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INTERVIEW - 講談社AD STATION

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INTERVIEW - 講談社AD STATION
CHIEF EDITOR
INTERVIEW
VOCE 編集長
石井 亜樹
娯
と
楽性の渾然
性
門
専
の
ィ
一体
テ
ー
化
ュ
。
ビ
これこそがVOCEです
「キレイになるって、面白い!」をキーコンセプトに、
創刊から今年で 15 年という節目の年に編集長になりました。
今年はいろいろな記念イベントもやらせていただきましたが、
もう一度創刊の志に立ち返って、
美容の専門性と娯楽性の渾然一体化を考えていきたいと思います。
それはここ1、2年、競合誌に引っ張られてビューティ
くのはむずかしいことで、勘だけでやっていいわけはな
の内容が広く浅くの方向に向かっていたなと感じたから
いと思いますが、1冊丸ごとビューティしか載っていな
です。例えばスキンケアに関して、ここまで書いてくれ
いという息苦しさが、最近の「VOCE」にありました。
るのが「VOCE」だという期待感が、読者にもクライ
美容の専門性の背後にある娯楽性ということを、ライフ
アントにもあったとすれば、その対応が浅くなってきて
スタイルの中のビューティというとらえ方で、入れてい
いた。そもそもの「VOCE」の出発点は「深く、尖る」
きたいですね。
ことだったと思うので、できていないことをもう一度確
私は中途採用で入社しました。講談社でのスタートは
認して、そこから広げていくことにしたいと思います。
「FRaU」。その後、「with」、「VOCE」、
また、雑誌を買う人たちが、
ファッション誌もカルチャー
また「FRaU」に戻って、この6月から「VOCE」
誌もビューティ誌も買うという風潮ではなくなってきて
編集長になりました。 いる時代に、雑誌1冊で読者の1ヵ月をどれだけ満足さ
前の会社から数えると、美容畑はかれこれ16年くらい
せられるのかというところへのこだわりが、必要だとも
です。前の会社で最初にビューティ班に配属されたのは
思うのです。もちろんビューティのプライオリティが一
まったくの偶然でした。美容はファッションのように感
番高いのですけれど、他のカルチャー的情報や今年はど
性が重視される面もありますが、ロジカルな面もあって、
んなファッションを買っておけばいいのかなど、今とい
編集者の介在する余地が大きいのでおもしろいなあと思っ
う時代の情報を入れていく感覚とでもいうのでしょうか、
ています。この時期なら美白、この時期ならファンデー
それがビューティ総合誌としての娯楽性じゃないのかな
ションと他の女性誌がページ数の関係もあって固定して
と。ボリュームとしては全体の5%程度から始めて、読
しまいがちなところを、
「VOCE」ではちょっとひねっ
者の反応を見ていきたいと思っています。
たテーマ設定とか、編集力を生かした見せ方ができるの
ビューティは深く尖りながら、テーマを広くとってい
で、非常に魅力を感じています。
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メインターゲットはライフスタイルの中で
美容のプライオリティが高い女性
「VOCE」読者の特徴は、他誌と比べて圧倒的に美容
ンを選ぶときだけ「VOCE」を買っていた人が、それ
ジャーナリストの認知率が高いことです。競合誌ですと、
をネット上の情報ですませるようになったということが
タレントや読者モデルがおすすめのものを買いたいとい
根底にあると思います。化粧品が好きではなくて、自分
う志向が強いのですが、「VOCE」読者は美容ジャー
に合うものを知りたかっただけの人たちが去っていった。
ナリストがすすめるものを買いたいと思っている。それ
そういう意味でいうと、マスな方向にしてしまうと、ビュー
は裏返せば化粧品に対して信頼性の高い情報が求められ
ティ誌ではなく、ネットの美容ページに負けることにな
ているということだと思っています。「VOCE」のメ
ると思うので、雑誌が好きなビューティマニアを「VO
インターゲットは、美容感度の高い人たちです。美容感
CE」は目指していかないといけない。
度とは、美容に対しての関心が高いとか、美容のトレン
とは言え「VOCE」の課題の一番は部数を上げるこ
ドも追いかけたいとか、他の言い方をすればビューティ
とです。新しい読者を入れないとビューティ誌の市場も
マニア。私は美容オタクというほど狭くはない、ライフ
広がりません。アンチエイジングなどが、読者を具体的
スタイルの中で美容行動のプライオリティが高い人と定
に広げていくテーマになると思っています。20代は関係
義しています。ですから、ある程度、自分でお金を使え
ないと思われがちですが、感度の高い若い人は加齢を今
る年齢の人。もちろんすごく若くてすごくビューティが
から心配していますし、30歳前後の、昨日と今日の肌が
好きで、いろいろ買っている人もいると思いますが、ボ
違うという人は毎年生まれているわけですし。こういう
リュームゾーンは33歳前後がメイン、続いて40歳前後の
人に「VOCE」が解答してあげられるということが伝
人たちです。
われば、じゃあ買ってみようかなと思ってもらえると考
化粧品市場規模は前年とほぼ変わらないのに、美容誌
えています。
の市場がシュリンクしているのは、今までファンデーショ
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美容編集者には引き出しの多さが必要
「VOCE」を売るためには、部員を育てていくことも
ことができているのが大事だと思います。それがずれる
重要だと思っています。実は美容誌のどんな特集の結論
と、ページはできているのだけれど、なにが言いたいの
も、いまこの化粧品がいい、このスキンケアがいいとい
だろうという企画になる。プロセスカットを入れたいが
うことなのだと思うのですが、そこまでの道程を手を変
ために、それらしいだけで意味のない写真が入っている
え、品を変えて見せていく。今回は質感でやってみよう
とか、本当はプロセスは必要なくて、ただファンデーショ
とか、悩み別でやってみようとか、切り口で見せていく
ンを塗ればいいだけなのに、雑誌のレイアウトのために
のが基本だと考えると、この引き出しをいくつ持ってい
無理やりやってもらうことは本筋ではない。美容はお題
るかは重要です。ただ新製品があって、それが漫然と並
目が決まっているだけに、本当にこれがいいと伝えられ
んでいるということではなくて、どんな切り口で見せる
る手腕、発想力、表現力を「VOCE」の編集部員には
と読者が興味をもってくれるのかをちゃんとわかってい
身に着けてもらいたいと思っています。
ること。テーマはマンネリでも、ちゃんと違えて見せる
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編集部の広告関連コンテンツに対する
関与度を高めます
クライアントはWEBという選択肢もお持ちですし、最
編集部がコミットしたいと考えています。また、読者に
近はファッション誌も美容に力を入れてきています。プ
近い視線で情報発信していただくBVR(VOCE ロモーションをするというときに、「VOCE」が選ば
BEAUTY REPORTER)も、力をいれていき
れる理由があるのかなと考えると、「べストコスメ」と
たいと思っていますし、「i−VOCE」もPVをあげて
か、「コスメカウンター特集」など、商品が必ず動くこ
いくという意味では、本誌のコンテンツの中からタレン
とで出稿する意味を感じてもらう企画がポイントになっ
トなど、打ち上げ花火的で人が動くものを取り上げてい
てくると思っています。「べスコス」は「VOCE」の
きたいと考えています。
財産です。国内だけではなく、台湾でも「VOCE」の
スマホアプリの「美プリ!」はまだこれからのもので
べストコスメの順位でデパートの化粧品が売れていくと
すし、20代がユーザーとして多いので、若い読者がここ
いう現象があり、この夏には台北の阪急百貨店で「VO
から本誌にたどりついてほしいと思ってやっています。
CE」の「べスコス」ディスプレイを利用した店頭展開
「美プリ!」にはAR機能を搭載しましたので、かざし
などもおこなわれました。9月のタイ版「VOCE」が
て繋がるという機能がどのくらい興味を持ってもらえる
ローンチすると、東南アジア市場で、ビューティ誌とし
のか、雑誌でもこういうことができているということを
て「VOCE」の注目度や「ベスコス」の認知度・影響
ニュースにして、広げたいと思っています。
力は高くなっていくと思っています。
ヘアケア、ボディ、メイクと多くのテーマはあります
「VOCE」のタイアップ記事は、「こんなにいいとこ
が、やはりスキンケア、「美肌」が「VOCE」のメイ
ろがあるんだ。他の人の眼で発見させてもらってすごく
ンテーマです。メイクに関してはトレンド感、それは時
よかった」など、ブランドや商品のよさをクライアント
代とも関係して変化していくものかなと思います。ボディ
の方々に逆に発見・認識してもらい、高い評価をいただ
特集やダイエットは年に1、2回するぐらいですが、こ
いてきました。薬事などいろいろむずかしいところはあ
れは実用できっちり作りたいと考えています。
りますが、これが「VOCE」が誇る美容ジャーナリス
化粧品は日々進化していて、化粧品よりレーザー当て
トさんが書くタイアップの目指すところですし、そこが
たほうが早いでしょ、ということではなくなってきた。
編集力ということですので、これからもこだわっていき
やればやるだけきれいになれるという、本当にいい時代
たいところです。
だなと思います。10年前とは全然違うからこそ、なにが
また、本誌以外に「i−VoCE」、「美プリ!」、
いいのかを紹介する意味がありますし、その結果読者が
「BeauTV」など、関連部署の方々にいろいろと盛
きちんと美肌を手に入れてくれれば、その情報をきちん
り上げていただいていますけれど、もう一度「VOCE」
とアップデートしていきたい。猫も杓子もじゃない人が
の本誌を中心に組み立てたいです。例えば、深夜枠とは
美容誌を買う時代になっています(談)。
いえ民放で5年目を迎える「BeauTV」にももっと
AKI ISHII
石井 亜樹
1972年生まれ。国際基督教大学 教養学部卒業。
2002年講談社入社。2008年「VOCE」副編集長。
2013年「VOCE」編集長。
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The Chief Editor of “VOCE”
Aki Ishii
I have become chief editor at the magazine’s turning point, 15 years from its inaugural issue,
with the main concept of “Beauty is Fun!”. We have been able to hold many commemorative
events this year, but now I would like to return to the roots of this magazine, and reflect on
creating a perfect harmony of beauty expertise and entertainment.
A perfect harmony of beauty expertise and entertainment This is VOCE
The reason for this is I feel that we’ve been getting pulled back by our competitors for the past
few years, and the beauty content of the magazine has been taking a shallow and broad turn.
For instance, take skincare. Readers’ and clients’ have high hopes for “VOCE” turning out a
certain amount of content on that topic, but the magazine is not giving them what they
anticipated. I believe the original concept of “VOCE” was “Deep and Edgy”, so we should identify
what is not being done right, and widen our options from there.
Additionally, in this present generation where magazine-buyers no longer purchase
genre-specific magazines such as fashion, beauty and culture, I believe that there is a need for
carefully selected content that will satisfy a magazine-buyer for a month. Of course the beauty
content will be our highest priority, but for instance, other cultural information and fashion
must-buys for this year create a feeling of trendiness and are entertainment components for a
beauty magazine. I would like to start with a total volume of 5% and adjust further developments
according to reader’s response.
It is very difficult to keep a wide and open theme while striving for deep and edgy beauty
content. I am aware that working on only intuition is not the way to go, but the recent “VOCE”
seemed to be stifling itself with only beauty-related content. I would like to show the
entertainment factor behind the specialization of beauty perceived through one’s lifestyle.
I was hired as a mid-career staff member. My start at Kodansha was at “FRaU”. After that, I
went on to “with”, “VOCE”, and back to “FRaU” again, to become the chief editor of “VOCE” this
June.
Counting the years at my former workplace, it has been 16 years for me in the beauty genre. It
was a total coincidence that I was assigned to the beauty team in my former company. Creative
sensitivity is often regarded as important in beauty, as well as fashion. Yet, I think the interesting
part about beauty is its logical aspect, and also the way an editor has leeway to step in and make
major changes. I find great allure in being able to exert one’s editing skills by creating a twist
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unique to “VOCE” in themes that tend to be solidly defined by the pages of other women’s
magazines—such as whitening products for certain months, or foundation for certain times of the
year.
The main target is females with high beauty priorities in their lifestyle
A characteristic of “VOCE” readers when compared to other magazines is their formidable
recognition rate of beauty journalists. There is a tendency to have celebrities or reader models
recommend products in our competitors’ magazines, but “VOCE” readers want what beauty
journalists recommend. In other words, our readers want highly trustworthy information on
beauty products. The main target for “VOCE” is people with a strong priority on beauty, which
means people highly interested in beauty topics or actively pursue beauty trends—in other words,
beauty buffs. By this I mean not the small percentage of beauty fanatics, but instead people
whose beauty activities hold a high priority in their daily life. This also means that these people
are at an age where they have money to spend on themselves to a certain extent. Of course
there will be young beauty fans who try to get their hands on everything, but our main target is
around the 33-year-old mark, followed by those around 40.
The reason for the beauty magazine market shrinking when the beauty product market is the
same as the previous year can be accounted to the people who used to buy “VOCE” when
selecting foundation, have now look to the information on the internet instead. Readers who are
not beauty buffs but just want to know what they need have gone away. For this reason, creating
content for the masses will result in us not being a beauty magazine and failing to outdo the
beauty pages in internet magazines, so we must strive to create a “VOCE” for beauty buffs who
like magazines.
However, the main issue for “VOCE” is to increase the number of issues sold. We need new
readers or the beauty magazine market will not expand. I believe that themes such as anti-aging
will expand our reader base. This theme may not hit close to home for the 20-or-so generation,
but younger beauty-conscious people are already beginning to worry about aging, and people
are reaching their 30s every year—the time when one’s skin suddenly makes a rapid change. I
believe that if we can convey the message that “VOCE” has an answer for these people, they’ll
start to become interested in buying the magazine.
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A beauty editor needs various tricks of the trade
I believe that educating staff members is crucial for the “VOCE” sales. To be frank, all special
articles in a beauty magazine speak of “the best new product” and “the best new skincare”. It is
our job to create variety when showcasing these topics—for instance, one time will have us
focusing on texture, and another time will have the focus on skincare worries. As
attention-getting is a basic technique, it is all-important that we have many, many tricks up our
sleeve. Just lining up new products will not do it. We need to know what kind of article will grasp
our reader’s attention. Even if the theme has been used over and over again in the past, showing
a marked difference is essential. If this is not executed properly, the article page will be there, but
the content will be undecipherable. Placing a convenient-but-meaningless photo in for a process
cut’s sake, or placing a foundation using process when it is not needed and just for the sake of
the magazine layout, are not actions we are aiming for. As the subject is fixed on beauty, I hope
that the editing staff at “VOCE” has the expressional skills, imagination and capability to
communicate what truly needs to be said.
Reinforcing interest toward advertisement content in the editing room
As clients have an alternative to turn to the internet, recent fashion magazines have
strengthened their focus on beauty. When considering a reason for “VOCE” to be selected from
a promotional viewpoint, projects such as “Best Cosmetics” and “Cosmetic Counter Specials”
come to mind. These projects guarantee product sales when published. “Best Cosmetics” is a
“VOCE” treasure. The effects are not only domestic, as even department stores in Taiwan see
their products selling in the order of the “VOCE” cosmetic ranking. This summer, a Taipei
department store created an in-store display that implemented the “Best Cosmetics” ranking
from “VOCE”. I believe that after the Thai version of “VOCE” is launched in September,
recognition and influential powers of “Best Cosmetics”, and also the degree of attention “VOCE”
receives as a beauty magazine will increase in the South-East Asia market.
Tie-up articles in “VOCE” are held in high regard with the clients, as they are able to renew
their awareness and rediscover their brand and products. We’ve received comments such as “I
never realized the benefits of this product. To see it from another person’s viewpoint is fantastic”.
Although there are difficulties concerning drug regulatory affairs, articles like these are what the
beauty journalists, who “VOCE” takes pride in, are after. It is also a show of our editing skills and
something we would like to continue to stick with.
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At the present, we are having related departments working hard on content other than “VOCE”,
such as “i-VoCe”, “Bipli!” and “BeauTV”, but I want to focus on putting these together with the
main focus once more in the main magazine. For instance, I would like the editing room to
commit itself more to “BeauTV”, which enters its fifth year, although it airs in a late-night slot on
commercial television. More focus is also wanted on the VBR (VOCE BEAUTY REPORTER),
which communicates information from a viewpoint close to the readers. More PVs are wanted on
“i-VOCE”, and using celebrities from the magazine’s contents may create glitz and glamour that
will move people.
The smart-phone application “Bipli!” is still in its infancy. As users of this application are mostly
in their twenties, I hope they will make their way to the magazine. By attaching an AR function to
“Bipli!” we are hoping to see younger readers get interested by using their phones with the
magazine, and as a result, help spread news that a magazine is capable of such technology.
Beauty has many themes such as hair care, body care and makeup, but the main themes of
“VOCE” are skincare and “beautiful skin”. Make-up depends on the trends and change with each
generation. Body and dieting special projects will be published one or two times a year, and we
plan to create solid and practical content for these themes.
Cosmetics are evolving before our eyes, and it is no longer the norm to say lasers give quicker
results than cosmetic products. We are in a great period in time where the more you care for
yourself, the more beautiful you become. That is because the present is so different from ten
years ago in that there is a need to introduce good products, and if our readers get great skin
from this information, we will want to update that information properly. The time is coming where
everybody will want to buy a beauty magazine. (Interview)
Aki Ishii
Born in 1972, a graduate of the College of Liberal Arts at the International Christian University
Entered Kodansha Ltd. in 2002, became deputy editor for “VOCE” in 2008
Became Chief Editor for “VOCE” in 2013
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