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Shipper サンデン
Shipper サ ン デ ン 海異 外業 生種 産間 シコ フン トテ 、ナ グ協 ロ同 ー利 バ用 ルな 物ど 流効 変率 革化 へ推 進 リポート カーエアコン用コンプレッサーで世界シェア25%を誇るサンデンは、 さらなるコスト競争力強化と顧客満足度向上のため、海外生産比率を高め る。現在、欧州・北米・アジア/豪州・日本の4極体制で事業を展開してい るが、日本が世界生産の半分以上を担う製造拠点の役割を果たしている。 今後は中国やインドなど成長市場への事業展開を加速するとともに、現地 で設計・生産・販売を行う体制の構築を急ぐ。 「海外に生産をシフトしてい く場合、グローバルな物流をどのように変えていくべきか」─この命題 に対し、AEO(認可経済事業者)制度の活用や、異業種荷主間のコンテナ 協同利用などのユニークな取り組みを推進しながら、よりグローバルな 視点で物流効率化に挑む同社の現況をリポートする。 CARGO SEPTEMBER 2008 なっている。 一方、日本への輸入は①コンプレッサ ー関連の部品②ショーケース関連の製品、 部品③日本から輸出する際に輸送したパ レットの返却─の3つがメーン。コンプレ ッサー関連の部品については、日本で調 達できない規格の部品を一部、フランスと ポーランドの工場から輸入している。 ついては全世界の各工場で実施しており、 コンプレッサー世界シェア25% 東京本社はタッチしない。日本国内の原 サンデンが展開するのは①自動車機器 料調達ルートの選定などは、物流本部国 システム (カーエアコン用コンプレッサー、 サンデンの製品ラインナップ 内グループが一手に手掛ける。 グローバル物流を変革 物流効率化のための同社のユニークな 間は基本的にその航路に強い船社を起 蔵ショーケース、飲料の自動販売機など) 取り組みとして、 「異業種荷主間のコンテナ 用している。なお、海上輸送と航空輸送 ③ECO・住環境システム (空調機器、給湯 「生産の海外シフトに伴い、グローバル 協同利用」 (同)がある。これは、輸出企業 の比率は9対1で、航空輸送はイレギュラー 器など)─の3事業。2008年3月期の売 の物流をどのように変えていくべきか」 (藤 であるサンデンが輸入企業と提携し、相 な緊急輸送用という位置付けだ。 好リーダー)─。サンデンは全社の中期 手企業が輸入に使った空コンテナをサン このほか、2000年から自社通関を行っ 計画に基づき、各本部が中期のアクション デンが輸出に利用するなど、コンテナを荷 ているのも特徴だ。サンデンが保税を税 熱交換器など)②流通システム (冷凍・冷 上高は、07年同期比8.7%増の2637億2800 フランス工場 万円と堅調に推移したが、自動車機器シ ステム事業がこのうちの7割以上を占める りながら現地法人をフォローアップする。 プランを策定しているが、物流本部もこの 主2社で相互に融通し合うというもの。同 関に申請し、保税エリアで実施する。ま 主力事業となっている。特にカーエアコン ただ、最近は3国間の物量が増加傾向 命題に対する実行計画をこのほど策定し じキャリアを起用し、かつ近郊に工場を た、その延長としてAEO制度の認証を取 用コンプレッサーのグローバルシェアは にあるため、 「何らかの形で本社が関与す た。詳細は明らかにされていないが、 「地 持つ企業に対して提携を持ち掛けており、 得する方向で現在準備を進めている。 25%に達する。また、中国に同製品関連 る率は高くなってきており、納品先へのデ 域ごとに、どこで生産してどこに運ぶのが 対象とした工場は「CO2排出量は単純計 の工場を4カ所構えており、中国国内での リバリーまで本社がカ 最適か。最適な物流システムを構築する 算で半分になるほか、ドレージ費用を約4 シェアは50%超。08年3月期はその自動車 バーするケースも増え にはどこに力を入れていくべきか。力を 割削減している」 (藤好氏) という。ビッドの 今後は成長市場への事業展開をさらに 関連事業が牽引し、営業利益が58.7%増 ( 物流本部海 ている」 入れる際に何が必要か。売上に対する物 結果、提携先企業と起用船社が同じでな 積極化する。中国では既に自動車部品関 の107億1500万円、経常利益が倍増の91 外グループ・藤好直幹 流費用の比率はどのようにあるべきか」 くなることがある点や、提携を持ち掛ける 連の工場を4カ所、ショーケース関連の工 億4000万円、当期純利益が94.8%増の50 リーダー) という。なお、 (同) など、それぞれのポイントについて具 際のチャネルが限られる点、またコンテナ 場を1カ所、計5拠点を構えているが、近 億1900万円と、大幅な増益を達成した。 通常は製品を20フィー 体的な戦略を策定し、それに沿って物流 破損時の保障の問題など、難しい取り組 く江蘇省の呉江市に新たな工場を建設す 海外生産シフトを加速 トコンテナ、部品を40 の最適化、効率化を推進していく。 みではあるが、06年秋ごろから日本を中 る計画を明らかにしている。コンプレッサ 心に本格的に開始。これを欧州、北米な ー関連の工場となるが、操業時期は最終 ど世界の各工場に展開し、世界規模で物 調整中。藤好リーダーは「中国には5つの 流効率化を図るべく検討を進めている。 生産拠点があるが、拠点間の交流がほと サンデンの国際物流は、東京本社の物 54 欧州45%、北米30%、アジア・豪州25%と また、サプライヤーからの原料調達に けんいん (SDCシリーズ) カーエアコン用コンプレッサー 示す。日本からの輸出の地域別シェアは、 フィートコンテナで輸 藤好リーダー 送する。 流本部海外グループが管轄する。製品と 日本からの輸出の内訳は現在、製品が 中国・呉江、インドに新工場 部品を含めた07年の全世界の輸送量は、 約6割、部品が約4割。海外で設計、生産、 「最近は複数の船社を起用するメーカ んどない。それぞれの工場が片道だけで 20フィートコンテナ換算で06年比約9%増 販売を一貫して行う体制が整備されつつ ーが多いので、コンテナ協業のチャンスは 輸送するのではなく、連携して物流の全体 の約8700TEUだった。このうち、日本発 あるとはいえ、依然として日本国内の生産 増えている」と藤好リーダーは話す。その 最適化、効率化を図っていく」 としている。 着は約7割、3国間は約3割。3国間につい 比率は高い。藤好リーダーは「中長期的 言葉どおりサンデンの起用船社は「全世 また、インドに自動車関連事業の新工 ては、基本的には各現地法人の物流部門 には日本出しの製品と部品の比率を逆転 界で15社程度」 (同) 。北米や欧州など、地 場を09年初稼働予定で立ち上げ、新興マ が、原料調達先や納品先との物流を担 させる」として、日本は部品の供給にシフ 域ごとにメーンキャリアとサブキャリアを ーケットを掘り起こす。 当。東京本社は、必要に応じて連携を取 トし、海外生産比率を高めていく方針を 赤木工場(群馬県前橋市) 起用し貨物を分散させているほか、3国 (松下 優介) CARGO SEPTEMBER 2008 55