このように障害に対する考え方が変わ
っております。医学モデルというものはどういうものかといいますと、障害というものを疾
病ですとかあるいは外傷などによって生じた個人的な問題というふうに捉えているものでご
ざいます。それから社会モデルは、そういった障害というものは個人に帰属するものではな
くて、社会、環境によってつくり出されるもの、すなわち社会全体で共同して、責任として
障害の対応に当たろうというのが社会モデルという考えでございます。障害の概念が2011
年の障害者基本法によりまして変わってきたということでございます。
その考え方を踏襲して2013年、今年4月から障害者総合支援法というのが施行されたわ
けでございますけれども、ただ総合支援法が、実はその前に2006年の障害者自立支援法が
施行されて、幾度かの改定がされていますが、2009年に障害者についての施策について国
のほうで検討を立ち上げたときに、障害者総合福祉法という名称で障害者自立支援法を廃止
して障害者総合福祉法を施行するというような考え方で検討されておりました。
障害者総合福祉法というのは、これまで制度の谷間がやはりあるものですから、その制度
の谷間を埋めようということと、個々のニーズに合ったサービスを提供する地域福祉サービ
スの構築をしようというようなものが障害者総合福祉法だったのですが、それが検討する中
で、今年4月に施行された総合支援法では、下のほうに吹き出しで書いてありますけれども、
法施行後3年を目途に障害福祉サービスのあり方ですとか、ニーズを含めた支給決定のあり
方などを決めていくと。ですから、平成27年度までにこういった抜本的な検討をされると
いうことで、総合支援法は、実際は障害者自立支援法を引き継いだような形のものになって
おりまして、今後まだここ3年間で障害福祉サービスのあり方というのは、激変、ドラスチ
ックに変わる可能性が含まれております。ですから、障害者の施策につきましては、ここ
10年ぐらいで非常に大きく変動してきたというようなことでございます。
加えて、先ほど申しましたように、身体とか知的の障害のある方については、どちらかと
いうと福祉的なサービスの要素が非常に強いサービスだったのですが、片や精神保健福祉に
-2-
ついては、保健衛生的な施策で取り組まれておりました。それが障害者自立支援法の施行に
よりまして3障害共通ということになっておりますので、その辺の考え方も2006年から流
れが変わっていくというようなことでございます。
こういった障害者を取り巻く環境が非常に大きく変わっていることを背景にしまして、今
回の重度心身障害者医療費助成について説明させていただきます。
まず、この事業の取り巻く背景ということですけれども、背景としましては昭和48年に
老人福祉法の老人医療費支給制度が創設されました。この中で老人医療に係る自己負担が無
料化されました。これを受けまして、赤字で書いてございますところですけれども、社会的
弱者である障害の方に対しても同様に補助を出すと。上のほうは保険医療ということで、国
の経費が入っておりますけれども、当該事業につきましては国の経費が入らず、各都道府県
レベルでこういった助成制度を構築しまして、管下の市町村で実施する場合には、その補助
金を活用して市町村がやるというようなことでございますので、この事業については地域の
単独の事業でございます。国の経費は入ってございません。
昭和48年4月に県が国のほうの老人医療費の動きを受けまして、重度心身障害者に係る
医療費の助成をする市町村に対して補助金を実施するということで始めまして、本市も県の
補助金を活用して、当該事業を始めたわけでございます。
次、取り巻く環境というところですけれども、これは大きく分けて2つ記載させていただ
いておりますけれども、1つ目は平成16年12月に、これまで負担金がなかったものにつき
まして、1カ月について1医療機関500円を自己負担していただこうというものに変わりま
した。それと2点目ですけれども、本市が政令市に平成17年に移行したわけでございます
けれども、それまでは2分の1の補助があったのですが、これは県・市の基本協定の中で、
この事業については基本的には順次減率されまして、そこに書いてある平成17年から平成
22年まではこれまで2分の1だったものが3分の1、平成23年度については6分の1、平
成24年度以降は県の補助金が不交付というような状況で、非常に財源的にも厳しい状況に
なっているのが現状でございます。
次に、重度心身障害者の医療費助成事業ということで、この説明をさせていただきますけ
れども、この事業は静岡市の障害者計画に位置づけておりまして、計画的かつ着実に進める
事業として、本市としては位置づけております。
助成内容としましては、重度の障害のある方は、後ほどどういった方かというのを状態像
でご説明させていただきますけれども、重度の障害のある方が健康保険の適用を受けた医療
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費のうち、自己負担分を助成するということで、皆さんが医療機関にかかったときに大体3
割ぐらいの負担をしていただくと思いますけれども、その3割負担のうち500円を本人が負
担していただいて、残りの金額、例えばそれが1,000円自己負担、医療機関でかかったとし
ましたらそのうち500円を本人負担、500円を市の補助金で渡すというようなものでござい
ます。
利用方法としましては、自動償還払いということで、一旦医療機関の窓口で1割ないし3
割相当の金額を払っていただきます。その後、その金額から500円を差し引いた金額を市の
ほうから本人が指定した口座に振り込むということでございます。
制度の内容ですけれども、今左側が静岡県基準、右側が静岡市となっておりますけれども、
根拠法令は静岡市を見ていただくと、規則ということで、これについては先ほど申し上げま
した市といいますか、地域、地方の単独事業ということなので、規則等で規定しております。
助成対象につきましては、県基準①身体障害者1、2級と内部障害の3級を有する障害者
以下4項目ございますけれども、この基準が県の基準でございます。その基準に本市の場合
は助成対象を拡大しておりまして、⑤の所得制限において特別児童扶養手当が支給停止の方
ですとかあるいは身体障害者の3級あるいは療育Bのいずれかを持っている6歳以下の未就
学児等につきましては上乗せといいますか、対象を拡大して実施しております。
実施事業のところを見ていただきますと、一番下でございますけれども、精神拡充分とい
うことで、これまでは身体と知的の方だけだったものが昨年10月から精神の障害の方にも
拡大をしたということでございます。基本的に緑のところが県の基準、黄色のところが静岡
市の拡大した部分ということで、今後もそういう形で表示させていただいております。
次に、状態像について若干説明させていただきます。
まず、身体障害の手帳の方ですけれども、例えば視覚障害の場合は両目の視力の和が
0.01以下の者、2級の方は同じく和が0.02から0.04以下ということで、手帳は1級から6
級までございますけれども、級が少なくなる、1級が一番重い方でございます。あと例えば
肢体不自由の上肢の場合ですけれども、1級の方については両上肢の機能を全廃したもの、
または両上肢の手関節以上、手関節というのが手首より先でございますけれども、手首より
先がないというような形で、2級は両上肢の機能の著しい障害ですとか、全ての指を欠くも
のという形になっております。3級は若干それより軽くなっている状況でございます。
この程度につきましては、まず判定に医師の判断等の裁量が非常に加味されるということ
で、今の部分では比較的具体的になっておりますけれども、例えば今画面に出ております上
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から9列のところの3段目以降、心臓とか腎臓、呼吸器、膀胱等これは内部疾患と呼ばれて
おりますけれども、これについては例えば1級については極度に制限される者あるいは3級
については著しく制限されるものと、非常に曖昧な言い方になっています。これは判定につ
きましては医師の判断等の裁量が加味されるということで、現在公表されている表現で記載
させていただいたということで、具体的にはマニュアル等があるのですが、例えば今の部分
ですが、極度に制限されている、これは心臓とか腎臓とか膀胱とか、それぞれの障害の臓器
によってその度合いが違うのですが、例えばですけれども、極度に制限されているもの、小
腸の場合を例にとりますと、極度に制限されている場合には小腸が切断されていまして、残
存の腸が手術時に75センチ未満のときに1級であると。逆に3級の著しく制限されている
場合というのは、小腸が切断され、残存腸が手術時に75センチ以上150センチ未満という、
これは数字的なものだったものですから、ある程度わかりやすいなと思ったのですが、他に
心臓とか腎臓等につきましては、血糖値とか数値的なもので判断されるというようなもので
ございます。
あと、精神のところ、下のマスが違いますけれども、下のところが精神のところでござい
ます。1級のところが実は日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度、非常にわかり
にくい表現ですけれども、これをもうちょっと平たくいいますと、他人の援助を受けなけれ
ばほとんど自分で日常生活を送ることができない程度のことで、例えば外出時には付き添い
がなければ外出できないですとか、家事が困難であるとか、あるいは親しい人との交流も乏
しくて引きこもりがちであるということです。2級は日常生活が著しい制限を受けることを
必要とする程度のものというものにつきましては、必ずしも他人の助けをかりる必要はない
けれども、日常生活が極めて困難な程度の方を指すということです。例えば付き添いなしで
外出はできますけれども、ストレスのかかる状況が生じた場合には対処が困難であるとか、
例えば病院の外出などの習慣化された外出はできるなどの状態を指すということでございま
す。
知的障害につきましては、ごらんのとおりに最重度Aと重度が県基準、Bの部分が市の単
独という部分でございます。
自動償還のフロー図をご覧ください。まず、障害者の受給者のところですけれども、障害
者の受給者が当該事業を使いたい場合に、市のほうに受給者証の交付申請を行います。先ほ
どの要件に該当した場合には受給者証の交付を行います。受給者証の交付を受けた障害のあ
る方は医療機関に提示しまして受診します。そうしたときに先ほどの医療費の自己負担分、
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これは医療費の1割ないしは3割程度の金額を一旦払います。そうしますと医療機関からは、
県の国保連合会というところが仲介しているのですが、医療費明細を提出します。その医療
費の明細を取りまとめて、本市のほうに送付されまして、それを確認しまして、先ほど1割
ないしは3割負担から500円を引いた金額をご本人に毎月20日まで払うということでござい
ます。静岡市としましては、医療機関から医療明細の提出を受けているものですから、それ
について国保連合会で取りまとめ、その手数料と委託料を国保連合会に支払うというような
フローになっております。
あと受給者数と扶助費については記載のとおりで、大体毎年受給者数については180人ぐ
らい、扶助費については2,000万円を超える金額が毎年増加しているというような状況でご
ざいます。これはこのことをグラフにしたものでございます。これは所得制限と給付制限と
いうことで、県の所得制限をしたときにどのくらいの世帯の所得があるかということの参考
でございます。また参考にしてください。
あと最後でございますけれども、財源についてすみません、説明させていただきたいと思
いますけれども、事前に配付させていただいた事業概要シートをごらんいただきたいと思い
ます。
その中に主な事業費ということで事務委託料というのが平成25年ですと2,200万円強の金
額がございます。これにつきましては、先ほどの医療費明細の取りまとめの経費として、国
民健康保険団体連合会のほうに払われるものでございまして、その下の手数料3,800万円に
つきましては、医療機関に払われる費用でございます。あと次のページには政令市あるいは
県内各市の状況について記載しておりますので、ご覧いただきたいと思います。
以上でございます。よろしくお願いします。
コーデ:ありがとうございます。10ページだけもう1回、開いてもらっていいですか。そこだ
け説明を追加していただきたいのですが、今もらった資料のもっと詳しいもの、これをちょ
っと説明していただけますか。
市:今お手元に改訂版ということで、当日配付資料を見ていただきたいと思いますけれども、
まず受給者数ですけれども、平成24年の段階ですと全部で1万5,313人、その内訳としまし
て、先ほどの対象者のところで緑の部分がありますけれども、そこが県の基準の対象者が1
万4,361人、黄色の部分が市の単独の分が952人でございます。その中で助成経費を見てい
-6-
きますと、市の単独の基準で対象になっている方が1億600万円強の金額がかかるというよ
うなことでございまして、差し引き残りが県基準の方ということです。一番右側は補助金で
して、先ほど申しましたように順次低減されておりますので、平成22年までは3分の1、
平成23年は6分の1、平成24年はゼロというようなことになっております。
コーデ:ありがとうございました。これが今いただいた資料の内訳と内容です。
少し制度理解を深めたいので、ご説明していただいた件に関して質問をお願いいたします。
評価者:今の説明によると、医療機関にかかったら別に人数制限も金額の制限もなく、500円
を除いて負担していただいた分以外を振り込むということになるんですけれども、そうする
と財源というのは予算は組んであるものの、これよりも医療機関にかかって申請が多ければ
払うということになると思うのですが、その辺の財源の心配というのはいかがですか。
市:この件について扶助費的要素が強いので、不足した場合には補正等の対応でその財源を賄
うということです。
コーデ:財源内訳を平成25年度予算で結構なので、その他と一般財源、ちょっとこれをお話い
ただけますか。
市:経費でかかるうち、その他というのは実は健康福祉基金というものが当局にございまして、
一般財源を充当して足りない部分を基金から補塡するというような形になっています。
コーデ:税金が6億5,641万5,000円で、そのほかは基金の取り崩しで6億調達したということ
ですか。
市:そういうことです。
評価者:所得制限をしている政令指定都市も結構多いのですが、所得制限は前向きに検討した
いと思っていますか。事務処理の負担が大きくなりますか。
-7-
コーデ:その質問の前に、所得制限が今までなかった理由も踏まえて回答願います。
市:先ほど申し上げましたように、県の補助金が今現在不交付というような状況になっており
ます。毎年2,000万円ぐらいの金額が今後増えていくということが想定される中で、その経
費をどうするかというようなことでございます。当然限られた予算の中でのことなので、実
はうちの課の中で検討する中で、今後制度自体の趣旨としては、障害のある方が医療費、経
済的な負担を軽減するということで、所得制限を考えるべきではないという考え方と、もう
一つは、非常に限られた財源の中で今後増えていって、特定財源も見当たらないということ
を考える中では、所得制限も考えるべきではないかと、意見が割れている状況でございます。
確かに事務の負担としては、増える可能性がありますけれども、それはシステム上行うの
で、プログラムさえ確認すれば、事務の負担というのはそれほど職員の負担はかからないも
のだとは思っています。
評価者:所得制限をやろうとすれば、事務処理的にはできるということですよね。
市:そうですね。他市もできておりますので、静岡市としてはできないことはない。ただ、今
現在、所得制限なしで受給される方がいらっしゃるのは事実なので、その方々についてのや
はり意見聴取なり理解を深めていただいた上での実施ということにはなろうとは思います。
評価者:資産制限みたいな検討はなされていないですか。もし、その人が10億とか20億とか
の財産を持っていたら、その人にまで助成するのかということですが。
市:資産制限につきましては、非常に確認の手法が難しいと思います。今の所得であれば、県
と同様に特別障害者手当の基準を使うということであれば、その情報はあるのですが、資産
となりますとその方々の預金残高ですとか、不動産の状況まで見なくてはいけないとなると、
非常に職員の負担が増えるものだと思います。
評価者:預金はできないけれども、動産、不動産は市役所内でわかりますよね。
評価者:主な事業費の中に先ほど事務手数料、委託料、例年6,000万円くらい大きな金額が出
-8-
ているのですが、この辺の詳細をお願いします。
コーデ:事業フローを見ながら説明をお願いします。
市:まず静岡市から⑧ですが、手数料と委託料、それですね。これについては医療費明細を取
りまとめる国保連合会の委託料、これは単価が1件当たり65円でございます。それと医療
機関から医療明細の提出を受けて、そこの⑤ですね。医療機関から医療明細を提出していた
だくのですが、その出していただく手数料を国保連合会に一旦預けて国保連合会から⑨にな
りますけれども、それを医療機関のほうに1件当たり今は100円44銭でお支払いをしている
というのがございまして、この金額につきましては県下同一の金額で行っております。
コーデ:これが事務手数料でしたか。
市:今のは国保連合会で取りまとめるのが事務委託料で、手数料というのが医療機関に払う医
療費明細の⑤です。
コーデ:勘定としてはこっちが事務委託料ですか。
市:国保連合会を通じて、点数が払われますので、国保連合会にはここの事務手数料と委託料
が合わせたものが行きまして、国保連合会のほうでそのうち委託料をいただく。
評価者:制度のことですが、他の政令指定都市でもいろいろ対象はそれぞれあると思うのです
が、静岡市の独自の対象者の選定要件について教えてください。
市:これにつきましては制度が昭和48年から施行されているのですが、実はこの6歳以下の
未就学児がなぜかということで、古い文書等で職員が確認したのですが、実はその当時の書
類が見つからず、正直すみません、ここについてははっきりした理由がわかりません。ただ、
想像できるのが当時、ここを上げたときに1つの考えとしては財政的な負担として6歳未満
の家庭のところに、まずは提供するという財政的な観点から考えられたということは想定で
きますけれども、それ以外のことは申しわけありません。今ちょっとはっきりしたものはわ
-9-
からないです。
評価者:市の独自基準を設けるからには、なぜ静岡市がこの独自基準を設けているかと、正確
性といいますか、そこにきちんとした意義が大事だと思いまして、それが例えば今求められ
ているニーズに合っているかどうかというようなものを検討したりはしていますか。
市:昨年子ども医療費ということで、この事務事業の評価の対象になった事業があります。そ
の事業とオーバーラップする部分がございます。ただ、その中で子ども医療費のほうにつき
ましては、この重心の制度を受けた場合には対象にならないというような整理をされている
ということと、あと向こうの対象が年齢で区切られているということですけれども、こちら
の重心の方については、⑤から⑦で①のほうも身体障害者1、2級とかというものについて
は年齢要件が特にないので、こちらのほうがそういった意味では大きくカバーできるのかな
という部分と、あと負担についても確か向こうのほうは1件500円で月の回数に制限がなく、
5回かかれば2,500円という形ですけれども、こちら重心の方の場合、1医療機関について
500円ということで負担が少ないというようなこともございます。
ただ、確か向こうのほうは現状維持というように昨年度判断されておりますので、その辺
を加味しながらこれも考えなければいけないとは思いますけれども、ただ精神の関係が平成
24年10月から新たに加わったというようなことがございまして、当課としては検討する中
で、やはり精神の方々の状態等をある程度見極める時間が必要ではないかということで、こ
こ2~3年のうちにその精神の方の動向を見極めながら整理していきたいというふうには今
のところ結論づけております。
評価者:これは適用に関してちょっと確認ですが、医療保険適用でその一部負担金の軽減とい
うことですから、かかる医療によって高額になった場合には保険のほうで加算療養費であっ
たり高額療養費であったりというのがあるので、その上限分までのところで500円控除した
分の金額という部分になるわけですよね。そうするとある意味では市が助成金として支払う
のはその限りにおいてその対象者に対してはということになりますね。
もう一つは、結局これは県との関係でいうと、市独自の基準ということが1つ検討の対象
になるのかなと思います。実態と照らしたときには、県基準のほうになるような例えば身体
障害者手帳1級、2級というのは年齢制限がないので、この方のみというのは先ほど言った
-10-
ように扶助の対象となるのは、福祉の関係で合算療養費とか、医療であれば高額療養費の関
係でそこが上限ですね。だから、それはシーリングがあるわけですが、結局利用者層が障害
者ですけれども、高齢者が増えてきている。そういう人たちがこういう手帳を持つようにな
っているのかどうかという、要するに対象別の支給状況といいますか、これを見ると対象基
準が市独自の基準も含めて1から7まであるわけですが、市独自の基準を対象に支出してい
るものよりは、むしろもともと県でやっていたところに係るもので、かつそれが重度心身障
害者ということですけれども、実態的には高齢になり、その心身機能の低下との関係でこの
制度の活用ということになっていたりするのかどうかということをちょっとお伺いしたい。
市:まず、高齢者の方々については、当然障害がある方、実質要介護状態になるというような
ことがありますけれども、ただそれをもって手帳を取得するかといいますと、高齢者の場合
にはそういう状況になった方がイコール障害の手帳を取るというような動きはあまりないと
いうようなことなので、あまり高齢者と障害の手帳というのは、高齢者のみと同じように障
害手帳伸びていくかということはないと思います。
ちなみに障害の手帳別に障害別に伸びを参考までにちょっとお伝えしますと、身体の方に
ついてはだいたい毎年ですけれども、200人ぐらいずつ手帳の取得が増加しております。療
育、知的の方につきましてはだいたい100人弱ぐらいですね。70から80人ぐらいの方々が毎
年手帳を取得しているというような状況にございます。
それで、先ほど県の基準と市の基準の内訳をちょっと出させていただいたところ、市の基
準の方々については、ほとんど県の基準に比べてない状況でして、金額的には240万円程度
ぐらい市の単独の部分が占めるにすぎない状況にございます。
評価者:事実に関してちょっと確認をしたいと思ったのでお聞きしました。
少し加えたことでいうと、高齢になると他方で介護保険があり、医療の必要性との関係で
ということになるかと思います。例えば認知症などの状況になると、介護保険もあるわけで、
それが医療かそれとも福祉かというところで考えたときに、いろいろな考慮の中で医療に来
る場合があるのかなというのをちょっと思ったので、先ほどそういった主旨でお聞きしまし
た。いずれにしても県基準でのものがあり、一番大きいのはそっちの部分だということもわ
かりました。ありがとうございました。
-11-
コーデ:1つ聞かせてください。今後の見通しも算出いただいていますので、これもちょっと
説明いただけますか。
市:あらかじめご質問をいただいた中で、見込みですけれども、基本的には今の伸び率で積算
しておりまして、平成26年については11億9,860万余、平成27年については12億1,660万円
余、平成28年については12億3,480万円余という形で約1,000万円弱ぐらいずつの増加を見
込んでおります。
コーデ:このトレンドは、200人というのは手帳の取得のベースで、毎年毎年伸びているという
ことですね。
市:金額については、手帳の取得ではなくて、金額の伸びのトレンドです。
コーデ:さっきは手帳の取得状況でこうなり、普通の状況でいっても毎年毎年加算されていく
というのは、そういうトレンドではあるということですね。ですから、高齢社会である限り、
この支出はどこまでいくかわからないという乱暴的な数量ですが。
市:ただ、今人口減少社会に入っておりますので、当然歳入は減りますけれども、恐らく人口
減少に伴って伸びというのは頭打ちにどこかでなって、減少する傾向にはあるかなと思いま
すけれども、今ここしばらくの間は増加傾向なのかなと思っています。
コーデ:わかりました。
あと5分ぐらいしたら中間判定して、それで争点、論点を明らかにしていきたいと思いま
すが、もう少し質問を続けますか。
評価者:基本的な方向性は先ほど少し話にあった所得制限を設けるかどうかが論点だと思いま
すが、やはりこの伸びを前に、市の財政状況とか、財源のこともあわせて視野におさめたと
きに、抑制をしなければならないという基本的な理解、方向なのか。他方で静岡市は誰にと
っても暮らしやすい市だということをきちっとアピールし、また具体的にそれを担保するた
めの重要な施策でもあるわけですよね。そういうことでいうと自然増は先ほど話をお聞きし
-12-
たように、高齢者になったから増えているということではない、そこの明確な因果関係が必
ずしもないわけだけれども増えていくという事実はどうやらはっきりはしているということ
で、それは自然増でしようがないという気もするのですが、このあたりに関して、原案、基
本的な方向性、お考えをちょっとお聞きしたい。
市:1つは、扶助費、特定財源の中で扶助費的なこの経費をいかに抑えるかという部分が一つ
の課題だと思っています。方法として1つは、助成対象に所得制限を設けるかという考え方
もありますし、また市の単独の基準を余り影響ないと思いますけれども、それをどうするか
という考え方もありますし、あと自己負担は今500円でお願いしていますけれども、それが
例えば1,000円になった場合にはどれだけ支出が減るということもあります。あるいは適正
受診のための啓発をすることによって、これは国保とか社会保険の医療保険者でもやられて
いることだと思いますけれども、この重心の保険についても適正の医療を受けていただくよ
うな啓発に努めるというようなことも考えられると思います。
そういった中で、先ほど申し上げましたように、限られた財源の中でいかに今後増加して
いく扶助費に対応するかという課内の検討の中でも、やはりこういった今おっしゃった障害
の方でも住みやすい静岡市ということで制度ができている以上、今、所得制限がそのままな
い状況で維持すべきという考え方と、どうしても限られた財源の中なので、今後増加する中
ではある程度制限もやむを得ないという考え方が二極としてございます。そういった中で受
給されている方は、当然これからも継続したいという意向が恐らく強いと思います。ところ
が違う観点で抑えるにはどうしたらいいかということを、対極する関係の中で、第三者とし
ての市民で構成されるこの場で意見を聞きたいというのが今回一番私どものお願いしている
ところです。
コーデ:では、一度、中間評価をお願いします。
そのコメントを踏まえてもう一度論点を整理、明らかにしていきたいと思いますので、ジ
ャッジのほうお願いします。
現行継続が2、再構築が2、縮小が1ということであります。再構築の方からどうしてそ
う思われたのか、理由をお願いします。
評価者:今でも既に補塡があるということから、今後の試算を見ても財源が少し心配なので、
-13-
予算は今維持しつつも支給の仕方を変えていかないと、この予算を維持することはできない
と思うので、所得制限を設けるとかとその1つにやってしまうのではなくて、500円を800
円の負担に変えるとか、所得制限をほかよりもう少し高めにするとか、その辺の兼ね合いも
考えながら、予算を維持しながら支給の基準を変えて何とか財源を確保するという意味で再
構築にしました。
コーデ:予算はこれ以上拡大しない中での考え方もあるとうことですね。
評価者:私も再構築ですが、予算をこれ以上増やすことは現実的ではない。かといって縮小さ
せるとなれば、そういう今まで保障を受けていた方々に対して大きな負担を与えてしまうこ
とになると考えていくと、再構築ということになったのですが、そこでやはり先ほど今所得
制限の話だとか、あるいは給付するに当たっての500円の金額をどうにかするかなど、それ
を検討しているという話があり、私もそれを聞いて同じように考えて、それで再構築で手法
や対象を変えていくということで、これを上げさせていただきました。
コーデ:縮小の委員、お願いします。
評価者:所得制限をもう少し考え直す。そうすると、1億円の支出の減額が試算されています
けれども、これによって予算も削減できるんじゃないですかと、そういう意味で縮小にしま
した。
コーデ:これも参考資料ということで書いてありますので、後でまた資料の説明をいただ きま
す。踏み込んで縮小というご意見ですね。
現行継続の2人、お願いします。
評価者:事業内容あるいは手法については、私は妥当だと思っております。ただ、今後の中で
先ほど説明があったように自然増で増えていく分がかなりあるわけですね。その辺をどうい
うふうに打破していくか、突破していくかということになりますと、所得制限を採用する、
あるいは事業費の中の委託料と手数料の減額あたりも含みながらやっていかれたらどうかと
いうことで、一応現行継続です。
-14-
コーデ:現行継続は、予算の額も維持し、今のやり方も続けるということで、今のコメントだ
と縮小のような再構築のような。すみませんが、現行継続だという理由をもう1回、改めて
お願いします。特に今のままで、積極的に見直すとことはないということでよろしいですか。
評価者:いいです。
評価者:私も現行継続です。手法とか内容に関しては現行で妥当だと思いますが、確かに詳細
とかあるいはこの事業との関連する他施策との連携は、やっぱり模索する必要があると思い
ます。しかし、この事業単独で考えれば現行継続でよいのではないかなと、今のところ考え
ております。
コーデ:いくつか論点が明らかになってきましたけれども、再構築が2票、現行が2票、縮小
が1ということで、現行の方は特段急いで手をつけることはないだろうという言い方でした
が、それで今現在はと話されたわけですね。では、再構築と縮小のほうからアプローチした
いのですが、縮小で一つの試算として所得制限の指標を出していらっしゃいますので、あく
まで試算という事例で結構なので、それをちょっと説明いただけますか。
市:10ページの下の扶助費のところを見ていただくと、平成24年のところですけれども、下
のほうです。全部の扶助費の計から県の基準どおりやった場合は10億7,000万円、市の単独
の基準の対象扶助費というのが1億666万6,000円というのがあると思いますが、所得制限
を加えた場合には、県と同様の基準でやった場合には1億600万円ぐらいはなくなることに
なります。
コーデ:要はこの分を所得制限にかけた場合、市単独としての支出はなくなるということです
か。
市:そういうことです。
コーデ:所得制限はこれも試算で結構ですが、どういう基準でシミュレーションされましたか。
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市:特別障害者手当の所得制限、これは県がこの特別障害者手当の所得制限、この金額以上の
方については対象にしないという形になっているのですが、例えば本人に扶養親族がない場
合、所得額が360万4,000円を超えた方については対象外ということです。
コーデ:1名の扶養の方がある方は398万円超の方には支給されない、そういう県の制限を適用
した場合に、そうなるということですか。
市:そうです。静岡県内の他市の所得制限の状況を踏まえて、県の基準を準拠しているという
ような状況でございます。
コーデ:ということで、所得制限をかけた場合の効果というものも今一応県基準でシミュレー
ション、試算された場合はそうなるということのご回答です。
先ほどいくつかアイデアを出されましたね。自己負担金額を500円から少し増やそう、あ
るいは支給対象の話がありましたけれども、何かお考えが具体的にはおありですか。
市:先ほど4つほど提案させていただいたんですけれども、この中で自己負担の見直し、例え
ば500円を1,000円にした場合、試算しますと、やはりそこも大体1億円ぐらい軽減できる
ことが想定できます。ただ、これは静岡市と浜松市は別ですけれども、全ての市町で同様な
事業をやっています。そうすると、他市の近隣の市町とのバランスですね。静岡市だけ例え
ば自己負担が1,000円で、他の藤枝市とか焼津市の方々は500円というようなアンバランス
が出てしまうということを考えますと、一つの案ではありますけれども、やはり自己負担の
見直しというのは現実的ではないかなというふうに思っています。ですから、もし抑制をす
ると、やはり他市でも行っている、先ほど試算した所得制限が妥当かなと。ただ、あわせて、
私ども適正受診のための啓発というものを今までやっていなかった経緯があるものですから、
どっちかというとそれは先ほどの保険者、社会保険者等がやっていた部分ですけれども、実
はこの医療費の助成については、受給者証を毎年9月のときに送っているのですが、そのと
きに適正受診についてのお願い等を今年から入れさせていただいて、そういった意味でも利
用者のほうでも適正受診することによって、経費を抑えていただく形の取り組みも必要かな
というふうには思っています。
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コーデ:では、続けましょうか。また議論を続けたいと思います。
先ほど再構築で、財源は維持しながらいろいろなやり方、対象者を考える、負担金額を増
額する等々のお話がありましたけれども、今のアイデアをお聞きになってどうですか。
評価者:やはりこれ以上、予算を抑えなければいけないというと、今ご説明いただいた案ぐら
いになってしまうと思うんですが、今、支給されている人たちにできれば公平な、痛み分け
のようなものをお願いする場合に、所得制限を設けてしまうと、特定の人だけが今の制度か
ら極端に変わるということになりかねないので、そうするとよく取れるところから取るとか、
我慢できる人に我慢してもらうということになりかねないと思うので、なるべく公平な痛み
分けをしてもらうということを考えると、ばっさり所得制限を設けてしまうというのはどう
なのかなというふうに思います。病気になったことに対しての手当てというのは、たくさん
資産があるということとは別に、病気になったことに対してということだと思うので、たく
さん持っているから医療費はいいでしょうというそういうふうにとられかねないのかなとい
うことで、ちょっと難しい問題かなと思いました。感想です。
コーデ:多分そういうご議論の中であるんですよね。今の委員の感想を踏まえてどういう議論
があったか、公開できる範囲内で結構ですのでお願いします。
市:先ほどの業務といいますか、基本的に今、公平、不公平さという部分が確かにあるにはあ
ると思いますが、ただ今、国のほうの社会保障の見直しの中でも、例えば自己負担を1割か
ら2割にするという中で検討されますよね。そういった動きも考えると、やはり自己負担分
を500円から1,000円という議論は当然ありました。ただ、やはり先ほど申しましたように、
近隣市町のバランスですね。その辺を考えたときにどうかというのが私どもはどうしても考
えてしまうところでございまして、そう考えると他の市町でも県の基準で所得制限にかけて
いるということになると、まず実施するのはそちらからだろうというふうに思っています。
コーデ:縮小を選ばれた委員は、所得制限を積極的に考えるということですが。
評価者:もともと相互扶助の精神に基づいてやっているのだから、所得のある人が制限して再
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配分するということの考え方に基づけば、所得制限という考え方はそんなに悪いことではな
いとは思います。
コーデ:こういう話は内部でありましたか。所得の再配分、社会保障の考え方に立てば別に悪
いことではないというようなことですが。
市:当該事業がセーフティネットの役割を担うという議論はあったものの、所得の再配分とい
う観点での議論はなかった。
コーデ:現行継続を選ばれた委員、もう1回、確認しますけれども、ここの事業の中で特に改
めるべき点というのはございませんか。
評価者:先ほど言ったように、事業内容もやり方も妥当かなということで、最終的にはこの状
況、今やっている状況をそのままやっていかざるを得ないのかなと。さらに、年齢制限とか
いろいろあるかもしれませんけれども、現行やれるのはこれが精いっぱいだなと、そういう
ふうに思います。
評価者:この事業単独で見れば効果もあるでしょうし、静岡市として暮らしやすい市というの
を実現するために重要な施策になっているのではないかと思うわけですね。つまり、ここで
何がしかお金を削ることで、仮に医療費が高騰になれば負担が増え、貧困になってしまうと
いうと、結局は生活保護で支えることになるわけでして、変な話、違う部署が担当するとい
うことになるということですから、これはきちんとした目的の中で汎用性の高い利用ができ
ることをちゃんと確保しておくことに重要な意味があるというふうには思います。
所得制限を導入した場合の影響については、平成24年でというと2,600人余で額が1億
3,200万円程度の支出減額が試算されるということですが、数値がこういうことだとすると、
人数との関係でいうと受給者全体の1割ぐらいでしょうか。
市:すみません。先ほど訂正の分のもので、933名です。
評価者:そうすればますます割合としては極めて小さいわけですよね。そうすると所得制限、
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実際に受給している人たちは、高所得者ではない、負担軽減をする必要のある対象であると
いう、その結果が現行継続というつじつまに合っていないわけですが、やっぱりここをきち
っと維持することは重要で、伸びがある中でということでいうと、啓発であったり、福祉と
の関連であったりというようなことを進めていく必要があるのかなということです。現行継
続しながら他の施策との連携の中で、もう少し効率的にやるということがよいのではないか
と考えます。
コーデ:この事業で本来支給すべき方々に支給できていないというのは、実際にどれぐらいい
らっしゃるか、それはわからないですか。
市:正直それは把握していません。
コーデ:感覚としてみてください。
市:今1万5,313という数字があります。手帳の取得者の数を見てみますと、ほとんどニアイ
コールです。ですから、受給対象者イコール1、2級と療育のAという方を合わせ、ニアイ
コールと考えると、その中で受給者証を受けて利用する方は、ほぼニアイコールということ
でよろしいかと思います。
コーデ:わかりました。
踏み込んだご提案、考え方もご披露いただいたのですが、担当部局として、この事業を今
後5年、もしくは10年で考えた場合、どういう点が課題であるかあるいはどういう点を改
善していかなくてはいけないか、もう一度改めてお話いただけますか。
市:実はこの重度心身障害者世帯の1カ月の平均の医療費を算出してみました。そうしました
ら、だいたい1カ月1万1,500円くらいが平均でかかっています。ところが国保の医療費、
静岡市は国保が保険者なので、国保のほうからデータをもらったところ、国保のほうの医療
費は1人当たり5,500円ぐらいになります。ですから、国保は通常高齢者の方が入っている
率が高いとなると、医療的なニーズがある程度高いことが想定できますが、平均5,500円の
支出になっています。この重心の方はその約2倍ぐらいの1万1,000円ぐらいかかっている
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というふうに考えますと、重度心身障害のある方についての医療ニーズが非常に高いものだ
というふうに考えます。
加えて、私どものほうで昨年ですけれども、重度心身障害児者の方々の基本方針をつくっ
たときに、重度心身障害児者というのは肢体不自由の1、2級の手帳と療育のAの両方持っ
ているのですが、その方々にアンケートをとったところ、対象者476人のうちの約76%の方
が何らかの医療的ケアが必要ということを言っています。今回対象の方よりもそちらの方が
重度ですが、先ほどの国保との医療の受給の金額を考えてみますと、やはり重度の障害の持
っている方についての医療的ニーズが高いと。だからその分だけやはり経済的な負担が大き
いだろうということを考えますと、できるだけこの事業は市として実施していく必要がある
というふうにはまず思っています。
そういった中で、今後、増え続ける中でどうするかというところ、先ほど一般財源の不足
分を基金で充当するとお伝えしましたけれども、基本的に基金は今年6億円で、基金は一般
財源の余剰のものを積み上げるというような形になるので、実質は一般財源です。
コーデ:税金ですね。
市:そうですね。今のご議論の中で、現状金額をそのまま維持しながら行くのかあるいはもう
ちょっと頑張って、当然市の今よりは、重心の医療の財源についてお話ししているのですが、
もっと他にもいろいろ財源があるじゃないかと、そっちから頑張ってとれよというようなご
意見も出るかなとは自分で想像していたのですが、今のこの中でやるのだったら縮小と考え
ますけれども、もうちょっと必要な経費なので、経費が必要な分だけもうちょっと課として
頑張って確保するようにというような考え方も片やあるかなと思うのですが。
コーデ:今の話はおもしろいというか、先鋭的でしたが、財源をどこかから取ってくると、そ
こまでしてやらなきゃいけないと、こういうご意見に対してどう思われますか。
評価者:それに関しては、そういうことができるのであれば、ぜひやっていただければと思い
ます。ただ、重要度、何が重要であるいは何が重要でないかと、そこら辺の見極めもあると
思うので、そこら辺は他事業との兼ね合いをとらなければいけないと思います。
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コーデ:それを聞きたいのですが、難しい質問ですけれども、こういう社会保障の政策の中に
プライオリティーというのは、市全体ではどういうふうにつけられるのですか。
市:非常に難しい質問ですが、毎年予算編成に当たっては予算編成方針が出されまして、そこ
で例えば今年度はマイナス1%シーリングとかというのをかけられたときには、基本的には
課あるいは部局の中で予算をスクラップ・アンド・ビルドして生み出すというのが今のとこ
ろの考え方ですね。
コーデ:もうあとお一人ずつ質問をしていただきます。たぶん評価が割れているので、質問が
あればお願いします。
評価者:先ほどもうほとんどの方に行き渡っていて助成は浸透しているのではないかというこ
とでしたが、診断は医療機関に委ねているということでしたが、最近不正受給みたいなもの
がニュースでも話題になる。この分野ではなくても生活保護とかでもあると思うのですが、
精神疾患でもないけれども、ちょっと一筆書くよみたいなお医者さんが捕まったりもしてい
るのですけれども、そういうことが過去にあったかどうかだけ。
市:基本的には医療機関からの医療費の明細を基にして、この補助金の支出の根拠として出し
ております。今のところ不正受給による医療費明細、不正による受給というのは今のところ
ないですね。
評価者:この助成事業の目的そのものは負担の軽減と思います。医療に係るところの負担とい
うのは、制度的にいえば保険料、それから一部負担金に係る部分で、保険料のほうは主とし
て保険適用ですから、保険との関係ということになるかと思います。また、特に国保も関係
してくれば、結局市がぐるっと回って、また国保の財源が足りないよというと一般財源から
入ってくるということになると、そういうところも関係してくるのかなと思いますので、こ
の部分だけじゃなくて、場合によっては1個の医療に関しても裏表から見なきゃいけない。
またこういう対象の方々との関係でいうと、福祉との関係というのもあるので、そちらも視
野におさめる必要があるのかなという気がします。他方で、医療需要が一般と比べて大きい
から、その特別な医療負担に対する軽減という側面もありますが、先ほどの評価事業の対象
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となっていた雇用との関係で、やっぱりどうしても所得が確保できない、あるいは働くこと
が厳しいという中で、それに対する補塡というようなニュアンスがあるような気がしていて、
今回の評価対象事業は助成事業単独で考える必要があると思いますけれども、他制度とのか
かわりというのも少し考慮する必要があるという気がしました。
コーデ:それでは、評価者の皆様が考えている間、言い残したこと、言い足りなかったことが
あればお願いします。
市:言い残したということは、ほぼ言い尽くしていると思うのでないのですが、ただ今回お願
いしたのは市民の目線で、この事業をどう捉えるかというのが一番お聞きしたいということ
でございますので、ぜひ当事者でない立場でご意見をいただきたいと思います。
市:やはりこの事業というのは、大変重要な事業であるというふうに担当としては認識してお
りまして、ぜひ制度としては維持していきたいのですが、ただ財源の確保ということでいろ
いろな形での議論をいただいていますけれども、例えば所得制限を設けるにしても、やはり
すごく影響が出るような形になりますので、そこら辺についてはいろいろな意見などを今後
聞いていきたいというふうには思っておりますけれども、今すぐに予算を縮小という形にさ
れてしまうと、なかなか事業としては成り立っていきませんので、ぜひその辺については今
後いろいろな意見を聞きながら、この事業の維持に当たっては考えていきたいというふうに
考えております。
コーデ:本評価に移らせていただきますので、お願いします。
現行継続が3、縮小が1、再構築が1となりました。
先ほど評価が再構築から変えられた委員からコメントをお願いします。
評価者:先ほどとは変わり、現行継続にさせてもらったのですが、先ほどの再構築で一番の決
め手として、自己負担金額の見直しということを1つ考えていたのですが、その後で地域間
の偏りというのを考えると、他の市町村との関係もやはり重要になってくるところだと思う
ので、自己負担金額の見直しというのが現実的ではないと思い、現行継続としました。ただ
全く今のまま同じようにやっていけばいいというわけではなくて、金額が上がっていくとい
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う見通しが出ているので、そこら辺を今後どうやって対応していくのかというのは考えてい
かなければならないのかなという思いで、現行継続とさせていただきました。
評価者:社会保障の関係は非常に難しい面がありますが、先ほどもお話ししたように現行継続
です。現状の事業内容、手法ともに私は妥当だと判断します。
助成金額はこれからどんどん制度的に増えてくるわけですけれども、今後の検討の中では
先ほど皆さんから出ている所得制限の活用だとか、その他の削減策も考慮しながら、今後の
中では検討していかれたらいかがでしょうか。
評価者:私も先ほどに引き続き現行継続です。支給対象も含めて実施方法に関しては妥当では
ないかというふうに考えております。確かに予算規模にしたら大きいですが、静岡市がどう
いうコンセプトで何を掲げるのかということだと思いますが、例えば教育であり社会保障、
福祉であり、こういうことだとすると、僕はきちっと堅持すべきところだと考えます。とは
いえ、これまた数字が大変大きいので、増え続けるところのお金の問題はありますので、そ
こは、他制度との関係などの中で解消していく、少しでも改善していただく必要はあるかな
というふうに思いました。
なお、しかし軸は現行制度ということで、よいのではないかということで現行継続になり
ました。
コーデ:では、縮小を出された委員、コメントをお願いします。
評価者:所得制限を設けるということです。
先ほど言いました所得の再配分です。
コーデ:再構築と上げられた委員、お願いします。
評価者:かなり大きな予算ですけれども、市民の目から見ても重要な事業であるというふうに
認識しています。今後3年間で支給の対象者が500人増えて、支給金額が3,500万円ぐらい
増えることを考えると、今は予算を維持しつつも、今後2~3年後の増え続ける支給額を見
越して、今のうちに何か手を打たないとどうなるかなと思うので、私は予算を維持しながら
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も少し見直しを加えて再構築にしました。
コーデ:ありがとうございます。コメントは頂戴しました。
重度心身障害者医療費助成事業は、現行継続というふうに評価させていただきました。
残りの時間、少しコメントさせていただきますが、非常にこういった問題はかなり難しい
と思います。国ベースでも年間1兆円、桁が全然違うとはいっても、いずれどこかで財政的
な破綻とは言いませんが、財政的な逼迫が出てくるときに、やっぱり再構築の先を見通して
何か解決方法は考えなければいけないということは思っています。ただ、そういう中で、い
ろいろとご検討されているようなので、ぜひ部署を越えて社会保障政策をどうされるのかと、
静岡市全体の話でご検討いただきたい。一体何のプライオリティーの政策が一番重要で、そ
のために財源を静岡市としてどういうふうに調達してくるか、場合によってはどこかから確
保するとか、捻出するとかということを含めて全体の中で議論しなくてはいけないぐらいの
大きなテーマじゃなかろうかと思いました。
いうことで、評価を終わらせていただきます。ありがとうございました。
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