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あいち海上の森大学 森林整備Ⅲ 現地実習Ⅱ 23.11.5
林業労働災害と
森林整備活動における安全
(あいち海上の森センター)
死傷災害の推移(全国)
全産業
林業
125,000人
120,354
2,800人
115,000
105,000
2,300
105,718
2,171
1,972
2,128
1,800
95,000
H17
H18
H19
死傷災害:休業4日以上
出典:厚生労働省「労災保険給付データ」
H20
H21
死傷災害の発生率(全国)
単位:人(千人率)
人
30
29.9 林業
20
14
10
8.3
5.3
3
鉱業
木材製造業
建設業
製造業
2.3 全産業
0
H16
H17
H18
H19
H20
注:年千人率とは、労働者1,000人あたり1年間に発生する死傷者数を示すもの
出典:厚生労働省「労働者災害補償保険事業年報」及び「労災保険給付データ」
林業労働災害の作業の起因別の死亡災害(全国)
出典:厚生労働省「死亡災害報告」(平成21年)
林野庁HPより抜粋 http://www.rinya.maff.go.jp/j/routai/anzen/iti.html
服装
安全の基本は服装を整えることです。
自分の身を守り快適に作業するために、正しい服装を心がけましょう。
・ヘルメット
・長ソデ
・長ズボン
・手袋
・防蜂網
(必需品ではないが、あればよい)
・ノコギリ
・ナタ
・軽登山靴や地下タビ
・リュックサック
危険を知ろう
森林に生息する生き物の中には、私たちにとって危険なものもいます。
【 スズメバチ 】
夏~秋にかけての被害が多い。巣に近づい
たり刺激すると、集団でおそってくるので特
に注意が必要。毒性が強く、刺されると人に
よってはアレルギー反応(アナフィラキシー
ショック)によって死亡することもあります。
巣に近づくと威嚇のため周囲を飛び始める
ので、静かにその場を立ち去ります。急な動
きなど、ハチを刺激しないことが第一です。
黒い衣服や香水などはハチを刺激するので、
身につけないようにします。
オオスズメバチ
キアシナガバチ
【 アシナガバチ 】
スズメバチと並んで被害の多いハチ。草や
かん木などに巣をつくるため、下刈りで巣
に気づかず刈ってしまい、刺されることが多
い。スズメバチ同様、アナフィラキシーショッ
クに注意が必要です。
危険を知ろう
森林に生息する生き物の中には、私たちにとって危険なものもいます。
【 マムシ 】
日本を代表する毒ヘビの1種
だが、近づいたり刺激しない
限り咬まれることはまずあり
ません。草むらなどに潜んで
いることもあるので、間違えて
踏まないようにしよう。
【 ケムシ類 】
ドクガやイラガなどの幼虫に触
れると、炎症を起こし痛みやか
ゆみなどの症状が出ます。被
害を避けるため、肌の露出を
少なくしましょう。
イラガ
ドクガ
危険を知ろう
森林に生息する生き物の中には、私たちにとって危険なものもいます。
ヤマウルシ
【 ウルシ類 】
ツタウルシやヤマウルシなど
は、触るとひどくかぶれること
があります。素手で触らない
こと。
【ノイバラやススキの仲間 】
ノイバラやキイチゴの仲間は
トゲのあるものが多い。また、
ススキなどのイネ科植物では
葉の縁で手を切ることもあり
ます。
ツタウルシ
ノイバラ
応急方法
【ハチ類】
抗ヒスタミン剤含有の軟膏を塗ったり、冷水で冷やします。インセクト
ポイズンリムーバーで毒を吸い出すのも効果的です。アレルギー体
質の場合もあるので、刺されたら迅速に手当てをして、涼しい日陰で
安静にします。万一、発疹や悪寒、貧血、めまい等の症状が出た場
合には、速やかに病院へ行きましょう。
【マムシ】
冷やす、しばるといった方法は適さないといわれています。毒の回り
は遅いので、あわてず落ち着いて病院へ行きましょう。
【ケムシ類】
トゲが残っていることもあるので、水で洗い流した後、抗ヒスタミン剤
含有の軟膏を塗ります。
【ウルシ類】
1~数日後にかぶれの症状が出るので、症状が出たらまず病院へ行
きましょう。
【ノイバラやススキの仲間】
トゲが残っているようなら、ピンセット等で抜き取ります。深い傷には
ならないので、局部を洗浄した後ばんそうこうで手当てをします
インセクトポイズンリムーバー
道具の基本的な使い方
今回はノコギリの使い方を紹介します。
【 細い枝を切る 】
細い枝などを切る際は、片手でノコギ
リを持ち、残る片手で切る対象物を支
える。このとき、枝の根元から切ること。
太い木などを切る際は、両手でしっか
りノコギリを支えます。
【 引くときに力を入れる 】
ノコギリは、引くときに切れるように
なっています。引くときは力を入れ、押
すときは力を抜き、リズミカルに動かし
ましょう。また、木の繊維の方向と直
角になるように切るようにしましょう。
道具の基本的な使い方
今回はノコギリの使い方を紹介します。
【 木にかかる加重とノコの入れ方 】
荷重がかかっている方向からノコギリを少し入れ、反対側から切るようにすると
切り口がふさがって刃がはさまることがありません。倒れた木を切る場合など、
接地状態によって荷重に配慮する必要があります。これは、荷重のかかった木
や枝を切ると、突然動き出すことがあるためです。
安全な作業
【枝打ち】
スギやヒノキなどの人工林では、節のない優れた木材を生産するために枝を切り落
とします。気象害や病虫害を防いだり、木の肥大成長をコントロールする効果もあり
ます。雑木林では、林内を明るくする目的で枝を切り落とすことも多くあります。初心
者はナタを使わずノコギリで作業するようにしましょう。
【 正しい姿勢で 】
【 高所作業時の注意 】
枝を切り落とす際は、切る位置より
も上部の枝や幹を左手(ノコギリを
持っていない方の手)で支え、安定
した姿勢で作業しましょう。
はしごに登って作業する際は、
はしごが倒れないよう、しっかり
固定しましょう。また、転落防止
の安全帯を着用しましょう。
安全な作業
【伐木(立木を切る前に)】
立木を切る作業は、森林ボランティアの作業の中で最も危険を伴う作業のひとつで
す。切る人自身はもちろん、周囲の安全にも十分配慮することが必要です。また、周
囲で木を切っている時は、作業を中止して安全な場所へ待避しましょう。
切る人の注意点
【周囲への合図 】
最初に、周囲の安全を確認することが
大切です。作業の支障となる周囲の
障害物を除去するとともに、大声を出
したり笛を用いて周囲の人に木を切る
ことを知らせましょう。
安全な作業
【伐木(立木を切る前に)】
【広葉樹】
広葉樹の場合、幹が分かれたり曲がっているなど、
重心が偏っていることが多いため、思わぬ方向へ
倒れたり幹が裂けてはね上がるなどの大きな危険
を伴います。特に、枝が張り出した太い広葉樹は、
経験を積んだ人が切るようにしましょう。
【受け口と追い口】
倒す方向を決めた上で「受け口」「追い口」の順に
切ると、倒す方向が確実となります。立木の重心
が偏っている場合は、ロープやくさびを使用します。
安全な作業
【伐木(立木を切る前に)】
周りの人の注意
【遠くに退避】
周囲の人は、作業ポイントからできるだけ遠く
に待避すること。切ろうとする木の樹高に対し、
その1.5倍の距離のスペースが危険区域とさ
れています。また、切り倒した木が滑り落ちた
り、石などが転がり落ちる恐れもあるため、斜
面の下側には立ち入らないこと。
伐採の手順
①かかり木対策を行う。
(梯子を使いロープを結ぶ)
②伐倒方向を決める。
③受け口を切る。
④追い口を切る。
【大活躍のロープ】
木を切り倒す際に思わぬ方向へ倒れることもあるので、ロープを使うとより安全
に作業できます。まず、倒す木の高い位置にロープをかけ、倒したい方向へ立っ
ている木にロープを回します。木を切る人の合図でロープを引き、木が倒れ始め
たら手を離します。これは、倒れて滑り落ちる木に引きずられないためです。
安全な作業
【伐木・造材・運搬(立木を切るとき・切った後)】
必ず周囲の安全を確認してから、木を切り倒します。このとき、ほかの木などに引っ
かかってしまったり、不安定な状態で倒れていることも多いため、その後の作業にも
細心の注意が必要です。
【切り倒す方向 】
切り倒す方向は、一般的に
横方向といわれます。上方
では倒すのが難しく、下方で
は倒れた際に勢いよく落ち
ることがあって危険な上、倒
れた際に木が傷むこともあ
ります。
安全な作業
【伐木・造材・運搬(立木を切るとき・切った後)】
【かかり木に注意 】
木を切っても、ほかの木などに引っか
かって地面まで倒れないことがありま
す。この状態を「かかり木」といい、不
安定で危険な状態です。かかり木の処
理には大きな危険を伴う(プロでも死
亡事故が多い)ため、初心者が安易に
作業すべきではありません。熟練した
人に頼みましょう。
(事例)
かかられている木を伐倒、かかっている木が落下し叩かれた
原因
○かかり木になっている
場合にかかられている
木の伐倒を行ったこと。
○伐倒前に伐倒木や隣
接木の状況等を十分把
握していなかったこと。
○つるがらみ木のつる
を事前に切り離してお
かなかったこと。
ヒノキを伐倒したところ、伐倒木につるがからまっていたため、伐倒方向がくるい、下側
のヒンキにかかり木になったので、かかられている木を伐倒したところ、かかっている木
が突然落下して、作業者の頭部に激突した。
出典:林野庁HPより抜粋
http://www.rinya.maff.go.jp/j/routai/anzen/sann.html
(事例)
伐倒方向が変わり、斜め下方で待避中の同僚に当たった
原因
○待避場所が近
かったこと
○伐倒の合図をしな
いまま、立木を伐倒
したこと。
○受け口が小さく、
伐倒技術が未熟で
あったこと。
林道開設工事に伴う支障木の伐倒作業中、スギ立木を伐倒したところ伐倒方向が変わ
り、既に作業が終わり、斜め下方に待避して伐倒作業が終わるのを待っていた同僚の
頭部に激突した。
出典:林野庁HPより抜粋
http://www.rinya.maff.go.jp/j/routai/anzen/sann.html
(事例)
他の作業者が玉切った丸太が、上方から落下して当たった。
原因
○傾斜地の同一斜
面の上下で玉切り
作業を行ったこと。
○材の転落防止措
置をしないまま玉切
り作業を行ったこと。
○合図をせず、他の
作業者の待避を確
認しないまま作業を
行ったこと。
傾斜約30度の斜面で、スギの伐倒木を玉切り作業中、上方で他の作業者が玉切りした
材が突然落下してきて、作業者の背中にあたり、玉切り中の丸太との間に挟まれた。
出典:林野庁HPより抜粋
http://www.rinya.maff.go.jp/j/routai/anzen/sann.html
安全な作業
【伐木・造材・運搬(立木を切るとき・切った後)】
【切った人も退避する 】
木が倒れる際に元口(幹の
根元)がはね返るなどの危
険を伴うため、ある程度追い
口を切ったら切る人も退避し、
ロープで引き倒しましょう。遅
くとも追い口を切り始める時
には、忘れずに周囲へ伐倒
の合図をしましょう。
安全な作業
【伐木・造材・運搬(立木を切るとき・切った後)】
【造材での注意 】
造材とは、切り倒した木の枝を払ったり、適当な長さに幹を切る作業で
す。木が突然動き出すこともあるので、重心や地面との接点など、木の
状態をみながら慎重に作業しましょう。必要に応じて、杭やロープで木
を固定することが望ましい。
【気をつけたい例 】
図のような場合は判断が難しいので、
ロープで固定したり、落ちないように
支えを用いるなど、傾斜の向きや地面
の状況などに応じて処置をする。ただ
し、初心者には判断が難しいので、熟
練した人に頼みましょう。
安全な作業
【伐木・造材・運搬(立木を切るとき・切った後)】
【運搬での注意 】
丸太は見かけによらず重量があります。
無理をして腰を痛めたり、転倒して丸
太を落とすことのないようにしたいもの
です。 大人数で運ばずに、山側に立ち、
1人もしくは2人で運ぶことが望ましい。
運ぶ人数が多いと、逆に危険な場合
があります。2人で運ぶときは、丸太の
左右の同じ側を持つこと。また、ロープ
などを使って離れた位置から動かすこ
とが、最も安全です。
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