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「原子力災害対策の考え方についての再質問書」に対する回答について

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「原子力災害対策の考え方についての再質問書」に対する回答について
「原子力災害対策の考え方についての再質問書」に対する回答について
平成25年12月20日付けで提出のあった質問書について、以下のとおり回答
します。
なお、質問書において「回答について説明を求めますので場所と時間を調整して
ください。」とのご要望がありましたが、ご質問への回答に正確を期すため、文書
での回答とさせていただきます。
1、再稼動の事前了解について
①原発は電気を作る設備にすぎないので、福島のように人々をひどく苦しめる事
故が想定される原発はそもそも稼動を禁止されるべきものではないでしょう
か。
(答)
○ 原子力の安全規制については、法律に基づく規制監督権限を持っている国が責
任を持って対応すべきであると考えています。
○ また、原子力政策を含め、国家のエネルギー戦略は、国が責任を持って決めて
いくべきものであり、国のエネルギー戦略の方向性とそれに至る具体的な道筋に
ついて、しっかりとした議論をして提示いただきたいと考えています。
1、再稼動の事前了解について
②県民に事故のリスクがあっても再稼動するメリットがあるなら、具体的に示し
てください。
(答)
○ 原子力政策をどうするのかということについては、安全性の問題、電力の需給、
エネルギーセキュリティなど様々な観点から、エネルギー政策の大きな論点の一
つとして国において議論、検討した上で決めていくべきものと考えています。
1、再稼動の事前了解について
③県は、9②の答で『原子力政策をどうするかということについては(略)国におい
て議論し、検討していくべきものと考えているところです』と回答されていま
すが、原子力発電は安全が保証されませんから県民の安全と財産、佐賀県の環
境を守ることを第一に考えるべき佐賀県知事としては再稼働を了解すべきでは
ないのではありませんか。
(答)
○ 原子力発電所については、あくまでも安全性が確保されることが前提です。そ
の安全性の確認については、一元的に規制監督権限を有している国が厳格にしっ
かりと行っていただくことが何より必要であると考えています。
○ なお、玄海原子力発電所3、4号機については、現状、規制基準に対する適合
性確認の審査が行われているところであり、現時点で再稼働について何か申し上
げるのは時期尚早と考えています。
1
1、再稼動の事前了解について
④また、県は 7 の答で国による厳正な審査を期待されていますが、原発を再稼動
させようとする国の政策では、たとえば設置されるベント設備の地震による破
損で住民が被ばくする可能性を新潟県が指摘しているように県民の安全は二の
次になる恐れがあります。佐賀県も専門委員会を設置して玄海原発 3・4 号機の
安全性を検討すべきではありませんか。
(答)
○ 国による審査は、今回新たに独立性の高い専門の規制機関として原子力規制委
員会が作られ、そこにおいて、高い専門的知識を有する委員等により行われてい
ることから、これまで以上に信頼できるものとなったのではないかと考えている
ところです。
○ このため、今回の九州電力の新基準適合性確認申請について、規制監督権限も
なく、また、原子力規制委員会並に専門家を有しているわけでもない県が、国と
全く同じレベルで独自に専門委員会を設置するなどして審査を行うことは考え
ていません。
○ 県としては、今回の申請内容に係る安全性については、原子力規制委員会の委
員を始めとする高い知見を持った専門家に責任ある判断をしていただきたいと
考えています。
2、県民の被ばく限度量について
重大事故およびそれ以後の県民の被ばく限度量をいくらと考えるかによって、
避難計画も除染のあり方も違ってきます。
人への健康影響を考慮した現行の法令による基準は年 1mSv ですから、再稼動で
県民の健康が犠牲にならないように、知事は国と九州電力に県民の年間被ばく限
度 1mSv を厳守させることが必要ではないでしょうか。
(注)これまで一般の年間被ばく限度は 1mSv とされ、これは 100 歳まで生きても
1mSV×100 年で 100mSv を超えないことで晩発性障害や発がんのリスクは小さい
と考えられたからです。年間 5mSv を越える場所は、18 歳以下は立ち入り禁止で
大人も飲食や休憩することは禁止される放射線管理区域と同じですし、チェル
ノブイリ原発事故のあった旧ソビエトでは居住禁止区域です。チェルノブイリ
原発事故から 25 年後ウクライナ政府がまとめた原発事故報告書には、年間 5mSv
以下の汚染地域で生まれた子供たちの 78%に慢性疾患が認められ、正規の体育の
授業を受けられるのは 14%でしかないとあります。このように年間被ばく線量が
1mSv を超えると 5mSv 以下であっても決して安全ではありません。
(答)
○ 前回お答えしたとおり、原子力災害対策に関する法令・制度において、専門的・
技術的事項については、原子力規制委員会が定める原子力災害対策指針によるも
のとされていますが、国において指針を策定されるにあたり、被ばくの限度量は
明確に示されていないため、被ばく量をどの程度までに抑えるという基準を持っ
2
ているわけではありません。
○ 県としては、国や原子力事業者とも連携して、原子力災害が発生した場合に可
能な限り住民の方々が被ばくしないよう、指針に基づいて防護措置を実施します。
3、県の 3 の答は、国において土壌の汚染の限度となる基準は示されていないと
いうことですが、農業者の納得できる基準のないまま原発を再稼動させてよい
ものでしょうか。
(答)
○ 前回お答えしたとおり、万が一原子力発電所で事故が発生した場合には、国や
原子力事業者には、土壌が可能な限り汚染されないような対策を取っていただき
たいと考えております。
○ また、万が一、土壌が汚染され、農作物の出荷制限等を行うべき事態となった
場合には、その損害に応じて原子力事業者から適切な賠償がなされるとともに、
農業ができる環境を回復していくため、国、県、市町が連携して土壌の除染を実
施していく必要があると考えます。
○ 玄海原発の再稼働の話とは別に、現に原子力発電所が立地している以上、防災
上必要な対策は、新たな知見等をもとに、不断の見直しを行っていくことが重要
と考えております。
4、県は 4②「県土と海を除染等で事故以前の状態に回復できるでしょうか」の質
問に「県において判断できる知見があるわけではありません」と答えられてい
ますが、事故以前の状態に回復できる見込みがないのに原発を再稼動させてよ
いものでしょうか。
(答)
○ 前回お答えしたとおり、万が一、本県で原子力災害が発生し、地域の除染の取
組が必要となった場合には、福島での取組を参考に、国や市町などの関係機関と
連携して取り組むことになると考えています。
○ 問3同様に、玄海原発の再稼働の話とは別に、現に原子力発電所が立地してい
る以上、防災上必要な対策は、新たな知見等をもとに、不断の見直しを行ってい
くことが重要と考えております。
5、県民を被ばくさせない避難計画について
佐賀県は避難ルートをそれぞれに 1 ルートしか決めていませんが、このルー
トが風下になった場合、県民を被ばくさせることになります。佐賀県は県民を
決して被ばくさせないために避難ルートを複数用意することが必要ではない
でしょうか。
(答)
○ 風向を考慮して複数の避難ルートを設定した場合、平常時には風向に応じた避
難経路を住民の方々に覚えていただき、避難指示の際には風向などの状況に応じ
てどの避難ルートを通るべきかを住民の方々にお知らせする必要がありますが、
3
風向が時間経過とともに変化していくことも考えられる中では、かえって混乱を
生じる恐れがあると考えています。
○ こうしたことを踏まえ、避難が必要な方々ができるだけスムーズに、混乱なく
避難できるよう、避難経路や避難先を単一とするとともに、避難先においても、
放射線モニタリングを行い、これが避難すべき空間放射線量率に達している場合
には、別の避難所へ誘導することになります。
6、一律に少なくとも 60 キロ圏外への避難について
(県の 6 の回答では放射能が実測されてからの避難について説明されただけで「一
律に 60 キロ圏外に避難することについての考えは、回答されていません)
佐賀県で福島のような事故を想定すると福島県では 30 キロ圏外でも強く放射
能汚染された地域がありますから、また風向きは変化するので、県民を被ばくさ
せないためには一律に少なくとも 60 キロ圏外(アメリカでは 80 キロ圏外として
いる州もあります)に避難させるほうが安全ではないでしょうか。60 キロ圏外に
避難させない理由は何でしょうか。
(答)
○ 国の原子力災害対策指針では、平時から避難計画や防災資機材の準備等の事前
対策を重点的に講じておくことが必要な区域としてPAZ(概ね半径 5km圏内)
及びUPZ(概ね半径 5km~30km圏内)を定めることとされています。
○ この範囲について、原子力災害対策指針が平成 25 年 2 月 27 日に改定された際
のパブリックコメントにおいて、国は、「東京電力株式会社福島第一原子力発電
所事故における対応等を踏まえつつ、IAEAが示している範囲の最大値を採用
しています。」との考え方を示しています。
○ このため、避難計画の策定にあたっては、PAZ及びUPZ(半径 30km圏内)
を避難計画の策定が必要な地域として位置づけ、その圏外を避難先としていると
ころです。
○ なお、前回お答えしたとおり、原子力災害時には、いわゆるPAZの地域内に
おいては緊急事態宣言が発出された時点で避難指示をするとともに、それ以外の
地域においては、いわゆるUPZの地域の中か外かに関わらず、緊急時モニタリ
ングの結果等から、OILに基づき避難等が必要になる場合には避難指示を行う
こととなります。
○ また、避難先において再移転が必要となる場合に備え、県の地域防災計画では、
一定の住民を収容でき、再移転先とできる施設を複数確保することとしています。
○ こうした考え方に従い、緊急時モニタリングの結果等から適切な地域に避難等
の指示を出すことが重要であると考えており、60km圏内の全ての地域が避難を
必要とすることが想定されるわけではないため、一律に 60km圏外へ避難する必
要はないと考えています。
4
7、避難体制について
①前回の回答で『一定の避難体制はすでに確保しています』とありますが、全住
民への事故および避難情報の確実な伝達、要援護者全員の安全な避難、悪天候
での離島の避難、予想される大渋滞での住民の被ばく、ヨウ素剤の配布、30
キロ圏外の避難計画等、課題は山積みのように思われます。11 月 30 日に原子
力防災訓練が行われていますが、県は実行可能な避難体制について残っている
課題をどのように把握していますか。また、どう対処する計画ですか。
(答)
○ お示しいただいた各種課題について、それぞれ取り組みを行っているところで
す。
○ 例として、要援護者の避難計画については、地域防災計画において、各施設等
で入所者等の状況を把握した上で、計画の策定が進められているところですが、
個別の施設等のみでは調整が難しい面もあることから、県も支援しながら策定の
促進をしているところです。
○ 避難体制など原子力防災対策については、新たな知見や検討結果に基づいて、
不断の見直しを行い、より実効性の高いものとなるよう、着実に取り組んでいく
ことが重要と考えています。
7、避難体制について
②原発事故の災害関連死を一人も出さないために、どのような対策を考えられて
いますか。
(答)
○ 現在の県地域防災計画では、以下のような対策を盛り込んでいます。
・平時からの原子力や放射能等についての正しい知識の啓発
・特に要援護者については、避難することによりリスクが高まらないことを十
分確認した上での避難の実施
・事故時の住民等への適切な情報提供
・避難時の二次災害の防止
・風評被害の低減
・避難所の環境整備
・心身の健康相談活動
・被災中小企業等に対する支援
○
県としては、万が一、原子力災害が発生した場合には、国の原子力災害対策
指針や県の地域防災計画などに従い、確実にこのような対策に取り組んでいく
ことが、災害関連死を出さないことにつながると考えています。
7、避難体制について
③5 キロ圏内の住民のすべて(要援護者、来訪者や観光客も含む)が 30 キロ圏外へ
の避難に要する時間は、道路渋滞も予想できますが最悪の場合何時間と想定さ
れていますか。この場合、最大はどのくらい被ばくすると考えていますか。
5
(答)
○ PAZ(半径5km圏内)の住民のUPZ(半径30km圏)外への避難に要
する時間については、現在、佐賀県、福岡県、長崎県共同で避難時間推計シミュ
レーションを実施しているところです。
○ なお、国の原子力災害対策指針では、PAZについては、緊急事態の初期段階
においては、放射性物質の放出開始前から必要に応じた防護措置を講じる必要が
あるとされ、原子力施設の状態等に基づく活動レベル(EAL)に基づき、避難
が実施されることになります。
○ こうした考え方は既に国際基準で用いられており、この基準を適用して、放射
性物質の放出前など、適切なタイミングで国から避難の指示が出されることにな
ると考えています。
7、避難体制について
④県は県内を固定式のモニタリングポストと可搬式のモニタリングポスト、モニ
タリングカー等をどのように使って放射能を測定して避難に利用するのかを
具体的に示してください。また、放射能の拡散予測の方向によって、UPZ 内の
どの地域が避難することになっているかを示してください。
(答)
○ 国の原子力災害対策指針において、緊急時モニタリングの目的は、原子力災害
による環境放射線の状況に関する情報収集とOILに基づく防護措置の実施の
判断材料の提供及び原子力災害による住民と環境への放射線影響の評価をする
こととされています。そのために、緊急時モニタリングでは、時間的・空間的に
連続した放射線状況の把握を目指すこととしています。
○ そこで本県においては、福島第一原子力発電所における原子力災害発生後、玄
海町、唐津市、伊万里市に固定型モニタリングポストを 18 基から 26 基へ増設す
るとともに、県内全市町に 29 基の可搬型モニタリングポストを配備しています。
また、不測の事態に備えるため、唐津と佐賀に計9基の可搬型モニタリングポス
トを待機させているところです。
○ 緊急時には、常時監視の固定型モニタリングポストや市町設置の可搬型モニタ
リングポストを主として、モニタリングカーやサーベイカー、その他の資機材を
用いて、以下の事項を重点的に緊急時モニタリング活動を実施することとしてお
ります。
・UPZを中心とした空間放射線量率の監視強化
・大気中の放射性物質(放射性希ガス、放射性ヨウ素等)濃度の測定
・放射性物質の放出により影響を受けた環境試料中の放射性物質濃度の測定
・広範な周辺環境における空間放射線量率および放射性物質濃度の測定
○ さらに、施設敷地緊急事態発生後は、原子力規制委員会が統括する「緊急時モ
ニタリングセンター」における活動に移行し、原子力規制委員会が定める「緊急
時モニタリング実施計画」により、気象予測や大気中拡散予測も参考にしてモニ
タリングを実施することとなります。
6
○
なお、国の原子力災害対策指針では、福島での事故の教訓を踏まえ、それ以前
のように放射能拡散予測の結果によって避難地区などの意思決定をするのでは
なく、上記により測定された空間放射線量率の実測結果をOILの基準と照らし、
避難地区を決定していくこととされています。
7、避難体制について
⑤2 次避難所の条件はどのように考えられていますか。また、2 次避難所はどこ
に決まっていますか。もし決まっていなければ、いつまでに決まりますか。
(答)
〇 一旦避難したUPZ外の避難所において、再移転が必要となる場合に備え、県
の地域防災計画では、一定の住民を収容でき、再移転先とできる施設を複数確保
することとしています。
○ UPZにおいては、原子力災害発生時に全域に一斉に避難指示をするのではな
く、一定の空間放射線量率が測定された一部の地域に対して避難指示をすること
が想定されており、避難指示を受けなかった地域の避難先施設は使用されないこ
とになるため、UPZの範囲外において避難が必要となった場合、このような使
用されていない施設に避難することが可能であると考えられます。
○ さらに、現在の避難計画において避難先として指定されていない県有施設など
もあり、こうした施設を使用することも可能です。
〇 さらに、万が一、避難範囲が広がり、避難所が必要となった場合には、
「九州・
山口9県災害時応援協定」等に基づく県外への避難や、災害対策基本法に基づく
広域一時滞在や都道府県外広域一時滞在等を実施するために必要な調整を行う
ことが考えられます。
○ なお、福島の事故の例を見ると、原発から半径30km圏外の地域では、計画
的避難区域に指定された飯館村などにおいては、毎時20マイクロシーベルト程
度の空間放射線量率が測定されており、国の原子力災害対策指針に定めるOIL
の基準を適用すると、1週間程度の間に一時移転することになります。
○ こうしたことから、UPZの範囲外において避難が必要になる場合は、一定の
時間的余裕があることが想定されるため、避難先などを調整することが可能であ
ると考えております。
7、避難体制について
⑥原子力災害発生を想定したどのような当直連絡体制になっていますか。重大事
故が真夜中に停電、電話が不通の状態で起こった時、災害対策本部の初動体制
をどのようにして準備しますか。
(答)
○ 県では、定時時間外には、職員及び嘱託職員による 365 日の宿直体制をとって
おり、また、
「佐賀県災害時緊急対応業務実施マニュアル(佐賀県版BCP)
」に
おいて、災害等発生時の職員の初動業務について定めており、災害により連絡が
取れない場合でも各職員が自主登庁するようしています。
7
○
県と、国、関係市町、原子力事業者等との連絡については、専用回線、衛星携
帯電話、電源不要の黒電話等により、通信手段を多重化し、必ず連絡が取れる体
制を確立しています。
8、PPA 等について
①県は規制委員会の「PPA(プルーム通過時の被ばくを避けるための防護措置を実
施する地域)の導入に関する検討結果の提示を待って対応を検討するものとす
る」と答えられていますが、これは再稼動の事前了解の判断の前に対応がなさ
れると考えてよいのでしょうか。
(答)
○ 現在、原子力規制委員会において、PPAに係る検討が行われていますが、い
つ検討結果が示されるのか、時期は示されておりません。
○ 玄海原発の再稼働の話とは別に、現に原子力発電所が立地している以上、より
実効性の高い防災計画となるよう不断の見直しを行っていくことが重要と考え
ており、PPAの導入についても、国から検討結果が示されれば、適切に対応し
たいと考えています。
8、PPA 等について
②『UPZ(緊急時防護措置準備地域)の地域以外であっても、OIL(防護措置の実施
の判断基準)に基づき避難等が必要になる場合には避難指示を行うこととされ
ており、県においてもこの考えに基づき適切に対応する』答えられていますが、
UPZ 地域以外の市町においても空間線量が毎時 500μSv になれば直ちに避難が
必要になりますので、避難計画が作成され避難訓練等で実行可能性が確認され
てから、事前了解の判断があると考えてよいのでしょうか。
③『飯館村のような放射能の汚染があった場合、直ちに避難の必要はなく1ヶ月
以内に避難すればよかったので、また時間線量が 20μSv と予想されても 1 週
間以内に避難することになるので、あらかじめ避難計画を作る必要はない』(12
月 2 日県議会一般質問知事答弁から)とお考えでしょうか。
(答)
○ 玄海原発の再稼働の話とは別に、現に原子力発電所が立地している以上、実効
性のある防災計画を作成することは必要なことと考えています。
○ 避難計画については、すでに原子力防災訓練などを実施し検証を行っており、
今後も、毎年の訓練を通して検証を行っていきます。
○ 福島の事故の例を見ると、原発から半径30km圏外の地域では、計画的避難
区域に指定された飯館村などにおいては、毎時20マイクロシーベルト程度の空
間放射線量率が測定されており、国の原子力災害対策指針に定めるOILの基準
を適用すると、1週間程度の間に一時移転することになります。
○ こうしたことから、UPZの範囲外において避難が必要になる場合は、一定の
時間的余裕があることが想定されるため、避難先などを調整することが可能であ
ると考えており、避難計画の策定までは必要ないものと考えています。
8
8、PPA 等について
④空間線量 500μSv/h で避難(OIL1)となっていますが、2 時間で年間被ばく限
度量に達します。また、以下の福島原発事故の際の計測値から考えても高すぎ
る値です。
この点についてどうお考えでしょうか。
(注)文部科学省は、2011 年 3 月 13 日から各地に車を走らせ放射線量の計測を行
っていた。最も高かったのは、3 月 15 日 20:40~50 に浪江町の国道 114 号線赤
宇木地区手前 3 か所での空間線量車外 330 マイクロシーベルト/時間。
(答)
〇 原子力災害対策に関する法制・制度において、専門的・技術的事項については、
原子力規制委員会が定める原子力災害対策指針によるものとされています。
〇 指針では、UPZ 内(半径 5~30km 圏内)においては、まずは屋内退避をしたう
えで、緊急時モニタリングの結果から、一定以上の空間放射線量率が確認された
地域で避難等の防護措置をとることされており、
・OIL1(空間線量率 500μSv/h)が測定された地域では1日以内に避難
・OIL2(空間線量率 20μSv/h)が測定された地域では1週間以内に一時移転
することと定められています。
〇 なお、原子力災害対策指針が平成25年2月27日に改定された際のパブリッ
クコメントにおいて、国は、
・ OIL1については、今般の事故後にこの水準の空間放射線量率が測定され
た地点は少ないものの、放射性物質の拡散の状況によっては予防的な避難等
を行った上でも、なお、即時に避難が必要となる地点が生じる可能性がある
ことから、これに迅速に対応できるように設定しているものです。OIL1
の水準は国際基準文書であるIAEAのGSG-2に定められたものと比較
すると、その1/2となっており、即時に避難を要するものとして高すぎる
ものではないと考えています。
・ OIL2については、1週間程度の間に移転(避難)することを要する基準
として、今般の事故後に計画的な避難が必要とされた地域において計測され
た空間放射線量率等を踏まえて、より早い段階に一時移転と実施することが
できるよう設定しているものです。OIL2の水準は、前述のGSG-2に
定められたものと比較すると、その1/5となっており、早い段階から一時
移転の実施を可能とするものとして、高すぎるものではないと考えています。
との考え方を示しています。
〇 県としては、原子力災害が発生した場合には、可能な限り住民の方々が被ばく
しないよう、このような原子力災害対策指針に基づいて防護措置を実施すること
が重要であると考えています。
9
○追加分
9、県の今年度原子力災害対策予算の収支の明細は、どのようになっていますか。
また、市町への原発関連の交付金の明細はどのようになっていますか。
(答)
<県 平成25年度当初
事業名
原子力防災訓練費
緊急時対策調査・
普及事業費
防災活動資機材等
整備費
緊急時連絡網整備
等事業費
オフサイトセンタ
ー管理運営費
原子力災害対策予算>
財源(千円)
事業費
(千円)
国(交付金
県(一般財
等)
源)
9,540
9,540
7,673
7,673
64,561
64,321
備考
その他
原子力防災訓練経費
研修会開催、パンフ作
成等
240
49,018
49,018
緊急時対応システム維
持管理費等
13,050
12,899
5,956
5,956
204,535
204,535
7,882
7,882
8,759
5,590
5,637
5,637
151
オフサイトセンター放
射線防護対策等
業費
整費
緊急時医療施設等
運営費
緊急時医療施設等
設備整備費
被ばく医療施設整
備事業費
緊急時放射線モニ
タリング運営費
広報・調査等交付
金
合計
緊急被ばく医療ネットワーク
構築等
3,128
41
23,046
28,062
471,162
416,494
保守点検費等
ホールボディカウンタ
用車庫整備費
緊急時モニタリング資
28,062
43,443
薬剤購入費、測定機器
放射線測定機器更新
23,046
43,443
持管理経費
備更新費等
オフサイトセンタ
緊急時医療連絡調
オフサイトセンター維
オフサイトセンター設
業費
ー機能強化整備事
等(市町等配備分含む)
国、県、市町間連絡網、
オフサイトセンタ
ー設備機器更新事
防災資機材整備、保守
機材の維持・管理
玄海町、唐津市への間
接交付分含む
31,190
10
23,478
<市町に対する県からの原発関連の交付金>
1)電源立地地域対策交付金(電力移出県相当部分)
唐津市 196,309 千円
玄海町 196,310 千円
計
392,619 千円
(※水力発電等に係る分も含む)
2)広報・調査等交付金
唐津市
8,048 千円
玄海町 17,247 千円
計
25,295 千円
10、12 月 13 日の県議会特別委員会で井野博満東大名誉教授が参考人陳述を行い
ました。その中で、井野氏は九電の重大事故対策について以下の 2 点を指摘し
ました。(詳細は録画を見てください)
①メルトダウンしたときのコア・コンクリート反応(溶融燃料とコンクリートの
反応)による水素爆発と一酸化炭素爆発の危険性
②メルトスルーする場合、格納容器の底に水を張る対策での大規摸な水蒸気爆発
の危険性このように九電の申請している事故対策は安全だとは言えないようで
すが、以上の 2 点の揚合について安全だとお考えでしょうか。
(答)
○ 現在、原子力規制委員会の審査会合において、玄海原子力発電所3,4号機の
炉内で炉心が溶融し、溶融した炉心が格納容器下部に落下する事態に至るような
過酷事故が起きた場合のシナリオについても審査が行われているところであり、
県としても審査の状況について注視しているところです。
11、原発の安全の保証について
規制委員会は原発が新規制基準に適合していることを確認しますが、安全の
保証はしません。県は誰がどのような根拠で安全を科学的に保証すると考えて
いますか。
(答)
○ 原子力発電については、安全性が確保されることが前提であり、その安全性の
確認については、一元的に規制監督責任を有する国が厳格にしっかりと行ってい
ただくことが何より必要であると考えています。
○ 一方、国は「新成長戦略」において『原子力発電所の安全性については、原子
力規制委員会の専門的な判断に委ね、原子力規制委員会により規制基準に適合す
ると認められた場合には、その判断を尊重し原子力発電所の再稼働を進める』と
されています。
11
○
県としては、国が安全性を含めどのような考え方で最終的な判断をされようと
するのかということについて、しっかりと説明していただきたいと考えています。
12
Fly UP