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第7回(平成25年7月24日)会議記録 [PDFファイル/489KB]
第32次 第7回 宮城県社会教育委員の会議 会 議 記 録 平成25年 宮 城 県 教 育 -1- 委 員 7月24日(水) 会 第32次(第7回)宮城県社会教育委員の会議 記録 ○ 日 時 平成25年 7月24日(水) 午後1時30分~ ○ 場 所 漁信基ビル702会議室 ○ 出席委員 太田委員 佐々木(と)委員 齋藤(洋)委員 石垣委員 星委員 岡本委員 蘇武委員 中山委員 水谷委員 森(雅)委員 森(憲)委員 ○ 欠席委員 梨本委員 佐久間委員 ○ 事務局 三浦生涯学習課長 佐藤社会教育専門監 髙橋副参事兼課長補佐 金野生涯学習振興班長 泉澤社会教育支援班長 鈴木社会教育推進班長 佐々木協働教育班長 小野寺社会教育支援班課長補佐 朝日田社会教育支援班主幹 水谷社会教育支援班主幹 渋谷社会教育支援班主任主査 (司会;泉澤社会教育支援班班長) ・皆様,こんにちは。定刻より若干早いようですが,皆様お揃いになりましたので,ただ いまから第32次(第7回)宮城県社会教育委員の会議を開会いたします。 なお,情報公開条例第19条により,県の付属機関の会議につきましては原則公開とな っております。本会議につきましては,公開により審議を進めさせていただきます。 はじめに,新委員の委嘱状の交付を行います。 斎藤ひとみ委員でございますが,宮城県PTA連合会副会長の職を,6月8日付けで任 期終了となりました。斎藤ひとみ委員は,社会教育関係者として,宮城県PTA連合会か らの推薦により委員に御就任されており,今回,宮城県PTA連合会副会長の職を離れる ことになりますので,任期途中ではございますが,引き続き社会教育委員としてお願いす ることができなくなりました。 そこで,関係法令等に従い,新たに宮城県PTA連合会副会長の岡本リマ委員を選任さ せていただき,本日の会議から出席をいただいております。 では,委嘱状の交付を行います。 (委嘱状交付) (司会;泉澤社会教育支援班班長) ・岡本委員には大変失礼ですが,簡単に自己紹介をしていただければと思います。よろし くお願いいたします。 (岡本委員) ・皆様,はじめまして。宮城県PTA連合会で副会長をさせていただいております,岡本 -2- リマと申します。PTAの副会長になってから,5年くらいになります。社会教育の会議 というのは本当に初めてなので,資料のほうを読ませていただき,いろいろ考えてまいり ました。子どもと関わるということですが,私も主に4つのことと携わっています。 そのうちの1つが, 「名取こどもミュージカル」というものです。5年くらい前に市民ミ ュージカルから始まって,現在も活動を続けています。名取市の子どもたち100名を集 めてミュージカルをやっていて,3月に公演をやりました。 それから,県Pのほうは5年になります。斎藤ひとみさんもおっしゃっていたと思いま すけれども,震災後は支援の受け入れ口ということも担っております。各学校間の支援と か,ほかの県からの支援とか,いろんな支援の形態がありますけれども,それに携わって おります。去年,被災をした場所とそうでもなかった場所とをマッチングさせて, 「お互い に交流しましょう」というラインを作ったんですが,それにとらわれず, 「子どもたちが交 流できるような形であれば支援しましょう」ということで,今年も引き続きその活動を行 っております。 私事になります。学習塾を行って11年目になります。子どもが40名ちょっとおりま して,これも子どもと日々関わっている状態です。子どもの元気,大人の使命みたいなこ とを,日々考えながら生活しております。 それから,子どもが3人おります。皆さんのように見識もありませんし,早い話が一人 の主婦でございますけれども,こちらの会議で関わっている世代のそのままの姿を日々見 ております。そういうところで何かお役に立てればと思っておりますので,よろしくお願 いいたします。 (司会;泉澤社会教育支援班班長) ・どうもありがとうございました。 本日は佐久間委員,それから梨本委員は,所用のため欠席でございます。 それでは,水谷議長に御挨拶をお願いいたします。 (水谷議長) ・皆さん,こんにちは。 岡本リマさんが,委員に加わっていただけるということです。この委員会は皆さんに活 発に意見を出していただける委員会ということで,議長のいらない会議ということになっ ております。岡本委員も積極的に御発言いただける方だということは,以前,何かの会で 御一緒させていただいてよくわかっておりますので,遠慮なく,いろんな御意見を出して いただきたいと思います。 私どもの大学でいいますと,いま,前期の授業が終わる時期でございます。今週の土曜 日から試験が始まります。たぶん,ほかの大学も一緒だと思うんですけれども,だんだん 夏休みが始まるのが遅くなってきたんです。小・中・高校の夏休みに入る時期と,大学が -3- 夏休みに入る時期がずれてきている。小中学生の子どもたちを対象とした事業は夏休みに 入って早々に行われるということで,大学生のボランティアが使われにくくなってきてい るという状況が起きています。 いろんな施設から私どものところにボランティア募集の案内が来るんですけれども,な かなかうまくマッチングできないという状況が起きています。その間に,大学生がだめな ら高校生をということで,いまの時期に行われる小中学生対象の自然体験活動なんかは, 高校生がボランティアを行うようになってきているというような話も聞いています。今回 のようなテーマでいうと,大学の休みがずれたおかげで,高校生の活躍の場が少し増えて きている。そういう状況があるのかなというふうに思っております。 きょうも活発な議論をどうぞよろしくお願いいたします。 (司会;泉澤社会教育支援班班長) ・以後の進行につきましては,水谷先生,どうぞよろしくお願いいたします。 (水谷議長) ・それでは,まず本日の会議の議事録署名委員を指名させていただきます。 今回は森憲一委員,それから齋藤洋子委員にお願いをしたいと思います。よろしいでし ょうか。 ( 「はい」という声あり) (水谷議長) ・どうぞよろしくお願いいたします。 議事に入ります前に,傍聴人の取り扱いについて御説明を申し上げます。本会議の傍聴 につきましては「審議会等の公開に関する事務取扱要綱」が定められておりますが,本日 の傍聴者について報告をお願いいたします。 (事務局;小野寺社会教育支援班課長補佐) ・本日の傍聴者はおりません。よろしくお願いいたします。 (水谷議長) ・わかりました。 なお, 「審議会等の会議の公開に関する事務取扱要綱」第8条により,公開した会議の資 料及び発言者を明記した会議録については,県政情報センターにおいて3年間県民の方々 の閲覧に供することになっております。 続いて,第6回の会議記録についてお願いいたします。 -4- (事務局;小野寺社会教育支援班課長補佐) ・お手元に,校正の終わった記録がわたっているかと思います。委員の皆様にはもう一度 御確認いただきまして,修正箇所等がございましたら,今月末までに事務局に連絡をいた だきたいと思います。そこで大きな変更点がなければ,校正終了といたします。また,大 きな変更点がある場合は,議長と事務局が相談をして修正するということで,御了解いた だければと思います。よろしくお願いいたします。 (水谷議長) ・今後の会議記録の取り扱いについては,よろしいでしょうか。 はい,ありがとうございます。 それでは,議事に入ります。 (1) 「話題提供」です。第6回の会議の中でも, 「実際に関わっている先生から,学校の 様子についていろいろ聞きたい」という,委員の皆様方からの御要望がありました。その ことを受けて,実際に地域貢献活動やボランティア活動に取り組んでおられる高校の先生 から,直接,話題提供をしていただくことにいたしました。きょうは亘理高校の主幹教諭 でいらっしゃる吉岡隆先生にお越しいただいて, 「亘理高校におけるボランティア活動・地 域貢献活動の現状について」をお話しいただきたいと思います。 吉岡先生,どうぞよろしくお願いいたします。 (吉岡主幹教諭) ・皆さん,こんにちは。亘理高校主幹教諭の吉岡と申します。本日はお招きいただき,あ りがとうございます。 本校では県の社会貢献事業の指定を受けておりまして,その流れで,昨年の冬に兵庫県 に行ってきました。兵庫県のボランティア大会みたいなものがあって,そこで「招待校と して発表してほしい」ということで,生徒たちが3名ほど行って発表してきました。きょ うはその生徒たちが作ったスライドを持ってきましたので,それを使って,御説明申し上 げたいと思います。 最初に学校について説明いたします。亘理高校は特殊な学校というか,5クラスもあり ます。5クラスですけど,5つ別々なコースです。普通科普通コースはいわゆる普通高校 と同じです。普通科園芸コースというのは,農業系です。食品化学科,これも農業系です。 県内で3校しかありません。商業科が1クラス,家政科も1クラス。家政科も県内で3校 しかないということです。 1クラス1学科。3年間クラス替えなしということになります。 あとで説明しますが,ここに後々大きな利点と,相反する弊害が生まれています。その辺 を克服するために,ボランティアなどが非常に役に立っているということになっておりま す。 -5- 在籍は約510名です。東日本大震災があって,亘理高校は最大830名の避難所にな りました。学校が4月21日に再開したときに,亘理高校の生徒プラス830名の地域の 避難住民の方々。プラス宮農は校舎が被災しておりましたので,宮農の生徒6クラスが亘 理高校に来ました。本来は5~600名で授業をしている学校の中に,約2000人が詰 め込まれた状態で学校がスタートしました。 教室も足りない, 体育館もない。 どうすれば子どもたちの心のケアを十分に行いながら, 教育活動が行えるのか。そこからスタートしたのが, 「心温まる Heart Warm キャンペーン」 です。地域貢献活動あるいはボランティア活動などを軸として,子どもたちの感謝の気持 ちやお互いが支え合う気持ちを育てたいと考えました。そういうことをボランティアや社 会貢献を通じて少しずつ育んでいくのが,いま置かれた状況においてはもっとも前向きな 形で取り組める内容ではないかということで,始まったものです。 実際には, 「何とか作戦」とか, 「何とかキャンペーン」とか,いろいろやっております。 年間,ほとんど切れ目がない状態でこの3年間くらい続けてやっています。 「フラワー作戦」というのは,園芸コースの生徒たちが育てた花の苗を,ドライバーの 方たちに渡すというものです。亘理町の学校の近くの道路を,1日約2000台のダンプ が通過するということで,業者の方々が挨拶にまいりました。ものすごい土ぼこりで,ダ ンプが毎日土を運んでいます。そういう中で,「交通事故,起こらないようにしましょう」 と,亘理警察署とタイアップして,交通安全を訴える活動です。今回特別にやっているよ うな話をしていますが,実はこれはもう20年以上続いている活動です。年2回やってい ます。 「クリーン作戦」というのは,インターアクトの委員会を中心に,委員活動で年1回か ら2回,生徒の通学路を中心に清掃をやっています。これもすでに20年近く続いている 内容になっています。 「しらかし通りクリーン作戦」は,亘理町のロータリークラブとタイ アップをしています。しらかし通りという,駅前のメーンの通りみたいなところがあるん ですけれども,そちらでの清掃活動,それから植栽などをやっています。これはロータリ ークラブと一緒にやっている活動です。 「自転車マナーアップキャンペーン」は,自転車マナーアップ推進校の指定校というこ とで,毎月15日前後に朝8時から8時半まで交通課の人たちと自転車マナーアップ,生 安課の人たちと自転車防犯キャンペーンを同時に行っています。今年は志教育の推進事業 ということで,小中高連携をやることになっています。 それから,福祉協議会と連携しながら,高齢者の方々との交流ということです。亘理高 校と隣接して,2カ所の仮設住宅があります。亘理高校は高台にあるので,仮設住宅が見 渡せる状況にあります。そこの高齢者の方たちと交流をしながら,元気づける活動をして いきたいと,家庭クラブが中心となって展開している活動です。これは震災後から,今年 で3年目になっております。 「マナーアップキャンペーン運動」の中では,亘理駅での乗車マナーがあります。これ -6- はJRとタイアップしてやっている活動です。構内で放送をかけてマナーアップを呼びか けたり,あるいは駅前でキャンペーングッズを配ったりします。また,亘理警察署とタイ アップして,防犯についてのキャンペーンも駅前でやっています。今回,写真を持ってき たものは,JRとタイアップしてやったものです。これは県内一斉でやっているので,た ぶんほかの学校もやっていると思います。 「草花植栽活動」は亘理町で一番大きい,野球場がある公園で行っています。そこにあ る大型の花壇の植栽のデザインと,実際の植栽を亘理高校でやっています。だいたい7~ 8000本。ここでは5600本と書いてありますが,今年は7000本の植栽をやって きました。1週間くらいかけて,生徒が授業の一環として取り組んでいます。 それから,亘理と言えばイチゴなんですけど,イチゴ農園のほとんどの方々が,農園を 失った状況にあります。 亘理と言えばイチゴということで,その亘理のイチゴを仕入れて, 学校の実習でイチゴジャムの生産や販売の活動を行っています。農家の復興支援という形 で,やっているという状況が,これで3年続いています。 そのほかに,仮設住宅での活動が非常に多いです。お祭りの司会が入ってきたり,去年 は広島大学から, 「亘理高校さん,一緒にやらないか」とおさそいをいただいたり,東北大 学から話がきたり,山形県から「花笠音頭を一緒に踊ってくれないか」とか。もちつきイ ベントの運営もあります。あとは,ここには載っていませんが,仮設住宅の公園の造成, 花壇の造成。とにかく仮設住宅にかかることが非常に多くきていて,実際,いまはほぼ行 事が入らない状況にまでなっています。 これは,そのときの実際の新聞です。 「町の中の一番大きい仮設住宅に,新たに公園を造 りましょう」と,その公園を亘理高校が行って造っている様子です。地域の人たちがメー ンとなって,高校生はあくまでもお手伝いですが,亘理高校が人員を動員したということ です。丸2日間,8時間ずつ行いました。雨が降ったあとで,ぬかるんだところで泥んこ になりながらヘトヘトになってやりました。でも,生徒たちは, 「非常に疲れたけれど,面 白かった」と言っていました。 清掃活動については,毎週どこかに出掛けて行ってやっています。本校では毎週水曜日 が活動の日ということで制定して,毎週行っています。 これは神奈川県の高校との, インターアクトクラブの交流です。 「毎年,交流会をしたい」 ということで,今年も8月23日くらいに捜真女学校が神奈川から来る予定になっていま す。 これは山形県からの依頼で七夕音頭を踊ったときのものです。写真を撮っているのは子 どもたちが楽しそうなところばかりではあるんですが,結構,陰には見えない苦労なんか もあります。地域とともにある学校づくりということで,亘理高校単独で行うのではなく て,警察であったり,福祉協議会であったり,ロータリークラブであったりというところ と,できるだけタッグを組みながら進めているという状況です。 震災前は,ここまで活発にはやっていなかったというのが実情です。子どもたちの心を -7- 何とか前向きにしたいと。亘理高校の生徒については,子どもたち心を変えるのにボラン ティアや社会貢献活動というのが,非常に有効に働いているというような現状がございま す。 いま,実際の活動内容を見ていただきました。平成24年度の実績として,約617名, ボランティアに参加した,社会貢献活動に参加したということで,報告させていただいて おります。510名の生徒に対して600名を超えていますので,全校生徒が一度は参加 した計算になりますが,実質的に一度は参加したことがあるという生徒の参加率について は,4割程度です。残念ながら,全員参加するところまでいかないのが実情です。 それは,一つはボランティアや社会貢献活動については,こちらが無理強いしてやる活 動ではないという観点が一つ。もう一つは,やりたくてもできない生徒も非常に多いこと です。現在,アルバイト率が非常に高く,その理由として家計の支えということを挙げて います。それはやはり震災によって,家庭の収入が激減するなど震災の影響を受けている 子が,非常に多いということです。 さて,先ほど,ボランティアや社会貢献をさせることが目的ではないというお話を申し 上げました。目的は思いやりや助け合いの心を醸成したいということです。 平成22年度から, 「亘理高校心温まる Heart Warm キャンペーン」を立ち上げてやって おります。生徒たちの心を育成するにあたっては, 「良好な人間関係を築いてほしいこと」, 「お互いが支え合うことから充実感を覚え, 感謝の気持ちをつくりあげてほしいこと」 「 ,和 の心を大切にしてほしいこと」をコンセプトに掲げて,スタートしました。 この2つを醸成するために必要な条件は,信頼関係をつくること,それから相互支援を 確立すること,個の自立を促すことです。さらに,生徒たちの心を育んでいくためのキー ワードを,6つ制定しました。 「傾聴」 , 「敬意」 , 「感謝」, 「寛容」, 「配慮」, 「挑戦」 。この キーワードを常に頭の中に入れて,このどれかを伸ばすように声掛けをしたり,計画を立 てて事業を展開したり,ボランティアをやったりということをやりました。この6つがが っちり心の中で育っている子どもというのが,周りから必要とされる生徒,あるいは生活 が充実している生徒になるだろうと思います。 実際の生徒の感想です。募金活動へ行った生徒は,最初は恥ずかしくて「募金をお願い します」と言えませんでした。ところが募金をしてくれる人が増えるにつれて, 「募金をお 願いします」と言えるようになるんですね。そうすると, 「充実してとても楽しかった」と いうような感想がきかれるようになります。 それから, 「クリーン作戦」の感想では,「道路から見えないところにゴミを捨てる人の 気が知れない」といったいいことを書きます。でも,普段,近所の住民から電話が来ます。 「おたくの生徒がパンを食べて,うちの庭にゴミを捨てて行きました」 「すぐ拾いに行きま す!」 。そういう行為を繰り返して,社会的なマナーとかモラルを学んでくるんだなという のが垣間見える感想でした。 でも,いいことばかりではありません。社会貢献やボランティアを通じて,子どもたち -8- も非常に葛藤することがあります。ゴミ拾いに行ったとき「こんにちは! きょうもゴミ 拾いに来たよ」 「何,きょう手ぶらなの?」 「きょう,花とかないの?」 「いや,きょうはゴ ミ拾いなので……。あの……」たぶん,住民の方々はジョークのつもりで言っていると思 うのですが,それが子どもたちにとってはジョークと取れない。 「せっかくいいことしよう と思っているのに,何てことを言うんだ」と泣きながら帰ってきたこともあります。 それから, 「ちょっと,私,花もらってない!」 「花,もうないの? もっと持ってこな いとダメじゃない!」と怒られたこともあります。こちらからするとささやかに,あるだ けを配っているのですけど,もらう側からすると, 「みんなに1個は渡るように,ちゃんと 数えてこないとダメじゃない!」 と。 そういうような意識の人もおられるということです。 それから募金活動では,くわえタバコで「なんだおめぇ,偽善でいいことやろうとかし てんじゃねえよ! どうせ半分くらいおめぇたちが使ってんだろう?」みたいなことで, かなり責められたことがありました。その子はその場で泣き出してしまったんです。その 「偽善でやってんじゃねえよ」と泣かした人は,最後は悪いと思ったのか, 「まあ,これで 何とかしな」って千円札を入れていったそうです。 (笑) ドラマが生まれた瞬間でありますが,こういうつらいこともかなりあります。 先ほど,参加率が4割にとどまっていると言いました。そこで,全校生徒の心を育てる にはどうしたらいいだろうと考え,ボランティアとか社会貢献とか,誰かが何か充実感を 覚える活動をしたときには,それをCMにして全校生徒に周知する「心見える化大作戦」 というのをやりました。 これから見ていただくのは「クリーン作戦をやりましたよ」ということでつくったCM です。クリーン作戦に参加した生徒は,50人くらいです。全校生徒は500人というこ とで,こういうふうにしたということです。 (動画音声:約50秒) こういうようなCMを作って,毎日,朝と昼休みに昇降口で流します。繰り返し,繰り 返し,CMです。平成24年度,1年間で作ったCMの本数が約20本。動画を作って, これをずっと流しています。 そうすると, 参加していない生徒も立ち止まって見て, 「ああ, なるほどねえ」となります。そのCMを見ることで,参加した友達に「ねえ,どうだった の?」となり,友達同士の中で話題に出るわけです。そうすると, 「こういうことをやって, 面白かったよ!」というように,充実感の輪ができていくんですね。やっていないけど, 「自分もやってよかった」というような気持ちになります。 こういう周知を含めて,できるだけ全校生徒の心が温まるような活動を展開していった 結果,どのような変容があったのか。これは,子どもたち一人一人にアンケートを取った わけではございません。われわれが感じている学校の中の様子の変化,何が変わってきた のかをお話しします。 -9- 特別指導の減少です。5年前に比べて半分になりました。特に震災後,このキャンペー ンを展開してから順調に減っていっています。かつての亘理高校というと,暴力事件があ ったり,いじめがあったり。やれ○○部が出場停止だとか,住民の方から連絡があって, 「いま木刀を持った生徒が駅前に集結しているから,先生来てくれ!」と言われて,急行 したこともあります。そういうことがありました。 特別指導の数も着実に減っていますが,内容のほうも暴力的なものは一切なくなって, いまはいわゆる軽犯罪といわれるところだけになっています。それがいいかと言われたら, それもなくさなければいけないので,いま必死にやっています。 それから,集会です。5年前の亘理高校は集会の前に,生徒指導の先生から私語や整列 に関しての指導がありました。でも,ここ2,3年はまったく違います。 「はい,じゃあク ラスごとに並んでください」 「時間ですので始めます。生徒の皆さん,御協力よろしくお願 いします。 」と言うと,シーンとなります。これはものすごく大きな変化だと,われわれは 思っています。 それから,学校の雰囲気が変わっています。いままで見られた器物破損がなくなりまし た。また,校内スポーツ大会では他チームへの思いやりが増えました。かつての大会では, 自分たちのクラスが勝ちたいという気持ちが非常に強くて,勝ちたいがために審判に文句 を言ったり,他チームにケンカを売って,つかみ合いになりそうになったり,そういった ことが行事の中でもありました。ところがここ2,3年は大きく変わりました。試合前に チームで円陣を組むときに,相手チームと一緒に組んで「お互いに頑張ろう!」というよ うになりました。男子はフットサルをやっていますが,ファールを起こして2人がぶつか って転んだときには,ファールを起こした側が謝ったり,相手を起こしてあげたりといっ た小さな思いやりが見えるようになりました。思いやりが見えるスポーツ大会の運営とい うのが,この2,3年非常に大きくなって,生徒たちも「非常に楽しい」と言うようにな りました。 いま,学校生活全体に,こういうような変容が見られる状況があります。ただ,ここか ら先,学力を含めて,次のステップに上げていくにはどうしたらいいのかというのが,こ れからの亘理高校の課題です。4割の参加を,全校生徒の参加に上げるにはどうしたらい いだろうか。あるいは,教員主導でやっているのを,生徒主体に移行するにはどうしたら いいだろうか。それから,ボランティアや社会貢献活動だけで終わるのではなくて,授業 の中にフィードバックしたり,つなげていったり,連携できるような内容を今後の課題と して,次のステップアップをねらっているというような状況です。 とりあえずここまでという形で報告させていただきます。どうもありがとうございまし た。 (拍手) (水谷議長) - 10 - ・どうもありがとうございました。もう少しお付き合いいただいて,委員の皆様方からい ろいろ御質問等を受けていただければと思います。 では,まず最初に私からよろしいですか。 いまのところ学校主導型,教員主導型だというお話があったかと思いますが,全体の仕 組み,生徒たちの組織はどうなっているのか,少し御説明いただけますか。 (吉岡主幹教諭) ・ 「心温まる亘理高校 Heart Warm キャンペーン」の資料で説明します。 建前は,生徒会執行部で企画運営をしているという内容になっています。そういう建前 で,実際に計画を立てているのは教員です。年間の計画を立ててあって,これを執行部の 生徒たちに提示しつつ,生徒たちにも考えさせるようにしています。職員会議で先生たち が企画を通しておいて, 「次はこういうのがあるんだけど,どうやったらできると思う?」 「先生,こうやったらできるんじゃない?」 「なるほど。だけど,それだとこういう問題点 があるから,もうちょっとこうする方法はない?」というふうに,いまは生徒たちに答え を出させながら,うまくこっちの思う企画に行くようにやっています。 これが,私たちと生徒会担当者で考えた原案になります。これを整理・分類して,大き く3つに分けました。 1つは,広報系の活動のグループ。誰かが何かをやったら,とにかくそれを全校生徒に 知らしめる活動を行っています。 2つめは活動系のグループ。何とか作戦を実際に運営します。生徒を集めて連れて行っ たりとか,生徒を集めて,分けて, 「こういうふうにしてください」という指示を出したり という,実動隊のグループです。 3つめは全校企画系のグループ。これは,全校壁画を作ったりというような,大きな企 画を企画運営するグループです。 このように3つに分けて,展開をしております。生徒たちの前では生徒会執行部が前面 に出て,それぞれの部門にバックアップの教員がついて運営をしています。 (水谷議長) ・はい,ありがとうございます。 委員の皆様,いかがでしょうか。森委員。 (森雅一郎委員) ・2つ質問をしたいと思います。 1つは,一度は参加した人間が4割いるということでしたが,残りの6割は,さっき先 生がおっしゃっていた,やりたくてもやれないという人たちなのか,あるいは最初からあ まり積極的にやる気がない生徒なのか。その辺の内訳はどんなふうに判断しているのかと いうこと。 - 11 - それから,参加した4割のこの数字に,いい意味での変化というのが出てきているのか どうか。 加えて,もう1つ質問したいと思います。ボランティア,社会貢献,いろんな地域の活 動を通して,生徒の皆さんの責任感,あるいは自主性とか行動力というのが出てきたとい うことでした。そして,その中での大人とのコミュニケーションの力,良好な人間関係を つくっていきたいということが目標になっているということでしたけれども,普段の活動 の中で大人とのコミュニケーションの力といったものは,どのように変わってきているの か,あるいはそういう変化を見ることができるのか。そんなところの話をしていただきた いと思います。 (吉岡主幹教諭) ・残り6割の生徒のことであります。アンケート等を取って,具体的に数字を集計したわ けではないのではっきりとは申し上げられませんが,何人かの生徒は「行きたくても行け ない。だから,授業の時間でできないか。 」という相談を実際にしてきています。そういう 生徒がいるという程度しか,申し上げられないと思います。 それから,4割の実際に参加した生徒たちの変化ですけれども,それは2つ目の質問の 中のコミュニケーションの変化等が見られるところ,行動力とか責任感の変化が見られる ところに関わってきますので,まとめて御説明申し上げたいと思います。 何が一番変わったか。それは,判断ができるようになったということです。いままでは, 「それっていいことなの? 悪いことなの?」ということをあまり考えませんでした。い ままでは, 「こうだ」と言われたら,それをやる。あるいは,誰かがわがままを言っても, それを受け止めない。流している生徒が多くみられました。いまは,授業の中で羽目を外 しすぎた生徒に, 「やめておきなよ」と言う生徒が出たり,あるいは「先生,いま誰々が言 ったことってずれているよね」 ,あるいは「誰々先生が言ったことって,ちょっとずれてい るよね」ということを言い出したり。そういうような生徒の変容が見られます。これは行 動面についての具体的な話になります。 亘理高校の一番の目標というのは,進路の実現です。その進路の実現という部分につな がる具体的な変容があるかどうかというのは,こればかりは企業の求める姿や社会情勢に 関してきますので,直接的に「ここが変わったから就職が良くなった」というのが見える ところまでは行っていません。ただ,われわれが感じているのは,先ほどありましたよう に学校の雰囲気が明るくなって,過ごしやすい学校になったことです。そういうことは, 教員として確かに感じている状況です。 あいまいな答えですが,よろしいでしょうか。 (水谷議長) ・よろしいですか。では,石垣委員。 - 12 - (石垣委員) ・CMを作って見せたり,非常に工夫なさっていると。感心して聞かせていただいていま したけれども,2つお聞かせ願いたいです。 1つは,外部のいろんな団体や機関と一緒にやられていますけれども,その受け入れに ついて協議の場に高校生が一緒に入っているかどうかとか,その様子を教えていただきい ということが1つです。 2つ目は,地域からの評価。地域にたくさん出掛けていって,いろんなことをなさって います。先生のお話の中には学校での評価はずいぶんございましたけれども,地域からど んな評価が得られているか。何かそういう声があるということがあったら,ぜひ聞かせて いただきたいです。お願いします。 (吉岡主幹教諭) ・まず,1点目です。外部の団体の受け入れをどうしているのかということですが,たと えばロータリークラブさんなんかは,就職前の面接指導をお願いしていて,もともとつな がりがあります。その中で, 「じゃあ,次はこういうのをしようか」ということになります。 たとえば捜真女学校なんかも,ロータリークラブさんから依頼があった話です。兵庫県の ロータリークラブが亘理のロータリークラブに連絡をして,亘理のロータリークラブが亘 理高校に話を持ってきたという経緯があります。 「こういうのをしたいから,ここの団体に お願いするか」というよりも,ひっきりなしに話が動いている。 「こういう形で何かやりた いと来ている」 「じゃあ,こういう形でやりますか」というような形で,実現しているのが 多いです。 震災後,他県からの交流依頼が非常に多いです。この夏休みには,生徒会で北海道の伊 達高校に行ってきたり,捜真女学校が来たりします。こちらからやりたくてやっている地 域のことと,外部から,学校の周りの福祉協議会とかロータリークラブに話がきて,そこ から持ってこられている話と,両方あります。 「そういえばどうやってつながっているんだ ろうな」と思うと,自然とつながっているという感じではあります。 それから,協議の場に生徒は入っていません。教員と外部の人たちとの間で一通りの計 画を立ててから,子どもたちに下ろして説明をするという方法を現在は取っております。 2つ目の質問のほうの,地域からの評価です。直接的に関わっている,一緒に活動して いる方たちからは,やはり非常に高評価です。ですが,当然,いい話ばかりではないわけ です。たとえば,学校の近くのスーパーマーケットに食べるコーナーがありまして, 「おた くの生徒があそこを占拠しているんだけど,見にきてください」といった電話もよくきま すので,まだ亘理高校に対して良くないイメージを持っておられる地域の方々も当然おら れると思います。 われわれは,そういう活動を通して学校のイメージを変えていかなければ,出口の拡大 - 13 - もないと思っています。それは生徒たちに伝えながら,いま必死になってイメージを変え ている最中だということです。 (森委員) ・ありがとうございました。 (水谷議長) ・では,ほかにいかがでしょうか。 (蘇武委員) ・先ほど森委員から,6割の生徒が関わっていない。4割の子どもたちが数回やっていて, 「6割のいろんな事情がある子どもたちの中に,授業でやってくれないかという要望があ った」という話が出ました。それで,野球場の近くの花壇は授業でやっていると言ってい ましたね。 (吉岡主幹教諭) ・はい。 (蘇武委員) ・あれはたぶん園芸コースですか。 (吉岡主幹教諭) ・はい。そうです。 (蘇武委員) 園芸科の子どもたちであれば授業でやれるけれども,普通科とか商業科はできない。そ ういうことを,学校としてこれからどう考えていくのかということを話してください。 それと,学校の雰囲気が変わったというのは,4割の子どもたちが変えている。たぶん, 特別指導は6割の子どもたちが関わっている部分が多くて,4割の子どもたちはあまり特 別指導には関係ないと思うんです。それに,6割の子どもたちはどういうふうに影響を受 けてきたのか,具体的なことが話としては出てきませんでした。ただ「全体的には雰囲気 は良くなった」とはありました。話せるところでいいですので,その辺のところを話して ください。 (吉岡主幹教諭) ・今回の話に乗ってこない6割の子たちの話だと思うんですが,今後どう参加させていく - 14 - かということで,まずクリーン作戦をロングホームルームに組み込みました。それで参加 人数の拡大を図ったということが一つです。 ただ, 「行きたいけど行けない」という子たちの要望の多くは,クリーン作戦とかではあ りません。たとえば,お祭りのお手伝いであったり,もちつき大会での手伝いとかです。 いわゆるボランティア形式のものというよりも,社会貢献としての交流のほうを強く望む 傾向にあります。それらは授業に組み込むのが難しいです。なぜなら,休みの日にやるも のと相場が決まっているからです。かといって,学校の授業日を日曜日に振り替えてとい う,大それたことができるのかということもありますので,ここは正直苦慮しています。 平成25年度から,高校のカリキュラムがすべて変わりました。新しい学習指導要領に 変わって,今年からスタートを切っております。できれば卒業までに1人1回はボランテ ィアや社会貢献に関わっていくのがいいのではないかというのもあって,志教育を1年か ら入れました。 亘理高校の場合,いままで総合的な学習の時間は,普通科の1組と2組だけでやってい ました。3組,4組,5組は専門学科なので,課題研究という専門学科の授業で代替をし ておりました。それをすべての科で取りやめて,総合的な学習の時間を全学科に導入し, 1年生のときから5クラス共通した志教育を入れていくことにしました。社会的貢献の部 分を早い段階から入れ,少しでも参加率を上げるために, 「社会的な部分に関わっていく活 動が大切だ」ということを生徒たちに伝え,全クラスの生徒たちが同じレベルで入れるよ うなプログラムを導入しました。それが今後どう動くかというのは,まだ,未知数という ことです。いまのところできている取組は,そこまでということになります。 それから,参加した人たちの満足感が上がっていくにつれて,6割の子たちがどうなっ ていったんだろうということなんですが,ここはどうなんでしょう。 皆さん,2・6・2の法則って聞いたことがあると思います。2割のリーダーシップを 持った子たち,6割の普通の子たち,2割のいわゆるやる気のない人たち。どこの組織も 2・6・2に分かれる。そして,下の2を切ったら,残りの8がまた2・6・2に分かれ る。組織の2・6・2の法則と言われているんです。 学校もやはり同じです。下の2割というのは, 「そんなの面倒くさくてやりたくない」と いう子。正直な話,いくら言っても,自分がやりたいと思わなければやらないと思います。 6割の子たちの何割かは,おそらくは「やれ」と言われたらやると思います。無理やりや らせて,やった結果「面白かった」と味わらせるのがいいのか,それとも強制的にやるの ではなくて,いまのまま,希望者優先で回していくのがいいのか。それは今後の検討課題 かなというふうにとらえています。これはちょっと時間がかかるかなと思います。 そういうところでよろしいでしょうか。 (水谷議長) ・ほかにいかがでしょうか。 - 15 - (星委員) ・CMを流すというのは,すごくいいアピール,いい広報活動だなと思って見ていました。 ああいうCMをもっといろんなところで流せたらいいなと思うのと,声が入っていたり, 感想が入っていたりしたらもっといいなと思います。写真もいいですけど,その中から見 えてくるものがあったら,もっと伝わるものがあったかなと思います。 仮設住宅の方々の言葉の中で, 「私は花をもらっていないんだけど!」とか,「きょうは 何も持ってこなかったの?」というようなことがあったんですけど,こちら側が「やって あげる」 という感覚で出すと, 仮設の方々たちもやってもらうのが当たり前になってくる。 ボランティアもそうですけれども,やってあげる,やってもらうという関係だけではなく て,一歩踏み込む。仮設住宅の人たちからいろんなことを教えてもらうとか,お互いにい ろんな話を聞くというような機会もあったらどうなのかなというふうに思いました。 同じようなことを中学生もやっているんですが,仮設住宅の自治会の方々からよく「や りっ放しだな」と言われて,あとのフォローアップが必要かなと思っています。そういう 話があったので一言お話ししました。 もう一点は,ボランティアは自由参加でやっている部分があると思うんですけれども, どういう形で動機づけられて参加しているのか。友達の誘いなのか,それとも委員会に属 しているから参加しているということがあるのか。動機の部分はどうなっているかをお聞 きしたいと思いました。 (吉岡主幹教諭) ・ありがとうございます。 まず,最初に,ムービーを入れるという話ですが,実際にムービーを入れたものもあり ます。動画を入れたものを最初に作っていましたが,流す時間が登校時の一瞬,あるいは 昼休みの教室移動をしたりする一瞬,食堂に行って帰ってくる一瞬,その時間で見せなけ ればいけないということなのに,結構,間延びすることがありました。 こちらは,1枚の写真が4秒半から5秒以内で収まるように,次々と,フラッシュ的に 流しています。その合間に,こちらが伝えたいメッセージを少し入れると,フラッシュバ ック的な効果で生徒たちにすっと入っていくのかなと思い,見せる時間帯から,そういう ふうに変容してきたというところです。 最初はインタビューなんかも入れて映像を作っていましたが,生徒はインタビューとか にはあまり興味がない。それよりも,曲を流して次々写真が替わって,その間にメッセー ジが入ることで,曲を聴きながら「ああ,写った!」とか言いながら最後まで見てくれる ようになりました。なかなか難しいんだなと,私も思いました。ありがとうございます。 それから, 「いつもこちら側がやっているのではなくて,仮設の人から教えてもらう機会 も」とあるんですが,そういう活動も実は家庭クラブのほうでやっています。今回はあま - 16 - り大きく取り上げませんでしたが,こちら側から教える折り紙と,昔からある,おばあち ゃんから教えてもらえる折り紙の,折り紙交流というのを実際にはやっているということ です。 それから,参加の動機づけは,その活動によって違います。たとえば,朝のマナーアッ プキャンペーンだったら,交通安全委員を使ってやっています。あるいは,生活総合委員 というのを使って,防犯キャンペーンをやっています。クリーン作戦というのは,各クラ スから生活総合委員プラス希望者。フラワー作戦は,交通安全委員プラス希望者。毎週行 っているゴミ拾いについては,主催をインターアクトの委員会にしていますが,実際には 完全な希望者でやります。そういうふうに,中身によって主催する団体を取りあえずつく っておいて,それプラス希望者という形が実は多いです。 (水谷議長) ・あとはいかがでしょうか。はい。 (中山委員) ・お話を伺っていて,ほかの先生はどんなふうに関わっていらっしゃるのかなと,非常に 気になっています。毎年,先生はどんどん入れ替わってしまう中で,その高校に行ってど ういうふうに皆さんが顔合わせしながら関わっていらっしゃるかというのを,お聞きでき ればなと思うのが一点。 もう一つは感想なんですけれども,全員参加しないほうがいいのではないかなと,正直 思いました。というのは,CMを流すことで,関わっている子をヒーローとして見せてい く。そういうところで,気持ちが動き始めると思うんです。ほかの子たちが「自分もやろ うかな」と一歩踏みだすのは,気持ちが動く瞬間だと思います。全員で,授業で,強制で というふうにしてしまうと,決まった,やるべきことになってしまうと思う。それは,あ えてしないほうがいいのかなと正直思っています。 (吉岡主幹教諭) ・教員組織というのは毎年転勤がございまして,確かに人が入れ替わる。私は平成22年 度に生徒指導部長ということでこのキャンペーンを開始しましたが,現在,何を隠そう生 徒指導部長ではなくて,広報情報部長です。外でのこういう発表や学校内外の周知活動を 専門に行っている担当です。これは私も非常に苦しいところです。私は平成22年度と2 3年度の2年間生徒指導部長で,これを確立し, 「よし! 波に乗ってきた」というところ で,新しい部署に移りました。その間に,動きが鈍くなったり,スキップされてしまった りすることが実際にあります。 今年は広報情報部長でこういう広報関係をやりながら,生徒指導部長に「次はこれをや らないとだめだよ。次,こうやって動かさないと間に合わなくなるよ」というのをやりな - 17 - がらなので,2つの部長をやっているような感じはあります。確かに,私が転勤したら, ひょっとしたらこれがなくなるかもしれないという危機感はあります。 それから,ヒーローという言葉が出ました。まさに,亘理高校の先生方が子どもたちに ねらっているのはここです。亘理高校の生徒たちは,小中の間にヒーローになったことが ない人たち,ヒーローになりたいと思って学校に来ている子たちが,とても多いです。だ から,ヒーローになることを与えてあげて,それをやったらヒーローにしてあげるともの すごく変容が見られる。うれしそうです。 それで,こういうキャンペーンをやってCMを作って流したり,カラーで学校便りを作 ったりして, 「こういう活動をやりました」「亘理高校が新聞に載りました」ということを すべて載せて,全亘理郡内の中学校と近隣の中学校,亘理高校に通っている中学校の全3 年生のクラスに1部ずつ貼れる部数を送っています。あとはJRの駅に置いたり,図書館 に置かせてもらって地域の人に配付してもらったり,亘理町の役場に置いて配付してもら ったりしています。 「誰々のところの何々ちゃん,いいことやったんじゃないの!」となる ようにやっています。まさにヒーローです。ありがとうございます。ヒーローという言葉 を使えばよかったんだなと私も思いました。まさに,そのための活動をやっているという 感じです。ありがとうございます。 (水谷議長) ・まだまだお聞きしたいことがありますが,このあと議論しなければいけないことが残っ ていますので,大変残念ですけれども,先生のお話はここまでということにさせていただ きたいと思います。本当にどうもありがとうございました。 (吉岡主幹教諭) ・長い間申し訳ありませんでした。 (拍手) (水谷議長) ・それでは,協議を続けたいと思います。 協議の順番で言いますとイ,ロとなっていますけれども,ロから始めてよろしいでしょ うか。先にスケジュールを確認してから,きょうやるべきことを少し話し合いたいと思い ます。 (事務局) ・それでは,この会議は最終的に意見書をまとめるということですので,委員の皆さんに, まずは大まかなスケジュールを確認していただきたいと思います。4ページをお開きくだ さい。 - 18 - きょうの会議を受けまして,7月中に課題のポイントの整理。実際にはこのあと現地調 査が入ってまいりますので,その計画を作っていきたいと思います。8月,9月をかけて, 実際の現地調査。それを基に,8回目の会議を考えております。その間に,内容によって 小委員会を持ったりしながら,意見書の集約に向かっていきたいと思います。11月には 意見書の素案的なものがある程度出てきて,さらに小委員会を重ねて,1月に最終案的な ものができればいいかなと思います。そして2月の末には意見書の提出ということで,大 まかに考えております。 (水谷議長) ・よろしいでしょうか。事務局と議長・副議長で検討し,いまのところこのようなスケジ ュールで進めてはどうかと考えています。親委員会は3回ぐらい開催し,次回の会議まで に調査活動を行う。現地での聞き取り調査,あるいは見学・視察といった活動を間に入れ る。このことについては,前回,委員の皆様方から御了解を得たと思っております。現地 調査,聞き取り調査を行った上で第8回の委員会を開き,具体的な意見書の取りまとめの 作業を行う。これについてはまだ御了承いただいていないかもしれませんけれども,小委 員会形式で少し詰める作業をしながら, 第10回目で意見書最終案の検討をしていただく。 このような流れで進めていきたいと思っておりますけれども,よろしいでしょうか。 ( 「はい」という声有り) はい,ありがとうございます。 それで,きょうやらなければいけないことは,そこに書いてあるように「課題とポイン トの整理」 「現地調査の具体的な計画作成」,それから「事例の報告書式・様式の検討」。細 かなことについては事務局と議長・副議長にお任せいただくとして,課題・ポイントの整 理と,現地調査の具体的な計画について,皆様方と検討をしてきたいと考えております。 そこで,いま吉岡先生のほうから,亘理高校の状況について説明をしていただきました けれども,さらにきょうの検討材料として,事務局で資料を用意いただきました。前回の 会議で,キーワードに対する現状や課題について御意見をいただきましたが,今回の会議 に向けて打ち合わせをした際に, 「地域づくりに関する基礎データが不足している」という 話がありましたので,事務局で調査をしていただくことにし,その結果がまとまってきま した。 まずそのデータの説明をしていただいた上で, 議論をしていきたいと思っています。 では,事務局,よろしいでしょうか。説明をお願いしたいと思います。 (事務局;小野寺社会教育支援班課長補佐) ・それでは,お手元に「別冊資料」という少し厚めのものが準備してあると思いますので, そちらを御用意ください。 - 19 - この別冊資料については,子どもの地域づくりへの参画に関わるようなものを洗い出し て,ある程度調査したものです。この順番に沿って,簡単に説明していきたいと思います ので,よろしくお願いいたします。 まず,JL‐1という1枚目をめくっていただきたいと思います。これは,県内のジュ ニアリーダー担当者を対象にアンケート調査をかけたものです。年度によって変わります が,現在,県内のジュニアリーダー組織は54くらいあります。今回は時間がありません でしたが,26団体から御回答をいただきました。設問に沿って簡単に,傾向と読み取れ る内容について説明したいと思います。 まず問1は,現在のジュニアリーダーの活動の様子ということで,把握させていただき ました。平均的な参加人数は7.4人。それから,月1回から2回行っている団体が多い。 スタッフも2名程度ある。そのスタッフが入っているのも月1回か2回ということで,ア ンケートからは割と定期的に,月1,2回の活動をしているということがわかりました。 それと,スタッフとして2人いるということで,このスタッフがジュニアリーダーとよく 関わっているという現状が読み取れるかと思います。 続いて,問2です。 「実際に活動している中身は何ですか」という問い掛けに対して多か ったのが, 「地域活動への参加」と「子どもの指導」です。「地域活動への参加」というの は,皆さんご存じのとおりお祭りであるとか,公民館等の地域の行事であるとか,社会的 なイベントへの参加ということを挙げております。 「子どもの指導」というのは,子ども会活動などでの年下の子どもへの指導といったこ とです。 あともう一つ, 「他の自治体との交流」というのは,他の地域のジュニアリーダーとの交 流ということになります。 ページをひっくり返していただいて, 「その他」で挙げていただいた中の特徴的なものと しては, 「放課後子ども教室」とか, 「児童館での活動」とか「家庭教育支援事業」 。それか ら,公民館等でもジュニアリーダーが活躍しているということがわかりました。結構,地 域づくりに関わっているということが,ここから読み取れるかなと思います。 3ページ目に入ります。3ページ目については, 「一番積極的に取り組んでいるのはどう いうものですか」ということで,先ほど多かった「地域活動への参加」と「子どもの指導」 がやはり多く挙げられました。では,そこでの子どもたちの変化として多かったのは,先 ほどの高校の先生の話にもありましたけれども, 「自主性」とか「行動力」とか「コミュニ ケーション能力」です。自分に関わる,自分を成長させるようなことが向上したというふ うに,担当者はとらえているようです。続いては「他者との関わり」であるとか, 「地域と の関わり」というようなことがつながっています。 一番下の段は,答えとして多かった「地域活動への参加」と「子どもの指導」というの を取り出して,並べてみました。それぞれ向上したという中身については非常に似ていま すが,真ん中の「変化なし」というところを見ていただくと,実は「子どもの指導」を選 - 20 - 択している方がすごく多いんです。こちらは人数的に見ると多いけれども, 「変化なし」の 割合も非常に多くなっています。回答数が少ない中で結論を出すのは難しいですけれども, 「地域活動への参加」のほうが向上したという意識を持っている。 「変化なし」という項目 は, 「子どもの指導」 が多いということがわかりました。先ほどの話ではないですけれども, 地域活動というのは,子どもたちが成長する要素を持っているというのが読み取れるので はないかと思います。 4ページは,実際のジュニアリーダーの活動形態です。多かったのは3つです。 「JLが 大人とともに計画して,JLだけで活動する」「大人と一緒に活動する」,もう一つは「J L同士で活動する」ということで,ジュニアリーダーは割と自主的に運営しているという ことがわかるかなと思っています。 下の段は, 「現在,積極的に行っている活動」ということで,いろいろ挙げてもらいまし た。それから, 「今後行いたい活動」ということで,ジュニアリーダーというのは地域づく りに関して意欲的に非常に高いものがある。何とか自分たちでやりたいということが,こ の結果からも読み取れるのではないかなと思います。そういうふうにデータ上は読み取れ ます。これまでの委員の皆様の発言と,そのままリンクしています。委員の皆様から指摘 していただいたことが,そのまま結果としても表れているかなというふうに思います。 次のページになります。教育委員会は34市町村に調査をかけましたが,現在の回答数 は19市町村です。最終的には全部の市町村から集めるというふうに考えております。実 際に教育委員会のほうで地域づくりにつながるような活動をどの程度やっているのか,そ して,どんな考えを持っているかということに関して取ったものです。 問1については,今年,平成25年度の地域での活動をサポートするような事業を挙げ てもらいました。やはり学校が対象になる,中学生・小学生が対象ということで, 「自然体 験活動」であるとか, 「食育」であるとか。予想されるような活動が多く挙がりました。 その中で特徴的なのが,5番。 「子どものまちづくり活動」というのを挙げている自治体 が,4市町村ありました。塩竃市,東松島市,南三陸町,亘理町ということです。それぞ れの担当者に電話で確認したところ,震災の関係もあって,復興に合わせて子どもたちの 地域づくりへの意見をもらっているとのことです。東松島市であれば,行政が中心となっ てまちづくりへの意見を子どもからもらう活動を行っています。南三陸町であれば,前々 回,ジュニアリーダーの活動の話がありましたが,それがこれに当たるという話でした。 それから,塩竈市の場合は子ども議会ということでした。 それから,問2の「推進している活動」については,対象が小中学生ということから, 「子どもの自然体験活動」であるとか, 「教科」といったものが多く出されています。 「ねらい」として,次のページにあります。ここもジュニアリーダーと非常に重なりま すが,ねらっていることはやはり個々の力を育てる,続いて他者との関わりを育てる。そ れから,学校,地域,家庭の連携といったところが,ねらいとして挙げられていることが わかりました。 - 21 - 次の「実際にこういうことを進めることについて,どう思いますか」ということに対し ては,ほとんど100%「進めるべきだ」という結果になっています。 4番は,先ほどのジュニアリーダーとはちょっと傾向が違います。 「では,どういう形で 参画させたらいいですか」というのを聞くと,市町村の場合は「大人が環境を整えて,そ こに子どもたちが参画するようなスタイルがいいのではないか」というのが非常に多かっ たです。市町村の立場では,やはりきっかけづくりが大事なのかなと思います。ジュニア リーダーの場合は「自主的に活動する」割合が多く見られましたが,その辺に,ジュニア リーダーと教育委員会との考えの違いが出ている部分ということです。 次のページに入ります。では, 「実際にどういう活動を子どもたちにしてほしいか」とい う問いに対しては, 「商店街の整備」であるとか, 「まちの魅力づくり」であるとか, 「自然 保全」であるとか。そういったものが,非常に多く挙げられています。 「課題は何ですか」という問いが,6番になります。ここはいままでの意見の中でも出 ておりましたが,一番多いのは「時間的な制約」です。時間が必要。それから,経済的な 理由。あとは,人材ということ。やはり人づくり,バックアップするお金の問題,それか ら時間の問題というのを,市町村のほうでは大きくとらえているかなと思います。 それを推進するための工夫として答えてもらったのが,7番になります。これで一番多 かったのは,人材育成。これまでの会議の場でも, 「人づくりが大事ですよ」という意見は 多くありましたが,ここにも表れております。それから, 「地域の人に協力してもらわなけ ればいけない」 。あとは, 「実際の活動が不足しているので,そういった体験活動を多くさ せることが必要だ」ということが,このアンケートの中から読み取れました。 次のページからは,子どもの地域づくりに関連すると思われる関係機関に,私ども支援 班のほうから電話をして聞き取ったものを載せてあります。簡単に説明します。 1‐1。仙台市のほうで「中高生放課後再発見事業」というのがあります。これは,ね らいとしては,部活動に行っていないお子さんに対しての社会参加のための資質を養うこ とがあります。居場所づくり的な意味合いがあるというようなことです。実際にはたまり 場的な意味合いが強いですけれども,この中で実行委員組織を立ち上げて,年2回のイベ ントをしたり,3階に保育施設があるということで,夏休み・冬休みを利用したボランテ ィア活動を行わせているそうです。 ほかの地域の社会福祉施設や公民館等にも電話をして聞きましたが,こういう展開をし ているところはなかなかありませんでした。自由開放の形で子どもたちは来ていますけれ ども,あまりそういったことは行われていないとのことです。 「事業をしても中高生はなか なか集まらない」という実態がありました。 次のページになります。 「子どもによるまちづくり」ということで,南三陸の事例が載っ ております。石巻のほうでは新聞にも載っていましたが, 「子どもまちづくりクラブ」とい うのを「セーブ ザ チルドレン ジャパン」というところが主催していまして,そこで 子どもセンターの起工式などを行ったということです。資料2になります。ページで言い - 22 - ますと,後ろのほうの5ページから「セーブ ザ チルドレン ジャパン」の資料が載っ ております。 ここでは子どもたちが企画書を書いて,県や市町村に提案しています。本当に子どもが 主体となったまちづくりを展開している。担当している石巻市役所の方に聞いたところ, ここはNGOで,ノウハウを非常に持っているとのことでした。子どもが主役,大人たち がサポートする形で,地域,学校が関わっている事例だということでございます。現在, 40名を超えるスタッフ・児童・生徒がいて,今度また発表会があるということです。9月 1日に,石巻市子どもまちづくりクラブ報告会が開催されるそうです。 次のページは, 「協働教育」ということでフィルターをかけました。地域が広がるという 活動がなかなか見つからず,ここに載せたのは学校開放の形です。普段,子どもたちに教 えている学校の先生が地域のほうに行って,開放講座を開いたりしたということでした。 それから,教育委員会が主体になってということで,川崎町のほうでは「未来のまちづ くりフォーラム」が開催されています。資料3ということで,後ろのほうにあります。こ れは,小中高校生が意見を発表して,そこに行政の方も一緒に参加するというような取組 でございます。 「こどものまち」は,仙台市とかいろんな市町村でやっています。子どもたちがまちを つくって,そこでいろいろな取組をしているということです。小学生が対象で,実際にス タッフとして関わっている例があるということで, 資料として載せさせていただきました。 最後が「高校生の地域の貢献活動」ということで,きょうのお話にもありました。資料 4です。ページ数で言いますと,32ページになります。県内の高校で, 「魅力ある県立高 校づくり支援事業」というのが展開されているということが載せてあります。 いま,いろいろなところに聞き取りをしているところですが,やはりこれまでの委員の 皆様からお話のあった人づくりの問題とか,さまざまな課題がアンケート結果からも浮き 彫りになっているなという形でした。 以上で説明を終わらせていただきたいと思います。 (水谷議長) ・はい,どうもありがとうございます。 この時間, まずは今回のジュニアリーダーの担当者に対する調査,市町村に対する調査, 事例について,御質問がありましたらお願いしたいと思います。いかがでしょうか。 はい,事務局。 (事務局;泉澤社会教育支援班班長) ・第5回の会議の折に,ジュニアリーダーについて「どのような組織なんだろうか」とい う御質問がございました。その折にもお話をした覚えがありますけれども,ジュニアリー - 23 - ダーというのは子ども会活動の支援を行うなど,それから地域活動を行う子どもたちの中 のリーダーです。中高校生が対象になって,子どもたちの中のリーダーという形の押さえ をしており,各市町村の教育委員会,あとは県のほうでも研修会等をもって育成支援にあ たっているという現状がございます。その辺も押さえていただければというふうに思いま す。 (水谷議長) ・はい,ありがとうございます。 これを見ると, 「よくやっている」 「子ども会の中のリーダーだけではなくて,ある種, 地域と向き合いながら活動している」 「そういう実態がある団体だ」と言えるかなと思って いました。 では,時間の関係もありますし,こちらと事務局とで考えている意見書の姿が少し見え ていたほうが言いやすいかと思いますので,次のところの説明を聞いた上で,いろいろ御 意見をいただくということでよろしいでしょうか。説明が長くなりますけれども,次第で 言うと「意見書の方向性及びその内容について」の①のところ。資料をお出しいただいて いますので,それを少し説明していただいた上で,きょうのさまざまなデータを基に,委 員の皆様方からいろいろ御指摘いただくという進め方をしたいと思います。よろしいでし ょうか。 では,説明をお願いいたします。 (事務局;小野寺社会教育支援班課長補佐) ・きょうの会議資料の中の2ページ,3ページをお開きいただきたいと思います。こちら は「方向性及び構成」ということで,あくまでも大枠的なところで考えたものですので, 皆さんからいろいろ御意見をいただいて,最終的なものに変えていければと思っておりま す。 まず,意見書としては大きく3つの枠を考えております。1つは,テーマに関わること。 Ⅰにあたる部分です。それから,真ん中に入りまして,Ⅱの「テーマについての先進的な 事例」 。ページをまたぎまして,Ⅲは「テーマに関わる方策及び課題」 。そういうことで, 大枠を作ってみました。実際にどういうものが入るのかというのは,これからの話し合い になります。もし仮に,これまでの第6回までの意見を入れるとすれば,こういう形でと いうことです。これはあくまでも例です。こういったことになっていくのかなということ で,見ていただければと思います。 まず, 「地域をつくる子どもたち」ということについて。これまで,なぜこの「地域をつ くる子どもたち」をテーマとして取り上げたかという話を,結構してきたと思います。そ の辺をもう一度はっきりさせておかないと,意見書自体がぼやけてしまうの,まずここの 部分です。 - 24 - 内容としては,いままでの委員の皆様から御意見を例として挙げています。 では, 「地域をつくる子どもたち」とは何だったのかということについては,そのバック ボーンとして第31次の宮城県社会教育委員の会議の意見書がありました。これを参考と して載せています。 では,現状はどうなのでしょうか。これについてはいろいろ意見をいただきました。こ の例はこれまで出たものを羅列的に挙げているだけなので,もう少し錬っていかなければ いけないなと思います。 テーマについての先進的な事例の上の段3つは, 実際に子どもに関わるようなものです。 下の段4つは,まちづくりを進める上での環境にあたるものです。 「考察」ということで,次のページになります。考察する上での視点も,ある程度絞ら なければいけないと思います。実際には,その事例,事例に特長があると思いますので, その事例を選んだ理由も含めて特徴的なところをつかみながら,委員の皆様から意見をい ただいて,それをまとめるという形が一番いいのかなと思います。 Ⅲの部分については,まだこれからの状態です。実はここは何も例が出せない状態でし た。これから実際に推進していくためにはどんな方策があるのかということです。これま でいろいろなキーワードが出てきました。ここを委員の皆様に詰めていただいて,実際に 何を取り上げて,どこを論じるかというところかなと思います。まさに, 「提言に生かすこ とに対する期待」ということです。この文章は,これまでの会議録からそのままそっくり 抜かせていただきました。 「子どもの時に地域の住民といろいろな活動をした経験が,大人 になってからの地域づくりやまちづくりにつながっていく」。 これは委員の皆様から多く出 されていた意見かと思います。最終的にはこういったことに集約されていくのかなと思い ます。 骨子案というところまで至らないですけれども,ある程度の方向の目安と構成の案とい うことで,事務局で考えてみました。よろしくお願いいたします。 (水谷議長) ・はい,ありがとうございます。 いまの構成案では,Ⅰの「テーマについて」の1の部分については,これまでもかなり 議論をしてきたところですが,それを拾いだしていただいて,整理をしていただいたとい うように思います。 Ⅲの一部分, 「本提言に生かすことに対する期待」等々についても,少し議論をしてきて います。Ⅲの上のほう, 「推進する上での方策及び課題」ということについては,いまのと ころデータ集めをしていて,その議論がまだ十分になされていないので,事例調査を行い データを得たいとのことです。 事例調査をするにあたっては,資料の四角を描いて「事例からの考察」と書いてある5 つ辺り,あるいはさらに何か考察の視点が必要かもしれません。今回の調査データとか, 亘理高校の例などを少し議論する中で,ふさわしい事例をどこから学べばいいのか,ある - 25 - いはどういうところに調査に行ったらいいのかが見えてくる。きょうはそういう議論をし ていくのがいいのではないかと思うのですが,よろしいでしょうか。 では,そのように進めたいと思います。御意見がありましたらお願いしたいと思います が,いかがでしょうか。 先ほどの調査なんかを見ていると,子どもの参画を進めていく上での人材が重要だとい うことが,調査結果の中に出ていたと思います。学校の教員の中にも,さっきの吉岡先生 のような先生がいらっしゃったら進むのかなと思います。そういう思いはあるんですが, そういうことで言うと,人材育成という部分では具体的にどのようなことが行われている のか。いわば子どもを育てる,ジュニアリーダー育てたり,地域の中で子どもの活動を支 援する人たち,あるいは学校の中でも学校と地域をつなぐための役割をする教員をどうい うふうに育てているか。そういうことについての,現状・課題みたいなものの整理をして おく必要があるのかなと思います。 具体的に行政としてはどのようなことを行っているのか。ジュニアリーダーの研修会と いうのはわかるけれども,ジュニアリーダーを育てるための人材育成というのは,たとえ ばどうしているのか。青少年育成をする地域の方々,たとえば青少年育成市民会議とか町 民会議という活動が市町村にあります。そういうところの研修がどうなっているのかな。 そういう研修が,子どもの参画ということに関して触れているのかどうかといったことに ついて,ご存じの方いらっしゃるでしょうか。 (佐々木委員) ・ジュニアリーダーで切り離せないのが,子ども会育成会だなと思っています。子ども会 育成会の中での重点的目標として,各市町村でジュニアリーダーを育成するというのがあ ります。大きな目標としているし,子ども会育成会の事業の中でジュニアリーダーを活用 していくというふうにうたっていて,子ども会育成会の事務局がその地域にあったり,県 南のほうはどちらかというと学校の中にあったりしているんです。そこの中の関わり方で す。夏休みの大きな子ども会の活動をやるときに,子ども会育成会,そしてジュニアリー ダーというのが一番活躍する場面を迎えているというふうな感じはしています。 (水谷議長) ・はい,ありがとうございます。 (蘇武委員) ・いま,高校から行っている社会教育主事というのは,何人くらいですか。あんまりいな いんですか。 - 26 - (事務局;泉澤社会教育支援班班長) ・高校はなしです。 (蘇武委員) ・その小中から行っている社教主事は,ジュニアリーダーには関わっていないんですか。 (佐藤 社会教育専門監) ・それは市町村によります。ただ,いまは協働教育に特化した形で派遣しているので,派 遣で行っている小中学校の先生たちは,そっちのほうに関わることが多いかと思います。 もともと教員ということもあるので,どうしてもジュニアリーダーに関わることのほうが 多いです。 (佐々木委員) ・すみません,もう一つ。 ジュニアリーダーの事務局というのはだいたい公民館にあって,社会教育委員会の担当 者がその事務局を担っていたりするんですが,子どもたちの活動場所として,たくさん「児 童館」と出てきています。子どもたちが集まって活動をしているというのが,いろんな児 童館で見受けられます。 中学生が児童館に来て子どもたちと遊んだりしながら,自分たちの活動の計画をそこで 立てたりしているんですが,この活動を見ている小学生が中学校に入ったときに, 「自分た ちもお兄ちゃん,お姉ちゃんのように,ジュニアリーダーになりたい」と言って,ジュニ アリーダーになることが多い。そうすると, 「自分たちが育った児童館に行ってみよう」と いうことで,活動の場所は児童館が多いのかなというふうに感じています。 (齋藤委員) ・実際にジュニアリーダー担当課にいましたが,ジュニアリーダーに入るきっかけをつく るのがインリーダー研修会です。毎年夏休み中にインリーダー研修会を開催しています。 子ども会育成会から5年生以上2,3名の参加で蔵王自然の家や志津川自然の家などで1 泊2日の野外活動をします。ジュニアリーダーが一番活躍する場で,その様子を見てイン リーダーに参加した子どもたちがジュニアリーダーにあこがれて入ってくる。 そのインリーダー研修会の参加者が,学校行事やスポーツ少年団の活動等と重なり年々 少なくなってきています。子ども会育成会に入らない親も増えてきていますので,子ども 会の数も減ってきている。そういった状況の中でジュニアリーダーを育成していくのは, 難しい現状になってきています。 - 27 - (水谷議長) ・はい,ありがとうございます。 いかがでしょう。はい,岡本委員。 (岡本委員) ・私も,去年まで地域の子ども会育成会にいました。それで,インリーダー研修会を企画 したりしました。 やはり5年生以上の子どもを各地区から何名か募るんですが,スポ少とかぶったり,習 い事があったりして,だいたい役員の息子だったり娘さんになります。しかも, 「自分たち がジュニアリーダーになるんだ」という意識で参加する子どもはほとんどいない状態。地 域でもあまり人気がない状態なんです。 これは私の個人的な意見かもしれないんですけれども,ジュニアリーダーの存在自体が いまどきではないと思います。それが何かというのはよくわからないですけど,あこがれ る存在ではない。時代的なものがずれてきているな,という気がしました。 その辺り,もし「ジュニアリーダーとはこういうものだよ」というものがいまに合うよ うなものに変わってきたら,ジュニアリーダーという存在も,また子どもたちが「なりた いな」とか,地域も「もっとジュニアリーダーを呼ぼうよ」ということになっていくのか なという気がしております。 (水谷議長) ・ありがとうございます。 いかがでしょう。 先ほどの高校生の場合も一緒ですが,ジュニアリーダーはあくまでも子ども会を指導す るリーダー的な役割というのもであったけれども,それは一定の地域の中で育っている子 どもたちという枠組みだけで,基本的には必ずしも何かしなければいけないというのはな いわけです。その何かしなければいけない活動の何かを変えていくと,ジュニアリーダー 自体が変わっていくということはあり得るわけです。いまふうに合わせていくといったと きに,いままでの固定概念のジュニアリーダーの活動ということから離れる。もう一歩, 何かの活動ができる状況をつくりだしていけば,ジュニアリーダーも魅力的になれる可能 性がある。その一つとして, 「地域をつくる」というところにつなげていく話なのかなとい うふうに私は思ったんです。 いままでは,下の子どもの面倒をみる,子ども会のいわばお兄さん役でした。そういう 役割だけではなくて,組織はあるからせっかくあるその組織を生かしながらも,子どもた ちではない,地域と関わりながら,何か新しい地域をつくれるところにつなげていく。そ ういう仕掛けをつくっていくということなのかなと思ったんですけど,そうではないです か。そういう中で,先ほど中山委員がおっしゃったヒーローになれるものを,学校の中だ - 28 - けではなくて地域の中につくっていくという, そういう話なのかなと思いましたけれども, いかがでしょう。 (三浦課長) ・ジュニアリーダーを細かく分けますと,3つのステップがございます。養成のための初 級研修会というのがまずございます。これは,それぞれの市町村のほうでやっていただい ています。その初級研修を受けて,受講後10時間以上の活動実績を有しますと,今度は 教育事務所が行う中級研修会というステップがあります。それが終わりますと,今度は県 教委のほうでやります上級研修会というものがある。それで,段階的に養成をしていくと いうシステムはあるんです。 ただ,いま意見が出ましたように,養成し終わったあと,地域の中でどういうふうに活 動をしていくのか。市町村のほうのいろいろな事業,あるいは地域でのいろいろな事業も あるかと思うんですけれども,その中でどういった活動場面が得られるのか。その辺のマ ッチングが一番の課題だと,われわれは思っております。 一方でそういった課題はあるものの,こういった活動に参加されている子どもさんとい うのは,高校生になるとさっき事例紹介があったようなボランティア活動に就いていただ いたり,もっといくと青年会の活動に就いていただいたり,そこで地域づくりのためのい ろいろな取組に入っていただくなど,いい循環のスタート地点になるということも言える かと思うんです。ですから,短期的な視点もあるかと思うんですけれども,地域づくりと いう視点から見ると,一番先の取っ掛かりの部分という考え方もできます。そういった見 方も必要なのかなというふうに思っております。 (水谷議長) ・ありがとうございます。石垣委員。 (石垣委員) ・先ほど説明していただいたジュニアリーダーに関するアンケートなどを見てみると,地 域で活躍できるような子どもたちを育てるという意味では,非常に成功しているなという ふうに思います。 ただ,その子どもたちが,本当に町の中で活躍していくことができるのかどうかという ことになってくると,このアンケートの中でもあまり地域との関係というのが見えてこな いわけですよ。だから,人材を育てているけれども,その子どもたちが活躍して,子ども たちがその地域をつくっていくというところになかなか行かない。そこのところをつなぐ 大人,そういうことをつくりだす大人の人材。製造業でいえば,物を作る機械はあるけど, その機械を作る機械。そういう関係みたいな形の環境,人材というのをどうつくっていく か。そこのところがとても大切なのかなと思っております。 先ほど, 「セーブ ザ チルドレン ジャパンはノウハウがある」というようなことが書 - 29 - いてあったんですけど,どういうふうなノウハウでそういうものをつくっていっているの か。 うちの子なんかも, 震災後すぐここのアルバイトに行ってずっと関わったんですけど, 非常に早い体勢で組織を立てているんです。たぶん,いろんなところのノウハウにそうい うのがあるのではないかということで,そういうことも少し調べていく必要があるなとい うふうに一つは思いました。 あと,先ほどの吉岡先生は,非常に情熱的にお話しいただきました。広報をどういう形 でやるかというようなことなんかで,非常に魅力的に作っていらっしゃいます。そういう 人材はどこで出てきたんだろうかということをしっかりとフォローしておかないと,個人 の努力になってしまっていくのかなという感じもします。 (水谷議長) ・ありがとうございます。 育った人材をどうつないでいくのか。そこのところの仕組みなり,それをつなぐ人。人 材の問題。組織として大人の人材をどう育てているのか。そういうところでの具体的なお 話が聞けるところがあれば,一つ聞き取り調査の候補になると思います。 ほかにいかがでしょうか。時間が過ぎていますが,申し訳ありませんけどもう少し協議 の時間を延ばさせてください。では,森委員。 (森憲一委員) ・今回の意見書の方向性と構成ということが視点になって,ここにいくつかの内容の例が 示されています。端的に言えば,キーワードは地域であり子どもでありということになる わけです。 第32次の意見書を作成するにあたって忘れてはいけない観点というのは,われわれは 震災をどういうふうに受け止めて,この意見書なりにどう反映させるか。それが一つのポ イントになるのではないかなと思います。そうでないと,31次と同じような形になる。 詳しくは把握していませんけれども,31次と同じような形になったのではいかがなもの かという考えが頭をかすめるわけです。 各地域,小さな自治体,あるいは集落でも何でもいいんですけど,震災を受けて,いま 家族がバラバラになっている。あるいは離れて住んでいる。特に浜通りについては,いろ んな厳しい状況があるわけです。その中の大人と子どもの存在の中に,意見書を作るヒン トはあるんだろうと思います。 それは何かというと,震災から2年が経過して,いろんな活動らしきもの,何とかしな ければならないという兆しとか動き,あるいは課題がある。そういったものの見極めをし ながらこの意見書の中に盛り込むことができたら,テーマに迫ることができるのではない かと思います。地域と子どもの関わり,そして,当然必要である大人の存在はどういうこ とかということをみんなで気づきながら,具体的な事例の中に盛り込んでいければ,ある - 30 - 程度テーマに迫ることができるのではないかなと。そういう思いで,いまいろいろお話を 伺っていました。その一つの例として,ジュニアリーダーも存在するだろうというふうに 思います。 (水谷議長) ・この中で取り上げた事例としては,南三陸町の事例がまさにそれだったのではないかと 思います。公民館が関わり,公民館が子どもを支えて,子どもがまちづくりに意見表明を して,具体的な行動を起こしていった。 (森憲一委員) ・私がなぜそういう発言をしたかというと,震災があって,仮設住宅ができて,気づいた ことがあるんです。 実は私は山元町なんです。山元町は小さな町ですけれども,すでに人口流出は3000 人を超えて,子どもの数も激減しているという状況です。学校によっては,依然として半 分近くの子どもが応急仮設住宅に入っています。これはまったく個人的な問題ですけど, 私のうちの周りは土地を仮設住宅に提供していて,ほぼ360度が仮設住宅なんです。夏 とかは,土日とかに子どもが集って,わぁわぁ,きゃぁきゃぁ。あるときには泣き声もす る。小さな町の中で,そういう声なんて久しく聞いたことがなかったんですよ。仮設がで きたことによって,子どもが自然と集って遊んでいる。そこにいろんなボランティアとか 団体の人が介在して,子どもにいろいろ仕掛けていると。そういう姿が見えるんです。そ れは私自身の大きな発見でもありました。 私は団塊の世代なんです。 学校から帰ればかばんをぶん投げて, みんなと遊びに行った。 そういういろんな関わりの中から,自然にいいことも悪いことも学んでいったと。そうい う状況の中では,不登校とか何かも解消されるんだろうなという希望的な気持ちを持って いるんです。 地域の現状のマイナス面が書いてありますけれども, いい面も少しずつ見いだしながら, いいほうは存続しなければいけない。そういう芽を伸ばし,気づいていければいいのかな と。そういうところにも少し言及できたらいいのかなというふうに感じました。 (水谷議長) ・ありがとうございます。 では,森委員はいかがですか。 (森雅一郎委員) ・この「子どもの地域づくりへの参画に関するアンケート調査」を見るまで,私はジュニ アリーダーがこれからの地域づくりというものに対していろんな意味での影響とか,効果 - 31 - とか,いい働きをしてくれると。そういう期待みたいなものがありました。ですから,現 実にどういうふうな意識でいるのかということを知りたかったんですが,今回,この調査 を見てちょっと驚いたんです。 活動の主なものというのは, 「地域活動への参加」とか「子どもの指導」ということにな っています。半々ぐらいが「地域活動への参加」と「子どもの指導」というふうになって いる。その半分の「子どもへの指導」というところで見た場合,小野寺さんも言っていま したけれども,子どもの自主性とか行動力とかコミュニケーション能力とか,言ってみれ ば子どものこれからの人間力を高めるという意味においては, 「子どもの指導」より「地域 活動」を選択した。ジュニアリーダーを見ている大人たちは,むしろそちらの活動のほう が,彼らにとっての人間力を大いに高めることができるのではないかという目で見詰めて いた。 そうすると,ジュニアリーダーということにあまりにこだわって,そこの部分だけで全 体を見詰めてしまうと,間違いが生じるのではないかと。そういう危惧の念を,自分はい ま持っています。ですから,実際に地域活動,あるいは地域づくりをするときに,地域に 住む大人たち,あるいは行政がそれにどう関わっていけるのか。その方策として具体的な いろいろな事例,あるいはそれに近いところである程度達成しているところがあれば,そ れをどういうふうに見て,分析して,それに何を加えるか。どういう手を加えれば,私た ちが望んでいるような,目指しているようなところに少しでも到達できるのか。そこのと ころの観点を,しっかり考えていけなければいけないのかなと思いました。 (水谷議長) ・いかがでしょうか。 まさに,いま森委員がおっしゃったことだと思います。その観点から見た場合に,もう ちょっと私たちは自分の目で,自分の耳で確かめたいという思いがある。それで, 「調査活 動をしましょう」ということを決めたわけです。 その場合,具体的にどういう活動をして,どういう人がいるところ,あるいはどういう 組織に私たちは聞きに行ったらいいか。きょうは最後にそこのところの意見があれば出し ていただき,なければこのあとまた文書で出していただいて,インタビュー調査の場所と 視点を決めていきたいと思います。 そういうことで言うと,森委員は何か考えがありますか。 (森雅一郎委員) ・そういう点では,私は石巻のまちづくり,あるいは川崎町の「未来予想図とか。こうい うところは,その土地に住んでいる大人の人たち,いろんな世代の人たちとの交流という 部分が相当出てくる。その中で,具体的にどういうことをやっているのか,どういう問題 点があるのか。結構進んだ部分があれば,それはどういったところが進んだのか。そうい - 32 - ったところを,現地に行ってもう少し詳しく聞いてみたいと思います。 (水谷議長) ・いまのは石巻と川崎。 ほかはいかがでしょうか。 中山委員が石巻と関わっているというのは,この事業ではないんですか。 (中山委員) ・違います。 (水谷議長) ・はい,岡本委員。 (岡本委員) ・先ほどのジュニアリーダーに関わることです。うちの地域はジュニアリーダーの活動は あまり盛んにしていないので,単純に,ジュニアリーダーがとても活躍していて,ジュニ アリーダーが地域を活性化しているような地域があったら知りたいなと思います。 (水谷議長) ・事務局,今回の調査で,そういうことが見えてきたとかいうところはありますか。 (事務局;小野寺社会教育支援班課長補佐) ・ジュニアリーダーとまちづくりの関係で言えば,一番進んでいるのは,たぶん南三陸だ と思います。 (水谷議長) ・岡本委員がまだこの委員会のメンバーでないときに,南三陸の様子についてのDVDを 見て,それについて少し議論したことがありました。それを実際に聞きに行くということ も可能だと思います。 ほかにいかがでしょうか。中山委員。 (中山委員) ・学校現場でやっているものが一つだろうと思います。先ほどの亘理もそうだと思うんで すけれども,それが教育なのか,地域づくりに子どもたちが直接関わって,いろんなもの をつくっているのかというのは別物だと思いますけれども,たとえば田尻さくら高校なん - 33 - かは,通常の授業に聴講生を150人くらい,地元の方々が一緒に入っていたりする。子 どもたちを支援する大人サポーターの養成みたいなところで,そういった事例も一つの仕 掛けなのかなと思っています。 (水谷議長) ・いまのは,高校の授業に大人が入ることによって,高校生を地域の中に引っ張り込んだ り,あるいは地域をつくることに対して大人からの刺激を受けたりしながら牽引している というような話ですか。 (中山委員) ・地域に出て行くまではいってないですね。 (水谷議長) ・そういう素養づくりというところで確認するというのも,一つ大事だと思います。 (森憲一委員) ・たとえば,手っ取り早い話は,県の派遣社教主事のおられる地域。人数は3分の1にな りましたけど,まだいくつかありますよね。それから,各教育事務所もあるわけです。教 育事務所の社協主事は,自分の管内の各市町村の状況なり,あるいはジュニアリーダーの 活動状況なりを間違いなく把握されている。そういった中でいい動きになっている,ある いは地域とのいい関わりといったところをうまくピックアップする。申し訳ないですけれ ども,それは事務局さんのほうである程度拾いだせば,大筋が出てくるのではないかと思 います。 そのほかに, われわれ委員として見聞きしているところ,こういうところというところ, たとえばいま中山さんが言われたようなところを出し合っていければ,いいかなと思うん ですけど。 (水谷議長) ・はい,ありがとうございます。 そういうことで言うと,委員の皆様方,いかがでしょうか。 たとえば,寺岡小学校。私は詳しくはわからないんですけれども,寺岡小学校あるいは 寺岡市民センター近辺で,小学生,中学生,ジュニアリーダーなんかが一緒になって,防 災・震災絡みの活動を去年辺りからやっていると思うんです。調べていただけるといいか なと思います。 - 34 - (事務局;小野寺社会教育支援班課長補佐) ・ 「学びのコミュニティづくり」ですね。 (水谷議長) ・たぶん,その中の一つでやっていると思います。そこは学校と市民センターが連携しな がら,小学生,中学生,さらにその上の人たちが一体になりながら活動していて,面白い かなと思ったんです。それは学びだけではなくて,地域づくりに関わっているという事例 だと思います。 いかがでしょうか。 では,時間が大幅に過ぎてしまいました。事務局,どうしましょうか。 (事務局;小野寺社会教育支援班課長補佐) ・いま出てきた意見を私どもでまとめまして,さらに調査をかけて,いくつか候補を挙げ たいと思います。議長さん,副議長さんに了解をもらいましたら,委員の皆様にアンケー トの形で選んでいただくという流れで進めたいと。早急にそれはしたいと思います。 (水谷議長) ・進め方としては,事務局に候補を出していただいて,委員それぞれが候補のなかから選 んでいただきどこかに行っていただく。日にちについては,8月から9月にかけての設定 するということでしょうか。 (事務局;小野寺社会教育支援班課長補佐) ・7月中にはある程度出して,8月の頭ぐらいにはアンケートを取らせていただいて,で きれば8月中には行きたいんですけど。 (水谷議長) ・8月から9月にかける。その際の聞き取りの視点を設定しなければいけないので,それ についても意見をもらいながら,どういう特色がある地域なのか,そこでは主に何を聞く かという視点を示したアンケートを,各委員の皆様方にお送りして選んでいただく。それ で,たとえば3人,4人で1カ所を担当するという形でしょうか。 では,そのような形で進めさせていただくということでよろしいでしょうか。御協力の ほど,どうぞよろしくお願いいたします。 次第でいいますと, 「協議」のイ,ロは,一応これで終わったということにさせていただ きます。 (3)の「報告」のところがあります。時間がほとんどありませんので,もし委員の皆 様方からぜひお伝えしたいこと,報告したいことがありましたら,お出しいただきたいと - 35 - 思います。いかがでしょう,よろしいでしょうか。 では,事務局からは「ここがポイントだ」ということがあれば,お知らせいただきたい と思います。 (事務局;泉澤社会教育支援班班長) ・事業報告としては,資料の5ページから14ページまでです。14ページから16ペー ジまでは,事業予定でございます。時間もだいぶ過ぎておりますので,こちらの資料を見 ていただくということで,報告に代えさせていただければというふうに思います。 (水谷議長) ・13ページに「南三陸管内ジュニアリーダーの中級研修」とありますけど,これは教育 事務所単位で,ジュニアリーダーの研修とが行われているわけですか。 (事務局;泉澤社会教育支援班班長) ・中級はそのように教育事務所単位で実施しております。 (水谷議長) ・これについては,事務局の方もどなたか行かれるわけですか。教育委員会の方は行かれ る。 (事務局;鈴木社会教育推進班班長) ・推進班でございます。 ジュニアリーダーの中級に関しては,各圏域ごとに行っております。この南三陸はもう すでに終わっておりますけれども,本課から2名参加させていただいております。 上級の研修会に関しては,冬期休業中の12月の末日に2泊3日で行う予定ということ です。中級の研修会は,1泊2日で自然の家等を利用して実施しております。 (水谷議長) ・これは,たとえば委員が行ってもあまり意味がありませんか。 (事務局;鈴木社会教育推進班班長) ・ここは研修会ですので,実際の活動の中身は見られないかと思います。資格を取らせる ための研修会ですので,決まった内容で実習を行う予定でございます。 資料14ページ,7月31日は仙台管内,15ページのほうの8月7日は北部・栗原管 内のジュニアリーダーの中級研修を予定してございます。 以上でございます。 - 36 - (水谷議長) ・わかりました,ありがとうございます。 それでは,これまでの報告,それから今後の行事予定の報告について,何か委員の皆様 方からありますでしょうか。 なければ,次第(3)の「報告」が終了したということにさせていただきたいと思いま す。 では,議事終了ということで,私の役割はここまでということにさせていただきたいと 思います。御協力,どうもありがとうございました。 (司会;泉澤班長) ・議事,大変お疲れさまでございました。 それでは,6番の「連絡」に入ります。次回の開催について,事務局のほうから説明を 申し上げます。 (事務局;小野寺社会教育支援班課長補佐) ・資料18ページ,次回は9月25日ということです。その前に現地調査等が入りますの で改めて御連絡しますが,本会議のほうが9月25日,現地調査が7月下旬~9月上旬に 入ります。 今回は資料が大変多かったのに,前もって配れませんでした。次回は,完全ではなくて も1週間前までに委員の皆さんに資料が届くように努力しますので,何とぞよろしくお願 いいたします。 以上です。 (司会;泉澤班長) ・よろしくお願いいたします。 「その他」でございますが,何かございますか。 (事務局;小野寺社会教育支援班課長補佐) ・委員の皆様のお手元に, 「平成22,23,24年度宮城県社教連会報」というものがあ ります。これはうちの事務局による3年ぶりの発行です。 (司会;泉澤班長) ・それでは,以上をもちまして,第32次(第7回)宮城県社会教育委員の会議を終了い たします。大変長時間にわたりまして,ありがとうございました。 - 37 -