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新世代ネットワークアーキテクチャ 実現のための推進方策(案)
資料 9-4 新世代ネットワークアーキテクチャ 実現のための推進方策(案) ネットワークアーキテクチャに関する調査研究会 事務局 平成19年6月29日 目 次 機能を実現するための要素技術 z ユーザに優しく、シンプルに使える ダイナミックネットワーク z スケーラブルなネットワーク z ネットワーク上のサービス持ち歩き z ディペンダブルネットワーク(止まらないネットワーク) z 過去の経験や行動履歴から、未来を予測 リアルとバーチャルの境目がない 新世代ネットワーク実現のための推進方策 z z z z 研究開発の推進 • 新世代ネットワークアーキテクチャに関する研究開発プロジェクトの推進 • 新しい研究開発スキームの検討 • ユーザー視点をネットワークに反映 テストベッドの構築・運用拠点の整備 • 産学官連携による新世代研究開発テストベッドの検討・整備 • 新世代ネットワークの技術検証、相互接続、互換性の検証のための拠点の整備 国際展開・標準化 • ネットワーク、端末の技術基準の検討 • ITU-T等の次世代ネットワーク(NGN)の標準化への反映 (第2フェーズ~) • アジア諸国との新世代ネットワークの相互接続実験の実施 オールジャパンの研究開発体制の構築 • 研究開発のアウトカム・ロードマップの明確化 • 技術要素だけでなく、実現による社会的・経済的効果のビジョン化 • (異分野の知見も取り込んだ)オールジャパンの戦略的な研究開発体制の構築 1 機能を実現するための要素技術 2 機能を実現するための要素技術(Ⅰ) ◆ユーザーに優しく、シンプルに使える ◆ダイナミックネットワーク ¾ ¾ ¾ ¾ ¾ ¾ ユーザーのコンテキスト分析技術(どのような状況にあり、何を望んでいるのか) ユーザーのコンテキストに応じてネットワークが最適な情報を提供する技術 メディアリテラシーや知識レベル等に応じ、操作方法やアドバイスを最適化する技術 難解な設定が不要で、推奨設定で自動的に接続する接続技術 ネットワーク上の知識へアクセスし、必要な情報を入手するネットワークコンシェルジュ ホームネットワークやBAN(body area network)、PAN(personal area network)等の様々なネット ワーク間のアドホックな連携 ¾ ユーザーが確認し理解できる、安全安心なセキュリティ機能 ¾ ユーザが品質を確認できる品質可視化技術 ・仮想サーバ技術 ・インテリジェントルーティング(セマンティックルーティング) ・高位レイヤルーティング ・複数サービス要素のダイナミック連携技術 ・オープンレイヤーモデル ・プラグアンドプレイサービス ・オープンなアプリケーションAPI ・Web2.0~WebX.0 ・アーキテクチャの単純化、機能のセグメント化 ・アドホック・自律構成システム ・プログラマブルネットワーク ・サービスアダプテーション ・サービスリソース分散連携 3 機能を実現するための要素技術(Ⅱ) ◆スケーラブルなネットワーク ¾ 微細なデータから大容量コンテンツまでを、帯域のムダやヘッダオーバーヘッドによるロスが無く伝 送できるスケーラブルネットワーク ¾ アプリケーションの特徴やデータの属性等に応じた伝送方式の最適化技術 ¾ 端末やネットワーク機器単体のレベルでの省電力化 ¾ ネットワーク全体での省電力化をアーキテクチャレベルで考慮する消費電力マネージメント機構 ¾ 社会インフラとしてのネットワーク全体の消費電力から個別のネットワークの電力の上限を割り出 す機構 ¾ ノード数が増加しても、中継数を抑え全体構成が容易に把握できるトポロジ構成技術 ¾ ネットワークの自己診断・機能最適化 ¾ 接続制御処理にスケーラビリティを確保する ¾ コントロールドトランスペアレンシーを実現 ・ペタbps級のトラヒックを経済的に支えるバックボーン ・光処理によるルータ高速・大容量化技術 ・MEMS技術等による大規模クロスコネクト技術 (MEMS: Micro Electro Mechanical Systems) ・高密度波長多重化技術・変復調技術(1ファイバで10Tbps 以上等) ・デジタル信号処理と光通信との融合 ・オーバーレイNW ・コグニティブ品質制御 ・ 4 機能を実現するための要素技術(Ⅲ) ◆ネットワーク上のサービス持ち歩き ¾ ユーザーIDからサービスを選択して提供 ¾ ¾ ¾ ¾ ¾ ¾ ¾ 個人のIDカードを端末にかざすことで個人の環境を再現するプラットフォーム オフィス・家庭・モバイルなどのアクセス方式や利用条件などに合わせたシームレスアクセス 必要なソフトウェアをダウンロードして活用するシンクライアント機構 有害情報や外部からの攻撃を自動的に遮断する等のセキュリティ 他人の端末や公共の共用端末でも、自分の環境を安全に利用する技術 モバイル環境でもシームレスにサービスを受けるためのセッション維持機能 ネットワーク接続のコモディティ化(日用品化、必需品化)のための技術 ・サービス要素のダイナミック連携技術 ・ユニバーサル・アプリケーションプラットフォーム ・アプリケーション主導型ルーティング機構 ・異種網間シームレスハンドオーバー技術 ・マルチアプリケーション対応型CAS ・ダイナミックVPN・オンデマンドVPN ・個人表現伝達プロトコル ・IDセントリック ・パーソナライズ検索技術 ・プロファイル管理 ・端末間セッション移動、メディア切替 ・シングルサインオン ・アプリケーションをまたいだ著作権管理・課金管理技術 ・コネクティビティのコモディティ化 5 機能を実現するための要素技術(Ⅳ) ◆ディペンダブルネットワーク (止まらないネットワーク) ¾ ¾ ¾ ¾ ¾ ¾ ネットワーク資源に対する新たな要求や要求の変化に即座に追従する資源の最適化、管理機能 異なるネットワークへの迂回を実現するネットワーク資源管理 アベイラビリティを100%に近づける高信頼化技術 内部コンポーネントの動作を自己判断し、自律的に機能回復する機能 公的な機関を中心とした信頼できる枠組みによる認証機構 ユーザが必要とするセキュリティレベルに対応する権限コントロール機能 ・連鎖障害防止技術 ・永続性、安定性、予測性の予防機能 ・セキュリティ、追跡性、修復性の対処機能 ・異種ネットワーク迂回技術 ・自己成長ソフトウェアネットワーク ・悪意ユーザーの検知技術 ・ネットワーク管理・運用の自動化技術 ・分散環境における最適配置機能 6 機能を実現するための要素技術(Ⅴ) ◆過去の経験や行動履歴から、未来を予測 ◆リアルとバーチャルの境目がない ¾ ¾ ¾ ¾ ¾ ¾ ネットワークとアプライアンスの連携によるリアルとバーチャルの融合技術 センサーネットワーク等とアプリケーションの連携技術 センサーやその他デバイスの組み合わせにより、環境情報の自動収集・自動記録 環境情報や個人のバイタルデータから日常動履歴をモニタリングし記録 ネットワーク上の「知の集合」や過去の経験から、ユーザーの未来予測技術 コグニティブサービス提供 ・コミュニケーション支援技術 ・ユニバーサルデザイン ・セマンティックデータマイニング ・環境知能技術 ・バイタルデータ収集 ・超臨場感環境 ・空間情報ファーマット技術 ・連想文書検索技術 ・類似画像検索 ・連想検索、同義語検索 ・アンビエントネットワーキング ・表現活動記述 ・ニューロマーケティング ・脳情報通信・ブレインネットワークインターフェース 7 新世代ネットワーク実現のための推進方策 8 新世代ネットワークアーキテクチャ実現のための方策(Ⅰ) ◆ 研究開発の推進 ○新世代ネットワークアーキテクチャに関する研究開発プロジェクトの推進 ・ 社会インフラとして信頼できる新世代のネットワークの実現に向け、光技術、ユビキタスアプ ライアンスなど、我が国が強い技術を活かしつつ、戦略的に研究開発を推進 ○新しい研究開発スキームの検討 ・ 新しいアイデア・手法やイノベーションにつながる独創的な研究について、過大な成果を求 めずに研究者がのびのびと取り組む事ができるスキームの実現 ・ 固定的な評価手法ではなく、様々な観点からの評価を行い、多面的な研究開発を推進 ○ユーザー視点をネットワークの研究開発に反映する仕組みの検討 ・ ユーザーの視点を取り入れ、サービス提供者の論理ではない、真に使いやすく誰にでも使 いこなせるネットワーク・サービスを実現するための仕組みの検討 9 新世代ネットワークアーキテクチャ実現のための方策(Ⅱ) ◆ テストベッドの構築・運用拠点の整備 ○産学官連携による新世代研究開発テストベッドの検討・整備 ・ 革新的なイノベーションを生み出すチャレンジングなフィールドとしてのテストベッドの活用 ・ 研究開発のみでなく、次世代を支える研究者の育成・研究教育への貢献 ○新世代ネットワークの技術検証、相互接続、互換性の検証のための拠点の整備 ・ 先端的・革新的サービスを産業・社会へシームレスに展開するための橋渡しを担う ・ 技術の導入前段階での技術検証・相互接続・互換性確保を、効率的かつ戦略的に行うため の環境を整備 10 新世代ネットワークアーキテクチャ実現のための方策(Ⅲ) ◆ 国際展開・標準化 ○ネットワーク、端末の技術基準の検討 ・ ネットワークや高度化や、それに伴う端末の高機能化、端末の概念の変化に対応した技術 基準の在り方の検討。 ・ ネットワークの多様な相互接続や運用形態を可能とするための標準化・ルール作り ○ITU-T等の次世代ネットワーク(NGN)の標準化への反映 (第2フェーズ~) ・ ITU-T等における次世代ネットワーク(NGN)の、特に第2フェーズ以降を見据えた標準化活 動への戦略的な取り組み ○アジア諸国との新世代ネットワークの相互接続実験の実施 ・ アジアにおける次世代ネットワーク分野での協力関係を構築し、国際標準化活動に連携し て取り組むことを目的とした、各国の情報通信ネットワークとの相互接続実験の実施 11 新世代ネットワークアーキテクチャ実現のための方策(Ⅳ) ◆ 研究開発体制の構築 ○研究開発のアウトカム・ロードマップの明確化 ・ 新世代ネットワークのイメージを共通化し、研究開発の方向性を統一し、より効果的・効率 的な研究開発を推進 ○技術要素だけでなく、実現による社会的・経済的効果のビジョン化 ・ 研究開発成果を国民の生活へのインパクトとして示し、日本全体として研究開発を盛り上げ る ○(異分野の知見も取り込んだ)戦略的な研究開発体制の構築 ・ NICTを「核」とした研究開発体制を整備し、その司令塔としての役割を担う「戦略会議」を設 置 ・ 情報通信分野だけでなく、幅広い分野の専門家からの知見を取り組み、ネットワークやサー ビスの多様性を確保し情報通信ネットワークの新しい活用を発掘する 12 新世代ネットワークアーキテクチャ実現のための方策 ◆ 研究開発プロジェクトの例 ○ オーバレイネットワークプロジェクト ・ 多種多様なネットワークにアクセスし、数百万のユーザの常に変化する要望や通信環境に対応して、数 百万のEnd-to-Endの通信サービスを瞬時に確立し、通信が終了するまで通信品質をダイナミックに制御 する技術を確立する。 ○ スケーラブルネットワークプロジェクト ・ 多種多様なネットワークがIPにより相互に接続され、センシングデータ等の微細なデータや高精細動画 などの重量級データ等が爆発的に増加する場合であっても、ネットワークが伝送経路や帯域を自ら制御 し、高い品質と高い電力効率でデータを伝達することができるネットワーク技術を実現する。 ○ ディペンダブルネットワークプロジェクト ・ ネットワークが連携・協調する場合において、障害や輻輳の検出やそれらを検出した場合に他のネット ワークに与える影響を配信し、他のネットワークと連携してリソースの最適配分等を行うことで回線の接 続性を確保し、または自動的にセッションの制御を行うことができる技術を確立する。 ○ ネットワーク資源仮想化プロジェクト ・ ユーザーの要求やアプリケーションの要求に対応したネットワークをリアルタイムに構築するため必要と なる、ネットワーク資源を仮想化しアプリケーション等のレイヤーから容易に利用可能とする技術を確立 する。 ○ IDポータビリティプロジェクト ・ ユーザーが端末の制約に縛られることなく、ネットワークをシンプルに利用するため、一つのIDにより 様々な端末やアクセスをまたいでサービスを利用するための技術を確立する。IDカードをかざすだけで、 自分の環境を再現でき、ネットワーク上の自分のデータに安全にアクセスできる。 13