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上杉謙信

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上杉謙信
おお
ち くけ い
草堂深く掩ふ竹谿の東
寒夜
良寛 ︵一七五八︱一八三一︶
寒夜
草堂深掩竹谿東
千峰萬壑人 蹤絶ゆ
ば んかくじんしょう
千峰萬壑絶人蹤
遥夜地爐に榾柮を焼き
か んそ う
かすか
た
遥夜地爐焼榾柮
只聞く風雪の寒窓を打つを。
こつとつ
只聞風雪打寒窓
暁
二十年来郷里に帰る
旧友零落事多く非なり。
夢は破る上方金鐘の暁
え う や ち ろ
暁
二十年来郷里帰
旧友零落事多非
夢破上方金鐘暁
くうしょう
室如懸磬然
索々五合庵
五合庵
戸外杉千株
室は懸磬の如く然り。
索々五合庵
五合庵
空 牀影無く燈火 徴 なり。
戸外杉千株
壁上偈数篇。
釜中時に塵有り
空牀無影燈火徴
壁上偈数篇
釜中時有塵
甑裏更に烟無し。
そう り
さくさく
甑裏更無烟
唯東村の臾あり
たた
げ
け んけ い
唯有東村臾
時に敲く月下の門。
そう
しゅ
時敲月下門
ぐう さく
偶作
身は雲漢に寄り海東より来る。
命は恩義に因る世塵の中。
花を看 酒を呑むこと多き幾歳、
時なる哉 暁天霜雪の風
木村 岡右衛門 ︵赤穂浪士︶﹁同盟伝略﹂
辞世
身寄雲漢来海東
命因恩義世塵中
看花呑酒多幾歳
時哉暁天霜雪風
武田信玄 機山
偶作
おうさつ
山居
せいざん
そび
青山高く聳ゆ 白雲の辺
藤原惺窩 粛
山居
青山高聳白雲辺
仄かに樵歌を聴いて世縁を忘る
へきがん
し ち く
せいえん
仄聴樵歌忘世縁
意足りて求めず 糸竹の楽しみを
しょうか
意足不求糸竹楽
幽禽睡りは熟す 碧厳の前
ろうせん
だいみん
ふる
豊公の旧宅に寄題す
ゆうきん
幽禽睡熟碧厳前
荻生徂徠 双松
寄題豊公旧宅
さいけい
絶海の楼船 大明を震わす
な お な
いずくん
絶海楼船震大明
寧 ぞ知らん此の地 柴荊を長ぜんとは
千山の風雨 時時に悪し
4
ほ うさ い
たちま
さんしょう
5
7
7
寧知此地長柴荊
千山風雨時時悪
猶作す当年 叱咤の声
し っ た
猶作当年叱咤声
菅 茶山 ︵一七四八ー一八二七︶
えん
冬夜読書
雪は山堂を擁して樹影深し
檐鈴動かず 夜沈沈
ら んち つ
冬夜読書
雪擁山堂樹影深
檐鈴不動夜沈沈
一穂の青燈 万古心
閑かに乱帙を収めて疑義を思う
へき
すい
一穂青燈万古心
閑収乱帙思疑義
村松文三
こころざし
壁に題す
男児 志 を立てて郷関を出ず
題壁
男児立志出郷關
学若し成る無くんば死すとも還らず
かえ
學若無成死不還
骨を埋む豈惟墳墓の地のみならんや
人間到るところに青山あり
海を望む
あにただ ふ ん ぼ
埋骨豈惟墳墓地
人間到處有青山
藤井竹外
望海
鏖殺す江南十万の兵
鵬際晴れ開く九萬の天
無人の島は定めて何れの邊なる
さんせん
なおなまぐさ
鏖殺江南十万兵
鵬際晴開九萬天
無人之島定何邊
風を追う狂 浪奔馬の如く
いんぎん
きょうろう ほ ん ば
腰間の一剣血 猶 腥 し
追風狂浪如奔馬
忽 ち巉 礁に觸れて 烟 となる
し
腰間一剣血猶腥
豎僧は識らず山川の主
忽觸巉礁碎作烟
じゅそう
豎僧不識山川主
我に向かって慇懃に姓名を問う
けむ り
向我慇懃問姓名
ぐんえい
上杉謙信 不識庵︵ 一五三〇︱一五七八︶
九月十三夜
九月十三夜
霜は軍営に満ちて秋気清し
のうしゅう
さんこう
霜満軍営秋気清
数行の過雁 月三更
おも
家郷の遠征を憶うは
かきょう
か がん
数行過雁月三更
越山併せ得たり 能州の景
さもあらばあれ
けい
越山併得能州景
遮莫
あわ
遮莫家郷憶遠征
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