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ぶどう学習と脱温暖化

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ぶどう学習と脱温暖化
ぶどう学習と脱温暖化
社会奉仕
さ ん な
勤労生産
交
流
福山市立山南 小学校
特
色
本校は,福山市の中心部から南へ車で30分,瀬戸内海に突き出た沼隈半島の山間に位置し,
細長い谷間に水田と家屋が混在する地域にある。61ヘクタールの広大な山の斜面を切り開いた
ぶどう団地では,雨の少ない温暖な気候を生かしたぶどう栽培が盛んに行われており,「沼隈ぶ
どう」として県内一の生産を誇っている。
本校では,この地域の産業であるぶどう作りをテーマにした学習(ぶどう学習)を進めている。
児童は,3年生の時,数時間のぶどう学習をしており,ぶどう作り
についていくらか学んでいる。
5年生での本活動では,ぶどうの生産過程の作業体験を通して,
ぶどう作りに取り組む人々の思いや願いを感じ取り,地域への誇り
や愛着心を深めるとともに,ぶどう染めをした布を使ったエコバッ
ク作りなどを通して,児童が環境問題(地球温暖化)について考え,
自分たちの生活を見直すというものである。
<願いを書き込んだ袋>
ねらい
本校では,ふるさと山南だからこそできること,山南でしかできないことを児童に経験させ,
そこから学んだことを自分自身の生き方に生かせる活動にしたいと考え,多くの体験活動やふれ
あい活動を進めている。今年度は,地域の特産物であるぶどうをテーマにした学習と政府の地球
温暖化対策推進本部が進めている「チーム・マイナス6%」運動とをつなげながら,次のような
ねらいを設定して学習を進めている。
○
ぶどう作りの体験活動を通して,多くの人とかかわり,人々の努力や工夫,生き方を学び
地域への愛着や誇りをもつ。
○
かかわりやつながりを意識した体験を通して,自分たちが地域の人々に温かく支えられて
いることを感じ,感謝の気持ちをもつ。
○
エコバック作りなどの体験活動を通して,地球にやさしい暮らし方を実践する力をつける。
指導計画
実施
時期
活動内容
実施
学年
実施
時間数
教育課程上の
位置づけ
実施場所
2
総合的な学習
の時間
学校
ぶどう園
学校
4月
山南のぶどう作りについて調べよう。(事前学習) 5
5月
種なしぶどうにする作業を知ろう
・ぶどうの花のそぎ落としとジベレリン処理とは
・絵手紙 お願いとお礼の手紙の書き方
5
5
総合的な学習
の時間
図工 国語
6月
今までの学習内容をまとめよう
5
2
総合的な学習
の時間
学校
7月
ぶどうの袋かけとぶどうの箱折り体験をしよう
・自分の願いを袋に書こう
・ぶどうの箱を折ってみよう
・絵手紙 お礼の手紙を書く
選果場を見学しよう(ぶどうの選果・流通)
5
総合的な学習
の時間
国語
社会
ぶどう園
学校
5
7月
出前授業「ぶどうの成長 エネルギーの使われ方
とエネルギーの削減について」考えよう
・ぶどうができるまで,水とプロパンガスがどの
くらい必要だろう
5
1
9月
ぶどうの収穫をしよう
・一本の木に何房なっているのだろう
・袋かけから収穫までの工夫・苦労を知ろう
ぶどうジャムづくりをしよう ・絵手紙
5
6
10 月
出前授業「レジ袋いりません」の効果とは
∼レジ袋いりません運動を進める∼
・エコバックによるエネルギー削減
・風呂敷を使った色々な包み方をしよう
・使わなくなった蚊帳をぶどうで染めて,エコバ
ックづくりの準備をする
お礼の手紙を書く
5
4
総合的な学習
の時間
学校
出前授業「世界にひとつのエコバックづくりをしよう」
5
・ぶどうをデザインした模様をつくろう
3
総合的な学習
の時間・家庭
学校
2
総合的な学習
の時間
学校
学校
出前授業「私は家庭の省エネスーパーマン」
∼CO2発生は電気の使いすぎ∼
11 月
・電気の上手な使い方をしよう
・地球にやさしい水の使い方をしよう
12 月
2月
5
総合的な学習
の時間
(参観日)
総合的な学習
の時間
学校
ぶどう園
学校
学習内容の発表・発信をしよう(事後学習)
5
5
総合的な学習
の時間・国語
学校行事
お世話になった人を招いての感謝の会をしよう
・今年収穫した玉ねぎを使ってカレーパーティー
5
2
総合的な学習
の時間・家庭
学校
エコ家族をめざそう
・自分の決めた「環境の樹」どこまで実践できたかな?
5
1
総合的な学習
の時間
学校
地域の保育園との交流
5
4
総合的な学習
の時間
保育園
実践のポイント
せんてい
ぶどう作りでは,実の剪定 の見学,袋かけや箱折り,収穫
○
等を体験することや,生産者がぶどうを収穫するまでに,ど
れだけの手間と愛情をかけて育てたかを聞き取ることを通し
て,ぶどう作りの工夫や苦労を知り,感謝の気持ちをもって
収穫できるようにする。
○
体験したことが体験だけで終わらないようにするためには,
児童にねらいをはっきりさせ活動することが大切になる。
<選果場での聞き取り>
そのため,児童には,ふり返りカードをファイルさせて,自分の課題を常に意識しながら活動
できるように工夫した。また,体験した活動場面の思いや情景を絵手紙として残した。
○
毎年,地域の諸団体の協力を得て,2番なりのぶどうを使ってジャムづくり行い,できあが
ったジャムは,他学年やお世話になった方々にプレゼントして喜ばれている。このことが児童
の喜びとなり,自己有用感をはぐくむことに役立った。
○
「脱温暖化ぬまくまフォーラム」と連携した4回の出前授
業(「暮らしと温暖化」,
「地球にやさしい水や電気の使い方」
等)は,児童の環境問題への関心を高めるのに効果的であっ
た。また,児童から家庭へ,温暖化防止に向けた行動を広げ
ていくために,児童が学習していることを保護者や地域へ発
信していくことを大切にした。
<出前授業「電気の話」>
連
携
・見学,体験日程調整
JA山南支店
・選果場の見学,聞き取り
・箱折り体験
沼隈町果樹園芸組合
・見学,体験日程調整
脱温暖化ぬまくまフォーラム
・袋かけ,収穫体験
学 校
・聞き取り
・4回の出前授業の内容打ち
合わせと日程調整
・出前授業と体験学習
福祉を高める会
JA女性会
・ぶどうジャムづくり
広島ホームテレビ
・地球温暖化防止啓発特別番組
「出前します 脱温暖化」制作
のための取材活動
<ぶどうの袋かけ>
評価の工夫
本体験活動における主な評価物
○ 調べ学習における作品
○ 体験後の感想文
○ 絵手紙
エコバック
<世界にひとつのエコバック>
○ ポートフォリオ
○ 山南の温暖化対策
・地球にやさしいくらしカード
・はみがきカード
<絵手紙>
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