...

留学体験記 - 新潟大学

by user

on
Category: Documents
34

views

Report

Comments

Transcript

留学体験記 - 新潟大学
留学体験記
新潟大学法学部法学科 山田ももこ
私は学部生 2 年生の後期から 3 年生の前期までの一年間、協定校である、フランスのナント大学に留
学していました。以下では私の体験を、1.留学先での学習と生活環境 2.印象に残った留学先でのエピ
ソード 3.留学を通した学び 4.留学を進める理由の順番でご紹介します。
1.留学先での学習と生活の環境
・1日あたりのスケジュール、時間割など
私はナント大学付属の語学学校に在籍していました。語学学校の魅力は、集中して語学を学べること
で、それ以外にも色々な国の人や文化と触れ合えることです。授業は基本的に毎日あり、朝 8 時から夕
方 18 時までの間に平均 3 コマほどの授業があります。授業はフランス語を習得するためのプログラムで
すが、すべてフランス語で行われ、先生によって時より小テストを行い、それぞれの学生の進度を確認
してくれます。また、他の学生と協力してプレゼンテーションを行う機会も何度かありました。私はそ
のほかに、週 2 回開講される夜間部の授業にも参加していました。夜間部には働いている人の他にも学
部留学している学生も多く、私は法学部に留学している学生と知り合うことができました。語学学校は
意識的に行動しないとほとんどフランス人交流できないこと、専門科目に触れることができないので、
自ら積極的に機会を設けることが必要です。
・語学がどのくらい上達したか
欧州では、フランス語のレベルは下から A1・ A2・ B1 ・B2・ C1・C2 の 6 段階のレベルに分けら
れます。多くの大学院の入学要件として B2 以上が求められるので、フランスでデイプロムを取得したい
人はこのレベルを目標にしたらいいと思います。私の場合、留学前はほとんどフランス語ができず、A1
から始めることを希望したのですが定員がすでに一杯で A2 からのスタートでした。勿論苦労しましたが、
結果的にこれが功を奏し、帰国までに語学検定で B1 を取得することができました。ただ、留学の理由は
人それぞれだとは思いますが、大学院に入るためには B2 が必要ですので、日本で少なくとも A2 レベル
まで語学力を挙げておくことをお勧めします。留学前にフランス語の授業を受講することは勿論、フラ
ンス語チャット等を通して、フランス人留学生と交流を深めることは、フランス語だけでなく、フラン
スの文化を知るうえでとても良い機会だと思います。
2.印象に残った留学中のエピソード
留学中は数えきれないほどのたくさんの思い出がありますが、今回はその中でも特に人との出会いに
焦点を絞って、エピソードを3つお伝えしたいと思います。
一つ目は新潟に留学していた留学生との再会です。日本にいるときから手続きなどで言語や文化の壁
に突き当たり、悩んでいた私の相談に乗り、励ましてくれた友人たちとの再会は感動するものでした。
留学直後はフランス語もままならず、手続き面でも心配が多かったのですが彼女たちに助けてもらえた
ことで問題なく留学のスタートを切ることができました。私が参加したプログラムには、学部の授業は
含まれていなかったのですが、こうした友人の助けを借りられたおかげで、専門科目の学習を深めるこ
とができました。
二つ目は寮の仲間との出会いです。ナント大学はいくつかの学生寮を所有しており、どの寮にも一般
の学生と留学生が一緒に生活をしています。私はキッチンのみ共同の個室で生活していましたが、毎夕
食フランス人の学生と食事を共にしていました。そこで知り合った学生とは夜夕食の後に映画を見たり、
休みの日には出かけたりしていました。中には自宅に呼んでくれる子がいたり、私の帰国前には皆で海
に連れて行ってくれたりしました。この出会いは、語学の習得や、文化を学ぶいい機会であったのはも
ちろんですが、異国の地で友人に囲まれる、とても素晴らしい体験となりました。
最後にホストファミリーとの出会いです。新潟大学の交換留学プログラムには、ホストファミリーを
紹介する制度はないのですが、ある民間団体(フランスではアソシアションという位置づけ)が無償で
紹介してくれることを語学学校で知り、その団体を通して紹介してもらいました。私のホストファミリ
―は日本文化に関心のあるフランス人の夫婦と小さな娘さんの 3 人家族でした。週末やクリスマスに食
事に呼んでくれたり、今でも写真や手紙を送ってくれたりします。
3.留学を通しての学び
私は「人の生活を豊かにする法制度」が学びたくて、法学部に入学することを選択しました。そして、
学習を進めていく中で、フランスの貧困政策に関心を抱き、この分野への理解を深めたい、という思い
から留学を決めました。確かに、実際留学してみると、学部生のレベルでは現地で学部の授業を受講す
ることは難しく、自分で文献を読み進める程度でしか専門科目を学ぶことはできませんでした。しかし、
私が関心を持っている分野は日本であまり議論されていなかったので、フランス語の文献から直接最新
の情報に触れられるのはとても有意義でした。もっとも、実際に生活する中で五感を通してフランスの
法制度に触れられたことで、知識が立体的になり、その後の学習に大いに役に立ちました。加えて、フ
ランスは勿論、世界各国の法学部生と知り合えたことでそれぞれの国の特色に触れられことも、有意義
でした。
また、一方で、留学は専門科目への理解が深まっただけではなく、自分自身の成長の成長にもつなが
ったと思います。異国の地で、日本で自分が当たり前に他人と共有していた価値や物事を測る尺度から
いったん離れ、一人の日本人として異国で生活することは新鮮な発見の連続でした。また、何を学びた
くて、どうして海外で留学することを決断したかを何度も自問せざるを得ない環境に身を置いたことで、
広い視点で悩みを大きく持つことの大切さを、身を以て体感できたことはとても良い機会だったと思い
ます。
4.留学を薦める理由
現代はインターネットが普及し、様々な国の情報を手元のスマートフォンからいつでも手に入れられ
る時代です。しかし、実際にその国で生活し、身を以て体感することは想像以上のインパクトがありま
す。今までの自分が「常識」だとか「価値観」だと思っていたことが通用しなくなる大変さも伴います
が、それ以上に異国の地での生活に挑戦することは、自分が今まで出会ったことのないような多くの感
動に出会うチャンスだと思います。
フランスの自由な空気に触れ、日本にいては出会えない様々な価
値観に触れられることはフランス留学の醍醐味といえるでしょう。また、美しい町並みは勿論、芸術に
触れる機会が多い国で教養と見識を深めることも十分可能です。在学生の皆さんもせっかくの大学生活
ですから、自分のやりたいと思ったことに思い切って挑戦することをお勧めします。
最後に私の留学中の写真をご紹介します。
街のシンボルである大聖堂の前で各国の留学生たちと
ナント市の風景
Fly UP