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有機電子デバイスの薄膜成長
産学連携をめざす研究シーズ 有機電子デバイスの薄膜成長 ■応用分野・共同研究希望テーマ ・有機エレクトロニクス ・有機材料と有機/無機界面における電子物性及び電荷輸送 ・分子の自己集合・自己組織化 フリードライン ライナー マテリアルサイエンス研究科 准教授 TEL: 0761-51-1580 FAX: 0761-51-1149 E-Mail: [email protected] http://www.jaist.ac.jp/ms/labs/friedl/ ■キーワード ・ハイブリッド有機/無機界面 ・結晶・電子構造 ・光電子分光法 ・有機電子デバイス 背景と目的 有機電子製品はすでに市場に広く出回っていますが、そのデバイスの多くの電子過程はまだ一部しか理 解されていません。太陽電池や薄膜電界効果トランジスタで採用されている有機電子デバイス構造の機 能には、ハイブリッド界面や使用されているアクティブ有機材料内部の構造と電子物性を制御すること が特に不可欠です。 セールスポイント 私たちの研究室では、金属と半導体基板上の高配向有機薄膜の分子結晶構造と電子物性の密接な関係を 理解する研究に重点を置いています。実際にデバイスで使用される材料、またはそれらからインスピレ ーションを受けた材料システムにおける電荷輸送に関する基本プロセスを理解するため、電子線回折法 と角度分解紫外光電子分光法(ARUPS)を用います。その理解に基づき、電荷注入と電荷移動を最 適化できます。それゆえ私たちの研究は、デバイスの解析化学的デザインと機能とのギャップを埋める ものです。 企業へのメッセージ 有機薄膜構造のプロセスと解析の双方における私たちの専門知識は、基本プロセスの理解に基づくデバ イス構造の効率性の向上を目指した共同研究のための優れた基盤となります。私たちは特に、デバイス 構造における電荷注入特性とエネルギーレベルアライメントの理解を専門としています。 さらに、有機太陽電池や発光デバイス、電界効果トランジスタを改良するための化学的デザインに役立 つと考えられる新しい材料の構造と電子物性を調べ、スクリーニングすることができます。 有機高移動度薄膜システム: 高性能な有機エレクトロニクスの応用には、有機層中や有機/電極界面における高速電荷輸送が必要で す。有機デバイス作製上の基本的な問題の一つは、高度な構造上の規則性を実現することです。欠陥が あると、キャリアが散乱またはトラップされるからです。しかし、膜厚を増大させても単一のエピタキ シャル関係が保たれる成長が起きない限り、そうした高配向性をもつ膜は得にくいのです。 電子薄膜バルク特性の制御 成長メカニズムの理解 ・電子構造 ・第一層 ・多層薄膜 規則性/不規則性 ・基板誘起成長 対 3Dバルク結晶 応用 (太陽電池、FET、 OLED等) 金属/ 概要 半導体/ 誘電体 界面工学 ・電荷注入のためのレベルアライメント 共役/芳香族/ 有機材料 ・界面の静的相互作用 ・電荷の動的挙動および電荷-振動結合 半導体と有機エレクトロニクスの統合: 現在、半導体エレクトロニクスと有機エレクトロニクスは、ほとんど別分野となっています。統合を実 現し、究極的な性能をもつハイブリッド型の半導体/金属/有機電子デバイスを作るためには、無機の エピタキシャルバッファ層を導入してシリコンウェハー上に高度な規則性をもつ有機薄膜をエピタキシ ャル成長させることが不可欠です( 「二重のヘテロエピタキシー」) 。なぜならシリコン(111)表面上に 高度な規則性を持つ膜は直接に得られないからです。そうした薄膜技術にはとりわけ、さらによい、識 別できる表面特性、膜のより高い規則性、構造上の優れた電子性能をもたらす極めて制御可能な利点が あります。 大気条件が有機薄膜デバイスの性能に及ぼす影響: ほとんどの有機電子材料の電子物性は、環境要因、特に酸素と水の存在に極めて敏感です。私たちは、 電子物性と電荷輸送特性に及ぼす酸素と水の影響について研究しています。 ◎研究段階…(着想・基礎・応用・開発) 今後の見通し 光電子分光法と電子線回折法という強力な技術を用い、私たちは有機/無機薄膜システムのプロセスと 性能に関する多くの基本的な問題や応用問題に取り組んでいます。この研究は、さらによい、新規の識 別できる物性、薄膜のより高い規則性、また有機電子デバイス構造における優れた電子性能に繋がると 期待されています。