...

エネルギー・環境分野

by user

on
Category: Documents
23

views

Report

Comments

Transcript

エネルギー・環境分野
Ⅲ.ITを利活用した4つのビジョン
1.エネルギー・環境分野
(1) 背景・現状
①地球温暖化対策への取組
近年、経済活動の拡大などに伴い、二酸化炭素等の温室効果ガスが増加しており、人間
の生活や生物の生態系へ重大な影響を与える地球温暖化の問題はますます深刻になってい
る。
国際的には、1992 年 5 月に気候変動枠組条約、1997 年 12 月に京都議定書が採択され、
地球温暖化対策の取組が求められているところであり、我が国では、1998 年に温暖化対策
推進法を制定し、温室効果ガスの排出抑制に向けた取組を進めることとしている。
道においても、2009 年 3 月に北海道地球温暖化防止対策条例を制定するとともに、2010
年 5 月に「北海道地球温暖化対策推進計画」を策定し、豊かな環境を有する本道が、地球
温暖化防止に向け積極的に貢献していくこととしている。
②エネルギー政策の見直し
また、我が国は、東日本大震災及び福島原子力発電所事故を契機に、エネルギー政策の
見直しを迫られており、平成 25 年 6 月に閣議決定された「日本再興戦略」においても、
エネルギー需給の無駄を省き、エネルギーを余すことなく徹底的に活用することにより、
環境負荷を減らし、クリーンで経済的なエネルギー需給の実現を目指すとしている。
このため、スマートメーター等の情報通信機器を用いたエネルギーマネジメントシステ
ムの確立やデマンドレスポンスを活用したネガワット取引など、環境・エネルギー産業を
創造するとともに、多様・双方向・ネットワーク化によるクリーン・低廉なエネルギー社
会の構築を進めていくことが必要である。
③北海道に期待される役割
北海道においても、東日本大震災後の泊原子力発電所の運転停止に伴い、電力需給が厳し
い状況となり、使用最大電力の削減要請がなされた。
本道は太陽光や風力、地熱、バイオマスなどの豊富な再生可能エネルギーを有しており、
こうした本道のポテンシャルを活用した環境負荷の少ないエネルギー供給拠点としての役
割やカーボン・オフセットの取組が期待されている。
また、本道の積雪寒冷な気候に対応したエネルギー効率の高い住宅技術や環境技術の普
及などを通じて、低炭素型ライフスタイル、ビジネススタイルへの転換促進が期待されて
いる。
(2) IT利活用の将来ビジョン
豊かな自然と冷涼な気候を背景に、様々な分野で環境に配慮したITの利活用が広がるととも
広大な自然と冷涼な気候を背景に、様々な分野で環境に配慮したITの利活用が広がると
に、ITと環境が結びつくことにより、環境・エネルギー産業が集積し、環境意識の高い人々
ともに、ITの利活用による豊富で多様な自然能エネルギー関連産業の立地が促進され、
が経済的かつ効率的・安定的な低炭素型ライフスタイル・ビジネススタイルを実践する環境先
環境意識の高い人々がIT利活用による経済的かつ効率的・安定的な低炭素型ライフスタ
進地北海道を実現する。
イル・ビジネススタイルを築く、環境先進地 sds 北海道が実現する。
①様々な分野におけるIT利活用の環境配慮
・ 道の庁内情報システムの統合・効率化を進め、IT経費の削減を図るとともに、シス
テムの機能向上を目指す全体最適化の取組等、環境に配慮した情報システムの整備・
-16-
更新を図る。
・ 道と市町村が連携し、クラウド技術の活用によるサーバの集約化など行政運営の効率
化・高度化が図られることにより、環境にも配慮した電子自治体が実現する。
・ 省エネ改修の効果が分かるWEBプログラム等の活用により、北海道の積雪寒冷な気
候に対応した北方型住宅の技術を活かした CO2 排出量の少ない省エネ住宅が普及する
とともに、地図情報や車・人の位置情報等を活用したITS(高度道路交通システム)
技術により安全かつ快適で環境に優しい交通体系が実現される。
②北海道の環境を活かしたIT産業の集積
・ 太陽光発電、風力発電等の再生可能エネルギーの研究・技術開発と、その実用化に取
り組む道内企業を支援し、立地に係る規制の緩和や手続の簡素化を検討するとともに、
ITを利活用したビルや交通システム等のエネルギーを総合的に管理するスマートコ
ミュニティといった次世代エネルギー・社会システム等の大規模プロジェクトの誘致
を促進する。
・ 道内企業においては、クラウドコンピューティングの導入が進み、システムの導入コ
ストや運用面での負担軽減、また環境への負荷軽減が見込まれるとともに、ITの進
展に伴いエネルギー使用量の増加や、CO2 排出量増加への対応が求められる中、北海
道の積雪寒冷な気候を活かし、環境負荷の少ない環境配慮型データセンターが集積す
る。
③道民の環境意識のさらなる高まり
・ 電力の需給状況や省エネの取組等に関する情報がインターネット等を通じて広く道民
に発信されるとともに、道民自らがITを利活用して日常生活におけるエネルギーマ
ネジメントを実践する等、環境に配慮したライフスタイルが実践される。
・ CO2 吸収源としての森林や湿地・草原の重要性や、森づくりなどの取組事例の情報が
ITを利活用して発信され、住民や企業による環境保全活動が一層活発になる。
・ 研究機関等が有する気候変動に関する観測情報の集約が進められるなど、研究機関、
行政機関、企業等の各機関の連携が図られる。
-17-
(3)
主な取組
様々な場面におけるITの環境配慮
・庁内情報システムの全体最適化
・環境負荷の少ないシステムの調達
・クラウド技術による電子自治体化
・ITSによる環境に優しい交通体系
道民の環境意識のさらなる高まり
北海道の環境を活かしたIT産業の集積
・再生可能エネルギー事業の立地
・環境配慮型データセンターの誘致
・クラウドコンピューティングの導入
道
市町村
・環境に配慮したライフスタイル
・住民・企業による森づくり活動
・気候変動に関する観測情報発信
・ネットワークの統合やサーバ・システムの全体最適化の推進
・消費電力が少ないなど環境負荷が少ない効率的な情報通信機器の
調達やシステムのクラウド化の推進
・ITS(高度道路交通システム)を活用した渋滞の軽減等の交通の
円滑化
・ITを利活用したスマートコミュニティなどの成長産業への
参集促進
・再生可能エネルギー活用型社会モデルの推進
・共同利用型クラウドサービスの導入による行政運営の効率化・高度化
・ITを利活用した環境対策についての講習会実施や技術実証等の
取組
・再生可能エネルギー関連事業や環境配慮型データセンターをはじめ、
企業や研究機関の立地促進
国
・地域住民が電気をはじめとするエネルギーマネジメントに積極的に
参加できるシステムの構築
・全国各地におけるスマートメーターの普及
企業等
・I T を 利 活 用 し た 環 境 対 策 に つ い て の 講 習 会 実 施 や 技 術 実 証 等 の
取組
・スマートコミュニティ・スマートハウスなどの成長市場へ
の参入
・環境負荷の少ないクラウドコンピューティングの導入
環境関連団体
道民
・北海道の環境に関する情報発信と啓発活動
・家庭、学校、職場など、さまざまな場面での環境に配慮した生活
・電力供給者の状況に応じて需要を選択する等、エネルギーマネジメ
ントへの積極的な参加
-18-
【スマートコミュニティ】
これからは、太陽光や風力など再生可能エネルギーを最大限活用し、一方で、エネル
ギーの消費を最小限に抑えていく社会が必要です。それを実現するのが家庭やビル、交
通システムをITネットワークでつなげ、地域でエネルギーを有効活用する次世代の社
会システム。スマートコミュニティです。
経済産業省WEBサイト
「スマートグリッド・スマートコミュニティとは」より抜粋
http://www.meti.go.jp/policy/energy_environment/smart_community/
-19-
【稚内メガソーラー発電所】
「稚内メガソーラー発電所」は、平成 18 年から独立行政法人新エネルギー・産業技術
総合開発機構(NEDO)による「大規模電力供給用太陽光発電系統安定化等実証研究」の
実証研究施設として稚内に整備され、平成 23 年 3 月 18 日をもって 5 年間の研究が終了
した。
稚内市が研究地として選ばれた要因として、自然環境においては積雪・寒冷・強風と
気象条件が厳しい中で、大規模太陽光発電システムの様々なデータを取得することが
できること、広大な土地を有していることが要因として上げられる。
研究終了後の平成 23 年 3 月 19 日からは、NEDO から本市が施設の無償譲渡を受けて維
持管理を行なっており、経済産業省から認定を受けた「稚内次世代エネルギーパーク構
想」の中心施設として活用していくほか、発電した電力を公共的に使用していくなど、
稚内の新エネルギーのシンボルとして位置づけされており、日本最北から日本全土へ太
陽光の普及促進に努めていく。
稚内市WEBサイトより抜粋
http://www.city.wakkanai.hokkaido.jp/kankyo/energy/solar.html
-20-
Fly UP