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PWM出力とA−Dコンバータを 使った位置制御のテクニック

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PWM出力とA−Dコンバータを 使った位置制御のテクニック
特集*保存版 ★ H8マイコン応用回路集
第 10 章
鉄棒の空中浮遊装置の
製作で理解する
PWM 出力と A − D コンバータを
使った位置制御のテクニック
◆開発環境
笠原 政史
HEW3,FDT
Masaji Kasahara
本章では,H8/3694F の演算能力を生かして,位置
制御について実験します.実験内容は,H8/3694F の
同じで,鉄棒は地面に落ちるかソレノイドに吸いつく
かのどちからになります.鉄棒の位置情報を
PWM 出力で,市販のソレノイドを駆動し,ソレノイ
H8/3694F に入力し,位置に応じてソレノイドの電流
ドの磁力によって鉄棒を空中に引き上げるというもの
です(図 1).
を H8/3694F で調整し,中間に浮かぶように位置制御
をしてみました.
ソレノイドとは,可動鉄心入りの電磁石のことで,
例えば清涼飲料水の自動販売機の出口など,主に
安定に空中浮遊できるようになりましたが,正常動
作範囲が狭いなど,まだまだ課題があります.ぜひ,
ON/OFF 制御に使われるアクチュエータ(電気などに
より機械運動をする部品)
です.
モータ制御などの文献を参考にして,よりよい動きに
チューニングしてみてください.
ソレノイドに直流電流を流したときは,永久磁石と
ソレノイドの動作原理と制御の方法
空中浮遊装置の回路図を図 2(次頁)に,制御ブロッ
クを図 3 に示します.
● ソレノイドの制御
タイマ W で作られた PWM 信号を,方形波のまま
Tr1 で電力増幅してソレノイドに加えます.スイッチ
ング周波数は,騒音が耳に聞こえない 20 kHz にしま
した.
ソレノイドには 0 V ∼ 24 V の方形波電圧が加わり
図 1 重力と吸引力をバランスさせて空中浮遊させる
電磁力補正部調整時の調整単位
位置検出部調整時の調整単位
H8/3694F内部
加速度
(指令値)
accel
位置
+
指令値
+
−
入力
位置
電圧情報 検出用 デュー
(指令値) 信号 ティ比
voltage
D
誤差
err
+
電磁力
補正
比例
ゲイン
+
タイマ
W
ソレノイドの特性
電圧情報
電流
力
加速度
速度
V
I
F
a
velocity
1
R +sL
位置
による
関数
F =ma
積分
積分
位置
position
インダクタンス
(不完全積分)
位置検出
微分
ゲイン
速度推定値
velocity
位置情報
微分
position
図 3 空中浮遊装置の制御ブロック
2004 年 5 月号
171
C2
1000p
10k
R8
3.3k×8
R1
10k
10k
VR 5
10k
VR 4
10k
VR 3
D2
1N4148
D1
1N4148
+5V +5V
R7
図 2 空中浮遊装置の回路図
外部信号入力
(− 5V ∼
+ 5V) J1
SW1
DIPスイッチ
+5V
NMI
信号グラウンド1とパワー・
グラウンドをC 1 の足元で1点
アース(+24Vラインも同じ)
J3
DC IN
D7
D6
D5
D4
+5V
D7
70mA
D5
D3
パワー・
ランプ
33Ω
R 11
+5V
47μ
16V
C4
270Ω
3W +5V
R 10
PB0/AN0
P85
P86
P87
P84/FTIOD
P83/FTIOC
P82/FTIOB
P81/FTIOA
NMI
P80/FTC1
P14/IRQ0
P57
P15/IRQ1
P56
P16/IRQ2
P55
P17/IRQ3
P54
P53
PB4/AN4
P52
PB3/AN3
P51
PB2/AN2
P50
PB1/AN1
付録マイコン基板
MB-H8
D4
470Ω×8
R2
D8
HZ5C-1
(5V, 500mW)
D6
2200μ
35V
C1
パワー・グラウンド・ライン
DD
13
VSS
LO 1
COM 2
VCC
3
HO 7
VS 5
VB 6
0.1μ
C7
12V
0.1μ
C6
1.0k
R 13
47Ω
R 14
Tr1
2SK2987
(東芝)
D11
60V 3A
2.2μ
C 17
31DQ06
(日本インター)
IC5 HC574A 20k(±1%)10k(±1%)
19
2
Q0
D0
18
3
Q1
D1
17
4
Q2
D2
16
5
Q3
D3
15
6
Q4
D4
14
7
D5
D5
13
8
Q6
D6
12
9
Q7
D7
1
11
CLK OE
6
5
TP4
GND
TP3
DA0
−
+
IC1b
LM358P
R 22
1
−
7
470p
C 21
1250W12(新電元メカトロニクス)
1M
±1%
R 21
4.7k
±1%
出力電流検出部
(ゲイン 213 倍)
0∼5V出力
LM358P
ナショナル
セミコンダクター
0.1μ 4.7k
C 19
+
3
IC1a
4.7k
±1%
R 20
0.33μ
±5%
R15
C 20
0.33μ
±5%
L1
ソレノイド
C 18
2
0.25Ω 2W
R 19
シャント抵抗
+5V D12
1N4148
ゲート・ドライバ
IR2110
(インターナショナル レクティファイアー)
デバッグ用D-Aコンバータ
IC3 HC574A 20k(±1%)10k(±1%)
TP1
9
12
Q7
D7
DA1 +5V
8
Q6 13
D6
7
Q5 14
D5
6
TP2
Q4 15
D4
R
5
GND 16
Q3 16
D3
10k
4
17
D2
D2
3
Q1 18
D1
2.5V
2
Q0 19
D0
11
1
CLK OE
R 18
10k
0.1μ
C5
10 HIN
11 SD
12 LIN
R 12
4 NC1
8 NC2
1.0k
14
+5V
NC3
9V
タイマ出力
PWM信号
IC2
スイッチング部
D10
RD12
ACアダプタ
24V 2.5A
R 17 1M ±1%
172
2004 年 5 月号
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