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Less is More と現代建築家と の関係について

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Less is More と現代建築家と の関係について
Less is More と現代建築家と
学籍番号:k04077
氏
名:田丸正和
の関係について
■背景■■目的■■方法■
■ミースのいう Less is More の理論はどのよ
うに形を変え現代の建築家に影響を与えて
いるのか?身近な 3 人の建築家、長谷川逸
子、高松伸、伊藤豊雄に関して、表現の違い
などについて論述する。
3F 視聴覚コーナーでは、カーテンで空間
を仕切り、棚で空間を定義している点がミ
ースのファーンズワース邸に酷似している。
■分析■
長谷川逸子は、過去の新建築の中
で自作の墨田生涯学習センターについて記
述がある。それによると、
ミースの Less
is
More はガランドウなる単語に置き換え
られている。
全体に一見ガランドウのような空間でどのよ
うな利用形態に対しても交換可能な空間であ
り、プログラムの変化に対して最大のフレキ
シビリティをもつものとして考えられている。
透明なブリッジによって人の動きを視覚化し、
全体をスムーズに活発に運営できるように考
えている。視線の交錯の中に機能の拡大を引
きおこしている。
のような、ミースの理論に通じるガラスの
透明性を生かした考えが含まれている。
また、湘南台文化センターの子供館のワー
クショップがガランドウ(大空間)になっ
た理由として、利用者がつぎつぎに使い方
を発想できる、利用者のイメージをかきた
てるといった利点があげられている。
高松伸は東西アスファルト事業協同
伊藤豊雄の仙台メディアテークで
組合の講演会ページの中で下記のような記
はさらにミースの Less is More があらわれ
述が見られる。それによると、ミースの
ている。GAJapan69 の松本市民芸術館の「脱
Less is More は余白なる単語に置き換
ミース」に関する対談の中で伊藤豊雄は「ミ
えられている。
ース流の洗練をやってきた。」と述べている。
「形式から余白へ」
ある商業施設の計画では、エレメントが自由
に所在している空間そのものが即建築である
というアイディアを形にしています。 小さ
な音楽ホールのアイディアでは、非常に広や
かな葉っぱのような屋根をつくり、その屋根
がさまざまなエレメントの関係の自由性を保
証しております。
あるオフィス機器メーカーの研究所は、高
さが七十数メートルあります。エレメントが
それぞれの完結した位置を離れて所在し始め
た状態がそのまま建築になっています。片方
に非常に緊密にプログラム化された空間がプ
ログラム通りに配列されております。したが
ってプログラムとその余白の空間が同時に存
在している建築と考えられます。プログラム
化された空間が積層になり、それとは反対に
プログラムのあわい、いわば積極的な貧しさ
を表現した空間が対峙しています。
仙台メディアテーク6F ギャラリー:プロ
グラム(イベント)ごとに姿を変えている
のがよくわかる。
建築:非線形の出来事/伊藤豊雄建築設計事務所より
また、高松氏はこのようにも述べています。
ひょっとするとそうしたプロセスというのは、
かつてミース・ファン・デル・ローエが構想
したユニバーサル・スペースに接近している
のではないかという恐怖に似た思いにとらわ
れております。
この点からも高松氏がミースを意識してい
たことはわかります。
杉村敦作品展 2001.4.14−4.25
150 年の旅−マキシム・デュ・カン展 2001.6.8−7.4
に区切るといったものになっていった。
(磯
崎新の群馬県立近代美術館をみるとよくわ
かる。)
これからの建築家には、予想される使用目
的を正しく理解し、それに応じた広すぎず、
また狭すぎない空間を設計するセンスが求
められるだろう。
TV ゲーム展 2001.7.14−8.7
せんだいアートアニュアル 2001 展 2001.11.6−11.18
■まとめ■
ミースの Less is More の理論は現在、多少
変化はあるものの現代の建築家に大きな影
響を与えている。近代建築の基礎を築いた
巨匠と言われる理由を十分に理解させられ
た。
近代建築の要素の自由な空間=建築家が無
理に空間を定義しない、プログラムの変化
に応じることができる柔軟な構造の定義は
■画像引用、参考文献■
これからの建築でも重要な部分を占めるだ
www.tozai-as.or.jp/ kouen/95-1/03.html
ろう。
http://www.d-cue.com/eye/0403/cue2/
話題は変わるが、パリのポンピドゥー文化
http://www.kodomokan.fujisawa.kanagawa.jp/shop/car
センター(レンゾ・ピアノ/リチャード・ロ
d1.jpg
ジャース設計)では建設当初、展示スペー
http://www.city.sendai.jp/soumu/kouhou/comment/tai
スが広いため天井から壁を吊り、そこにピ
shou.html
カソなどの絵画を飾っていたが、それがと
http://www.takamatsu.co.jp/_html/works_info.htm
ても貧しく見えたそうである。そのため美
新建築
術館の壁は厚く見せ、ある程度のユニット
非線形の出来事
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