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複合災害と日本の災害対策の枠組み

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複合災害と日本の災害対策の枠組み
複合災害と日本の災害対策の枠組み
牧
紀男(京都大学
防災研究所・准教授)
中林先生から、具体的にどういう対策を考えるかという話がありましたが、私もそういうことについて後半部
分でお話ししたいと思います。今日は首都直下の話がだいぶ多かったのですが、私は東海・東南海地震による複
合災害ということで、一つは河田先生が初めにお話しになったように、人口減少下での災害は、一つは曝露人口
が減るので悪いことばかりではないのですが、やはり高齢化が非常に進んでいます。もう一つ、これは今年まじ
めに取り組もうと思っているのですが、特に高知での「津波+地盤沈下」はなかなか頭の痛い問題です。
これ(図表 1)はうちの学生の陳君に計算してもらったのですが、やはり東京というのはすごい所で、首都直下
は 2500 万人ですが、東海・東南海・南海で 3 連動しても、6 弱以上は 1500 万人です。東海・東南海の場合、時間
差発生が非常に大きな問題になりますが、3 カ月以内だと、ほぼ同じ一つの災害だとします。これはあまり論理が
ないのですが、阪神・淡路大震災のライフラインの復旧がほぼ 3 カ月ですから、3 カ月以内にもう 1 発来るのであ
れば、同一の災害として考えてもいいのではないかと思います。
3 ヶ月を越える、2 回の別の災害と考えるべきではないか。2 回と言えるところはダブルカウントしてもいいので
はないかと思って、そうしてみたら、これはおかしいのですが、震度 6 弱以上の曝露人口が減るのです(図表 2)
。
当然、5 弱・5 強だと延べ人数は 740 万ということで増えるのですが、これは誰もあまり気付いていなかったのか
もしれません。実は、3 連動のときも、別々で動くときも、震源域は一緒にしてあるのですが、なぜか豊田と鈴鹿
の辺りで 6 弱以上のエリアが増えるのです。その辺に人数が非常に多いので、連動した方が多いということになっ
ています。波が重なっている影響なのかよく分かりませんが、もう少し見直す必要があるかと思います。
将来地域の人口変動(図表 3)ですが、曝露人口が 3 連動のときにどのぐらい変わるのかということです。現在
1500 万人ですが、2030 年になると、特に中山間地域の多い東海・東南海地震では 1300 万人ということで、6 弱以
上は 200 万人の人口が減ります(図表 4)
。
人口減少の割合を 2030 年と現在を比べると、この一番濃い緑の所は 40%減ります。それからほとんど緑です
図表 1
図表 2
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図表 3
図表 4
図表 5
図表 6
が、この辺については 20%減ります。若干増えるのは、これも今の知識で計算していますから、今も人口が増え
ている滋賀県と豊田あたりは、平成 17 年の国勢調査のデータでやると、もう少し変わるかと思いますが、こうい
うことです。
2030 年の高齢化率(図表 5)を計算すると、ほとんど黄色で、3 割以上の高齢化率を占めるエリアを大きな地震
が襲うということが非常に大きな問題です。
もう一つ、地盤沈降ですが、ご存じのように伊勢から高知エリアは非常に沈みます。最大 2m ということです。
これ(図表 6)は高知の絵柄で、Google で見てみると(図表 7)
、この山からこちらを見ているので、高知の城
がここで、この辺がこのように水に沈むということです。これは一昨日いただいた地理院の 5m 地図で、これは現
在ですが、それを中防モデルで計算した結果がこれだそうです。この赤は干潮時より低い、オレンジが平均海面
より低い、黄色が満潮時海面より低いということです。高知の特に南側には、人口統計メッシュを入れると、12
万人の方が住むということです。高知県で想定しているのは、大体 15 万人以下が満潮時海面下ですから、要する
に今、命を守るということで、津波が来たときには津波避難ビルに避難しなさいということなのです。その後に、
これはニューオーリンズと同じですが、高潮の場合は 3 日前ぐらいから全域避難でそこから住民を減らすことがで
きますが、津波の場合にはできません。そうすると高いビルに逃げた 15 万人を、広域搬送してどこかへ出すか。
どうするのか分かりませんが、今の状況を考えると、足元まで水が来ている町に、人をとどめておくことはしな
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図表 7
図表 8
いのであれば、15 万人分の避難地を作らないといけません。
ハリケーン・グスタフが去年ニューオーリンズに来て、そのヒアリングをニューオーリンズ市役所にしたら、今
回はばっちり避難したとおっしゃっていました。ただ、今まではニューオーリンズの場合、高いビルに避難する
ことを認めていたので、お金持ちの人たちはニューオーリンズのホテルに泊まることも認めていたのですが、今
回からそれは認めないということで、完全に人っ子一人いない戒厳令状態で、外に出ると捕まるという対策をし
て避難しました。その費用が 100 億円です。60 万人のうち、ほとんど自分で逃げますから、2 ∼ 3 万人だったと
思いますが、バスやアムトラック、飛行機を借りて避難させて、100 億円です。ニューオーリンズは災害対応計画
を変えて、カテゴリー 3 以上が上陸する可能性がある場合、それをやると言って、連邦は何も出してくれないの
で、1 回 100 億円ですから、もう 1 回来たら市役所のお金がないそうです。
けれども高知の場合、そのように非常に大きなオペレーションをしなければいけないということを今年、まじ
めに考えてみようと思います。
先ほど中林先生もいろいろ問題をご指摘されていましたが、今日お話しするのは、こういういろいろな災害事
象の発生にいかに備えるかという制度の枠組みの検証をしてみたものです。ご存じのように、災害対策基本法が
できる経緯となった伊勢湾台風から 50 周年ということで、そろそろ 50 歳を迎えるので少し検証してみます。災
害対策基本法の目指したものはよく知られているように、災害対策の総合化と計画化、そしてこういう文章には
なっていませんが、「巨大災害に対処する体制の確立」
、要するにこの三つです。
制定の経緯は、要するに伊勢湾台風の前までもいろいろ提言があって(図表 8)、伊勢湾台風を契機に岸首相が
「総合的、科学的な基本、抜本的な対策を立てて、国土を保全し、恒久策として」ということで、国会の審議が始
まりました(図表 9)。河田先生が論文にお書きになっているように、内閣の審議室で始まって、消防庁が出てき
たり、社会党からいろいろあったり、いろいろな経緯を経て、最終的にできました。
ここでもう一つ着目しないといけないのは激甚法なのですが、これはもともとセットで付いていたのが予算措
置については別の法案を制定するという経緯をたどっています(図表 10)
。
この三つ、災害の総合化、計画化、巨大災害の対処についてまず今後見直すに当たっても、昔、どういう議論が
されていたのか踏まえておく必要があります(図表 11)
。
その一つは、検討されたけれどもできなかったというのが防災省です。
「審議内容」に書いてあるように、防災省
を作って、国の各機関の防災対策について全部集めてこようという議論は当時からありました。また面白いのは、
今は実際一体になっていますが、自治省の案では、消防団と水防団を一体化する、内閣審議室の案では都道府県
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図表 9
図表 10
図表 11
図表 12
に特設防災隊を作ろうという議論があったことは、今後のことを考える上で考えておかないといけないでしょう。
それから、予防というのは、災害対策基本法を一回読むと分かるのですが、あまり書いていないです。やると
書いてあるだけで、そこが明確ではないだろうという議論もあります。
「計画化(図表 12)
」については、これも面白いところで言うと、当時から社会党は生活再建支援が重要だと言
うのですが、災害住宅対策については、大筋の点では現行制度をより適切に運用すれば足りるのではないかとい
う議論がありました。それから、河田先生もご指摘になりましたが、改良復旧を何とかしないといけないという
当時の議論があります。
それから、災害対策基本法に、予算に記述がないというのが大きな問題であり、激甚災害については別途の法
律で定めるという議論があったということです。
それから「巨大災害への対処(図表 13)
」ですが、1 回目が廃案になったのは、国会の中にデモ隊が入ったので
す。こういう時代に巨大災害への対処ということで、超法規的な措置、戒厳令のようなものは議論がなかなかで
きなかったということです。災害緊急事態の措置はこの法律の中でも最終的に認められています。1 回目の法案で
は審議未了で、元の原案では全部削られていまして、次の国会で憲法学者からの意見聴取を経た上で追加という
ものです。
もう少し整理しますと、50 年前、法案を作るときから、しっかりと議論はされています。応急対策だけではな
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図表 13
図表 14
くて、被害抑止対策についても検討が必要であることは言われています。また、今、某政党が言っている危機管
理庁のようなものの重要性は、既に指摘されています。
それから、
「防災対策の計画化」ですが、今、防災戦略が作られるようになりましたが、当時から国・自治体の
防災計画は分野ごとの対策を寄せ集めただけで、ホチキスでガチャンしただけですから、ちゃんと動くのかとい
うことは懸念されています。復興対策についても、社会党から生活再建支援は要るという議論がされています。
それから、
「巨大災害への対処」ということで、伊勢湾台風のように名古屋、三重という 2 つの県にまたがって
被災するような事態がありましたから、国が直接災害対応業務を支援するような体制は考える必要があるのではな
いか。今、論点になっていることは 50 年前の国会審議、法案の策定プロセスの中でも実は出ていたのですから、
そろそろやってもいいだろうということです。
では、日本の今出ているような論点は、国際的に見てどんなものかということです。
アメリカでも同じように、そろそろ災害対策法を見直そうという議論があります。これは日本でいう災害救助
法に似ているものですが、その中に Disaster Mitigation Act というのが入っていて、要するに被害抑止対策をする
ものも、この Stafford Act に入っています(図表 14)。制定から 20 年たったから、そろそろうちも見直そうとい
う議論があります。ですから、向こうは 20 年、うちは 50 年ですから、やはり災害対策基本法は一度考え直して
もいいのではないでしょうか。
阪神・淡路大震災のとき大規模な改正は行っていますが、それでも骨格は全くいじっていないので、昔の議論
も含めて、現状も踏まえて、政権も変わったらやってもいいのかなと。それ以前に、巨大災害を乗り切るために
今の法律で本当に機能するのかどうか、検討が必要です。
日米の比較ですが、これ(図表 15)はアメリカのもので、それほど詳細には触れませんが、起こった後の対応
を基本的な考え方にしており、被害抑止はあまりありません。事後対応を基本に 1950 年以降ぐらいから進めてい
ます。
もともと、災害対応をする組織は、日本の場合は昔は国土庁で今は内閣府ですけれども、the House and Home Finance
Administration という、今の HUD(Department of Housing and Urban Development:住宅都市開発省)の下に、この
防災対策法が全部くっついています。アメリカの復旧復興対策で一番出てくるのが Community Development Block
Grant というもので、それを握っているのが HUD なのです。その後 47 年に、the Office of Emergency Management
が 61 年にできて、79 年にスリーマイル島の後ですが、今の FEMA が出てきました。
先ほど話した Stafford Act ができる 1988 年ぐらいまでは、基本的には起こった被害に対処しましょうということ
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図表 15
図表 16
図表 17
図表 18
なのですが、ハリケーン・アンドリューや、1994 年のノースリッジ地震が非常に大きな経済被害を与えました(図
表 16)
。事後対応にお金が非常に掛かるので、それなら被害を出さないようにしようということで、クリントン政権
が、Project Impact はコミュニティー防災のプロジェクトを出しました。先ほど少し話した Disaster Mitigation Act
of 2000 というのは、自治体で被害抑止計画を作りなさいというものです。Stafford Act の復旧費用のうち、disaster
mitigation grant というものがあり、復興の中で防災対策をするお金が連邦から下りてくるのですが、被害抑止計画
を作っていないとあげないという法律です。
その後、被害軽減と被害抑止が組み合わさった総合防災は良いと言っていたら、同時多発テロが起こったので、
この後アメリカは人員災害を含めた総合的なマルチハザードの防災対策を立て、DHS というのができました。と
ころが、ハリケーン・カトリーナでご存じのように FEMA がうまくいかなかったので、もう 1 回自然災害も入れ
ようというのと、国家復興戦略を作ろうということで、復興まで視野に入れた対策に来たのですが、復興につい
ては今後まだまだ課題が残されています。
日本の場合は、伊勢湾台風の後に治山治水特別措置法などができます(図表 17)
。事後対策については、先ほど
の災害救助法が 47 年にでき、その後、地震保険ができました。防災対策の中心が、被害軽減から被害抑止に変わ
るきっかけになるのは日本の方が早くて、伊勢湾台風後がきっかけになります。
被害抑止を中心にやってきて、阪神・淡路大震災があり、その被害抑止対策と被害軽減対策のうまい組み合わせ
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を考えること、また同時多発テロを踏まえて、完全にではありませんが、日本でもマルチハザードの防災の、萌芽
が見えますし、防災計画については防災戦略ができて、数値目標を持ってやっていくということです(図表 18)
。
これをまとめますと、今何をやっているかというと、基本的には災害対策基本法ができた 50 年前から変わらな
くて、総合化については、自然災害だけでなく、インフルエンザやテロも含めた対応をするし、被害抑止、軽減・
災害対応、復旧・復興も含めた防災対策の実施がアメリカでは進んできて、日本でも同じような道のりを運んで
います。
計画化ということでは、日本もアメリカも数値目標を持った戦略的な防災対策をやろうということです。
巨大災害の対処については、やはり国の役割がかなり重要になっています。
四つ目が新しく出したものです。これはカリフォルニア州だけですが、seismic safety element ということで、自
治体の総合計画の中に必ず防災対策を入れるという試みができて、自治体の開発計画にもきちんと防災を入れよ
うということが現代的な防災対策の目標になってきています。
ここで論理はすごく飛ぶのですが、今後 21 世紀前半の巨大災害に備えた、具体的にこういう被害があるからと
いう検討ではないのですが、時代性を踏まえて、東海・東南海地震にどういう課題が残されているかということ
です。災害対策基本法の制定当時は、まだ日本が貧しかったので、そんなに大盤振る舞いの防災対策はできない
ということで、それほど被害抑止対策などは書き込めませんでした。
もう一つは、このときかなり縦割り行政が定着していたので、各省庁のものを取ってきて、それを法律にまと
め直すということについては難しかったのです。
三つ目は、総理大臣の統制権を強めることについて、まだ戦後間もなく、学生運動があったころですから、難し
かったということがあります。ただ、今、50 年たちましたから、国家資源の問題は、日本もお金持ちになったの
で大丈夫になりますし、国家統制については、先ほどの広瀬先生の話でも監視カメラを置いてもいいというぐら
いですから、だいぶ緩まってきました。縦割り行政はまだ残っていますが、ある程度制定当時に目指していたも
のは、実現可能な状況が生まれているのではないかということです。
では、どのように考えていけばいいのかということです。まず「防災対策の総合化」については、
「マルチハザー
ド」は今後災害対策基本法を見直すということであれば考える必要はあるでしょう。これも河田先生がご指摘に
なった点ですが、防災計画にちゃんと復興計画を入れようと。災害対策基本法では 1 回だけ「復興」と出てきた
と思いますが、あとは出てこない。どこに書いてあったか忘れましたが、1 回しか出てきません。しかし、この復
興対策は非常に大きな課題ですし、考えないといけません。
2 番目は、「総合的な防災体制」を実現するということは、総合化を実現する上で非常に重要です。やるといっ
てもその体制がないとそのようなことはできませんから、内閣府に防災があって、大臣もおられるのですが、も
う少し法的権限、組織、お金、人材の確保が可能な防災省、危機管理庁のようなものも、あれだけの巨大災害です
から考えてもいいのではないでしょうか。
「防災対策の計画化」は、防災戦略が 20 都道府県ぐらいでできていますし、関西では別に作っているのですが、
東京都や関東は地域防災計画の中の 2 条目ぐらいに数値目標を全部放り込むようになっています。その地域防災
計画が法的根拠を持つ一番大きな計画ですから、そこのところに数値目標を東京都のように入れていくことが一
つの在り方かと思います。
復旧対策ですが、原型、改良という議論は当然あるのですが、人口減少社会ですから、特に東海・東南海地震の
後、復旧をどこまでやるのかという議論をすることも非常に重要です。元に戻さないということもあるかと思い
ます。
三つ目は復興対策ですが、その復興の組織も考えないといけません。
それから国の役割・組織ですが、これもいろいろな方に聞くと、自治事務なので国が出てこられないとおっしゃっ
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ています。最初にお話しした制定時の議論の中で、内閣法制局の局長さんだったと思うのですが、論文の中で、こ
んな大きな災害なら、自治事務などと言わなくてもいいだろうという議論もあります。あれはどうやって変えた
らいいのかよく分からないので、また教えてもらおうかと思いますが、救助法が法定受託事務になっているので
す。また、国民保護法も法定受託事務ですから、そうすれば、災害対策も国がもう少し現場に出てやること、自治
体にオペレーションをするということも考えられます。
最後に、
「将来ビジョンとの融合」で、自治体の総合計画、都市計画マスタープランに被害想定結果ぐらいは入
るようなことを、もう少し考えていかないといけないと思います。
【質疑応答】
(中林)今の日本の動きで言うと、復興は内閣府が音頭を取ろうとしているのですね。ただ、内閣府というの
は、国土庁もそうでしたが寄せ集まり集団なので、外から見るとすごく偉そうに見えますが、それぞれみんな後
ろに尻尾が付いているというのが実態で、そこがやや問題です。
もう 1 点、計画や総合化という中で、日本で言うと救助法から復旧復興までをどうつなぐか、本当は連続的に
総合化できるのが一番で、救助法で仮設まで行くのですね。これは厚労省でしょう。そこから先は内閣府に引き
渡されても、恐らくうまくいかないようなところがあります。特に広域災害で、人を広域に動かす話になったと
きに、厚労省のスケール観と内閣府で考えるスケール観がずれてしまうと大混乱が起きるだけではないかという
あたりは、巨大災害を考えると心配ですよね。
(牧)ですから、これは今までの経緯を踏まえてというところまでなのですが、実際の被害を含めておっしゃる
とおり、この中で予防対策以外のところで仲間外れになっている法律は救助法だけですね。生活再建支援法は内
閣府にいますし、この法律も内閣府です。激甚も内閣府かな。
(中林)激甚は国交省。復旧の財政支援だから、国交省が。
(牧)その辺をもう少し踏まえて、東海・東南海地震が来ますし、地球温暖化の問題もありますし、そういう議
論をする必要はあると思います。防災に関わる法制を、少し整理をして、一元化することが非常に重要です。た
だ、予防対策の一元化は難しいでしょう。国交省から引っぱがすと殺されそうですから。ただ、政策会議のような
形で、今も防災白書の上では全部の予算は組んでいますし、ちゃんと集計の取りまとめはしているのですが、そ
の予算を完全にどこかが一元的に管理しているわけではありません。そのうまい方法を考える必要があると思い
ますが、そこまでは難しいとしても、残った後のものについてはしっかり議論しないと持たないのではないかと
思います。
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