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財務省の診断結果(概要)
1.経緯 地方公共団体の財務状況把握は、平成 16 年 12 月に財政制度等審議会財政投融資分科 会がとりまとめた報告書「財政投融資改革の総点検について」における「地方公共団体 向け公的資金貸付については、貸付先の財務状況、事業の収益性等を適切にチェックす ることが求められる。」との指摘を踏まえ、確実かつ有利な運用が義務づけられている 財政融資資金の融資主体として、地方向け財政融資資金の融資審査の充実等を図る観点 から、平成 17 年度より開始しています。 2.財務状況把握の概要 財務状況把握は、地方公共団体の『地方財政状況調査表』(一般に「決算統計」と呼 ばれています。)等に基づき行政キャッシュフロー計算書を作成し、当該計算書及びこ れを利用して算定される財務指標等により、地方公共団体の債務償還能力及び資金繰り 状況を把握することとしています。 平成 17 年度からのヒアリング実施団体数は以下のとおりです。 (単位:団体) 17 年度 18 年度 19 年度 20 年度 21 年度 22 年度 23 年度 216 248 277 338 275 218 198 3.財務状況把握に関する最近の動き 平成 20 年6月に財政投融資分科会長が主催する「財政投融資に関する基本問題検討会」 がとりまとめた報告書「今後の財政投融資の在り方について」において、「財務状況の 把握については、導入から3年が経過したところであり、今後、その更なる充実を検討 した上で、分析の結果に基づき財務状況の厳しい地方公共団体に対する財務改善のため 1 のアドバイスを含め、その財務状況を早期に改善するために活用を図る」ことが提言さ れました。 これを受け、基本問題検討会の下に設置された「地方公共団体向け財政融資に関するワ ーキングチーム」において、地方公共団体の財務運営、公営企業の財務・経営状況、民 間資金の現状と市場規律、財務状況把握の充実・活用策などについて議論が行なわれ、 平成 21 年 7 月に「地方公共団体向け財政融資に関する報告書」がとりまとめられまし た。 財務状況把握では、当該報告書における財務状況把握の充実や活用についての提言を踏 まえ、平成 21 年度より、財務状況把握の基本的な考え方、行政キャッシュフロー計算 書の作成要領、主要な財務指標による分析方法等を財務局職員向けに解説した文書を 「財務状況把握ハンドブック」として開示するほか、平成 22 年度より、財務状況把握 の結果概要をいわゆる「診断表」としてヒアリングを実施した地方公共団体に情報提供 するとともに、財務状況が一定以上悪化した地方公共団体に対し、融資審査を厳格化す ることとしています。 ※以上、財務省ホームページより 2 平成 24 年 11 月 27 日に財務省のヒアリングを受けた結果(抜粋)は、次のとおりです。詳 細は、財務省診断結果(ヒアリング結果)をご覧ください。 もう少し、分かりやすくして見てみましょう。以降、町が作成した資料です。 3 Good Good 4 お医者さん(財務省)からのカルテ ①実質債務月収倍率 4.1 月 行政経常収入に対する実質債務の比率で「借り過ぎ」をチェックします。地方債総額が大 きくても、現金・預金や財政調整基金などの換金可能資産が大きければ実質的な負債は小さ くなります。これは、身長に対する体重の比率で示す肥満の指標のようなものです。 本町は問題ない状況です。 ③行政経常収支率 19.7% 行政経常収入に対する行政経常収支の比率です。行政経常収支は、経常的な行政活動の収 支黒字で借金の返済に回せるお金です。これは、脂肪(借金)を燃焼(返済)する能力、 基礎代謝力といったところでしょうか。 本町の基礎代謝力は良好な状態です。 ②債務償還可能年数 1.7 年 ①肥満度と③基礎代謝力を組み合わせた指標で、肥満の度合が深刻なものかどうかを総 合的に判定します。財務的に言えば、ストックとフローを組み合わせた指標で、経常収支 黒字でもって実質債務を返済するのに何年必要かという指標です。借金返済の資金となる 「経常収支黒字を創出する力」と「借金の大きさ」とを比較して、支払ができなくなるリ スクを測定します。 本町は問題ない状況です。 黒字を創 出する力 5 借金の 大きさ 財務省の基準で作成していますので、公会計基準とは違う数値となります。 ④積立金等月収倍率 7.2 月 ある程度の借金があっても、積立金があれば実質的な負債は少なくなります。逆に、借金 総額は少なくても積立金がないと実質的な負債は少なくなりません。この積立部分の大き さを見る指標です。 ダイエットができるかどうか、その意思の強さや体力など隠れた潜在能力といったとこ ろでしょうか。 本町は問題ない状況です。 今 後 これまで見てきた 4 指標は非常に良好な状況でした。しかし、中長期財政計画による将来 推計は非常に厳しいものとなっています。油断せず、財政状況が良好なうちから十分な対 策を練っておかなければなりません。 6