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唾液検体及び血液検査を用いた BRCA1/2 家族性乳がん遺伝子検査法
唾液検体及び血液検査を用いた BRCA1/2 家族性乳がん遺伝子検査法の 比較検証のためのプロジェクトへの参加協力説明書 ジェネシスヘルスケア株式会社（以下、当社）は、お客様の同意が得られた場合に限り、 お預かりした試料及び情報を遺伝子検査の技術的検証や遺伝的な疾患リスクの研究に使用 させていただいております。今回あなたにご提供していただく試料は、下記に記載されてい るプロジェクトで使用されます。ここでは、試料の採取方法、あなたの個人遺伝情報の保護、 本プロジェクトで得られる結果の権利などについても記載されています。最後までお読み いただき、疑問点などは説明者に不足なくお聞きください。その上で、別紙の同意書に記載 されている同意項目を理解していただき、同意された場合に限り、同意書への署名・捺印を お願いいたします。 ＜プロジェクト名＞ 唾液検体を用いた BRCA1/2 遺伝子検査法の確立 ＜本プロジェクトの目的と解析内容＞ 乳がんは日本人女性の 12 人に 1 人が罹患する疾患であり、近年、増加傾向にある疾患 です。乳がんの発症要因は様々ですが、そのうちの 5~10%程度が家族性乳がんという遺 伝性疾患に起因すると考えられており、その原因遺伝子として BRCA1/2 遺伝子が知られ ています。 BRCA1/2 遺伝子はがん抑制遺伝子の 1 つであり、このどちらか一方の遺伝子に変異が 存在すると、乳がんおよび卵巣がんの罹患率が高くなります。そのため BRCA1/2 遺伝子 に変異があるかどうかを調べることは、家族性乳がんの予防と対策に重要です。 しかし、BRCA1/2 はそれぞれの遺伝子が 80kb 以上の領域に渡っており、その広大な 領域からたった一塩基の変異を検出するためには、次世代シーケンサーによる高い処理 能力を持った高精度な遺伝子検査手法の確立が必要になります。 遺伝子検査を行うための DNA 採取方法として、採血により血液検体を採取する方法と 唾液検体を採取する方法があります。血液検体から DNA を抽出する場合、被験者以外の DNA が混入する懸念はほとんど無く、そのほとんどが被験者自身に由来する DNA であ ると考えられています。そのため、遺伝子検査に適した検体採取方法と言えますが、血液 検体の採取は医療機関で行う必要があり、限られた研究機関でしか行うことができない という問題があります。 一方、民間向け遺伝子検査サービスでは、唾液検体から DNA を抽出する方法が普及し ています。唾液検体は検体の採取が容易で、採取を行う場所に制限もなく、被験者への身 体的負担も少ない優れた採取方法です。しかし、唾液検体には口腔内細菌が混入するため に、抽出された DNA にも口腔内細菌由来の DNA が混入してしまうという問題がありま す。この問題はマイクロアレイ法や PCR 法を用いた遺伝子検査の場合には、検査の原理 上、遺伝子検査結果に影響を与えるリスクはほとんどありませんが、次世代シークエンサ ーを用いた解析を行う場合には、データの品質に影響を与える懸念が僅かにあります。 BRCA1/2 遺伝子検査のような、大規模で、一塩基の読み違いも許容されない正確性が 要求される遺伝子検査においては、唾液検体の使用が妥当かどうか、科学的に慎重に判断 する必要があると考えられます。ところが、これまでに次世代シークエンサーを用いた BRCA1/2 遺伝子検査で、血液検体と唾液検体を用いた場合の比較検討を詳細に行ったデ ータは報告されておりません。 そこで当社は、次世代シークエンサーを用いた BRCA1/2 遺伝子検査に唾液から抽出され た DNA を用いた場合、口腔内細菌由来 DNA の混入が、血液検体と比較して DNA の品 質、解析データおよび遺伝子検査結果に与える影響について比較検証を行うことにしま した。 ＜研究期間＞ 本共同研究期間は、2016 年 8 月１日から 2018 年７月 31 日までの 2 年間を予定して います。 ＜本プロジェクトの対象者＞ 本プロジェクトの対象者は以下のいずれかの条件を満たす場合に限られます。 ■被験者ご本人が乳ガンを発症し、かつ、2 親等以内に乳がんもしくは卵巣がんの罹患者 がいること。そして、年齢：35 歳～60 歳、ただし、発症年齢は 45 歳以下であること。 ■その他、家族性乳がんが疑われている場合かつ、年齢が 35 歳～60 歳であること。 当社では、あなたの申告により上記条件に該当していることを各医療機関の個人情報管 理者が確認の後、本プロジェクト対象者を選びます。従って、これらの条件を再度確認し、 該当しない場合は速やかに申し出てください。 ＜本プロジェクトにおける試料、解析結果の取扱＞ 本プロジェクトで使用される試料は、厳重に匿名化したうえで本プロジェクトの目的 においてのみ使用するものと致します。また、個人情報保護の強化のため、住所・氏名・ 年齢などの個人情報と遺伝情報は切り離した形で保管されます。 具体的には、個人情報管理担当者が個人情報を、解析担当者が遺伝情報を管理し、デー タ解析時には試験参加者の名前が特定できないように個人情報の守秘に十分配慮致しま す。なお、個人情報管理は被験者ご本人から検体の提供を受けた医療機関、遺伝情報管理 担当者はジェネシス遺伝学研究所（千葉県木更津市かずさ鎌足 2-1-5 かずさアカデミア パーク） 大段 隆史、日野 公洋を予定しております。 ご提供頂いた試料は厳重に匿名化したうえで、プロジェクト期間中ジェネシス遺伝学 研究所 1 号室にて冷凍保存いたします。また、本プロジェクト終了時には全ての試料を 廃棄させて頂く予定です。なお、廃棄する場合にも匿名化状態を維持したまま廃棄いたし ます。 また、もしご提供頂いた試料の研究目的での利用にご同意頂ける場合は、本プロジェク ト終了後も厳重に匿名化された状態のまま、ジェネシス遺伝学研究所にて保管させてい ただきます。この試料を、他の研究プロジェクトなどに用いる場合には、改めて倫理審査 委員会で承認を経た上で、再利用にご同意頂いた場合に限って使用できるものとします。 なお、本プロジェクトで得られた知見（解析手法や遺伝情報とは関係のない学術的情報） は、将来の研究活動及び学術活動に利用されることがあることをご了承下さい。その場合 は個人情報保護のため、試料提供者ご本人の個人名は公表いたしません。 ＜遺伝子解析結果の開示＞ 遺伝学的検査に関するガイドライン（遺伝医学関連学会）によると、遺伝学的検査とは ヒト生殖細胞系列における遺伝子変異もしくは染色体異常に関する検査、あるいはそれ らに関連する検査であり、確定診断のための検査、保因者検査、発症前検査、易罹患性検 査（いわゆる体質診断を含む） 、薬理遺伝学的検査、出生前検査、先天代謝異常症に関す る申請時スクリーニングなどを含むとなっています。 弊社では上記内容を踏まえて、本研究で得られる遺伝情報は下記の５種類の内 （3）の家族性疾患に分類され、本プロジェクトで行う BRCA1/2 遺伝子検査では遺伝 性乳がんの原因遺伝子を調べています。 （1） 先天性遺伝病 （2） 劣性遺伝病 （3） 家族性疾患（家族性がん、家族性アルツハイマー病など） （4） 体質・性格に関連する遺伝子 （5） 祖先解析 （3）家族性疾患の遺伝子解析結果の開示をご希望の場合は、遺伝カウンセリングの提 供を受けることができます。 なお、試料提供者ご本人の同意が得られた場合に限り、遺伝子解析結果を開示するもの とします。 ＜プロジェクト成果の公表＞ 本プロジェクトの成果は、学会発表や学術雑誌およびデータベース上等で発表する場 合があります。 ＜他の研究機関への試料・情報の提供＞ 他の研究機関への情報の提供については、倫理審査委員会の承認と被験者本人の同意 を得た上で、情報を提供します。また、提供する情報に個人を特定する情報は含まれませ ん。なお、検体の提供は行いません。 ＜本プロジェクトから生じる知的財産権、経済的利益の帰属＞ 本プロジェクトの結果から、知的財産権ないしは特許権などが生じた場合、知的財産権、 経済的利益は、ジェネシスヘルスケア株式会社に帰属し、あなたおよびその親族には帰属 しません。 ＜遺伝カウンセリングの提供＞ 遺伝学的検査結果の情報開示については、試料提供者本人が開示を希望しない場合に は開示しないものと致します。この場合、遺伝カウンセリングの必要はないと考えており ます。しかしながら、本人が開示を希望した場合には、遺伝医学に関する十分な知識を有 し、遺伝カウンセリングに習熟した医師、医療従事者等のカウンセリングをご提供いたし ます。 ＜本プロジェクトの解析結果による利益・不利益＞ 本プロジェクトで解析の対象とする BRCA1/2 遺伝子は、単一の遺伝子異常によって 発症する遺伝性疾患に関わる遺伝子になります。従って、本プロジェクトの解析結果か ら、ご自分の将来が予測され得る懸念があり、精神的な重圧を被る場合があります。し かし、本プロジェクトの解析結果は自身の将来を断定するものではありません。 また一方で、今後発症する可能性に対して早期発見や予防的措置を採ることが可能に なる場合があります。 解析データにつきましては、万が一、情報の流出が起きた場合には悪用されるなどの 不利益が起こることも想定されます。そのような事態が発生しないように、個人情報と 検査結果を分けて保存・取扱する連結可能匿名化を行ったうえで厳重に管理し、万全の 体制で保管するものとします。 ＜親族の保護＞ あなたは本プロジェクトに関わる多くの試料提供者の一人です。個人情報と遺伝情報 は連結可能匿名化を行い、厳重に保管されており、多数の解析結果（遺伝情報）だけを見 て個人の遺伝情報を特定することはできません。従いまして、あなたと同様に親族の個人 遺伝情報も保護されます。 ＜同意＞ 本プロジェクトへの参加協力の同意はあなたの自由意思で決めてください。同意しな くても、あなたの不利益になるようなことはありません。但し、同意をされた場合は、本 説明書を十分ご理解の上、不明な点は本プロジェクトの説明者に申し出てください。唾液 採取および採血終了後、試料が解析に使用されるまでは同意の撤回の意思表示をして、添 付されている同意撤回書を提出することで取り消すことができます。この場合、採取され た唾液および血液は、衛生検査所指定の方法で適切に廃棄されます。 ＜費用負担＞ 本プロジェクトに必要とされる費用は、当社が負担し、あなたが費用負担することは一 切ありません。 ＜本プロジェクト計画書の開示＞ あなたの希望があれば、本プロジェクト計画書の内容を見ることができます。また、ゲ ノム配列を調べる方法についても、説明を受けることができます。 ＜守秘義務＞ 本プロジェクトに参加したことで得られる情報や検査の内容に関して、第三者に情報 を提供しないものとします。本プロジェクトへの参加の同意を以て、この守秘義務にも同 意したものとみなします。 ＜その他＞ 本プロジェクトに関して不安や疑問に思われる点がございましたら、説明者に申し出 てください。また、説明者が必要と認めた場合は、相当の知識を有する専門家の紹介を行 います。 【検査機関】 ■医療法人社団ナグモ会 南雲クリニック東京 東京都千代田区三番町 3-10 乳房再建 センタービル アンチエイジング・機能性医学外来医長：斎藤 糧三 TEL：03-6261-3261 E-mail：[email protected],jp ■ジェネシスヘルスケア株式会社 ジェネシス遺伝学研究所 東京都渋谷区南平台町 16 番 28 号グラスシティ渋谷 7F 所長：佐藤 バラン 伊里 TEL：03-6455-3592 E-mail：sato@genesis- healthcare.jp ■医療法人社団創世会ジェネシスメディカルクリニック六本木 東京都港区六本木 1 丁目 6 番 1 号泉ガーデンタワー４F 理事長：東田 俊彦 TEL：03-5575-3603 E-mail：[email protected]