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DN329 アドレス指定可能なI2C バス・バッファによる2 線バス・システム
アドレス指定可能なI2Cバス・バッファによる2線バス・システムの 容量バッファリング、 活線挿入、 およびネストされたアドレス指定 デザインノート329 John Ziegler 活線挿抜と容量バッファリングのアプリケーション はじめに 大規模データ処理システム、データ記憶装置、通信装置な LTC4302は物理的に分離されている2つの2線バスのあい どの信頼性向上の一環として、これらのシステムのサブシ だに能動的なブリッジを作ることにより、バスの接続/遮断 ステムには、温度、ファンの速度、システムの電圧などの の問題を解決します。L T C 4 3 0 2 の2 本の「入力」ピン パラメータを監視する能動回路がますます多く組み込まれ (SDAINとSCLIN)は片方の2線バス(バックプレーン)に接 「出力」 ピン (SDAOUTとSCLOUT) は他方の ています。個々のサブシステムのモニタは多くの場合専用 続され、2本の のマイクロ・コントローラに接続されたSMBusやI2CTMな 2線バス(I/Oカード)に接続されます。 どの2線シリアル・バスを通してホスト・システムと通信 図1に示されているアプリケーションはLTC4302-1の活線 をおこないます。 挿抜機能と容量バッファリング機能を示しています。 監視機能が複雑化し、数が増すにつれ、現実的な問題がい LTC4302のSDAピンとSCLピンはVCC電圧が印加されて くつか出てきます。まず、データ・バスの立上りの仕様を いないときでも既定で高インピーダンスで低容量(10pF未 満たすのが難しくなります。次に、多くの無停電システム 満) の状態になるので、LTC4302は活線状態の2線バスを では、新しいI/Oカードを装着するたびに電源の立上げサイ 乱すことなくそこに挿入することができます。 クルを実行することは許されません。最後に、デバイスの アドレスは多くの場合それが実行する機能によって支配さ スタガコネクタを利用できる場合、CONNを最も短いピン れます。たとえば、既存のシステムが既に温度センサを備 にし、I/OカードのCONNからグランドに値の大きな抵抗を えている場合、温度センサを搭載した新しいI/Oカードを挿 接続して、C O N N がバックプレーンに接続される前に 入すると、2つのデバイスが同じアドレスをもつ危険が生 CONN電圧を低いレベルに強制します。これにより、活線 じます。新しいLTC®4302-1/LTC4302-2(アドレス指定 挿入時にSDAINとSCLINが接続されるあいだ、LTC4302 可能な2線バス・バッファ) はこれらの問題をすべて解決し は高インピーダンス状態に保たれます。 ます。 、LTC、LTはリニアテクノロジー社の登録商標です。 I2CはPhilips Electronics N.V.の商標です。 BACKPLANE CONNECTOR BACKPLANE VCC 5V PCB EDGE BACKPLANE CONNECTOR I/O PERIPHERAL CARD + R1 10k R2 10k R3 137Ω SDA SCL CONN R5 200k R4 8660Ω C1 0.01µF VCC LTC4302-1 SDAIN SDAOUT SCLOUT SCLIN CONN ADDRESS GPIO2 GND GPIO1 X1 R6 10k R7 10k R8 1k R9 1k CARD SDA CARD SCL LED LED DN329 F01 図1.LTC4302-1: 活線挿入と容量バッファリングのアプリケーションでの使用 01/04/329 I/Oカードがしっかり装着された状態でCONNを"H"にドラ イブすると、マスタはLTC4302と通信することができま す。活線状態でカードを引き抜くとき、CONNが最初に切 り離されるようにすると、LTC4302は、SDAINとSCLIN が切り離される前に、制御されたし方で確実に高インピー ダンス状態になります。 LTC4302をカードの端に配置すると、カードの容量がバッ クプレーンから遮断されます。さらに多くのI/Oカードがシ ステムに追加されるにつれ、LTC4302を各カードの端に配 置すると、管理不能な1個の巨大バスを生じさせることな く、管理可能な複数の部分に分割します。さらに、 LTC4302はプログラム可能で、SDAとSCLの4本のピンの すべての立上り時間アクセラレータのプルアップ電流を立上 りエッジで供給するので、立上り時間の規定値を満たすのに 役立ちます。VCC = 3.3Vで50pFと150pFのバス等価容量に 対して達成された立上り時間の改善を図2に示します。 ネストされたアドレス指定と5Vから3.3Vへのレベル変換 のアプリケーション ネストされたアドレス指定を使ってシステム内のデバイス の個数を増やすためにどのようにLTC4302を使うことが できるかを図3に示します。この例では、各I/Oカードには 1111 111のアドレスをもつセンサ・デバイスが搭載され ています。LTC4302はマスタによって接続するように命 じられるまで、そのカード上のデバイスをシステムの他の 部分から切り離します。 BACKPLANE CONNECTOR VCC 5V 50pF 150pF DN329 F02 200ns/DIV 図2.CBUS = 50pF、CBUS = 150pFでの立上り時間を 短縮する立上り時間アクセラレータ マスタがLTC4302を使って同時に1枚のI/Oカードだけ接 続する場合、各I/Oカードに1111 111のアドレスのデバイ スを搭載することができ、競合することはありません。 LTC4302-2がバックプレーンのSDAとSCLの5Vラインか らI/Oカードの3.3Vラインに電圧レベルを変換していると ころも図3に示されています。LTC4302-2はVCCとVCC2の 両方とも2.7V∼5.5Vの範囲の電圧で動作します。VCCまた はVCC2のどちらかの電源電圧がそのUVLOスレッショルド より下に下がると、まだ電力が供給されている側が動作を 継続できるように、LTC4302-2はバックプレーンをカー ドから切り離します。 PCB EDGE BACKPLANE CONNECTOR I/O PERIPHERAL CARD 1 + R1 10k R2 10k R3 8660Ω C1 0.01µF SDA SCL R4 137Ω + VCC VCC2 LTC4302-2 SDAIN SDAOUT SCLOUT SCLIN CONN ADDRESS GND GPIO1 X1 C3 0.01µF CARD VCC = 3.3V R5 10k R6 10k CARD SDA CARD SCL SENSOR ADDRESS = 1111 111 ADDRESS = 1100 000 I/O PERIPHERAL CARD 2 R7 2800Ω + R8 137Ω C2 0.01µF + VCC VCC2 LTC4302-2 SDAIN SDAOUT SCLIN SCLOUT CONN ADDRESS GND GPIO1 X2 C4 0.01µF ADDRESS = 1100 001 R9 10k R10 10k CARD VCC = 3.3V CARD SDA CARD SCL SENSOR ADDRESS = 1111 111 DN329 F03 図3.ネストされたアドレス指定と5Vから3.3Vへのレベル変換のアプリケーションでの使用 データシートのダウンロード http://www.linear-tech.co.jp/ds/j4302fs.html お問い合わせは当社または下記代理店まで(50 音順) 東京エレクトロンデバイス株式会社 株式会社トーメンエレクトロニクス 〒 224-0045 横浜市都筑区東方町 1 TEL(045)474-5114 FAX(045)474-5617 〒 108-8510 東京都港区港南 1-8-27 TEL(03)5462-9615 FAX(03)5462-9695 リニアテクノロジー株式会社 102-0094 東京都千代田区紀尾井町 3-6秀和紀尾井町パークビル 8F TEL(03)5226-7291 FAX(03)5226-0268 http://www.linear-tech.co.jp dn329f 0104 40.7K • PRINTED IN JAPAN LINEAR TECHNOLOGY CORPORATION 2004