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(仮称)市川市文学館整備事業基本計画(中間案)
(仮称)市川市文学館整備事業基本計画(中間案) 平成20年10月 市川市 1.はじめに (仮称)市川市文学館整備事業基本計画(中間案) 1 (仮称)市川市文学館は、現在の市川市生涯学習センター内、映像文化センター・文学プラザ部分 に設置するもので、文学館機能(文学プラザ機能)を主軸に映像文化センターの機能を取り入れた 施設とする。また、同時に中央図書館や中央こども館、教育センター等の生涯学習センター内の他 の施設との機能的な連携を図っていく。 <ソフト面> <ハード面> ○展示面積の拡大 ○収蔵庫等の資料管理環境の整 備などの機能拡張を行う。 映像文化 センターとの 機能融合 文学プラザの 機能拡張 (仮称) 市川市文学館 ○文学資料・情報の収集とデジタル 化 ○映像・音響装置を利用した展示演 出などの機能拡張を行う。 生涯学習 センター内の 機能連携 <映像文化センターの基本機能> ○多彩なメディアの体験の提供 ・映像、写真、その他 ○市民の表現活動や学習の場 の提供 ※これらの機能を文学館と融合 させる。 近隣文化施設 ・機関との連携 <生涯学習センター内機能> ・中央図書館 ・中央こども館 ・教育センター などとの機能連携を図る。 2.基本的な考え方 (仮称)市川市文学館整備事業基本計画(中間案) ■現施設(文学プラザ・映像文化センター)のリニューアルの基本的な視点 文学プラザ リニューアルの基本的な視点 映像文化センター リニューアルの基本的な視点 文学に親しみ、作品に描き出された市川の風土 への愛情を育む、新しい型の文学館を目指す。 日々めまぐるしく変化し続けるメディア、 その利活用ニーズに対応できる、新たな市民活 動拠点を目指す。 ■現両施設の一体化による相乗効果 文学に親しむ機会の創出 表現活動の機会の創出 市川ゆかりの文学は多彩で、文学ファンにとっては それぞれの作品や関連資料を堪能できるだけで十 分満足できるラインナップとなっている。 しかし、文学に対してあまり親しむ機会がなかった来 館者に対しても、文学に興味を持ってもらう機会を 提供することが必要。 映像等の様々なメディアを活用することでそのきっ かけを創出し、市川の文学への扉を開いてもらう。 文学作品が醸し出す独自の世界観や郷土市川 の情景は、様々な表現活動の魅力的な素材にな りうる。 このような素材の提供から映像制作や写真展、演 劇など市民の文化的な表現活動へとつなげてい く。 また作品(表現成果)を随時ストックすることで、市 民が市民を触発する新しい市川メディア・アーカ イブスを蓄積していくことができる。 両施設の一体化 による相乗効果 多彩なメディアを通じて市川文学に親しみ、市川文学を出発点として様々な表現活動に取り組む、 市川の新たな文化交流施設として(仮称)市川市文学館を展開。 2 3.整備の基本方針 (仮称)市川市文学館整備事業基本計画(中間案) ■市川市文学館は、次に掲げる①∼⑤の特徴を持つ施設を目指す。 ①裾野の広い文学・映像の顕彰・紹介施設 本施設は、小説や詩歌はもちろん、演劇や映画、演芸など多彩なジャンルの作品・作家を対象とし、従来の文学館の枠を 超えた市川市の文学・映像文化の発信拠点となる。 ②幅広い層に受け入れられる展示展開 本施設では、専門家が満足できる学術的な展示から、映像等を取り入れた誰もが親しみやすい展示まで、より幅の広い層 に文学に親しんでもらえる展示手法を効果的に取り入れる。 ③市川市の文学・映像の収集・調査・研究拠点 本施設では、収集・調査・研究機能を十分に重視し、収蔵スペースや作業室等の文学館バックヤードの充実化を図るとと もに、情報はデータベース化し、アーカイブとしての役割を果たす。 ④市民の文化活動拠点 本施設では、市民による文学・映像・演劇その他の鑑賞・体験・学習・制作・発表などの機会を提供するだけでなく、市民 が主体的に利用し、新たな文化活動を展開できる拠点とする。 ⑤街かどミュージアムの中核施設 本施設は、文学館であると同時に、市内の様々な文化的資源を紹介できる「街かどミュージアム都市」構想の中核施設とし ての性格を併せ持つ。 3 4.施設構成の考え方 (仮称)市川市文学館整備事業基本計画(中間案) 4 本整備においては、2階及び3階の役割を分担させ、幅広い利用者層が楽しめる構成を目指す。また、 1階の生涯学習センター入口から文学館へと誘うアプローチの仕掛けづくりも行っていく。 2階 生涯学習 センター 入口 1階 1階-2階 インフォメーション ゾーン アプローチ 誘導 2階-3階 市川文学・映像 交流ゾーン 1.文学館への誘い 2.文学・映像に親しむ 【インフォメーションゾーン】 【市川文学・映像交流ゾーン】 生涯学習センターを訪れた来館者に文学 館に関する様々な情報を提供し、文学館 へと誘導する役割を持つ。 文学館利用を促進するゾーン。 ■主な機能: ・展示案内機能 ・活動案内機能 など 【図書館・子ども館・カフェテラスとの連携】 3階 市川の文学の多彩なジャンルと深い歴史の全体像 を捉えることができるガイダンスのゾーン。 グリーンスタジオやベルホールなどの既存諸室を活 かしたイベントや市民活動も積極的に行う市民交流 の場となる。 ■主な機能: ・展示機能(主題展示 企画展示) ・展示ガイダンス機能(市川文学マップ 受付) ・映像ワークショップ機能 ・表現活動支援機能(グリーンスタジオ ベル ホール) ・管理・事務室 映像管理室 など 【近隣文化施設・機関との連携】 市川文学・映像 探求ゾーン 3.より知識を深め、蓄積する 【市川文学・映像探求ゾーン】 個々の作品や作家に対する調査・研究・アー カイブゾーン。誰でも立ち寄れるサロン的な雰 囲気をめざす。 文学研究や資料整理を行うスペース、収蔵庫 など本格的文学館の調査・研究機能を備える。 ■主な機能: ・調査・研究機能(学芸作業室) ・アーカイブ機能(収蔵庫 データベース) ・ワークショップ機能 ・文学サロン など 【教育センターとの連携】 5.フロア整備方針 2階 (仮称)市川市文学館整備事業基本計画(中間案) 2F:文学や映像への興味のきっかけをつくり新たな探求心を育むフロア ■フロア整備方針のポイント ○閉じられた文学館ではなく、開放的な空間とする。 ○展示については、文学への興味を引き出すような構成とする。 ○グリーンスタジオやベルホールは朗読会や映画上映会等のイベントに活用し市民交流を促進する。 ○改修にあたっては、コスト・工期の効率化のため極力既存壁を活かすものとする。 ▼フロア構成概念図 主題展示ゾーン 市川文学を網羅的に紹介 する展示スペース。 企画展示ゾーン 多彩な市川ゆかりの文 学を紹介する企画展示 スペース。 図書館共用書庫 (既存) 映像研修室(既存) 映像ワークショップ 映像・写真の加工、資 料の整理など市民の メディアワークショップ の場。 ギャラリーゾーン ミニ企画展や市民の写 真等を展示するギャラ リー。 グリーンスタジオ(既存) ベルホール(既存) 上映会や講演会、音楽会など大型イ ベントに活用。 小規模上映会や朗読会 など小型イベントに活用。 講座や市民の研修 活動に活用。 文学館事務室 映像管理室 5 6.フロア整備方針 3階 (仮称)市川市文学館整備事業基本計画(中間案) 3階:市川文学を本格的に調査研究するフロア ■フロア整備方針のポイント ○貴重な資料を収蔵できる本格的な設備を備える。 ○資料の調査・整理・研究のスペースを備える。 ○改修にあたっては、コスト・工期の効率化のため極力既存壁を活かすものとする。 ▼フロア構成概念図 文学サロン サロン的な側面をもつ資料 室。文学館の資料や作品に ついてレファレンスサービス を受けることができる。市川 文学データベースの閲覧に も対応。 ワークショップ 学芸室 収蔵庫 市民サポーターの活動をは じめ、さまざまな市民活動の 場となる。 学芸作業室として寄贈資料 の整理や、市川ゆかりの作 家・作品についての調査研 究活動を行う。 貴重な資料の収蔵。 ※企画展示等につかう借用 資料の一時保管場所として も活用。 6 7.主題展示ゾーンの構成 (仮称)市川市文学館整備事業基本計画(中間案) サブテーマ: 映画・テレビ・舞台 サブテーマ: 日記・戦後の市川 サブテーマ: 演劇・小説 井上ひさし −ペンの持つ力 − 20年にわたって市川で小説・ 戯曲などの創作活動を行い、 今なお、旺盛な作家活動を続 けている井上作品の魅力を紹 介し、演劇や文学が、社会に 果たす力を紹介する。 企画展示 市川ゆかりの文学 サブテーマ: 市川と詩歌 水木洋子 永井荷風 −映像と文学の懸け橋− −散歩と記録の達人− 戦後日本映画の黄金時代 に活躍した水木洋子の生涯 と作品を通じて、文学と映像 の両ジャンルの魅力を伝え るとともに、本施設の中核資 料の意義を紹介する。 市川を終焉の地とした文豪永 井荷風の市川時代の活動を、 主に街歩きと記録の達人として、 また生活者としての側面に光を 当てて紹介する。 詩人・宗左近は、母の死を主題 とした根源的な詩をはじめ、縄文 や宇宙に響く豊かなことばを紡 ぎ出してきた。そのことばの音声 言語としての魅力を体感できる 展示とする。 小島貞二 市川には史跡・文学碑・作家邸 など、文学にまつわる様々な文 化資源がある。これらの情報を 集約し地図上に示す。また、市 川の文学のイメージや概要を伝 える映像を投影できるようにもす る。 −演芸に笑いに相撲に− 落語をはじめとする演芸・笑文 芸・相撲など、幅広い分野にわ たって活躍した小島貞二の業績 を、寄贈資料を通して紹介。 手児奈に始まる文学の扉 昭和の市川に暮らした作家 昭和時代になると、中野孝 次、郭沫若、幸田露伴一家 など、多くの文人が市川に 暮らし、作品に描いてきた。 その足跡を紹介。 近代文学の舞台として −明治∼大正時代の市川− 明治時代、鉄道の開通により、 東京近郊の景勝地として著名 な文人が訪れた。大正時代に は、北原白秋、吉植庄亮など が市川に仮寓し、生活者とし て市川を作品に描いた。その 足取りを紹介。 サブテーマ: 現代文学と市川 サブテーマ: 昭和文学と市川 宗左近 −詩歌・ことばの響き− 市川文学マップ 多彩な作家たち 市川の文学に関わる文人 は、時代、分野、市民活動 など、非常に多彩な展開を している。その広がりを視覚 的に実感できるような展示 をする。 7 サブテーマ: 明治文豪と市川 サブテーマ: 市川と古典 −万葉の時代から近世まで− 市川文学の源泉として“真間 の手児奈”伝承を紹介し、近 世には、雨月物語、南総里 見八犬伝の舞台となり、松尾 芭蕉や小林一茶ら多くの文 人が、市川を訪れた歴史を 概観する サブテーマ: 演芸・放送作家