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ば ③ 重要有形民俗文化財 旧園田家住宅移築修理工事
③ ば 重要有形民俗文化財 旧園田家住宅移築修理工事 工事場所:金沢市湯涌荒屋町35番地1 工事内容:旧江戸村から金沢湯涌江戸村への移築修理 工事期間:平成22年12月24日 ~ 平成25年 1月31日 建築年次:江戸時代後期 かみすき 構造形式:紙漉農家 木造2階建 延床面積 258.28㎡ よせむねづくりかやぶきしょうめんけむりだし ささぶき 寄 棟 造 茅葺 正 面 煙 出 付、周囲下屋こけら葺、背面下屋笹葺 ほうしょ かみすき きもいり 旧園田家住宅は、もと金沢市二俣町に所在し、かつて加賀奉 書 を藩に納めた紙 漉 農家で、肝 煎 役をつとめた旧家です。建物の建築年代は不詳でありますが構造手法により、江戸時代後期に建 てられたと推定されます。 平面構造形式は、加賀地方に見られる典型的な農家建ての建物に類しますが、正面右側に下屋 と むろ を張り出し、紙漉工房を設ける点に特徴が見られ、工房の床及び腰壁には戸室石が用いられてい こうぞ かまど ます。また土間には、紙の原料である 楮 を蒸すための大きな 竈 が設けられています。屋根形式 よせむねづくり かやぶき けむりだし ささぶき は、寄 棟 造 の茅葺で、正面にヒダチと呼ばれる煙 出 を設け、背面下屋は笹葺としています。 建物は紙漉道具とともに、昭和44年に園田家から株式会社百萬石文化園に譲渡された後、同 てすき 社が経営する金沢市湯涌町の歴史的建造物展示施設「江戸村」に移され、昭和49年に、加賀の手漉 和紙の製作用具及び民家として重要有形民俗文化財に指定されました。平成9年「江戸村」閉園 後、平成10年に金沢市の所有となり、建物の維持管理上、より適切な保存活用をはかるために、 「江戸村」にある他の建物とともに、現在の造成地への移築保存計画が策定され、今回の移築修 理が行われることとなりました。 修理方針は「江戸村」にあった現状のとおりの移築修理を基本とし、木軸部は修復不可能な部 はぎ き 竣 工 写 真 つ ぎき 材については取替を行うものの、一部腐朽・破損している部材については、矧木・継木などの補 修を行い再用し、屋根及び下屋については、茅葺・板葺・笹葺を旧来の技法で葺いています。た だし、耐震診断を行った結果に基づき、一部鉄骨による耐震補強を行いました。 旧園田家住宅 旧江戸村移築前二俣町写真 湯涌江戸村配置図 平 面 図