Comments
Description
Transcript
シミュレータによるAVRの等価試験
U.D.C.る2l.31る.722 シミュレータによるAVRの等価試験 Test Equivalent AVR of by Generator 浅 Simulator 水 秀 雄* 育 木 Hide(】Asamizu_ 内 容 梗 永 一* EiicbiAoki 概 磁気増幅器または回転増幅器を用いた自動制御装置の試験は,従来,制御装置と被制御系機器とを直接組合 わせて行ってきた。しかしこれについては,社内工程の問題,検査精度および能率化など改善すべき余地があ つたのでAVR(自動電圧調整器AutomaticVoltageRegulator,以下AVRという)系シミュレータを製作 したが・商用試験に活用できることが確認された0本稿にはこのシミュレータによるAVRの等価試験を行っ た結果について述べてある。 1.緒 言 自動電圧調整器(以下AVRと称す)の試験は,大別して静的特 性試験と動的矧生試験に分けられる。静的特性試験ほ,装置の各要 素の動作条件を設定するのが主目的であり,動的特性試験で,装置 のすべての特性を確認することになるが,この動的特性試験を行う 場合,実際の被制御機器と組合わせて行う方法は (1)制御装置と被制御機器の製作工程のずれ (2)動的試験を行うための段坂時間,労九 資材の消費 などの問題がある。 これに代る等価試験として自動電圧調整器を発電機,シミュレー タと組合わせて試験する方法を案出実施した。この方法の特長とし てほ (1)静的年制生試験後,ただちにシミュレータにより動的特性の 確認ができる。 (2)従来動的特惟試験を行うため消費された段取時間,労九 資材などの節約ができる。 第1図シミュレータによる自動制御装置 (3)制御装置と被制御機器との製作工程のずれなどによる待時 間が解消され,それぞれ別個に出荷できる。 励 などが考えられる。以下その原理ならびに試験結果などの機密を述 月並 境 王発電礫 日吉定数 べ参考に供したい。 2.シミュレータの構成および動作原≡哩 ん 発電機シミュレータほ発電機の飽和特性曲線を数本の折線で近似 不克仝領分畳 利得 日寺定数 し,かつ時定数をもたせたもので,実装概観を弟1図に示し,ブロ ック線図を弟2図に示す。. 動作の主体である係数器,不完全積分艶 嶺 分五 不克 イ系数量 数 イ系数量 。・⊥仰 冴J 折線近似関数発生器の タンピンク也力 〝♂J 動作原理ほ下記のとおりである。 2.1係 利得 器 用2 月.に〟 〝み 弟3図においてAほ増幅器(増幅度〃),凡は入力抵抗,月′ほ帰 圭出力増幅星 自動電圧調重畳 還抵抗,β・gは入力電圧,gOほ出力電圧を示す。まず増幅器について 第2図 はその動作範囲内においてβ0=-〃g豆が成立する。 折線近似関数発生罠 シミュレータの構成ブロック線図 いま,グリット電流が流れないとするとキルヒホッフの法則より 次式が成立する。 ただし …(1) (号【β0)去+(号-g∼・)よ=0‥‥‥・ 上つ=耳′ヰ面 ̄ 風 これより である。 ここで,β≫1ならば go=gi-エー一=-(1-一古ナ昔・β∫ β。=-一旦し.g∫ (1-〃)告+1 凪 (2) 日立製作所日立工場 となり 月′または凡を変えることにより,可変係数器として動作 する。 -10一 .………………(3) ミ シ レ ュ AVR る よ に タ ー 等 の 価 試 1051 験 少 少 舟 舟 斤/ 必 身 増幅畳 増帽養 β/ 増幅畳 βク 係 第3図 第4図 器 数 積 第5図 器 分 3.本シミュレータ装置の仕様 レアJ 誠 3.1定数設定パネル T山 伽 け〃 「臼 0.05∼0.6秒 ユキサイタ時定数r′ 0.1′-5.5 ユキサイタ電圧増幅率g′/月′ 伽 0.1∼6秒 メインジェネレータ時定数rd 戊77 仰… 止り 不完全積分器 0.01∼0.6秒 メイソジェネレータ時定数変化分』rd 伽 包 増幅蓋 増幅芸 1∼50 メインジェネレータ電圧増幅率カーJ 定数設定精度 第6図 数発 折線近似関 折線近似関数発生装置 3.2 生器 ±1% 2組の設定ポテンショメータ群よりなり, 区間数ほ3(ただし2 組のうち1組はこう配ゼロの区間をもつ) 区間幅は 0∼50±3V 連続可変 こう配は 0∼±2.5 連続可変 こう配設定精度 ±3% レβ′レ (各こう配はそれぞれ独立に設定可能) ダンピング出力装置 3.3 ム 窮7図 折 線 凸■ (C) (ム) (β) f? の 設 最大J出力電圧 負荷220Qにて士110V(DC) 入川力柑性 電とE利得 -1士0.05 在線性誤差 2%以下 元三 力 3.1出 2.2 積分器および不完全積分器 第3図において,冬/の代りにC′を用いれば,月′=lげC′だか 装 最大JI与プJ電旺 負荷55nにて55∼220V(DC) 入川力柑性 電圧利得 -2士0.n2 直線件誤差 2%以 ̄F ら 3.5 go=去・g豆・…… となり,C′・凡 ‥(4) なる時定数をもった積分器として動作する(第4 図)。 また,弟5図のようにC′・卑rの並列L由1路を川いれば 1 (5) go=昔・了両e面 2.3 弟d図において,A点にβi>且1なる電圧が加えられると,Vlは (i) 300土1V 最大川力電流 ー220士1V -4(油土2V 200mA 200mA lOmA り与力端抵抗 3n以下 3n以下 lOOfユ以下 リップル含有率 0.1%以下 n.1β左以下 0,1%以下 電 力 源 電 (ii) 圧 300±20V(一次電圧95∼105V) 肘力端抵抗 10n以下 リップル含有率 10%以下 電 導通し,VR5Aに電圧が発生する。いま,VR5A中止の電圧をel 3.7 とすると,郎とglとの関係ほ弟7図(a)のようになる。月2を通っ f_l_i力 電 てV2に加えられた電圧も同様な動作で(b)図のようになる。 肘力端抵抗 源 (iiり 圧 220土20V(一次電圧95∼105V) 30n以下 5%以下 リップル含有率 さて,増幅器Al,A2の増幅度が十分大きく,しかも符号が負で あるとすると,Alの出力電圧β0は 3.8 増 幅 器 増幅度(負荷10k∫ユ) 脚1×忠×忠一β2×告…‥・‥‥…・………(6) 最大出力電圧(負荷10kQ) ここでR31=月32,虎1ム=虎11とすれば β0=(gl-g2)×忍…………・…… ・…(7) 98∼102V 電源電圧の許容変動範開 ‖ 折線近似関数発生器 源 電 定格刑力電圧 3.る となり不完全横分轄として動作し,一次時間遅れを税擬できる。 置 75dB土5dB(10c/s) 50dB土5dB(1kc/s) 士100V以上 4.試験結果の例 直流発電機(DCG)AVR,高周波発電機(HFG)AVRおよび商用 したがって,β0ほβ1とβ2の差に比例する。この関係を弟7図(c) に示す。すなわちgoは耳lより且2までこう睨をもつことになる。 周波発電機(ACG)AVRについて,シミュレータとの組合せ,実際 このこう配ほVR5により変化できる。 の発電機との組合せの比較試験を行った。弟8∼10図は各系のプロ -11- 1052 昭和35年10月 評 上土 論 第42巻 第10号 乱調防止舌芦 物 物 乱調防止部 〟月/ 〟〟∼ 石並気増幅≡ βど♂ 棚気増幅畳 直流発電薇 〟Jg ん 磁気増幅星 械気増幅星 励磁株 拗 検出誹 直流発電機系ブロック線図 第10図 第1蓑 商用周改発電機系ブロック線図 各自動電圧調整器の場合の発電機出力電圧 物 負 乱調防止部 シミュレータとの組 荷 合せ OFF 〟ん 械気増幅畳 高用周波発電機 J屯f 検出量 第8図 月ββ 〟ん 〟ノ2 〝♂ 械気増幅星 高周波発電機 直流発電機用AVRの場合 (Ⅴ) 1 0N 75 実際の発電機との 組合せ OFF 75 】 ON 75 74.5 高周波発電機用AVRの場合(Ⅴ) 220 217 220 217 商用周波発電機用AV且の場合(Ⅴ) 220 219 220 219 似 棟出畠 第9図 高周波発電機系ブロック線図 第11図(a)シ ▼▼†,-_,-†▼1 ▼t l ミ ュ レ タ ー † 軍 と ー 1 の組合せ結果(DCG) 書 l l-I■lll 書聖! 毒亘: ̄ ̄・: 至■_:・垂 ■丈■凛・云: ■苧_、,≡一旦▼!!声 蔓菱 ミ・■一也; ■・=■賢■・・・ 暮主「空 畢 =-ざ:■己 璽 些1火J≡ 亨 こ ̄ ̄:「童 第11図(b)実際の 発電機 と 萱■三戸・呈・■・ 1■≦亘■_:1 〉三重言・ 写 二壱:「ミ の組合せ結果(DCG) ∑望■苫亘雪≡ 上記結果ほ標準回路のAVRを用いて,比較試験を試みたもので ック線図を示す。 あるが,電圧はよく一致しているが回復時間に多少の差が見られる。 過渡状態のオシログラムの一例を弟11図に示し,まとめたもの を弟12図に示す。これらほまずオープンループで,静特性測定後, また等価試験の負荷ON,OFFの場合にほ不可避な状態として,実 シミュレータと組合せて乱調防止回路の調整を行い,そのままの定 際の発電機との組合せ試験でほみられない閉路状態(2∼3ms)が生 数セットで発電機との組合せ試験を実施した結果である。これらを ずるので,過渡現象に多少の振動が見られるが実際の性能判定にほ, まとめたものを弟l表に示す。 さしつかえないものと思われる。 -12- シ ミ レ ユ シミュレータとの組合亡 福 ま ゝ の場冶、 苧 β/r・・・・・・・・・-♂〝 一---β/ア 2財「 冴-1 βC♂ノJ併 転 § l よ に る AVR 価 等 の 試 1053 験 実際のF転礫との組合せ β〝 ♂/′一----抑 タ ー 以上シミュレータとそれによるAVRの等価試験 肪■ ̄1 ▼淵■「 l 学事 一幸苧ゝ琶 ■寧事尊 言 5.緒 血l/-----♂′√ について述べたが,今後さらに細かい点まで考究し, 重 検査精度を十分確保できる最適の等価試験法として 晴用する所存である。 ∠〝' 2ガ1 脱ノJ仰 の場合 〝71 ▼遍_毒`基_ J Jど♂ノ仰 J Z〟1 第12図 た日立製作所日立工場泉部長,平川課長,藤木主任, -§一一竃`義一 作にご協力いただいた日立製作所戸塚工場関係者各 イ〝1 過渡状態 の オ シ ロ グ ラ 阿部部長,揖斐課長,菱沼主任,シミュレータの製 J 位に厚くお礼申しあげる。 雌1 ■去_ 一義一 一美1 一義一義 J -§1義 1 -§「義 _義損 終りに臨み,本計画の当初より終始ご指導を賜っ ■圭一 一竜一喪 章【 -§一一重 ぴ1 のJ易合 Z∬1 lナ §- 文 献 参 鳶 (1)宮田:解説自動制御 (2)泊倉,島田,北野,矢崎:日立評論Vol.41, J 445号 ム 特 許 の 紹 介 特許弟251653号 抑 透 明 欄 を 干 有 る す エ レ カ ス 峯 次 郎 夕 百貨店に設置されるエスカレータは,売場に与える重圧感を除く ため,欄干に透明側板を施した透明欄干エスカレータが要請される。 透明欄干 しかるにエスカレータにおいては,手すりを踏段と同期速度で駆動 する必要があり,Lかも駆動を円滑に行うために,手摺両端の折返 部の内部に手摺駆動車輪および案内車輪を不可欠とする関係上,従 来の透明欄干エスカレータは手すり両端の折返部は不透明側板で内 〆 /支持念物 手すり //脂指 案内コロ 蔵装置を掩へいするよう構成されていた。 勿 この発明ほ国に実施例を示したように,手すり両端の半円形折返 部を案内する半円形部を支持金物に設け,この半円形部の外周に沿 発′ ′ン うて多数の′ト径案内コロを配列し,これらのコロにより子すりの折 返部を案内させるとともに,欄干の内側面には前記半11形部に至る まで連続して透明側板を施したことを特長とするものである。 この発明の実施により,従来不可欠とした手摺両端折返部の駆動 申輪および案内車輪を不要とし,欄丁全長にわたり透明側板を施し た全透明欄干エスカレータの製作が可能となり,明るいエスカレー タの要請を満足することができ,エスカレーク製作技術に飛躍的進 歩をもたらしえたものである。(滑川) 匡 頭 新 案 の 紹 介 夢 塵 実用新案第492009号 峯 透明欄干を有するエスカ レー タ の照明装置 欄干の内側に透明側板を施した透明欄二†ニュスカレータにおいて は,踏段面の照明用として,手すりを支持した支持金物の直下に蛍 光灯列を設けている。そして従来各蛍光灯へ通電する配線は,それ 手すり ぞれ支持金物の支柱を利用し,支柱に沿うて架設しているが,この くrメ) 支梼金物 (⊃ ような配線架設の方法でほ支柱の慮匠効果を損ずる嫌いがある。 この考案は,第】図に示す各蛍光灯への配線を,弟2図に示した 配線 蛍光灯 ように支持金物の中牢内部に一一括して収納したことを特長とするも のである。 この考案の実施により,透明欄干の意匠的効果を害することなし 透明側板 支柱 に,各散光灯への配線をきわめて容易に行うことができるし〕(滑川) ∬ り 支持金物 ん干 手すり 蛍光灯 ∬ 踏E更 透明欄干 踏段 第2図 第1図 -13- 次 郎