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楽しみながら、よりよい動きを 身に付ける運動遊び
夏期授業づくりセミナー体育科 楽しみながら、よりよい動きを 身に付ける運動遊び ~子どもが、夢中になって運動遊びに取り組む中で、 各運動領域につながるよりよい動きを身に付けて いくための支援について一緒に考えましょう~ 山口大学教育学部附属山口小学校 藤井 学 徳光 哲生 1 本日の流れ 1 体育部研究テーマ&サブテーマについて 2 体育科で大切にしたいよりよい動きとは? 3 器械運動系の運動領域について 4 よりよい動きを身に付けていくための支援について ~2年生の実践例の紹介~ 5 体つくり運動領域について 6 よりよい動きを身に付けていくための支援について ~1年生の実践例の紹介~ 7 実技&フリートーク 1 体育部研究テーマ&サブテーマについて 研究テーマ サブテーマ 仲間と運動の楽しさを求めながら、動きを 高め合う体育科学習 ~動きへの自覚を高める支援で 個の運動へのかかわりを強くする~ 3 1 体育部研究テーマ&サブテーマについて 運動の楽しさとは? 自分自身の 変容を感じる 楽しさ 運動すること 自体に感じる 楽しさ 仲間と共に 取り組むこと の楽しさ 繰り返し運動に取り組む姿 4 1 体育部研究テーマ&サブテーマについて もっとできるように なりたい! もっとうまく なりたい! 子どもたちの 願い 夢中になって運動に取り組む姿 5 1 体育部研究テーマ&サブテーマについて 夢中になって運動遊びに取り組む姿 願いをかなえるための 課題追究活動 どこをどのように したらいいのかな? どんな取り組みを すればいいのかな? 6 1 体育部研究テーマ&サブテーマについて 動きを高め合うとは? 願いをかなえるための 課題追究活動 共に運動する 仲間の存在 あんな動きができる ようになりたいな! どのようにしたら いいのか、 教えて! 7 1 体育部研究テーマ&サブテーマについて サブテーマ 「動きへの自覚を高める支援で 個の運動へのかかわりを強くする」 動きへの自覚とは? 子どもが、今できる動きや めざす動き、自らの動きの 変容、取り組みのよさを捉 えているということ 8 1 体育部研究テーマ&サブテーマについて サブテーマ 「動きへの自覚を高める支援で 個の運動へのかかわりを強くする」 動きへの自覚を高めるために 達成度に関する 基準をはっきりさせる 「できたか」 「できなかったか」 動きを見合う視点を明 確にする 「体のどこを見るのか」 「どのポイントでの 動きを見るのか」 9 2 体育科で大切にしたいよりよい動きとは? ○ 低、中学年の子どもたちにとっての動き 様々な運動遊びや運動の中で得られる 運動感覚 ○ 高学年の子どもたちにとっての動き 運動を楽しむために必要な 技能 10 2 体育科で大切にしたいよりよい動きとは? 運動感覚や技能を伴った 動き 「大きさ」「高さ」「速さ」 「安定感」「リズム」を視点として より 大きく! より よりよい動きの 高く! よりよい動き 自覚化 11 3 器械運動系の運動領域について (現行) 学年 1・2 3・4 5・6 基本の運動 領域 走・跳の運動(遊び) 力試しの運動(遊び) 器械・器具を使っての運動(遊び) 用具を操作する運動(遊び) 水遊び 浮く・泳ぐ運動 表現リズム遊び 器 械 運 動 (新) 学年 1・2 器械・器具を 領域 使っての運動 遊び 3・4 器 5・6 械 運 動 12 3 器械運動系の運動領域について (新指導要領について) ○ 低学年の器械・器具を使った運動遊びの内容 ・「固定施設を使った運動遊び」 ・「マットを使った運動遊び」 ・「鉄棒を使った運動遊び」 ・「跳び箱を使った運動遊び」 ○ 中・高学年の器械運動 ・「マット運動」 ・「鉄棒運動」 ・「跳び箱運動」 13 3 器械運動系の運動領域について 器械・器具を使った運動遊び と 器械運動 ・・・内容とねらいの違いは? 器械・器具を使った運動遊び・・・ ・いろいろな動きに楽しく取り組み、基礎的感覚を 身に付ける。 ・自分の力にふさわしい動きを身に付ける。 ・支持、ぶら下がり、振動、手足での移動、 逆さ 姿勢、回転などの基本的な動きを身に付ける。 器械運動と関連の深い動き を意図的に取り組ませる 14 3 器械運動系の運動領域について 器械・器具を使った運動遊び と 器械運動 ・・・内容とねらいの違いは? 器械運動・・・ ・技を身に付けたり、新しい技に挑戦したりする時 の喜びを味わう。 ・より困難な条件の下でできるようになったり、より 雄大で美しい動きができるようになったりする。 ・同じ技を繰り返したり、技を組み合わせたり、安 定した着地ができるようになる。 ・集団で取り組み、技を組み合わせ演技する。 15 3 器械運動系の運動領域について 器械・器具を使った運動遊び と 器械運動 ・・・共に大切にしていきたいことは? ○すべての児童が動きや技を身に付ける喜びを 味わうことができるようにすること ○自己の能力に適した動きや技に取り組むことが できるようにすること ○課題の達成が易しくなるような場や補助具を しっかり活用すること ○自己の課題を明確にもって取り組むこと ○仲間同士が励まし合い、助け合って学習を進め ていくことができるようにすること ○安全な場を確保すること 16 4 よりよい動きを身に付けていくための支援 について~2年生の実践例の紹介~ 実践例 2年 器械・器具を使った運動遊び 「より高く、より遠くへジャンプ! 2-2跳び箱ワールド!」 カエルの足打ち&馬跳びで ウォーミングアップ!! 17 4 よりよい動きを身に付けていくための支援 について~2年生の実践例の紹介~ 本単元で取り組んだ技 踏み越し跳び 跳び乗り&跳び下り 跳び越し 出典 「わたしたちの体いく2年」 文教社 18 4 よりよい動きを身に付けていくための支援 について~2年生の実践例の紹介~ 本単元で取り組んだ技 本単元で大切にした動き スピードに乗った助走! 力強い踏み切り! 遠くで またぎ乗り&またぎ下り しっかり着手! ふらつかずに 両足でピッタリ着地! 19 4 よりよい動きを身に付けていくための支援 について~2年生の実践例の紹介~ 支援1 今もっている力や動きの高まりを認知し、 繰り返し運動にかかわる場を設定する ◎「どれだけの高さを跳び越せるのか(踏み越せる のか、跳び乗れるのか)」 ◎「どれだけの距離まで跳び下りることができる のか」 今の自分の記録、自分の力を はっきりと自覚できるようにする。 20 4 よりよい動きを身に付けていくための支援 について~2年生の実践例の紹介~ 支援1 今もっている力や動きの高まりを認知し、 繰り返し運動にかかわる場を設定する 跳び箱の 段数は? 何色のテープで 着手した? 何色のケン ステップに 着地できた かな? 21 4 よりよい動きを身に付けていくための支援 について~2年生の実践例の紹介~ 22 4 よりよい動きを身に付けていくための支援 について~2年生の実践例の紹介~ 支援2 動きについて見る視点を与えた上で、 具体的な動きのよさを問う 跳び上がる瞬間、腕 の動きを見てごらん。 どんな動きをしている かな? 23 4 よりよい動きを身に付けていくための支援 について~2年生の実践例の紹介~ 支援2 動きについて見る視点を与えた上で、 具体的な動きのよさを問う 着地する瞬間、脚の 動きを見てごらん。 どんな動きをしている かな? 24 4 よりよい動きを身に付けていくための支援 について~2年生の実践例の紹介~ 支援2 動きについて見る視点を与えた上で、 具体的な動きのよさを問う 着地する瞬間に、クッ ションみたいにやわら かく膝を曲げていた から、フラフラせず、 ピッタリ着地できてい たよ! 25 4 よりよい動きを身に付けていくための支援 について~2年生の実践例の紹介~ 支援3 動きを視点にかかわり合うペア学習を仕 組む この前、3段を踏み越せたから、 今日は4段を踏み越して、赤色 のケンステップにピッタリ着地 したいんだ! もっと、うでを前後に振ると遠 くへ跳べるよ!着地の時は膝 を曲げることを忘れずに! 26 4 よりよい動きを身に付けていくための支援 について~2年生の実践例の紹介~ 場の工夫について ○ 単元の前半 …跳び箱ワールド全体を周り、 全ての技を経験し、今の自分 の力を確かめる ○ 単元の中盤~後半 …自分の課題に合った場を選び、 よりよい動きをめざす 27 4 よりよい動きを身に付けていくための支援 について~2年生の実践例の紹介~ 場の工夫について 力強い踏み切りの大切さを実 感するために、ロイター板を 使ってジャーンプ! ・より遠くへ跳び下りることをめ ざして、着地点には黄・青・赤 の3色のケンステップを設置 ・着地地点の目安をもちやすく するために、細マットを設置 28 4 よりよい動きを身に付けていくための支援 について~2年生の実践例の紹介~ 場の工夫について ブロックマットの場で跳び乗りを すると、当たっても痛くないから 安心だね! 赤色のケンステップをめざして、 それ、ジャーンプ! 29 4 よりよい動きを身に付けていくための支援 について~2年生の実践例の紹介~ 子どもたちの振り返りから 何回も跳んでみて、着地の時は、かかとに力を入れ ると前に飛び出さないことが分かりました。 跳び下りで、跳ぶ瞬間に膝を曲げて脚に力を入れて 跳ぶと赤までいけました。もっと脚に力を入れたいです。 跳ぶ時はミサイル!着地はパラシュート!そんな気 持ちでやってみるとうまくいきました。 跳び越しや踏み越し跳びの時に、つい、両足踏み切り になってしまったけど、何回も何回もやったらできました。 30 4 よりよい動きを身に付けていくための支援 について~2年生の実践例の紹介~ 子どもたちの振り返りから 両足で踏み切るところを、片足で踏み切っていることを ペアの人に教えてもらった。踏み切り方にも2種類あ ることが分かった。 跳び下りでペアの人が「腕を前と後ろにもっと振る といいよ!」と教えてくれました。やってみると、最 後には赤を越えることができました。 ペアの人にアドバイスを言ってあげることができ てうれしかったです。 ペアの友だちが「膝を曲げるといいよ!」と言っ てくれて、試すとピタリと着地できました。 31 4 よりよい動きを身に付けていくための支援 について~2年生の実践例の紹介~ ま と め ☆ 動きの変容を子どもたち自身が(ペアの 相手が)確実に見て分かる、感じて分かるこ とができれば、よりよい変容を求めて運動へ のかかわりを一層強くすることができる。 ☆ よい動きができる仲間の姿を目の当たり にすると、確実に子どもたちは憧れの気持ち を抱き、めざすべき動きとして近づこうと努 力する。 ☆ 動きを見合う視点を具体的にもてると、 子どもたちは多くの気付きを導き出すことが できる。 32 4 よりよい動きを身に付けていくための支援 について~2年生の実践例の紹介~ ま と め △ 結果としての「できたか、できなかったか」 のみにこだわると、その過程における動き への注目度が弱くなる。 △ ペア学習においてはペアのみの世界に 陥りやすくなるため、他のペアとどのよう にかかわらせるかを考える必要がある。 △ 個々の子どもたちの願いは様々である ため、それらの願いの実現に向けて、さら なる場の工夫の必要性がある。 33 第93回 初等教育研究発表大会 開催日:12月3日(金) 再び、皆様にお会いできることを 楽しみにしております。 楽しみながら、よりよい動きを 身に付ける運動遊び 本日は、ご参加いただき、 ありがとうございました。 山口大学教育学部附属山口小学校 藤井 学 [email protected] 34