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(除く日本)の見通し - 日興アセットマネジメント

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(除く日本)の見通し - 日興アセットマネジメント
グローバル投資展望
2015 年 11 月 30 日
Evolving Markets
focus
欧州株式およびアジア株式(除く日本)の見通し
米連邦準備制度理事会(FRB)は金融刺激策の実施によっ
て企業収益を拡大させることに成功したが、欧州中央銀行
(ECB)はこれまでのところ、同様の成果を達成できていな
い。本稿ではまず初めにその動向に関するマルチアセット・
クラス・チームによる分析結果を紹介し、投資家は欧州の収
益回復を期待すべきかどうかについて当社の見解を述べ
る。
日本は 2015 年半ばに再び定義上の景気後退局面に入っ
たことが明らかになったが、本稿の 2 番目のテーマとして、
株式投資家は軟調な日本のマクロデータを深刻な懸念要因
と考えるべきではないとするいくつかの理由について述べ
る。
最後に、日本を除くアジアの PBR(株価純資産倍率)が過去
最低水準に低下し、投資家に絶好の投資機会が到来してい
ることについてシンガポール・チームのレポートを紹介する。
MSCI チャイナ指数の実績株価純資産倍率
6.0
5.0
4.0
3.0
2.0
1.0
1.22x in Apr 03
1.51x in Oct 08
1.36x in Jun 13 1.32x
now
0.0 0.43x in Aug 98 0.54x in Feb 00
Dec-95 Dec-97 Dec-99 Dec-01 Dec-03 Dec-05 Dec-07 Dec-09 Dec-11 Dec-13
China - Trailing PB
出所:クレディ・スイス、2015 年 9 月 30 日
韓国ウォンの対円レート(JPY/KRW)
16
14
12
10
8
6
マーケットウォッチ
当社は、韓国ウォンがリーマン・ショック後のほぼ全期間を通じて、
IMF の監視下にあった 1990 年代後半を下回る低い水準にあり、特に
日本円に対して実態より低く評価されていることを長年にわたって主
張してきた。ここ 2~3 年は多くの通貨に対して大幅に上昇したもの
の、まだ過小評価されていると思われる。同国経済は日本(および他
のほとんどの国)をはるかに凌ぐ堅調さを維持していることに加え、貿
易黒字と経常黒字は極めて高水準にある。2014 年の GDP 比での経
常黒字幅は 6.3%で、アジア通貨危機が発生した 1998 年を除き、1990
年以来最高水準に達している。2015 年には 7%を超えると予想され、
低下する見込みはない。6 月以降、韓国ウォンは下落に転じたが、現
在は対米ドルで過去 5 年間の平均水準に回復している。韓国の対外
収支が著しく悪化しない限り、中期的には米ドルおよび円に対し上昇
基調を回復すると当社は予想する。
出所:ブルームバーグ、 2015 年 11 月 20 日現在
本文書末尾の免責条項ご確認ください。
ECB の量的緩和は米国と同じように企業収益を
押し上げたか?
2015 年 11 月 9 日
タヌ-ジュ・ダット、ポートフォリオマネージャー
ECB の量的緩和が欧州の経済成長と企業収益に及ぼす効果
を巡っての期待感が高まっていたが、欧州企業の収益見通し
は依然として不透明である。図表 1 は、欧州企業の 2007 年以
降の EPS 予想の変化を示している。各年の収益予想は、実体
経済の回復が予想通りでないことが明確になるにつれて低下
している。2015 年の収益予想も低下を続けていたが、ECB が
量的緩和プログラムに基づく国債買い入れを発表した 2 月に
ようやく安定した。
ユーロストックス50構成企業のEPS予想
(EUR)
図表 1:ユーロ圏の収益予想
450
Quantitative Easing
2009
2011
2013
2015
2008
2010
2012
2014
2016
ECB の量的緩和発表直後の当社レポート 1 で、当社は欧州の
量的緩和がもたらす企業収益回復の可能性を取り上げた。当
社は米国における過去の量的緩和と企業収益の関係を分析
することで、欧州の量的緩和が収益を押し上げる少なくとも 3
つの要因が存在すると結論づけた。



インフレ期待の上昇
ユーロ安による輸出競争力の向上
欧州金融セクターの業績回復
当時の結論は「米国で見られたような収益の回復(図表 2 を参
照)は欧州でも可能性があるが、絶対に起こるものではない」と
いうものである。このことは、2015 年の収益予想線が上向いた
ことによって確認できるが(図表 1)、この傾向は反転し、現在
は年初よりも低い水準にまで落ち込んでいる。弱気な見方が
復活した大きな要因は、フォルクスワーゲンの不正事件とドイ
ツの輸出産業全体への悪影響、およびコモディティー価格の低
迷であることは明らかである。しかしながら、本稿では、上記要
因の動向を詳しく分析し、それぞれの効果を検証する。
400
インフレ期待
350
300
エネルギー価格の下落、世界経済の減速、世界貿易の低迷と
いう強いディスインフレ環境の中で、インフレ率とインフレ期待
を引き上げることは困難であった。
ドル高と新興国の外貨準備高の減少が引き起こした事実上の
世界的な金融引締めは、インフレ率にとり新たな押し下げ圧力
となっただけだった。図表 3 に示すように、市場が織り込んで
いる欧州のインフレ期待は量的緩和の発表直後には上昇した
が、その後すぐに再び下がり始め、下落を続けている。
250
200
150
出所:ブルームバーグ
図表 3:欧州のインフレ期待 ‐10 年ブレークイーブン・
インフレ率
160
140
120
100
80
60
Quantitative Easing
2009
2011
2013
2015
2008
2010
2012
2014
2016
Germany
10年国債利回り ‐ 物価連動国債利回り
(%)
S&P 500構成企業のEPSのコンセンサス
予想(米ドル)
図表 2:米国企業の収益予想
France
Italy
3.0
2.5
2.0
1.5
1.0
0.5
0.0
40
出所:ブルームバーグ
出所:ブルームバーグ
一方、図表 4 に見られるように、米国では FRB が量的緩和を
発表するごとにインフレ期待が急上昇した。網掛け部分は、量
的緩和(ツイスト・オペを含む)の実施期間を表している。
Page 2 of 11
本文書末尾の免責条項ご確認ください。
ECB の量的緩和は米国と同じように企業収益を
押し上げたか?
図表 5:ユーロの為替レート
160
3.0
140
2.5
2.0
1.5
1.5
EUR/USD
1.4
130
1.3
120
1.2
110
1.1
100
1.0
0.5
1.6
150
US Break Even Inflation Rate
EUR/JPY
10年国債利回り ‐ 物価連動国債利回り
(%)
Quantitative Easing
EUR/USD
図表 4:米国のインフレ期待と量的緩和
1
EUR/JPY
90
0.9
80
0.8
0.0
出所:ブルームバーグ
出所:ブルームバーグ
しかし、米国にてさえ、量的緩和は回を追うごとにインフレ期待
の引き上げ効果が小さくなっていった。投資家は、金融緩和政
策の持つインフレ率引き上げ効果の限界(暖簾に腕押しと言っ
てもよい)を一段と認識するようになっている公算が大きい。さ
らに、先進国では、中国と中東諸国からのデフレ圧力を受けて
直近のインフレ期待は急低下している。中国経済の成長鈍化
により工業用金属の需要は減少しており、「OPEC 不在の」エ
ネルギー市場では、米国のシェール革命を要因とした供給過
剰状態が継続し、エネルギー価格の重石になっている。このた
め、インフレ率が上昇しないことは少しも驚くべきことではな
い。2 月のレポートでも述べたように、インフレ期待の引き上げ
は量的緩和の最も直接的な目的だが、欧州ではこの方法によ
る消費、成長、企業収益の押し上げ効果が実は最も小さい可
能性がある。この考え方は正しかったようだ。
輸出競争力
外国為替市場は欧州の量的緩和に大きく反応した。図表 5 が
示すように、ユーロは 3 月半ばまでに対米ドルで 10%下落し、1
ユーロ=1.05 米ドルの安値を記録した。対円では 4 月末まで
に 7%下落し、1 ユーロ=127 円まで売られた。しかし、このトレ
ンドは転換点を迎えることになり、ユーロは不可解にも対米ド
ルと対円の両方で安値から約 8%反騰した。最近の価格動向と
マクロ経済情勢はユーロ高の継続を示唆しており、量的緩和
によるユーロ安が再び訪れる可能性は低い。そのため本稿で
は、2 月のレポートで取り上げた重要なテーマ(為替相場、輸
出競争力、収益回復の関連性)を再考する。さらに、ユーロ高
が継続する中で企業収益回復は可能かという点についても検
証する。
ユーロ安は欧州の輸出競争力を高め、当然のことながら輸出
の伸びとひいては企業収益にとってプラス要因になるだろう。
以下の図表 6 に、過去 15 年間のデータに基づいた欧州株式
(全体およびセクター別)とユーロ/米ドルの過去の相関を示
す。一般に、企業収益は通貨安ではなく通貨高と順相関してい
るという結果になった。これは、ユーロへの信頼が最も動揺し
た時期に欧州企業の収益が大幅に低下したことも影響してい
る。一方、輸出比率が強い一般消費財セクター(ドイツの自動
車産業を含む)については、通貨安による収益押し上げ効果
は明らかである。
図表 6:ユーロ/米ドルと欧州企業収益
MSCI Europe
Consumer Discretionary
Consumer Staples
Energy
Financials
Healthcare
Industrials
Information Technology
Materials
Telecoms
Utilities
Correlation with EUR/USD Beta to EUR/USD
47%
5.1
-18%
-4.0
7%
0.1
19%
0.9
26%
1.7
-15%
-0.3
15%
1.2
1%
1.3
0%
0.0
4%
6.7
20%
1.0
% of Index
11.2
14.0
7.7
22.1
13.6
11.1
3.5
7.7
5.2
3.9
出所:ブルームバーグ
Page 3 of 11
本文書末尾の免責条項ご確認ください。
ECB の量的緩和は米国と同じように企業収益を
押し上げたか?
1.6
10
1.5
8
1.4
6
1.3
4
1.2
2
1.1
0
1.0
-2
0.9
-4
0.8
欧州の一般消費財セクターのEPS
(12カ月実績)
12
出所:ブルームバーグ
ユーロ安は、極めて高い競争力を持っているドイツの自動車産
業と工業セクターに恩恵をもたらしている。国別の相関分析で
は、ドイツがユーロ安から明らかに利益を得ていることが示さ
れている。一方で、ユーロ圏諸国では競争力水準が国によっ
て異なっていることから、輸出を大幅に拡大させるのに必要な
為替レートは国により異なる。研究によると 2、ドイツの輸出セ
クターが競争力を得るには 1 ユーロ=1.40 米ドル程度で十分
である。ドイツの輸出構造では、今年見られたユーロ安とその
後の反発の影響はどちらも限定的であった可能性がある。
一方で、フランスが主要輸出相手国で競争力を得るための為
替レートの水準は 1 ユーロ=1.2 米ドル程度と推定される。イタ
リアとスペインは 1.1 米ドル程度のようだ。このため、ユーロ安
が続けばドイツ以外の欧州諸国の輸出と企業収益を大きく押
し上げる可能性があったものの、量的緩和はこれまでのところ
目的を達成できていないのが現実である。
当社は以前からこの可能性を懸念していたが、その理由は世
界的な通貨切り下げ競争の加速にある。2 月のレポートを発表
した時点の市場予想と比べると、FRB は結果としてハト派姿勢
を強めることになった。中国は予想外の通貨切り下げを実施し
た。日銀による追加緩和への期待も高まっている。一方で、第
2 四半期におけるユーロの上昇が欧州の量的緩和の本質的
な失敗を映し出しているとの見方もある面では正しい。
量的緩和を支える重要なメカニズムは債券利回りの低下であ
る。債券利回りが低下すれば、利回り確保のため投資家の資
金はユーロ以外の通貨に向かうことになる。これ自体は金融
政策の直接の目的ではないが、結果的にはユーロ安をもたら
す(当然、政策上の支持も得られやすい)。欧州の量的緩和は
4 月末まではほぼこの道筋をたどり、ユーロ安と債券利回りの
低下が見られた。しかし 4 月末には、債券市場でボラティリティ
が高まったことからドイツ国債の利回りは上昇に転じ、資金が
欧州に流入したため、ユーロ安に歯止めがかかったものと推
定される。こうした状況を踏まえると、ユーロ安が輸出の牽引
役となり欧州企業収益の回復に寄与するという見通しは、6 カ
月前ほどは明るくない。
欧州の金融セクターは、欧州株式の時価総額の約 4 分の 1 を
占める。したがって、欧州企業全体の収益の大幅な拡大は、
欧州の金融セクターの見通しの改善に大きく左右される。図表
8 が示すように、金融セクターの収益は 2012 年時点で金融危
機前の 5 分の 1 程度に落ち込んだ。その後、金融セクターの
収益は徐々に回復しており、特にこの 2 年間は大きく増加して
いる。
図表 8:2007 年以降の欧州企業セクター別収益
(2007 年 12 月を 100 として指数化)
MSCI欧州指数のセクター別EPS
(2007年12月=100)
EUR
ユーロ/米ドル(12カ月平均)
Consumer Discretionary
欧州の金融セクター
MSCI Europe
Materials
Consumer Descretionary
Healthcare
180
160
140
120
100
80
60
40
20
0
-20
Energy
Industrials
Consumer Staples
Financials
出所:ブルームバーグ
ECB は、欧州の量的緩和プログラムの下で欧州の銀行から人
為的な高価格で債券を購入し、ユーロ圏の銀行システムの資
本を実質的に増強している。銀行のバランスシートが改善する
ことは銀行の信用拡大、ひいては銀行セクターの収益を後押し
する極めて大きな要因となる。そうなれば、米国の例と同様
に、危機後の収益回復はまずは金融セクターにけん引され、そ
の後、エネルギー、テクノロジーなどのセクターに伝播するだろ
う(図表 9)。
図表 9:米国のセクター別収益の伸び
70
EPSの前年比伸び率(%)
図表 7:欧州の一般消費財セクターの収益とユーロ/米
ドル
S&P 500
Financials
Technology
Energy
60
50
40
30
20
10
0
-10
出所:ブルームバーグ
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本文書末尾の免責条項ご確認ください。
ECB の量的緩和は米国と同じように企業収益を
押し上げたか?
与信の拡大は量的緩和プログラムの有効性を示す重要なバロ
メーターである。国債購入の大きな目的の 1 つは、実質金利
の引き下げにより融資需要を高めることである。これは米国が
量的緩和を実施するたびに経験したことだが(図表 10 を参
照)、欧州では幾分異なっている。外国為替市場での動きと同
様に、欧州の実質金利は量的緩和の発表直後に急落した後、
3 月、4 月で底打ちし、その後年初来の高い数値となった。実
質金利がようやく低下に転じたのは夏頃であった。実質金利の
大幅な変動が欧州の与信拡大にブレーキをかけていないこと
は安心材料だが、そのリスクについては今後数四半期にわた
って注視していく必要がある。
10年実質金利(%)
図表 10:米国の実質金利と量的緩和
3.0
2.5
2.0
1.5
1.0
0.5
0.0
-0.5
-1.0
-1.5
-2.0
Quantitative Easing
US 10y Real Yield
図表 11:欧州の実質金利と量的緩和
実質金利(10年物価連動債)
各国間の相違
このような背景から、第 3 四半期の欧州企業(特に銀行)の決
算は注目されることになるだろう。図表 12 が示すように、最近
欧州主要国では収益予想が低下している。ただし直近では、イ
タリアの収益予想は上方修正が続く中、ドイツは大きく下落し
ている。
図表 12:予想収益の推移 ‐ イタリア、ドイツ、スペイン
Italy
Germany
Spain
20.0
15.0
10.0
5.0
0.0
-5.0
-10.0
-15.0
-20.0
出所:ブルームバーグ
出所:ブルームバーグ
7
6
5
4
3
2
1
0
-1
-2
このような金融環境の改善が経済活動ひいては企業収益の拡
大をもたらすと予想することは理にかなっている。欧州では、売
上高だけでなく利益率にも上昇余地がある。米国と異なり、欧
州の利益率は過去最高水準にあるわけではなく、労働市場の
逼迫による賃金上昇率加速リスクにも晒されていないからであ
る。
12カ月先予想EPS(3カ月毎の化)
欧州の場合、銀行の直接融資がユーロ圏の信用供給に果た
す役割は大きいため、実体経済で与信が拡大すれば、大きな
二次的効果が得られるだろう。ECB が実施した今年 10 月の銀
行融資調査 3 では、与信基準の緩和と資金需要の拡大という
好循環が与信回復に引き続き寄与していることが確認できる。
各銀行の決算資料によれば、企業向け融資のネットベースの
与信基準(「厳格化した」との回答比率から「緩和した」との回
答比率を差し引いた割合)は前回の▲3%から▲4%へと一段と
緩和された。個人向け融資の与信基準(住宅ローンを除く)も
同様に緩和されている。最も大きな緩和が見られた国はイタリ
アであった。今回の ECB の調査によれば、銀行セクターでは
ECB の資産購入プログラムにより供給された流動性よりも多
額の資金調達ができているとしている。
Quantitative Easing
France
Germany
Italy
7
この「違い」の中心にあるのは単純な事実である。つまり、ユー
ロ圏の各国はそれぞれ違った状況にあるということだ。欧州の
輸出産業にとってのユーロ安と、日本の輸出産業にとっての円
安とでは意味合いが大きく異なる。競争力を得るのに一層の
通貨安を必要とするユーロ周辺国では、ユーロ安の流れが失
速すると企業収益は拡大しない。一方で、高い競争力を誇るド
イツの輸出産業ではあるが、今後数四半期間は、フォルクスワ
ーゲンの排ガス不正事件の影響により落ち込む可能性があ
る。周辺国では、国内の与信拡大と緩和的な金融環境により
企業収益が大幅に増加することも考えられる。イタリアにおけ
る消費者信頼感の大幅な回復と堅調な小売売上高(図表 13
を参照)は、この予想を明確に裏付けている。
6
5
4
3
2
1
0
出所:ブルームバーグ
Page 5 of 11
本文書末尾の免責条項ご確認ください。
ECB の量的緩和は米国と同じように企業収益を
押し上げたか?
図表 13:イタリアの消費者信頼感と小売売上高
Italy Consumer Confidence (LHS)
Italy Retail Sales (% yoy) (RHS)
115
6
110
4
105
2
100
0
95
-2
90
-4
85
-6
80
-8
小売売上高(%前年比)
消費者信頼感指数
結論
今年に入り欧州の収益予想が大きく変動していることは、収益
の好転が依然として不確実であることを示唆している。欧州の量
的緩和が企業収益を押し上げると信じるに足りる理由はいくつ
かあるが、その効果は米国ほど大きくはならず、そのメカニズム
も米国とは異なるものになりそうである。輸出主導の収益回復が
進む可能性は徐々に低下しているようであり、内需が一層重要
な牽引役になると予想される。この点については明るい材料が
多いものの、膨れ上がった期待が裏切られるリスクはなお高い。
注釈:
1
「 欧 州 の 量 的 緩 和 は 収 益 予 想 を 実 現 す る か ? 」 Evolving
Markets focus 2015 年 2 月 23 日
2
量的緩和:競争的通貨安、あるいは密かな銀行資本の増強、
ゲイブカル・ドラゴノミクス、2015 年 1 月 27 日
3
2015 年第 3 四半期のユーロ圏銀行貸出調査、欧州中央
銀行、2015 年 10 月
出所:ブルームバーグ
セクター間の相違
同様の相違はセクター間でも見られる。欧州のエネルギーセク
ターと素材セクターは引き続き収益が低迷しているが、金融セ
クターと公益事業セクターは回復傾向に転じた。エネルギーセ
クターと素材セクターではコモディティー価格の低迷が引き続
き逆風になっているが、金融セクターと公益事業セクターでは
国内の景気回復の影響が徐々に表れている。
図表 14 は、上記 4 セクターにおける直近 4 四半期(2014 年第
3 四半期~2015 年第 2 四半期)の収益伸び率の実績、本四半
期(2015 年第 3 四半期)、および今後の 4 四半期(2015 年第
4 四半期~2016 年第 3 四半期)のコンセンサス予想を示して
いる。エネルギーセクターの収益は、前年同期比約▲55%とな
る本四半期で底を打つと予想される。エネルギーセクターは市
場全体の時価総額の 7%を占めていることから、本四半期の市
場全体の収益伸び率を 4%押し下げる計算になる。収益はエネ
ルギー価格の下落により減少してきたが、今後 3 四半期間
は、四半期平均で約 2%ずつ改善し、プラスになるのは 4 四半
期目になると予想される。
図表 14:欧州のセクター別収益 ‐ 実績とコンセンサス
予想
Energy
Materials
Financials
Utilities
四半期収益伸び率の実績と予想
(%前年比)
60.0%
40.0%
20.0%
0.0%
-20.0%
-40.0%
-60.0%
-80.0%
出所:ブルームバーグ
Page 6 of 11
本文書末尾の免責条項ご確認ください。
日本株投資家は日本の期待外れな成長率を心配する
必要はない
2015 年 11 月 16 日
ジョン・ヴェイル、チーフ・グローバル・ストラテジスト
2015 年第 3 四半期(暦年ベース)の日本の実質 GDP 成長率
(以下「成長率」)はコンセンサス予想通りの悪化を見せた。繰
り返すが、日本株投資家はこの種の悪い指標を心配する必要
はない。事実、コンセンサス予想を上回る個人消費の増加や
堅調な純輸出の伸びなど、今後数四半期の成長率回復に繋
がるデータが見られる。
いつものことではあるが、日本の GDP 統計について知ってお
くべき重要なことがある。
この統計は大幅に修正されることが少なくなく、とりわけデータ
にいくつかのアノマリーが含まれていることを考えれば、第 3
四半期の成長率が上方修正されたとしても不思議ではない。
第一に、(インフレ調整後の)実質在庫残高は大きく減少してお
り、その水準が変化しなかった場合、第 3 四半期の前期比成
長率(季節調整済み年率換算)は 1.1%となる。日本の実質在
庫残高は 2009 年初め以降、27 四半期中 23 四半期で減少し
ており、数量在庫の減少は累計 55 兆円(USD/JPY 平均
(=100)で計算した場合、約 5,500 億ドル)にのぼるが、その
間、GDP は 5%拡大している点に留意すべきである。この数値
だけ見ると、日本からは在庫が消えたことになる。そのため、
成長率は明らかに実態とかい離していると言ってよいだろう。
これに対し、米国企業も同様に在庫効率を高めることを目指し
ているにもかかわらず、実質在庫残高は同期間中に 8,120 億
ドル増加し、この間 GDP は 12%拡大している。
1)
2)
3)
4)
四半期比較での実質在庫はプラスに転じる。
開差は縮小する。
個人消費は第 4 四半期にはより大きく回復する。
第 3 四半期に大幅増となった純輸出は緩やかに減少する。
2016 年通年の成長率に関するコンセンサス予想は 1.1%となっ
ている。これはインパクトのない数値に聞こえるかもしれない
が、日本の自然成長率を多少上回る水準である。
要約すると、当社が以前からお伝えしてきたように、日本のリ
スク資産に投資する投資家は、たとえ経済指標が期待外れに
終わったとしても心配する必要はないと見ている。事実、成長
率の弱い結果にもかかわらず、昨年の TOPIX は企業収益の
堅調な伸びにけん引されて大幅に上昇しており、マクロ経済指
標を過度に重視する見方は根拠に乏しいと言えるだろう。
年初来の TOPIX(ドルベース)は世界の株式市場をアウトパフ
ォームしたが、欧米と比べて日本株は依然としてバリュエーシ
ョンが低く、しかも日本企業の方が収益の伸びが大きい。日本
人投資家なら誰でも知っているように、ここ数年、株式のパフォ
ーマンスは国内の他の資産を上回っている。さらに、アベノミク
スへの期待感も重なり、日本には「エクイティ・カルチャー(株式
文化)」がようやく根付いてきた。このことは今後数年にわたっ
て株式市場の下支え要因となり、資産効果を通じて国内経済
の成長に寄与すると考えられる。
第二に、アノマリーの主な原因は「開差」(実質 GDP の各構成
要素の合計から実質 GDP を差し引いた値)が大幅なマイナス
に留まっていることであり、そのため GDP は実態より低い結果
となった可能性が高い。
第三に、日本では GDP の数値と企業収益の間に相関関係が
ない。以前から申し上げているように、成長率が冴えないにも
かかわらず、日本企業の収益は過去 10 年間、急激に増加し
てきた。利益率が歴史的な高水準にあることからも分かるよう
に、この傾向は 2015 年も続いている。円安が足元のトレンドに
ある程度の役割を果たしていることは言うまでもないが、特に
サービス業の収益が好調であることから、日本経済は GDP 統
計が示すほど悪化していないことがうかがえる。またコーポレ
ート・ガバナンスが改善していることも日本企業の収益拡大の
要因であり、景気鈍化の悪影響を打ち消す形となっている。コ
ーポレート・ガバナンスは今や日本の企業文化に深く根付いて
おり、そのことは今後の企業収益改善のプラス要因として働く
と予想される。
今後の見通しに関して言えば、ブルームバーグのコンセンサス
予想では 2015 年第 4 四半期と 2016 年第 1 四半期に成長率
が回復するが、成長トレンドが低下したことは事実であり、当社
は 2015 年歴年の成長率予想を 1.0%から 0.7%に引き下げる
(ブルームバーグのコンセンサス予想は 0.6%)。逆算すると、
第 4 四半期の前期比成長率(季節調整済み年率換算)は
3.1%となる。こうした前提を踏まえ、当社は次のように予想して
いる。
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本文書末尾の免責条項ご確認ください。
アジア株式市場 - PBR は歴史的低水準、絶好の投資機会
が到来
2015 年 11 月 12 日
ピーター・サルト-リ、アジア株式ヘッド
ここ数カ月、日本を除くアジアの先進・新興国市場は間違いな
く激しい下落圧力にさらされており、アジアに投資するファンド
の 9 月の解約額は過去最高の 500 億米ドルを突破した。
MSCI アジア(日本を除く)、MSCI エマージングマーケッ
ト、MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックスの 1
年間の市場パフォーマンス
115
MSCI AC Asia ex Japan
MSCI Emerging Markets
MSCI ACWI
110
105
市場の急落を受けて MSCI アジア(日本を除く)指数のバリュエ
ーションは過去最低近辺まで低下し、PER(実績株価収益率)
は 9 倍、PBR(株価純資産倍率)は 1.1 倍となった。バリュエー
ションがここまで低下したのは GFC(世界金融危機)、AFC(ア
ジア金融危機)、SARS(重症急性呼吸器症候群)以来のことで
ある。これら過去 3 回の下落局面では、いずれもその後 12 カ
月間で市場は大きく上昇した。当社は、以下の理由から今回も
同様の展開となると予想する。
1) 過剰債務を背景とした米国の住宅バブルとアジア諸国の
硬直的な通貨制度が過去 2 回の金融危機を招いたことは
ほぼ間違いない。2003 年には、SARS 蔓延への懸念が成
長の急速な鈍化と市場の急落を引き起こした。いずれの下
落局面もアジア市場の PBR は 1.0~1.2 倍で底を打ってい
る。
100
95
90
85
80
75
70
Oct-14
Nov-14
3) 結局、市場は過度に下落することになったが、これは市場
参加者が GFC、AFC 後のような景気後退を懸念しただけ
でなく、SARS の大流行を彷彿とさせる正体不明の恐怖が
続くと予想したためである。しかし当社は、特に財政・金融
政策の発動余地が大きいことから、本格的な危機につなが
るとは考えていない。
4) さらに、当社はコモディティが構造的かつ長期的な弱気市
場に入ったとの見方を変えていない。コモディティの純輸入
国であるアジア諸国(日本を除く)は、今後もコモディティ価
格の下落という追い風に乗りながら、他の新興市場をアウ
トパフォームするだろう。こうした追い風に加え、アジアの主
要経済大国である中国とインドでは金融緩和と構造改革が
実施されていることから、一層高い投資収益の実現が見込
まれる。
Jan-15 Feb-15
Mar-15
Apr-15
May-15
Jun-15
Jul-15
Aug-15
Sep-15
出所:ブルームバーグ、2015 年 9 月 30 日現在。リターンは米ドルベース
MSCI アジア(日本を除く)、MSCI エマージング・マーケッ
ト、MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックスの
PBR
40
2) こうした過去の経験は、アジア企業の企業価値に関する理
論上の最低水準を知る上で有益である。足元の市場急落
の主な原因は、中国の成長鈍化が世界経済に深刻な影響
を及ぼし始めているとの見方が強まったことにある。さら
に、PBOC(中国人民銀行)が 8 月 11 日、突然人民元の対
米ドル基準値を 1 日で 2%近く切り下げたことで、こうした見
方は勢いを増すことになった。通貨戦争の火ぶたを切った
として中国が世界各国から非難を受ける中で、金融当局の
不十分な説明のせいで投資家の不安は一気に高まった。
だが、大方の市場関係者の見方とは異なり、当局の為替
介入は急減速する中国経済を下支えするための措置では
ない。この点については後ほど詳しく説明する。
Dec-14
MXASJ Index
MXEF Index
MXWD Index
35
30
25
20
15
10
5
0
2003
2004
2005
2006
2007
2008
2009
2010
2011
2012
2013
2014
2015
出所:ブルームバーグ、2015 年 9 月 30 日現在。リターンは米ドルベース
アジア(日本を除く)の中では、当社は堅調な投資収益を実現
する見込みが最も大きい中国とインドを引き続き選好する。
ASEAN(東南アジア諸国連合)諸国については慎重な見方を
維持するが、中期的に見ると足元の相場下落は絶好の投資機
会であると考えられる。
中期的に見た場合、インドにはアジアで最大の構造的な成長
機会がある。原油価格の急落が大きな追い風となり、多くの企
業で投入コストが低下したほか、経常赤字の対 GDP(国内総
生産)比率も 5%から 1.4%に低下している。さらに、消費者物価
上昇率は RBI(インド準備銀行)が定める今年の目標値を下回
っていることから、必要に応じて金融緩和策を発動できる余地
が拡大している。これを裏付けるように RBI は最近 0.5%の利下
げを行い、政府を強力にサポートしている。行政改革も引き続
き持続的な高成長に寄与すると考えられる。事実、政府は州
電力庁や公的銀行の財政状態に関する懸案の構造改革に積
極的に取り組んでいる。
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本文書末尾の免責条項ご確認ください。
アジア株式市場 - PBR は歴史的低水準、絶好の投資機会
が到来
バリュエーションで見た場合、インドの予想 PBR は 2.7 倍であ
り、他のアジア諸国と比較しても魅力的な水準には映らない。
しかし注目すべき点として、過去 10 年間の名目 GDP 成長率
は 8%から 24%まで差が大きいものの、ボンベイ証券取引所に
上場する企業の ROE(株主資本利益率。SENSEX 指数を基準
に測定)は 16.5%から 18.7%の間で安定的に推移している。つま
り、企業はマクロ経済が大きく変動する中でも安定した成長と
収益性を実現できている。そう考えれば、SENSEX 指数が過去
10 年に 8,000 から 27,000 へ上昇したこともそれほど意外では
ない。マクロ、ミクロの両面における周期的、構造的要因を背
景にインドの成長見通しが安定すれば、ROE、ひいては投資収
益が上昇すると予想される。
MSCI チャイナ指数の実績 PBR
6.0
5.0
4.0
3.0
2.0
1.0
1.22x in Apr 03
1.51x in Oct 08
0.43x in Aug 98 0.54x in Feb 00
1.36x in Jun 13 1.32x
now
0.0
Dec-95 Dec-97 Dec-99 Dec-01 Dec-03 Dec-05 Dec-07 Dec-09 Dec-11 Dec-13
China - Trailing PB
MSCI インド指数の実績 PBR
出所:クレディ・スイス、2015年9月30日現在
7.0
6.0
5.0
4.0
3.25x now
3.0
2.0
2.29x in Aug 13
1.81x in Oct 02
2.01x in Feb 09
1.68x in Aug 98 1.63x in Sep 01
1.0
Dec-95 Dec-97 Dec-99 Dec-01 Dec-03 Dec-05 Dec-07 Dec-09 Dec-11 Dec-13
India - Trailing PB
出所:クレディ・スイス、2015 年 9 月 30 日現在
今夏の中国市場は極めて激しい値動きとなった。金融改革は
急ピッチで進んでいるものの、市場に正しいメッセージが伝わ
らなかったことで混乱が広がり、株価は乱高下した。当社は、
PBOC による人民元の切り下げを金融改革の一環と見てお
り、中国政府には市場の実勢を反映した為替制度に移行する
ことで IMF(国際通貨基金)の準備通貨構成条件を満たす思惑
があると考えている。また、この動きが輸出促進と通貨戦争を
意図した本格的な人民元切り下げにつながるとは考えにくい。
改革の重要度は今も高く、PBOC による長期預金金利の上限
撤廃措置は完全な金利自由化と市場経済国への移行を後押
しすることになるだろう。
PBR で見ると、バリュエーションはかつてないほど魅力的な水
準に映る。MSCI チャイナ指数の PBR は 1.2 倍で、2008 年の
1.5 倍を大幅に下回り、2000 年と 2003 年の低水準に近づいて
いる。2000 年以降の改革と急成長を背景とする投資収益率の
向上(2000 年代初頭の ROE は 10%未満、2008 年以降は 13~
16%へ上昇)を考慮すれば、絶好の投資機会が到来していると
言えるだろう。投資主導経済から消費主導経済への移行に伴
い、中国には経済改革の進展と持続的な成長トレンドが見込
まれることから、現在のバリュエーションは極めて魅力的な水
準にあると考えられる。
最後に、ASEAN諸国はこの数週間、猛烈な売りや解約による
影響をまともに受けている。地政学的状況が悪化する中、AFC
の再来を危惧する論調も目立つようになった。近年の債務増
加と経常収支の悪化を背景に、ASEAN諸国は今後の資本流
出に耐えられないのではないかと懸念する声も広がりつつあ
る。
だがこうした懸念には根拠がないと当社は考えている。現在の
ASEANと1997~1998年のAFC当時のASEANとの間には、
極めて明瞭かつ重大な違いがある。当時は設備投資の対
GDP比率が現在よりもはるかに高く、生産性の低いセクターに
資本が不適切に配分されたことで金融危機が発生した。現在
は、国内の過剰設備や対外債務を示す前兆はほとんど見られ
ない。明るい材料は他にもある。現在の経常収支と外貨準備
は当時と比べて格段に健全であり、ASEANの通貨制度はより
オープンで自由化されている。
バリュエーションで見ると、足元の相場の急落には上記の懸念
材料がほとんど織り込まれていると考えられる。例えば、シン
ガポールの PBR は 1 倍近くまで低下しているが、これは
2008 年の低水準に近く、AFC 当時をわずかに上回る水準に
すぎない。同様にマレーシアの PBR は 1.6 倍で、これも 2008
年の低水準(1.5 倍)に近づいている。例外はインドネシアで、
現在の PBR は 2.4 倍と 2008 年の低水準を 15%上回ってい
る。長い目で見れば、ASEAN 諸国には構造的なプラス要因が
依然として存在することから、足元の相場急落は中期的には
投資家にとって絶好の投資機会になると当社は考えている。
MSCIシンガポール指数の実績PBR
2.8
2.4
2.0
1.6
1.2
1.23x in
Sep 01
0.8
1.21x in
Jan 03
1.06x in Feb 09
1.37x in 1.36x in
May 12 Aug 13
1.17x now
0.77x in Aug 98
0.4
Dec-95 Dec-97 Dec-99 Dec-01 Dec-03 Dec-05 Dec-07 Dec-09 Dec-11 Dec-13
Singapore - Trailing PB
出所:クレディ・スイス、2015年9月30日現在
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アジア株式市場 - PBR は歴史的低水準、絶好の投資機会
が到来
MSCI マレーシア指数の実績 PBR
4.0
3.5
3.0
2.03x in Sep 11
2.5
2.0
2.01x in May 10
1.5
1.0
1.4x in May 01
1.49x in Nov 02
1.76x now
1.47x in Oct 08
0.5
0.64x in Jun 98
0.0
Dec-95 Dec-97 Dec-99 Dec-01 Dec-03 Dec-05 Dec-07 Dec-09 Dec-11 Dec-13
Malaysia - Trailing PB
出所:クレディ・スイス、2015 年 9 月 30 日現在
MSCI インドネシア指数の実績 PBR
6.0
5.0
4.0
3.0
3.12x in Aug 13
2.0
2.13x in Oct 08
1.0
2.76x now
1.38x in Mar 03
0.84x in Sep 98 0.81x in Apr 01
0.0
Dec-95 Dec-97 Dec-99 Dec-01 Dec-03 Dec-05 Dec-07 Dec-09 Dec-11 Dec-13
Indonesia - Trailing PB
出所:クレディ・スイス、2015年9月30日現在
要約すると、当社はアジア(日本を除く)に対して強気の見方を
維持しており、PBRが最低水準付近に低下した今こそアジアに
数年ぶりとなる絶好の投資機会が到来していると考えている。
当社の予想に関するリスク要因は、世界的な経済危機や地政
学上の大きな混乱など、主にシステミックなグローバル要因に
関連したものであるが、そうした状況が発生する可能性は低い
と思われる。
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