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Title ソフトウェア企業の国際化における競争戦略 : グローバル・トップ企業
Title Author Publisher Jtitle Abstract Genre URL Powered by TCPDF (www.tcpdf.org) ソフトウェア企業の国際化における競争戦略 : グローバル・トップ企業に関する一考察 廣瀬, 謙治(Hirose, Kenji) 小林, 喜一郎(Kobayashi, Kiichiro) 慶應義塾大学大学院経営管理研究科 修士論文 (2011. 3) Thesis or Dissertation http://koara.lib.keio.ac.jp/xoonips/modules/xoonips/detail.php?koara_id=KO40003001-00002010 -2571 学籍番号 氏名 80930943 廣瀬 謙治 主査 副査 1 副査 2 小林 喜一郎 浅川 和宏 中村 洋 研究テーマ ソフトウェア企業の国際化における競争戦略 ―グローバル・トップ企業に関する一考察― 内容の要旨 近 年、IT (Information Technology: 情 報 技 術、 以 下 IT) の そして、日本のソフトウェア企業などに代表されるように内 浸透とともに、企業における IT への依存度は高くなり、IT 需での成長を果たしてきた企業では、国際化への志向性も重 が様々な仕事の効率を上げ、社会全体の生産性を大きく向上 要であると考える。第 3 に、顧客の獲得、優秀な人材の獲 させている。そのためのソフトウェアを開発し、そしてシス 得のために、現地での知名度や名声といった企業ブランドを テムを構築するのがソフトウェア企業の役割である。技術革 高めることである。そのために、開発の高品質化や安定的な 新のスピードアップや専門領域への特化・細分化といったソ 運用などサービス・レベルを高めること、あるいは現地の有 フトウェア特有の状況、あるいは、先進国の企業だけでなく、 名企業の M&A なども重要である。 インドや中国をはじめとした新興国企業の参入が行われ、ソ フトウェア企業をとりまく競争環境は激化しており、競争優 位への企業戦略を明らかにすることで、成熟業界での IT 産 業において、ソフトウェア企業の経営戦略のあり方の指針を 提示する。本研究から、ソフトウェア企業の国際化戦略に関 しては、 以下のことが示唆された。パッケージ企業としては、 世界で通用する汎用的なパッケージ・ソフトにて、業界標準 を確立したほうがよい。限界費用が小さいこともあり、広い 市場で販売できれば、規模の経済と高利益率をもたらす可能 性が高い。IT サービス企業として、国際化を進めるためには、 3 つの観点が重要であると考える。第 1 に、優秀な人材の獲 得である。個々の顧客のニーズに応えていくためには、自社 のソリューション能力を高めることが重要であり、流動性が 高い労働市場で良い人材を獲得するための施策が必要であ る。また、人材の流動性の高い業界であることから獲得した 人材を定着させるための施策も合わせて必要である。第 2 に、 グローバルでのサービス提供を行える体制の構築である。多 様業種の顧客、大規模な顧客のニーズに応え、グローバルで 高品質のサービスを提供する体制が必要である。そのために は販売にあたっては現地化、開発にあたってはコスト優位の 構築、また M&A による進出も考えられる。M&A での進出 については、前述の人材の確保のための対策は十分に行う必 要がある。さらに、効率性を高めるためにも知識共有の仕組 みの構築や標準化されたプロセスの整備などが必要である。 修士論文要旨 78