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Japan Book in Japanese 16

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Japan Book in Japanese 16
三洋電機
会社概要
三洋電機株式会社(SANYO Electric Co.,
Ltd.; 以下「三洋電機」と表記)は、1950年に
設立された、米フォーチュン誌発表による「フ
ォーチュン500」にも登場する会社である。同
社は設立以来、充実した家庭用電化製品/電気
機器メーカーへと成長を遂げて来ている。同社
では、情報通信機器、家電製品、業務用機器、
充電式電池、電子機器等の幅広い製品を製造・
販売している。
三洋電機はグループ制を導入しており、コンシ
ューマー、コマーシャル、コンポーネント、そ
の他と、事業セグメントごとに大きく4つのグ
ループに分かれている。2006年3月末時点で、
製造会社82社、販売会社46社、その他36社を
擁し、従業員数は全世界で106,389人、2006年
3月31日を年度末とする2005年度の売上高は、
211億4,000万ドルであった。
インドにおける三洋電機
三洋電機は1982年、インドの家電メーカー大手
BPL社と技術提携を結んでインド市場に参入し
た。この契約に基づいて、同社はBPLに対し、
カラーテレビ、冷蔵庫、コンプレッサー、洗濯
機、コンポーネント、アルカリ電池に関する最
新技術を供与した。現在、インドの子会社2社
を通じて事業を展開している。
• 三洋BPLプライベート・リミテッド(SANYO
BPL Pvt. Ltd.; 以下「三洋BPL」と表記)
三洋インディア・プライベート・リミテッド
(SANYO India Pvt. Ltd.; 以下「三洋インデ
ィア」と表記)
三洋BPL
三洋BPLは、BPL社と三洋電機との間に設立され
た出資比率50:50の合弁企業である。同社の設
立は2005年で、BPLが製造、販売、サービス、
マーケティング分野のサポートを行い、一方の
三洋電機はR&D分野のサポートを担当し、合弁
会社に最新技術を提供してきた。
三洋BPLはこれまで同合弁会社に7,000万ドルを
投じており、現在、BPL製品は5,500の特約販売
店や複数ブランドを扱う小売店を通じて、イ
ンド全土で販売されている。昨年の売上高は
1,800万ドルであった。インド国内には、バン
ガロールにカラーテレビの組立工場があるほ
か、カラーテレビ以外にも、プラズマテレビや
CRT(ブラウン管)テレビ、リアプロジェクシ
ョンテレビなどの高級製品も販売している。
三洋インディア
三洋インディアは、三洋電機が100%出資する
完全子会社であり、電子レンジやLCDプロジェ
クター、冷蔵庫、エアコン、洗濯機、オーディ
オ機器、セキュリティシステムなど、幅広い消
費者向けの製品をインドで販売している。
成功の要因
高品質の製品
新規参入組でありながら、三洋インディアはイ
ンドの国内市場で高いシェアを獲得しており、
その背景には同社製品の品質の高さがある。同
社製品の品質の高さは世界的に知られており、
その価格の高さにかかわらず、インドの消費者
にも同社製品の愛用者は多い。
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革新的な製品ポジショニング
三洋インディアでは、カラーテレビをはじめと
する製品のポジショニングを効果的に行ってき
た。その戦略は以下の通りである。
• 独自の価格スキームを導入する
• 対象製品に徹底して重点を置く
• 交換部品を確実に入手できるようにする
• 量産セグメント、プレミアムセグメントとも
に幅広い製品ラインナップを揃える
BPLブランドを活かした販売戦略
三洋は、インドで知名度の高いBPL社との技術
提携を通じて、過去25年間にわたりインドでの
事業を展開してきた。BPLのブランド力や販売
ネットワーク、製造インフラ、サービスインフ
ラを武器にインド市場で強力な地盤を築き上げ
た。
将来計画
三洋BPLでは、2008年-2009年度を目途に5億ド
ルの売上高目標を掲げるとともに、インド国内
におけるカラーテレビ分野でのシェアを引き続
き拡大させ、今後2、3年以内に同分野で16%の
シェアを獲得することで、2006年-2007年度を
目途に全体で6%のシェアを実現したいとして
いる。さらに、今後2年以内にカラーテレビ販
売用に16,000店、その他の家電製品の販売に
6,000店の小売店を確保するとしている。
三洋インディアでは、バイオメディカル機器や
携帯電話、デジタルカメラをインド市場に導入
する計画を立てている。
また、三洋電機はインドでのコマーシャル/イ
ンダストリアル・セグメント分野における存在
感を更に高めるための取組みを実践しているほ
か、生鮮製品を消費者に届けるための保冷庫チ
ェーンの確立を目指している。
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