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厚生労働省の 難病・疾患研究資源の 動向

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厚生労働省の 難病・疾患研究資源の 動向
資料4
2010年4月21日
文部科学省バイオリソース整備戦略作業部会
厚生労働省の
難病・疾患研究資源の
動向
医薬基盤研究所,難病・疾患資源研究部
増井徹 [email protected]
1
ヒトを科学研究の
対象とすること
20100210
2
組織・細胞と情報の共有化
由来者
医者
由来者
医者
由来者
医者
由来者
由来者
由来者
20100210
研究者
研究者
研究者
将来の
医療の場
医師
企業
研究資源
バンク
細胞・組織
情報
企業
企業
将来の
患者・市民
3
ヘルシンキ宣言の変遷
1964: “Clinical research on a human being”
I. Introduction
II. Clinical research combined with professional care
III. Non-therapeutic clinical research
1975: “Biomedical research involving human subjects”
Introduction
I. Basic principles
II. Medical research with professional care. (Clinical research)
III. Non-therapeutic biomedical research involving human
subjects. (Non-clinical biomedical research
2000:
2000 “Medical research involving human subjects.”
A. Introduction
B. Basic principles for all medical research
C. Additional principles for medical research combined
with medical care
20100210
4
医薬基盤研究所の
生物資源事業
20100210
5
医薬基盤研究所での生物資源事業
• 霊長類医科学研究センター
• 薬用植物資源研究センター
• 難病・疾患資源研究部
細胞バンク
遺伝子バンク>難病研究資源バンク
実験動物胚バンク
メディカルバイオリソースDB
20100210
6
生物資源研究事業によるメディカルバイオリソース整備のイメージ
疾患関連バイオリソースのネットワーク整備
病院等
国立試験研究機関
医薬基盤研究所
○評価モデル資源
○疾患モデル資源
○化学物質によるリソース
の影響情報 等
ヒューマン
サイエンス
振興財団
○患者由来試料情報
・匿名化された基本的な診療情報
・所在情報
○多型DNA試料
○各種疾患モデル動物
○樹立細胞株(ES細胞、幹細胞、培養細胞)
○バイオリソースに関連する
治験、臨床研究実施情報
等
合同倫理
メディカル 検討会
バイオリソースDB
リソース配布
20100210
○ヒト組織
○細胞
○遺伝子
○小動物
○霊長類
○薬用植物 等
疾患関連生物資源情報に関する統合
化DB及び事務局機能
バイオリソース
所有・配分機関
研究連携
医薬基盤研究所の生物資
源の一部(細胞・遺伝子・小
動物等)を配分
・リソース所在情報の共有
・付加情報の統合及び高度化
・リソースの利用条件の整理 等
研究機関・医療機関
製薬企業
各省
連携
文部科学省
文部科学省
・リソース所在
情報交換
等
経済産業省
経済産業省
7
農林水産省
農林水産省
重要な海外文書の翻訳を通じた共有化
1.「複数の『人の試料とデータのコレクション』を医学研究に利
用するために(2007)」
英国の医学研究助成機関の生物資源利用方針の作成のための基礎調査
2.「米国国立がん研究所ヒト生物資源保管施設のための実務
要領(2007)」
米国国立がん研究所が研究助成して収集された生物資源のネットワーク化による利
用促進
3.「医学研究のための試料と医療情報ー利用方針と製作のた
めの雛形(2009)」 翻訳は現在進行中
英国国立がん研究所が公表した生物資源の利用方針とMTAの作成方針と雛形文書集
10月半ばより
20100210
公開URL
http://mbrdb.nibio.go.jp/
8
横断的基盤研究分野
生体試料等の効率的提供の方法に関する研究 3機関役割関係
患者
患者
患者
提供
収集研究班へのiPS細胞の提供
収集研究班
連携医療機関機関
収集研究班
連携医療機関機関
収集研究班
連携医療機関機関
収集研究班
連携医療機関
熊本大学:
iPS細胞
の樹立
難病研究資源の集中受入
提供
倫理的(科学的)対応の一元化
難病研究資源バンク
京都大学
探索医療C
連携
協議会
政策・倫理研究室
品質管理
動物体内での組
織保存
疾患関連iPS細胞
作製
培養資源研究室
国立成育
医療センター
分配
ウイルス汚染検査、一般細菌汚染検査 他
理研BRC:
培養細胞(付着
細胞、EBV細胞、
iPS細胞)の分譲
疾患モデル
小動物研究室
(独)医薬基盤研究所
基礎研究者
診断法開発
治療法開発
創薬研究
製薬企業
共同研究
分譲
ゲノム研究倫理指針によるバンク事業
<MTA>
<IC>
バンク
医師
患者
検体
<MTA>
試料
研究者
試料
<連結不可能匿名化>
:試料の流れ
:情報の流れ
20100210
10
匿名化タイプによるバンク運営の比較
項目
連結不可能匿名化タイプ
連結可能匿名化タイプ
難病研究資源バンク形
日本の指針に従ったバンク
海外のバンクの運営スタイル
ゲノム指針の適応性
指針通りで倫理委へ説明簡単
従来と異なり倫理委への説明は困難
「レポジトリー」として呼名を変えアピール?
バンクが保有すべき情報の量
将来の研究に必要十分な質量
漏れると問題な情報が多い
安全管理措置が重要となる。
単純な年齢、性別、診断名程度でよい
研究者側と臨床側との連携が確立されてから詳細情報
の共有を閉鎖系で行える
提供すべき情報の取捨の判断
医療側で対応する(負担大?)
所期の対応だけでよい
負担が少ないとも言える
医療側での対応に弾力を与える(負担少?)
実際に共同研究時には労力が掛かる
共同研究のメリットで超えられる。
必要な医療情報の供給
不可能
可能
患者の同意撤回の権利
不可能
可能
患者の診断の変更
不可能
可能
疾病診断基準の変更
不可能
可能
臨床医と研究者の連携
不可能
可能
バランス
支配力が強い
バンクの連携作成力が試される
20100210
11
バイオバンクの構成要素
• 人の生物学としての医学研究
• 人の体に由来するものと情報
– もの: 組織、血液、血清、DNA、尿、
– 情報: 医療情報、生活習慣情報、
血縁者の情報
• 仮説非依存性ー何に使えるか分からない
• 大量に集める - 統計解析のため
12
バイオバンクの管理体制の多様性
・集中型
‐筋肉バンク(後藤)
‐英国バイオバンク
– 英国DNAバンキングネットワーク
– 国立がんセンターバイオバンク(金井)
– 細胞バンク、遺伝子バンクなど
• 難病研究資源バンク(医薬基盤研究所、亀岡)
• Network型
– 日本成人白血病研究グループ(直江)
– 脳バンク(有馬)
• 独立型(isolated type)
20100210
– 病理解剖の試料バンク(沢辺)
13
バイオバンクの対象別の分類
• 地域住民を対象とした
– 英国バイオバンク
• 特定の疾患を対象とした
– 日本成人白血病研究グループ(直江)
– 国立がんセンターバイオバンク(金井)
– 難病研究資源バンク(医薬基盤研究所、亀岡)
– 英国DNAバンキングネットワーク
• 特定の臓器を対象とした
– 脳バンク(有馬)
– 筋肉バンク(後藤)
• 汎用性のある生物資源を対象とした
– 病理解剖の試料バンク(沢辺)
– 細胞バンク、遺伝子バンクなど
14
バイオバンクと時間と空間
• オンサイト収集 ― 久山町コホート
• 収集して海外へ持ち去る - 遺伝子海賊団??
• 追跡型研究
– 常に連結可能である必要がある
– バンクへの個人識別情報の収集が必要な場合あり
• 断面型研究
– 匿名化されたデータセットとできる可能性がある
– 倫理的に軽く取り扱える可能性を作る
• 臨床の場との距離-カルテの利用形態
15
米国のバイオリソース
16
米国のバイオバンク
17
UK Biobank
◎1995年
英国議会下院、科学技術委員会
「人類遺伝学:科学とそのもたらすもの」
1999年5月 従来のゲノム疫学・疫学研究の見直し.
1999年6月 医学研究審議会とウエルカム財団が計画予算化.
計画予算化
◎1999年 英国医師会「個人情報の機密性:保護と提供」
2001年4月 プロトコールに関するWS
2001年4月 計画主体による正式なBiobank立ち上げ宣言
◎2001年8月 Health and Social Care Act section 60, PIAG
2002年2月 プロトコール案発表
2003年3月 CEOとしてJohn Newton氏が選定(ノーラン原則)
◎2003年3月英国議会下院、科学技術委員会
「医学研究審議会の事業評価発表」
5月 Coordinating Centre マンチェスター大学
Regional Collaborating Centres 6箇所を選定.
UK DNA Banking Network
• 2000年から活動
• 1999年11月, MRC, Human Tissue and
biological Samples for use in Research,
Report and Interim GL.
Funding body = Custodian
• 2001年4月, MRC GL, Human Tissue and
biological samples for use in research.
研究者の自主管理
•20100210
2003年から本格的に活動
19
1958年出生コホート研究
・1958年3月の1週間に生まれた英国住民の身体的発育、
及び教育、社会性、経済的発達の研究ー進行中。
・ 2002年9月 – 2004年3月(1年6ヶ月掛け再同意)
・ 120人の特に訓練された看護師が実施。
・ 9377人の訪問を受け、8018人からDNAサンプル、
7526人から不死化細胞作成の承諾を得る。
・ 1,500人分のサンプルはWTCCCでコントロール
・ 同意は「未来の医学研究目的」で得ている。
・ DNAから得られた情報は開示しないことの同意
・ DNAサンプル採取と、不死化細胞作成は別の同意。
・ 商業利用に対しては、“non-commercial use only”
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20
Biobanking and Biomolecular
Resources Research Infrastructure
• EUの27 ヶ国
• 51研究機関(23の主要研究機関)
• 182以上の付属機関の参加
• 既存試料のネットワーク化による収集
• 技術的・科学的・法的、倫理的課題
• 財源の継続的な確保を模索
• Webベースの登録システム
• 2008年2月から27ヶ月の準備期間
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21
Biobankについて最近の動き(1)
Oxford University St. Ann Collage
◎6月23日 Making Connections Workshop
20人ほどの研究者で国際共同研究を
◎6月24-26日 Governing Biobank:
What are the challenges?
35カ国140人参加、60%法学者、社会学、哲学
◎6月27日 Open Access and Data Sharing in
Genomics 6カ国21名
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22
Biobankについて最近の動き(2)
• Practical Biobanking
2008年6月31日ー7月1日Manchester 大学
• 英国、米国、スペイン、フランス、イタリア、
クウェイト、サウジアラビア、ノルウェー、
サウジアラビア
デンマーク、オランダ、エストニア、チェコ、
日本 から 50名参加(13カ国)
• データクリーニング、多施設共同研究での
DNA濃度測定の標準化など
20100210
23
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